大 阪 光 の 饗 宴 の 経 済 効 果 調 査 報 告 書 ( 概 要 版 ) 2016 年 3 月
1. はじめに 大 阪 光 の 饗 宴 実 行 委 員 会 は 大 阪 の 都 市 ブランドの 向 上 観 光 誘 客 促 進 ならびに 経 済 活 性 化 をめざし 2015 年 度 においても 2014 年 度 に 引 き 続 き OSAKA 光 のルネサンス 及 び 御 堂 筋 イルミネーション をコアプログラムとし 今 年 度 から 大 阪 府 域 に 拡 大 された 15 団 体 18 のエリアプログラムと 一 体 的 に 大 阪 光 の 饗 宴 として 開 催 することとした 本 業 務 は 大 阪 光 の 饗 宴 の 経 済 効 果 について 調 査 分 析 することにより 今 年 度 の 事 業 の 評 価 と 今 後 より 一 層 大 きな 経 済 効 果 の 創 出 に 資 するものとする なお 本 調 査 における 分 析 方 法 は 2014 年 度 に 引 き 続 き 2012 年 度 にとりまとめられた OSAKA 光 のルネサンス 2012 の 経 済 効 果 調 査 報 告 書 1 ( 以 下 2012 年 度 調 査 とする)を 基 本 としている 2. web アンケートの 実 施 web アンケートによって 来 場 者 の 消 費 額 を 把 握 することとした 2 1.スクリーニング 調 査 調 査 票 タイトル :くらしに 関 するアンケート 調 査 方 法 :インターネットリサーチ 商 品 種 別 :Screening 実 施 期 間 :2015 年 12 月 25 日 ( 金 )~2015 年 12 月 29 日 ( 火 ) 調 査 数 :マクロミルのモニタ 会 員 計 50,000 人 2. 本 調 査 調 査 票 タイトル : 大 阪 光 の 饗 宴 2015 に 関 するアンケート 調 査 方 法 :インターネットリサーチ 商 品 種 別 :Quick 実 施 期 間 :2015 年 12 月 28 日 ( 月 )~2016 年 1 月 12 日 ( 火 ) 調 査 数 :マクロミルのモニタ 会 員 を 対 象 に 計 1,466 人 1 2 荒 木 長 照 田 口 順 等 OSAKA 光 のルネサンス2012の 経 済 効 果 調 査 報 告 書 (2013 年 3 月 8 日 ) 経 済 効 果 算 出 に 必 要 となる 来 場 者 の 消 費 額 消 費 の 代 替 性 機 会 費 用 算 出 にかかる 設 問 について 2012 年 度 調 査 にて 実 施 されたアンケートの 設 問 を 採 用 した 1
3. 直 接 効 果 の 推 計 3.1 直 接 効 果 ( 従 来 型 基 本 ) 来 場 者 数 消 費 単 価 開 催 事 業 費 をもとに 大 阪 光 の 饗 宴 の 直 接 効 果 を 計 算 したとこ ろ 大 阪 府 内 :335 億 円 大 阪 市 内 :315 億 円 となった( 表 3-1) 表 3-1 直 接 効 果 ( 従 来 型 基 本 ) 産 業 部 門 大 阪 府 内 大 阪 市 内 消 費 額 事 業 費 合 計 消 費 額 事 業 費 合 計 農 林 水 産 業 1,169 0 1,169 1,056 0 1,056 飲 食 料 品 2,901,626 0 2,901,626 2,715,680 0 2,715,680 繊 維 製 品 5,972,766 0 5,972,766 5,616,535 0 5,616,535 パルプ 紙 木 製 品 52,429 0 52,429 51,730 0 51,730 化 学 製 品 135,835 0 135,835 125,835 0 125,835 石 油 石 炭 製 品 3,024 0 3,024 2,734 0 2,734 電 気 機 械 288,018 35,850 323,868 269,345 30,933 300,278 電 子 部 品 22,057 0 22,057 21,763 0 21,763 その 他 の 製 造 工 業 製 品 3,799,230 0 3,799,230 3,613,739 0 3,613,739 商 業 2,549,460 18,834 