ポイント 子 会 社 等 の 債 務 を 肩 代 わりした 場 合 の 税 務 上 のポイントは 以 下 のように 整 理 される 1 一 般 的 には 寄 付 金 として 認 定 される 2 子 会 社 支 援 損 として 損 金 に 算 入 するためには 下 記 の 項 目 を 総 合 的 に 検 討 することになる 以 上 ポイント ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーー 以 下 本 文 特 集 記 事 子 会 社 関 連 会 社 支 援 の 税 務 子 会 社 関 連 会 社 の 債 務 の 肩 代 わり 税 理 2000 年 7 月 号 公 認 会 計 士 税 理 士 渡 辺 俊 之 ポイント 子 会 社 等 の 債 務 を 肩 代 わりした 場 合 の 税 務 上 のポイントは 以 下 のように 整 理 される 1 一 般 的 には 寄 付 金 として 認 定 される 2 子 会 社 支 援 損 として 損 金 に 算 入 するためには 下 記 の 項 目 を 総 合 的 に 検 討 することになる なお 本 稿 作 成 途 中 で 国 税 庁 発 表 の 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 わる 質 疑 応 答 事 例 等 の 全 文 が 掲 載 さ れることになり テーマが 重 複 することとなったため このポイントの 解 説 は 後 添 資 料 に 委 ねることとした 従 って 本 稿 は 子 会 社 関 連 会 社 の 債 務 の 肩 代 わりに 関 する 寄 付 金 認 定 の 従 来 からの 考 えかたの 推 移 と 債 務 の 肩 代 わりの 諸 形 態 についての 検 討 を 加 えることとする はじめに 再 建 型 倒 産 処 理 手 続 きを 定 める 基 本 法 として4 月 に 和 議 法 に 変 わり 民 事 再 生 法 が 施 行 された 又 2000 年 3 月 期 決 算 からは 連 結 会 計 が 重 視 されることで 大 手 企 業 がバブル 期 に 設 立 した 子 会 社 を 整 理 する 動 きが 相 次 いでおり バブル 崩 壊 後 の 処 理 はその 速 度 を 一 段 と 早 めようとしている こうした 子 会 社 等 を 整 理 する 場 合 や 再 建 する 場 合 など 税 務 当 局 と 納 税 者 との 間 で 寄 付 金 か 損 金 かでしばしばトラブルが 発 生 している 本 稿 は 子 会 社 関 連 会 社 の 債 務 の 肩 代 わりに 関 する 寄 付 金 認 定 の 従 来 からの 考 え 方 の 推 移 と 債 務 の 肩 代 わりの 諸 形 態 につ
いての 検 討 を 加 えることとする なお 子 会 社 等 の 債 務 の 肩 代 わりを 行 う 場 合 の 税 務 取 扱 は 99 頁 ( 参 考 資 料 ) 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 等 を 参 照 していただきたい Ⅰ 子 会 社 等 の 債 務 を 肩 代 わりした 場 合 の 法 人 税 法 上 の 取 扱 いについて (1) 一 般 的 取 扱 い 法 人 が 子 会 社 等 の 債 務 を 肩 代 わりしたような 場 合 には 一 般 的 に 次 のような 仕 訳 がなされる ( 親 会 社 仕 訳 ) 寄 付 金 / 借 入 金 ( 子 会 社 仕 訳 ) 借 入 金 / 債 務 免 除 益 営 利 法 人 は 個 人 のような 消 費 生 活 を 営 まず 利 益 の 追 求 を 目 的 として 活 動 している 債 務 の 肩 代 わりのような 無 償 の 行 為 であ っても 営 利 法 人 が 支 出 するものは 事 業 活 動 に 関 連 したものと 当 然 考 える 必 要 がある 債 務 の 肩 代 わりのような 無 償 の 行 為 が 事 業 活 動 として 行 われたものとして 費 用 性 を 認 めるのが 相 当 な 場 合 もあるが 事 業 活 動 として 行 われたものか 否 かを 判 定 する ことは 容 易 でない (2) 寄 付 金 の 損 金 不 算 入 規 定 そこで 法 人 税 法 は 22 条 ( 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 )とは 別 に37 条 ( 寄 付 金 の 損 金 不 算 入 )を 設 け 行 政 的 な 便 宜 及 び 課 税 公 平 