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広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょう デザイン 提 案 競 技 の 概 要 と 選 定 案 の 特 徴 本 稿 は,2009 年 度 に 広 島 市 が 実 施 した, 橋 梁 では 国 内 二 番 目 となる 国 際 コンペ 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょうデザイン 提 案 競 技 における 競 技 の 概 要 および 最 優 秀 案 に 選 定 された 筆 者 らの 提 案 について 述 べるものである. 人 々の 記 憶 に 残 る 故 郷 の 新 しい 風 景 をつくるために, 故 郷 の 風 景 を 印 象 づける 橋 梁 や 渡 るのが 楽 しくなる 歩 道 空 間 をデザインコンセプトとし, 橋 梁 計 画, 橋 梁 本 体, 橋 詰 広 場 を 含 む 歩 道 空 間 に 対 して 行 ったデザイン 検 討 の 内 容 と 成 果 を 報 告 するとともに,その 検 討 を 通 じて, 地 域 づくりに 貢 献 でき る 橋 梁 のあり 方 として, 風 景 と 積 極 的 に 係 りあう 橋 梁 デザインや, 利 用 者 の 視 点 にたった 発 想 が 重 要 であ ることを 提 示 した. キーワード : 太 田 川 放 水 路 橋 梁, 国 際 コンペ, 橋 梁 計 画, 橋 梁 デザイン, 複 合 構 造 1. はじめに 2. デザイン 提 案 設 計 競 技 の 概 要 広 島 市 は,2009 年 度 に 国 際 コンペ 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょうデザイン 提 案 競 技 を 実 施 した.これは, 2008 年 度 に 同 市 が 実 施 した 平 和 大 橋 歩 道 橋 デザイン 設 計 競 技 に 続 き, 橋 梁 では 国 内 二 番 目 となる 国 際 コンペ であり, 良 好 な 都 市 づくりを 目 指 す 地 方 自 治 体 における 先 進 的 な 取 り 組 みである. 筆 者 らは, 応 募 者 として 参 加 し, その 提 案 は 最 優 秀 案 に 選 定 された. 本 論 文 では, 設 計 競 技 の 概 要 および 筆 者 らの 提 案 におけるデザイン 検 討 の 内 容 と 成 果 を 報 告 するとともに,その 過 程 を 通 じて 地 域 づ くりに 貢 献 する 橋 梁 のあり 方 を 示 すことを 目 指 す. なお 広 島 南 道 路 は, 国 土 交 通 省 や 広 島 高 速 道 路 公 社, 広 島 市 が 分 担 して 整 備 を 進 めている 市 湾 岸 部 に 位 置 する 自 動 車 専 用 道 路 と 一 般 道 路 からなる 主 要 幹 線 道 路 である. (1) 競 技 の 概 要 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 は 海 と 陸 との 接 点 に 位 置 す ることから, 水 の 都 ひろしま の 実 現 に 向 け, 次 世 代 に も 誇 れる 優 れたデザインにするために, 国 際 コンペ 方 式 が 実 施 された. 募 集 の 概 要 は 以 下 のとおりである. 競 技 名 : 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょうデザイン 提 案 競 技 主 催 者 : 広 島 市 募 集 期 間 : 平 成 21 年 1 月 16 日 ( 募 集 要 項 配 布 開 始 ) ~ 平 成 21 年 5 月 22 日 ( 応 募 作 品 受 付 締 切 ) 提 出 資 料 :デザインパース,デザイン 説 明 書, 一 般 図, 構 造 説 明 書, 構 造 検 討 書, 概 算 工 事 費 など をまとめた 図 書 (A3)およびパネル(A0 )

応 募 条 件 の 特 徴 としては,1 国 内 外 より 広 く 提 案 を 募 るために 広 島 市 の 入 札 参 加 資 格 がない 企 業 でも 参 加 でき る 点,2 建 築 都 市 土 木 デザインなど 幅 広 い 分 野 にお けるデザインの 専 門 家 が 正 式 に 参 加 できる 仕 組 みに 加 え, デザイン 担 当 者 を 明 記 する 点 が 挙 げられる( 図 -1). ただ,1については, 外 国 からの 応 募 者 などで と 記 載 されていたため, 市 の 入 札 参 加 資 格 を 有 さない 国 内 の 企 業 にとっては, 上 記 の 意 図 を 読 み 取 りにくかったので はないかという 印 象 を 受 けた.なお,2については, 後 述 するように 第 二 次 審 査 に 進 んだ 6 案 のチームすべてに デザインの 専 門 家 が 協 力 者 として 加 わっており, 十 分 に 効 果 があったと 考 えられる. また, 選 定 案 の 応 募 者 には, 提 案 内 容 にかかわる 設 計 業 務 だけではなく,デザイン 監 理 業 務 も 委 託 される 点 が 特 徴 的 だといえる. 