金 型 部 品 の 5 軸 加 工 に 関 する 研 究 [ 要 約 ] 並 進 3 軸 と 回 転 2 軸 を 持 つ 5 軸 加 工 機 は ワークを 持 ち 替 えることなく 多 方 向 からの 加 工 が 可 能 なため 複 雑 な 形 をした 機 械 部 品 の 大 量 生 産 において 有 効 に 活 用 されているが 金 型 加 工 の 分 野 では 未 だ 十 分 に 使 われていない 本 研 究 は ほとんどの 射 出 成 形 金 型 に 使 用 され ているスライドコアなどの 主 要 部 品 に 対 して 形 状 の 標 準 化 や 専 用 治 具 を 作 ることなどによ り 5 軸 加 工 機 が 活 用 できる 仕 組 み 作 りを 行 ったものである 5 軸 加 工 機 を 活 用 することで 部 品 加 工 の 工 程 を 削 減 し 作 業 時 間 が 大 きく 短 縮 できることを 示 した [キーワード]5 軸 加 工 機 金 型 部 品 [ 担 当 機 関 ] 工 業 技 術 センター 生 産 技 術 研 究 班 [ 背 景 ねらい] 複 雑 ではあるが 形 の 定 まった 機 械 部 品 の 大 量 生 産 では 生 産 効 率 を 改 善 する 有 効 な 手 段 とし て 5 軸 加 工 機 が 用 いられているが 金 型 加 工 の 分 野 では 未 だ 十 分 に 5 軸 加 工 機 を 活 用 できてい ない これは 機 械 部 品 とは 異 なり 金 型 は 基 本 的 に 一 品 毎 に 形 が 変 わってくるため 加 工 デ ータの 作 成 に 時 間 を 要 する 5 軸 加 工 では かえって 作 業 効 率 が 低 下 するためである 本 研 究 は ほとんどの 射 出 成 形 金 型 で 使 われるスライドコアなどの 主 要 部 品 に 対 して 形 状 の 標 準 化 や 専 用 治 具 を 作 ることなどにより 5 軸 加 工 機 が 活 用 できる 仕 組 み 作 りを 行 ったもので ある [ 成 果 の 内 容 特 徴 ] 射 出 成 形 金 型 で 使 用 されるスライドコアおよび 傾 斜 スライドについて 専 用 治 具 の 製 作 や 部 品 形 状 の 標 準 化 を 実 施 した 結 果 スライドコアの 場 合 加 工 工 程 を 9 つから 2 つへ 削 減 全 体 の 作 業 時 間 も 14.5 時 間 から 6 時 間 に 短 縮 できることを 示 した 特 に 段 取 り 作 業 の 回 数 が 少 なくな ったことは 作 業 担 当 者 の 負 担 軽 減 に 大 きく 寄 与 するものである また 傾 斜 スライドに 対 し て 5 軸 加 工 機 を 適 用 した 場 合 は 放 電 加 工 の 工 程 が 省 略 され 全 体 の 作 業 時 間 が 約 60% 短 縮 でき ることを 示 した [ 成 果 の 活 用 面 留 意 点 ] 本 研 究 は スライドコアや 傾 斜 スライドの 典 型 的 な 形 状 をモデルとして 5 軸 加 工 の 適 用 を 試 み たものである これらの 金 型 部 品 は 各 企 業 毎 に 独 自 の 設 計 標 準 が 定 められていると 考 えられ るため 本 研 究 で 示 した 治 具 の 活 用 および 形 状 の 標 準 化 と 同 様 な 考 え 方 で 金 型 部 品 に 関 する 設 計 手 法 を 再 構 築 する 必 要 がある [ 残 された 問 題 点 ] ヒール 加 工 など 5 軸 特 有 の 加 工 方 法 に 関 する 加 工 精 度 の 定 量 的 な 評 価 - 69 -
