「シリーズ・手づくり、田づくり、里づくり《VOL7



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賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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本 校 の 沿 革 昭 和 21 年 昭 和 49 年 昭 和 54 年 昭 和 60 年 平 成 9 年 平 成 11 年 平 成 18 年 北 海 道 庁 立 農 業 講 習 所 として 発 足 北 海 道 立 農 業 大 学 校 に 改 組 修 業 年 限 を1 年 制 から2 年 制 に 改

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

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(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

年 支 給 開 始 年 齢 図 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 ( 給 料 比 例 部 分 ) 昭 和 29 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 特 別 支 給 の 退 職 共 済 年 老 齢 厚 生 年 昭 和 25 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 退 職 共 済 年

奨学事業戦略部個人情報ファイル簿

第 2 問 問 4 問 5 1ロ 2チ 3ヲ 4ホ ⅰ)Aさんは 今 年 の 誕 生 日 で 40 歳 となるので 公 的 介 護 保 険 の(1 第 2 号 ) 被 保 険 者 資 格 を 取 得 し 介 護 保 険 料 を 負 担 することになる 40 歳 以 上 65 歳 未 満 の 医 療

第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

Ⅰ 年 金 制 度 昭 和 37 年 12 月 1 日 に 地 方 公 務 員 等 共 済 組 合 法 が 施 行 され 恩 給 から 年 金 へ 昭 和 61 年 4 月 から 20 歳 以 上 60 歳 未 満 のすべての 国 民 が 国 民 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 基 金 職 域


者 が 在 学 した 期 間 の 年 数 を 乗 じて 得 た 額 から 当 該 者 が 在 学 した 期 間 に 納 付 すべき 授 業 料 の 総 額 を 控 除 した 額 を 徴 収 するものとする 3 在 学 生 が 長 期 履 修 学 生 として 認 められた 場 合 の 授 業 料 の

65 発 送 管 理 2 賦 課 期 日 情 報 66 発 送 管 理 3 賦 課 期 日 情 報 67 発 送 管 理 4 賦 課 期 日 情 報 68 発 送 管 理 5 賦 課 期 日 情 報 69 発 送 管 理 6 賦 課 期 日 情 報 70 発 送 管 理 7 賦 課 期 日 情 報

スライド 1

国民年金

Microsoft Word

所 得 の 種 類 と 所 得 金 額 の 計 算 方 法 所 得 の 種 類 要 件 計 算 方 法 事 業 雑 営 業 等 農 業 小 売 業 製 造 業 飲 食 業 理 容 業 保 険 外 交 員 大 工 集 金 人 ピアノ 講 師 など 農 産 物 の 生 産 果 樹 の 栽 培 家 畜 の

福 岡 厚 生 年 金 事 案 4486 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 申 立 期 間 については その 主 張 する 標 準 報 酬 月 額 に 基 づく 厚 生 年 金 保 険 料 を 事 業 主 により 給 与 から 控 除 されていたことが 認 められることから 申 立 期

(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

(Microsoft Word - \220\340\226\276\217\221.doc)

昨 年 今 年 退 職 した< 雇 用 保 険 に 関 すること> 1. 雇 用 保 険 ( 失 業 給 付 )を 受 給 予 定 (または 受 給 している) 雇 用 保 険 受 給 資 格 証 のコピー ( 退 職 日 基 本 日 額 処 理 状 況 のわかる 面 ) 日 額 3,611 円 未

 

定款  変更

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

事務連絡

種 類 控 除 額 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 控 除 生 命 保 険 料 控 除 地 震 保 険 料 控 除 支 払 った 小 規 模 共 済 心 身 障 害 者 扶 養 共 済 の 掛 金 の 金 額 生 命 保 険 料 控 除 額 = 一 般 生 命 保 険 料 控 除 額 + 個

Microsoft PowerPoint - 基金制度

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

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CONTENTS TOPICS 1 TOPICS

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

類 ( 番 号 を 記 載 ) 施 設 名 事 所 名 所 在 事 開 始 年 月 日 事 規 模 ( 定 員 ) 公 益 事 必 要 な 者 に 対 し 相 談 情 報 提 供 助 言 行 政 や 福 祉 保 健 医 療 サービス 事 者 等 との 連 絡 調 整 を 行 う 等 の 事 必 要

四 勤 続 20 年 を 超 え30 年 までの 期 間 については 勤 続 1 年 につき100 分 の200 五 勤 続 30 年 を 超 える 期 間 については 勤 続 1 年 につき100 分 の100 2 基 礎 調 整 額 は 職 員 が 退 職 し 解 雇 され 又 は 死 亡 した

