Microsoft Word - 古山2



Similar documents
平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

学校安全の推進に関する計画の取組事例

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

●電力自由化推進法案

小山市保育所整備計画

< F2D819A8B638E968E9197BF82528E968BC68C7689E68F C>

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入


<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

18 国立高等専門学校機構


<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>



<4D F736F F D F93878CA797708F4390B3816A819A95CA8B4C976C8EAE91E682538B4C8DDA97E12E646F6378>

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

答申第585号

新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

長崎市民間建築物耐震化推進事業の概要

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

< F2D A C5817A C495B6817A>

Microsoft Word 第1章 定款.doc

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

2 運 営 状 況 (1) 特 筆 すべき 事 項 ( 地 域 貢 献 の 実 績 取 組 成 果 ) 東 日 本 大 震 災 被 災 者 サポートカード 提 示 者 に 利 用 料 金 の 割 引 サービスを 行 った ま た 夏 の 節 電 家 族 でお 出 かけ 節 電 キャンペーン を 実

「節電に対する生活者の行動・意識

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

総合評価点算定基準(簡易型建築・電気・管工事)

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

Microsoft Word - 交野市産業振興基本計画 doc

個人住民税徴収対策会議

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

16 日本学生支援機構

Taro-学校だより学力調査号.jtd

Taro-条文.jtd

02【発出】280328福島県警察職員男女共同参画推進行動計画(公表版)

定款  変更

スライド 1

文化政策情報システムの運用等

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

m07 北見工業大学 様式①

●幼児教育振興法案

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

スライド 1

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx

(2) 広 島 国 際 学 院 大 学 ( 以 下 大 学 という ) (3) 広 島 国 際 学 院 大 学 自 動 車 短 期 大 学 部 ( 以 下 短 大 という ) (4) 広 島 国 際 学 院 高 等 学 校 ( 以 下 高 校 という ) ( 学 納 金 の 種 類 ) 第 3 条

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

<4D F736F F F696E74202D D382E982B382C68AF1958D8BE090A C98AD682B782E B83678C8B89CA81698CF6955C A2E >

Taro-H19退職金(修正版).jtd

・モニター広告運営事業仕様書

<4D F736F F D A94BD837D836C B4B92F62E646F6378>

公表表紙

<4D F736F F D208C6F D F815B90A BC914F82CC91CE899E8FF38BB582C982C282A282C42E646F63>

スライド 1

一般競争入札について

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

1 正 規 団 員 希 望 者 は 入 団 希 望 日 から1ヶ 月 間 の 仮 団 員 期 間 を 経 て 団 員 となることができる 仮 団 員 期 間 は 団 費 は 発 生 せず 入 団 届 けに 明 記 した 入 団 日 がその 月 の15 日 以 前 ならば 当 月 16 日 以 降 な

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

(Microsoft Word - \220\340\226\276\217\221.doc)

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

47 高 校 講 座 モ オ モ 圏 比 較 危 述 覚 普 第 章 : 活

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

大学と学生第545号ビジネスモデルからみた卒業生就職支援の課題_関西学院大学(澤谷 敏行)-JASSO

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

送 信 局 を 電 気 通 信 事 業 者 に 貸 し 付 けるとともに 電 気 通 信 事 業 者 とあらかじめ 契 約 等 を 締 結 する 必 要 があること なお 既 に 電 気 通 信 事 業 者 において 送 信 局 を 整 備 している 地 域 においては 当 該 設 備 の 整 備

Transcription:

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について 千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について * 古 山 茂 和 * 筒 井 道 広 Shigeto FURUYAMA Michihiro TSUTSUI 要 旨 : 千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 では, 平 成 18 年 8 月 から6 年 間 にわたり, 主 に 夏 季 に 期 間 限 定 でプラネタリウム 上 映 会 を 開 催 している 本 稿 では, 当 館 でプラネタリウム 上 映 会 が 開 催 されるようになった 経 緯 と,これまでの6 年 間 の 上 映 会 の 歩 みを 振 り 返 るとともに, 今 年 度 の 上 映 会 についてレポートする キーワード: 映 像 ホール(サイエンスドーム) 大 平 技 研 メガスター 投 影 星 数 東 日 本 大 震 災 1 はじめに プラネタリウムとは, 惑 星 (Planets)の 運 動 を 再 現 し 映 写 する 装 置 をいう 現 在 では, 惑 星 のみ ならず, 恒 星 を 含 めた 星 空 全 体 とその 運 動 を 再 現 する 装 置 へと 進 化 しており,さらに 投 影 用 スクリ ーンを 含 めた 星 空 を 再 現 するための 施 設 全 体 をプ ラネタリウムと 呼 ぶ 場 合 も 多 い 図 2 国 内 の 現 役 機 の 中 で 最 も 古 いプラネタリウム ( 投 影 能 力 ~6 等 星 ~9000 個 ) ( 画 像 提 供 : 明 石 市 立 天 文 科 学 館 ) 図 1 日 本 で 最 初 に 導 入 されたカールツアイスⅡ( 上 ) と,1940 年 頃 の 海 軍 の 軍 人 対 象 の 上 映 会 の 様 子 ( 下 ) ( 画 像 提 供 : 大 阪 市 立 科 学 館 ) 現 在 日 本 は,アメリカに 次 いで 世 界 第 2 位 のプ ラネタリウム 保 有 国 で, 発 明 国 ドイツを 凌 ぎ, 約 350の 施 設 が 存 在 する 歴 史 的 には, 第 二 次 世 界 大 戦 前 の1937 年 に 大 阪 市 立 電 気 科 学 館 ( 現 在 の 大 阪 市 立 科 学 館 )に 導 入 されたものが 始 まり で( 図 1),1957 年 に 東 京 渋 谷 に 五 島 プラネタ リウムが 開 設 されるまでは 国 内 唯 一 であった ド イツのカール ツァイス イェーナ 社 製 のもので, 北 半 球 用 と 南 半 球 用 とを 併 せた 二 球 式 の 投 影 機 で ある また, 明 石 市 立 天 文 科 学 館 では, 同 タイプ のカールツアイスのプラネタリウム 投 影 機 が19 60 年 から 半 世 紀 以 上 も 経 つ 現 在 も 稼 働 し, 現 役 機 として 投 影 を 続 けている( 図 2) 現 在 のそれは 飛 躍 的 な 発 展 を 遂 げ,デジタルプ ラネタリウムとの 連 動 融 合 が 実 現 し, 質 感 の 豊 かな 音 響 とともに,より 多 彩 なビジュアルを 楽 し むことができるまでに 進 化 してきた( 図 3) * 千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 普 及 課 - 1 -

