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Ⅱ ホテル 立 地 モデル 本 章 では 集 積 雇 用 および 長 期 滞 在 型 のそれぞれを 考 慮 した3つのモデル を 構 築 する 1. 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 にもとづくホテル 立 地 モデル ここでは 都 心 嗜 好 のホテル 経 営 者 が 都 心 から 発 現 する 空 間 としての 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 を 考 慮 した 場 合 のホテル 立 地 モデルを 考 える まずモデルの 構 築 に 当 たり つぎの 諸 仮 定 が 設 定 される (1) 大 都 市 圏 の 中 心 に 位 置 する 都 心 の 都 市 化 の 集 積 経 済 1 はここに 集 中 してい る それゆえ 旅 行 者 は 都 心 のホテルに 宿 泊 しようとする (2) 都 心 周 辺 から 徐 々に 集 積 が 空 間 的 に 進 み それにより 都 市 化 の 集 積 の 経 済 効 果 は 都 心 部 およびその 周 辺 部 へ 拡 がっていく その 結 果 都 心 に 到 着 し た 旅 行 者 は 必 ずしも 都 心 でなく 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 ( 例 えば 交 通 サー ビスの 改 善 ) が 存 在 する 範 囲 にあるホテルに 宿 泊 するようになる (3) 上 記 の 仮 定 (1) および (2) のもとでホテルの 経 営 者 は 利 潤 を 最 大 化 する ようにホテルの 立 地 点 を 決 める 上 記 の 仮 定 を 踏 まえ 都 心 におけるホテルの 経 営 者 の 利 潤 は (1) ただし はホテル 宿 泊 料 金 2 は 都 心 の 集 積 を 嗜 好 する 宿 泊 者 数 は 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 による 都 心 からの 宿 泊 移 動 者 数 3 は 都 心 部 か らの 距 離 はホテルの 維 持 管 理 費 用 は 地 代 ( 都 心 周 辺 からの 距 離 の 関 数 ) をそれぞれ 示 している ここで 仮 定 (1) および (2) にもとづいて 都 心 からの 移 動 宿 泊 者 に 対 する 都 心 到 着 旅 行 者 の 相 対 比 は 都 心 部 からの 距 離 に 比 例 している ただし であ る また 都 心 は 半 径 1 単 位 の 空 間 を 有 しており 都 心 において は 存 在 しない 2

大 都 市 圏 におけるホテル 立 地 モデル これらを 考 慮 すると 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 に 伴 う 都 心 からの 移 動 宿 泊 者 数 は (2) で 表 される 4 ただし は 都 心 近 辺 からの 距 離 当 たりの 宿 泊 者 移 動 率 ( ) を 示 しており これは 一 種 の 空 間 的 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 5 を 意 味 している ここで (2) 式 を (1) 式 へ 代 入 すると 都 心 宿 泊 者 を 対 象 としたホテル 経 営 者 の 利 潤 は (3) そのホテル 経 営 者 の 空 間 的 利 潤 最 大 化 の1 階 の 条 件 は (4) であることから 地 代 の 傾 きは (5) 式 より がより 高 い 都 市 圏 において が 多 く が 高 く が 低 いホテ ルほど 都 心 に 立 地 する 傾 向 がある さらに 長 期 において ホテル 経 営 者 の 競 争 の 結 果 となり (3) 式 か らホテルの 地 代 は 実 際 ホテル 経 営 者 の 利 潤 は 料 金 維 持 管 理 費 用 を 調 整 される また この モデルを 理 解 し 易 くするために 観 光 ビジネス 都 市 を 考 えよう 都 市 に 到 着 す る 旅 行 者 を 観 光 目 的 の 旅 行 者 とビジネス 目 的 の 旅 行 者 数 (5) (6) に 分 けられるとす るならば 前 者 が 後 者 よりも 大 きいとすると である ちなみに わが 国 における 多 くの 大 都 市 は 城 下 町 がベースであり この 周 辺 に 県 庁 や 市 役 所 など 3

