いよいよ適用開始 投信制度改革 目論見書・運用報告書などの見直し



Similar documents
Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

文化政策情報システムの運用等

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

2. 前 項 の 規 定 にかかわらず 証 券 会 社 等 又 は 機 構 を 通 じた 届 出 の 対 象 となっていない 事 項 については 当 会 社 の 定 める 書 式 により 株 主 名 簿 管 理 人 宛 に 届 け 出 るものとす る ( 法 人 株 主 等 の 代 表 者 ) 第

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

●電力自由化推進法案

工 事 名 能 代 南 中 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 5 月 24 日 ( 火

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

個人向け国債の事務取扱いに関する細則


続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

建設特別・資産運用の基本方針

< F2D8CF68D908A BA97AC89CD90EC8FF38BB592B28DB8>

(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

Microsoft PowerPoint - 基金制度

PowerPoint プレゼンテーション

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

募集新株予約権(有償ストック・オプション)の発行に関するお知らせ

 

面 を 保 佐 人 又 は 補 助 人 の 同 意 を 要 する 場 合 は 同 意 を 証 する 書 面 を 提 出 する ものとする 前 項 の 場 合 代 理 人 は 代 理 人 自 身 の 本 人 であることを 証 する 書 面 を 保 佐 人 及 び 補 助 人 は 株 主 本 人 の 保

財政再計算結果_色変更.indd

競 争 参 加 資 格 審 査 等 事 務 取 扱 要 領 ( 抜 粋 ) ( 有 資 格 者 としない 者 ) 第 6 条 契 約 事 務 責 任 者 は 契 約 を 締 結 する 能 力 を 有 しない 者 破 産 者 で 復 権 を 得 ない 者 及 び 暴 力 団 等 の 反 社 会 的 勢


S16-386・ソフトウェアの調達に関する入札実施の件

弁護士報酬規定(抜粋)

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

定款

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

<4D F736F F D208CF689768ED C8FE395FB978E8CEA8BA689EF814592E88ABC2E646F63>

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Microsoft Word 第1章 定款.doc

<4D F736F F D B8E968BC695E58F CA A2E646F63>

内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

教育資金管理約款

Microsoft Word - H20中小会計指針新旧対照表 doc

工 事 名 沢 口 浄 配 水 場 建 設 工 事 ( 浄 水 管 理 棟 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 平 成 24 年 5 月 8 日 ( 火 ) 正 午 から 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 基 本 事 項 2のとおり

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

( 参 考 ) 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 ( 平 成 25 年 法 律 第 107 号 )( 抄 ) 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 及 び 構 造 改 革 特 別 区 域 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 27 年 法 律 第 56 号 ) による 改 正 後 (

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

Microsoft Word ETF・日経400ベア決算短信.doc

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6


fukkouqa pdf

厚 生 年 金 基 金 制 度 の 概 要 公 的 年 金 たる 厚 生 年 金 の 一 部 を 国 に 代 わって 支 給 ( 代 行 給 付 )しており 当 該 支 給 を 行 うための 費 用 として 事 業 主 から 保 険 料 を 徴 収 している 加 えて 各 基 金 ごとに 上 乗 せ

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

公共債のご案内


4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

160530_日本株厳選_7コース両観_■丸八証券

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

公表表紙

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

疑わしい取引の参考事例

Microsoft Word 行革PF法案-0概要

<4D F736F F D A94BD837D836C B4B92F62E646F6378>

目     次

大阪府電子調達システムの開発業務 (第一期)に係る仕様書案に対する意見招請のお知らせ

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

適時開示などに関する東証規則改正

平成27年度大学改革推進等補助金(大学改革推進事業)交付申請書等作成・提出要領

ような 厚 生 年 金 基 金 関 係 の 法 改 正 がなされており (2)については 平 成 16 年 10 月 1 日 から (1) 及 び(3)については 平 成 17 年 4 月 1 日 から 施 行 されている (1) 免 除 保 険 料 率 の 凍 結 解 除 ( 母 体 企 業 (

兵庫県公立学校教職員等財産形成貯蓄事務取扱細則

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

<4D F736F F D F4390B3208A948C E7189BB8CE F F8C668DDA97702E646F63>

(7) 公 共 施 設 における 建 築 物 (1 敷 地 における 延 床 面 積 の 合 計 が 5,000 m2 以 上 )の 劣 化 につ いての 調 査 ( 劣 化 度 調 査 健 全 度 調 査 等 )の 実 績 があること (8) 公 共 施 設 における 建 築 物 (1 敷 地 に

対 象 者 株 式 (1,287,000 株 ) 及 び 当 社 が 所 有 する 対 象 者 株 式 (1,412,000 株 )を 控 除 した 株 式 数 (3,851,673 株 )になります ( 注 3) 単 元 未 満 株 式 も 本 公 開 買 付 けの 対 象 としております なお

Taro-○離島特産品等マーケティング支援事業に係る企画提案募集要領


スライド 1

Taro-入札説明書(真空巻締め)

特 定 が 必 要 であり, 法 7 条 の 裁 量 的 開 示 を 求 める 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 本 件 開 示 請 求 について 本 件 開 示 請 求 は, 処 分 庁 に 対 して, 特 定 法 人 が 大 森 税 務 署 に 提 出 した, 特 定 期 間 の

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

Microsoft Word - 結果・異動プレス_ _clean.doc

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

一般競争入札について

第316回取締役会議案

キ 短 時 間 労 働 者 の 雇 用 管 理 の 改 善 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 5 年 法 律 第 76 号 ) ク 労 働 契 約 法 ( 平 成 19 年 法 律 第 128 号 ) ケ 健 康 保 険 法 ( 大 正 11 年 法 律 第 70 号 ) コ 厚 生 年 金 保

公募

基 準 地 価 格 3 年 に1 度 審 議 直 近 ではH23 年 12 月 に 審 議 土 地 評 価 替 えの 流 れと 固 定 資 産 評 価 審 議 会 基 準 地 とは 土 地 評 価 の 水 準 と 市 町 村 間 の 均 衡 を 確 保 するための 指 標 となるものであり 各 市

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

Transcription:

証 券 金 融 取 引 の 法 制 度 いよいよ 適 用 開 始 投 信 制 度 改 革 目 論 見 書 運 用 報 告 書 などの 見 直 し 手 数 料 情 報 リスク 情 報 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 2014 年 12 月 8 日 全 15 頁 金 融 調 査 部 主 任 研 究 員 横 山 淳 [ 要 約 ] 2014 年 12 月 1 日 から 一 連 の 投 信 制 度 改 革 が 実 施 された その 中 に 運 用 報 告 書 や 目 論 見 書 などの 見 直 しが 盛 り 込 まれている 具 体 的 には 交 付 目 論 見 書 において 手 数 料 情 報 について 顧 客 が 負 担 する 手 数 料 を 対 価 とするサービスの 内 容 を 記 載 すること リスク 情 報 について 投 資 リスクの 定 量 的 把 握 比 較 が 可 能 となるようわかりやすく 記 載 すること(6 種 類 程 度 の 指 標 と 比 較 など) が 求 められることとなる また 運 用 報 告 書 について 必 ず 書 面 で 交 付 すべき 交 付 運 用 報 告 書 と ウェブ 掲 載 など 電 磁 的 方 法 による 提 供 を 原 則 とする 運 用 報 告 書 ( 全 体 版 ) に 二 段 階 化 すること とされている はじめに( 投 信 制 度 改 革 について) 2014 年 12 月 1 日 から 一 連 の 投 信 制 度 改 革 が いよいよ 実 施 された 投 信 制 度 改 革 は 2012 年 12 月 の 投 資 信 託 投 資 法 人 法 制 の 見 直 しに 関 するワーキング グ ループ 最 終 報 告 1 ( 以 下 最 終 報 告 書 )の 提 言 を 踏 まえたものである 最 終 報 告 書 の 内 容 は 多 岐 にわたるが 投 資 信 託 に 関 する 主 な 事 項 を 挙 げると 次 の 通 りである ( 投 資 信 託 運 営 の 効 率 性 の 向 上 ) 投 資 家 のニーズに 的 確 に 対 応 するための 運 用 会 社 の 運 用 力 の 強 化 約 款 の 変 更 や 投 資 信 託 の 併 合 等 に 関 する 書 面 決 議 制 度 の 見 直 し 1 金 融 庁 のウェブサイト(http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20121212-1.html)に 掲 載 されている 株 式 会 社 大 和 総 研 丸 の 内 オフィス 100-6756 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 一 丁 目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは 投 資 勧 誘 を 意 図 して 提 供 するものではありません このレポートの 掲 載 情 報 は 信 頼 できると 考 えられる 情 報 源 から 作 成 しておりますが その 正 確 性 完 全 性 を 保 証 する ものではありません また 記 載 された 意 見 や 予 測 等 は 作 成 時 点 のものであり 今 後 予 告 なく 変 更 されることがあります 大 和 総 研 の 親 会 社 である 大 和 総 研 ホールディングスと 大 和 証 券 は 大 和 証 券 グループ 本 社 を 親 会 社 とする 大 和 証 券 グループの 会 社 です 内 容 に 関 する 一 切 の 権 利 は 大 和 総 研 にあります 無 断 での 複 製 転 載 転 送 等 はご 遠 慮 ください

2 / 15 ( 合 理 的 な 投 資 判 断 のための 環 境 整 備 ) 運 用 報 告 書 の 改 善 等 トータルリターンの 通 知 ( 複 合 化 するリスクへの 対 応 ) リスク 等 についての 情 報 提 供 の 充 実 一 定 の 類 型 のリスクに 対 する 規 制 (より 一 層 の 顧 客 本 位 の 目 線 ) 顧 客 の 生 活 設 計 やマネープランを 踏 まえた 資 産 形 成 という 観 点 に 基 づくコンサルティング 機 能 の 発 揮 受 託 者 責 任 を 踏 まえた 適 切 な 運 営 これを 受 けて 2013 年 から 2014 年 にかけて 例 えば 次 のような 法 令 ガイドライン 自 主 規 制 規 則 などの 大 掛 かりな 改 正 が 行 われた 法 律 2 金 融 商 品 取 引 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 以 下 2013 年 改 正 金 商 法 ) 政 令 内 閣 府 令 3 金 融 商 品 取 引 法 施 行 令 等 の 一 部 を 改 正 する 政 令 ( 以 下 改 正 政 令 ) 特 定 有 価 証 券 の 内 容 等 の 開 示 に 関 する 内 閣 府 令 等 の 一 部 を 改 正 する 内 閣 府 令 ( 以 下 改 正 府 令 ) 事 務 ガイドライン 監 督 指 針 4 特 定 有 価 証 券 の 内 容 等 の 開 示 に 関 する 留 意 事 項 について( 特 定 有 価 証 券 開 示 ガイドライ ン) 改 正 金 融 商 品 取 引 業 者 等 向 けの 総 合 的 な 監 督 指 針 改 正 2 金 融 庁 のウェブサイト(http://www.fsa.go.jp/common/diet/183/index.html)に 掲 載 されている なお 拙 稿 イン サイダー 破 綻 処 理 などに 関 する 金 商 法 等 改 正 法 成 立 (2013 年 6 月 17 日 付 レポート)も 参 照 されたい (http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/securities/20130617_007319.html) 3 金 融 庁 のウェブサイト(http://www.fsa.go.jp/news/25/syouken/20140627-13.html)に 掲 載 されている 4 下 記 の 金 融 庁 のウェブサイトに 掲 載 されている http://www.fsa.go.jp/news/25/syouken/20140627-13.html http://www.fsa.go.jp/news/26/syouken/20140917-1.html

3 / 15 自 主 規 制 規 則 など 5 投 資 信 託 協 会 交 付 目 論 見 書 の 作 成 に 関 する 規 則 等 の 一 部 改 正 同 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 係 る 規 則 等 の 整 備 日 本 証 券 業 協 会 投 資 信 託 等 のトータルリターンの 通 知 制 度 導 入 に 係 る 協 会 員 の 投 資 勧 誘 顧 客 管 理 等 に 関 する 規 則 の 一 部 改 正 について 同 外 国 証 券 の 取 引 に 関 する 規 則 の 一 部 改 正 について など 本 稿 では これらのうち 最 終 報 告 書 の リスク 等 についての 情 報 提 供 の 充 実 運 用 報 告 書 の 改 善 等 に 対 応 する 改 正 事 項 を 紹 介 する 1.リスク 等 についての 情 報 提 供 の 充 実 金 融 商 品 取 引 業 者 などは 有 価 証 券 を 顧 客 に 販 売 する 場 合 原 則 として あらかじめ 又 は 同 時 に 目 論 見 書 という 法 定 開 示 書 類 を 交 付 することが 義 務 付 けられている( 金 融 商 品 取 引 法 15 条 2 項 ) この 目 論 見 書 という 法 定 開 示 書 類 は 投 資 者 が これから 購 入 しようとする 有 価 証 券 の 内 容 リスク コストなどを 理 解 する 上 で 重 要 な 役 割 を 担 っている 投 資 信 託 (の 受 益 証 券 )についても 必 ず 交 付 されなければならない 交 付 目 論 見 書 と 請 求 があった 場 合 に 交 付 される 請 求 目 論 見 書 の 二 部 構 成 となっているという 特 徴 があるも のの 基 本 的 には 同 様 である( 金 融 商 品 取 引 法 13 条 2 項 15 条 3 項 特 定 有 価 証 券 の 内 容 等 の 開 示 に 関 する 内 閣 府 令 ( 以 下 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 )15 16 条 など) 投 資 信 託 の 交 付 目 論 見 書 などには 投 資 者 の 投 資 判 断 に 重 要 な 情 報 として 投 資 リスク や 手 数 料 等 に 関 する 情 報 が 開 示 されてはいる しかし 例 えば 投 資 リスクについて 商 品 の リスクを 分 かりやすく 表 示 する 工 夫 が 考 えられないか 各 種 手 数 料 について 使 途 を 含 め そ の 説 明 が 不 足 しているのではないか といった 指 摘 があった 6 そこで 今 回 の 改 正 府 令 などを 5 下 記 ウェブサイトなど 参 照 ( 投 資 信 託 協 会 ) https://www.toushin.or.jp/publiccomment/ichiran/11048/ https://www.toushin.or.jp/publiccomment/ichiran/11133/ https://www.toushin.or.jp/publiccomment/ichiran/11650/ ( 日 本 証 券 業 協 会 ) http://www.jsda.or.jp/katsudou/public/kekka/index.html 6 2012 年 3 月 7 日 開 催 金 融 審 議 会 投 資 信 託 投 資 法 人 法 制 の 見 直 しに 関 するワーキング グループ( 第 1 回 ) 配 布 資 料 (http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/toushi/siryou/20120307.html) 資 料 5 投 資 信 託 投 資 法 人 法 制 の 見 直 しについて p.5