図 -1 応 募 条 件 ( 募 集 要 項 から 抜 粋, 下 線 は 筆 者 ) (2) 提 案 対 象 の 概 要 a) 提 案 対 象 対 象 区 間 は, 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 渡 河 部 のうち, 太 田 川 放 水 路 左 岸 からランプを 含 む 終 点 までの 計 0.8km の 橋 梁 区 間 であり, 具 体 的 には 自 動 車 専 用 道 路 および 自 転 車 歩 行 者 道 である( 図 -2). b) 求 められたデザインコンセプト 本 橋 のデザインで 求 められた 要 求 事 項 は 以 下 である. 美 しさによって 多 くの 人 を 惹 き 付 けるような 橋 国 内 だけでなく 海 外 からも 注 目 されるような 橋 広 島 のシンボルになる 橋 ( 橋 を 見 るために 広 島 に 来 る 人 が 増 えるよう) 川 面 や 緑 地 また 離 着 陸 する 飛 行 機 や 航 海 する 船 から 見 える 姿 が 美 しい 橋 時 を 経 て 味 わいの 深 まるデザインの 橋 ( 見 飽 きない 橋 ) c) 提 案 に 影 響 する 主 な 設 計 条 件 橋 梁 の 構 造 形 式 は 自 由 であったが, 提 案 内 容 に 影 響 す る 設 計 条 件 として 以 下 のものがあった. 太 田 川 放 水 路 渡 河 部 は, 将 来, 本 橋 の 上 下 流 部 に 国 道 橋 が 併 設 されるため, 既 計 画 の 国 道 橋 に 橋 脚 位 置 を 合 わせなければならない.ただし, 河 積 阻 害 率 を 満 足 すれば, 橋 脚 数 を 減 らすのは 自 由 とする. 架 橋 付 近 には 広 島 西 飛 行 場 があり, 上 空 に 設 けられ た 空 域 制 限 を 満 足 しなければならない. 自 転 車 歩 行 車 道 は, 太 田 川 放 水 路 左 岸 の 堤 防 道 路 か ら 右 岸 道 路 に 連 絡 しなければならない.そのルート や 構 造 については, 連 絡 機 能 及 び 自 転 車 歩 行 者 の 構 造 基 準 を 満 足 すれば 自 由 とするが, 将 来 国 道 橋 が 併 設 された 際 には 自 転 車 歩 行 者 道 の 設 置 に 伴 う 拡 幅 分 を 撤 去 できる 構 造 でなければならない. ( 市 道 ) 都 市 計 画 道 路 幅 員 自 動 車 専 用 道 路 ( 今 回 整 備 する 断 面 図 ) ( 市 道 ) 都 市 計 画 道 路 幅 員 18.75 ( 国 道 ) 都 市 計 画 道 路 幅 員 3.50 3.50 2.25 3.50 3.50 1.25 1.25 1.25 0.50 0.50 ( 国 道 ) 都 市 計 画 道 路 幅 員 自 動 車 専 用 道 路 17.00 通 路 ( 自 転 車 歩 行 者 道 ) 3.50 拡 幅 5.00 3.50 3.50 1.50 0.50 3.50 3.50 0.50 1.50 5.00 1.25 3.25 3.25 1.50 3.25 3.25 1.25 1.25 1.75 1.00 0.50 0.25 0.25 凡 自 動 車 専 用 道 路 自 転 車 歩 行 者 道 例 図 -2 提 案 の 対 象 ( 募 集 要 項 から 抜 粋 )

(3) 選 考 の 方 法 と 選 考 結 果 a) 選 考 の 方 法 と 選 考 委 員 会 本 設 計 競 技 の 選 考 は, 広 島 市 が 設 置 した 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょうデザイン 提 案 競 技 選 考 委 員 会 により 行 われた( 表 -1). 選 考 は 2 段 階 であり, 第 一 次 選 考 では 提 出 書 類 による 審 査 第 二 次 選 考 では 公 開 プレゼンテー ション( 質 疑 応 答 を 含 む)を 踏 まえた 審 査 であった.なお, 選 考 委 員 会 自 体 は 非 公 開 であり, 第 二 次 選 考 終 了 後 に 選 考 結 果 報 告 書 1) が 公 開 された. 表 -1 選 考 委 員 会 の 構 成 選 考 委 員 専 門 分 野 所 属 氏 原 睦 子 篠 原 修 内 藤 廣 中 丸 直 明 市 民 代 表 まちづくり 土 木 景 観 デザイン NPO 法 人 雁 木 組 理 事 長 政 策 研 究 大 学 院 大 学 教 授 景 観 デザイン 東 京 大 学 大 学 院 教 授 市 民 代 表 経 済 界 広 島 経 済 同 友 会 総 務 部 会 部 会 長 西 川 和 廣 構 造 国 土 交 通 省 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 所 長 平 田 圭 子 福 田 昌 則 環 境 デザイン 広 島 工 業 大 学 大 学 院 准 教 授 市 民 代 表 経 済 界 広 島 商 工 会 議 所 副 会 頭 藤 井 昭 文 化 財 学 広 島 女 学 院 名 誉 教 授 注 ) 印 : 委 員 長. 所 属 は, 平 成 21 年 7 月 14 日 時 点 b) 選 考 スケジュール 選 考 は 下 記 の 日 程 により 行 われた. 