[ 具 体 的 データ] 1 2 3 穴 の 傾 きに 合 わせて 固 定 垂 直 に 固 定 し 直 す コア 駆 動 用 のスプリング 4 5 6 右 側 面 の 加 工 左 側 面 の 加 工 アンギュラ 穴 面 仕 上 げ 7 8 9 コッター 面 仕 上 げ 成 形 形 状 に 合 わせて 加 工 成 形 形 状 に 合 わせて 加 工 図 1. スライドコア 加 工 の 内 容 加 工 内 容 段 取 り 時 間 (H) 加 工 時 間 (H) 1 アンギュラ 穴 加 工 0.5 0.5 2 油 溝 の 加 工 0.25 0.25 3 スプリング 穴 加 工 0.5 0.5 4 右 側 面 の 加 工 0.5 1.5 5 左 側 面 の 加 工 0.5 1.5 6 平 面 出 し 0.5 0.5 7 コッター 面 仕 上 げ 0.5 0.5 8 形 状 部 1 0.5 3.0 9 形 状 部 2 0.5 2.0 合 計 4.25 10.25 工 程 加 工 内 容 段 取 り 時 間 (H) 加 工 時 間 (H) 1~2 0.5 0.5 3~9 0.5 4.5 合 計 1 5 図 2. スライドコアの 加 工 工 程 と 時 間 図 3. 5 軸 加 工 適 用 の 結 果 ( スライドコア) [ 研 究 情 報 ] 研 究 課 題 名 : 金 型 部 品 の 5 軸 加 工 に 関 する 研 究 課 題 ID: 2012 技 006 予 算 区 分 : 沖 縄 県 産 業 振 興 重 点 研 究 推 進 事 業 研 究 期 間 : 平 成 24 年 度 ~ 平 成 26 年 度 研 究 担 当 者 : 泉 川 達 哉 発 表 論 文 等 : 沖 縄 県 工 業 技 術 センター 研 究 報 告 第 17 号 平 成 26 年 度 - 70 -
解 体 系 廃 石 膏 ボードのリサイクル 技 術 開 発 - 廃 石 膏 ボード 中 のフッ 素 溶 出 量 の 迅 速 評 価 法 について- [ 要 約 ] 廃 石 膏 ボードを 再 利 用 する 際 にフッ 素 溶 出 量 が 土 壌 環 境 基 準 を 超 過 することが 懸 念 され る そこで 現 場 で 測 定 可 能 なフッ 素 溶 出 量 の 定 量 分 析 法 を 検 討 した 溶 出 試 験 については 温 水 で 溶 出 することで 従 来 法 では 6 時 間 かかる 溶 出 時 間 を 10 分 程 度 に 短 縮 できることが 分 かった フッ 素 の 測 定 については 従 来 法 のイオンクロマト 法 とイオン 電 極 法 とを 比 較 し た 結 果 測 定 値 の 相 関 は 良 好 で より 操 作 が 簡 易 なイオン 電 極 法 でもフッ 素 の 定 量 分 析 が 可 能 なことが 分 かった [キーワード] 廃 石 膏 フッ 素 溶 出 量 イオン 電 極 法 [ 担 当 機 関 ] 工 業 技 術 センター 生 産 技 術 研 究 班 [ 背 景 ねらい] 処 分 に 困 っている 廃 棄 物 に 廃 石 膏 ボードがある 県 内 でも 処 分 場 の 枯 渇 から 行 き 場 を 失 った 廃 石 膏 のリサイクルを 模 索 している しかし リサイクルするには 土 壌 環 境 基 準 に 定 められたフッ 素 溶 出 量 に 留 意 する 必 要 がある この 廃 石 膏 中 のフッ 素 溶 出 量 は 従 来 の 公 定 法 では 前 処 理 や 分 析 に 時 間 が 掛 かるため 現 場 で は 容 易 に 測 定 できない そこで 現 場 に 導 入 可 能 なフッ 素 の 迅 速 評 価 法 について 検 討 することにした [ 成 果 の 内 容 特 徴 ] 1 公 定 法 のイオンクロマトグラフィー 法 ( IC 法 )に 変 わるフッ 素 定 量 法 として 簡 易 的 なイオ ン 電 極 法 によるフッ 素 の 測 定 を 試 みた IC 法 とイオン 電 極 法 によるフッ 素 溶 出 量 の 測 定 結 果 は 相 関 係 数 が 0.9958 となり 従 来 の IC 法 に 代 わり 現 場 に 導 入 しやすいイオン 電 極 法 でも 測 定 が 可 能 なことがわかった ( 図 3) 2フッ 素 の 溶 出 工 程 の 時 間 短 縮 として 振 とう 時 間 試 料 の 粉 砕 処 理 溶 出 温 度 の 3 つを 検 討 し その 結 果 を 踏 まえて 温 水 と 家 庭 