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 図 3 デジタルプラネタリウム 番 組 銀 河 鉄 道 の 夜 (2011.11/5~11/30 当 館 で 上 映 ) ( 画 像 提 供 :( 有 )KAGAYAスタジオ) 本 館 では, 平 成 18 年 度 (2006 年 )からプ ラネタリウム 上 映 会 を 実 施 している (1) この6 年 間 の 総 観 覧 者 数 は,63,123 人 で,1 日 あ たり914.8 人 が 本 館 のプラネタリウムを 鑑 賞 したことになる 上 映 会 の 開 催 概 要 は 次 の 通 りで ある 会 場 サイエンスドーム( 旧 映 像 ホール) 席 数 280 席 ( 完 全 入 替 え 制 ) 投 影 機 種 メガスターⅡ~スーパーメガスターⅡ 投 影 業 務 委 託 ( 有 ) 大 平 技 研 会 期 5 日 ~20 日 上 映 回 数 5 回 ~6 回 ( 日 ) 上 映 解 説 会 会 期 中 2 回 2 日 間 で 実 施 観 覧 料 入 場 券 の 購 入 時 に, 希 望 する 上 映 会 の 鑑 賞 券 を 発 券 する 入 場 券 には, 展 示 場 の 見 学 と 上 映 会 の 鑑 賞 が 含 まれる *P3を 参 考 2 プラネタリウム 上 映 会 開 催 までの 経 緯 プラネタリウムの 会 場 として 使 用 している 施 設 が 映 像 ホール( 旧 称 )である ( 図 5) そこでは 平 成 6 年 の 開 館 以 来,カナダのアイマックス 社 が 製 造 したオムニマックス 映 像 システムを 導 入 し, 臨 場 感 溢 れる 映 像 と 立 体 感 のある 音 響 を 体 験 するこ とができる 仕 組 みであった スクリーンは 直 径 2 3メートルの 観 客 を 包 み 込 むような 全 天 周 型 で, 観 客 席 は30 度 の 階 段 状 の 傾 斜 があり, 座 席 数 は 約 300 席 である しかし, 入 場 者 の 減 少 と 設 備 維 持 のために 莫 大 な 費 用 がかかることなどもあっ て 平 成 16 年 の3 月 末 をもってその 役 目 を 閉 じた 以 下 に, 映 像 ホールの 仕 様 ( 表 1), 大 型 映 像 の 最 終 年 度 にあたる 平 成 15 年 度 の 上 映 作 品 とその 入 場 者 数 の 内 訳 ( 図 6),およびその 後 の 平 成 16 17 年 度 の 利 用 状 況 について 示 す( 図 7,8) 表 1 映 像 ホール( 現 サイエンスドーム)の 仕 様 建 築 面 積 602m2 (うち 映 像 ホールは 377m2) 座 席 数 296 席 ( 車 椅 子 用 2 席 を 含 む) スクリーン スピッツ 社 (アメリカ) 製 半 球 面 投 影 型 ( 前 傾 30 度 傾 斜 式 球 面 スクリーン) 直 径 23m, 面 積 830m2 ( 実 際 の 投 影 面 積 は 約 83%で 689m2) 表 面 仕 上 げ スピッツスターダスト 反 射 率 0.38 開 口 率 23% 図 4 プラネタリウム 上 映 を 待 つ 観 覧 者 ( 印 の 位 置 に 投 影 機 を 設 置 ) 図 5 サイエンスドーム( 旧 映 像 ホール)の 外 観 -2-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について 森 の 伝 説 グランドキャニオン 海 底 火 山 の 謎 リビングシー ミステリーズオブエジプト エンカウンター3D 向 井 千 秋 のSOSプラネット エベレスト エイリアンアドベンチャー 愛 と 勇 気 の 翼 サンタVS.スノーマン スピード スペシャルエフェクト スペースステーション ヒューマンボディー シャクルトン 奇 跡 の 生 還 上 映 作 品 名 42 42 40 39 36 25 22 21 117 103 87 83 82 75 74 165 0 100 200 富 里 高 ジャズ 演 奏 530 向 井 千 秋 のSOSプラネット 412 10 周 年 コンサート 231 雅 楽 演 奏 会 136 全 科 協 総 会 研 究 大 会 130 市 川 工 業 高 耐 震 講 演 会 130 阪 妻 無 声 映 画 雄 呂 血 100 10 周 年 の 集 い 65 サイエンスシネマ( 年 16 回 ) 64 講 演 会 産 業 活 動 と 環 境 60 イベント 名 0 500 1000 図 7 平 成 16 年 度 のホール 利 用 状 況 図 6 平 成 15 年 度 の 1 回 あたりの 平 均 入 場 者 数 ( 平 成 15 年 度 ) 映 像 ホールへの 年 間 入 場 者 総 数 49,024 人 ( ) 上 映 回 数 1,355 回 ( )1 回 あたりの 平 均 入 場 者 数 36.2 人 ( 充 席 率 12.8%) 平 成 15 年 度 の 料 金 体 系 展 示 場 への 入 場 料 は 無 料 映 像 ホールは 有 料 で, 一 般 610 円 高 大 生 400 円 小 中 生 200 円 参 考 平 成 16 年 度 以 後 の 料 金 体 系 展 示 場 への 入 場 料 一 般 300 円 高 大 生 150 円 ( 通 常 期 間 ) 一 般 500 円 高 大 生 250 円 ( 企 画 展 期 間 ) 中 学 生 以 下 65 歳 以 上 の 方 障 害 者 手 帳 をお 持 ちの 方 およびその 介 護 の 方 は 無 料 映 像 ホール(サイエンスドームと 改 称 ) プラネタリウム 上 映 会 以 外 で 使 用 する 場 合 は, 原 則 無 料 ジャズコンサート 337 科 学 映 画 上 映 会 310 寄 席 相 撲 甚 句 200 ミュージアムコンサート 140 親 子 携 帯 安 全 教 室 137 介 護 福 祉 講 談 115 クレイアニメ 50 サイエンスシネマ( 年 8 回 ) 36 イベント 名 0 200 400 図 8 平 成 17 年 度 のホール 利 用 状 況 図 7,8のように, 大 型 映 像 上 映 が 終 了 してから は, 施 設 ( 映 像 ホール)の 有 効 活 用 を 図 る 目 的 で, 講 演 会, 音 楽 会, 映 画 上 映, 研 究 発 表 会 等 の 広 範 囲 にわたって 利 用 されていることがわかる しか し, 内 容 としてはおよそ 科 学 館 からはかけ 離 れた ものもあり, 稼 働 率 としては 年 間 で 約 10%と 低 調 であった このような 背 景 の 中 で, 平 成 17 年 に 現 代 産 業 科 学 館 の 明 日 を 考 えるフォローアップ 委 員 会 (2) が 立 ち 上 がり, 映 像 ホールのその 後 の 活 用 に ついて 有 識 者 から 意 見 を 聞 き, 参 考 とした その 中 で 出 たものとして, 施 設 としては プラネタリ -3-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) ウム に 適 しているという 結 論 を 得 た そこで 当 時 の 普 及 課 長 を 中 心 としたチームで, 実 施 に 向 け ての 準 備 のスタートを 切 ることとなった 業 者 選 定 にあたっては, 大 平 技 研 をその 候 補 と した 理 由 としては, 大 手 (3) の 五 藤 光 学 研 究 所 やコニカミノルタが 常 設 式 の 機 器 設 置 であったの に 対 し, 大 平 技 研 は 可 動 式 ( 移 動 式 )の 機 器 であ ったことやコスト 面 が 挙 げられる