作 品 提 出 : 平 成 21 年 5 月 22 日 公 開 展 示 : 平 成 21 年 6 月 3 日 ~ 平 成 21 年 6 月 8 日 ( 広 島 市 役 所 市 民 ロビーに 全 応 募 作 品 のパネルを 展 示 ) 第 一 次 選 考 : 平 成 21 年 6 月 10 日 6 作 品 を 選 定 第 二 次 選 考 : 平 成 21 年 7 月 14 日 6 作 品 の 公 開 プレゼンテーションを 実 施 ( 応 募 者 及 び 協 力 者 名 は 非 公 開 ) c) 応 募 状 況 と 選 考 結 果 選 考 結 果 報 告 書 によれば, 海 外 3 者 を 含 む 21 者 が 応 募 登 録 をおこない,そのうち 国 内 13 者, 海 外 2 者 (フランス, スペイン)の 合 計 15 者 が 応 募 した. このうち 第 一 次 選 考 を 通 過 した6 作 品 が 公 開 プレゼン テーション( 発 表 10 分 質 疑 応 答 15 分 )を 行 い, 同 日 に 開 催 された 第 二 次 選 考 により, 最 優 秀 案 1 作 品, 優 秀 案 1 作 品, 入 選 4 作 品 が 決 定 した( 表 -2). ちなみに, 広 島 市 の 担 当 者 によれば, 公 開 プレゼンテー ションは 平 日 の 午 前 中 という 時 間 帯 に 開 催 されたにもか かわらず,300 余 席 の 会 場 がほぼ 埋 まるほどの 盛 況 で, 市 民 の 関 心 の 高 さが 伺 われたとのことである.また, 篠 原 選 考 委 員 長 からの 進 言 を 受 け, 応 募 者 名 だけではなく, デザイン 担 当 者 や 協 力 者 についても 明 示 したとのことで ある. d) 筆 者 らのチーム 体 制 とその 役 割 筆 者 らのチームは, 橋 梁 設 計 を 専 門 とするエイト 日 本 技 術 開 発, 空 間 デザインを 専 門 とするイー エー ユー, 建 築 構 造 を 専 門 とする 空 間 工 学 研 究 所, 景 観 デザインを 専 門 とする 二 井 昭 佳 ( 国 士 舘 大 学 )の 4 者 からなる. チーム 構 成 のきっかけは, 筆 者 の 一 人 である 二 井 が, かつて 建 設 コンサルタント 勤 務 時 に 上 司 だった 椛 木 (エ イト 日 本 技 術 開 発 )から, 平 和 大 橋 歩 道 橋 デザイン 設 計 競 技 への 誘 いを 受 けたことに 始 まる.そこで, 同 級 生 で もあり, 以 前 より 信 頼 しているイー エー ユーの 西 山 に 声 を 掛 け, 平 和 大 橋 歩 道 橋 デザイン 設 計 競 技 へ 応 募 し た.その 結 果 は 敗 北 であったが, 提 案 内 容 の 議 論 にあたり, 互 いの 専 門 を 超 えて 前 向 きな 議 論 を 展 開 できたことから, 再 びこの3 者 で 本 設 計 競 技 に 応 募 することとした. 表 -2 選 考 結 果 応 募 作 品 名 応 募 者 名 デザイン 担 当 者 協 力 者 最 優 秀 案 優 秀 案 いつく 出 シ - 安 芸 の 斎 き 島 を 人 々の 心 に 据 える 橋 - SKY CROSS( 海 と 空 と 陸 の 接 点 ) ~この 場 所 に 相 応 しい 高 架 橋 のあり 方 を 求 めて~ 株 式 会 社 エイト 日 本 技 術 開 発 株 式 会 社 ドーユー 大 地 西 山 健 一 (イー エー ユー) 清 水 泰 博 ( 東 京 芸 術 大 学 准 教 授 ) 二 井 昭 佳 ( 国 士 舘 大 学 ) イー エー ユー 空 間 工 学 研 究 所 清 水 泰 博 入 選 案 広 島 の 波 動 ~ピース ウェーブ ブリッジ~ 復 建 調 査 設 計 株 式 会 社 宮 迫 勇 次 ( 復 建 調 査 設 計 株 式 会 社 ) 日 本 構 造 橋 梁 研 究 所 竹 内 きょう 入 選 案 入 選 案 入 選 案 SCENE GATE / ブルーモーメントから 始 まる 時 を 刻 むアーチ 川 の 上 に 架 かる 川 - 川 の 流 れを 形 象 化 する- RIVER OVER THE RIVER-Materialization of the river- - 大 地 と 水 際 川 海 の 新 たなラ ンドマークと- 立 体 曲 線 の 橋 と 直 線 の 滑 走 路 との 構 成 - 存 在 感 のある 橋 アジア 航 測 株 式 会 社 MPC ARQUITECTOS + TORROJA INGENIERIA JOSE MARIA DE VILLAR LUENGO パシフィックコンサルタンツ 株 式 会 社 寺 田 和 己 ( 寺 田 和 己 技 術 アドバイザー 事 務 所 ) JOSE MARIA DE VILLAR LUENGO 堀 越 英 嗣 ( 堀 越 英 嗣 ARCHITECT5) 寺 田 和 己 技 術 アドバイザー 事 務 所 ジイケイデザイン 機 構 GK デザイン 総 研 広 島 MPC ARQUITECTOS TORROJA INGENIERIA 満 田 衛 資 構 造 計 画 研 究 所 ほか 堀 越 英 嗣 ( 堀 越 英 ARCHITECT5) アプル 総 合 計 画 事 務 所 ( 代 表 中 野 恒 明 )

