不 正 防 止 リスク 対 策 Ⅰ マイナンバー 制 度 導 入 による 企 業 の 実 務 対 応 1. 本 人 確 認 の 方 法 2.マイナンバー 提 出 を 拒 否 された 場 合 の 対 応 方 法 3 ガイドライン 変 更 点 4. 実 務 ( 人 事 労 務 編 ) 5. 実 務 ( 経 理 編 ) Ⅱ マイナンバー 漏 えいと 対 応 方 法 1. 漏 えい 時 の 会 社 の 報 告 義 務 2. 漏 えい 発 覚 時 対 応 事 例 3.マイナンバー 漏 えい 対 策
Ⅰ マイナンバー 制 度 導 入 による 企 業 の 実 務 対 応 1 本 人 確 認 の 方 法 (1) 従 業 員 とその 扶 養 家 族 への 本 人 確 認 マイナンバーを 取 得 する 際 は 他 人 のなりすまし 等 を 防 止 するため 厳 格 な 本 人 確 認 を 行 わなくてはなりません 本 人 確 認 では 以 下 の 点 を 確 認 します 1 正 しい 番 号 であること( 番 号 確 認 ) 2 手 続 きを 行 っている 者 が 番 号 の 正 しい 持 ち 主 であることの 確 認 ( 身 元 確 認 ) 従 業 員 扶 養 家 族 のマイナンバー 取 得 の 際 本 人 確 認 が 必 要 な 場 合 があります 扶 養 控 除 等 申 告 書 や 健 康 保 険 被 扶 養 者 異 動 届 は 従 業 員 が 会 社 に 提 出 するものな ので 扶 養 家 族 の 本 人 確 認 は 従 業 員 が 行 うこととなり 企 業 が 本 人 確 認 を 行 う 必 要 はあり ません これに 対 して 国 民 年 金 第 3 号 被 保 険 者 届 においては 企 業 への 提 出 義 務 者 が 従 業 員 の 配 偶 者 となっているため 企 業 へは 配 偶 者 の 本 人 確 認 を 行 う 必 要 があります 実 際 には 従 業 員 が 配 偶 者 に 代 わり 企 業 へマイナンバーを 提 出 することが 想 定 されます その 場 合 従 業 員 が 配 偶 者 の 代 理 人 となるので 本 人 の 身 元 確 認 の 代 わりに 代 理 人 の 身 元 確 認 と 代 理 権 の 確 認 ( 戸 籍 謄 本 や 委 任 状 )が 必 要 となります 1
(2) 本 人 確 認 の 具 体 例 国 税 庁 より 提 供 を 受 ける 際 に 実 施 する 本 人 確 認 について 想 定 される 本 人 確 認 方 法 が 公 開 されています 2
(3) 外 部 有 識 者 などの 本 人 確 認 外 部 の 取 引 先 から 提 供 を 受 ける 場 合 従 業 員 への 本 人 確 認 と 同 様 に 番 号 確 認 と 身 元 確 認 の 両 方 を 行 う 必 要 があります 外 部 との 商 取 引 の 実 態 を 踏 まえると 現 実 には 窓 口 となっている 営 業 担 当 者 が マイナ ンバーの 提 供 を 受 けることが 想 定 されます したがって 相 手 が 外 部 の 個 人 の 場 合 本 人 確 認 の 方 法 とあわせて 誰 が 本 人 確 認 するのかも 決 めておく 必 要 があります 数 年 に 渡 り 継 続 的 な 取 引 について 支 払 調 書 を 作 成 する 場 合 その 者 から 提 供 を 受 ける 際 提 供 を 受 ける 都 度 本 人 確 認 を 行 う 必 要 があります ただし 2 回 目 以 降 の 番 号 確 認 については 過 去 に 本 人 確 認 を 行 っている 時 でマイ ナンバーカードや 通 知 カード 等 の 提 示 を 受 けることが 困 難 な 場 合 に 限 り その 初 回 の 本 人 確 認 の 際 に 提 供 を 受 けた 記 録 と 照 合 する 等 で 確 認 することも 認 められて います 一 方 身 元 確 認 については 継 続 取 引 を 行 っている 者 から 提 供 を 受 ける 場 合 で その 者 を 対 面 で 確 認 することによって 本 人 であることが 確 認 できる 場 合 に 該 当 する 