しかし, 何 よ りも 決 定 的 だったことはそのコンセプトの 違 いに あった 従 来 のプラネタリウムは, 季 節 ごとの 星 空 や 星 座 を 投 影 し,その 星 空 にまつわる 話 を 交 え たり, 星 座 絵 を 映 し 出 し,これが 何 座 であるとい う 説 明 をしたりする,いわゆる 天 文 学 習 としての 投 影 が 中 心 であった しかし, 大 平 技 研 のプラネ タリウムはそれらとは 一 線 を 画 し, 投 影 される 星 空 そのものを, 実 在 する 星 空 に 如 何 に 近 づけるか を 求 める 点 にあった 当 時 の 光 学 式 (4) のプラネタリウムの 星 の 投 影 数 は,6~7 等 級 までの 恒 星,およそ6 千 ~3 万 個 を 再 現 するにとどまっていたのに 対 し, 大 平 の 大 胆 な 新 発 想 により,1998 年 に150 万 個 もの 星 を 映 し 出 すMEGASTAR-Iが 産 声 を 上 げた これまでの 実 に100 倍 以 上 である (5) 本 館 で 平 成 18 年 に 上 映 した MEGASTAR-Ⅱタイタン は,500 万 個 という 圧 倒 的 な 投 影 星 数 であった ( 図 10) これは, 下 の 表 2 に 示 すように 天 体 望 遠 鏡 で 見 る 星 空 の 世 界 である 表 2 肉 眼 と 天 体 望 遠 鏡 とによる 見 える 星 の 数 の 違 い 肉 眼 で 見 える 星 の 数 1 等 星 21 個 2 等 星 67 個 3 等 星 190 個 4 等 星 710 個 5 等 星 2000 個 6 等 星 5600 個 天 体 望 遠 鏡 で 見 える 星 の 数 口 径 10cm ~9 等 星 12 万 個 口 径 50cm ~15 等 星 3200 万 個 口 径 2.3M ~20 等 星 7 億 1000 万 個 ( 兵 庫 県 猪 名 川 天 文 台 天 文 情 報 を 基 に 作 成 ) このプラネタリウムの 製 作 者 が 大 平 貴 之 氏 であ る ( 図 9) 小 学 生 の 頃 からプラネタリウムの 自 作 に 取 り 組 み,21 歳 の 大 学 時 代 に,アマチュアで は 例 のないレンズ 投 影 式 プラネタリウム アスト ロライナー の 開 発 に 成 功 する 彼 は 技 術 者 であ って, 表 舞 台 に 立 つことが 苦 手 であったが,20 05 年 のインスタントコーヒーの CM( 違 いのわか る 男 の )に 起 用 され, 世 間 でも 知 られるように なる 当 時 の 普 及 課 長 が 大 平 氏 を 口 説 き 落 として, 本 館 での 上 映 会 が 実 現 することとなった 図 9 プラネタリウムクリエーター 大 平 貴 之 氏 ( 画 像 提 供 : 大 平 技 研 ) 図 10 当 館 に 設 置 されたMEGASTAR-ⅡTitanと 同 性 能 の MEGASTAR-Ⅱcosmosによって 投 影 された 天 の 川 * 赤 く 発 色 しているのがアンタレス(さそり 座 ) ( 日 本 科 学 未 来 館 投 影 星 数 500 万 個 ) ( 画 像 提 供 : 大 平 技 研 ) -4-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について 3 過 去 の 上 映 会 の 変 遷 平 成 18 年 度 会 期 8/16~20 日 (5 日 間 ) 投 影 機 種 メガスターⅡタイタン( 図 11) 番 組 名 サマーナイトミュージアム ( 七 夕 ランデブー) 投 影 星 数 500 万 個 上 映 回 数 6 回 / 日 入 場 料 ( 観 覧 料 ) 一 般 300 円 観 覧 者 数 5,341 人 ( 日 平 均 )1,068 人 特 記 事 項 本 館 での 初 開 催 である 単 独 で 上 映 会 を 実 施 し, 企 画 展 は 開 催 していない また, 開 館 時 間 を 午 後 7 時 30 分 まで 延 長 し, 最 終 上 映 は 午 後 6 時 30 分 ~ 午 後 7 時 までとした 平 成 19 年 度 会 期 12/21~30 日 (10 日 間 ) 投 影 機 種 メガスターⅡタイタン 番 組 名 星 空 の 贈 り 物 企 画 展 示 星 の 降 る 夜 - 大 平 貴 之 の 世 界 と 宇 宙 への 夢 - 投 影 星 数 500 万 個 上 映 回 数 5 回 / 日 入 場 料 一 般 500 円 観 覧 者 数 3,805 人 ( 日 平 均 ) 381 人 特 記 事 項 前 年 度 の 好 評 を 受 け, 連 続 の 開 催 当 初 は 夏 季 の8 月 開 催 を 希 望 したが, 年 末 開 催 と なり, 開 館 期 間 を12 月 30 日 まで 延 長 しての 開 催 となった また, 初 めて 企 画 展 を 同 時 開 催 する とともに, 開 発 者 である 大 平 貴 之 氏 による 上 映 解 説 会 を2 回 実 施 した 平 成 18 年 度 ポスター チラシ 平 成 19 年 度 ポスター チラシ 図 11 MEGASTAR-Ⅱタイタン 平 成 20 年 度 会 期 8/8~17 日 (10 日 間 ) 投 影 機 種 スーパーメガスターⅡ( 図 13) 番 組 名 地 上 最 高 の 星 空 企 画 展 示 宇 宙 への 夢 - 星 空 へのあこがれと 日 本 実 験 棟 きぼう - -5-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 投 影 星 数 2,200 万 個 上 映 回 数 5 回 / 日 入 場 料 一 般 500 円 観 覧 者 数 11,715 人 ( 日 平 均 ) 1,172 人 特 記 事 項 投 影 機 種 が,IPS( 国 際 プラネタリ ウム 協 会 )シカゴ 大 会 で 鮮 烈 デビューしたスーパ ーメガスターⅡへとバージョンアップし, 日 本 初 上 映 となった 投 影 星 数 も2,200 万 個 と 一 気 に4 倍 超 となり, 話 題 となった マスコミで 取 り 上 げられ, 特 に,フジテレビ 系 列 ザ ベストハ ウス123 (6)で 放 映 後 からの 反 響 が 大 きく, 当 館 にも 放 映 直 後 から 電 話 での 問 い 合 わせが 殺 到 し, 徹 夜 組 や 遠 方 からの 来 場 者 もあり, 開 館 前 から 長 蛇 の 列 が 並 ぶ 現 象 が 起 きた ( 図 12) 図 13 SURER MEGASTAR-Ⅱ 平 成 21 年 度 会 期 8/4~23 日 (20 日 間 ) 投 影 機 種 スーパーメガスターⅡ 番 組 名 地 上 最 高 の 星 空 2009 企 画 展 示 もっと 星 が 見 たい - 望 遠 鏡 とスーパープラネタリウム- 投 影 星 数 2,200 万 個 上 映 回 数 5 回 / 日 入 場 料 一 般 500 円 観 覧 者 数 19,170 人 ( 日 平 均 ) 959 人 特 記 事 項 前 年 の 大 好 評 を 受 けて, 会 期 を2 0 日 間 とした この 年 の 企 画 展 は, 開 館 15 周 年 記 念 企 画 展 としての 位 置 付 けであり, 世 界 天 文 年 の 当 年 を 鑑 み, 夏 季 と 秋 季 とをジョイントしての 開 催 とした また,プラネタリウムのメカニズム (7) についての 展 示 もおこなわれた ( 図 14,15) 平 成 20 年 度 ポスター チラシ 図 12 開 館 前 から 入 場 を 待 つ 長 蛇 の 列 -6- 平 成 21 年 度 ポスター チラシ