の 維 持 の 観 点 から 一 種 の 擬 制 として 統 一 的 な 損 金 算 入 限 度 額 を 設 け その 範 囲 内 の 金 額 は 当 然 に 費 用 性 があるもの として 損 金 算 入 を 認 め それを 超 える 部 分 については 仮 に 何 らかの 事 業 関 連 性 があるとしても 損 金 算 入 を 認 めないものとして いる 子 会 社 等 に 対 する 債 務 の 肩 代 わりも 基 本 的 にこの 考 え 方 によって 判 断 される 又 法 人 税 法 第 37 条 第 6 項 本 文 は 寄 付 金 の 額 について 寄 付 金 拠 出 金 見 舞 金 その 他 いずれの 名 義 をもってするかを 問 わず 内 国 法 人 が 金 銭 その 他 の 資 産 又 は 経 済 的 な 利 益 の 贈 与 又 は 無 償 の 提 供 をした 場 合 における 当 該 金 銭 の 額 若 しくは 金 銭 以 外 の 資 産 のその 贈 与 の 時 における 価 額 又 は 当 該 経 済 的 な 利 益 のその 供 与 の 時 における 価 額 によるものとする と 規 定 している したがって 法 人 が 子 会 社 等 の 他 人 の 債 務 を 肩 代 わりし その 無 償 の 供 与 に 事 業 関 連 性 がない 場 合 には 寄 付 金 の 額 に 該 当 す ることになり 資 本 金 と 資 本 積 立 金 の 合 計 の0.25%と 当 期 の 所 得 金 額 の2.5%との 合 計 額 の1/2を 超 える 部 分 が 損 金 不 算 入 となる のである 従 来 法 人 税 の 執 行 上 伝 統 的 な 民 商 法 重 視 の 立 場 に 立 って 商 法 上 の 株 主 有 限 責 任 の 原 則 をそのまま 援 用 して 親 子 会 社 間 における 課 税 関 係 を 処 理 するという 考 え 方 が 支 配 的 であった しかし 業 績 不 振 の 子 会 社 を 何 とか 再 建 したいと 考 えて 支 援 する 場 合 や 債 務 を 肩 代 わりして 業 績 が 悪 化 した 子 会 社 をやむを 得 ず 解 散 する 場 合 は このような 原 則 的 な 処 理 でよいのかという 疑 問 が 生 じる 解 散 等 を 決 断 する 親 会 社 の 社 長 や 経 営 陣 は 従 業 員 やその 家 族 親 会 社 としての 責 任 を 考 えると 解 散 を 苦 渋 の 想 いで 決 断 す るはずである (3) 昭 和 55 年 5 月 法 人 税 改 正 昭 和 55 年 5 月 の 法 人 税 改 正 により 寄 付 金 の 範 囲 等 に 新 たに 法 人 税 基 本 通 達 9-4-1 9-4-2( 特 集 記 事 後 添 資 料 国 税 庁 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 等 (6) 問 2-3 法 人 税 基 本 通 達 9-4-1 及 び 基 本 通 達 9-4-2の 原 文 掲 載 参 照 )の 取 扱 い が 示 されたのであるが 昭 和 55 年 法 人 税 改 正 以 前 の 株 主 有 限 責 任 論 にもとづく 税 務 当 局 側 の 論 理 展 開 をみてみたい 人 的 構 成 及 び 資 本 の 上 で 密 接 な 関 係 にある 子 会 社 等 を 業 績 不 振 により 解 散 させる 場 合 において 親 会 社 等 が 債 務 を 肩 代 わりす ることについて 事 実 上 拒 否 しがたく 事 業 遂 行 上 有 益 であると 認 められる 場 合 において 寄 付 金 と 認 定 された 事 例 を 紹 介 する 納 税 者 は 商 法 23 条 ( 氏 名 商 号 を 貸 した 者 の 連 帯 責 任 )に 基 づく 連 帯 債 務 者 としての 法 律 上 の 支 払 義 務 があり 道 義 的 責 任 な