が 立 地 している また その Q 近 くに 主 Q 要 な 鉄 道 駅 が 立 地 しており そこでは 商 店 V 街 が 形 成 されている 例 えば Q Q東 京 名 古 屋 大 阪 などが 該 当 する V そこで 観 光 ホテルの 地 代 およびビジネスホテルの 地 代 は (7) および r ( t) ( P )(1 a) Q ( P aq t (7) V V ) V ここで ホテル r ( t) ( P )(1 料 a) 金 Q や 維 ( P持 管 aq 理 費 t 用 が 両 ホテルにおいて (8) 変 わらないとすれば 6 ) 図 1のように 都 心 部 に 観 光 ホテルその 周 辺 にビジネスホテルが 立 地 される ただし 観 光 資 源 の 周 辺 部 立 地 によってはビジネスホテルが 都 心 6 に 集 中 的 に 立 地 することもある (8) 図 1 6 3 4

大 都 市 圏 におけるホテル 立 地 モデル ちなみに 極 端 ではあるが 都 心 のホテルが 潰 れる 場 合 は を 一 定 とすると そこを 訪 れるすべての 宿 泊 者 が 都 市 から 離 れた 他 のホテルに 宿 泊 することにな る そこで を (2) 式 へ 代 入 すると ホテルが 立 地 する 限 界 地 点 および 宿 泊 者 の 移 動 率 は Q Q Q (2) (9) および a t 1 (9) a (10) a 1 (10) 1 (10) t 式 は 大 都 市 圏 が 拡 大 するにつれて 宿 泊 者 の 移 動 率 が 徐 々に (10) 減 少 することを 示 唆 している これについては の 範 囲 で 図 2に 描 か 1 t 50 2 れている 図 2 2 なお 2. 上 記 モデルは 空 き 室 率 を 考 慮 した 都 市 圏 におけるホテル 立 地 にも 応 用 可 能 である これについては 付 録 を 参 照 せよ, PQ Q r(t) (11) (2) 5 PaQ( t 1) aq( t 1) r( t) (12) 4

2. ホテル 立 地 から 見 る 副 都 心 の 立 地 ここでは 上 記 1のモデルを 用 いて 地 代 は 企 業 の 競 争 力 を 反 映 しているも のとみなし 都 心 の 地 代 と 都 心 以 外 の 地 代 が 等 しいところで 副 都 心 が 決 まるこ とを 仮 定 しよう 非 都 心 に 立 地 するホテル 経 営 者 の 観 点 から, ホテル 経 営 者 の 利 潤 は (11) この (11) 式 に (2) 式 を 代 入 すると (12) さらにホテル 経 営 者 の 利 潤 最 大 化 の 条 件 は から 地 代 関 数 の 傾 きは (13) である 長 期 において ホテル 経 営 者 の 利 潤 が から 地 代 関 数 は (14) である ここで 都 心 と 同 等 の 宿 泊 数 を 有 する 地 点 のホテルが 立 地 している 地 点 を 副 都 心 とすると 都 心 に 到 着 する 旅 行 者 が 増 えている 下 で を (2) 式 へ 代 入 して 整 理 すると 都 心 から 副 都 心 までの 距 離 は (15) (13) 式 からホテルの 地 代 関 数 の 傾 きは 集 積 の 経 済 効 果 としての が 高 い 都 市 圏 ほど 都 心 の 宿 泊 数 が 多 いほど 相 対 的 に 副 都 心 は 都 心 の 近 くに 立 地 する 傾 向 がある これについては 図 3が 示 すように 都 心 の 地 代 を 一 定 とする と 7 相 対 的 に 傾 きの 急 な 地 代 A の 場 合 は 副 都 心 の 立 地 点 は であり 相 対 的 に 傾 きの 緩 い 地 代 の 場 合 は 副 都 心 の 立 地 点 は である 6

(13) a 3 r C 7 A t A t 大 都 市 圏 におけるホテル 立 地 モデル 図 3 3 ちなみに ( CD 東 京 大 都 市 圏 における 都 心 は 東 京 ( ただし CD としては 千 代 田 区 中 央 区 港 区 によって 形 成 ) 副 都 心 はターミナルおよび 交 通 の 結 節 点 として 池 袋 新 宿 渋 谷 である なお 2012 年 7 月 の 都 道 府 県 地 価 調 査 ( 国 土 7 交 通 省 ) によると 商 業 地 価 については 5 東 京 CD で1m2 当 たり34791( 百 円 ) 新 宿 区 で1m2 当 たり32392( 百 円 ) 渋 谷 区 で1m2 当 たり28938( 百 円 ) であるこ とから 都 心 と 副 都 心 の 地 代 にそれほど 大 きな 差 はないと 言 えよう また 副 都 心 との 大 きな 違 いはないが 新 都 心 として 計 画 的 につくられた 幕 張 さ いたま 等 がある 8 一 方 大 阪 の 都 心 は 梅 田 であり 副 都 心 は 天 王 寺 である さらにフランスでは パリ 郊 外 のラ デファンス 地 区 を 副 都 心 として そこで は 都 心 にない 都 市 機 能 がはかられている 9 翻 って 都 心 の 宿 泊 者 数 が 減 少 していくケースでは 長 期 的 には 都 心 は 衰 退 して 新 都 心 の 立 地 点 が または となることがある その 時 の 地 代 関 数 は (14) 式 7