千葉県立現代産業科学館におけるプラネタリウム上映会について ① 図 15 左の機器を使用して スクリーンに映し出された星座絵 投影機 コニカミノルタ MS-10 6.25 6.25 等星 6000 個 画像提供 和歌山市立こども科学館 平成22年度 会期 8 6 17日 12日間 投影機種 スーパーメガスターⅡ ② 番組名 地上最高の星空を求めて ①七夕ランデブー ②星たちのささやき 企画展示 とびだせ 宇宙へ 投影星数 2 200万個 200万個 上映回数 5回 日 入場料 一般500円 観覧者数 11 690 690人 日平均 特記事項 974 974人 初めて 二番組を上映した これ 二番組を上映した これ は 一般向けと子ども向けとの区別化を図 一般向けと子ども向けとの区別化を図ること を目的とした 今までのアンケート調査に基づき 今までのアンケート調査に基づき ③ より高度なものをという声と より高度なものをという声と 子どもが楽しめる ようなものを上映してほしいという ようなものを上映してほしいという2つの要望へ の対応である 図 14 H21 企画展 もっと星がみたい の展示から また 双眼鏡を用いてプラネタリウムを観ると 双眼鏡を用いてプラネタリウムを観ると 星空を再現する ゾーンにて ①プラネタリウム投影機の展示 いう新企画を導入した 肉眼で見るには識別が困 肉眼で見るには識別が困 ②恒星原版の展示 難な星雲や星団を 双眼鏡で鑑賞するといった 双眼鏡で鑑賞するといった観 ③星座絵原版の展示 測体験である メガスターだからこそ可能とも言 メガスターだからこそ可能とも言 える試みであった 双眼鏡は える試みであった 双眼鏡は 原則として来館者 資料提供 和歌山市立こども科学館 が持参するのだが 事前に 事前に県中央博から10セッ ト借用し 希望者には貸出も行った 希望者には貸出も行った 図 16-7-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 1 2 平 成 22 年 度 ポスター チラシ 図 16 1 双 眼 鏡 を 使 って 見 た 印 が M42 オリ オン 大 星 雲 (4 倍 ) 2 貸 出 用 の 双 眼 鏡 ( 協 力 : 千 葉 県 立 中 央 博 物 館 ) 4 今 年 度 の 上 映 会 を 振 り 返 って 今 年 の 上 映 会 に 向 けての 準 備 は,1 月 末 から 他 館 の 上 映 を 視 察 するところから 始 まった 昨 今, 科 学 館 などの 施 設 の 新 設, 改 修 にはブームと 言 っ て 良 いぐらいにプラネタリウムの 設 置 が 見 られる が,やはりメガスターの 星 空 のクオリティの 高 さ は 際 立 っていることを 実 感 した また, 固 定 ファ ンも 多 く, 本 館 での 夏 季 限 定 の 上 映 会 も 広 く 定 着 してきている このような 状 況 を 踏 まえて,かつ 過 去 の 上 映 会 の 流 れも 参 考 にしながら, 今 年 の 上 映 会 についての 構 想 を 練 り 始 めた その 矢 先 のこ とである 3 月 11 日 に 東 日 本 大 震 災 が 発 生 する 周 知 の 通 り, 地 震 ~ 津 波 といった 過 去 に 類 を 見 な い 大 災 害 となり,また 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 ( 以 下 原 発 と 略 記 )の 事 故 に 伴 う 電 力 不 足 は, 国 内 に 深 刻 な 打 撃 を 与 えた 本 館 も3 月 末 ま では, 計 画 停 電 を 含 め, 臨 時 休 館 の 状 態 にあった その 後,4 月 から 開 館 したが, 節 電 の 影 響 もあっ て, 完 全 復 旧 には 至 らなかった 先 が 読 めない 状 況 下 でのスタートであり, 開 催 そのものが 危 ぶまれたが,8 月 に 開 催 するにあた って 広 報 などの 面 から 逆 算 すると, 番 組 内 容 は, どうしても6 月 上 旬 には 決 定 しなければならない 最 悪 中 止 もあるという 前 提 で 話 を 進 めながらの 準 備 には 苦 しいものがあった しかし, 大 平 技 研 サ イドの 理 解 もあり, 順 調 に 打 ち 合 わせを 重 ねるこ とができた また,それと 同 時 に 館 内 でも 開 催 に 向 けての 準 備 を 進 め, 何 とか 開 催 にこぎつけるこ とができた その 内 容 について 以 下 に 述 べる (1) 番 組 について 昨 年 同 様, 二 本 立 てで 行 う 一 本 は 星 空 をゆっ くりと 眺 めるリラクゼーション 系 の 番 組 (2 星 空 ナイトクルーズ)とする そこには,オーロラや 雪 の 降 るシーンなどを 盛 り 込 み, 子 どもやシニア の 方 まで 幅 広 い 年 代 層 に 受 け 入 れられる 内 容 とし た 問 題 は, 二 本 目 であった 当 初, 子 ども 向 け にとも 考 えたが, 原 発 や 放 射 能 がこれほど 身 近 な 話 題 に 上 る 現 在, 宇 宙 創 生 という 切 り 口 で 見 直 し てみるということも 科 学 館 としての 役 割 の 一 つで はないか そんな 発 想 で,サイエンス 系 番 組 (1 星 のキセキ)(8) に 取 り 組 んだ 番 組 内 には, 元 素 やウラン, 原 子 力 という 単 語 が 登 場 してくる 場 面 がある 時 期 と 内 容 から,デリケートな 感 覚 も あり,また 専 門 用 語 がかなり 出 てくるために 難 解 で 重 たい 内 容 になりがちである それをいかにわ かりやすく 伝 えるか, 子 どもが 見 ても 飽 きないよ うに CGを 効 果 的 に 組 み 入 れるか 等, 試 行 錯 誤 を 重 ねながら 進 めていった もちろん, 科 学 的 な 検 証 も 必 要 であり, 国 立 天 文 台 をはじめ 専 門 機 関 との 連 携 も 図 った ちなみに 番 組 タイトルの キセキ は, 奇 跡 軌 跡 貴 石 輝 石 という 様 々な 意 味 を 込 めて 筆 者 が 名 付 けた 上 映 会 の 時 期 になっても 原 発 の 問 題 は, 事 故 の -8-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について 収 束 には 至 らないどころか, 放 射 性 物 質 の 汚 染 や 除 去 といったことでの 不 安 要 素 が 膨 らみ, 人 々の 間 には 拒 否 反 応 を 示 す 状 態 が 広 がりつつあった そんな 環 境 下 での 上 映 であったために, 鑑 賞 後 の 感 想 も 賛 否 両 論 が 鮮 明 に 表 れた(アンケート 結 果 を 参 照 ) 結 果 として,2の 方 が 観 覧 する 側 からす ると 安 心 して 見 ることができたと 推 測 できる し かし, 本 館 として 初 めてサイエンス 系 番 組 に 取 り 組 んだことは 意 義 有 ることにつながったと 考 える (2) 演 出 について 今 年 の 上 映 会 が,それまでと 大 きく 違 った 点 は 音 楽 であった 1 星 のキセキのテーマ 音 楽 は, Megastar