4 / 15 通 じて 目 論 見 書 等 で 開 示 される 投 資 リスク 手 数 料 等 について 次 のような 見 直 しが 行 われた リスク 等 についてのわかりやすい 表 示 ( 過 去 の 基 準 価 額 の 変 動 を 他 の 代 表 的 な 投 資 資 産 と 比 較 するための 図 表 等 を 用 いた 投 資 リスクに 関 する 説 明 を 求 める) 販 売 手 数 料 信 託 報 酬 等 に 関 する 説 明 の 充 実 ( 販 売 手 数 料 信 託 報 酬 等 の 対 価 として 提 供 す る 役 務 (サービス)に 関 する 説 明 を 求 める) 内 国 投 資 信 託 受 益 証 券 ( 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 委 託 者 非 指 図 型 投 資 信 託 )だけではなく 外 国 証 券 投 資 信 託 受 益 証 券 についても 同 様 の 改 正 がなされている (1)リスク 等 についてのわかりやすい 表 示 目 論 見 書 に 記 載 する( 投 資 信 託 の) 投 資 リスク 情 報 について 次 のように 過 去 5 年 間 の 分 配 金 再 投 資 基 準 額 や 年 間 リターン 率 を 他 の6 種 類 程 度 の 指 標 と 比 較 するなどして 図 表 等 を 用 いてわかりやすく 記 載 することが 義 務 付 けられた( 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 第 25 号 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(4)c 第 25 号 の2 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(4)c など) 同 様 の 記 載 は 有 価 証 券 届 出 書 有 価 証 券 報 告 書 等 でも 求 められている( 同 第 4 号 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(20)c d 第 4 号 の2 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(25) c d 第 7 号 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(3)c 第 7 号 の2 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(3)c など) 1 投 資 者 がファンドの 運 用 実 績 から 投 資 リスクを 把 握 できるよう 過 去 5 年 間 ( 各 月 末 )につ いて 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 ( 注 1) 及 び 年 間 リターン 率 ( 注 2)を 図 表 等 を 用 いて 分 かりや すく 記 載 すること この 場 合 他 の 投 資 資 産 に 投 資 した 場 合 における 投 資 リスクと 適 切 に 比 較 できるよう 有 価 証 券 その 他 の 投 資 資 産 に 係 る6 種 類 程 度 の 指 標 ( 注 3)の 年 間 騰 落 率 ( 注 4)の 過 去 5 年 間 における 最 大 値 及 び 最 小 値 並 びに 平 均 値 を 各 指 標 ごとに 図 表 等 を 用 いて 分 かりやすく 記 載 すること 2 前 記 1において ファンドが 設 定 されていない 等 の 理 由 から 各 月 末 又 は(その 各 月 末 の) 1 年 前 の 日 の 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 がなく 年 間 リターン 率 の 算 出 ができない 場 合 であって ベンチマーク( 注 5)があるときには そのベンチマークを 用 いて 基 準 価 額 を 算 出 し 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 に 代 えて 当 該 基 準 価 額 を 用 いて 算 出 した 年 間 リターン 率 を 記 載 すること た だし 投 資 者 に 誤 解 を 生 じさせるおそれのある 場 合 には この 限 りではない 3なお 前 記 2の 方 法 で 年 間 リターン 率 を 記 載 する 場 合 には 過 去 の 運 用 実 績 である 年 間 リタ

5 / 15 ーン 率 ではなく ベンチマークを 用 いて 算 出 した 年 間 リターン 率 を 記 載 しているものである 旨 その 他 の 投 資 者 に 誤 解 を 生 じさせることとならないようにするために 必 要 な 事 項 を 明 瞭 に 記 載 すること ( 注 1) 税 引 前 の 分 配 金 が 分 配 時 に 再 投 資 されたものとみなして 計 算 した 内 国 投 資 信 託 受 益 証 券 1 単 位 当 たり の 純 資 産 額 をいう ( 注 2) 各 月 末 の 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 から(その 各 月 末 の)1 年 前 の 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 を 控 除 した 額 を 1 年 前 の 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 で 除 して 得 た 数 に 100 を 乗 じて 得 た 数 をいう ( 注 3) 客 観 的 かつ 公 正 な 基 準 に 基 づき 算 出 される 指 標 であって 継 続 的 に 公 表 されるものに 限 る ( 注 4) 当 該 各 月 末 の 指 標 の 値 から 当 該 各 月 末 の1 年 前 の 指 標 の 値 を 控 除 したものを 当 該 各 月 末 の1 年 前 の 指 標 の 値 で 除 して 得 た 数 に 100 を 乗 じて 得 た 数 をいう ( 注 5) 特 定 の 指 標 の 変 動 率 に 当 該 ファンドに 係 る 基 準 価 額 ( 内 国 投 資 信 託 受 益 証 券 1 単 位 当 たりの 純 資 産 額 をいう)の 変 動 率 を 一 致 させることを 目 標 とする 場 合 (その 旨 が 当 該 ファンドに 係 る 約 款 に 定 められ 又 は 本 有 価 証 券 届 出 書 において 記 載 されている 場 合 に 限 る )における 当 該 指 標 をいう これは 最 終 報 告 書 における 商 品 のリスクを 定 性 的 に 説 明 することに 加 え リスクの 定 量 的 な 把 握 や 比 較 が 可 能 となるように わかりやすく 表 示 することが 適 当 である 7 との 提 言 を 受 けたものと 考 えられる これを 受 けて 交 付 目 論 見 書 の 対 象 となる 投 資 信 託 と 代 表 的 な 資 産 クラスとの 騰 落 率 の 比 較 や (その 投 資 信 託 の) 年 間 騰 落 率 や 分 配 金 再 投 資 基 準 価 額 の 推 移 の 具 体 的 な 記 載 方 法 やイメー ジ 図 例 などについて 投 資 信 託 協 会 が 自 主 規 制 規 則 の 整 備 を 行 っている( 投 資 信 託 協 会 交 付 目 論 見 書 の 作 成 に 関 する 規 則 3 条 同 交 付 目 論 見 書 の 作 成 に 関 する 規 則 に 関 する 細 則 3 条 の2) また 有 価 証 券 届 出 書 や 請 求 目 論 見 書 では ファンドのもつリスク として 次 のことを 記 載 すべき 場 合 があるとしている( 特 定 有 価 証 券 開 示 ガイドライン BⅡ1) 1 投 資 資 産 の 流 動 性 が 低 下 することにより 投 資 資 産 の 換 金 等 が 困 難 となることがあること( 流 動 性 リスク )に 関 する 記 載 (これによる 投 資 者 への 影 響 ( 内 国 投 資 信 託 受 益 証 券 の 換 金 ( 解 約 ) 請 求 の 受 付 の 中 止 又 は 取 消 し 等 )に 関 する 記 載 を 含 む ) 2ファンドがある 指 標 に 係 るインデックス 型 ファンドである 場 合 に 当 該 指 標 の 変 動 をその 基 準 価 額 の 変 動 に 適 正 に 反 映 することができないことに 関 する 記 載 (2) 販 売 手 数 料 信 託 報 酬 等 に 関 する 説 明 の 充 実 目 論 見 書 等 に 記 載 する( 投 資 信 託 の) 申 込 手 数 料 換 金 ( 解 約 手 数 料 ) ( 主 要 な) 信 託 報 酬 等 ( 主 要 な) その 他 の 手 数 料 等 について 金 額 料 率 などに 加 え 当 該 手 数 料 7 最 終 報 告 書 p.9