3. アルバイト 従 業 員 を 考 慮 したホテル 立 地 モデル ここでは 単 純 に 人 件 費 節 約 の 観 点 から アルバイト 従 業 員 を 多 く 雇 用 する ホテル 10 の 立 地 モデルを 構 築 する まず モデルの 構 築 に 当 たり つぎの 諸 仮 定 を 設 定 する (1) 旅 行 者 は なるべく 都 心 に 近 い 利 便 性 の 高 いホテルに 宿 泊 しようとする (2) 単 一 中 心 の 都 市 圏 の 都 心 部 にアルバイトとして 就 業 機 会 を 待 つ 人 口 が 集 中 している 11 (3) ホテルのアルバイト 従 業 員 は 宿 泊 者 数 に 比 例 して 雇 用 され 交 通 費 は 距 離 に 応 じて 支 払 われる また アルバイトの 手 当 は 一 律 である ホテル 経 営 者 の 利 潤 は (16) ただし はホテル 宿 泊 料 金 はホテルの 宿 泊 者 数 は 距 離 1 人 当 たり 交 通 費 はホテルアルバイト 従 業 員 の 雇 用 率 12 は 都 心 部 からの 距 離 は1 人 当 たりアルバイト 手 当 をそれぞれ 示 す ホテル 経 営 者 の 空 間 的 利 潤 最 大 化 の1 階 の 条 件 は (17) であり (10) 式 より 地 代 の 傾 きは (18) したがって 相 対 的 に 交 通 費 が 高 く 雇 用 率 が 高 く 宿 泊 者 が 多 いホテルほど 地 代 の 傾 きが 急 になることから 都 心 の 近 くに 立 地 する 傾 向 があ る また 地 方 都 市 では 主 要 駅 の 近 辺 にホテルが 立 地 する 傾 向 は 大 都 市 より も 交 通 費 が 高 いためであることが 伺 える さらに 長 期 においてホテル 経 営 者 の 競 争 の 結 果 らホテルの 地 代 は であり (11) 式 か (19) 8

r ( t) P Q Q cb Q kb Q t (21) A 大 都 市 圏 におけるホテル 立 地 モデル 図 4 ここで. ( ) 相 対 的 に 宿 泊 者 が 多 く ホテル 宿 泊 料 金 が 高 く 維 持 管 理 費 用 が 低 いホテル A および 相 対 的 に 宿 泊 者 が 少 なく ホテル 宿 泊 料 金 が 低 く 維 持 7 管 理 費 用 が 高 いホテル のそれぞれの 地 代 関 数 は (20) および (21) 図 4には 大 都 市 圏 におけるホテル A およびホテル の 立 地 が 描 かれている ちなみに 交 通 費 用 が 低 いところは 集 積 の 経 済 効 果 が 存 在 している 路 線 で あり ホテル はその 路 線 上 に 立 地 していることをも 意 味 している 9

