大 学 生 のインターネット ショッピングにおける 知 覚 リスクの 構 成 因 子 の 検 討 Examination of configuration factor of perceived risk in the university student's Internet shopping 三 浦 一 起 MIURA, kazuki キーワード:インターネット ショッピング 知 覚 リスク 信 頼 感 楽 観 主 義 1. 問 題 1-1.インターネット ショッピングの 定 義 近 年 インターネットの 普 及 によって 我 々は 情 報 探 索 を 始 め 生 活 の 中 の 様 々な 事 をインターネット 上 で 行 っている その 中 でも 商 品 購 入 のための 情 報 収 集 におい て インターネット ショッピングサイト で 探 すことが 主 流 となっている ( 金 ら, 2009) インターネット ショッピングの 定 義 と しては 様 々あるが 本 研 究 では 丸 山 (2007) の 個 人 事 業 主 と 法 人 を 含 む 事 業 者 で 売 主 個 人 消 費 者 を 買 主 とする 商 取 引 のうち 財 の 受 発 注 がインターネット 上 で 行 われるも のとする を 定 義 とし オークションなど の 個 人 が 消 費 者 の 地 位 として 出 品 している ものについて 本 研 究 では 対 象 としない 1-2.インターネット ショッピング 上 の 知 覚 リスク 知 覚 リスクは 消 費 者 の 購 買 心 理 に 関 す る 概 念 である Bauer(1967)によると 知 覚 リスクとは 一 連 の 購 買 行 動 に 伴 う 不 確 実 性 及 び 購 買 の 結 果 に 関 する 購 買 者 の 主 観 的 評 価 によるリスクである という その 知 覚 リスクをインターネット ショッ ピングにおけるものへ 整 理 している 先 行 研 究 は 多 数 あり 知 覚 リスクは 金 銭 上 のリス ク 製 品 パフォーマンスのリスク 社 会 的 リスク 心 理 的 リスク 物 理 的 リスク そ して 時 間 / 利 便 性 のリスクと 6 つの 類 型 がこ れまで 確 認 されてきた (Brooker,1984; Jacoby and Kaplan,1972) (Forsythe, 2003,p37)また 青 木 (2005)は 金 銭 的 リスクを 4 つに 分 けた 本 研 究 では これらの 中 でも 情 報 漏 洩 リ スクと 製 品 パフォーマンスリスクについて 扱 う これらのリスクがインターネット ショッピング 上 の 購 買 者 の 中 でよく 知 覚 さ れるものであるからである (Forsythe, 2003) 情 報 漏 洩 リスクとは 購 買 者 に 関 する 情 報 が 漏 洩 してプライバシーが 侵 害 されるか もしれないというリスクである 個 人 のク レジット カードが 悪 用 される 可 能 性 があ るという 不 安 も 含 まれる ( 青 木,2005) 製 品 パフォーマンスリスクとは Horton(1976)によると ブランドある いは 製 品 のパフォーマンスが 期 待 通 りでな かった 場 合 に 被 る 損 失 として 定 義 される (Forsythe,2003,p38) 製 品 パフォー マンスのリスクはオンライン 上 の 製 品 の 品 質 を 正 確 に 判 断 出 来 ない 為 にちゃんとした 選 択 ができないことから 起 こると 思 われる 1
しかし 製 品 パフォーマンスリスクは 商 品 によって 差 があると 考 えられる 本 研 究 で は 製 品 パフォーマンスリスクについて 商 品 ごとに 2 つに 分 けた 1 つは 服 など の 衣 料 である 比 較 的 製 品 パフォーマンス リスクが 高 いと 予 測 される もう 1 つは 本 や CD などである こちらは 比 較 的 製 品 パフォーマンスリスクは 少 ないだろうと 予 測 される 以 上 を 本 研 究 の 知 覚 リスクと 分 類 する 1-3. 