用 ミキサーによる 溶 出 を 試 みた 温 水 による 5 分 間 の ミキサー 処 理 と 6 時 間 浸 とうによるフッ 素 溶 出 量 測 定 結 果 より 62 の 温 水 の 場 合 従 来 法 と 比 較 して± 8% の 誤 差 範 囲 で 測 定 が 可 能 なことがわかった ( 図 4) 3 温 水 と 家 庭 用 ミキサーによる 溶 出 方 法 とイオン 電 極 法 で 測 定 することにより 従 来 法 で 一 日 半 かかっていたものを 半 日 で 測 定 できることがわかった [ 成 果 の 活 用 面 留 意 点 ] 今 回 検 討 したフッ 素 溶 出 量 の 迅 速 評 価 法 について 今 後 確 認 試 験 を 行 い 現 場 で 簡 易 的 かつ 迅 速 にフッ 素 溶 出 量 を 測 定 する 手 法 として 県 内 企 業 に 提 案 する 予 定 である [ 残 された 問 題 点 ] 溶 出 工 程 におけるミキサーの 回 転 速 度 や 機 種 による 違 い 溶 出 温 度 における 従 来 法 の 室 温 で の 分 析 値 と 比 較 した 条 件 の 再 検 討 等 が 必 要 であることがわかった - 71 -
[ 具 体 的 データ] 生 産 技 術 分 野 図 1 イオンメーター(イオン 電 極 法 ) 図 2 家 庭 用 ミキサー 14 IC 法 の 測 定 値 (mg/l) 12 10 8 6 4 R² = 0.9958 2 2 4 6 8 10 12 イオン 電 極 法 の 測 定 値 (mg/l) 図 3 イオンクロマトグラフィー 法 とイオン 電 極 法 のフッ 素 測 定 値 の 比 較 ミキサー 処 理 によるF 溶 出 量 (mg/l) 14 12 10 8 6 4 2 3 5 7 9 11 13 6 時 間 振 とうによるF 溶 出 量 (mg/l) +15% +10% -10% -15% 62 57 図 4 ミキサー 溶 出 と6 時 間 振 とう 溶 出 のフッ 素 溶 出 量 の 比 較 [ 研 究 情 報 ] 研 究 課 題 名 : 解 体 系 廃 石 膏 ボードのリサイクル 技 術 開 発 課 題 ID: 2012 技 009 予 算 区 分 : 県 単 研 究 期 間 : 平 成 24 年 度 ~ 平 成 26 年 度 研 究 担 当 者 : 湧 田 裕 子 宮 城 雄 二 赤 嶺 公 一 花 城 可 英 発 表 論 文 等 : 沖 縄 県 工 業 技 術 センター 研 究 報 告 第 17 号 平 成 26 年 度 p.31-35 - 72 -
高 機 能 食 品 容 器 を 製 造 するための 真 空 成 形 技 術 の 開 発 [ 要 約 ] レンジで 加 熱 可 能 な 耐 熱 性 容 器 や 内 容 物 が 確 認 できる 透 明 な 容 器 嵩 張 らない 薄 手 の 容 器 などで 使 われている 非 発 泡 樹 脂 に 関 する 真 空 成 形 技 術 を 開 発 した 非 発 泡 樹 脂 の 容 器 の 県 内 生 産 を 目 指 し 真 空 成 形 に 関 する 型 構 造 や 成 形 条 件 の 最 適 化 を 行 った その 結 果 容 器 形 状 や 材 質 が 変 わっても 素 材 の 加 熱 時 間 真 空 引 きのタイミング プラグ(オス 型 ) 降 下 のタ イミングを 調 整 することで 良 品 を 得 ることが 可 能 となった [キーワード] 非 発 泡 樹 脂 食 品 容 器 真 空 成 形 成 形 条 件 型 構 造 [ 担 当 機 関 ] 工 業 技 術 センター 生 産 技 術 研 究 班 [ 背 景 ねらい] 県 内 の 容 器 メーカーである 積 水 化 成 品 沖 縄 では 発 泡 スチロール( PSP) 製 の 食 品 容 器 を 生 産 している しかしながら 近 年 需 要 の 増 えてきたレンジで 加 熱 可 能 な 耐 熱 性 容 器 や 内 容 物 が 確 認 しやすい 透 明 な 容 器 嵩 張 らない 薄 手 の 容 器 