浜 松 がん 薬 物 療 法 セミナー < 症 例 解 説 > 坪 井 久 美 浜 松 医 療 センター 薬 剤 科 症 例 1 処 方 解 説 2012.11.10 < 背 景 > 73 歳 女 性 現 病 歴 :S 状 結 腸 がん 多 発 肝 転 移 既 往 歴 : 心 筋 梗 塞 (ステント 留 置 後 ) 高 血 圧 症 脂 質 異 常 症 ( 内 服 薬 なし) 糖 尿 病 ( 内 服 薬 なし) 158cm, 61kg 1.62m2 < 施 行 している 化 学 療 法 > mfolfox6+bmab 療 法 2 週 間 に1 回 施 行 病 勢 進 行 するまで 継 続 する ベバシズマブ( 商 品 名 :アバスチン )の 作 用 機 序 ベバシズマブ 腫 瘍 血 管 V (VEGFR) ベバシズマブ 5mg/kg 400mg/m2 急 速 静 注 l-ロイコボリン 200mg/m2 オキサリプラチン 85mg/m2 2400mg/m2 持 続 静 注 (インフューザポンプ 使 用 ) がVEGFを 放 出 する ことにより 血 管 新 生 を 促 す VEGF ベバシズマブがVEGFに 結 合 し VEGFとVEGFRの 結 合 を 阻 害 VEGF 阻 害 により 1 内 皮 細 胞 増 殖 2 血 管 新 生 3 血 管 正 常 化 4 血 管 透 過 性 5 間 質 圧 6 転 移 拡 散 初 回 90 分 2 回 目 60 分 3 回 目 以 降 30 分 120 分 46 時 間 VEGF: 血 管 内 皮 成 長 因 子 < 外 科 > プリンペラン 錠 5 1 錠 嘔 気 時 10 回 分 オーグメンチン 配 合 錠 250SR 3 錠 1 日 3 回 毎 食 後 3 日 分 38 以 上 の 熱 が 出 た 時 に 内 服 βラクタム 系 抗 生 物 質 :アモキシシリン クラブラン 酸 FN 対 応 クラビット 錠 500mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 3 日 分 ニューキノロン 系 抗 菌 薬 :レボフロキサシン FN 対 応? < 循 環 器 科 > バイアスピリン 錠 100mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 血 小 板 凝 集 抑 制 薬 :アスピリン 血 栓 予 防 ニューロタン 錠 25mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 アンジオテンシンⅡ 受 容 体 拮 抗 薬 :ロサルタンカリウム 降 圧 心 駆 出 率 改 善 心 肥 大 改 善 アーチスト 錠 2.5mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 αβ 受 容 体 遮 断 薬 :カルベジロール 心 室 性 不 整 脈 予 防 タケプロンOD 錠 15 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 プロトンポンプ 阻 害 薬 :ランソプラゾール アスピリン 潰 瘍 予 防 プリンペラン 錠 5 1 錠 嘔 気 時 10 回 分 mfolfox6 療 法 は 中 等 度 催 吐 性 レジメン 遅 延 性 嘔 吐 への 対 処 薬 副 腎 皮 質 ステロイド(デキサメタゾン)の 内 服 薬 でなくてよいか?(DMへの 影 響?) 使 用 頻 度 によって 次 回 から 追 加 予 防 策 を 検 討 する 必 要 がある オーグメンチン 配 合 錠 250SR 3 錠 1 日 3 回 毎 食 後 3 日 分 38 以 上 の 熱 が 出 た 時 に 内 服 βラクタム 系 抗 生 物 質 :アモキシシリン クラブラン 酸 FN 対 応 クラビット 錠 500mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 3 日 分 ニューキノロン 系 抗 菌 薬 :レボフロキサシン FN 対 応? FN 対 策 オーグメンチンは 発 熱 時 服 用 のコメントがあるため FNの 対 処 薬 クラビットの 服 用 目 的 は? 熱 発 時 でなくて 良 いか? 患 者 確 認 疑 義 照 会 NPO 法 がん 情 報 局 1