Symphony の 作 曲 者 であるフランス 人 Eric Aron 氏 と, 様 々なプラネタリウム 番 組 の 楽 曲 を 手 掛 ける 清 田 愛 未 氏 とによるオリジナル 楽 曲 を もとにアレンジしたものである 特 に, 上 映 解 説 会 (8/13 14)には,このためにフランス から 来 日 した Eric Aron 氏 が 電 子 ピアノで 生 演 奏 を 奏 で, 星 空 を 眺 めながら 大 平 氏 による 解 説 を 聞 くという 幻 想 的 な 時 間 と 空 間 が 実 現 し, 会 場 全 体 が 感 動 に 包 まれた 大 平 氏 もこの1 星 のキセキの 制 作 にあたっては, 音 楽 が 土 台 にあった( 図 17) と 語 っている 1 図 17 1ステージ 上 の Eric Aron 氏 ( 壇 上 に 電 子 ピアノ) 2 上 映 解 説 会 後 の Eric Aron 氏 と 大 平 氏 3 大 平 氏 と 清 田 愛 未 氏 ( 開 催 前 日 の 内 覧 会 で) ( 画 像 提 供 : 大 平 技 研 ) 2 3 (3) 運 営 について 今 年 の 上 映 会 で, 最 も 神 経 を 使 った 点 は, 安 全 対 策 であった 3 月 以 降, 頻 繁 に 発 生 する 地 震 また, 電 力 事 情 による 計 画 的 なものを 含 めた 停 電 いつ 鳴 るともわからない 携 帯 電 話 への 緊 急 地 震 速 報 などに 対 し, 来 場 者 の 安 全 を 確 保 しながらの 運 営 は,かなりの 高 いハードルとなった さらに, 本 館 が 電 力 の 大 口 需 要 者 の 対 象 だったために, 電 力 の 消 費 量 を 削 減 する 義 務 (9) が 生 じたこともそ れに 追 い 打 ちをかけた これについては 大 平 技 研 に 依 頼 し, 上 映 会 で 使 用 するすべての 機 材 の 消 費 電 力 量 を 総 点 検 し,その 上 で 省 電 力 タイプの 機 材 の 積 極 的 な 使 用 によって, 本 館 の 電 力 使 用 のピー ク 時 でも 範 囲 内 で 収 まるよう 協 力 を 求 めた 安 全 対 策 としてはまず, 考 えられ 得 る 緊 急 事 態 をすべて 洗 い 出 し,さらに 最 悪 の 事 態 を 想 定 し, その 対 策 を 考 えた 地 震, 停 電, 火 災 等 の 災 害 発 生 に 際 しては, 災 害 状 況 の 正 確 な 伝 達, 非 常 口 避 難 経 路 の 確 保, 指 示 誘 導 の 指 揮 系 統 などを 再 確 認 し, 新 たな 安 全 対 策 マニュアルを 策 定 した 特 に, 緊 急 時 の 非 常 口 が( 満 席 の 場 合 は 280 人 ) -9-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 1ヵ 所 に 集 中 しないようにするために, 各 座 席 に 色 シールを 貼 り,その 色 と 非 常 口 ( 計 6ヵ 所 )と を 連 動 させることで 分 散 を 図 った ( 図 18) また,それに 基 づいた 避 難 訓 練 を7 月 に 実 施 し た 上 映 期 間 中 は, 職 員 以 外 のボランティアの 補 助 もあるため, 彼 らにも 声 をかけ 参 加 を 促 した そこでいくつかの 課 題 が 出 たが, 可 能 な 限 り 一 つ 一 つ 対 応 し, 解 決 することに 努 めた 当 然,アナ ウンス 原 稿 も 大 幅 に 刷 新 することとなった また, 災 害 発 生 時 の 来 場 者 の 立 場 になって 物 事 を 考 える ことで, 安 心 感 を 与 える 職 員 の 在 り 方 も 見 えてき たし, 緊 急 事 態 に 備 えての 動 きをシミュレートす ることで, 職 員 にも 自 信 が 出 てきた お 陰 をもっ て, 大 過 なく 上 映 会 を 終 えることができた はじめ, 卓 上 ピンホールタイプから 本 格 的 なアス トロライナーまでのミニ 展 示 である 観 覧 者 が 上 映 会 場 に 入 る 前 に 必 ず 目 にする 位 置 にあり, 興 味 深 く 見 入 っていた ( 図 19) 設 計 図 ( 原 画 ) 1 アストロライナー 高 校 の 文 化 祭 で 出 展 図 18 1 上 映 前 のスクリーンに 非 常 口 の 案 内 表 示 2 各 座 席 と 連 動 した 非 常 口 (2 階 から 青 - 黄 - 赤 の 順 に 表 示 ) 2 (4) 関 連 展 示 について 今 年 もドームギャラリーにおいて, 大 平 氏 のこ れまでのプラネタリウムの 作 品 ( 機 器 )を 展 示 し, 紹 介 した 小 学 生 時 代 に 描 いた 設 計 図 ( 原 画 )を 図 19 ミニ 展 示 メガスターへの 道 (5) 広 報 について 本 館 が 行 う 広 報 としては,ポスター チラシを 例 年 のように 県 教 委 や 市 町 村 教 委 を 経 由 しての 学 校 や 図 書 館, 公 民 館 などの 公 共 施 設 への 配 布 が 中 心 となる 特 に 学 校 へは, 夏 休 みに 入 る 前 に 届 く 必 要 があり, 開 催 が 確 定 し 報 道 発 表 が 行 われたの が6 月 24 日 なので,ぎりぎりまで 待 って 行 った なおポスター チラシには, 万 が 一 に 備 えて, 電 力 事 情 により, 時 間 を 変 更 する 場 合 もある とい う 一 文 も 加 えた 7 月 に 入 ってから,フランス 人 作 曲 家 の Eric Aron 氏 の 来 日 とライブ 上 映 会 につ いての 話 も 持 ち 上 がってきたが, 紙 面 上 で 告 知 す ることは 物 理 的 に 不 可 能 だったため サプライズ ゲスト 登 場 というコピーで, 館 内 のみの 告 知 に した 後 にこの 情 報 はツイッターによって 広 がっ -10-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について ていくことになる 続 いて,マスコミ 関 係 には, 通 常 本 館 で 行 って いる 形 で 報 道 発 表 を 行 った 企 画 展 開 催 前 日 の 内 覧 会 には 新 聞 各 紙 も 取 材 に 訪 れ, 翌 日 以 降 の 紙 面 に 掲 載 された( 東 京, 読 売, 千 葉 日 報, 産 経, 日 本 経 済 ) また, 数 多 くの 地 域 情 報 紙 がこの 企 画 展 上 映 会 を 取 り 上 げ, 紙 媒 体 による 情 報 提 供 は 順 調 に 進 んだ 本 館 の 広 報 での 弱 点 部 門 がテレビ,ラジオであ る この 弱 点 を 大 平 技 研 がカバーしてくれた 筆 者 が 把 握 しているものを 以 下 に 挙 げてみた ( 表 3) いずれも 大 平 技 研 の 手 によるものだが, 番 組 内 等 で 本 館 の 夏 の 企 画 展 とプラネタリウム 上 映 会 につ いてふれ, 館 名, 期 日 などが, 言 葉 やテロップ, 活 字 となって 告 知 された これらによって, 通 常 プラスαの 広 報 が 可 能 になった 表 3 大 平 技 研 によるメディア 告 知 OA メディア 番 組 名 等 発 売 日 TV TV ラジオ ラジオ ラジオ ラジオ 情 報 誌 雑 誌 サ タ デ ー ス コ ー プ 7/16 NEWS21 (BS-TBS) たけしのニッポンのミカ 7/22 タ (テレビ 東 京 系 列 ) RENDEZ-VOUS(ランデヴー) 7/26 (J-WAVE) 中 西 哲 生 の クロノス 内 7/27 (TOKYO-FM) シナプス 内 8/01 8 月 の 早 耳 ニュースコーナー (TOKYO-FM) HOMESTAR presents STARS! 