いし 信 用 保 持 の 見 地 からこの 債 務 の 肩 代 わりは 有 用 であると 主 張 した 一 方 税 務 当 局 は 伝 統 的 な 株 主 有 限 責 任 論 にもとづき 納 税 者 の 債 務 負 担 行 為 は それが 契 約 に 基 づくものであっても また 道 義 的 責 任 を 果 たすものであったとしても 結 局 は 合 理 的 経 営 を 行 っている 法 人 として 負 う 必 要 のない 負 担 を 敢 えてしたものであり なんら 代 償 も 要 求 しないのであるから このような 負 担 行 為 に 基 づいて 支 出 された 弁 済 金 は 寄 付 金 に 該 当 すると 主 張 した 最 近 の 考 え 方 からすると 強 引 な 主 張 ともいえる 結 果 は 債 務 を 肩 代 わりすることは 事 実 上 拒 否 しがたく 事 業 遂 行 上 有 益 であっ たことは 看 取 できるが 債 務 負 担 行 為 が 無 償 で 事 実 上 求 償 し 得 ないのに 敢 えて 任 意 に 行 ったものであるから 寄 付 金 であると 認 定 した ( 昭 和 39 年 4 月 京 都 地 裁 判 決 ) 今 日 であれば 事 実 上 拒 否 しがたく 事 業 遂 行 上 有 益 であれば 子 会 社 支 援 損 として 損 金 に 算 入 することは 問 題 ないと 考 えられ る このような 納 税 者 と 税 務 当 局 とのトラブルをへて 法 人 税 法 基 本 通 達 9-4-1 及 び9-4-2の 取 扱 いが 明 らかになった 昭 和 55 年 法 人 税 改 正 時 寄 付 金 全 体 についてのトラブルが 直 ちに 解 消 するとは 思 わないが 何 でも 寄 付 金 にするという 行 き 過 ぎ た 執 行 をなくす 趣 旨 である 旨 解 説 している 税 務 当 局 者 もいた (4) 平 成 10 年 6 月 法 人 税 基 本 通 達 改 正 昭 和 55 年 当 時 の 通 達 制 定 時 には 子 会 社 等 の 範 囲 ( 特 集 記 事 後 添 資 料 国 税 庁 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 等 (8) 問 3-1)が 明 らかにされていないため いわゆる 兄 弟 会 社 等 の 関 連 会 社 や 代 表 取 締 役 を 同 じくする 人 的 関 係 を 有 する 会 社 が 子 会 社 等 に 含 まれるのかといった 問 題 があった 更 に 法 人 税 基 本 通 達 9-4-1が 子 会 社 等 を 整 理 ( )する 場 合 の 損 失 負 担 であり 法 人 税 基 本 通 達 9-4-2は 子 会 社 等 を 再 建 ( ) する 場 合 の 支 援 方 法 が 無 利 息 低 利 融 資 である 場 合 のみが 示 され 債 権 放 棄 等 が 含 まれるのかといった 問 題 もあった そこで 子 会 社 等 の 範 囲 が 明 示 され 子 会 社 等 を 再 建 する 場 合 に 債 権 放 棄 等 が 含 まれることが 明 確 になった もともと 昭 和 55 年 の 通 達 制 定 当 時 は 子 会 社 等 を 再 建 する 場 合 にはまず 人 的 支 援 をしたり 低 利 の 資 金 援 助 をするであろうといった 考 え 方 があった ことがうかがえる (5) 平 成 12 年 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 発 表 バブル 崩 壊 後 の 損 失 負 担 や 債 権 放 棄 の 事 例 が 急 増 しているため 再 建 支 援 等 をする 場 合 の 損 失 負 担 等 の 税 務 上 の 取 扱 いにつ いて 事 前 相 談 も 増 加 しているようである 最 近 になって 国 税 庁 が 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 を 発 表 した 平 成 10 年 の 改 正 でかなり わかりやすくなったが それでも 法 人 税 基 本 通 達 9-4-1が 子. 会 社 等 を 整 理 ( )する 場 合 の 損 失 負 担 で 法 人 税 基 本 通 達 9-4-2は 子 会 社 等 を 再 建 ( )する 場 合 の 損 失 負 担 であるため 通 達 を 読 んでいると 整 理 する 場 合 と 再 建 する 場 合 で 何 か 税 務 上 取 扱 いが 違 うのでは 無 いかといった 疑 念 があった 子 会 社 等 を 整 理 することによる 影 響 が 少 なく 整 理 コストも 少 額 であれば 子 会 社 等 の 整 理 を 選 ぶであろうし 親 会 社 等 の 経 営 や 社 会 的 影 響 を 考 慮 すると 支 援 再 建 した 方 が 得 策 であれば 再 建 を 選 ぶことになる またいわゆる 潰 すに 潰 せないといった 子 会 社 も ある 子 会 社 等 を 整 理 又 は 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 が 経 済 合 理 性 を 有 しているかは