発 熱 性 好 中 球 減 少 症 Febrile Neutropenia (FN) 1 好 中 球 減 少 :<500μL または<1000μL で48 時 間 以 内 に<500μL になると 予 測 される 2 発 熱 : 腋 窩 温 37.5 低 リスク 患 者 (MASCCスコアで21 点 以 上 )で 患 者 側 消 化 管 の 吸 収 に 問 題 なく 内 服 可 能 介 護 者 がいる 緊 急 時 に 来 院 する 交 通 手 段 がある 病 院 側 急 変 時 に 常 時 対 応 可 能 な 外 来 診 療 体 制 が 整 備 されている 外 来 で 経 口 抗 菌 薬 治 療 シプロキサシン+クラブラン 酸 アモキシシリンを 推 奨 進 行 性 直 腸 結 腸 がん FOLFOX+Bv or XELOX+Bvを 施 行 した 患 者 695 例 でのFN 発 症 頻 度 :2.7% 既 往 歴 : 心 筋 梗 塞 (ステント 留 置 後 ) 高 血 圧 症 脂 質 異 常 症 ( 内 服 薬 なし) 糖 尿 病 ( 内 服 薬 なし) < 循 環 器 科 > バイアスピリン 錠 100mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 血 小 板 凝 集 抑 制 薬 :アスピリン 血 栓 予 防 ニューロタン 錠 25mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 アンジオテンシンⅡ 受 容 体 拮 抗 薬 :ロサルタンカリウム 降 圧 心 駆 出 率 改 善 心 肥 大 改 善 アーチスト 錠 2.5mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 αβ 受 容 体 遮 断 薬 :カルベジロール 心 室 性 不 整 脈 予 防 タケプロンOD 錠 15 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 プロトンポンプ 阻 害 薬 :ランソプラゾール アスピリンによる 潰 瘍 予 防 心 筋 梗 塞 の 既 往 がある 患 者 へのアバスチン 投 与 ステント 留 置 後 であればバイアスピリンは 必 須 アバスチンによる 高 血 圧 血 栓 塞 栓 症 出 血 のリスクは? 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 (FN) 診 療 ガイドライン 日 本 臨 床 腫 瘍 学 会 編 2012 J Clin Oncol 26: 2013-2019, 2008 アバスチンによる 重 篤 な 副 作 用 の 頻 度 (Grade3 以 上 ) 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 日 本 ) n=2,696 BEAT 試 験 ( 海 外 ) n=1,914 BRiTE 試 験 ( 海 外 ) n=1,445 高 血 圧 0.4% 5.2% 19.4% 消 化 管 穿 孔 0.9% 1.8% 1.8% 血 栓 塞 栓 症 0.3% 1.4% 1.8% ( 動 脈 血 栓 ) 出 血 1.4% 3.2% 2.4% 創 傷 治 癒 遅 延 0.3% 1.1% NA タンパク 尿 0.04% 1.0% NA アバスチンによる 血 栓 塞 栓 症 の 発 症 機 序 とリスク VEGF NO 合 成 酵 素 COX2 NO PGI 2 