2,568,294 2,404,879 16,476 2,421,355 金 融 保 険 0 308 308 0 266 266 運 輸 4,276,503 4,059 4,280,561 4,057,858 3,547 4,061,406 その 他 の 公 共 サービス 0 4,266 4,266 0 4,266 4,266 対 事 業 所 サービス 0 708,422 708,422 0 619,570 619,570 対 個 人 サービス 12,688,330 1,028 12,689,358 11,972,838 1,028 11,973,866 合 計 32,690,446 772,767 33,463,213 30,853,993 676,087 31,530,080 3.2 直 接 効 果 ( 実 質 効 果 ) 消 費 の 代 替 性 及 び 機 会 費 用 を 考 慮 した 実 質 的 な 直 接 効 果 (イベントの 実 質 効 果 )は 大 阪 府 内 :188 億 円 大 阪 市 内 :187 億 円 となった ( 表 3-2) 表 3-2 直 接 効 果 (イベントの 実 質 効 果 ) 産 業 部 門 大 阪 府 内 大 阪 市 内 農 林 水 産 業 595 538 飲 食 料 品 1,576,826 1,546,994 繊 維 製 品 3,273,993 3,244,714 パルプ 紙 木 製 品 31,323 34,007 化 学 製 品 72,438 69,473 石 油 石 炭 製 品 1,541 1,393 電 気 機 械 192,138 183,999 電 子 部 品 13,177 14,306 その 他 の 製 造 工 業 製 品 2,126,300 2,157,466 商 業 1,424,284 1,418,485 金 融 保 険 308 266 運 輸 2,386,990 2,409,627 その 他 の 公 共 サービス 4,266 4,266 対 事 業 所 サービス 708,422 619,570 対 個 人 サービス 7,000,099 6,987,894 合 計 18,812,701 18,693,000 2
4. 経 済 波 及 効 果 税 収 の 計 算 結 果 大 阪 光 の 饗 宴 の 経 済 波 及 効 果 を 計 算 したところ 次 の 通 りとなった( 表 4-1) 従 来 型 基 本 の 直 接 効 果 での 大 阪 光 の 饗 宴 全 体 の 経 済 波 及 効 果 について 来 場 者 の 消 費 と 開 催 事 業 費 を 合 計 した 直 接 効 果 は 大 阪 府 内 ( 大 阪 市 内 分 を 含 む 以 下 同 様 ):335 億 円 大 阪 市 内 :315 億 円 となる 経 済 波 及 効 果 を 計 算 すると 経 済 波 及 効 果 ( 生 産 額 )が 大 阪 府 内 :543 億 円 大 阪 市 内 481 億 円 となる GRP に 換 算 した 粗 付 加 価 値 額 は 大 阪 府 内 :288 億 円 大 阪 市 内 :266 億 円 となり この 値 が 生 産 額 に 含 まれる 重 複 分 を 除 いて 大 阪 府 内 大 阪 市 内 に 残 った 付 加 価 値 の とな る 最 後 に 大 阪 府 と 大 阪 市 の 税 収 は 8.5 億 円 となる 消 費 の 代 替 性 や 機 会 費 用 を 考 慮 した 大 阪 光 の 饗 宴 開 催 による 実 質 的 な 効 果 は 粗 付 加 価 値 額 で 大 阪 府 内 :162 億 円 大 阪 市 内 :158 億 円 となり 税 収 の 増 加 は 大 阪 府 市 合 わせ て 4.9 億 円 となる 表 4-1 経 済 波 及 効 果 及 び 税 収 の 推 計 結 果 [ 経 済 波 及 効 果 推 計 値 ] 大 阪 府 産 業 連 関 表 による 推 計 値 ( 大 阪 府 域 内 への 効 果 ) 経 済 波 及 効 果 推 計 従 来 型 基 本 実 質 効 果 経 済 波 及 効 果 直 接 効 果 33,463,213 18,812,701 1 次 波 及 効 果 11,866,503 6,700,711 2 次 波 及 効 果 