海 外 ビジネスレポート ~アジア 駐 在 員 報 告 ~ タイ 経 済 の 現 状 と 投 資 環 境 ( 後 編 ) 武 蔵 野 銀 行 市 場 国 際 部 海 外 進 出 支 援 室 調 査 役 福 井 重 城 (タイ カシコン 銀 行 ジャパンデスク 駐 在 ) タイへの 直 接 投 資 (1) 直 接 投 資 の 動 向 数 年 前 から 尖 閣 諸 島 事 件 やレアアース 等 に 対 する 中 国 の 対 応 をめぐり 中 国 への 過 度 の 依 存 に 対 するリスクが 認 識 され チャイ ナ プラスワン として アジアを 中 心 とし た 新 興 国 への 事 業 進 出 が 増 加 した 中 国 依 存 からのリスク 分 散 傾 向 の 潮 流 の 中 で タイ 以 外 の 新 興 国 にも 事 業 展 開 の 目 が 向 けられては いるものの タイの 投 資 先 としての 魅 力 は 依 然 として 高 い アジア 諸 国 において 製 造 拠 点 として 機 能 し 得 る 充 実 したインフラ また 賃 金 だけではなく 誠 実 さ 勤 勉 さ 親 日 など 国 民 性 や 資 質 全 体 としての 労 働 力 の 点 でタイ 投 資 の 魅 力 は 突 出 している タイを 拠 点 とした 近 隣 諸 国 への 事 業 展 開 を 視 野 に 入 れて タイ 投 資 を 行 う 日 系 企 業 も 少 な くない (2) 外 資 企 業 の 参 入 形 態 (タイ 進 出 形 態 ) 外 資 によるタイの 直 接 的 な 進 出 形 態 は 支 店 や 駐 在 員 事 務 所 などの 現 地 拠 点 と 独 資 もしくは 合 弁 による 現 地 法 人 の 二 つに 大 別 される ( 間 接 的 な 参 入 形 態 として 既 存 企 業 への 資 本 参 加 もある ) 1 現 地 拠 点 支 店 は 外 国 人 事 業 法 で 許 可 された 範 囲 の 事 業 に 限 られ 規 制 業 種 を 営 む 際 には ラ イセンスが 必 要 一 般 的 には 銀 行 の 支 店 や 建 設 工 事 受 注 に 伴 う 現 地 事 務 所 等 に 限 定 され る 駐 在 員 事 務 所 は 本 社 および 関 連 会 社 へのサービス 提 供 情 報 収 集 等 を 目 的 に 設 立 され 営 業 活 動 は 認 められていない 現 地 法 人 設 立 前 の 情 報 収 集 やマーケット 調 査 等 で 設 立 されるケースが 多 い 2 現 地 法 人 タイに 会 社 法 人 を 設 立 するもの 製 造 業 が 進 出 する 場 合 原 則 として 外 国 人 事 業 法 の 規 制 対 象 とはならないため ほとんどのケース で100% 独 資 の 現 地 法 人 を 設 立 することがで きる 一 方 で 一 般 的 な 小 売 業 卸 売 業 飲 食 店 を 含 むサービス 業 等 については 規 制 業 種 に 該 当 ( 外 国 企 業 との 競 争 力 が 低 いとされ ている 業 種 )し 原 則 として 外 国 資 本 50% 以 上 では 事 業 を 行 うことができない 法 人 設 立 に 際 しては タイローカル 企 業 51% 以 上 の 出 資 による 合 弁 企 業 の 形 態 とす る 必 要 がある 外 国 人 が 労 働 許 可 証 を 取 得 す るためには 外 国 人 1 名 に 対 し タイ 人 4 名 を 雇 用 することが 義 務 付 けられている 従 来 は 規 定 だけがあり 実 務 上 の 運 用 はさほど 厳 しくなかったが 近 年 はオフィスのデスク 数 や 従 業 員 名 簿 などを 抜 打 ち 調 査 されるような 例 が 出 ているという 話 もある (3)タイの 税 制 タイの 