などは 非 発 泡 樹 脂 で 作 られており その 全 てが 県 外 から 購 入 されている 非 発 泡 樹 脂 の 容 器 は お 土 産 品 のお 菓 子 のトレイや コンビニ で 扱 う 食 品 トレイ パンや 豆 腐 の 容 器 など あらゆる 分 野 で 活 用 されており 県 内 でも 相 当 な 数 量 が 流 通 していると 考 えられる 従 来 の 発 泡 スチロール 製 容 器 に 関 しても 県 外 メーカーと のやり 取 りを 経 て 容 器 を 試 作 しているので 顧 客 からのデザイン 変 更 の 要 求 に 対 して 迅 速 な 対 応 が 難 しいという 課 題 もある 本 研 究 は 非 発 泡 樹 脂 に 関 する 成 形 条 件 や 型 構 造 の 最 適 化 容 器 サンプルを 迅 速 に 作 る 試 作 成 形 システムを 確 立 することで 機 能 性 の 高 い 食 品 容 器 の 県 内 生 産 を 目 指 したものである [ 成 果 の 内 容 特 徴 ] 1 成 形 条 件 の 最 適 化 ( 1) 非 発 泡 材 の 真 空 成 形 においては 原 反 の 加 熱 時 間 真 空 引 きのタイミング プラグのタイ ミングを 調 整 することで 成 形 条 件 の 最 適 化 が 可 能 である ( 2) 連 続 成 形 を 行 う 場 合 は 型 温 度 の 冷 却 が 容 易 なアルミ 製 の 成 形 型 を 用 いる 必 要 がある 2 型 構 造 の 最 適 化 ( 1) 真 空 成 形 ではプラグの 役 割 が 大 きいため 真 空 穴 の 数 や 配 置 には 特 に 難 しいノウハウは 必 要 なく 角 部 や 底 面 に 均 等 に 配 置 するだけでよい ( 2) 原 反 面 積 と 成 形 品 面 積 の 比 である 面 積 拡 大 率 を 定 め 成 形 難 易 度 の 定 量 化 を 試 みたが 実 際 は 面 積 の 拡 大 率 だけでなく 成 形 品 の 形 状 によっても 難 易 度 が 変 化 することが 示 された これはプラグと 原 反 の 摩 擦 によるものだと 考 えられる 3 容 器 試 作 の 効 率 化 ( 1) 容 器 の 試 作 日 数 について これまで 20 ~ 30 日 間 必 要 としていたものを 県 内 企 業 だけの 連 携 により 7 ~ 10 日 間 に 短 縮 できることを 示 した [ 成 果 の 活 用 面 留 意 点 ] 3 種 類 の 非 発 泡 樹 脂 ( PS PET PPF)に 関 する 成 形 条 件 を 定 めることができたので 今 後 は 食 品 メーカーのニーズに 応 える 形 で 様 々な 容 器 を 試 作 し 事 業 化 を 図 る その 他 の 材 質 について は 本 研 究 と 同 様 な 手 法 で 成 形 条 件 を 定 める 必 要 がある - 73 -
[ 残 された 問 題 点 ] 1 連 続 生 産 時 の 成 形 条 件 ( 量 産 型 における 検 討 ) 2 成 形 難 易 度 の 定 量 化 [ 具 体 的 データ] [ 研 究 情 報 ] 研 究 課 題 名 : 高 機 能 食 品 容 器 を 製 造 するための 真 空 成 形 技 術 の 開 発 課 題 ID: 2014 技 003 予 算 区 分 : 受 託 研 究 期 間 : 平 成 26 年 度 研 究 担 当 者 : 泉 川 達 哉 発 表 論 文 等 : 無 し - 74 -