8/05 (InterFM) ジェイヌード 7/21 ( 朝 日 新 聞 出 版 )118 号 日 経 トレンディ 8/04 ( 日 経 BP 社 )9 月 号 その 他,テレビ 東 京,NHK-BSが, 大 平 氏 をタ ーゲットにしたドキュメント 番 組 の 制 作 のため, 本 館 の 上 映 会 での 彼 の 動 きを 追 ってのテレビ 取 材 があった 放 映 そのものは, 会 期 後 の9 月 以 降 に 行 われた (6) 評 価 について 1 入 場 者 統 計 から 12 日 間 の 会 期 中 にプラネタリウムを 観 覧 した 人 数 は, 計 11,402 人 であった 内 訳 は, 有 料 ( 一 般, 高 大 生 )が5,622 人 で, 無 料 ( 中 学 生 以 下,65 歳 以 上 )が5,780 人 とほぼ 半 数 に 分 かれた ( 図 20) 本 館 で 実 施 するイベント は,どうしても 子 どもを 対 象 としたものが 多 くな ってしまうが,プラネタリウム 上 映 会 は65 歳 以 上 を 含 めた 一 般 者 の 割 合 が 高 いイベントの 一 つで あり,この 傾 向 は 導 入 以 来 続 いている 無 料 51% 図 20 観 覧 者 の 内 訳 図 21 会 期 中 の 充 席 率 の 推 移 続 いて, 座 席 の 充 席 率 ( 満 席 280 席 に 対 する 観 覧 者 数 の 割 合 )を 見 てみる 会 期 中 は,1 日 5 回 の 上 映 の 中 で 中 止 となった 回 は 無 く,12 日 間 計 60 回 の 上 映 に 対 して67.9% 67.9%の 充 席 率 であ った (10) 51.8 43.9 66.1 44.7 67.8 69.6 60.1 58.4 有 料 49% 93.2 87.1 93.9 77.9 これを 会 期 の 日 毎 に 表 したのが 図 21 である 会 期 の 前 半 は 低 調 で,50%に 届 かない 日 もあった が, 終 盤 には 盛 り 返 し, 目 標 値 の70%にあと 一 -11-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 息 というところまで 近 づいた 要 因 としては, 終 盤 に 上 映 解 説 会 があったこと,お 盆 休 みと 重 なっ たこと, 口 コミやツイッターなどからの 情 報 が 流 れたことなどが 考 えられる なお 最 低 値 は8/6 ( 土 )の 第 1 回 目, 観 覧 者 数 が82 名 (29.3%) であった また, 満 席 (100%)は 計 60 回 の 上 映 中 11 回 あり,いずれも 終 盤 の5 日 間 に 集 中 している 2 アンケート 調 査 から 観 覧 者 に 上 映 会 終 了 後 にアンケート 調 査 ( 図 22) を 実 施 した ( 有 効 回 答 総 数 1,617) ) その 中 から いくつかの 調 査 項 目 について 着 目 してみた Q.プラネタリウムを 見 たことがありますか? Q. 何 でこの 上 映 会 を 知 りましたか? 以 前 来 館 4% TV 2% ツイッター 3% メルマ ガ 1% ブログ 1% HP 10% ホ スター 10% 口 コミ 12% その 他 * 6% 来 館 14% チラシ 16% 何 で 知 ったか 新 聞 等 21% 他 館 で 見 た 65% 初 めて 見 た 10% 当 館 で 見 た 25% こちらの 予 想 通 り, 新 聞,チラシ,ポスターと いった 紙 媒 体 が 全 体 の 半 数 近 くを 占 めた 情 報 源 として 注 目 すべきは Web サイトからのアクセスの 増 加 である 中 でもHP の 重 要 度 はかなり 高 く, 必 要 事 項 をわかりやすく 提 供 できるように,ホーム ページの 充 実 に 今 後 も 力 を 入 れていかなければと 実 感 した プラネタリウムの 観 覧 経 験 は, 全 体 では9 割 と 多 い ところが, 当 館 で 見 た と 答 えた 人 の 割 合 は4 分 の1と 意 外 と 少 ないことがわかる つまり 4 分 の3の 観 覧 者 は,メガスター(スーパーメガ スター)は 初 めてということになる これはチャンスでもある 初 めてメガスターの 星 空 を 見 た 人 は 少 なからず 感 動 を 覚 えたはずだ デジタル 式 では,プロジェクターの 進 歩 に 伴 い, CG による 表 現 力 は 大 幅 にアップされたが, 恒 星 の 輝 き 方 や 宇 宙 の 暗 黒 部 の 再 現 に 関 しては, 光 学 式 には 遠 く 及 ばない 特 に,メガスターの 投 影 星 数 の 多 さは 圧 巻 である メガスター 以 外 のものしか 見 たことがない 人 にとっても,その 素 晴 らしさが 伝 わったと 考 える もちろん 全 員 がそう 感 じるわ けではないが, 今 後 も 魅 力 ある 上 映 会 を 開 催 する ことによって, また 見 たい と 感 じ,リピーター として 再 び 来 館 してくる 伸 びシロはまだまだある のではないかと 思 われる Q.プラネタリウムを 見 た 感 想 は? がっかり した 5% あまり 良 くなかっ た 5% 良 い 28% 無 回 答 1% たいへん 良 い 61% 約 9 割 の 観 覧 者 が 好 感 を 持 っている 反 面 マイ ナスの 感 想 を 持 った 人 数 も 昨 年 と 比 較 すると 実 数 で 増 加 していることもわかった 追 跡 調 査 をした が, 前 述 の1 星 のキセキの の 影 響 も 若 干 感 じられる ものの,それが 原 因 であると 断 言 するまでには 至 っていない その 他 の 要 因 も 考 えられる -12-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について Q.