6 / 15 を 対 価 とする 役 務 の 内 容 についても 記 載 することが 義 務 付 けられた( 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 第 25 号 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(6) 第 25 号 の2 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(6)など なお 運 用 報 告 書 での 開 示 につき 後 述 2(2)(イ)も 参 照 ) 同 様 の 記 載 は 有 価 証 券 届 出 書 有 価 証 券 報 告 書 等 でも 求 められている( 同 第 4 号 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(22)~(25) 第 4 号 の2 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(27)~(30) 第 7 号 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(1)g 第 7 号 の2 様 式 ( 記 載 上 の 注 意 )(1)j など) これは 最 終 報 告 書 における 投 資 者 が 負 担 する 手 数 料 等 と 対 価 関 係 にあるサービスにつ いて 投 資 家 のコスト 意 識 を 醸 成 し 競 争 の 促 進 を 期 待 する 観 点 から 中 略 説 明 の 充 実 を 図 る ことが 適 当 である 8 との 提 言 を 受 けたものと 考 えられる これを 受 けて 交 付 目 論 見 書 における 手 数 料 等 の 記 載 様 式 (ファンドの 費 用 の 表 )などにつ いて 投 資 信 託 協 会 が 自 主 規 制 規 則 の 整 備 を 行 っている( 投 資 信 託 協 会 交 付 目 論 見 書 の 作 成 に 関 する 規 則 に 関 する 細 則 6 条 ) なお 役 務 の 内 容 に 関 して 次 のような 記 載 上 の 留 意 事 項 が 設 けられている( 同 前 ) 1. 略 2. 購 入 時 手 数 料 については 当 該 手 数 料 を 対 価 とする 役 務 の 内 容 を 当 該 手 数 料 と 対 比 できる よう 表 内 に 記 載 するものとする 3. 運 用 管 理 費 用 ( 信 託 報 酬 )については 運 用 管 理 費 用 ( 信 託 報 酬 )の 総 額 表 示 のみでなく 支 払 先 毎 にその 算 出 方 法 金 額 又 は 料 率 徴 収 方 法 及 び 徴 収 時 期 を 記 載 するとともに 以 下 の 事 項 を 参 考 に 対 比 できるよう 表 内 に 記 載 するものとする 信 託 報 酬 = 運 用 期 間 中 の 基 準 価 額 信 託 報 酬 率 ( 委 託 会 社 ) 委 託 した 資 金 の 運 用 の 対 価 ( 販 売 会 社 ) 運 用 報 告 書 等 各 種 書 類 の 送 付 口 座 内 でのファンドの 管 理 購 入 後 の 情 報 提 供 等 の 対 価 ( 受 託 会 社 ) 運 用 財 産 の 管 理 委 託 会 社 からの 指 図 の 実 行 の 対 価 4. 略 5.その 他 の 費 用 手 数 料 は 主 要 なものについて 支 払 先 毎 にその 算 出 方 法 金 額 又 は 料 率 徴 収 方 法 及 び 徴 収 時 期 並 びに 当 該 手 数 料 等 を 対 価 とする 役 務 の 内 容 ( 例 えば 監 査 に 係 る 手 数 料 等 )を 記 載 する また 事 前 に 料 率 等 を 記 載 することができない 場 合 はその 旨 及 びその 理 由 請 求 目 論 見 書 で 確 認 できる 場 合 はその 旨 の 記 載 をするものとする 6. 上 記 項 目 以 外 の 費 用 を 徴 収 するファンドで 別 に 記 載 すべき 費 用 があるファンド( 例 えば 8 最 終 報 告 書 p.9