4. 長 期 滞 在 型 ( ロングステイ ) ホテルの 立 地 ここでは 長 期 滞 在 型 のホテルは 低 宿 泊 料 金 で 長 期 のサービスを 提 供 させ ることが 必 要 であるために ホテル 収 入 は 一 定 であり ホテル 従 業 員 の 費 用 を 最 小 にする 地 点 に 立 地 することを 考 えよう つぎの 諸 仮 定 が 設 定 される (1) (1) 大 都 市 圏 の 都 心 部 に 多 くの 人 口 が 就 業 機 会 を 求 めて 集 まっている (2) (2) ホテル 従 業 員 の 費 用 は 交 通 費 と 住 宅 費 用 から 成 る 交 通 費 は 都 心 から 増 加 し 住 宅 費 は 地 代 に 比 例 的 であり 都 心 から 減 少 する 上 記 の 仮 定 を 踏 まえると わが 国 の 大 都 市 圏 では 交 通 費 は 距 離 に 対 して 逓 増 する 傾 向 があり 住 宅 費 は 地 代 に 置 き 換 えると 距 離 に 対 して 逓 減 する 傾 向 に L あることから 総 費 用 を 最 小 にする 立 地 点 は L である( 図 5 参 照 ) すなわち ホテルは 都 心 と 郊 外 の 中 間 に 立 地 することになる 図 5 5 ちなみに Weber の 工 業 立 地 の 説 明 と 同 様 に 交 通 費 用 関 数 および 住 宅 費 用 関 数 Weber が 凸 関 数 の 場 合 は 都 心 か 郊 外 のどちらかか ( 図 6では 郊 外 ) または 両 方 ( ) に 総 費 用 最 小 地 点 が 存 在 する さらに 両 関 数 が 直 線 の 場 合 は 関 数 の 傾 きによっ ては 都 心 か 郊 外 のどちらかに 立 地 することになるか または 同 じ 傾 きの 場 合 は 総 費 用 が 空 間 的 に 一 定 となり 都 心 から 郊 外 にかけてどこでも 立 地 可 能 となる 10

大 都 市 圏 におけるホテル 立 地 モデル (L) 図 6 6 Ⅲ III おわりに 本 研 究 では ホテル 経 営 者 の 利 潤 最 大 化 の 観 点 から 地 代 をベースに 大 都 市 圏 を 対 象 にして 3つ( 付 録 を 入 れると4つ)のホテル 立 地 モデルを 構 築 した まず 空 間 的 な 広 がりを 考 慮 した 集 積 の 経 済 効 果 を 組 み 入 れたホテル 立 地 モデ ルでは 都 心 の 集 積 に 近 いところにホテルを 立 地 しようとする 傾 向 が 見 られ 一 例 として 観 光 目 的 とビジネス 目 的 別 のホテルの 立 地 配 置 について 説 明 した さらに そのモデルから 非 都 心 におけるホテル 立 地 の 考 え 方 を 応 用 することに Weber よって 副 都 心 の 地 点 を 導 くことの 可 能 性 を 指 摘 した そこでは 都 市 化 の 集 積 経 済 効 果 が 高 い 都 市 圏 ほど 都 心 に 近 いところに 副 都 心 が 形 成 されることが 分 かっ た ついでアルバイト 従 業 員 の 雇 用 率 を 組 み 入 れたモデルでは 宿 泊 者 が 多 く 雇 用 率 が 高 いホテルほど 都 心 に 近 くに 立 地 する 傾 向 があることなどが 分 かっ Alonso, W. (1964) Location and Land Use, Harvard University Press. た Hotelling, 最 後 に H. 長 (1929) 期 滞 Stability 在 型 のホテルでは in Competition, Economic Weber の Journal. 工 業 立 地 モデルにおいて 重 要 視 された Isard, 最 W. 小 (1956) 費 用 にもとづいてホテル Location and Space-Economy, 立 地 への The 応 M.I.T.Press 用 可 能 性 ( について 考 察 した 1964) 今 後 は ここでの 理 論 と 現 実 の 立 地 との 関 係 について 分 析 することが 課 題 と McCann, P. (2013) Modern Urban and Regional Economics, Second Edition, Oxford Press. して Thunen, 残 される J. H. (1826) Der Isolated Staat, in eziehung auf Landwirtshaft and Nationalekonomie ( 1974 ) 9 11

付 録 : 空 き 室 を 考 慮 したホテル 立 地 モデル ホテル 経 営 者 の 利 潤 は (1-1) ただし はホテル 宿 泊 料 金 はホテルの 総 室 数 は 空 き 室 数 は 都 心 部 からの 距 離 はホテルの 維 持 管 理 費 用 は 空 き 室 当 たりの 費 用 は 地 代 ( 都 心 周 辺 からの 距 離 の 関 数 ) をそれぞれ 示 している 長 期 においてホテル 経 営 者 の 競 争 の 結 果 となり (1-1) 式 からホテルの 地 代 は (1-2) ここで ホテルの 空 き 室 率 は 都 心 から 離 れるにしたがって 比 例 的 に 増 えるとすると (1-3) ただし は 都 心 のホテルの 空 き 室 率 は 距 離 当 たりの 空 き 室 率 をそれぞれ 示 す (1-3) 式 を (1-2) 式 へ 代 入 して 整 理 すると (1-4) となる ここでモデルの 説 明 を 単 純 化 するために 都 心 のホテルにおいての 空 き 室 率 をゼロ( a = 0 )とすると (1-4) 式 は (1-5) に 書 き 換 えられる (1-5) 式 から 相 対 的 にホテルの 料 金 が 高 く 宿 泊 者 数 が 多 く 距 離 において 空 き 室 率 が 高 い 都 市 圏 にあるホテルは より 都 心 の 近 くに 立 地 する 傾 向 を 示 している 12