ただ, 本 設 計 競 技 で 提 示 された 条 件 から, 自 転 車 歩 行 者 道 の 構 造 は, 自 動 車 専 用 道 と 分 離 したほうが 優 れた 案 になる 可 能 性 があり,そのためにはかなり 特 殊 な 構 造 部 がでてくることが 予 想 された.そのため,そうした 構 造 にも 対 応 できる 空 間 工 学 研 究 所 の 岡 村 にも 加 わってもら い, 前 述 した4 者 によるチームとなった. 当 チームにおけるメンバーと 役 割 は 表 -3のとおりであ る.ただ,ここで 示 した 役 割 はあくまでも 最 終 的 に 提 案 をまとめる 上 での 役 割 分 担 であり, 提 案 の 検 討 にあたっ ては,コアメンバーが 定 期 的 に 打 ち 合 わせをおこない, 案 をまとめていった. 表 -3 提 案 チームの 体 制 と 役 割 役 割 全 体 統 括 全 体 アドバイス 氏 名 椛 木 洋 子 * (エイト 日 本 技 術 開 発 ) 原 光 夫 * (エイト 日 本 技 術 開 発 ) 全 体 構 想 橋 梁 デザイン 二 井 昭 佳 * ( 国 士 舘 大 学 ) 橋 梁 及 び 空 間 デザイン 各 部 詳 細 デザイン 橋 梁 本 体 構 造 歩 道 部 構 造 模 型 作 成 注 )* 印 :コアメンバー 3.デザインコンセプト 西 山 健 一 *, 安 仁 屋 宗 太 *, 崎 谷 浩 一 郎, 田 中 毅 ( 以 上,イー エー ユー) 渡 邊 康 人 *, 長 谷 川 政 裕 *, 堀 信 司, 常 田 哲 夫 ( 以 上,エイト 日 本 技 術 開 発 ) 岡 村 仁 *, 杉 本 将 基 ( 以 上, 空 間 工 学 研 究 所 ) 山 川 健 介 * ( 国 士 舘 大 学 修 士 1 年 ) 基 本 的 に 自 動 車 専 用 道 路 であり, 市 街 地 区 間 では 高 架 形 式 にせざるを 得 ない 本 橋 において, 筆 者 らが 重 視 した のは, 自 動 車 交 通 の 利 便 性 以 外 に 地 域 への 貢 献 が 可 能 な 橋 梁 を 提 案 することであった.そのためには, 洗 練 され た 橋 梁 単 体 のデザインを 目 指 すだけではなく, 地 域 の 人 々 が 歓 迎 してくれるような 橋 のあり 方 が 必 要 だと 考 えた. 架 橋 地 点 周 辺 は, 放 水 路 の 整 備 によって 発 展 してきた 場 所 であり, 今 後 の 発 展 が 期 待 されるものの, 現 時 点 で はそれほど 歴 史 的 な 文 脈 がある 場 所 ではない.その 一 方 で 海 側 に 目 を 転 ずれば, 水 平 線 に 島 々が 浮 かぶ 伸 びやか な 瀬 戸 内 特 有 の 風 景 が 広 がっているという 特 徴 がある. こうした 架 橋 地 点 の 特 徴 を 踏 まえ, 大 きな 目 標 として, この 海 と 陸 が 接 する 場 所 に, 水 の 都 ひろしま にふさわ しい, 人 々の 記 憶 に 残 る 故 郷 の 新 しい 風 景 を 創 出 するこ とを 掲 げた.それを 実 現 するためには, 故 郷 を 感 じられ る 風 景 を 引 き 立 たせる 橋 でなければならない.その 風 景 として 注 目 したのは, 架 橋 地 点 から 雄 大 な 姿 を 見 せ, 広 島 周 辺 において 古 代 より 篤 く 信 仰 されてきた 厳 島 である. 以 上 より, 第 一 のコンセプトは, 今 まで 以 上 に 厳 島 が 引 き 立 つような 橋 であり,かつ 厳 島 と 共 に 故 郷 の 風 景 と して 定 着 していくような 橋 とした. そして, 第 二 のコンセプトは, 場 所 は 人 々に 利 用 され ることによって 初 めて 記 憶 に 残 るものになるという 考 え のもとで 設 定 した.すなわち, 地 域 の 人 々が 使 いやすく, かつ 渡 ることが 楽 しくなるような 自 転 車 歩 行 車 道 を 提 案 することである.しかも,それは 単 なる 道 ではなく, 両 岸 の 橋 詰 広 場 を 含 めた 新 たな 場 所 をつくることを 目 指 し たいと 考 えた. 4. 橋 梁 計 画 の 特 徴 デザインコンセプトを 実 現 するために, 筆 者 らが 重 視 したのは, 線 形 や 橋 長, 支 間 割, 構 造 形 式 といった 橋 梁 計 画 である.なかでも, 設 計 者 が 常 に 心 がけるべきこと として,できるだけ 有 利 な 条 件 のもとで 計 画 設 計 を 行 うべきだという 考 えに 基 づき,まず 与 条 件 の 見 直 しを 行 っ た.その 後 1/1000 の 敷 地 模 型 を 用 いてさまざまな 橋 梁 形 式 を 検 討 しながら 橋 梁 計 画 をすすめた. 以 下 にその 特 徴 的 な 4 点 について 述 べる. (1) ピアアバット 設 置 による 縦 断 線 形 の 再 設 定 与 条 件 のなかで 特 に 注 目 したのは, 渡 河 橋 の 縦 断 線 形 が 右 岸 に 向 けて 著 しく 上 り 勾 配 になっているため, 橋 の 側 面 形 状 が 傾 いて 見 える 点 である.この 理 由 は, 左 岸 で は 道 路 本 線 が 堤 防 天 端 に 取 り 付 くのに 対 し, 右 岸 では 堤 防 沿 いの 国 道 をオーバーパスする 必 要 があるためである. この 結 果, 提 示 された 原 案 では, 右 岸 側 の 堤 防 を 跨 ぐ 支 間 が 河 川 内 の 支 間 よりも 長 く, 渡 河 橋 の 桁 高 がこの 区 間 により 決 まるという 不 合 理 な 橋 梁 計 画 になっていた. こうした 問 題 を 解 決 するために, 右 岸 堤 防 上 にピアア バットを 設 け, 原 案 では 80m だった 支 間 長 を 40m に 分 割 した.これにより, 桁 高 を 低 くすることで 右 岸 の 路 面 高 さを 約 1.5m 下 げ, 渡 河 部 橋 の 縦 断 線 形 を 左 右 対 称 形 に 近 づけた.さらに,ランプ 部 の 延 長 も 短 くなり, 交 通 の 安 全 度 が 高 まると 同 時 に, 無 駄 なコストを 減 らすことも 実 現 した. 図 -3 縦 断 線 形 と 支 間 割 の 再 設 定