7 / 15 換 金 時 に 手 数 料 を 徴 収 するファンドなど)は 適 宜 項 目 を 追 加 し 当 該 費 用 及 びそれを 対 価 とする 役 務 の 内 容 を 記 載 するものとする ( 以 下 略 ) (3) 適 用 時 期 改 正 後 の 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 は 施 行 日 (2014 年 12 月 1 日 ) 以 後 に 提 出 する 有 価 証 券 届 出 書 に 係 る 目 論 見 書 から 適 用 されている( 改 正 府 令 附 則 2 条 5 項 ) 2. 運 用 報 告 書 の 改 善 等 投 資 信 託 委 託 会 社 は 原 則 として 運 用 報 告 書 という 法 定 開 示 書 類 を 計 算 期 間 末 日 ごとに 作 成 し 知 れている 受 益 者 (その 投 資 信 託 を 保 有 する 投 資 者 など)に 交 付 することが 義 務 付 け られている( 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 ( 以 下 投 信 法 )14 条 1 項 ) 運 用 報 告 書 は 投 資 者 が 保 有 する 投 資 信 託 の 運 用 状 況 などを 把 握 する 上 で 重 要 な 役 割 を 担 っている その 一 方 数 字 の 列 挙 が 多 く 記 載 内 容 も 一 般 投 資 家 にとって 理 解 が 困 難 9 数 百 頁 にも 及 ぶこともあり 情 報 の 取 捨 選 択 が 困 難 10 書 面 での 交 付 が 原 則 であるため 投 資 信 託 委 託 会 社 には 多 大 なコストが 発 生 などといった 指 摘 があった そこで 2013 年 改 正 金 商 法 改 正 政 令 改 正 府 令 などを 通 じて 次 のような 見 直 しが 行 われ た 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 運 用 報 告 書 記 載 事 項 等 の 見 直 し 上 記 の 改 正 は 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 だけでなく 委 託 者 非 指 図 型 投 資 信 託 や 外 国 証 券 投 資 信 託 受 益 証 券 についても 準 用 されている( 投 信 法 54 条 59 条 ) 9 2012 年 5 月 11 日 開 催 金 融 審 議 会 投 資 信 託 投 資 法 人 法 制 の 見 直 しに 関 するワーキング グループ( 第 5 回 ) 配 布 資 料 (http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/toushi/siryou/20120511.html) 事 務 局 説 明 資 料 p.4 10 古 澤 知 之 栗 田 照 久 佐 藤 則 夫 増 田 昌 樹 横 尾 光 輔 監 修 齋 藤 将 彦 小 長 谷 章 人 西 田 勇 樹 澤 飯 敦 上 島 正 道 編 著 逐 条 解 説 2013 年 金 融 商 品 取 引 法 改 正 ( 商 事 法 務 2014 年 )p.54

8 / 15 (1) 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 (イ) 交 付 運 用 報 告 書 と 運 用 報 告 書 ( 全 体 版 ) 改 正 前 の 金 融 商 品 取 引 法 では 投 資 信 託 の 運 用 報 告 書 は 原 則 書 面 ( 紙 媒 体 )で 交 付 する ことが 義 務 付 けられていた 電 磁 的 方 法 ( 電 子 媒 体 )での 提 供 が 認 められるのは 個 別 の 投 資 者 の 同 意 がある 場 合 に 限 られていた( 改 正 前 の 投 信 法 14 条 2 項 ) 2013 年 改 正 金 商 法 では この 原 則 そのものは 維 持 しつつ 次 のような 見 直 しを 行 った( 投 信 法 14 条 2~4 項 ) 1 投 資 信 託 約 款 に 定 めがある 場 合 には 書 面 の 交 付 に 代 えて 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 を 電 磁 的 方 法 で 提 供 することができる 2 前 記 1の 場 合 でも 受 益 者 からの 請 求 があれば 書 面 による 運 用 報 告 書 を 交 付 しなければな らない 3 前 記 1の 場 合 でも 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 のうち 重 要 なものとして 内 閣 府 令 で 定 めるものを 記 載 した 書 面 を 作 成 し 知 れている 受 益 者 に 交 付 しなければならない これを 整 理 すると 投 資 信 託 約 款 に 定 めがある 場 合 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 のうち 重 要 なも のだけを 記 載 した 書 面 ( 交 付 運 用 報 告 書 )を 交 付 すればよい( 上 記 3) それ 以 外 の 記 載 事 項 については 投 資 者 の 個 別 の 承 諾 がなくても 11 電 子 媒 体 ( 電 磁 的 方 法 )で 提 供 すればよい( 上 記 1) ただし 投 資 者 から 個 別 の 請 求 があれば 本 来 の 運 用 報 告 書 ( 運 用 報 告 書 ( 全 体 版 ) ) を 書 面 で 交 付 しなければならない( 上 記 2)ということになる これは 実 質 的 に 運 用 状 況 に 関 する 極 めて 重 要 な 事 項 を 記 載 した 交 付 運 用 報 告 書 と より 詳 細 な 運 用 状 況 等 も 含 めて 記 載 した 運 用 報 告 書 ( 全 体 版 )に 二 段 階 化 する 12 ものであることから 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 とも 呼 ばれている 13 なお 交 付 運 用 報 告 書 についても 個 別 の 投 資 者 の 同 意 がある 場 合 には 電 子 媒 体 ( 電 磁 的 方 法 )での 提 供 が 認 められる( 投 信 法 14 条 5 項 ) 11 古 澤 知 之 栗 田 照 久 佐 藤 則 夫 増 田 昌 樹 横 尾 光 輔 監 修 齋 藤 将 彦 小 長 谷 章 人 西 田 勇 樹 澤 飯 敦 上 島 正 道 編 著 逐 条 解 説 2013 年 金 融 商 品 取 引 法 改 正 ( 商 事 法 務 2014 年 )p.313 12 最 終 報 告 書 p.7 13 なお 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 に 伴 い 改 正 前 の 紙 ベースの 運 用 報 告 書 を 投 資 者 の 個 別 の 同 意 に 基 づいて 電 磁 的 方 法 ( 電 子 媒 体 )で 提 供 する 仕 組 み( 厳 密 には 投 信 法 5 条 2 項 の 準 用 )は 新 制 度 に 置 き 換 わってなく なった 模 様 である 古 澤 知 之 栗 田 照 久 佐 藤 則 夫 増 田 昌 樹 横 尾 光 輔 監 修 齋 藤 将 彦 小 長 谷 章 人 西 田 勇 樹 澤 飯 敦 上 島 正 道 編 著 逐 条 解 説 2013 年 金 融 商 品 取 引 法 改 正 ( 商 事 法 務 2014 年 )p.315 参 照