その 他 ご 意 見 ご 感 想 をお 聞 かせください? ( 自 由 記 述 ) [ 星 空 について] さすがメガスター ものすごく 星 がいっぱいできれい 他 所 にはない 星 の 多 さだった ハワイの 空, 清 里 の 空 を 思 い 出 した あれだけの 星 を 見 たことがない 雪 とオーロラに 感 動 した 星 空 と 音 楽 がマッチしている 被 災 地 でもぜひ 上 映 を 20 年 ぶりにプラネタリウムを 観 たが,これ ほどまでに 進 化 しているとは 驚 いた 星 座 の 解 説 がほしい 星 ばかりで, 子 供 が 飽 きてしまう 選 曲 が 悪 い 音 量 が 大 きい 方 位 の 表 示 がほしい [サイエンス 系 番 組 - 星 のキセキについて] 元 素 の 勉 強 になった テーマがよく, 科 学 の 本 を 読 みたくなった 自 分 たちのふるさとが 星 だとわかった 勇 気 ある 企 画 オクロの 天 然 原 子 炉 には 驚 いた 母 の 思 い 出 とともに 泣 いてしまった 子 どもには 難 しい あれだけの 内 容 を,あの 短 時 間 では 無 理 だ 夏 休 みなのだから, 子 ども 中 心 に 考 えて 地 球 の 誕 生 をプラネタリウムでやる 必 要 が あるのか [ 解 説 会 について] 生 演 奏, 生 解 説 が 最 高 毎 年, 楽 しみにしている 感 動 して 泣 けた 大 平 さんのトークと 人 柄 が 素 敵 想 像 を 超 える 世 界 だった 時 間 が 短 い 通 常 時 との 差 が 大 きすぎる 年 齢 制 限 を( 大 人 限 定 で 良 い) [その 他 ] 安 全 面 を 考 えていて 安 心 した 主 人 が 障 害 者 だが,とても 親 切 な 対 応 だった 展 示 施 設 と 合 わせての500 円 は 安 い 幼 児, 乳 児, 子 どもがうるさい 空 調 が 悪 い( 暑 い, 寒 い) 観 客 のマナーが 悪 い 座 席 が 狭 い 後 ろから 蹴 られる 図 22 上 映 会 鑑 賞 後 のアンケート 記 入 の 様 子 同 じ 事 象 ( 星 空, 音 楽, 解 説, 番 組 内 容 等 )に 対 して, 賛 否 両 面 が 記 述 にも 見 られた 星 座 の 解 説 といった 学 習 投 影 を 求 めてきた 親 子 には 飽 きて しまうかもしれない 一 方 でより 高 度 な 星 空 を 求 めるファンにとっては, 子 ども 向 けにすると 物 足 らない 実 は,この 現 象 はメガスター 導 入 以 来 続 いているものである 二 番 組 を 上 映 するようにな ったのもそのためである また, 回 答 数 としては1 名 であったが, 安 全 面 への 配 慮 があり 安 心 した という 感 想 は, 今 回, 安 全 対 策 に 重 点 を 置 いて 取 り 組 んだ 本 館 としては 嬉 しい 限 りである さらに, 上 映 解 説 会 における 生 演 奏 が 好 評 を 得 たことや, 被 災 地 でもぜひ 上 映 をという 声 もあがったことは,すぐに 大 平 氏 へも 伝 えた ともあれ, 会 期 中 の12 日 間 で 全 60 回 の 上 映 を 中 止 することなく 開 催 できたことが 何 よりもあ りがたかった 関 係 者 のご 理 解 とご 協 力 のお 陰 で あることに 改 めて 感 謝 申 し 上 げたい また, 今 回 出 てきたご 意 見 は 真 摯 に 受 け 止 め, 次 回 の 運 営 に 生 かしていきたい 特 に, 子 どもの 泣 き 声 や 座 席 についての 苦 情 がこれほど 多 いとは 思 わなかった 対 策 を 考 える 必 要 があると 感 じた -13-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 平 成 23 年 度 会 期 8/5~16 日 (12 日 間 ) 投 影 機 種 スーパーメガスターⅡ 番 組 名 今 こそ 地 上 最 高 の 星 空 を 1 星 のキセキ 2 星 空 ナイトクルーズ 企 画 展 示 さぐれ! 月 を 惑 星 を 投 影 星 数 2,200 万 個 上 映 回 数 5 回 / 日 入 場 料 一 般 500 円 観 覧 者 数 11,402 人 ( 日 平 均 ) 952 人 5 おわりに 本 館 でのプラネタリウムの 上 映 会 も, 今 年 度 で 6 回 を 数 える 過 去 の 上 映 会 をポスターで 辿 って みるだけでも 興 味 深 い 参 考 までに,この6 年 間 の 上 映 会 観 覧 者 の 数 値 を 追 ってみた ( 図 23) 20000 10000 5341 11715 19170 3805 11690 11402 1068 0 381 1172 959 974 950 1 日 平 均 総 観 覧 者 数 図 23プラネタリウム 上 映 会 の 観 覧 者 数 の 推 移 平 成 23 年 度 ポスター チラシ 表 裏 会 期 の 日 数 も 異 なるので, 単 純 に 比 較 すること は 難 しいが,19 年 度 (12 月 開 催 )を 除 いては, 1 日 あたり 約 1,000 人 前 後 の 観 覧 者 があり, ここ4 年 間 は 一 開 催 において1 万 人 超 が 本 館 のプ ラネタリウムを 鑑 賞 していることになる この 数 値 は, 本 館 でのサイエンスドームを 使 用 したイベ ントとしては 群 を 抜 いている 同 種 のイベントを 継 続 すると 必 ず 飽 き につながるが, 今 のとこ ろはまだ, 楽 しみに 開 催 を 待 つお 客 様 が 多 いとい うことであろう ただ, 微 減 傾 向 にあることも 気 になる 点 である 今 後 の 課 題 とし, 様 々な 角 度 か らの 調 査 研 究 を 重 ねて,マンネリ 化 にならない ように 工 夫 を 凝 らしたい その 上 で,ぜひ 見 たい と 思 わせるワクワク 感 ドキドキ 感, 他 館 にはない オリジナル 感,そして 見 て 良 かったという 満 足 感 に 浸 れるような 上 映 を 目 ざし 努 力 していきたい 現 在 本 館 では,プラネタリウム 上 映 会 ( 鑑 賞 会 ) だけでの 開 催 はしていない 企 画 展 との 同 時 開 催 を 基 本 に 考 えている この 夏 季 の 企 画 展 は,テー マが 宇 宙 に 限 定 されているため, 過 去 のもの と 重 複 しないような な 内 容 が 求 められる その 上 で, 限 られた 予 算 内 で 調 査 研 究 したものを 展 示 発 -14-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 におけるプラネタリウム 上 映 会 について 表 するという,かなり 厳 しい 条 件 設 定 となる こ の 点 も 今 後 の 課 題 である また 施 設 面 として,1スクリーンのクリーニン グ,2 座 席 の 改 修 が 考 えられる どちらも 高 額 な 経 費 が 見 込 まれるが,いつかは 取 り 組 まなければ ならない 問 題 でもあり,これらを 行 うことで, 入 場 者 の 満 足 度 も 確 実 に 増 すと 予 想 できる 今 後 も 予 算 要 求 を 続 けていきたい 最 後 に,この 研 究 報 告 書 の 作 成 にあたって, 貴 重 な 資 料 を 提 供 していただいた 大 阪 市 立 科 学 館, 明 石 市 立 天 文 科 学 館, 和 歌 山 市 立 こども 科 学 館, ( 有 )KAGAYAスタジオ,そして( 有 ) 大 平 技 研 の 皆 様 に 感 謝 申 し 上 げ, 結 びとしたい 資 料 1 退 場 口 の 掲 示 物 資 料 2 今 年 度 の 上 映 会 の 館 外 道 路 側 のサイン 資 料 3 今 年 度 のアンケート 用 紙 資 料 3 今 年 度 のアンケート 用 紙 前 年 度 のアンケート 結 果 を 館 内 に 掲 示 し 観 覧 者 に 公 開 -15-