時 には 省 略 することができます 2 マイナンバー 提 出 を 拒 否 された 場 合 の 対 応 方 法 会 社 は マイナンバー 取 扱 事 務 は 避 けて 通 ることはできません しかし ながら 従 業 員 やその 扶 養 親 族 あるいは 取 引 先 や 株 主 の 協 力 が 得 られず 提 供 を 拒 ま れてしまった 場 合 は どうしたらよいのでしょうか そういった 場 合 以 下 のような 対 応 をとります 1マイナンバーについてのきちんとした 取 扱 いを 説 明 国 の 機 関 でも 情 報 漏 えいが 生 じてしまう 昨 今 非 常 に 重 要 な 情 報 であるマイナンバーに 対 し て 不 安 が 先 行 するのは 当 然 のことです しかし こうした 不 安 が 生 じる 原 因 に 情 報 不 足 があります また 提 供 を 拒 んだことを 理 由 に 罰 則 が 科 せられることはありません そのた め 会 社 は 安 全 管 理 措 置 において 作 成 する 基 本 方 針 を 公 開 しておくことや 資 料 等 による 説 明 を 積 極 的 に 行 い きちんとした 体 制 を 整 え 理 解 を 求 めていくしかありません 2 就 業 規 則 に 記 載 会 社 は 就 業 規 則 や 取 扱 規 程 等 で 取 得 や 利 用 目 的 を 規 定 しておく 必 要 がありま す 雇 用 契 約 締 結 時 に 提 出 書 類 として 要 求 することを 画 一 的 に 定 めておきます しかし 提 出 しない 場 合 であっても マイナンバーは 提 出 義 務 が 無 く 罰 則 も 無 いため 重 い 懲 戒 処 分 を 行 うことは 厳 しいと 考 えます 3
きちんと 内 部 での 安 全 管 理 措 置 を 行 い そのことを 説 明 し 再 三 督 促 をしたにもかかわ らず 自 身 の 政 治 的 な 信 条 その 他 理 由 により 提 供 及 び 本 人 確 認 を 拒 まれ てしまった 場 合 は 以 下 のような 対 応 をとることになります 1 収 集 にあたっての 説 明 拒 否 の 経 緯 をきちんと 記 録 しておく 安 全 管 理 という 側 面 からも 手 続 の 経 過 を 記 録 保 存 しておくことは 重 要 です また 単 に 一 度 や 二 度 の 督 促 では 収 集 のために 尽 力 したと 認 められない 可 能 性 もあるため 数 度 にわたる 説 明 と 督 促 を 行 う 必 要 があります 2 行 政 機 関 に 相 談 する 従 業 員 がマイナンバーを 提 出 しなかった 理 由 を 行 政 機 関 に 相 談 することになります 実 務 的 に は 記 載 がなくても 業 務 を 行 うことは 可 能 ですが 1の 経 緯 が 非 常 に 重 要 になり ます 3 ガイドライン 変 更 点 平 成 27 年 10 月 2 日 に 所 得 税 法 施 行 規 則 等 の 改 正 が 行 われ 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 施 行 後 の 平 成 28 年 1 月 以 降 も 給 与 な どの 支 払 を 受 ける 方 に 交 付 する 源 泉 徴 収 票 などへの 個 人 番 号 の 記 載 は 行 わないこととされ ました ( 税 務 署 に 提 出 する 源 泉 徴 収 票 などには 個 人 番 号 の 記 載 が 必 要 です ) 特 定 個 人 情 報 の 適 正 な 取 扱 いに 関 するガイドライン( 事 業 者 編 ) P27 b 個 人 番 号 関 係 事 務 実 施 者 からの 提 供 ( 第 2 号 ) * 事 業 者 ( 個 人 番 号 関 係 事 務 実 施 者 )は 所 得 税 法 第 226 条 第 1 項 の 規 定 に 従 って 給 与 所 得 の 源 泉 徴 収 票 の 提 出 という 個 人 番 号 関 係 事 務 を 処 理 するために 従 業 員 等 の 個 人 番 号 が 記 載 された 給 与 所 得 の 源 泉 徴 収 