9 / 15 (ロ) 電 磁 的 方 法 交 付 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 以 外 の 事 項 を 提 供 する 電 磁 的 方 法 としては 具 体 的 に 次 の ものが 指 定 されている( 投 信 法 施 行 規 則 25 条 の2) 1 電 子 情 報 処 理 組 織 を 使 用 する 方 法 のうちイからニまでに 掲 げるもの イ 提 供 者 等 ( 注 1)の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 と 提 供 先 等 ( 注 2)の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 とを 接 続 する 電 気 通 信 回 線 を 通 じて 記 載 事 項 を 送 信 し 提 供 先 等 の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 に 備 えられた 顧 客 ファイルに 記 録 する 方 法 ロ 提 供 者 等 の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 に 備 えられたファイルに 記 録 された 記 載 事 項 を 電 気 通 信 回 線 を 通 じて 提 供 先 の 閲 覧 に 供 し 提 供 先 等 の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 に 備 えられた 当 該 提 供 先 の 顧 客 ファイルに 当 該 記 載 事 項 を 記 録 する 方 法 ハ 提 供 者 等 の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 に 備 えられた 顧 客 ファイルに 記 録 された 記 載 事 項 を 電 気 通 信 回 線 を 通 じて 提 供 先 の 閲 覧 に 供 する 方 法 ニ 閲 覧 ファイル( 注 3)に 記 録 された 記 載 事 項 を 電 気 通 信 回 線 を 通 じて 提 供 先 の 閲 覧 に 供 す る 方 法 2 磁 気 ディスク CD-ROM その 他 これらに 準 ずる 方 法 により 一 定 の 事 項 を 確 実 に 記 録 しておく ことができる 物 をもって 調 製 するファイルに 記 載 事 項 を 記 録 したものを 交 付 する 方 法 ( 注 1) 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 の 提 供 者 又 は 提 供 者 との 契 約 によりファイルを 自 己 の 管 理 する 電 子 計 算 機 に 備 え 置 き これを 提 供 先 若 しくは 提 供 者 の 用 に 供 する 者 をいう ( 注 2) 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 の 提 供 先 及 び 提 供 先 との 契 約 により 顧 客 ファイル( 専 らその 提 供 先 の 用 に 供 せ られるファイル)を 自 己 の 管 理 する 電 子 計 算 機 に 備 え 置 く 者 をいう ( 注 3) 提 供 者 等 の 使 用 に 係 る 電 子 計 算 機 に 備 えられたファイルであって 同 時 に 複 数 の 提 供 先 の 閲 覧 に 供 す るため 記 載 事 項 を 記 録 させるファイルをいう 具 体 的 なイメージとしては 1イは 受 益 者 に 電 子 メールにより 送 信 する 方 法 など 1ロ は 受 益 者 がインターネットからダウンロードする 方 法 1ハは 投 資 信 託 委 託 会 社 が 管 理 す る 受 益 者 専 用 ファイルにより 受 益 者 が 閲 覧 する 方 法 (いわゆる 電 子 私 書 箱 方 式 ) 1ニは 投 資 信 託 委 託 会 社 のホームページにおいて 受 益 者 が 閲 覧 する 方 法 2は CD-ROM 等 をもって 調 製 するファイルに 記 載 事 項 を 記 録 したものを 交 付 する 方 法 が それぞれ 該 当 すると 解 されて いる 14 14 宮 本 孝 男 粕 谷 晋 史 河 原 雄 亮 御 厨 景 子 投 資 信 託 投 資 法 人 法 制 の 見 直 し ( 商 事 法 務 No.2045 2014 年 10 月 5 15 日 合 併 号 )p.97 注 11~15

10 / 15 (2) 運 用 報 告 書 記 載 事 項 等 の 見 直 し 前 記 (1)の 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 に 併 せて 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 などの 見 直 しなども 行 われ た 主 なポイントを 挙 げると 次 の 通 りである (イ) 報 酬 等 の 表 示 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 として 計 算 期 間 中 における 投 資 信 託 委 託 会 社 及 び 受 託 会 社 に 対 する 報 酬 等 並 びに 当 該 投 資 信 託 財 産 に 関 して 受 益 者 が 負 担 するその 他 の 費 用 並 びにこれらを 対 価 と する 役 務 の 内 容 が 追 加 された( 投 資 信 託 財 産 の 計 算 に 関 する 規 則 ( 以 下 投 信 財 産 計 算 規 則 )58 条 1 項 4 号 ) なお 記 載 に 当 たっては 投 資 者 が 計 算 期 間 中 に 負 担 する 信 託 報 酬 その 他 の 費 用 及 びその 対 価 として 享 受 するサービスの 内 容 が 投 資 者 にとって 理 解 しやすいように 表 示 されていること が 求 められており( 金 融 商 品 取 引 業 者 等 向 けの 総 合 的 な 監 督 指 針 ( 本 編 ) Ⅵ-3-2-3(2) 4) 前 記 1(2)( 販 売 手 数 料 信 託 報 酬 等 に 関 する 説 明 の 充 実 )とも 関 連 する 見 直 しだと 考 え られる これを 受 けて 投 資 信 託 協 会 が 自 主 規 制 規 則 の 整 備 を 行 っている( 投 資 信 託 協 会 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 係 る 運 用 報 告 書 等 に 関 する 委 員 会 決 議 ) この 中 で 費 用 金 額 の 基 準 価 額 に 対 する 比 率 や その 他 費 用 の 内 訳 ( 保 管 費 用 監 査 費 用 その 他 )などの 記 載 を 求 める 様 式 が 示 されている( 同 別 表 1など) (ロ) 交 付 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 投 資 信 託 約 款 において 運 用 報 告 書 の 二 段 階 化 を 採 用 する 場 合 交 付 運 用 報 告 書 には 原 則 として 運 用 報 告 書 の 記 載 事 項 のうち 次 の 事 項 を 記 載 することとされた( 投 信 財 産 計 算 規 則 58 条 の2 第 1 項 ) 1 投 資 信 託 財 産 の 運 用 方 針 2 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 資 産 の 運 用 の 経 過 3 運 用 状 況 の 推 移 4 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 投 資 信 託 委 託 会 社 及 び 受 託 会 社 に 対 する 報 酬 等 並 びに 当 該 投 資 信 託 財 産 に 関 して 受 益 者 が 負 担 するその 他 の 費 用 並 びにこれらを 対 価 とする 役 務 の 内 容 5 株 式 のうち 主 要 なものにつき 銘 柄 ごとに 当 期 末 現 在 における 時 価 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 6 公 社 債 のうち 主 要 なものにつき 銘 柄 ごとに 当 期 末 現 在 における 時 価 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率

11 / 15 7 投 資 信 託 の 受 益 証 券 親 投 資 信 託 の 受 益 証 券 及 び 投 資 法 人 の 投 資 証 券 のうち 主 要 なものにつ き 銘 柄 ごとに 当 期 末 現 在 における 時 価 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 8デリバティブ 取 引 のうち 主 要 なものにつき 種 類 ごとに 当 期 末 現 在 における 評 価 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 9 不 動 産 不 動 産 の 賃 借 権 又 は 地 上 権 ごとに 次 に 掲 げる 事 項 イ 当 該 不 動 産 の 所 在 地 番 その 他 当 該 不 動 産 を 特 定 するために 必 要 な 事 項 ロ 物 件 ごとに 当 期 末 現 在 における 価 格 ハ 当 該 不 動 産 に 関 してテナントがある 場 合 には 物 件 ごとに 当 期 末 現 在 における 稼 働 率 及 びテナントの 総 数 並 びに 当 該 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 全 賃 料 収 入 ( 当 該 全 賃 料 収 入 について やむを 得 ない 事 情 により 表 示 できない 場 合 には その 旨 ) ニ 当 該 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 売 買 総 額 10 約 束 手 形 のうち 主 要 なものにつき 当 期 末 現 在 における 債 権 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 11 金 銭 債 権 のうち 主 要 なものにつき 種 類 ごとに 当 期 末 現 在 における 債 権 の 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 12 匿 名 組 合 出 資 持 分 のうち 主 要 なものにつき 種 類 ごとに 当 期 末 現 在 における 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 13( 商 品 先 物 取 引 法 上 の) 商 品 のうち 主 要 なものにつき 種 類 ごとに 当 期 末 現 在 における 時 価 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 14 商 品 投 資 等 取 引 のうち 主 要 なものにつき 種 類 ごとに 当 期 末 現 在 における 評 価 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 15 特 定 資 産 以 外 の 資 産 のうち 主 要 なものにつき 種 類 ごとに 当 期 末 現 在 における 時 価 総 額 の 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 額 に 対 する 比 率 16( 不 動 産 の) 鑑 定 評 価 が 行 われた 場 合 には 当 該 鑑 定 評 価 を 行 った 者 の 氏 名 又 は 名 称 並 びに 当 該 鑑 定 評 価 の 結 果 及 び 方 法 の 概 要 ( 当 該 鑑 定 評 価 の 年 月 日 又 は 期 間 を 含 む ) 17 当 期 末 現 在 における 当 該 投 資 信 託 財 産 の 純 資 産 及 び 受 益 証 券 の 基 準 価 額 の 状 況 18 投 資 信 託 委 託 会 社 が 宅 地 建 物 取 引 業 を 営 んでいる 場 合 にあっては 当 該 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 宅 地 建 物 取 引 業 者 である 投 資 信 託 委 託 会 社 との 間 の 取 引 の 状 況 及 び 当 該 投 資 信 託 委 託 会 社 に 支 払 われた 手 数 料 の 総 額 19 投 資 信 託 委 託 会 社 が 不 動 産 特 定 共 同 事 業 を 営 んでいる 場 合 にあっては 当 該 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 不 動 産 特 定 共 同 事 業 者 である 投 資 信 託 委 託 会 社 との 間 の 取 引 の 状 況 20その 他 当 該 投 資 信 託 財 産 の 計 算 期 間 中 における 投 資 信 託 財 産 の 運 用 状 況 を 明 らかにするため に 必 要 な 事 項 のうち 重 要 なもの