耐 摩 耗 鋳 物 の 生 産 技 術 開 発 と 耐 摩 耗 部 品 の 溶 接 補 修 技 術 の 確 立 [ 要 約 ] 本 研 究 では 鋳 型 内 に 耐 摩 耗 用 微 量 硬 化 元 素 を 添 加 し 材 料 を 改 質 するインモールド 鋳 造 技 術 による 耐 摩 耗 性 鋳 物 の 生 産 技 術 開 発 と 硬 化 肉 盛 溶 接 による 耐 摩 耗 部 品 の 安 定 的 な 補 修 技 術 を 確 立 することを 目 的 に 研 究 を 行 った 結 果 試 作 した 耐 摩 耗 鋳 物 について 目 標 とし た 耐 摩 耗 性 を 得 ることができたが 靱 性 に 課 題 を 残 す 結 果 となった [キーワード]インモールド 鋳 造 耐 摩 耗 鋳 物 硬 化 肉 盛 耐 摩 耗 試 験 [ 担 当 機 関 ] 工 業 技 術 センター 生 産 技 術 研 究 班 [ 背 景 ねらい] 土 木 建 設 機 械 や 産 業 廃 棄 物 処 理 プラントなどで 使 用 されるバックホーの 爪 やロールクラッ シャーの 刃 などは 摩 耗 が 激 しいが 県 内 では 耐 摩 耗 品 は 生 産 されておらず 高 価 なメーカー 品 を 使 用 せざるを 得 ない 状 況 である また 補 修 については 硬 化 肉 盛 溶 接 が 殆 どで 品 質 のばら つきが 課 題 となっている そこで 本 研 究 では 県 内 における 高 寿 命 低 コストな 耐 摩 耗 性 鋳 物 の 生 産 技 術 開 発 お よ び 硬 化 肉 盛 溶 接 に よ る 耐 摩 耗 部 品 の 安 定 的 な 補 修 技 術 を 確 立 す る た め 下 記 の 項 目 について 研 究 を 行 った 1 摩 耗 特 性 の 評 価 と 摩 耗 試 験 方 法 の 検 討 ( 主 担 当 : 沖 縄 鋳 鉄 工 業 株 式 会 社 ) 2 簡 易 摩 耗 試 験 機 の 製 作 と 摩 耗 試 験 ( 主 担 当 : 平 安 座 総 合 開 発 株 式 会 社 ) 3 耐 摩 耗 鋳 物 ならびに 硬 化 肉 盛 溶 接 部 の 組 織 硬 さ 評 価 ( 主 担 当 : 工 業 技 術 センター) [ 成 果 の 内 容 特 徴 ] サブテーマ1:インモールド 鋳 造 による 耐 摩 耗 鋳 物 の 開 発 塗 型 を 用 いた 方 法 では 目 標 とした 硬 化 層 を 得 ることができなかったが 反 応 室 を 用 いた インモールド 法 では 金 属 Te 品 と 同 等 の 耐 摩 耗 性 を 示 した ( 図 1,2) を 添 加 すること で 硬 化 組 織 を 得 ることができ 市 販 の 製 サブテーマ2: 硬 化 肉 盛 溶 接 の 溶 着 現 象 の 解 析 と 適 切 な 溶 接 方 法 の 確 立 従 来 扱 っていた 硬 化 肉 盛 溶 接 材 料 に 加 え 今 後 需 要 の 想 定 される 硬 化 肉 盛 溶 接 材 料 4 種 について 選 定 を 行 うとともに 主 に 母 材 の 違 いや 予 熱 変 化 による 溶 接 施 工 実 験 を 行 い 耐 摩 耗 性 や 硬 さ 試 験 など 特 性 を 確 認 し 結 果 を 反 映 した 施 工 要 領 書 を 作 成 した ( 表 1, 図 3) サブテーマ3: 摩 耗 試 験 方 法 の 検 討 と 簡 易 摩 耗 試 験 機 の 製 作 簡 易 摩 耗 試 験 機 を 製 作 し 耐 摩 耗 鋳 物 な ら びに 硬 化 肉 盛 溶 接 の 摩 耗 試 験 を 行 い 各 々 の 耐 摩 耗 性 について 評 価 を 行 った 結 果 予 定 していた 試 験 性 能 を 達 成 したことを 確 認 した ( 図 4,5) [ 成 果 の 活 用 面 留 意 点 ] 耐 摩 耗 鋳 物 については 硬 化 元 素 の 配 置 方 法 によって 金 属 組 織 への 影 響 を 知 ることができ た また 硬 化 肉 盛 溶 接 における 施 工 要 領 書 のベース 構 築 により 溶 接 材 料 の 種 類 を 増 やす ことで 内 容 を 拡 充 することが 可 能 である 耐 摩 耗 試 験 については 試 験 機 が 完 成 したこと で 金 属 並 びにプラスチック セラミックス 等 の 摩 耗 試 験 が 行 えるようになった [ 残 された 問 題 点 ] 反 応 室 を 用 いたインモールド 法 では 硬 化 組 織 を 得 ることができ 同 等 の 耐 摩 耗 性 を 示 し たが 靱 性 の 確 保 に 課 題 を 残 し た 摩 耗 試 験 方 法 に ついては 圧 力 を 付 加 した 試 験 方 法 や 粉 体 ( 砥 粒 )の 種 類 の 再 検 討 を 行 う 必 要 がある - 75 -