票 を2 通 作 成 し 1 通 を 税 務 署 長 に 提 出 し 他 の1 通 を 本 人 に 交 付 することとなる P51 B 取 扱 規 程 等 の 策 定 * 源 泉 徴 収 票 等 を 作 成 する 事 務 の 場 合 例 えば 次 のような 事 務 フローに 即 して 手 続 を 明 確 にしておくことが 重 要 である 1~5( 略 ) 6 源 泉 徴 収 票 等 の 本 人 への 交 付 方 法 以 下 ( 略 ) 出 典 : 特 定 個 人 情 報 保 護 委 員 会 事 務 局 ガイドライン 改 正 に 関 するお 知 らせ 平 成 27 年 10 月 9 日 4
4 実 務 ( 人 事 労 務 編 ) (1) 入 退 社 時 の 手 続 従 業 員 の 入 社 や 退 社 時 には 従 業 員 から 雇 用 契 約 書 や 誓 約 書 扶 養 控 除 申 告 書 年 金 手 帳 といった 入 社 や 退 社 手 続 に 必 要 な 書 類 の 収 集 や 年 金 事 務 所 ハローワーク への 健 康 保 険 や 厚 生 年 金 雇 用 保 険 の 加 入 脱 退 に 必 要 な 資 格 取 得 届 喪 失 届 などの 提 出 健 康 保 険 証 や 源 泉 徴 収 票 離 職 票 等 の 従 業 員 への 交 付 といった 多 く の 書 類 の 作 成 手 続 が 必 要 となります 平 成 28 年 1 月 以 降 マイナンバー 制 度 の 導 入 後 は 年 金 事 務 所 ハローワークへの 健 康 保 険 や 厚 生 年 金 保 険 雇 用 保 険 などの 加 入 脱 退 に 提 出 する 資 格 取 得 届 資 格 喪 失 届 等 ( 健 康 保 険 厚 生 年 金 は 平 成 29 年 1 月 以 降 より)や 従 業 員 から 提 出 を 受 ける 給 与 所 得 者 の 扶 養 控 除 申 告 書 退 職 所 得 の 受 給 に 関 する 申 告 書 等 に マイナン バーの 記 載 が 求 められるようになります 正 社 員 契 約 社 員 パート アルバイトなどさまざまな 雇 用 形 態 がありますが 源 泉 徴 収 票 の 発 行 義 務 は 発 生 しますので 全 従 業 員 に 対 して 提 供 を 求 める 必 要 があります アルバイトを 掛 け 持 ちしている 従 業 員 で 扶 養 控 除 等 申 告 書 を 提 出 せず 乙 欄 で 源 泉 徴 収 を 行 っていても 同 様 です 派 遣 社 員 を 受 け 入 れている 場 合 派 遣 元 が 源 泉 徴 収 事 務 を 行 うので 提 供 を 求 める 必 要 はありません 5
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(2) 扶 養 家 族 の 変 動 による 取 扱 い 1 従 業 員 の 扶 養 家 族 の 変 動 子 供 の 出 産 家 族 の 就 職 退 職 死 亡 等 従 業 員 の 扶 養 家 族 の 変 動 に 伴 って 税 扶 養 ( 所 得 税 法 上 の 扶 養 家 族 )や 健 康 保 険 の 被 扶 養 者 が 増 加 する 場 合 企 業 は 対 象 となる 家 族 のマ イナンバーを 取 得 する 必 要 があります なお 平 成 29 年 7 月 以 降 に 提 出 する 健 康 保 険 被 扶 養 者 ( 異 動 ) 届 については 年 収 や 同 居 を 証 明 する 添 付 書 類 のうち 課 税 ( 非 課 税 ) 証 明 書 や 住 民 票 の 写 しは 原 則 とし て 省 略 可 能 となる 予 定 です 2 従 業 員 本 人 の 変 動 ハローワークや 健 康 保 険 組 合 に 対 する 従 業 員 の 氏 名 変 更 や 住 所 変 更 手 続 において 今 後 はマイナンバーを 記 載 して 届 け 出 る 必 要 があります 通 常 これらの 変 更 も 含 め 網 羅 的 に 利 用 目 的 を 明 示 した 上 で 本 人 の 個 人 で 届 出 書 に 転 記 することになります なお 年 金 事 務 所 への 