税 制 は 国 税 と 地 方 税 に 分 けられており 国 税 には 個 人 所 得 税 法 人 所 得 税 付 加 価 値 税 など8 種 類 の 税 があり 地 方 税 には 土 地 家 屋 税 地 方 開 発 税 看 板 税 の3 種 類 がある タイでは 個 人 所 得 税 法 人 所 得 税 付 加 価 値 税 の3 項 目 で 歳 入 全 体 の6 割 を 占 めている 1 個 人 所 得 税 個 人 所 得 税 の 課 税 対 象 者 は 居 住 者 と 非 居 住 者 に 分 けられる 非 居 住 者 については タ イ 国 内 の 源 泉 所 得 のみが 課 税 対 象 となるのに 対 し 居 住 者 はタイ 国 内 海 外 を 源 泉 とする ぶぎんレポート No.184 2015 年 1 月 号 31
所 得 のすべてが 課 税 対 象 となる タイ 居 住 日 数 の1 年 間 の 累 計 が180 日 を 超 える 場 合 には 居 住 者 と 見 なされる 2 法 人 所 得 税 法 人 所 得 税 の 納 税 義 務 者 は タイで 事 業 を 営 む 法 人 である 納 付 税 額 の 計 算 は 発 生 主 義 会 計 が 採 用 されており 収 入 や 支 出 など そ の 時 点 で 資 金 のやりとりが 行 われていないも のも 含 まれる 法 人 所 得 税 率 は2012 年 に は30 % か ら 23%に さらに2013 年 には20%にまで 引 き 下 げられた(2013 年 1 月 から2014 年 12 月 までの 軽 減 税 率 ) インラック 政 権 が 最 低 賃 金 の 引 き 上 げを 行 ったことによる 企 業 の 負 担 を 考 慮 したものである 2015 年 以 降 は 今 後 審 議 されていく 見 込 みである 3 付 加 価 値 税 付 加 価 値 税 (Value added Tax:VAT)は 年 の 出 ( ) の 入 ( ) ( ) 2009 22,253 6 16,036 0 6,216 と の ( 通 関 ベース 単 位 :100 ドル) 2010 2011 34,235 3,399 2 21,040 6 24,428 8 13,195 1 12,9 0 4 2012 43,843 23, 12 20,134 6 2013 36,219 6 22,189 14,029 9 の 要 出 目 50 100 ( ) (26 0 ) 気 (15 ) (13 8 ) (13 6 ) (8 0 ) の (21 1 ) 備 考 :シェアは 2013 年 ドルベース( 出 所 : 日 本 税 関 ) の 要 入 目 50 100 ( ) 気 の (18 8 ) (18 3 ) (14 0 ) (10 8 ) (6 4 ) (31 ) 備 考 :シェアは 2013 年 ドルベース( 出 所 : 日 本 税 関 ) 年 企 業 の 投 資 と 投 資 2011 2012 2013 484 件 61 件 686 件 1,589 6,800 バー 3,484 3,000 バー 2,904 9,100 バー 備 考 :タイ 国 投 資 委 員 会 ( ) 認 可 ベース 企 業 進 出 投 資 ( 進 出 )に 連 た 問 点 企 業 1 備 考 :バンコク 日 本 人 商 工 会 議 所 会 員 数 (2014 年 3 月 ) なお 商 業 省 に 登 録 されている 日 系 企 業 は 業 中 や 撤 した 含 むものの 累 計 で, 39 社 (2013 年 8 月 地 点 )に 上 る 業 の 現 地 人 の の 台 (コ) 業 の 部 人 の 備 考 :ジェトロ 在 アジア オセアニア 日 系 企 業 活 動 実 調 査 (2013 年 ) 人 人 出 所 : 外 務 省 海 外 在 人 人 数 調 査 計 ( 成 24 年 速 報 ) 出 所 :JET O 日 本 との 関 係 資 料 に 基 づき 者 成 32 ぶぎんレポート No.184 2015 年 1 月 号
