Microsoft Word - 研究2016



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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

【資料1】栄養強調表示等について


伊勢崎市職員職場復帰支援制度

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Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

平 成 27 年 度 大 学 生 の 食 生 活 等 生 活 習 慣 調 査 結 果 1 目 的 平 成 25 年 3 月 に 策 定 された 健 康 日 本 21あいち 新 計 画 の 栄 養 食 生 活 分 野 の 目 標 項 目 では 2~6 歳 代 の 肥 満 者 の 割 合 と2~3 歳

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

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各論_1章〜7章.indd

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平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

育児・介護休業等に関する規則

栄養管理手順について

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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16 日本学生支援機構

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

m07 北見工業大学 様式①

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

1

国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

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Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

平成21年9月29日

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Microsoft Word - 2章.doc

18 国立高等専門学校機構

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●幼児教育振興法案

公平委員会設置条例

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Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

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っては 出 産 予 定 日 から 出 生 した 日 から 起 算 して8 週 間 を 経 過 する 日 の 翌 日 までとする ) の 期 間 内 に 当 該 子 に 係 る 最 初 の 育 児 休 業 を 開 始 し かつ 終 了 した 場 合 であって 当 該 子 に 係 る 再 度 の 育 児

(5 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業 所 の 新 規 に 採 用 し た 全 て の 居 宅 介 護 従 業 者 に 対 し 熟 練 し た 居 宅 介 護 従 業 者 の 同 行 に よ る 研 修 を 実 施 し て い る こ と (6 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

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国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

桜井市外国人高齢者及び外国人重度心身障害者特別給付金支給要綱

5 次 のいずれにも 該 当 する 従 業 員 は 子 が1 歳 6ヶ 月 に 達 するまでの 間 で 必 要 な 日 数 について 育 児 休 業 をするこ とができる なお 育 児 休 業 を 開 始 しようとする 日 は 原 則 として 子 の1 歳 の 誕 生 日 に 限 るものとする (1

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

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賃 金 改 善 の 方 法 等 について ( 問 1) 厚 生 労 働 省 の 説 明 資 料 や 報 道 等 において 15,000 円 という 金 額 が 出 てきているが 15,000 円 を 上 回 る 賃 金 改 善 計 画 を 策 定 しなければ 本 交 付 金 による 助 成 を 受

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

(1)1オールゼロ 記 録 ケース 厚 生 年 金 期 間 A B 及 びCに 係 る 旧 厚 生 年 金 保 険 法 の 老 齢 年 金 ( 以 下 旧 厚 老 という )の 受 給 者 に 時 効 特 例 法 施 行 後 厚 生 年 金 期 間 Dが 判 明 した Bは 事 業 所 記 号 が

老発第    第 号

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

Q5 育 児 休 業 を 請 求 する 際 の 事 務 手 続 は? A5 育 児 休 業 を 請 求 しようとする 職 員 は, 育 児 休 業 承 認 請 求 書 ( 様 式 第 1 号 )に 子 の 氏 名 や 請 求 する 期 間 等 を 記 入 し, 育 児 休 業 を 始 めようとする1

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

取 り 消 された 後 当 該 産 前 の 休 業 又 は 出 産 に 係 る 子 若 しくは 同 号 に 規 定 する 承 認 に 係 る 子 が 死 亡 し 又 は 養 子 縁 組 等 により 職 員 と 別 居 することとなったこと (2) 育 児 休 業 をしている 職 員 が 休 職 又

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●労働基準法等の一部を改正する法律案

とする この 場 合 育 児 休 業 中 の 期 限 付 職 員 が 雇 用 契 約 を 更 新 するに 当 たり 引 き 続 き 育 児 休 業 を 希 望 する 場 合 には 更 新 された 雇 用 契 約 期 間 の 初 日 を 育 児 休 業 開 始 予 定 日 として 育 児 休 業 申

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神戸市重度障害者特別給付金支給要綱

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

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目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

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自 分 にあった 健 康 保 険 を 見 つけよう! それぞれの 健 康 保 険 の 特 徴 を 踏 まえ 自 分 にあった 健 康 保 険 を 選 ぶようにしましょう! 今 までの 収 入 扶 養 家 族 の 有 無 によって どの 健 康 保 険 に 加 入 するとメリットがあるか 参 考 にし

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 1 給 料 表 の 見 直 し [ 実 施 ] 実 施 内 容 ( 給 料 表 の 改 定 実 施 時 期 ) 平 成 27 年 4 月 1 日 ( 内 容 ) 行 政 職 給 料 表 について 国 の 見 直 し 内

FP知年金_-D-_[本文].indb

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公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

目  次

Transcription:

適 切 な 栄 養 基 準 値 に 則 り 入 居 者 の 健 康 維 持 を 図 る 社 会 福 祉 法 人 愛 護 会 地 域 密 着 型 特 別 養 護 老 人 ホーム 愛 護 苑 栄 養 士 小 野 寺 彩