氏 名 変 更 届 および 住 所 変 更 届 の 提 出 は 原 則 不 要 となる 予 定 です 3 給 付 金 申 請 時 のマイナンバー 提 供 従 業 員 が 健 康 保 険 組 合 等 の 保 険 者 に 直 接 提 出 することが 法 律 上 定 められている 申 請 を 現 在 企 業 が 代 理 で 申 請 しているケースがあります しかし 今 後 は 申 請 書 にマイナンバーを 記 載 する 必 要 があるため 従 来 通 り 申 請 を 企 業 経 由 で 行 うと 企 業 にとって 目 的 外 の 取 得 にあたる 懸 念 があります その ため マイナンバー 制 度 開 始 以 降 も 企 業 経 由 で 申 請 を 行 う 場 合 企 業 が 従 業 員 の 代 理 人 と なり 保 険 者 と 事 務 のやり 取 りを 行 う 方 法 が 考 えられます 企 業 は 従 業 員 の 申 請 書 類 を 提 出 する 際 従 業 員 から 代 理 申 請 の 委 任 状 を 提 出 してもらい 申 請 書 と 併 せて 保 険 者 へ 提 出 します ただし 委 任 状 があっても 企 業 は 代 理 人 である ため マイナンバーを 含 んだ 申 請 書 類 の 控 えは 保 管 できません 保 管 が 必 要 な 場 合 は マ イナンバーをマスキングなどにより 削 除 する 必 要 があります 7
5 実 務 ( 経 理 編 ) (1) 給 与 支 払 手 続 業 務 における 取 扱 い 平 成 28 年 1 月 以 降 マイナンバー 制 度 導 入 後 は 従 業 員 から 提 出 を 受 ける 給 与 所 得 の 扶 養 控 除 申 告 書 と 年 金 事 務 所 に 提 出 する 賞 与 支 払 届 ( 平 成 29 年 1 月 提 出 分 より 70 歳 以 上 の 方 のみマイナンバー 記 載 )に 個 人 番 号 の 記 載 が 求 められるようになります なお このうち 給 与 所 得 者 の 扶 養 控 除 申 告 書 は 源 泉 徴 収 額 の 算 定 に 関 わる 重 要 な 書 類 とされています (2) 社 会 保 険 算 定 業 務 における 取 扱 い 平 成 29 年 1 月 以 降 (マイナンバー 制 度 の 導 入 から1 年 後 )は 年 金 事 務 所 に 提 出 する 算 定 基 礎 届 月 額 変 更 届 賞 与 支 払 届 に 70 歳 以 上 の 従 業 員 に 限 定 して マイナンバー の 記 載 が 求 められるようになります 実 務 上 は 要 否 が 混 乱 しやすくなる ので 業 務 手 順 書 やチェックリストなどを 活 用 し 記 載 漏 れが 起 きないように 注 意 が 必 要 です (3) 年 末 調 整 手 続 業 務 における 取 扱 い 平 成 28 年 1 月 以 降 マイナンバー 制 度 の 導 入 後 は 社 員 から 提 出 を 受 ける 給 与 所 得 の 扶 養 控 除 申 告 書 保 険 料 控 除 申 告 書 配 偶 者 特 別 控 除 申 告 書 等 に 記 載 が 求 められるようになります 従 業 員 が 多 い 場 合 や 多 くのパート アルバイトを 雇 っている 場 合 年 末 調 整 の 時 期 に 取 扱 量 が 多 くなると 予 想 されるため 入 念 な 準 備 が 必 要 です 8
(4) 法 定 調 書 提 出 業 務 における 取 扱 い 平 成 28 年 1 月 以 降 マイナンバー 制 度 の 導 入 後 は 税 務 署 に 提 出 する 給 与 所 得 退 職 所 得 の 源 泉 徴 収 票 や 報 酬 料 金 等 の 支 払 調 書 などの 法 定 調 書 や 市 区 町 村 に 提 出 する 給 与 支 払 報 告 書 や 特 別 徴 収 票 に 記 載 が 求 められるようになります 法 定 調 書 はシステム 化 が 遅 れており 手 作 業 で 集 計 作 成 していることも 多 々あるため 人 的 なミスや 資 料 の 管 理 など 検 討 すべき 課 題 が 多 くあります また 収 集 対 象 が 多 岐 にわたり イレギュラーな 対 応 になりやすいため マイナンバー 導 入 後 の 手 順 について 対 策 を 講 じる 必 要 があります 9