商 品 に 関 する 概 念 について 本 研 究 では インターネット ショッピ ングの 商 品 について 関 連 する 概 念 を 3 つ 用 意 した (1) 商 品 必 要 性 その 商 品 を 対 象 者 がど れほど 欲 しているか (2) 商 品 知 識 その 商 品 に 関 する 知 識 を どの 程 度 備 えているか 調 べているか (3) 商 品 関 与 度 その 商 品 または 類 似 したものを 購 入 したことがあるなど どれ ほど 身 近 に 感 じているか これらの 商 品 にまつわる 概 念 が インタ ーネット ショッピングの 知 覚 リスクを 説 明 するにあたり 影 響 のある 概 念 だと 予 測 する 1-4. 信 頼 感 について Rotter(1967)によれば 信 頼 感 とは 他 の 人 や 集 団 の 言 葉 約 束 口 頭 や 文 章 に よる 陳 述 をあてにすることができるという 個 人 あるいは 集 団 が 抱 く 一 般 化 された 期 待 である 本 研 究 では 知 覚 リスクの 根 底 にある 不 信 な 気 持 ち とマッチさせる 為 天 貝 (1997) の 信 頼 感 尺 度 中 でも 不 信 尺 度 を 使 用 する 不 信 感 は インターネット ショッピング への 知 覚 リスクを 構 成 する 要 因 の 一 つでは ないかと 予 測 される 1-5. 楽 観 主 義 について 楽 観 主 義 については 多 様 な 定 義 が 存 在 す るが 代 表 的 な 捉 え 方 として Scheier & Carver(1985)は 肯 定 的 な 結 果 を 期 待 す る 傾 向 と 捉 えている 楽 観 的 であることは 様 々なポジティブ な 影 響 を 及 ぼすだけでなく ネガティブな 結 果 をもたらすことも 報 告 されており 荒 井 ら(2010)は 物 事 に 対 して 楽 観 的 に 考 えるほど 自 分 のリスクを 低 く 見 積 もり 不 安 を 感 じにくい としている そういった 知 見 から インターネット ショッピングに 対 する 知 覚 リスクにも 楽 観 性 が 影 響 していると 考 えられる 2. 目 的 以 上 の 議 論 を 踏 まえ 本 研 究 では イン ターネット ショッピングにおいて 2 つ の 知 覚 リスクはどのような 要 因 から 構 成 さ れているかを 目 的 に インターネット シ ョッピングの 利 用 者 と 非 利 用 者 を 比 べなが ら 以 下 の 仮 説 を 立 てた 仮 説 1: 製 品 パフォーマンスリスクは 情 報 漏 洩 リスク 商 品 必 要 性 商 品 知 識 商 品 関 与 度 不 信 尺 度 楽 観 性 から 予 測 され るだろう 仮 説 2: 情 報 漏 洩 リスクは 製 品 パフォー マンスリスク 商 品 必 要 性 商 品 知 識 商 品 関 与 度 不 信 尺 度 楽 観 性 から 予 測 され るだろう 仮 説 3: 服 の 製 品 パフォーマンスリスクに ついて 非 利 用 者 の 方 が 利 用 者 より 知 覚 リ 2
スクを 感 じているだろう 仮 説 4: 本 の 製 品 パフォーマンスリスクに ついて 非 利 用 者 と 利 用 者 ではあまり 差 は ないだろう 仮 説 5: 情 報 漏 洩 リスクについて 利 用 者 と 非 利 用 者 との 間 にあまり 差 はなく 知 覚 リスクも 高 く 感 じていないだろう 3. 方 法 3-1. 調 査 対 象 者 方 法 2010 年 10 月 22 日 から 11 月 20 日 まで の 期 間 関 西 大 学 の 大 学 生 100 人 ( 男 性 51 人 女 性 49 人 )を 対 象 に 質 問 紙 調 査 を 行 った 3-2. 調 査 内 容 フェース 項 目 性 別 年 齢 の 他 インターネットの 利 用 頻 度 についての 質 問 を 2 つ 用 意 し 単 一 回 答 法 で 求 めた 信 頼 感 ( 不 信 尺 度 ) 天 貝 (1997)の 信 頼 感 尺 度 から 下 位 尺 度 の 不 信 を 抜 き 出 して 10 項 目 各 項 目 が どれぐらい 当 てはまるかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた インターネット 信 頼 感 尺 度 独 自 に 作 成 したインターネット 全 般 に 関 する 不 信 感 を 測 る 項 目 を 5 項 目 各 項 目 が どれぐらい 当 てはまるかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた 楽 観 性 中 村 ら(2000)の 