12 / 15 21 受 益 者 が 問 い 合 わせを 行 うことができる 部 署 及 び 電 話 番 号 22 投 資 信 託 約 款 において 運 用 報 告 書 に 記 載 すべき 事 項 を 電 磁 的 方 法 により 提 供 する 旨 を 定 めて いる 投 資 信 託 にあっては その 旨 及 び 運 用 報 告 書 に 記 載 すべき 事 項 を 閲 覧 するために 必 要 な 情 報 23 運 用 報 告 書 は 受 益 者 の 請 求 により 交 付 される 旨 及 び 受 益 者 が 当 該 請 求 をするために 必 要 な 情 報 これらの 事 項 の 具 体 的 な 表 示 については 投 資 信 託 協 会 自 主 規 制 規 則 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 係 る 運 用 報 告 書 等 に 関 する 規 則 を 遵 守 する 必 要 がある 上 グラフや 図 を 積 極 的 に 活 用 す る 文 章 による 説 明 は 平 易 かつ 簡 易 な 表 現 で 行 うなど 投 資 者 から 見 て 正 確 な 理 解 が 容 易 に 得 られるよう 創 意 工 夫 が 求 められる 点 に 留 意 することとされている 15 ( 金 融 商 品 取 引 業 者 等 向 けの 総 合 的 な 監 督 指 針 ( 本 編 ) Ⅵ-3-2-3(3)) これを 受 けて 交 付 運 用 報 告 書 の 表 示 事 項 表 示 順 提 供 規 格 文 章 表 現 などについて 投 資 信 託 協 会 が 自 主 規 制 規 則 の 整 備 を 行 っている( 投 資 信 託 協 会 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 係 る 運 用 報 告 書 等 に 関 する 規 則 3 条 の2 3 条 の3 9 条 の2 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 係 る 運 用 報 告 書 等 に 関 する 委 員 会 決 議 別 表 1-2) なお ここでも 前 記 1の 目 論 見 書 の 見 直 しに 準 じて グラフや 図 を 用 いた 代 表 的 な 資 産 クラスと 騰 落 率 の 比 較 などを 記 載 する 様 式 が 示 されている 加 えて ベンチマークとの 差 異 の 表 示 が 求 められている また 前 記 (イ)に 準 じた 販 売 手 数 料 信 託 報 酬 等 の 表 示 も 求 められている (3) 適 用 時 期 改 正 後 の 規 定 は 施 行 日 (2014 年 12 月 1 日 ) 以 後 に 到 来 する 作 成 期 日 に 係 る 運 用 報 告 書 につ いて 適 用 されている(2013 年 改 正 金 商 法 附 則 10 条 改 正 府 令 附 則 4 条 ) 15 最 終 報 告 書 p.8 でも 他 の 投 資 信 託 と 比 較 可 能 な 方 式 で 当 該 投 資 信 託 の 現 在 及 び 過 去 の 状 況 を 記 載 し グラフや 図 を 活 用 し 平 易 かつ 簡 素 な 表 現 で 文 章 による 解 説 を 行 うなどわかりやすい 表 示 を 行 う ことが 求 め られていた