8,950,690 5,046,867 合 計 54,280,406 30,560,279 粗 付 加 価 値 誘 発 額 28,795,083 16,246,373 大 阪 市 産 業 連 関 表 による 推 計 値 ( 大 阪 市 域 内 への 効 果 ) 経 済 波 及 効 果 推 計 従 来 型 基 本 実 質 効 果 経 済 波 及 効 果 直 接 効 果 31,530,080 18,693,000 1 次 波 及 効 果 8,486,561 5,064,332 2 次 波 及 効 果 8,062,420 4,795,828 合 計 48,079,062 28,553,160 粗 付 加 価 値 誘 発 額 26,565,483 15,812,671 [ 税 収 推 計 値 ] 税 収 推 計 従 来 型 基 本 実 質 効 果 税 収 推 計 値 国 税 2,113,662 1,192,542 府 税 497,081 280,456 市 税 349,994 208,328 合 計 2,960,736 1,681,326 ( 参 考 ) 間 接 税 2,596,416 1,453,112 3
5. 事 業 の 政 策 評 価 前 章 で 整 理 した 経 済 波 及 効 果 またアンケートで 得 られた 来 場 者 意 識 への 影 響 等 を 踏 まえ 大 阪 光 の 饗 宴 の 経 済 評 価 3 を 行 う 5.1 事 業 費 と 誘 発 された 付 加 価 値 の 比 較 大 阪 光 の 饗 宴 による GRP ベースでの 経 済 波 及 効 果 は 実 質 効 果 として 大 阪 府 内 :162 億 円 大 阪 市 内 :158 億 円 が 生 み 出 された 同 イベントにかかる 事 業 費 ( 大 阪 府 内 :7.7 億 円 大 阪 市 内 :6.8 億 円 )に 対 する 倍 率 をみると 大 阪 府 内 で 約 21.0 倍 大 阪 市 内 で 約 23.4 倍 の 付 加 価 値 が 生 み 出 されたこととなる( 表 5-1) 表 5-1 粗 付 加 価 値 誘 発 額 及 び 事 業 費 に 対 する 倍 率 [ 大 阪 府 産 業 連 関 表 による 推 計 値 ] [ 大 阪 市 産 業 連 関 表 による 推 計 値 ] ( 千 円 倍 ) ( 千 円 倍 ) 粗 付 加 価 値 誘 発 額 16,246,373 イベント 事 業 費 772,767 付 加 価 値 / 事 業 費 21.0 粗 付 加 価 値 誘 発 額 15,812,671 イベント 事 業 費 676,087 付 加 価 値 / 事 業 費 23.4 5.2 雇 用 環 境 への 影 響 大 阪 光 の 饗 宴 による GRP ベースでの 実 質 効 果 として 実 質 効 果 として 大 阪 府 内 :162 億 円 大 阪 市 内 :158 億 円 が 生 み 出 されたが このうち 雇 用 者 所 得 は 大 阪 府 内 :83 億 円 大 阪 市 内 :77 億 円 と 計 算 される この 産 業 部 門 別 に 推 計 される 雇 用 者 所 得 について 1 人 あた り 雇 用 者 所 得 ( 産 業 部 門 別 大 阪 府 で 整 理 されている 雇 用 表 )で 除 することによって イベ ント 開 催 期 間 (50 日 間 ) 継 続 した 雇 用 として 大 阪 府 内 では 18,371 人 分 大 阪 市 内 では 17,502 人 分 の 雇 用 4 が 生 み 出 されたことが 分 かる( 表 5-2) 表 5-2 粗 付 加 価 値 誘 発 額 雇 用 者 所 得 誘 発 額 雇 用 者 誘 発 数 [ 大 阪 府 産 業 連 関 表 による 推 計 値 ] [ 大 阪 市 産 業 連 関 表 による 推 計 値 ] ( 千 円 人 ) ( 千 円 人 ) 粗 付 加 価 値 誘 発 額 16,246,373 雇 用 者 所 得 誘 発 額 8,263,063 雇 用 者 誘 発 数 (50 日 ) 18,371 粗 付 加 価 値 誘 発 額 15,812,671 雇 用 者 所 得 誘 発 額 7,698,952 雇 用 者 誘 発 数 (50 日 ) 17,502 3 政 策 