楽 観 主 義 尺 度 を 使 用 し た 12 項 目 各 項 目 がどれぐらい 当 てはま るかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた 情 報 漏 洩 リスク 独 自 に 作 成 した 情 報 漏 洩 リスク 尺 度 を 5 項 目 各 項 目 がどれぐらい 当 てはまるかに ついて 4 件 法 で 回 答 を 求 めた 場 面 想 定 ( 商 品 購 入 場 面 ) 以 下 の 質 問 項 目 からは 実 際 にインターネ ットで 商 品 を 購 入 する 場 面 を 服 について 本 についてそれぞれ 想 定 してもらいながら 答 えてもらった 製 品 パフォーマンスリスク( 服 本 につ いて) 独 自 に 作 成 した 製 品 パフォーマンスリス クを 服 について 本 についてそれぞれ 5 項 目 ずつ 作 成 した 各 項 目 がどれぐらい 当 て はまるかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた 商 品 必 要 性 独 自 に 作 成 した 商 品 必 要 性 尺 度 を 3 項 目 各 項 目 がどれぐらい 当 てはまるかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた 商 品 知 識 独 自 に 作 成 した 商 品 知 識 尺 度 を 3 項 目 各 項 目 がどれぐらい 当 てはまるかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた 商 品 関 与 度 独 自 に 作 成 した 商 品 関 与 度 尺 度 を 3 項 目 各 項 目 がどれぐらい 当 てはまるかについて 5 件 法 で 回 答 を 求 めた 4. 結 果 4-1. 分 析 の 除 外 欠 損 値 のあった 7 人 を 分 析 から 除 外 した また 普 段 からインターネットをまったく 利 用 せず インターネット ショッピング も 利 用 しないと 回 答 した 1 人 を 分 析 から 除 外 し 計 92 人 で 分 析 を 行 った 4-2. 尺 度 の 構 成 (1) 信 頼 性 尺 度 (10 項 目 ) 3
因 子 分 析 ( 主 因 子 法 )の 結 果 因 子 固 有 値 を 満 たさない 項 目 はなく 信 頼 性 係 数 は α=.856 で 信 頼 性 は 認 められた (2)インターネット 信 頼 感 尺 度 (5 項 目 ) 除 し 2 因 子 に 分 割 された それぞれの 因 子 について 信 頼 性 分 析 を 行 った 結 果 因 子 1 はα=.559 因 子 2 はα =.508 であった 信 頼 性 が 認 められなかっ たのでこの 項 目 を 全 て 分 析 から 除 外 した (3) 楽 観 主 義 尺 度 (8 項 目 ) フィラー 項 目 4 項 目 を 削 除 した 8 項 目 を 因 子 分 析 ( 主 因 子 法 Promax 回 転 )した 結 果 因 子 固 有 値 を 満 たさない 3 項 目 を 削 除 し 2 因 子 に 分 割 された それぞれの 因 子 について 信 頼 性 分 析 を 行 った 結 果 因 子 1 はα=.692 因 子 2 はα =.645 であった 僅 かながら 信 頼 性 は 認 め られたので 因 子 1 を 人 生 全 般 楽 観 因 子 とし 因 子 2 を 運 的 楽 観 因 子 と 名 付 け た (4) 情 報 漏 洩 リスク 尺 度 (5 項 目 ) 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.849 であり 信 頼 性 が 認 められた (5) 製 品 パフォーマンスリスク 尺 度 ( 服 ) (5 項 目 ) 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.640 で 僅 かなが ら 信 頼 性 が 認 められた (6) 商 品 必 要 性 ( 服 )(3 項 目 ) 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.718 で 信 頼 性 が 認 められた (7) 商 品 知 識 ( 服 )(3 項 目 ) 因 子 分 析 ( 主 因 子 法 )の 結 果 因 子 固 有 値 を 満 