VEGFR 血 小 板 凝 集 抑 制 血 管 平 滑 筋 細 胞 の 増 殖 抑 制 動 脈 保 護 作 用 抗 血 栓 作 用 リスク 因 子 として 1 動 脈 血 栓 塞 栓 症 の 既 往 265 歳 以 上 が 挙 げられる 1 及 び2のリスク 因 子 を 有 する 症 例 でも 無 増 悪 生 存 期 間 (HR0.55) 及 び 生 存 率 の 延 長 (HR0.59)が 認 められた 必 ずしも 禁 忌 ではない 低 用 量 アスピリン 投 与 は 出 血 合 併 症 (G3/4)を 1.3 倍 まで 増 加 させるが 有 意 差 はない(p=0.718) Ann Oncol 20(11):1842-1847, 2009 J Clin Oncol 26(33):5326-5334, 2008 アバスチン 併 用 による 動 脈 血 栓 塞 栓 症 の 発 現 リスクは 化 学 療 法 のみと 比 較 して 約 2 倍 J Nati Cancer Inst 99(16):1232-1239, 2007 心 筋 梗 塞 (ステント 留 置 後 ) ステント 留 置 後 の 血 栓 予 防 のため バイアスピリンは 不 可 欠 バイアスピリン 長 期 投 与 による 消 化 性 潰 瘍 の 可 能 性 (PPI 併 用 ) 消 化 管 出 血 が 発 生 した 場 合 止 血 が 困 難 になる 可 能 性 緊 急 時 の 対 応 について 情 報 提 供 する 緊 急 時 に 両 剤 を 使 用 していることが 分 かるよう 情 報 提 供 する 高 血 圧 症 アバスチンによる 血 圧 上 昇 のリスクが 高 く 高 血 圧 クリーゼなどの 緊 急 を 要 する 症 状 を 呈 する 可 能 性 厳 密 な 血 圧 モニタリング 脂 質 異 常 症 過 去 に 服 薬 歴 がある 可 能 性 制 吐 剤 のステロイドによるコレステロール 値 上 昇 の 可 能 性 コレステロール 値 等 のモニタリング 糖 尿 病 過 去 に 服 薬 歴 がある 可 能 性 制 吐 剤 のステロイドによる 血 糖 値 上 昇 の 可 能 性 血 糖 値 HbA1c 等 のモニタリング アバスチン 投 与 中 の 緊 急 時 の 対 応 突 然 起 こる 強 い 腹 痛 吐 下 血 意 識 障 害 痙 攣 胸 部 圧 迫 痛 呼 吸 困 難 救 急 車 を 要 請 しましょう! アバスチンを 使 用 していることが 伝 わるようにしましょう! NPO 法 がん 情 報 局 2
症 例 1のポイント 症 例 2 処 方 解 説 < 背 景 > 49 歳 女 性 横 行 結 腸 癌 卵 巣 転 移 後 腹 膜 転 移 腹 膜 播 種 167cm 69kg 1.78m2 パニツムマブ( 商 品 名 :ベクティビックス ) の 作 用 機 序 < 施 行 している 化 学 療 法 > FOLFIRI+Pmab 療 法 2 週 間 に1 回 施 行 病 勢 進 行 するまで 継 続 する EGFなどのリガンドがEGFRに 結 合 し 受 容 体 が 活 性 化 する パニツムマブがEGFRに 結 合 し EGFとEGFRの 結 合 を 阻 害 400mg/m2 急 速 静 注 EGF パニツムマブ l-ロイコボリン 200mg/m2 パニツムマブ 6mg/kg 2400mg/m2 イリノテカン 持 続 静 注 (インフューザポンプ 使 用 ) 150mg/m2 60 分 120 分 46 時 間 (EGFR) EGF: 上 皮 成 長 因 子 EGFR 機 能 阻 害 により 1 細 胞 増 殖 2 細 胞 生 存 3 血 管 新 生 4 転 移 拡 散 ヒルドイドソフト 軟 膏 50g 必 要 に 応 じて 血 行 促 進 皮 膚 保 湿 剤 :ヘパリン 類 似 物 質 皮 膚 保 湿 マイザー 軟 膏 0.005%10g 四 肢 体 幹 に 症 状 出 たら 塗 布 