評 価 では 評 価 対 象 となる 政 策 の 目 的 が 達 成 されたかどうかを アウトカム( 政 策 / 事 業 実 施 によって 発 生 する 効 果 )ベースで 評 価 する 方 法 もあるが 大 阪 光 の 饗 宴 の 目 的 として 官 民 が 一 体 となり 大 阪 の 都 市 ブランド 向 上 と 共 に 国 内 外 の 誘 客 を 図 る と 謳 われていること 官 民 協 働 によるイベントという ことも 踏 まえ 地 域 経 済 への 影 響 を 中 心 に 評 価 する 4 雇 用 者 誘 発 数 は 生 産 効 率 の 向 上 や 時 間 外 労 働 の 発 生 を 考 慮 せず 生 産 額 の 増 加 に 比 例 して 労 働 力 への 需 要 が 高 まり 新 規 の 雇 用 が 誘 発 される という 仮 定 のもとで 算 出 したものである 実 際 には 時 間 外 労 働 な どで 対 応 することなどにより 雇 用 の 創 出 が 抑 制 されるケースが 出 てくる 4
5.3 大 阪 光 の 饗 宴 による 来 場 者 意 識 への 影 響 本 調 査 で 実 施 したアンケートでは 来 場 者 に 対 して 大 阪 のイメージや 今 後 の 大 阪 への 訪 問 意 向 などについて 設 問 を 設 けた ここでは 回 答 者 を 大 阪 府 内 居 住 者 と 大 阪 府 外 居 住 者 に 分 けて 整 理 した 今 年 のようなイベントが 来 年 も 開 催 されたら また 参 加 したい については 大 阪 府 内 大 阪 府 外 居 住 者 ともに 約 9 割 の 回 答 者 が 肯 定 的 な 意 見 ( 大 いにあてはまる あ てはまる のいずれかを 回 答 )であった リピーターを 増 やしていくこと また 来 てみた い と 感 じてもらうことが 継 続 的 なイベント 開 催 に 必 要 な 要 素 の1つであると 考 えられる が 大 阪 光 の 饗 宴 は この 要 素 を 高 い 水 準 で 満 たしているものと 捉 えられる これまで 中 之 島 御 堂 筋 梅 田 難 波 等 個 別 で PR していたが 光 の 饗 宴 で 大 阪 一 体 として PR することで イベントへの 関 心 が 高 まり わかりやすくなった については 7 割 以 上 の 回 答 者 が 肯 定 的 な 意 見 であった エリアを 大 阪 府 域 ( 大 阪 市 外 )まで 拡 大 し 府 市 一 体 として PR することで 関 心 を 高 めるとともに わかりやすさの 面 でより 強 く 貢 献 した ものと 考 えられる ( 表 5-3) 表 5-3 大 阪 光 の 饗 宴 参 加 による 意 識 への 影 響 ( 抜 粋 ) 今 年 のようなイベントが 来 年 も 開 催 されたら また 参 加 したい 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大 阪 府 外 (N=467) 29% 57% 10% 1% 3% 大 阪 府 (N=999) 31% 57% 7% 1% 4% 全 体 (N=1466) 30% 57% 8% 1% 4% 大 いにあてはまる あてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 分 からない これまで 中 之 島 御 堂 筋 梅 田 難 波 等 個 別 で PR していたが 光 の 饗 宴 で 大 阪 一 体 として PR すること で イベントへの 関 心 が 高 まり わかりやすくなった 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大 阪 府 外 (N=467) 22% 53% 20% 3% 3% 大 阪 府 (N=999) 23% 52% 17% 5% 3% 全 体 (N=1466) 23% 52% 18% 5% 3% 大 いにあてはまる あてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 分 からない 四 捨 五 入 により 個 々の 数 値 と 合 計 が 合 致 しない 場 合 もある 5