1992 年 に 事 業 税 に 代 わって 導 入 された 間 接 税 で 日 本 の 消 費 税 に 相 当 するもの 付 加 価 値 税 の 税 率 は7%で 税 金 は 最 終 消 費 者 が 負 担 し 中 間 最 終 販 売 業 者 が 納 税 を 行 う レ ストランで 食 事 をすると 会 計 は 一 般 的 に 10% 程 度 のサービス 料 と このVAT 7%が 加 算 されることになる (4)タイの 投 資 環 境 タイの 投 資 政 策 は 投 資 奨 励 法 を 根 拠 法 と し タイ 投 資 委 員 会 (Board of Investment: BOI) 布 告 1 号 の 奨 励 策 に 基 づいて 運 営 され ている 投 資 政 策 の 内 容 は タイ 工 業 省 付 属 機 関 である BOI が 策 定 し 投 資 奨 励 対 象 業 種 の 選 定 や 恩 恵 内 容 の 決 定 を 行 うととも に 投 資 プロジェクトの 審 査 選 定 を 行 って いる BOIは 首 相 を 委 員 長 工 業 大 臣 が 副 委 員 長 を 務 めるなど 経 済 関 係 閣 僚 やタイ 工 業 連 盟 主 要 民 間 団 体 等 の 代 表 などで 構 成 され る BOIの 投 資 奨 励 策 は BOIが 指 定 する 投 資 奨 励 業 種 (2012 年 3 月 時 点 で 7 分 野 129 業 種 )に 対 して 付 与 される 税 制 上 及 び 税 以 外 のインセンティブが 付 与 されている 産 業 の 地 方 分 散 地 域 産 業 の 振 興 所 得 格 差 の 解 消 を 目 的 として バンコクから 離 れるほ どインセンティブが 厚 くなる ゾーン 制 度 を 敷 いてきたが 近 年 は 従 来 のゾーン 制 度 を 見 直 し 特 定 の 産 業 に 焦 点 を 当 てた 奨 励 策 の 実 施 や 産 業 の 集 積 を 促 進 する 政 策 にシフト する 抜 本 的 な 改 革 が 計 画 されている タイの 国 際 競 争 力 を 高 めるため 科 学 技 術 の 強 化 知 識 産 業 の 養 成 と 人 材 育 成 環 境 地 域 コ ミュニティに 配 慮 した 製 造 業 の 育 成 に 注 力 し ている アジアの 新 興 国 が 新 たな 投 資 先 とし て 台 頭 する 中 タイの 投 資 政 策 も 新 たな 局 面 を 迎 えている ー 今 後 の 展 望 イ イ ーャイン ー ク ンコク ーデン イ ス ン ャン コン ン クン タイ 部 レー ア (1) 近 隣 諸 国 との 連 携 ジア ポー ト 海 ン ト ン ン ーン 近 年 タイ プラスワン という 言 葉 が よく 使 われる 大 規 模 事 業 の 中 央 から 地 方 へ のシフト 拡 大 や より 安 価 な 労 働 力 を 求 めて タイ 周 辺 国 とくにタイと 国 境 を 接 するミャ ンマー ラオス カンボジアなどへ 事 業 展 開 を 計 画 検 討 する 日 系 企 業 は 増 加 するものと 思 われる 2015 年 の アセアン 経 済 共 同 体 (ASEAN Economic Community):AEC の 発 足 に より 国 境 貿 易 による 輸 入 関 税 が 撤 廃 され る タイの 国 際 運 送 にとって 好 影 響 を 及 ぼす ものとなり またアセアン 地 域 とバンコクを 結 ぶ 輸 送 ルート 上 に 位 置 する 県 にとっても 生 活 要 素 や 各 種 商 品 の 輸 送 活 動 からの 恩 恵 を 受 ける 好 機 とされている 国 境 貿 易 拡 大 を 見 据 え 現 在 貨 物 運 用 道 路 の 整 備 が 急 ピッチ で 進 められている ぶぎんレポート No.184 2015 年 1 月 号 33