副 腎 皮 質 ステロイド:ジフルプレドナート 抗 炎 症 (very strong) ロコイドクリーム0.1% 10g 顔 面 に 症 状 出 たら 塗 布 副 腎 皮 質 ステロイド:ヒドロコルチゾン 酪 酸 エステル 抗 炎 症 (medium) Rp.4 リドメックスコーワローション 10g 頭 皮 に 症 状 出 たら 塗 布 副 腎 皮 質 ステロイド:プレドニゾロン 吉 草 酸 エステル 酢 酸 エステル 抗 炎 症 (medium) Rp.5 キシロカイン 液 4% 10ml 局 所 麻 酔 薬 :リドカイン 塩 酸 塩 局 所 麻 酔 疼 痛 緩 和 ハチアズレ 含 漱 用 2g/ 包 5 包 含 漱 :アズレンスルホン 酸 Na 炭 酸 水 素 Na 抗 炎 症 滅 菌 精 製 水 を 加 えて 500ml 必 要 に 応 じて EGFRは 皮 膚 毛 包 爪 の 増 殖 分 化 に 関 与 しており 正 常 組 織 でも 以 下 の 細 胞 に 発 現 している EGFRは 多 くの 腫 瘍 で 過 剰 に 発 現 していることが 知 られている 表 皮 基 底 細 胞 外 毛 鞘 細 胞 脂 腺 細 胞 平 滑 筋 細 胞 エクリン 汗 腺 真 皮 内 管 爪 母 細 胞 上 皮 成 長 因 子 (EGF) 受 容 体 Rp.6 ミノマイシンカプセル100mg 3Cp 1 日 3 回 毎 食 後 14 日 分 テトラサイクリン 系 抗 生 物 質 :ミノサイクリン 塩 酸 塩 抗 生 物 質? 抗 炎 症? NPO 法 がん 情 報 局 3
EGFRが 阻 害 されるとどうなるか? ベクティビックス 投 与 群 における 皮 膚 障 害 のGradeと 臨 床 効 果 角 化 異 常 角 化 亢 進 不 全 角 化 角 栓 形 成 による 毛 包 炎 角 質 菲 薄 化 による 皮 膚 乾 燥 爪 母 細 胞 の 分 化 異 常 爪 甲 菲 薄 化 による 易 刺 激 爪 周 囲 炎 陥 入 爪 重 症 度 ざ 瘡 様 皮 膚 炎 皮 膚 乾 燥 爪 周 囲 炎 投 与 開 始 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 皮 膚 症 状 が 出 現 した 方 が 臨 床 効 果 が 高 い Van Cutsem E, et al. J Clin Oncol 25(13): 1658-1664, 2007 STEPP 試 験 (Skin Toxity Evalution Protocol with Panitumumab) Grade2 以 上 の 皮 膚 障 害 の 初 回 発 現 までの 期 間 ベクティビックス により 発 現 する 皮 膚 障 害 に 対 する 予 防 療 法 の 有 効 性 を 検 討 FOLFIRI+Panitumumab ( 予 防 療 法 群 N=48) 1 次 治 療 後 に 病 勢 が 悪 化 した 大 腸 癌 患 者 (N=95) R 保 湿 剤 サンスクリーン 局 所 ステロイド ドキシサイクリン100mg(2 回 / 日 ) FOLFIRI+Panitumumab ( 対 症 療 法 群 N=47) 保 湿 剤 サンスクリーンは 禁 止 されていない 予 防 療 法 群 は 対 症 療 法 群 より 症 状 発 現 が 遅 い 皮 膚 症 状 の 発 現 頻 度 (Grade3 以 上 ) 予 防 療 法 の 詳 細 (%) 25 20 15 10 5 4 21 2 11 4 17 予 防 療 法 群 (n=48) 対 症 療 法 群 (n=47) 6 2 保 湿 剤 外 用 ステロイド 内 服 その 他 薬 剤 指 定 なし 1%ヒドロコルチゾン ドキシサイクリン 日 焼 け 止 め 起 床 時 塗 布 就 寝 時 に 塗 布 1 回 100mg,1 日 2 回 内 服 PABAフリー 手 / 足 / 首 / 背 中 / 胸 部 顔 面 / 手 / 足 / 首 / 背 中 / 胸 部 SPF 15 投 与 前 日 から6 週 間 投 与 投 与 前 日 から6 週 間 投 与 投 与 前 日 から6 週 間 投 与 0 ざ 瘡 様 皮 膚 炎 掻 痒 膿 疱 性 皮 疹 爪 囲 炎 事 前 にスキンケア( 薬 剤 塗 布 方 法 )についてのビデオ 講 習 を 受 ける 予 防 療 法 群 は 対 症 療 法 群 よりも 重 篤 な 皮 膚 症 状 の 頻 度 は 少 ない NPO 法 がん 情 報 局 4