Ⅱ マイナンバー 漏 えいと 対 応 方 法 1 漏 えい 時 対 応 の 流 れ 事 業 者 が 取 り 扱 う 漏 えい 事 案 その 他 の 番 号 法 違 反 の 事 案 又 は 番 号 法 違 反 のおそれのある 事 案 が 発 覚 した 場 合 には 事 案 の 内 容 に 応 じて 次 のように 対 応 すること が 考 えられます (1) 事 業 者 内 部 における 報 告 被 害 の 拡 大 防 止 責 任 ある 立 場 の 者 に 直 ちに 報 告 するとともに 被 害 の 拡 大 を 防 止 するために 迅 速 に(2)~(5) を 実 施 します (2) 事 実 関 係 の 調 査 原 因 の 究 明 事 実 関 係 を 調 査 し その 原 因 の 究 明 を 行 います (3) 影 響 範 囲 の 特 定 (2)で 把 握 した 事 実 関 係 による 影 響 の 範 囲 を 特 定 します( 例 : 誰 の どのような 情 報 が どこ に 漏 えいしたのか 等 ) (4) 再 発 防 止 策 の 検 討 実 施 (2)で 究 明 した 原 因 を 踏 まえ 再 発 防 止 策 を 検 討 し 速 やかに 実 施 します (5) 影 響 を 受 ける 可 能 性 のある 本 人 への 連 絡 等 二 次 被 害 の 防 止 類 似 事 案 の 発 生 回 避 等 の 観 点 から 事 案 の 内 容 等 に 応 じて 事 実 関 係 等 につ いて 速 やかに 本 人 へ 連 絡 し 又 は 本 人 が 容 易 に 知 り 得 る 状 態 にしておきます (6) 個 人 情 報 保 護 委 員 会 等 への 報 告 の 要 否 の 確 認 次 頁 漏 えい 等 報 告 を 参 照 10 ( 出 典 : 個 人 情 報 保 護 委 員 会 )
漏 えい 等 が 発 覚 じた 場 合 は 特 定 個 人 情 報 の 安 全 の 確 保 に 係 る 重 大 な 事 態 が 生 じた 時 に 個 人 情 報 保 護 委 員 会 に 報 告 することが 法 令 上 の 義 務 になっています ( 出 典 : 個 人 情 報 保 護 委 員 会 ) 11
2 漏 えい 発 覚 時 対 応 事 例 漏 えいが 発 覚 した 場 合 の 対 応 は 事 案 により 異 なりますが 個 人 情 報 保 護 委 員 会 が 対 応 方 法 を 示 したものがありますので ご 参 考 下 さい 事 例 経 理 担 当 者 が 自 宅 で 作 業 をするために マイナンバーを 保 存 している 電 子 媒 体 (USB メモリ)を 鞄 に 入 れて 持 ち 帰 る 途 中 で 鞄 を 紛 失 してしまった 1 事 業 者 内 部 における 報 告 被 害 の 拡 大 防 止 責 任 者 へ 報 告 する 警 察 等 への 紛 失 届 の 提 出 及 び 当 日 の 行 動 範 囲 に 落 ちていないかの 確 認 等 USB メモリを 探 索 し 回 収 する 2 事 実 関 係 の 調 査 原 因 究 明 どのような 取 扱 いをしてたか 本 人 ら 聴 取 し ルールに 沿 った 取 扱 いか ルールに 反 した 取 扱 いかを 確 認 し 紛 失 に 至 った 原 因 究 明 する 3 影 響 範 囲 の 特 定 USB メモリ 保 存 データに 誰 のどような 情 報 が 含 まれているかを 特 定 し 外 部 に 情 報 が 流 出 した 場 合 の 影 響 を 想 定 する USB メモリの 保 存 データの 暗 号 化 やパスワード 設 定 の 状 況 を 確 認 する USB メモリを 回 収 できた 場 合 には 回 収 までの 経 緯 確 認 し 不 特 定 者 に 情 報 が 漏 えいし ていないかを 確 認 する 4 再 発 防 止 策 の 検 討 実 施 発 生 原 因 が 人 的 原 因 かルール 自 体 の 欠 陥 かを 特 定 し 再 発 防 止 のための 