(2) 経 済 回 廊 アセアン 経 済 共 同 体 の 他 にも タイは 近 隣 諸 国 との 連 携 において 様 々な 協 力 協 定 を 締 結 している そのひとつに タイ ミャ ンマー 中 国 ( 雲 南 省 ) ラオス ベトナム カンボジアのメコン 地 域 6か 国 により 締 結 さ れた 大 メコン 圏 地 域 経 済 協 力 (Greater Mekong Sub-region: GMS) が あ る イ ンドシナ 地 域 内 の 経 済 ルートの 連 結 と 開 発 を 目 指 す 重 要 な 国 際 協 力 枠 組 で 施 策 の 根 幹 と して 経 済 回 廊 と 呼 ばれる 以 下 の3つの 物 流 網 を 整 備 することである 1 南 北 経 済 回 廊 中 国 雲 南 省 の 昆 明 からラオス 及 びミャン マーを 経 由 し タイのチェンライ 県 とバンコ クを 結 ぶ 約 2,000kmの 道 路 将 来 はタイのレ ムチャバン 港 からラオスの 首 都 ビエンチャン まで 鉄 道 が 運 行 される 予 定 2 東 西 経 済 回 廊 ベトナムのダナン 港 からラオスのサバナ ケット タイのムクダハンを 経 由 し ミャン マーのモーラミャインまでを 結 ぶ 約 1,500km の 道 路 道 路 開 通 によりダナン 港 からバンコ クまでの 輸 送 時 間 が 大 幅 に 短 縮 した タイの 工 業 団 地 (FastFac 工 業 団 地 にて) タイの 工 業 団 地 (2011 年 10 月 大 洪 水 に 見 舞 われたNAVA NAKORN 工 業 団 地 ) 3 南 部 経 済 回 廊 ベトナムのホーチミンからカンボジアのプ ノンペンを 経 由 し バンコクまでを 結 ぶ 約 1,000kmの 道 路 カンボジア 国 内 を 流 れるメ コン 川 横 断 にはフェリー 輸 送 を 利 用 すること となるが ホーチミン バンコクという 大 都 市 を 結 ぶことから 注 目 されている 回 廊 取 引 先 企 業 への 訪 問 から (1) 工 業 団 地 現 在 タイ 国 内 には 60を 超 える 工 業 団 地 がある バンコクから 伸 びる 高 速 道 路 に 沿 って 半 径 約 150km 圏 内 で 放 射 線 状 に 広 がっている アユタヤ 地 域 にある ロジャナ 工 業 団 地 チョンブリ 地 域 にある アマタ ナコン 工 業 団 地 は 規 模 が 大 きく 数 百 社 の 日 系 企 業 が 集 積 する 工 業 団 地 の 名 称 は 工 業 団 地 がある 場 所 や 地 名 ではなく 工 業 団 地 の 管 理 運 営 会 社 の 名 称 ( 例 えば ロジャナ やアマタなど)であることを タイに 赴 任 し てから 知 った 工 業 団 地 内 は 広 大 で 住 所 を 見 ただけでは まずたどり 着 けない アマタ ナコン 工 業 団 地 のような 大 型 の 工 業 団 地 にな ると フェーズと 呼 ばれる 複 数 のエリアに 区 分 され 現 在 は 第 10フェーズまで 開 発 され ている エリア 工 業 団 地 全 体 のマップを 入 手 するか 訪 問 先 企 業 からアクセスマップを メール 送 信 して 頂 くか 場 所 を 特 定 したうえ で 訪 問 している 34 ぶぎんレポート No.184 2015 年 1 月 号