13 / 15 3. 有 価 証 券 届 出 書 有 価 証 券 報 告 書 の 特 例 措 置 金 融 商 品 取 引 法 における 企 業 内 容 等 の 開 示 制 度 の 中 で 有 価 証 券 届 出 書 は 有 価 証 券 を 発 行 して 資 金 調 達 を 行 う 企 業 などが 行 うべき 発 行 開 示 の 法 定 開 示 書 類 である それに 対 して 有 価 証 券 報 告 書 は 多 数 の 者 が 保 有 するなど 一 定 の 流 通 性 を 有 する 有 価 証 券 の 発 行 者 が 行 うべ き 流 通 開 示 の 法 定 開 示 書 類 である つまり 両 者 は 発 行 市 場 における 開 示 制 度 と 流 通 市 場 における 開 示 制 度 という 役 割 分 担 がなされている ところが 継 続 的 に 募 集 売 出 しが 行 われている 投 資 信 託 (の 受 益 証 券 )の 場 合 実 質 的 に 発 行 開 示 と 継 続 開 示 が 同 時 並 行 して 進 められることとなり 実 務 上 も 継 続 開 示 書 類 で ある 有 価 証 券 報 告 書 を 定 期 的 に 提 出 するとともに 同 時 期 に 発 行 開 示 書 類 である 有 価 証 券 届 出 書 を 提 出 することが 通 例 になっている 16 とされる その 結 果 両 者 の 開 示 内 容 は 基 本 的 に 重 複 しており 提 出 者 に 負 担 が 生 じていることに 加 え 投 資 家 にとって 分 かりづらい 場 合 がある 等 の 指 摘 17 があった そこで こうした 重 複 を 解 消 する 観 点 から 2013 年 改 正 金 商 法 改 正 政 令 改 正 府 令 などを 通 じて 次 のような 見 直 しが 行 われた みなし 有 価 証 券 届 出 書 制 度 の 導 入 ( 募 集 事 項 等 記 載 書 面 を 有 価 証 券 報 告 書 と 併 せて 提 出 した 場 合 これらを 有 価 証 券 届 出 書 とみなす) 報 告 書 代 替 書 面 制 度 活 用 (その 提 出 により 有 価 証 券 報 告 書 の 一 部 とみなすことができる 報 告 書 代 替 書 面 として 投 資 信 託 協 会 の 規 則 に 基 づき 作 成 された 一 定 の 書 面 を 利 用 できるように する) (1) みなし 有 価 証 券 届 出 書 制 度 の 導 入 2013 年 改 正 金 商 法 により 募 集 事 項 等 記 載 書 面 を 有 価 証 券 報 告 書 と 併 せて 提 出 した 場 合 これらを 有 価 証 券 届 出 書 とみなすという みなし 有 価 証 券 届 出 書 制 度 が 導 入 された 具 体 的 には 投 資 信 託 の 受 益 証 券 など 一 定 の 特 定 有 価 証 券 の 募 集 売 出 しについて 有 価 証 券 届 出 書 を 提 出 しなければならない 会 社 が 次 の 要 件 を 満 たす 場 合 には 有 価 証 券 届 出 書 に 代 えて 募 集 事 項 等 記 載 書 面 を 提 出 することができるというものである 18 ( 金 融 商 品 取 引 法 5 条 10 11 項 16 古 澤 知 之 栗 田 照 久 佐 藤 則 夫 増 田 昌 樹 横 尾 光 輔 監 修 齋 藤 将 彦 小 長 谷 章 人 西 田 勇 樹 澤 飯 敦 上 島 正 道 編 著 逐 条 解 説 2013 年 金 融 商 品 取 引 法 改 正 ( 商 事 法 務 2014 年 )p.55 17 古 澤 知 之 栗 田 照 久 佐 藤 則 夫 増 田 昌 樹 横 尾 光 輔 監 修 齋 藤 将 彦 小 長 谷 章 人 西 田 勇 樹 澤 飯 敦 上 島 正 道 編 著 逐 条 解 説 2013 年 金 融 商 品 取 引 法 改 正 ( 商 事 法 務 2014 年 )p.56 18 これに 伴 い( 有 価 証 券 届 出 書 の) 訂 正 報 告 書 の 提 出 手 続 についても 手 当 てがなされている( 金 融 商 品 取 引 法 7 条 3~5 項 ) 古 澤 知 之 栗 田 照 久 佐 藤 則 夫 増 田 昌 樹 横 尾 光 輔 監 修 齋 藤 将 彦 小 長 谷 章 人 西 田 勇 樹 澤 飯 敦 上 島 正 道 編 著 逐 条 解 説 2013 年 金 融 商 品 取 引 法 改 正 ( 商 事 法 務 2014 年 )p.58 参 照

14 / 15 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 11 条 の6 第 2 3 項 第 6 号 の7 様 式 など) (その 投 資 信 託 の 受 益 証 券 などの) 募 集 又 は 売 出 しが 既 に1 年 間 継 続 して 行 われている( 注 1) ( 注 2) 名 称 形 態 等 発 行 ( 売 出 ) 価 格 申 込 手 数 料 申 込 期 間 などを 記 載 した 募 集 事 項 等 記 載 書 面 ( 注 3)を 有 価 証 券 報 告 書 ( 及 びその 添 付 書 類 )と 併 せて 提 出 する ( 注 1)その 募 集 売 出 しが 募 集 事 項 等 記 載 書 面 の 提 出 の 直 前 まで 行 われている 場 合 に 限 る ( 注 2)その 間 適 正 に 募 集 又 は 売 出 しに 係 る 届 出 書 類 の 提 出 義 務 及 び 継 続 開 示 義 務 が 履 行 されている 必 要 が ある( 特 定 有 価 証 券 開 示 ガイドライン5-3) ( 注 3) 厳 密 には 対 象 となる 特 定 有 価 証 券 の 区 分 に 応 じて 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 第 6 号 の7~10 様 式 が 定 められている この 場 合 提 出 された 募 集 事 項 等 記 載 書 面 と 有 価 証 券 報 告 書 が 有 価 証 券 届 出 書 とみな される( 金 融 商 品 取 引 法 5 条 12 項 ) これは 最 終 報 告 書 の 有 価 証 券 届 出 書 第 一 部 証 券 情 報 に 相 当 する 情 報 を 記 載 した 書 面 を 有 価 証 券 報 告 書 と 併 せて 提 出 した 場 合 には これらの 書 類 を 有 価 証 券 届 出 書 とみなす 制 度 を 導 入 する 19 という 提 言 を 踏 まえたものと 考 えられる なお 募 集 事 項 等 記 載 書 面 による みなし 有 価 証 券 届 出 書 制 度 を 利 用 できるものは 次 の ように 定 められている( 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 11 条 の6 第 1 項 ) 1 内 国 投 資 信 託 受 益 証 券 ( 委 託 者 指 図 型 投 資 信 託 委 託 者 非 指 図 型 投 資 信 託 ) 2 外 国 投 資 信 託 受 益 証 券 3 内 国 信 託 受 益 証 券 4 外 国 信 託 受 益 証 券 5 内 国 信 託 受 益 権 6 外 国 信 託 受 益 権 7 特 定 有 価 証 券 信 託 受 益 証 券 (1~6を 受 託 有 価 証 券 とするものに 限 る) 8 特 定 預 託 証 券 (1~6に 係 る 権 利 を 表 示 するものに 限 る) 19 最 終 報 告 書 p.8

15 / 15 (2) 報 告 書 代 替 書 面 制 度 の 活 用 報 告 書 代 替 書 面 制 度 とは 内 閣 総 理 大 臣 の 承 認 があれば 有 価 証 券 報 告 書 の 提 出 義 務 会 社 は 有 価 証 券 報 告 書 の 記 載 事 項 の 一 部 を それを 記 載 した 一 定 の 書 面 ( 報 告 書 代 替 書 面 )の 提 出 に 代 えることができるというものである( 金 融 商 品 取 引 法 24 条 14 項 ) 今 回 の 改 正 府 令 により 報 告 書 代 替 書 面 として 利 用 できる 一 定 の 書 面 として 改 正 前 の 法 令 又 は 金 融 商 品 取 引 所 の 規 則 に 基 づいて 作 成 された 書 面 に 加 え 金 融 商 品 取 引 業 協 会 の 規 則 に 基 づいて 作 成 された 書 面 も 認 めることとなった( 特 定 有 価 証 券 開 示 府 令 27 条 の4の2 第 1 項 ) これは 最 終 報 告 書 の 投 資 信 託 協 会 の 規 則 に 基 づき 作 成 され ホームページ 上 で 公 表 さ れる 委 託 会 社 の 情 報 に 関 する 書 面 については 報 告 書 代 替 書 面 として 利 用 できるようにすると いった 方 向 で 対 応 することが 適 当 20 との 提 言 を 踏 まえたものと 考 えられる 20 最 終 報 告 書 p.8