千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 研 究 報 告 第 18 号 (2012.3) 註 (1) 夏 季 企 画 展 とタイアップするのは, 平 成 20 年 度 から となる 18 年 度 実 績 から,これほどの 集 客 力 が 期 待 でき るなら 企 画 展 ( 入 場 料 500 円 )を 開 催 し, 同 時 開 催 とし て 位 置 付 ける 方 針 が 出 され,19 年 度 から 実 施 された (た だし 19 年 度 は 12 月 開 催 ) (2) 委 員 としては, 佐 々 木 勝 浩 ( 国 立 科 学 博 物 館 前 理 工 学 研 究 部 長 ), 石 川 清 ( 富 士 総 研 所 長 ), 西 村 寛 ( 京 成 電 鉄 グループ 戦 略 部 長 )らが 名 を 連 ね, 計 14 名 から 構 成 されていた ( ) 内 の 役 職 名 は,いずれも 当 時 のもの (3) 五 藤 光 学 研 究 所 とコニカミノルタプラネタリウムの 国 内 2 社 で, 世 界 シェアの 半 数 を 占 めている (4) 大 別 すると, 電 球 の 光 を 使 って 星 像 を 投 影 するもの が 光 学 式,ビデオプロジェクターを 使 ってドーム 全 面 に 映 像 を 投 影 するものがデジタル 式,その 両 方 を 取 り 入 れ たものがハイブリッド 式 に 分 類 される (5)( 有 ) 大 平 技 研 ホームページより 引 用 (6)2008 年 8 月 13 日 フジテレビ 系 列 オンエア ものすごい 職 人 技 術 プラネタリウムベスト3 (7) 星 空 を 再 現 する というコーナーの 中 で, 和 歌 山 市 立 こども 科 学 館 の 協 力 を 得 て,MS-10(コニカミノルタプ ラネタリウム 製 作 )などを 展 示 し,その 技 術 をわかりや すく 紹 介 した (8)YouTubeで 視 聴 可 能 プラネタリウム メガスター で 検 索 星 のキセキ~ 私 たちのほんとうの 故 郷 プレビュー 画 像 (チャンネル:TakaOhira) 星 のキセキ 番 組 テーマ 曲 (チャンネル:manamaru) (9) 県 をあげて 節 電 に 取 り 組 んだ 大 口 需 要 者 である 当 館 は 前 年 度 のピーク 時 の 電 力 量 に 対 して,25%の 削 減 義 務 が 生 じ, 放 電 実 験 をはじめ, 館 内 の 空 調 やエスカレー ターにもその 影 響 が 及 んだ (10) 日 本 プラネタリウム 白 書 2005 年 版 によると, 200 席 以 上 のプラネタリウム 施 設 での 年 間 平 均 充 席 率 は 約 25%という 数 値 が 出 ている なお その 後 組 織 が 改 編 されたため,2005 年 版 以 降 は, 白 書 という 形 では 発 表 がない 参 考 文 献 千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 平 成 17 年 度 研 究 報 告 第 12 号 本 館 における 大 型 映 像 の 足 跡 と 今 後 上 席 研 究 員 佐 藤 仁 著 (2006.03) 千 葉 県 立 現 代 産 業 科 学 館 平 成 18 年 度 研 究 報 告 第 13 号 博 物 館 施 設 の 多 目 的 利 用 と プラネタリウム 上 映 会 の 意 義 上 席 研 究 員 吉 野 健 一 著 (2007.03) 普 及 課 長 橋 本 勝 雄, 上 席 研 究 員 中 松 満 治 共 著 プラネタリウムを 作 りました 改 訂 版 エクスナレッジ 大 平 貴 之 著 (2010.07) Newton 6 月 号 福 島 原 発 超 巨 大 地 震 (2011) 7 月 号 原 発 と 放 射 能 8 月 号 大 宇 宙 - 前 編 - 9 月 号 大 宇 宙 - 後 編 - Newton 別 冊 大 宇 宙 完 全 版 (2012.01) Newton 別 冊 ハッブル 望 遠 鏡 宇 宙 大 展 望 (2011.12) 月 刊 天 文 ガイド 星 空 ガイド 2011 藤 井 旭 著 (2010.12) 天 文 年 鑑 2011 天 文 年 鑑 編 集 委 員 会 (2010.11) 宇 宙 大 航 海 日 本 の 天 文 学 と 惑 星 探 査 のいま 日 経 サイエンス 別 冊 175(2010.11) 見 えてきた 宇 宙 の 姿 日 経 サイエンス 別 冊 140(2003.04) 日 本 プラネタリウム 白 書 2005 年 版 JPS 日 本 プラネタリウム 協 会 ( 現 JPA 日 本 プラネタリウム 協 議 会 ) -16-