大 都 市 圏 におけるホテル 立 地 モデル 注 1 これは 都 市 化 の 集 積 経 済 を 意 味 する これについては Isard(1956 訳 出 pp.192-199) を 参 照 せよ また 文 献 等 については McCann(2013 Chap.2) によって 整 理 されている 2 ここでは 1 人 当 たり1 泊 とした 料 金 である ( 以 下 同 様 ) 3 これについては 集 積 経 済 効 果 は 人 口 や 企 業 が 集 中 立 地 することによって 公 共 料 金 ここ では 交 通 費 の 負 担 が 少 ない 分 都 心 から 離 れたホテルに 泊 まろうとする 宿 泊 者 を 示 す 4 この (2) 式 は 都 心 から 離 れるに 従 って より 新 しく 改 善 された 地 域 環 境 が 促 進 され 都 心 部 周 辺 に 宿 泊 者 数 が 増 加 していくことを 示 唆 している 5 これは 宿 泊 移 動 率 が 空 間 的 に 拡 がって 行 く 都 市 化 の 集 積 経 済 ( 時 間 費 用 および 交 通 費 が 安 くなること ) に 依 存 していることを 意 味 する 6 一 般 的 には 大 都 市 において1 人 当 たりの 宿 泊 代 は 観 光 ホテルの 方 が ビジネスホテルよ りも 高 い 7 これについては 都 心 を 訪 れる 旅 行 者 の 宿 泊 者 数 が 常 に 増 加 している 大 都 市 の 都 心 が 仮 定 されている 8 これについては 高 等 学 校 世 界 地 理 帝 国 書 院 2012 年 p.45 を 参 照 せよ 9 これについては 新 詳 地 理 帝 国 書 院 2013 年 p.294を 参 照 せよ 10 例 えば 結 婚 式 場 やパーティ 会 場 などを 有 するホテルを 示 す 11 この 仮 定 は 例 えば 東 京 都 心 部 には 多 くの 大 学 が 集 中 しており 観 光 やホテル 関 係 の 専 門 学 校 および 大 学 などが 存 在 していること また 下 宿 生 が 比 較 的 多 いことなどからイメージ される 12 ここでの 雇 用 率 は 宿 泊 者 数 に 対 するアルバイト 雇 用 者 の 割 合 を 示 している 参 考 文 献 Alonso, W. (1964) Location and Land Use, Harvard University Press. Hotelling, H. (1929) Stability in Competition, Economic Journal. Isard, W. (1956) Location and Space-Economy, The M.I.T.Press ( 監 訳 木 内 信 蔵 立 地 と 空 間 経 済 朝 倉 書 店 1964) McCann, P. (2013) Modern Urban and Regional Economics, Second Edition, Oxford Press. Th nen, J. H. (1826) Der Isolated Staat in eziehung auf Landwirtshaft and Nationalökonomie ( 邦 訳 近 藤 康 男 孤 立 国 農 村 漁 村 文 化 協 会 1974 年 ) 13

Weber, A. (1909) ber den Standort der Industrien, Erste Teil, T bingen ( 邦 訳 - 篠 原 泰 三 工 業 立 地 論 大 明 堂 1986 年 ) 神 頭 広 好 観 光 の 空 間 経 済 分 析 愛 知 大 学 経 営 総 合 科 学 研 究 所 叢 書 24 2002 年 神 頭 広 好 都 市 の 空 間 経 済 立 地 論 - 立 地 モデルの 理 論 と 応 用 - 古 今 書 院 2009 年 経 営 総 合 科 学 第 100 号 記 念 号 (2013 年 10 月 )の 正 誤 表 6ページの (12) 式 および (15) 式 における を に 訂 正 14