(2) 厳 島 を 印 象 付 ける 橋 梁 形 式 と 支 間 割 太 田 川 放 水 路 には 放 水 路 の 特 徴 である 澪 筋 が 存 在 しな いため, 河 川 に 対 して 左 右 対 称 の 橋 梁 形 式 を 採 用 するの が 素 直 な 考 え 方 である.ただ 渡 河 部 橋 は, 提 示 条 件 から 最 大 7 径 間 という 奇 数 径 間 であり, 左 右 対 称 の 橋 梁 形 式 にすると,7 径 間 の 桁 橋 か,3 径 間 で 中 央 部 に 大 きな 構 造 を 用 いる 形 式 しかない.しかし, 厳 島 を 印 象 付 ける 橋 梁 にするためには, 桁 橋 ではやや 弱 く,3 径 間 では 中 央 支 間 が 300m 以 上 となり, 風 景 のスケールをはるかに 超 えてし まう. 加 えて, 模 型 での 検 討 やこれまでの 経 験 から, 厳 島 をはじめとする 島 なみに 調 和 する 構 造 形 式 として, 柔 らかな 印 象 を 与 えるアーチ 構 造 が 最 も 適 していると 考 え ていた. こうしたことを 踏 まえてさらに 検 討 を 進 めた 結 果, 厳 島 が 河 川 の 流 軸 とずれていることを 利 用 するアイディア にたどり 着 いた.すなわち 代 表 的 な 視 点 場 である 上 流 の 庚 午 橋 から 眺 めた 場 合 に, 厳 島 を 加 えた 三 つの 山 が 連 続 するような, 厳 島 よりやや 小 さなスケールの 二 連 のアー チ 橋 にすることである.これにより, 庚 午 橋 を 渡 る 際 に は, 図 -4のように 厳 島 と 橋 がさまざまに 織 りなす 姿 を 体 験 できることも 狙 っている.ちなみに 本 提 案 のタイト ダ ルに 用 いた ~ 出 シ とは, 瀬 戸 内 海 沿 岸 の 漁 師 たちが 山 や 島 の 印 象 的 な 重 なり 具 合 の 変 化 を 用 いて 海 上 での 位 置 を 把 握 する, 山 アテにかかわる 言 葉 であり, 厳 島 とアー チ 橋 の 織 りなす 眺 めを 表 すものとして 用 いたものである. (3) 利 用 者 の 視 点 に 立 った 歩 道 線 形 原 案 のように 車 道 と 同 じ 高 さに 歩 道 を 設 けると, 利 用 者 は 対 岸 へ 渡 るために,7 m 程 度 の 高 さ,すなわち 渡 河 橋 とは 別 に 400 m 近 い 5% 勾 配 のスロープを 昇 り 降 りしなけ ればならない.これは 利 用 者 にとって, 使 い 勝 手 が 悪 く 理 不 尽 な 歩 道 になる.また, 原 案 における 歩 道 は 上 流 側 に 位 置 していたが, 本 橋 が 放 水 路 の 最 下 流 の 橋 になるこ とから, 橋 上 からの 瀬 戸 内 の 眺 めも 確 保 することが 必 要 だと 考 えた. そこで 歩 道 部 は, 橋 梁 本 体 の 途 中 から 分 離 し, 両 岸 の 堤 防 を 結 ぶ 線 形 とした.これにより, 縦 断 線 形 は 2% 程 度 のほとんどフラットに 近 いユニバーサルデザインにする ことができた.さらに, 右 岸 側 の 入 口 は 住 宅 地 に 近 い 上 流 側 とし,そこから 桁 下 空 間 を 抜 けて 下 流 側 に 回 り 込 む と, 開 放 的 な 海 への 眺 めが 目 に 飛 び 込 んでくるというド ラマティックな 平 面 線 形 を 採 用 した( 図 -5). 図 -4 厳 島 と 積 極 的 にかかわりあう 二 連 のアーチ (4) 太 田 川 放 水 路 橋 と 西 側 高 架 橋 の 連 続 性 本 設 計 競 技 には, 渡 河 橋 に 加 え,その 西 側 に 連 続 する 400 m 程 度 の 高 架 橋 へのデザイン 提 案 も 含 まれていた.こ の 西 側 高 架 橋 のデザインを 考 える 上 で 重 視 したのは 下 記 の 二 点 である.ひとつは, 渡 河 橋 との 連 続 性 を 確 保 する ことであり,もうひとつは, 将 来 高 架 橋 をさらに 延 伸 す る 際 に 無 理 なく 採 用 できる 標 準 的 な 構 造 形 式 にすること である.しかし, 原 案 ではさまざまな 長 さの 支 間 割 でかつ, 図 -5 歩 道 線 形 の 再 設 定