ヒルドイドソフト 軟 膏 50g 必 要 に 応 じて 血 行 促 進 皮 膚 保 湿 剤 :ヘパリン 類 似 物 質 皮 膚 保 湿 マイザー 軟 膏 0.005% 10g 四 肢 体 幹 に 症 状 出 たら 塗 布 副 腎 皮 質 ステロイド:ジフルプレドナート 抗 炎 症 (very strong) ロコイドクリーム0.1% 10g 顔 面 に 症 状 出 たら 塗 布 副 腎 皮 質 ステロイド:ヒドロコルチゾン 酪 酸 エステル 抗 炎 症 (medium) Rp.4 リドメックスコーワローション 10g 頭 皮 に 症 状 出 たら 塗 布 副 腎 皮 質 ステロイド:プレドニゾロン 吉 草 酸 エステル 酢 酸 エステル 抗 炎 症 (medium) 顔 面 13 前 腕 1 ステロイド 塗 布 部 位 による 吸 収 の 違 い 頭 部 3.5 背 中 1.7 Pmabによる 皮 膚 症 状 の 対 策 ( 外 用 ) ステロイドは 症 状 が 出 現 したら 使 用 薬 剤 の 使 い 分 けと 塗 布 方 法 について 説 明 ヒルドイドソフト 軟 膏 の 塗 布 方 法 を 確 認 入 浴 後 は 必 ず 塗 布 してもらう 足 底 0.14 Rp.6 ミノマイシンカプセル100mg 3Cp 1 日 3 回 毎 食 後 14 日 分 テトラサイクリン 系 抗 生 物 質 :ミノサイクリン 塩 酸 塩 抗 炎 症 スキンケアの 基 本 Pmabによる 皮 膚 症 状 の 対 策 ( 内 服 ) ミノマイシンは 皮 膚 への 移 行 が 良 好 抗 生 物 質 としてではなく 抗 炎 症 目 的 通 常 100-200mg/ 日 1 日 3 回 では 多 いので 疑 義 照 会 の 対 象! ミノマイシンによる 尿 着 色 肝 障 害 胃 腸 障 害 ( 下 痢 )に 注 意 臨 床 試 験 の 結 果 から 投 与 初 回 からの 内 服 が 勧 められる 尋 常 性 ざ 瘡 治 療 ガイドライン(2008 年 ) CQ11 ざ 瘡 ( 炎 症 性 皮 疹 )に 抗 菌 薬 内 服 は 有 効 か? 日 本 皮 膚 科 学 会 ミノサイクリン:ざ 瘡 ( 炎 症 性 皮 疹 )に 対 して ミノサイクリン 内 服 を 強 く 推 奨 する( 推 奨 度 A) 保 湿 保 清 保 護 しっかり 泡 立 てた 石 鹸 で 丁 寧 に 洗 浄 する こすらな い 日 焼 けを 防 ぐ 温 度 の 高 いシャワーや 風 呂 は 避 ける 入 浴 後 すぐに 保 湿 剤 を 塗 布 する 締 め 付 けの 強 い 衣 服 や 靴 の 着 用 を 避 ける 手 足 の 爪 の 手 入 れをする ( 爪 切 りではなく ニッパーややすりを 勧 める) ミノサイクリンは 抗 菌 作 用 のみならず リパーゼ 活 性 抑 制 作 用 白 血 球 遊 走 抑 制 作 用 活 性 酸 素 抑 制 作 用 等 があることが 知 られており ざ 瘡 に 対 して 抗 炎 症 作 用 を 期 待 して 処 方 されることも 多 い 27 件 のRCTをもとにしたsystematic reviewにおいて 推 奨 されている 1) スパイラルテーピング 法 1)Garner SE, et al 2003 Rp.5 キシロカイン 液 4% 10ml 局 所 麻 酔 薬 :リドカイン 塩 酸 塩 局 