たさない 項 目 はなかった 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.598 で 信 頼 性 が 認 められなかった よって 分 析 から 除 外 した (8) 商 品 関 与 度 ( 服 )(3 項 目 ) 結 果 因 子 固 有 値 を 満 たさない 2 項 目 を 削 残 り 1 項 目 となり 信 頼 性 を 測 れないの でこちらも 分 析 から 除 外 した (9) 製 品 パフォーマンスリスク( 本 )(5 項 目 ) 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.817 で 信 頼 性 が 認 められた (10) 商 品 必 要 性 ( 本 )(3 項 目 ) 因 子 分 析 ( 主 因 子 法 )の 結 果 因 子 固 有 値 を 満 たさない 項 目 はなかった 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.689 で 僅 かなが ら 信 頼 性 が 認 められた (11) 商 品 知 識 ( 本 )(3 項 目 ) 因 子 分 析 ( 主 因 子 法 )の 結 果 因 子 固 有 値 を 満 たさない 項 目 はなかった 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.811 で 信 頼 性 が 認 められた (12) 商 品 関 与 度 ( 本 )(3 項 目 ) 因 子 分 析 ( 主 因 子 法 )の 結 果 因 子 固 有 4
値 を 満 たさない 項 目 はなかった 信 頼 性 分 析 の 結 果 α=.763 で 信 頼 性 が 認 められた 4-3. 記 述 統 計 量 度 数 平 均 値 標 準 偏 差 信 頼 感 92 2.77.73 人 生 全 般 楽 観 因 子 92 3.00.94 運 的 楽 観 因 子 92 3.16.86 情 報 漏 洩 リスク 92 2.75.66 製 品 パフォーマンスリ 92 3.64.60 スク 服 商 品 必 要 性 服 92 2.65.84 製 品 パフォーマンスリ 92 2.92.90 スク 本 商 品 必 要 性 本 92 3.08.81 商 品 知 識 本 92 3.32.93 商 品 関 与 度 本 92 3.17 1.04 4-4. 仮 説 の 検 証 (1) 仮 説 1( 服 について) 従 属 変 数 : 製 品 パフォーマンスリスク( 服 ) 独 立 変 数 : 商 品 必 要 性 ( 服 ) 情 報 漏 洩 リス ク 信 頼 性 人 生 全 般 楽 観 因 子 運 的 楽 観 因 子 分 析 対 象 : 利 用 群 非 利 用 群 含 む た 結 果 R 2 =.14 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 服 の 製 品 パフォーマンスリスクを 分 析 対 象 : 非 利 用 群 た 結 果 R 2 =.11 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 服 の 製 品 パフォーマンスリスクを 分 析 対 象 : 利 用 群 た 結 果 R 2 =.03 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 服 の 製 品 パフォーマンスリスクを (2) 仮 説 1 の 検 証 ( 本 について) 本 の 製 品 パフォーマンスリスクがどの 変 数 から 予 測 されるかを 分 析 した 従 属 変 数 : 製 品 パフォーマンスリスク( 本 ) 独 立 変 数 : 商 品 必 要 性 ( 本 ) 商 品 知 識 ( 本 ) 商 品 関 与 度 ( 本 ) 情 報 漏 洩 リスク 信 頼 性 人 生 全 般 楽 観 因 子 運 的 楽 観 因 子 分 析 対 象 : 利 用 群 非 利 用 群 含 む た 結 果 R 2 =.10 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 本 の 製 品 パフォーマンスリスクを 分 析 対 象 : 非 利 用 群 た 結 果 R 2 =.10 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 本 の 製 品 パフォーマンスリスクを 分 