32 農事組合法人法人用パンフ_24.2一部改正)

職 員 の 等 に 関 する 条 例 第 24 条 の 承 認 は 正 規 の 勤 務 時 間 の 始 め 又 は 終 わりにおいて 30 分 を 単 位 として 行 う ものとする 2 育 児 を 原 因 とする 特 別 休 暇 を 承 認 されている 職 員 に 対 する の 承 認 については

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国税連携ファイル記録項目一覧

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別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

25 年 度 アクションプラン 補 助 制 度 目 標 定 住 人 口 :198 人 増 1 九 州 大 学 学 生 への 電 動 バイクレンタル 事 業 学 研 都 市 づくり 課 進 学 糸 島 市 内 に 居 住 する 九 州 大 学 の 学 生 に 民 間 業 者 と 連 携 し て 電 動

ず 第 1 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は4,000 円 とし 第 2 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は13,000 円 と する 4 第 1 項 に 規 定 する 幼 稚 園 小 学 校 及 び 中 学 校 並 びに 特 別 支 援 学 校 の 小 学 部 中 学 部 及 び

年 間 収 入 が 130 万 円 未 満 (60 歳 以 上 75 歳 未 満 の 人 や 一 定 障 害 者 の 場 合 は 180 万 円 未 満 )であって かつ 被 保 険 者 の 年 間 収 入 の 2 分 の 1 未 満 である 場 合 は 被 扶 養 者 となります ( 同 居 の

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

一般競争入札について

そ の 他 類 ( 番 号 を 記 載 ) 施 設 名 事 所 名 所 在 事 開 始 年 月 日 事 規 模 ( 定 員 ) 公 益 事 広 島 市 城 山 北 城 南 域 包 括 支 援 センター 広 島 市 安 佐 南 区 川 内 B0 平 成 8 年 4 月 日 必 要 な 者

Feature 平 成 25 年 度 事 業 報 告 並 びに 一 般 会 計 特 別 会 計 収 支 決 算 報 告 特 集 平 成 25 年 度 事 業 報 告 の 概 要 1. 地 域 特 性 を 活 かした 産 業 活 性 化 の 推 進 2.ビジネス 機 会 の 創 出 と 次 世 代 人

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

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第1章 財務諸表

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

スライド 1

平成21年10月30日

1. 任 免 1-1 採 用 ( 試 験 採 用 ) 1 任 免 試 験 採 用 採 用 者 予 定 者 数 報 告 試 験 公 告 任 命 結 果 通 知 書 採 用 予 定 者 数 の 報 告 採 用 説 明 会 の 計 画 実 施 人 事 異 動 対 象 者

貼付台帳( ).xdw

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

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別紙3

公 社 が 水 田 機 械 作 業 を 請 け 負 い 農 業 用 機 械 ( 田 植 え 機 コンバイン) を 保 有 す る 農 家 に 委 託 して 機 械 作 業 を 行 う 5. 農 作 業 体 験 研 修 事 業 農 業 に 興 味 を 持 つ 都 市 住 民 に 市 内 農 家 での

平成16年度

資料2-2 定時制課程・通信制課程高等学校の現状


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第1章 総則

スライド 1

Q6. 私 は11 月 30 日 に 退 職 しますが 調 書 を 提 出 する 必 要 がありますか? A 退 職 予 定 の 場 合 でも 平 成 26 年 10 月 1 日 時 点 での 確 認 になりますので 記 載 内 容 を 確 認 のうえ 添 付 書 類 と 一 緒 に 事 業 主 へ

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

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目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

住民税

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

第316回取締役会議案

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◆併給の調整◆

                         庁議案件No

弁護士報酬規定(抜粋)

Microsoft Word - jigyoukeikakusho.docx

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定款

Transcription:

シリーズ 手 づくり 田 づくり 里 づくり vol.7 ふれあい 楽 校 (がっこう) 赤 雁 (あかがり)の 里 ( 社 )JA 総 合 研 究 所 基 礎 研 究 部 客 員 研 究 員 黒 川 愼 司 1. 代 表 渡 邊 哲 朗 という 人 は 今 回 は 組 織 の 紹 介 からではなく その 組 織 を 支 える 人 へのアプローチから スタートすることとする 有 限 会 社 赤 雁 の 里 の 運 営 の 中 心 にいるのは 渡 邊 哲 朗 さん(62 歳 )だ そ の 渡 邊 ( 以 下 敬 称 略 )のパートナーが 妻 育 子 さん(59 歳 )で 2 人 の 結 婚 は 昭 和 46(1971) 年 だから 二 人 三 脚 は 今 年 で 37 年 の 年 月 が 経 過 したことにな る 渡 邊 になぜ 農 業 を 始 めたのかと 問 うと 小 泉 さんじゃぁないが 人 生 いろい ろで 一 言 では 言 えんが と 次 のような 答 えが 返 ってきた 中 学 校 の 一 年 で 父 親 が 死 亡 した このため 中 学 卒 業 の 時 には 進 学 せずに 京 都 の 企 業 に 就 職 することになっていた しかし 当 時 のことで 片 親 という 理 由 からか 採 用 が 見 合 わせになった 1 月 になっての 話 で 担 任 がいまさら 就 職 先 もないので 進 学 しろというので 急 遽 (きゅうきょ) 予 定 変 更 で 益 田 農 林 高 校 へ 入 学 した この 時 京 都 の 企 業 へ 就 職 していたら 今 の 自 分 はない このころ 我 が 家 では 8 反 の 水 田 と 2 反 の 葉 タバコという 農 業 高 校 へ 行 きながら 母 親 と2 人 で 百 姓 をやっとった 次 の 転 機 というか 選 択 が また 高 校 の 卒 業 の 時 浜 田 市 にあった 島 根 県 の 農 業 試 験 場 の 職 員 採 用 の 話 があった あの 時 県 職 員 になっとれば 今 頃 は 退 職 金 と 年 金 で 優 雅 な 老 後 だったかと 思 う しかし 家 の 農 業 のことを 考 えたら 家 を 出 て 浜 田 へ 就 職 する 訳 にはいか んと 思 って 自 営 の 道 を 選 択 した こうして 農 業 後 継 者 の 道 を 歩 み 始 めた 渡 邊 だが 昭 和 44 年 に 勤 めに 出 るこ とになる 専 業 では 食 えない との 思 いからだが この 頃 から 米 余 り 減 反 が 問 題 化 していく しかし 渡 邊 は 勤 めた 建 材 会 社 で 人 生 を 決 める 縁 を 得 る この 会 社 で 妻 となる 育 子 さんと 出 会 い 恋 愛 そして 結 婚 となる この 後 渡 邊 は 請 われ て 土 建 会 社 へと 勤 めを 変 え ここで 土 木 の 仕 事 を 学 び 昭 和 57 年 には 有 限 会 社 渡 邊 建 設 を 設 立 して 独 立 一 国 一 城 の 主 となる

農 業 も 土 建 会 社 も 同 じ 土 相 手 の 商 売 そう 思 って 会 社 を 起 こした のだが 初 年 度 は 厳 しかった 軌 道 に 乗 ったのは 昭 和 58 年 の 益 田 を 中 心 とする 水 害 の 復 興 工 事 から 被 災 者 の 方 には 申 し 訳 ないが とにかく 仕 事 があった 水 害 の 朝 道 が 寸 断 されて 車 は 無 理 歩 くしかないので 歩 いて 益 田 の 町 まで 出 た その 道 々 これは 大 変 な 災 害 で 相 当 大 きな 機 械 でないと 復 旧 工 事 に 対 応 できないと 感 じて 機 械 の 販 売 会 社 にその 日 に 重 機 を 発 注 した 会 社 も 商 売 どころではない 後 片 付 けの 真 っ 最 中 の 注 文 に 驚 いとったが 大 阪 へ 手 配 してくれて 1 週 間 あまりで 手 に 入 り この 機 械 が 大 活 躍 した 地 域 の 復 興 復 旧 のお 役 に 立 てたと 思 っている こうして 始 めた 渡 邊 建 設 は 現 在 休 業 中 だ この 地 域 の 土 建 業 は 公 共 事 業 費 の 大 幅 削 減 の 中 で のきなみ 倒 産 廃 業 へと 追 い 込 まれている そうした 環 境 下 での 休 業 だが 渡 邊 は 土 木 業 とともに 集 落 内 の 農 家 の 要 請 で 受 託 に よる 農 業 経 営 もあわせて 展 開 してきた 二 足 の 草 鞋 でやってきたが ここらで 一 休 みして 本 来 の 土 に 戻 る こととした 二 人 三 脚 の 相 手 にも 苦 労 掛 けて 来 たし まあ これからは 専 業 農 家 で 地 域 の 人 と 協 力 して 着 実 にやっていくことにした 渡 邊 の 農 業 経 営 には 妻 に 加 え 長 男 という 強 い 味 方 がいる また 孫 も 誕 生 し 現 在 は5 人 家 族 だ なお 渡 邊 夫 妻 は 島 根 県 知 事 が 認 定 する 第 1 回 ( 平 成 17 年 ) ナイスパ ートナー に 選 ばれている 夫 婦 が 協 力 して 里 づくり に 取 り 組 む 姿 が 評 価 されたものだ 2. 赤 雁 の 里 とは 赤 雁 の 里 は 有 限 会 社 として 平 成 13 年 の 2 月 1 日 に 設 立 されている この 会 社 は 農 業 生 産 法 人 の 資 格 を 有 している だから 取 材 に 訪 れる 前 は この 赤 雁 地 区 の 農 地 に 対 して 利 用 権 を 設 定 して この 有 限 会 社 が 農 業 経 営 に 取 り 組 ん でいるものと 考 えていた しかし 現 状 はそうではない ( 有 ) 赤 雁 の 里 には 農 業 ふれあい 楽 校 (がっ こう)という 冠 がついている このように 主 たる 事 業 目 的 は 近 隣 の 市 民 に 農 の 体 験 を 提 供 する 農 村 公 園 として 整 備 された この 農 村 公 園 は 平 成 13 年 3 月 に 竣 工 した 総 事 業 費 は 1 億 500 万 円 で 赤 雁 の 里 地 区 県 営 ふるさと 水 と 土 とふれあい 事 業 で 建 設 整 備 された