を 総 合 的 に 検 討 することになる 詳 しくは 本 特 集 後 添 の< 参 考 資 料 > 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 わる 質 疑 応 答 事 例 等 (99 頁 )を 参 照 されたい なお 支 援 の 方 法 としては 無 利 息 貸 付 低 利 融 資 債 権 放 棄 経 費 負 担 資 金 贈 与 債 務 引 受 などがあり 再 建 又 は 整 理 の 実 体 に 応 じた 方 法 を 採 用 することとなる Ⅱ 債 務 の 肩 代 わり 事 例 特 集 記 事 後 添 資 料 国 税 庁 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 等 とは 違 った 事 例 についていく つか 紹 介 してみたい 債 務 の 肩 代 わりとはかなり 広 い 概 念 でまた 考 え 方 もさまざまであろうが 債 務 をその 同 一 性 を 失 わずに 引 受 人 に 移 転 する 契 約 すなわち 債 務 の 引 受 けや 代 位 弁 済 経 費 などの 未 払 い 債 務 の 負 担 ( 一 種 の 資 金 贈 与 )も 債 務 の 肩 代 わりと 考 えることができ 本 稿 の 場 合 法 人 税 基 本 通 達 9-4-1に 言 う 債 務 の 引 受 けその 他 の 損 失 負 担 とほぼ 同 意 と 考 えていただきたい (1) 営 業 活 動 をすることなく 解 散 する 子 会 社 に 対 する 債 務 の 肩 代 わり たとえば 子 会 社 を 設 立 し 産 業 廃 棄 物 処 理 工 場 を 建 設 する 計 画 をし 工 場 の 建 設 許 可 を 申 請 したところ 地 元 住 民 から 反 対 運 動 が 強 力 に 展 開 され 市 当 局 としてもやむをえないとして 不 許 可 の 決 定 をせざるをえなくなった このため 産 業 廃 棄 物 処 理 工 場 の 建 設 を 断 念 し 営 業 活 動 をすることなく 解 散 した 解 散 に 伴 い 親 会 社 は 子 会 社 の 債 務 の 肩 代 わりをしたのであるが このような 場 合 子 会 社 支 援 損 として 損 金 に 算 入 できるかどうかであるが 解 散 原 因 については 特 に 問 われていないため 会 社 設 立 後 営 業 活 動 をしていない という 理 由 で 否 認 されることはない 考 える (2) 第 2 子 会 社 方 式 による 子 会 社 整 理 の 債 務 の 肩 代 わり 親 会 社 は 業 績 不 振 により 再 建 が 非 常 に 困 難 な 状 況 にある100% 出 資 の 子 会 社 ( 第 1 子 会 社 )を 解 散 し 同 一 地 域 ( 本 店 所 在 地 の 住 所 が 同 一 )に 商 号 も 全 く 同 じ 親 会 社 100% 出 資 の 子 会 社 ( 第 2 子 会 社 )を 設 立 し 事 業 を 引 き 継 がせる 整 理 計 画 を 作 成 した そ してこの 整 理 計 画 において 親 会 社 が 子 会 社 の 債 務 の 肩 代 わりをすることにした 場 合 に その 債 務 の 肩 代 わりによる 損 失 を 子 会 社 支 援 損 として 損 金 算 入 できるかどうかを 検 討 する 形 式 的 には 法 人 格 の 異 なる 第 2 子 会 社 に 営 業 を 譲 渡 するわけであるから 法 人 税 基 本 通 達 9-4-1( 子 会 社 等 を 整 理 する 場 合 の 損 失 負 担 )の 適 用 が 受 けられそうに 思 えるが 第 1 第 2 子 会 社 はともに 親 会 社 100% 出 資 の 子 会 社 で 本 店 商 号 事 業 内 容 ま で 全 く 同 じである このような 場 合 には 第 2 子 会 社 に 営 業 譲 渡 をしても 今 までどおり 親 会 社 が 経 営 権 を 支 配 し 続 けていることになり 第 1 子 会 社 の 解 散 は 形 式 的 なものに 過 ぎないという 見 方 ができる このためよほど 合 理 的 な 理 由 がない 限 り 実 質 的 に 営 業 権 を 譲 渡 したとはいえ ず 寄 付 金 と 認 定 されるであろう (3) 債 務 の 肩 代 わりをした 時 点 で 損 失 処 理 せず 貸 付 金 として 経 理 した 場 合 親 会 社 が 債 務 の 肩 代 わりをした 時 点 では 損 失 処 理 せず ( 親 会 社 の 仕 