西 側 高 架 橋 とランプ 橋 の 橋 脚 位 置 も 食 い 違 っていた.そ こで 全 線 にわたって 桁 高 断 面 形 状 の 連 続 性 を 確 保 でき るように, 西 側 高 架 橋 を,40 mの 支 間 割 へと 変 更 し,ラ ンプ 橋 も, 西 側 高 架 橋 の 橋 脚 位 置 に 合 わせることにした. 5. 橋 梁 デザイン 4 章 で 述 べた 橋 梁 計 画 を 踏 まえて, 渡 河 橋 および 西 側 高 架 橋 の 具 体 的 なデザイン 検 討 をおこなった. 渡 河 橋 と 西 側 高 架 橋 の 橋 長 および 支 間 割 は 以 下 のとおりである. なお, 側 面 シルエットなどについては 1/300 の 全 体 模 型, 断 面 形 状 やアーチ 主 構 などについては 1/100 1/50 の 部 分 模 型 を 作 成 し, 検 討 をおこなった. 渡 河 部 橋 :L=376.5 m (47.9 m +115.4 m +116.1 m +58.4 m +38.7 m) 西 側 高 架 部 本 線 橋 :L=280.0 m (4 @ 40.0 m+ 3 @ 40.0 m) 西 側 高 架 部 オンランプ 橋 :L=80.0 m(2 @ 40.0 m) 西 側 高 架 部 オフランプ 橋 :L=80.0 m(2 @ 40.0 m) 標 準 部 総 幅 員 :22.5 m( 歩 道 部 除 く) (1) 渡 河 橋 のデザイン a) 側 面 シルエット 側 面 シルエットとして 最 も 重 要 となるアーチの 形 状 は, いつまでも 見 飽 きない 優 しい 曲 線 を 描 くことを 目 指 し, 模 型 やスケッチによる 検 討 を 行 った 結 果,1/8 程 度 のライ ズ 比 となる 曲 線 がもっとも 適 していると 確 信 した. さらに 二 連 のアーチが, 厳 島 につながる 三 つの 山 とな るためには, 互 いのアーチが 滑 らかにつながるべきだと 考 えた.しかも, 見 た 目 の 処 理 としてではなく 構 造 的 に も 連 続 させることが 望 ましい.その 理 由 は, 単 純 構 造 で は 耐 震 性 維 持 管 理 性 に 劣 る 上 に, 橋 脚 上 に 支 承 を 二 つ 設 置 することから 橋 脚 幅 が 広 くなり, 桁 と 橋 脚 のバラン スが 崩 れてしまうからである.しかし, 下 路 アーチ 橋 を 連 続 化 すると, 支 点 部 に 大 きな 断 面 力 が 発 生 し, 上 部 工 の 剛 性 が 不 足 するという 構 造 的 な 問 題 があった. そこで, 図 -6に 示 すように PC 箱 桁 とアーチ 橋 を 組 み 合 わせることで, 連 続 アーチ 構 造 を 可 能 とするアイディ アにたどり 着 いた.すなわち, 本 橋 では,PC ラーメン 橋 を 基 本 構 造 とし,アーチ 主 構 により 主 桁 を 補 剛 すること で 主 桁 に 発 生 する 断 面 力 の 低 減 を 図 る.またアーチ 端 部 で 発 生 する 水 平 力 に 対 しては,アーチ 区 間 に 連 続 的 に 配 置 した 外 ケーブルの 緊 張 により 逆 方 向 の 力 を 作 用 させる ことで 内 力 を 釣 り 合 わせラーメン 構 造 を 可 能 にした. さらに 橋 脚 支 点 部 で 発 生 する 負 曲 げモ-メントに 対 して は,アーチ 主 構 の 定 着 部 をフィンバック 構 造 とし,そこ に 内 ケーブルを 配 置 することで, 支 点 部 の 剛 性 を 高 める という 構 造 システムとした. 以 上 のように,デザイン 面 から 側 面 シルエットを 設 定 した 上 で,それを 構 造 的 なメリットとしても 解 いていく という 検 討 を 踏 まえて, 結 果 的 に 図 -7の 側 面 シルエット 図 -6 渡 河 橋 の 構 造 システム 図 -7 厳 島 に 連 なる 渡 河 橋 イメージ

を 実 現 した. b) 桁 断 面 形 状 および 歩 道 部 構 造 橋 梁 本 体 の 断 面 形 状 は, 総 幅 員 が 22.5 mと 広 いこと, また 加 減 速 車 線 による 拡 幅 を 有 する 西 側 高 架 部 では 上 下 線 を 分 離 した 断 面 にする 必 要 があることから 2 箱 桁 とし, その 中 心 部 に 単 弦 のアーチ 主 構 をおさめることとした. また 箱 桁 形 状 は,2 箱 桁 の 底 面 に 左 右 対 称 の 緩 やかな 曲 線 を 入 れ, 一 体 感 を 高 めるとともに 柔 らかな 印 象 を 与 える 形 状 とした.なお, 桁 高 や 両 端 の 張 出 し 量 は, 西 側 高 架 橋 も 見 据 えながらともに 2.5 mとした.さらに, 桁 下 区 間 の 歩 道 部 や 川 面 に 光 を 落 とすために, 二 つの 箱 桁 を 繋 ぐ 横 桁 には 平 面 的 に 楕 円 形 の 穴 を 設 けた. また, 途 中 から 車 道 と 分 離 することになる 歩 道 は, 車 道 部 とのダブルシルエットによる 錯 綜 感 を 避 けるために, できるだけシンプルで 薄 い 構 造 にしたいと 考 えた.そこ で, 材 料 は 鋼 構 造 より 剛 性 が 高 く, 風 および 歩 行 者 によ る 振 動 に 対 して 有 利 なプレキャストコンクリート 製 とし た.その 支 持 構 造 は, 桁 下 区 間 ではケーブルによる 吊 り 構 造, 車 道 と 並 行 する 区 間 は 橋 桁 からの 片 持 ち 構 造, 移 行 区 間 ではケーブルと 鋼 ストラットを 組 み 合 わせた 構 造 とした.わずか 400 m 程 度 の 歩 道 部 のなかで 三 つの 支 持 構 造 を 用 いると 煩 雑 な 印 象 になるのではないかという 議 論 もあったが, 主 要 な 視 点 場 となる 上 流 側 から 見 えるの は, 吊 り 構 造 となる 桁 下 区 間 だけであることや 橋 梁 本 体 とスケール 比 が 大 きいことから, 使 いやすい 歩 道 線 形 を 実 現 することを 優 先 することとした.