[ 具 体 的 データ] 図 1 インモールド 鋳 造 の 概 念 図 図 2 反 応 室 による 合 金 組 織 の 硬 化 組 織 生 成 表 1 ( 組 織 観 察 : 溶 湯 FC) 選 定 した 硬 化 肉 盛 溶 接 材 料 図 3 施 工 要 領 書 の 一 例 摩 耗 減 量 [mg] 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 Te50+FeTe FeTe インペラ バケット 爪 0 100 200 300 400 500 試 験 時 間 [min] 図 4 製 作 した 粉 体 内 回 転 衝 撃 式 摩 耗 試 験 機 図 5 耐 摩 耗 鋳 物 の 摩 耗 試 験 結 果 [ 研 究 情 報 ] 研 究 課 題 名 : 耐 摩 耗 鋳 物 の 生 産 技 術 開 発 と 耐 摩 耗 部 品 の 溶 接 補 修 技 術 の 確 立 課 題 ID: 2014 技 004 予 算 区 分 : 受 託 研 究 期 間 : 平 成 26 年 度 研 究 担 当 者 : 棚 原 靖 発 表 論 文 等 : 沖 縄 県 工 業 技 術 センター 研 究 報 告 第 17 号 平 成 26 年 度 - 76 -
島 しょ 地 域 型 電 気 自 動 車 開 発 支 援 事 業 [ 要 約 ] 自 動 車 の 動 力 性 能 の 指 標 として 航 続 距 離 燃 費 性 能 加 速 性 能 等 が 挙 げられる 性 能 の 測 定 を 行 うためには 平 坦 で 広 大 なテストコースもしくは それに 類 似 するテストベンチを 必 要 とする 通 常 自 動 車 メーカーは JIS に 規 定 された 性 能 を 持 つシャーシダイナモと 称 されるテストベンチを 導 入 し 試 験 を 行 っている しかし 本 設 備 は 大 掛 かりであり 導 入 においてはスペースやコスト 面 で 問 題 がある そのため 本 事 業 では 簡 易 的 なシャーシダイナモを 導 入 し 性 能 測 定 を 行 った [キーワード] 電 気 自 動 車 電 費 航 続 距 離 [ 担 当 機 関 ] 工 業 技 術 センター 生 産 技 術 研 究 班 [ 背 景 ねらい] 沖 縄 県 内 では 軽 自 動 車 のエンジン 車 を 改 造 したコンバート EV や 1 人 乗 りのマイクロ EV を 製 作 しているが 評 価 するテストコースや 設 備 等 が 県 内 には 無 いため 評 価 が 出 来 ない 状 態 となっている 本 事 業 では シャーシダイナモと 呼 ばれる 2 本 のローラーに 駆 動 輪 を 載 せ 負 荷 を 掛 ける 装 置 で 走 行 状 態 を 再 現 し EV の 評 価 を 行 うことを 目 的 とする シャーシダイナモには リターダと 呼 ばれる 負 荷 装 置 やモーターで 駆 動 を 掛 けることにより 出 力 計 測 登 坂 下 り 坂 再 現 試 験 速 度 一 定 試 験 負 荷 一 定 試 験 JC08 モードシミュレーション 試 験 等 の 実 施 が 可 能 と なっている 下 り 坂 の 再 現 により EV の 電 費 性 能 に 影 響 する 回 生 装 置 の 評 価 にも 活 用 可 能 であ る 但 し 導 入 した 装 置 は 簡 易 的 な 試 験 装 置 であるため 市 販 車 両 や 路 上 試 験 との 相 関 を 取 る 必 要 がある [ 成 果 の 内 容 特 徴 ] コンバート EV の 加 速 減 速 試 験 において シャーシダイナモの 負 荷 設 定 値 を 机 上 計 算 値 より 大 きめに 設 定 することにより 路 上 試 験 との 相 関 を 取 ることが 可 能 となった 加 速 度 一 定 試 験 の 場 合 は 同 様 の 負 