訳 ) 貸 付 金 ( 子 会 社 ) / 借 入 金 (A 銀 行 ) ( 子 会 社 の 仕 訳 ) 借 入 金 (B 銀 行 ) / 借 入 金 ( 親 会 社 ) と 経 理 をした 場 合 貸 付 金 として 資 産 に 計 上 している 限 り 通 常 の 利 率 で 利 息 計 上 する 必 要 はあるが 税 務 上 特 に 問 題 が 発 生 する ことはない しかし 債 務 の 肩 代 わりをした 時 点 で 回 収 できないことが 明 らかであり 合 理 的 計 画 もないままあえて 肩 代 わりをしたも のであれば 子 会 社 支 援 損 として 損 金 算 入 した 時 点 で 税 務 上 の 問 題 が 発 生 し 回 収 不 能 になろうことが 推 認 できたのに 貸 し 付 け た として 寄 付 金 として 認 定 される 可 能 性 もあろう
(4) 資 本 金 ( 増 資 )に 振 替 え 後 解 散 した 場 合 の 株 式 消 去 損 子 会 社 は 業 況 が 思 わしくなく 債 務 超 過 の 状 態 が 長 期 間 続 いておりこれ 以 上 会 社 の 営 業 を 続 けていても 損 失 が 拡 大 するばかり なので 解 散 させることにした 解 散 に 際 しては 売 掛 債 権 等 の 回 収 に 長 期 間 かかると 予 想 されたので 資 産 負 債 を 第 三 者 に 譲 渡 してから 解 散 の 手 続 きに 入 ることを 考 えた 買 い 手 からは 子 会 社 に 対 する 債 務 の 肩 代 わりによる 貸 付 金 のうち 債 務 超 過 の 額 と 同 額 を 増 資 により 資 本 金 に 振 替 資 産 負 債 同 額 になったところで 無 償 にて 譲 渡 することを 要 求 された 上 記 の 取 引 を 仕 訳 で 示 すと ( 親 会 社 の 仕 訳 ) 有 価 証 券 / 貸 付 金 ( 子 会 社 の 仕 訳 ) 借 入 金 / 資 本 金 となる 買 い 手 の 条 件 を 受 け 入 れ 債 務 の 肩 代 わりをしたのち 資 本 金 に 振 替 えた 分 を 株 式 消 去 損 として 損 金 に 算 入 することにした こ のように 増 資 後 直 ちに 解 散 させることを 予 定 している 場 合 であっても 資 本 金 に 振 替 えた 分 を 株 式 消 去 損 として 損 金 に 算 入 するこ とが 認 められるだろうか 第 3 者 からの 要 請 とか 合 理 的 な 理 由 があれば 上 記 のような 行 為 も 実 質 的 には 親 会 社 が 債 務 の 肩 代 わり による 損 失 部 分 の 負 担 をしたことと 同 様 になるため 損 金 算 入 は 認 められるであろう おわりに 今 現 在 税 務 当 局 が 伝 統 的 な 株 主 有 限 責 任 論 に 基 づいてなんでも 寄 付 金 として 認 定 することは 実 務 上 考 えられないが 支 援 する 親 会 社 にとって 子 会 社 支 援 損 として 損 金 算 入 できるか 寄 付 金 として 課 税 されるかは 再 建 計 画 整 理 計 画 の 作 成 そのものに も 大 きな 影 響 を 及 ぼそう 特 集 記 事 後 添 資 料 国 税 庁 子 会 社 等 を 整 理 再 建 する 場 合 の 損 失 負 担 等 に 係 る 質 疑 応 答 事 例 等 は よくまとまっているので 参 考 にすることができる 最 近 の 新 聞 報 道 によると 大 手 銀 行 16 行 の2000 年 3 月 期 の 不 良 債 権 処 理 が4 兆 6000 億 円 累 計 で50 兆 円 とある 不 良 企 業 向 け 貸 出 金 の 引 当 を 終 えている 銀 行 が 増 えているということで 今 後 は 不 良 債 権 がバランスシートから 落 ちる 最 終 処 理 が 進 むと 考 えら れる 税 務 面 からも 無 税 処 理 が 促 進 されて バブル 経 済 の 実 質 的 終 焉 を 一 刻 も 早 く 迎 え 日 本 経 済 が 実 質 的 に 回 復 基 調 に 向 か うことを 念 ずるものである また 連 結 納 税 制 度 の 導 入 が 確 実 視 されているが これは 株 主 有 限 責 任 論 とは 相 反 する 親 子 会 社 経 済 的 一 体 論 からの 導 入 を 目 指 すものであり 子 会 社 関 連 会 社 間 の 税 務 的 取 扱 いも 変 革 することが 予 想 され 今 後 の 動 向 に 目 が 離 せない