さらに,リブ 付 き 主 桁 と 床 版 を 一 体 化 したブロック 工 法 とし, 現 場 での 接 合 作 業 を 減 らし, 施 工 性 の 向 上 を 図 ると 同 時 に, 設 計 条 件 である 国 道 橋 整 備 時 には 台 船 等 により 速 やかに 撤 去 で きるように 配 慮 した. c)アーチ 主 構 形 状 単 弦 アーチである 本 橋 では,ソリッドリブ( 箱 断 面 ) にすると 素 っ 気 ない 表 情 になってしまうことが 懸 念 され た.ただ,ブレースドリブとしてよく 用 いられるパイプ によるトラス 組 では, 上 下 弦 材 と 斜 材 の 太 さの 比 が 大 き くなる 可 能 性 が 高 く,ブレースの 魅 力 を 出 し 切 れないと も 考 えていた.こうした 葛 藤 のなか,アーチ 断 面 のデザ イン 方 針 を, 側 面 シルエットを 引 き 立 てるエッジを 持 つ こと, 眺 める 距 離 や 角 度 時 間 帯 によってさまざまな 表 情 を 生 み 出 せることとして 検 討 を 進 めた 結 果,やや 変 則 的 ではあるが 以 下 のような 断 面 形 状 にたどり 着 いた. すなわち, 上 下 弦 材 は,エッジを 表 現 でき,かつ 必 要 な 構 造 断 面 も 確 保 できる 小 さな 箱 断 面 とし,それらを 角 形 の 斜 材 で 繋 ぐ 逆 台 形 のブレースドリブである( 図 -9). この 断 面 形 状 にすることで, 日 中 は 日 差 しを 受 けた 斜 材 が 浮 き 出 して 見 え, 逆 に 夜 間 は 照 明 により 斜 材 が 上 弦 の 面 部 材 に 映 し 出 されるという 時 間 帯 によっても 見 え 方 が 変 化 する 効 果 も 実 現 した. 図 -9 時 間 帯 によっても 表 情 が 変 化 するアーチ 主 構 d) 橋 脚 形 状 側 面 シルエットを 見 ると,アーチが 橋 脚 にまで 伸 びて いるように 見 えることから,それをしっかりと 受 け 止 め ている 印 象 が 得 られるように, 橋 軸 直 角 方 向 に 逆 台 形 の 形 状 とした.また, 歩 道 部 が 通 過 することになるP4 橋 脚 は, 利 用 者 に 圧 迫 感 を 与 えないために, 橋 脚 と 桁 を 強 固 に 結 合 し 横 桁 を 設 けない 構 造 とした. (2) 西 側 高 架 橋 のデザイン 西 側 高 架 橋 のデザインは, 渡 河 橋 との 連 続 性 を 確 保 し つつ, 将 来 延 伸 した 場 合 にも 無 理 なく 同 じ 形 状 を 採 用 で きるようにしたいと 考 えた.ただ, 西 側 高 架 橋 ではラン プの 拡 幅 が 必 要 となるため, 総 幅 員 がさまざまに 変 化 す るという 問 題 があった.そこで, 具 体 的 なデザイン 方 針 を, 渡 河 橋 との 主 桁 断 面 の 外 側 ライン( 桁 高 張 出 量 両 端 ウェ ブ 形 状 橋 脚 形 状 )の 統 一, 圧 迫 感 を 軽 減 するため 幅 広 区 間 での 桁 断 面 の 分 割 および 二 柱 式 橋 脚 の 採 用 とし,そ れぞれの 形 状 を 決 定 した( 図 -10). 図 -8 歩 道 部 支 持 構 造

全体側面図 S=1:5000 空域制限ライン 桁高の統一 渡河橋の左右対称性のために縦断線形の再設定 拡大側面図 ( 渡河橋 ) S=1:3000 低く抑えたアーチライズ ( 約 1/8) 堤防からそのままつながる歩道 空域制限ライン 鋼アーチ プレストレスト コンクリート箱桁 支間長を短くできる ピアアバット 縦断線形を下げる低い桁高 計画高が最大で 1.5m 下がる 支承のない 連続固定アーチ構造 自然に渡れる歩道 2 以下の縦断勾配 安定感のある橋脚形状 全体平面図 S=1:5000 高架橋の圧迫感を軽減する 2柱式橋脚 バランスのよい支間割 渡河橋 L=376.5 m 0.0m L=28 橋 側高架 住宅地から アクセスしやすい歩道 西 歩道に導く 橋詰広場 プ橋 ラン m ОN=80.0 L P9 P8 P7 P6 P4 P5 P3 P2 北側への動線確保 P1 P10 A1 P11 P12 RP1 RA1 LP1 ひと休みできる 歩行者の溜まり空間 LA1 橋 ンプ Fラ ОF =80.0m L 瀬戸内の島なみを 望む歩道 歩道の延伸 太 開口部から光がそそぐ 桁下区間 広 田 島 川 西 放 支間を短くできる ピアアバットの設置 橋と飛行機を眺める橋詰広場 ( 一般国道橋整備までの暫定 ) 水 路 飛 行 場 標準断面図 ( 渡河橋 ) S=1:300 P2 橋脚断面図 ( 渡河橋 ) S=1:800 アーチ主構 側面の透過性が高いトラス構造 コンクリート充填 アーチ主構照明 脱色アスファルト舗装 壁高欄 鋼製高欄 鋼製排水溝 P10 橋脚断面図 西側高架橋 OFF ランプ橋 トップレール組み込み LED 歩道照明 歩道高欄 (SP 種 ) 鋳物 ( 重防食塗装 ) 添架物 柔らかい曲面の桁下面 歩道 組み立てやすく解体しやすい プレキャスト PC 桁 桁下へ柔らかい光を落とし込む開口部 図 -10 橋梁一般図 386 圧迫感を 低減する 2柱式橋脚