また あわせて 県 単 独 事 業 として 交 流 館 が 総 事 業 費 3,200 万 円 で 建 設 さ れた この 交 流 館 には 研 修 室 工 房 厨 房 やシャワー 室 トイレなどあり 宿 泊 も 食 事 も 可 能 だ この 交 流 館 の 建 設 には 地 元 負 担 金 があり 総 工 費 の 30% 近 い 900 万 円 あまりを 地 元 で 拠 出 した この 事 業 を 推 進 したのは 平 成 9 年 に 設 立 された 赤 雁 地 区 活 性 化 推 進 協 議 会 だ 赤 雁 地 区 は 益 田 市 の 市 街 地 から 車 で 20 分 あまりとわりと 近 い 場 所 にある しかし 周 囲 を 山 に 囲 まれた 30 戸 100 人 あまりが 暮 らす 典 型 的 な 山 村 集 落 だ 渡 邊 らが 中 心 となって 集 落 の 未 来 を 考 える 組 織 として 活 性 化 推 進 協 議 会 を 立 ち 上 げ その 協 議 の 中 から 生 まれたのが 農 村 公 園 の 建 設 だ 協 議 会 では 保 育 園 児 のイモ 掘 り 体 験 などの 体 験 学 習 や 地 区 外 住 民 との 交 流 活 動 を 展 開 してきたが こうした 人 と 人 との 交 流 活 動 こそが 地 域 に 新 たな 息 吹 を 呼 び 込 み 地 区 の 活 性 化 に 寄 与 すると 考 え そのための 環 境 整 備 として 事 業 導 入 を 決 定 した 貸 し 農 園 34 区 画 野 菜 花 園 が 22a 果 樹 園 14a 五 穀 田 45aが 整 備 された また 芝 生 のイベント 広 場 も 設 けた 平 成 19 年 度 この 施 設 は 1 月 の ネイチャーキッズ 炭 焼 き 漬 物 体 験 に 始 まり 農 村 歳 時 記 と 呼 ぶ 6 月 の 田 植 え 8 月 の 田 んぼ 生 物 調 査 9 月 の 稲 刈 り そして 仕 上 げの 10 月 末 の 赤 雁 の 里 収 穫 祭 などの 事 業 を 展 開 している これらの 主 催 行 事 以 外 にも 中 学 校 高 校 の 農 業 体 験 も 受 け 入 れている また 交 流 館 を 活 用 した 食 品 加 工 食 事 仕 出 し イベントへの 出 店 などの 活 動 も 展 開 している この 活 動 の 中 心 的 役 割 を 担 うのは 渡 邊 の 妻 育 子 さんだ 人 から 道 楽 かといわれるが この 施 設 を 設 けたことで 益 田 市 はもとより この 小 さな 山 の 中 の 集 落 に 県 内 外 から 体 験 や 視 察 で 人 がやって 来 ていること 食 品 加 工 を 手 掛 けることで 毎 週 月 木 の2 日 集 落 の 人 が 集 まる 場 所 と 時 間 が 集 落 内 にできたこと このようなさまざまな 交 流 を 通 じて 集 落 が 活 性 化 し たのは 事 実 だ と 渡 邊 哲 朗 は 話 す また この 公 園 整 備 には 神 話 の 里 たる 赤 雁 を 皆 で 守 ろうとの 意 味 も 込 め られている 公 園 内 にある 天 道 山 は 集 落 の 名 前 赤 雁 の 由 来 の 地 だ と いうのは この 地 には 海 の 向 こうから ちび 姫 が 赤 い 雁 に 乗 り 降 り 立 ったところが 天 道 山 で ちび 姫 は 米 麦 粟 稗 豆 の 五 穀 を 携 えてやっ てきたとの 神 話 が 残 っている この 五 穀 を 赤 雁 にもたらした ちび 姫 への 感 謝 のためにも 農 地 を 荒 らすわけにはいかないとの 強 い 思 いだ 3.ベビーリーフの 栽 培 に 渡 邊 建 設 を 休 業 した 渡 邊 哲 朗 の 日 常 は 農 業 だ 地 域 から 6ha あまりの 水 田 を 受 託 し 水 稲 経 営 に 取 り 組 む それに 6 棟 のビニールハウス 24aで ベビ