所 麻 酔 疼 痛 緩 和 ハチアズレ 含 漱 用 2g/ 包 5 包 含 漱 :アズレンスルホン 酸 Na 炭 酸 水 素 Na 抗 炎 症 滅 菌 精 製 水 を 加 えて 500ml 必 要 に 応 じて 保 清 口 腔 ケアの 基 本 歯 ブラシを 用 いたブラッシング 疼 痛 を 伴 う 口 腔 粘 膜 炎 による 粘 膜 障 害 ( 口 腔 全 体 に 赤 味 を 帯 びていることが 多 い)なら 粘 膜 保 護 が 有 効? Pmabによるアフタ 様 口 内 炎 ( 点 在 することが 多 い)ならステロイドが 有 効? 摂 食 時 に 疼 痛 があるなら 食 前 に 使 用 しても 良 い キシロカイン 液 を 含 むため 感 覚 鈍 麻 による 咬 傷 に 注 意 殺 細 胞 性 抗 腫 瘍 薬 による 口 内 炎 分 子 標 的 薬 による 口 内 炎 保 湿 治 療 市 販 の 口 腔 保 湿 剤 生 理 食 塩 水 などを 用 いた 含 漱 鎮 痛 剤 (NSAIDs オピオイド) 局 所 麻 酔 剤 抗 炎 症 剤 (アズレン ステロイドなど) 直 接 的 作 用 のほか 口 腔 粘 膜 や 唾 液 腺 の 細 胞 に 活 性 酸 素 が 発 生 することにより 起 こる 粘 膜 全 体 が 赤 味 を 帯 び 広 範 囲 の 潰 瘍 を 形 成 する 口 唇 裏 面 頬 粘 膜 舌 裏 面 などの 可 動 粘 膜 にできやすく 歯 肉 口 蓋 舌 表 面 の 非 稼 働 粘 膜 ( 角 化 粘 膜 )にはできにく い EGFR 阻 害 により 角 化 異 常 が 起 こり アフタ 性 口 内 炎 が 複 数 個 形 成 されることがある 殺 細 胞 性 抗 がん 剤 併 用 時 は 頻 度 重 症 度 ともに 増 強 するおそれがある 歯 肉 口 蓋 舌 表 面 の 非 稼 働 粘 膜 ( 角 化 粘 膜 ) にアフタ 様 に 発 現 する Pmab( 化 学 療 法 併 用 ) 例 では19.9%で 発 生 する NPO 法 がん 情 報 局 5
症 例 2のポイント 症 例 3 処 方 解 説 < 背 景 > 67 歳 女 性 S 状 結 腸 癌 術 後 再 発 ダグラス 窩 子 宮 浸 潤 153cm 55kg 1.51m2 < 施 行 している 化 学 療 法 > CPT-11(2 週 毎 )+Cmab 療 法 セツキシマブ(アービタックス )の 作 用 機 序 EGF セツキシマブ Cmab CPT-11 CPT-11(2 週 毎 ) 投 与 法 3 週 間 休 薬 1 週 2 週 3 週 4 週 5 週 6 週 7 週 次 クール 開 始 (EGFR) EGFなどのリガンドがEGFRに 結 合 し 受 容 体 が 活 性 化 する パニツムマブがEGFRに 結 合 し EGFとEGFRの 結 合 を 阻 害 する <セツキシマブ> 初 回 400mg/m2を2 時 間 かけて 2 回 目 以 降 は250 mg/m2を1 時 間 かけて <イリノテカン> イリノテカン150mg/m2を90~120 分 かけて 作 用 機 序 はパニツムマブと 同 じ!! 完 全 ヒト 型 モノクローナル 抗 体 であるパニツムマブと 違 い ヒト/マウスキメラ 型 モノクローナル 抗 体 であるため インフュージョンリアクションを 起 こす 可 能 性 が 高 い ADCC 活 性 がある [ 名 前 の 最 後 につく 文 字 ] マブ(mab)=モノクローナル 抗 体 例 :トラスツズマブ,ベバシズマブ イブ(ib)=インヒビター( 阻 害 薬 ), 小 分 子 薬 例 :ゲフィチニブ Kras 変 異 がない Kras 変 異 による 薬 効 の 違 い EGF (EGFR) Kras 変 異 がある [マブ(mab)の 前 につく 文 字 ] mo=マウスの 抗 体 の 意 xi= 異 なった 遺 伝 子 型 が 混 在 するキメラ 