析 対 象 : 利 用 群 た 結 果 R 2 =.01 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 本 の 製 品 パフォーマンスリスクを よって 仮 説 1 は 証 明 されなかった (3) 仮 説 2 の 検 証 情 報 漏 洩 リスクがどの 変 数 から 予 測 され るかを 分 析 した 従 属 変 数 : 情 報 漏 洩 リスク 独 立 変 数 : 商 品 知 識 ( 本 ) 商 品 必 要 性 ( 本 ) 商 品 関 与 度 ( 本 ) 製 品 パフォーマンスリス ク( 本 ) 製 品 パフォーマンスリスク( 服 ) 5
商 品 知 識 ( 服 ) 商 品 必 要 性 ( 服 ) 信 頼 性 人 生 全 般 楽 観 因 子 運 的 楽 観 因 子 分 析 対 象 : 利 用 群 非 利 用 群 含 む た 結 果 R 2 =.22 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 情 報 漏 洩 リスクを 説 明 出 来 る 変 数 はなかった 分 析 対 象 : 非 利 用 群 た 結 果 R 2 =.19 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 情 報 漏 洩 リスクを 説 明 出 来 る 変 数 はなかった 分 析 対 象 : 利 用 群 た 結 果 R 2 =.22 であった 重 決 定 係 数 の 値 が 低 く 情 報 漏 洩 リスクを 説 明 出 来 る 変 数 はなかった よって 仮 説 2 は 証 明 されなかった (4) 仮 説 3 の 検 証 利 用 群 非 利 用 群 について 服 の 製 品 パフ ォーマンスリスクの 差 を 検 証 する 為 に 独 立 したサンプルの t 検 定 を 行 った 結 果 利 用 群 と 非 利 用 群 との 間 に 有 意 な 差 が 見 られ た (t=2.55 df=90 p<.05) 平 均 値 を 見 ると 非 利 用 群 の 方 が 服 の 製 品 パフォーマンスリ スクを 感 じているという 結 果 であった よって 仮 説 3 は 証 明 された (5) 仮 説 4 の 検 証 利 用 群 非 利 用 群 について 本 の 製 品 パフ ォーマンスリスクの 差 を 検 証 する 為 に 独 立 したサンプルの t 検 定 を 行 った 結 果 利 用 群 と 非 利 用 群 との 間 に 有 意 な 差 は 見 られ なかった よって 仮 説 4 は 証 明 された (6) 仮 説 5 の 検 証 利 用 群 非 利 用 群 について 情 報 漏 洩 リス クの 差 を 検 証 する 為 に 独 立 したサンプル の t 検 定 を 行 った 結 果 利 用 群 と 非 利 用 群 との 間 に 有 意 な 差 が 見 られた (t=4.93 df=90 p<.01) 平 均 値 を 見 ると 非 利 用 群 の 方 が 情 報 漏 洩 リスクを 高 く 感 じているとい う 結 果 であった 製 品 パフォーマンスリス クと 比 べると 低 い 値 であった よって 仮 説 5 は 証 明 されなかった 5. 考 察 5-1. 仮 説 の 考 察 の 前 に 本 研 究 では インターネット ショッピ ングに 関 する 心 理 学 的 研 究 であったが 他 にそのような 研 究 事 例 が 少 なく 尺 度 も 独 自 に 作 らざるを 得 ないことが 多 かった よ って 信 頼 性 も 全 体 的 に 低 く 測 りたい 内 容 が 的 確 に 測 れたか 不 明 な 部 分 が 多 い こ の 点 に 関 しては 予 備 調 査 などで 知 覚 リス ク 尺 度 の 作 成 から 研 究 することが 必 要 だっ たと 考 えられる 5-2. 仮 説 1,2 について 仮 説 1,2 の 分 析 にて 知 覚 リスクがどのよ うに 構 成 されているかを 探 る 目 的 の 研 究 だ ったが 本 研 究 の 幹 が 崩 れてしまった 原 因 について 5-1 で 論 じた 独 自 尺 度 の 不 明 さ 並 びに 質 問 紙 での 場 面 想 定 が 難 しかったこ とが 考 えられる 実 際 に 商 品 を 購 入 する 場 面 を 想 像 してもらったが 服 といってもア ウターから 靴 まで 多 様 に それぞれが 想 定 するショッピングサイトも 多 数 ある 調 査 対 象 者 の 統 制 が 上 手 く 取 れなかったと 考 え る 実 際 にサイトを 見 ながら 質 問 紙 に 答 え てもらう パソコンを 組 み 合 わせた 調 査 方 6