対 応 方 法 ( 例 え ば 実 務 研 修 や 倫 理 研 修 の 実 施 ルールの 改 正 等 )を 検 討 の 後 従 業 員 に 周 知 して 適 切 に 実 施 する 5 影 響 を 受 ける 可 能 性 のある 本 人 への 連 絡 等 影 響 を 受 けるであろう USB メモリ 保 存 データに 含 まれている 情 報 の 該 当 者 に 連 絡 して 漏 えいの 事 実 について 謝 罪 し 不 審 電 話 による 詐 欺 被 害 ( 例 えば 金 銭 の 要 求 等 )の 防 止 のために 注 意 喚 起 する マイナンバーが 漏 えいして 不 正 に 用 いられるおそれがあると 認 められるときは マイナ ンバーの 変 更 をお 住 いの 市 区 町 村 に 請 求 できるので 問 い 合 わせるよう 本 人 に 説 明 する 12
6 個 人 情 報 保 護 委 員 会 等 への 報 告 の 要 否 の 確 認 個 人 情 報 保 護 委 員 会 又 は 業 界 の 所 管 官 庁 への 報 告 が 必 要 かどうかを 確 かめ 必 要 な 場 合 は 報 告 する ( 重 大 な 事 態 が 生 じたときは 個 人 情 報 保 護 委 員 会 への 報 告 義 務 があり ます ) 3 マイナンバー 漏 えい 対 策 (1) 安 全 管 理 措 置 マイナンバー 法 では 事 業 所 はマイナンバーおよび 特 定 個 人 情 報 が 漏 洩 滅 失 または 毀 損 することなく 適 切 な 管 理 を 行 うため 各 種 の 安 全 管 理 措 置 を 講 じなければならないとさ れています 具 体 的 には 組 織 体 制 の 整 備 などの 組 織 的 安 全 措 置 事 務 取 扱 担 当 者 の 監 督 や 教 育 な どの 人 的 安 全 管 理 措 置 特 定 個 人 情 報 等 を 取 扱 う 区 域 の 管 理 や 機 器 および 電 子 媒 体 等 の 盗 難 防 止 などの 物 理 的 安 全 管 理 措 置 アクセス 制 御 外 部 からの 不 正 アクセス 防 止 な どの 技 術 的 安 全 管 理 措 置 などに 取 組 むことが 求 められます 社 内 での 取 組 み 例 についてご 紹 介 します 1 会 社 でルールを 決 める 持 出 しの 適 否 や 許 可 持 出 しができる 場 合 の 情 報 保 護 としてデータの 暗 号 化 やパスワー ドの 設 定 等 のルールを 決 めます 2 会 社 で 決 めたルールに 沿 った 取 扱 いを 徹 底 する 会 社 で 特 定 個 人 情 報 がルールに 沿 った 取 扱 いが 行 われるように 適 切 に 研 修 を 実 施 する 研 修 は 事 務 取 扱 担 当 者 のみならず 他 の 従 業 員 にも 基 本 的 な 取 扱 い の 研 修 は 実 施 します 13
3 特 定 個 人 情 報 漏 えい 発 生 時 の 連 絡 体 制 を 整 える 漏 えいが 発 生 した 際 には 被 害 の 拡 大 及 び 二 次 被 害 の 防 止 等 の 早 急 な 対 応 が 必 要 となり ますので 連 絡 体 制 を 構 築 します 4 定 期 的 に 責 任 ある 立 場 の 者 が 取 扱 いを 確 認 する 責 任 ある 立 場 の 者 が 保 管 を 含 む 取 扱 状 況 やルール 等 について 定 期 的 に 点 検 するようにします (2) 破 棄 法 律 で 限 定 的 に 明 記 された 場 合 を 除 き 特 定 個 人 情 報 を 保 管 してはいけないとされてい ます 社 会 保 障 および 税 に 関 する 手 続 書 類 の 作 成 事 務 を 処 理 する 必 要 がなくなり 所 管 法 令 に おいて 定 められている 保 存 期 間 を 経 過 した 場 合 マイナンバーをできるだけ 速 やかに 廃 棄 または 削 除 しなければなりません なお マイナンバー 部 分 を 復 元 できない 程 度 にマスキングまたは 削 除 した 上 で 保 管 を 継 続 することは 可 能 とされています 14