抗 体 の 意 例 :リツキシマブ,セツキシマブ zu=ヒト 化 抗 体 の 意 例 :トラスツズマブ,ベバシズマブ mu= 完 全 ヒト 型 抗 体 例 :パニツムマブ tu(m)= 腫 瘍 を 標 的 にしている 薬 に 付 く 例 :トラスツズマブ KRASより 下 流 の シグナル 伝 達 が 阻 害 される 細 胞 増 殖 抑 制 KRAS RAF KRAS RAF EGFRのリガンド との 結 合 なし に KRASより 下 流 のシグナル 伝 達 が 進 む 細 胞 増 殖 NPO 法 がん 情 報 局 6
< 外 科 > イメンドカプセル125mg 1Cp 1 日 1 回 1 日 分 化 学 療 法 1 時 間 前 に 服 用 イメンドカプセル80mg 1Cp 1 日 1 回 2 日 分 イメンド125mgを 服 用 後 2 日 目 から 服 用 プリンペラン 錠 5mg 1 錠 吐 き 気 時 10 回 分 ワイパックス 錠 1.0mg 1 錠 化 学 療 法 前 に 服 用 1 日 分 ベンゾジアゼピン 系 抗 不 安 薬 :ロラゼパム 抗 不 安 < 皮 膚 科 > ボアラ 軟 膏 0.12% 5g 顔 : 赤 くぶつぶつしたところ 1 日 1-3 回 副 腎 皮 質 ステロイド:デキサメタゾン 吉 草 酸 エステル 抗 炎 症 (strong) フルメタクリーム 5g 頭 : 手 に 取 って 薄 く 塗 る 副 腎 皮 質 ステロイド:モメタゾンフランカルボン 酸 エステル 抗 炎 症 (very strong) 白 色 ワセリン 50g 全 身 使 用 可 1 日 1-3 回 軟 膏 基 剤 : 白 色 ワセリン 保 護 保 湿 イメンドカプセル125mg 1Cp 1 日 1 回 1 日 分 化 学 療 法 1 時 間 前 に 服 用 イメンドカプセル80mg 1Cp 1 日 1 回 2 日 分 イメンド125mgを 服 用 後 2 日 目 から 服 用 プリンペラン 錠 5mg 1 錠 吐 き 気 時 10 回 分 ワイパックス 錠 1.0mg 1 錠 化 学 療 法 前 に 服 用 1 日 分 ベンゾジアゼピン 系 抗 不 安 薬 :ロラゼパム 抗 不 安 CPT-11+Cmab 療 法 は 中 等 度 催 吐 性 レジメン イメンドカプセル 服 用 について 確 認 次 回 分 であれば 服 用 せずに 病 院 へ 持 参 する プリンペランとイメンドは 共 に 制 吐 剤 違 いを 説 明 し プリンペランの 服 用 方 法 を 説 明 する( 食 前 服 用 可 能 1 日 3 回 程 度 ) ワイパックスはおそらく 予 測 性 嘔 吐 に 対 する 処 方 ワイパックスはCYPに 影 響 しないBDZ 系 薬 剤 相 互 作 用 は 問 題 なし 嘔 気 はCmabによる 低 マグネシウム 血 症 の 影 響 も 考 えられる? デキサメタゾンの 使 用 が 推 奨 されるため 処 方 提 案 ボアラ 軟 膏 0.12% 5g 顔 : 赤 くぶつぶつしたところ 1 日 1-3 回 副 腎 皮 質 ステロイド:デキサメタゾン 吉 草 酸 エステル 抗 炎 症 (strong) フルメタクリーム 5g 頭 : 手 に 取 って 薄 く 塗 る 副 腎 皮 質 ステロイド:モメタゾンフランカルボン 酸 エステル 抗 炎 症 (very strong) 白 色 ワセリン 50g 全 身 使 用 可 1 日 1-3 回 軟 膏 基 剤 : 白 色 ワセリン 保 護 保 湿 症 例 3のポイント Cmabによる 皮 膚 症 状 の 対 策 ステロイドは 症 状 が 出 現 したら 使 用 フルメタクリームは 使 用 の 目 安 がない ボアラ 軟 膏 と 同 様 1 日 1-3 回 程 度? 塗 布 方 法 を 確 認 する( 擦 らない 薄 く 広 く) ミノマイシンの 内 服 は? 要 確 認 NPO 法 がん 情 報 局 7