海 外 ビジネスレポート ~アジア 駐 在 員 報 告 ~ (2) 取 引 先 企 業 訪 問 取 引 先 企 業 を 訪 問 した 際 には 可 能 な 限 り 工 場 内 を 見 学 させて 頂 くようにしている タ イ 進 出 に 至 る 経 緯 や 現 地 でのモノ カネの 流 れをヒアリングする 原 材 料 仕 入 から 製 品 販 売 まで すべてタイ 国 内 で 完 結 する 企 業 も あれば アジア ヨーロッパ 方 面 の 取 引 先 へ 販 売 するための ハブ 工 場 として 機 能 して いる 企 業 もある タイ 人 従 業 員 とのコミュニケーションに は 各 社 少 なからず 苦 労 をされているようで ある 工 場 敷 地 内 に 談 話 スペースを 設 置 した り 軽 い 運 動 ができる 場 所 を 確 保 したり 景 観 を 良 くするために バナナやマンゴーの 樹 木 を 植 えたりしている また 定 期 的 に 社 員 全 員 で 食 事 会 を 開 催 したり 旅 行 やレクリ エーションなどのイベントを 行 うなど タイ 人 従 業 員 との 交 流 を 深 めることで 従 業 員 の 定 着 ( 他 社 への 流 出 防 止 )を 図 っている (3) 口 座 開 設 取 引 先 企 業 がカシコン 銀 行 で 口 座 開 設 する 場 に 立 ち 会 うことができた 日 本 でも 不 正 口 座 防 止 等 の 観 点 から 本 人 確 認 事 務 の 徹 底 は 年 々 厳 しくなっているが タイでは 銀 行 に 提 出 する 必 要 書 類 が 日 本 以 上 に 多 いこ とに 驚 いた 外 資 企 業 の 新 規 口 座 ということ もあり 十 数 ページに 及 ぶ 法 人 登 記 関 係 の 証 法 人 口 座 開 設 必 要 書 類 (カシコン 銀 行 より 受 領 ) 明 書 類 や 税 務 関 係 の 登 録 証 株 主 名 簿 (25% 以 上 の 法 人 株 主 は 当 該 法 人 の 登 記 簿 謄 本 が 必 要 )などが 求 められる 書 類 を 準 備 する 企 業 側 も 書 類 をチェックする 銀 行 側 も 預 金 取 引 を 開 始 するのにたいへんな 労 力 を 要 する 同 時 に それでも 口 座 開 設 を 行 っ て 頂 ける 取 引 先 企 業 に 感 謝 の 念 を 抱 いた おわりに タイに 赴 任 して 約 半 年 が 経 過 した 異 国 で の 生 活 や 単 身 赴 任 など 環 境 変 化 にも 慣 れて きたように 思 う バンコク 中 心 部 には 高 層 オ フィスビルやショッピングセンター 外 資 系 ホテル 等 が 集 積 し 国 際 都 市 としての 様 相 が 感 じられる 一 方 で 大 きな 道 路 沿 いには 屋 台 や 露 店 が 深 夜 遅 くまで 賑 わい 東 南 アジア 特 有 の 熱 気 を 味 わうことができる また 日 本 人 駐 在 員 が 多 く 居 住 するスクンビット 地 域 には 日 本 人 が 経 営 する 居 酒 屋 やレストラン が 数 多 くある 値 段 は 日 本 とほとんど 変 わら ないので タイ 人 からみれば かなりの 贅 沢 であるのだが 居 酒 屋 は 日 本 の 雰 囲 気 その ままなので 懐 かしくもあり どこかホッと する 場 所 でもある 日 本 人 向 けスーパーも 数 多 くあるので 生 活 用 品 にはまず 困 らない 時 間 帯 によって 慢 性 化 している 交 通 渋 滞 さえ 慣 れてしまえば 生 活 するには 快 適 な 国 である 当 行 は 地 域 共 存 顧 客 尊 重 を 経 営 理 念 として 掲 げ 創 業 以 来 埼 玉 県 の 地 元 銀 行 としての 看 板 を 守 り 続 けてきた 経 済 の グローバル 化 に 伴 い 日 本 国 内 では 海 外 企 業 との 貿 易 取 引 や 生 産 拠 点 の 海 外 シフトが 進 み 社 運 を 賭 けて 海 外 展 開 を 行 う 企 業 は 依 然 として 増 加 している またASEAN 諸 国 の 経 済 成 長 に 国 際 協 力 銀 行 (JBIC)の 地 銀 連 携 スキーム を 通 じて インド フィリピ ン インドネシア ベトナムの 地 場 銀 行 と 業 務 提 携 を 行 っている ぶぎんレポート No.184 2015 年 1 月 号 35