ーリーフを 栽 培 している このベビーリーフとは ホウレンソウやレタスやミ ズナなどの まさにベビー 赤 ちゃん 菜 を 出 荷 するもの これが 極 めて 順 調 で 年 間 500 万 円 あまりの 出 荷 高 となり いまや 渡 邊 農 園 の 稼 ぎ 頭 だ 渡 邊 は このように 自 分 の 経 営 それも 結 構 な 面 積 の 農 業 がありながら 集 落 を 守 る 赤 雁 の 里 の 運 営 にも 全 力 を 注 いでいる しかし その 全 力 の 注 ぎ 方 に 渡 邊 らしさ が 発 揮 されている その 渡 邊 らしさとは 遊 び 心 だ 今 年 の 田 植 えは 古 代 米 を 活 用 して 北 京 五 輪 にちなんだパンダと 五 輪 のマー クを 田 んぼに 描 き 出 した これを 田 んぼアート と 渡 邊 は 呼 び 益 田 市 民 に 稲 刈 りへの 参 加 を 呼 びかけた その 結 果 多 くの 参 加 を 得 て 好 評 のうちに 稲 刈 りを 終 了 した 赤 雁 の 里 は 設 立 されて 丸 8 年 をまもなく 迎 える こうした 施 設 は 設 立 時 分 に 比 べ 時 間 が 経 過 すれば 段 々と 利 用 が 後 退 しがちなものだ しかし 赤 雁 の 活 動 日 誌 をみると 法 事 の 仕 出 しや 会 議 用 の 昼 食 視 察 者 の 食 事 などなど 地 域 に 定 着 した 事 業 が 展 開 されている また 楽 校 という 冠 に 恥 じないア イデアあふれる 事 業 で 人 を 山 間 の 小 さな 集 落 に 呼 び 込 んでいる 渡 邊 の 農 業 経 営 の 主 軸 は ベビーリーフ だが 赤 雁 の 里 は まだ 小 学 校 の 低 学 年 児 童 今 後 健 康 で 元 気 な 中 学 生 高 校 生 成 人 になるよう 頑 張 れ 赤 雁 の 里 頑 張 れ 渡 邊 哲 朗 育 子 夫 妻 エールを 送 って このレポートを 結 ぶ 連 絡 先 益 田 市 赤 雁 町 ロ575 番 地 6 ( 有 ) 赤 雁 の 里 代 表 渡 邊 哲 朗 交 通 手 段 JR 山 陰 本 線 益 田 駅 から 車 で 20 分 あまり

写 真 (1) 渡 辺 哲 朗 育 子 夫 妻 交 流 館 前 で 写 真 (2) 赤 雁 の 里 交 流 館 食 事 宿 泊 も 可 能

写 真 (3) 貸 し 農 園 となっている 農 場 の 一 部 写 真 (4) 稲 作 体 験 を 呼 びかけるポスター

写 真 (5) 田 んぼアート 今 年 は 北 京 五 輪 にちなんで 写 真 (6) 主 要 作 物 となったベビーリーフのハウスで