1 右 岸 側 入 口 2 桁 下 区 間 3 休 憩 スペース 4 車 道 並 行 区 間 5 左 岸 側 橋 詰 広 場 図 -11 歩 道 空 間 および 橋 詰 広 場 デザイン 6. 歩 道 空 間 および 橋 詰 広 場 のデザイン 橋 梁 本 体 のデザインと 並 び, 我 々の 提 案 の 核 となるの は, 地 域 の 人 々が 使 いやすく,かつ 渡 ることが 楽 しくな るような 歩 道 空 間 と 両 岸 の 橋 詰 広 場 によって, 両 岸 が 一 体 的 な 場 として 機 能 していくことであった.それに 向 け て, 前 述 した 橋 梁 計 画 や 橋 梁 デザインを 進 め 最 終 的 にた どり 着 いた 歩 道 空 間 および 橋 詰 広 場 について, 図 -11 に 示 すイメージスケッチとともに 右 岸 側 から 順 に 説 明 する. 住 宅 地 に 近 い 上 流 側 を 入 口 とした 右 岸 側 には, 小 さな たまり 空 間 となる 橋 詰 広 場 を 設 け, 緩 やかなカーブを 描 く 歩 道 にすることで, 自 然 と 歩 道 に 足 が 向 く 空 間 デザイ ンとした(1).さらに 桁 に 開 けた 楕 円 形 の 穴 から 光 が 降 り 注 ぐ 明 るい 桁 下 空 間 の 歩 道 (2)を 抜 けて 下 流 側 に 回 り 込 むと, 開 放 的 な 海 への 眺 めが 目 に 飛 び 込 んでくると いう 瀬 戸 内 の 風 景 を 印 象 付 ける 体 験 を 用 意 した.ここに は,ゆっくりと 瀬 戸 内 の 島 なみを 眺 められる 休 憩 スペー スも 設 けた(3).さらに 歩 道 を 進 むと, 車 道 と 同 じ 高 さ になり, 左 手 にアーチを 眺 めることができ(4),そして 左 岸 側 には 飛 行 機 の 離 発 着 や 橋 梁 をのんびりと 眺 められ る 橋 詰 広 場 を 提 案 した(5). 7.おわりに まず, 応 募 者 からみた 本 設 計 競 技 の 特 徴 は 以 下 のよう にまとめられる. 設 計 競 技 には, 市 の 入 札 資 格 を 有 さなくとも 応 募 者 となることができ, 応 募 者 とは 別 の 組 織 に 属 するデ ザインの 専 門 家 がデザイン 担 当 者 および 協 力 者 とし て 参 加 することが 認 められていたこと. 選 考 結 果 の 公 表 に 際 し, 入 選 以 上 の 応 募 案 については, 応 募 者 名 だけではなくデザイン 担 当 者 および 協 力 者 名 も 明 記 されたこと. 選 定 案 の 応 募 者 には, 提 案 内 容 にかかわる 設 計 業 務 だけではなく,デザイン 監 理 業 務 も 委 託 されること. とくに,デザイン 担 当 者 として 個 人 名 が 明 記 されたこ と,デザイン 監 理 業 務 も 委 託 されることは 画 期 的 な 取 り

図 -12 夕 景 のイメージ 組 みだといえる. また, 筆 者 らの 提 案 の 特 徴 は 以 下 のとおりである. 人 々の 記 憶 に 残 る 故 郷 の 新 しい 風 景 を 創 出 するため に,デザインコンセプトから 橋 梁 計 画, 橋 梁 デザイン, 空 間 デザインまでをトータルに 提 案 したこと. 放 水 路 に 対 して 左 右 非 対 称 の 支 間 割 にならざるを 得 ない 条 件 を 逆 に 利 用 することで, 地 域 において 重 要 な 厳 島 と 橋 が 積 極 的 にかかわりあう 風 景 を 生 み 出 す 橋 梁 デザインを 提 案 したこと. 自 動 車 専 用 道 路 でありながら 歩 道 が 併 設 される 条 件 を 最 大 限 活 用 し, 橋 梁 本 体 と 歩 道 部 を 分 離 すること で, 両 岸 の 堤 防 を 結 ぶユニバーサルデザインの 歩 道 を 提 案 するとともに, 両 岸 が 一 体 的 な 場 として 機 能 するような 歩 道 および 橋 詰 広 場 の 空 間 デザインを 提 案 したこと. 西 側 高 架 橋 については, 標 準 的 な 橋 梁 形 式 に 対 して デザイン 検 討 を 行 い, 渡 河 橋 との 連 続 性 だけではな く, 将 来 延 伸 される 橋 梁 との 連 続 性 を 確 保 できるよ うな 橋 梁 デザインを 提 案 したこと. なお 現 在, 提 案 内 容 を 実 現 する 詳 細 設 計 に 取 り 組 んで いる 最 中 である. 今 後 については,その 設 計 を 進 めてい くのはもちろんのことであるが,コンペ 開 催 時 から 本 橋 梁 に 対 する 市 民 の 関 心 は 非 常 に 高 かったことから, 橋 梁 完 成 に 至 るプロセスに 対 しても 市 民 や 利 用 者 の 関 心 を 高 める 方 法 も 検 討 することで, 完 成 後 に 愛 着 を 持 ってもら えるように 努 力 していきたいと 考 えている. 参 考 文 献 1) 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょうデザイン 競 技 選 考 結 果 報 告 書 は 広 島 市 の HP に 掲 載 されている.なお, 広 島 市 の 担 当 者 によるほぼ 同 様 の 内 容 の 報 告 には, 上 川 ら 広 島 南 道 路 太 田 川 放 水 路 橋 りょうデザイン 提 案 競 技 ( 橋 梁 と 基 礎 Vol.44-No.12,pp33-36)がある.