法 を 取 るとこの 点 が 解 決 されるかもしれな い 5-3. 仮 説 3 から 5 について 服 の 製 品 パフォーマンスリスクについて は 仮 説 が 証 明 され インターネット シ ョッピング 非 利 用 群 は 服 の 購 入 についてよ り 高 い 製 品 パフォーマンスリスクを 感 じて いると 考 えられる 原 因 は 服 の 商 品 属 性 で あろう 店 舗 でもミスマッチが 見 られる 商 品 なので 大 学 生 はインターネット 上 にて の 購 入 は 躊 躇 していると 推 測 される 一 方 で 本 の 製 品 パフォーマンスリスク は 利 用 群 も 非 利 用 群 も 高 い 値 を 示 さず 有 意 な 差 もなかった 以 上 2 つの 仮 説 から 大 学 生 はインター ネット ショッピングについて 製 品 パフ ォーマンスリスクを 重 視 しながら 購 入 商 品 を 選 んでいるのではないだろうか 最 後 に 情 報 漏 洩 リスクについて 分 析 前 は 非 常 に 低 い 値 が 示 されると 考 えていた 理 由 としては インターネットについてあ る 程 度 知 識 も 理 解 も 持 ち 合 わせている 大 学 生 という 点 や 昨 今 の 大 型 サイトの 出 現 に よって クレジット カードの 情 報 が 盗 ま れることなど 大 学 生 は 考 えていないのでは ないかと 感 じたためである 結 果 はしかし 利 用 群 の 平 均 値 は 低 いものの 非 利 用 群 が 思 った 以 上 にこのリスクを 感 じていたので 有 意 差 が 発 生 した まだ 根 強 く 情 報 漏 洩 に 対 するリスクは 大 学 生 に 残 っているようだ 5-4.まとめ 本 研 究 の 主 目 的 は 達 成 されなかったが 製 品 パフォーマンスリスクについてなど 今 後 の 研 究 に 役 立 つ 知 見 を 得 られたと 考 えて いる 今 後 の 研 究 では 個 人 特 性 が 知 覚 リ スクをどう 構 成 しているかを 明 らかにして いってもらいたいと 願 いつつ 本 研 究 の 結 びとさせていただく 6. 引 用 参 考 文 献 Sandra M.Forsythe 2003 Consumer Patronage and Risk Perceptios in Internet Shopping. Jurnal of Business Research, 56, 867-875 R.C.ソロモン F.フロレス 2004 信 頼 の 研 究 上 野 正 安 訳 シュプリンガー フェアラーク 東 京 アダム N ジョインソン 2004 インタ ーネットにおける 行 動 と 心 理 三 浦 麻 子 畦 地 真 太 郎 田 中 敦 訳 北 大 路 書 房 青 木 均 2005 インターネット 通 販 と 消 費 者 の 知 覚 リスク 地 域 分 析 44(1), 69-78 金 志 香 桐 谷 佳 恵 玉 垣 庸 一 宮 崎 紀 郎 2009 インターネットショッピングサイ トにおけるウェブアフォーダンス デザ イン 学 研 究 56(5),79-86 荒 井 崇 史 吉 田 富 士 雄 2010 楽 観 性 がリ スク 認 知 犯 罪 不 安 防 犯 行 動 へ 及 ぼす 影 響 筑 波 大 学 心 理 学 研 究 40,9-19 島 崎 千 江 子 吉 野 鈴 子 2009 インターネ ット 通 販 における 夏 物 衣 服 の 素 材 感 につ いて 大 手 前 短 期 大 学 研 究 集 録 29, 17-39 塩 崎 潤 一 日 戸 浩 之 川 津 のり 小 出 摩 美 2007 大 衆 化 する IT 消 費 東 洋 経 済 新 報 社 丸 山 正 博 2007 インターネット 通 信 販 売 と 消 費 者 政 策 拓 殖 大 学 研 究 弘 文 堂 転 載 引 用 をご 希 望 の 場 合 は 必 ず 事 前 に 下 記 までご 連 絡 ください ] 7
掲 載 責 任 者 : 土 田 昭 司 連 絡 先 : tsuchida@kansai-u.ac.jp 最 終 更 新 日 : 2011 年 4 月 5 日 8