こうした 動 きの 中 で 私 たち 地 方 銀 行 がお 客 さまに 対 して 果 たすべき 役 割 は 高 度 化 かつ 多 様 化 してお り お 客 さまとのリレー ション 維 持 拡 大 を 図 るう えで 海 外 事 業 にかかるア ドバイザリー 等 の 機 能 発 揮 は 不 可 欠 であると 考 える 当 行 では 日 頃 から 海 外 進 出 支 援 室 を 中 心 に 行 内 での 情 報 共 有 を 図 り タイ 本 部 営 業 店 が 連 携 して 対 応 すること に 努 めている タイ 側 でも 日 本 側 でも 他 行 活 気 に 満 ちたバンコク 目 抜 き 通 り 歩 道 に 並 ぶ 屋 台 より 素 早 い 行 動 を 継 続 することで お 客 さま の 期 待 に 応 え 当 行 の 存 在 感 をより 一 層 高 め ていきたいと 思 う 武 蔵 野 銀 行 の 海 外 進 出 支 援 について 市 場 国 際 部 に 海 外 進 出 支 援 室 を 設 置 し お 取 引 先 企 業 の 海 外 進 出 を 支 援 しています ご 支 援 中 の 海 外 進 出 案 件 は タイ ベトナム インドネシアなどASEAN 諸 国 を 中 心 に 約 50 件 あります また 26 年 4 月 よりタイのカシコン 銀 行 にトレーニーを1 名 派 遣 しており 現 地 にて 直 接 タイ 進 出 済 企 業 からのご 相 談 に 対 応 しております タイ 以 外 ではインドネシア インド フィリピン ベトナムの 大 手 地 場 銀 行 と 業 務 提 携 関 係 にあり 口 座 開 設 や 現 地 情 報 の 提 供 など 各 種 のご 支 援 を 提 供 しています そのほか 政 府 関 連 施 策 を 活 用 して 取 引 先 の 海 外 進 出 海 外 展 開 を 積 極 的 にお 手 伝 いしています 出 ( 大 ) 日 本 貿 易 保 NE I との 業 務 提 携 1 国 際 協 力 機 構 JICA の O A を 活 用 した 海 外 展 開 支 援 国 ー ス ( 銀 行 ) 海 外 展 開 一 支 援 フ ストパス 制 度 2 トコ 銀 行 進 出 情 報 提 供 各 種 アドバイス 進 出 の 預 金 資 国 際 協 力 銀 国 JBIC 地 銀 連 携 スキーム: 地 場 銀 行 との 提 携 タイ インドネシア インド フィリピン ベトナム 提 携 銀 行 への 行 員 派 遣 タイ グローバルマインドの 養 成 海 外 視 イン イン ス イト 銀 行 タイ カシコン 銀 行 ン ト ポ タン 銀 行 インシ ンク インシ 1 N との 業 携 本 業 務 提 携 により 新 興 国 などへの 輸 出 に 際 し 貿 易 保 を 活 用 する 場 合 に 当 行 がこれを 取 り 一 部 有 利 な 保 料 の 適 用 が 可 能 となります 2 外 開 制 日 本 貿 易 振 興 機 構 JET O や 外 務 省 在 外 などの 支 援 を 受 けるために 地 銀 等 が 進 出 検 討 企 業 を 政 府 系 支 援 機 関 等 にする 制 度 当 行 は 元 支 援 機 関 として 本 制 度 に 参 加 しています 36 ぶぎんレポート No.184 2015 年 1 月 号