荷 設 定 で 良 いが 加 速 度 の 異 なる 場 合 については 検 討 する 余 地 がある マイクロ EV の 電 費 性 能 試 験 では JC08 モードによる 試 験 条 件 時 速 81km まで 速 度 を 上 げるこ とが 出 来 ないため 一 定 速 度 で 2 パターンの 試 験 を 行 った その 結 果 時 速 20km の 電 費 は 時 速 50km の 1.5 倍 に 伸 びることが 分 かった 同 規 格 の 市 販 電 気 自 動 車 コムスとの 比 較 においては コムスの 時 速 30km の 電 費 とマイクロ EV の 時 速 20km の 電 費 が 同 等 となった コンバート EV の JC08 モードの 電 費 性 能 試 験 では 同 規 格 の 市 販 車 ミニキャブミーブのカタロ グ 値 と 同 等 の 電 費 性 能 であることがわかった [ 成 果 の 活 用 面 留 意 点 ] 本 研 究 では 軽 貨 物 タイプのコンバート EV と 1 人 乗 りのマイクロ EV について 市 販 車 との 比 較 を 行 いながら 負 荷 の 設 定 を 決 定 した 他 車 種 に 展 開 する 場 合 は 改 めて 同 性 能 の 車 種 で データ 収 集 し 比 較 を 行 う 必 要 がある [ 残 された 問 題 点 ] EV の 加 速 動 力 性 能 や 電 費 性 能 を 評 価 することが 可 能 となったが 現 時 点 では 路 上 試 験 と の 相 関 が 取 れていない 部 分 も 有 る 相 関 を 取 るためには カタログにて 性 能 が 表 記 されている 市 販 車 にてシャーシダイナモ 試 験 を 実 施 し 負 荷 設 定 の 合 わせ 込 みを 行 う 必 要 がある - 77 -
[ 具 体 的 データ] 生 産 技 術 分 野 図 1 シャーシダイナモへ 車 両 をセットした 状 態 図 2 JC08 モード 1サイクル 試 験 ( 約 900 秒 ) 表 1 航 続 距 離 電 力 消 費 量 比 較 (コンバート EV) 路 上 試 験 シャシタ イ 試 験 シャシタ イ 試 験 ミニキャフ ミーフ 試 験 条 件 実 証 試 験 平 均 JC08 50km/h 一 定 JC08 全 区 間 カタログ 値 一 充 電 航 続 距 離 (km) 50 63.8 73.5 100 電 力 消 費 率 Wh/km( 電 費 ) 126 111.7 86.2 125 電 力 消 費 量 (Ah) 45( 推 測 値 ) 50.9 45.3 カタログバッテリー 容 量 (kwh) 8.6 10.5 備 考 一 般 道 140V 60Ah 270V 38.9Ah [ 研 究 情 報 ] 研 究 課 題 名 : 島 しょ 地 域 型 電 気 自 動 車 開 発 支 援 事 業 課 題 ID: 2014 技 006 予 算 区 分 : 受 託 研 究 期 間 : 平 成 26 年 度 研 究 担 当 者 : 松 本 幸 礼 泉 川 達 哉 伊 口 明 高 発 表 論 文 等 : 無 - 78 -
アルミビレット 切 断 工 程 の 最 適 化 に 関 する 研 究 [ 要 約 ] アルミ 押 出 成 形 工 程 では 高 温 のアルミビレットをプレス 機 にて 加 圧 し 押 出 ダイスにて 製 品 を 成 形 する 1 ロット 押 出 した 後 にダイスに 残 ったビレットを 切 断 する 工 程 があるが 1 秒 程 度 の 短 い 時 間 で 切 断 が 終 了 するため 目 視 で 挙 動 を 確 認 することは 容 易 ではない 本 研 究 では 挙 動 をハイスピードカメラにて 撮 影 し 切 断 工 程 に 関 連 する 構 成 部 材 の 変 位 を 動 体 解 析 ソ フトにて 測 定 した その 結 果 を 設 計 にフィードバックし 分 割 式 シャーナイフの 最 適 形 状 の 設 計 や 使 用 済 みのシャーナイフを 研 磨 することにより 再 利 用 を 図 った [キーワード]アルミサッシ 押 出 し アルミビレット 切 断 挙 動 撮 影 [ 担 当 機 関 ] 工 業 技 術 センター 生 産 技 術 研 究 班 [ 背 景 ねらい] アルミ 押 出 成 形 では 高 周 波 にて 加 熱 したアルミビレットを 原 料 とし プレス 機 で 押 出 すこ とにより 製 品 を 成 形 する 予 め 1 ロット 分 の 長 さに 切 断 されたアルミビレットは 押 出 した 後 に シャーナイフにて 切 断 する 切 断 工 程 での 課 題 として ビレットが 斜 めに 切 断 される シャー ナイフの 寿 命 が 短 い シャーナイフの 交 換 時 の 作 業 工 程 の 手 間 が 掛 かる 等 が 挙 げられる 切 断 不 良 の 改 善 は 歩 留 まりの 向 上 に 繋 がる 本 研 究 では 切 断 工 程 の 挙 動 をハイスピードカメラにて 撮 影 し 動 体 解 析 ソフトにて 変 位 を 測 定 することにより 改 善 点 を 見 い 出 し 製 品 品 質 の 向 上 に 繋 げる また 頻 繁 に 交 換 を 行 っているシャーナイフについて 形 状 変 更 や 分 割 式 の 検 討 研 磨 による 再 利 用 を 行 うことでコスト 削 減 の 検 討 を 行 う [ 成 果 の 内 容 特 徴 ] 本 研 究 にて 高 速 で 切 断 を 行 っている 工 程 の 現 状 把 握 が 可 能 となった それにより シャー ナイフの 変 位 ダイスやカセットの 変 位 の 測 定 を 行 い 以 下 の 傾 向 を 把 握 できた 寿 命 が 近 いシャーナイフを 使 用 した 場 合 刃 先 やダイス カセットの 逃 げ 共 に 大 きくなって いるため 各 部 への 負 担 が 大 きくなっていると 想 定 できる 刃 先 のエンボス 形 状 について 現 在 は 放 電 加 工 で 行 っているが 放 電 加 工 は 加 工 費 の 上 昇 耐 久 性 の 低 下 が 懸 念 されるため 切 削 加 工 について 検 討 を 行 った 刃 先 のみを 交 換 可 能 な 2 分 割 式 の 刃 の 試 作 を 行 った 耐 久 性 を 確 認 した 結 果 従 来 品 と 比 較 し ても 耐 久 性 の 低 下 は 見 られない 使 用 済 みの 刃 の 形 状 測 定 を 行 い 研 磨 量 を 決 定 研 磨 済 みの 刃 の 再 利 用 を 行 った その 結 果 従 来 品 と 同 等 の 耐 久 性 が 確 認 された [ 成 果 の 活 用 面 留 意 点 ] 本 研 究 により 従 来 使 い 捨 てであったシャーナイフの 再 利 用 また 2 分 割 式 とすることにより コスト 低 減 作 業 時 間 の 短 縮 を 図 ることが 可 能 となった シャーナイフの 形 状 変 更 により 剛 性 不 足 が 懸 念 されたが ハイスピードカメラで 切 断 挙 動 を 撮 影 し 設 計 へフィードバックすることにより 効 率 的 な 開 発 が 可 能 となった [ 残 された 問 題 点 ] 今 回 の 研 究 では シャーナイフのみの 形 状 検 討 試 作 を 行 い 耐 久 性 の 確 認 を 行 ったが 切 断 に 関 連 するカセット ホルダ 等 の 更 新 や 仕 様 変 更 についても 検 討 の 余 地 がある - 79 -
[ 具 体 的 データ] 図 1 撮 影 状 況 図 2 刃 先 の 横 変 位 図 3 1 ヶ 月 使 用 した 刃 の 変 位 図 4 分 割 式 シャーナイフ 図 5 非 接 触 3 次 元 測 定 機 による 形 状 測 定 [ 研 究 情 報 ] 研 究 課 題 名 :アルミビレット 切 断 工 程 の 最 適 化 に 関 する 研 究 課 題 ID: 2014 技 009 予 算 区 分 : 県 単 研 究 期 間 : 平 成 26 年 度 研 究 担 当 者 : 松 本 幸 礼 羽 地 龍 志 発 表 論 文 等 : 無 - 80 -