1. 研 究 テーマ 適 切 な 栄 養 基 準 に 則 り 入 居 者 の 健 康 維 持 を 図 る 2.テーマ 設 定 の 理 由 平 成 27 年 度 厚 生 労 働 省 により 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 が 見 直 された 今 までの 食 事 摂 取 基 準 では 各 年 代 性 別 身 体 活 動 レベルから 必 要 エネルギー 量 を 求 め ていたが 新 しく 採 用 された 基 準 では 望 ましいBMI を 維 持 できるよう 栄 養 基 準 を 定 め 食 事 を 提 供 していくことと 改 正 された これに 基 づき 当 苑 でも 目 標 B MIに 届 くよう 食 事 摂 取 基 準 値 を 求 めた が 果 たしてこの 基 準 で 献 立 を 提 供 し 入 居 者 の 健 康 維 持 を 図 っていけるのか 私 自 身 疑 問 であった というのも 今 ま での 食 事 摂 取 基 準 の 定 め 方 は 元 から 情 報 としてある 入 居 者 の 身 長 と 標 準 体 重 元 から 年 代 別 に 定 義 されている 基 礎 代 謝 基 準 値 等 を 用 いて 計 算 し 全 入 居 者 の 平 均 値 を 採 用 していたのに 対 し 今 回 からはBMIの 範 囲 に 定 まるよう 栄 養 摂 取 をしていきなさいといういわば 曖 昧 な 数 値 を 元 に 栄 養 量 を 探 り 出 していく 必 要 があるからである 今 回 改 正 された 情 報 によると 75 歳 以 上 の 高 齢 者 については BMI21.5~24.9 の 値 を 目 指 していきなさいということであり 個 々の 体 格 の 変 動 そのものを 見 て 栄 養 管 理 を 行 っていくというものである 当 苑 でも 実 際 目 標 数 値 を 下 回 る 入 居 者 が 数 名 いる また 毎 日 の にも 個 人 差 がある この 改 正 に 則 り 栄 養 基 準 値 を 求 め 実 際 の 食 生 活 に 反 映 していくことで 入 居 者 の 身 体 状 況 がどのように 変 化 していくのかを 観 察 したく 本 テーマを 掲 げた 3. 研 究 のねらい 新 基 準 での 食 事 提 供 により 入 居 者 の 身 体 状 況 がどのように 変 化 していくのか 調 べ 低 栄 養 の 状 態 を 改 善 させる 4. 研 究 の 仮 説 新 基 準 に 基 づき 食 事 を 提 供 しても 残 食 があれば 計 算 上 の 栄 養 量 が 満 たされ ず 身 体 状 況 の 改 善 にはつながらないと 考 えられる まずは 8 割 食 べてもらえ れば 目 標 の 栄 養 量 を 摂 取 できるよう 数 値 を 求 め 提 供 して 行 けば 全 量 摂 取 しな くても 目 標 量 は 摂 取 でき 体 重 増 加 BMIの 上 昇 さらには 体 調 不 良 によ る 通 院 等 も 不 必 要 になるのではないか また が 少 ない 入 居 者 に 対 し てはその 方 に 見 合 った 栄 養 強 化 の 方 法 を 取 ることで 体 重 の 増 加 は 難 しくとも 現 状 維 持 はできるのではないか BMI 身 長 と 実 測 体 重 から 算 出 される 体 格 指 数 BMI22 がすべての 有 病 率 死 亡 率 が 低 いというWHOの 統 計 的 事 実 をもとに 標 準 値 とされる - 1 -

75 歳 以 上 の 高 齢 者 の 場 合 BMI18 付 近 にもっとも 疾 病 等 の 危 険 があ ることがわかっている 5. 研 究 の 内 容 方 法 1 愛 護 苑 の 入 居 者 の 身 体 状 況 をもとに 栄 養 量 を 改 定 する 2 平 成 27 年 4 月 の 時 点 でBMIが 目 標 値 より 下 回 り かつ が 対 照 的 な 入 居 者 2 名 に 焦 点 を 当 て 1 年 の 摂 取 栄 養 量 それに 伴 う 体 重 の 変 動 を 見 る その 入 居 者 の 咀 嚼 や 嚥 下 の 状 態 が 変 わる 都 度 食 べやすい 食 形 態 へ 変 更 して いき 食 べやすい 食 事 を 提 供 する また が 少 ない 入 居 者 に 対 しては 栄 養 補 助 食 品 を 用 い 栄 養 価 を 上 げていく 6. 研 究 の 実 践 1 愛 護 苑 の 入 居 者 の 身 体 状 況 をもとに 栄 養 量 を 改 定 する 新 基 準 により 75 歳 以 上 の 高 齢 者 はBMI21.5~24.9 の 範 囲 を 目 指 す 参 考 として 男 性 1850kcal 女 性 1500kcal の 摂 取 が 推 奨 される ( 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 2015 年 版 より) 4 月 時 点 での 愛 護 苑 の 入 居 者 の 平 均 BMIは 男 性 20.5 女 性 18.0 と 基 準 を 下 回 っている やはり 栄 養 量 の 見 直 しが 必 要 である 食 事 摂 取 基 準 の 参 考 値 をもとに 当 苑 の 男 性 女 性 の 人 数 を 考 慮 し 基 準 値 を 求 めた 今 までの 栄 養 量 を 比 較 してみる( 下 表 ) 愛 護 苑 長 期 入 居 者 男 性 10 名 女 性 19 名 の 平 均 値 エネルギー (kcal) たんぱく 質 (g) 脂 質 (g) 炭 水 化 物 (g) 食 塩 相 当 量 (g) カルシウム (mg) ビタミン A (μg) 旧 基 準 値 1400 50.0 25.0 210 8.5 500 450 新 基 準 値 1550 60.0 35.0 230 7.0 530 480 ビタミンB1 ビタミンD ビタミンE ビタミンC 食 物 繊 維 (mg) (μg) (mg) (mg) (g) 旧 基 準 値 0.80 5.5 6.5 85 17 新 基 準 値 1.00 5.5 6.5 85 17-2 -

当 苑 の 入 居 者 の 平 均 BMIは 今 回 採 用 されたBMI 基 準 値 よりも 低 かった 目 標 BMIに 沿 って 栄 養 基 準 値 を 計 算 しなおすことで カロリーが 不 足 していた ということが 分 かった たんぱく 質 脂 質 炭 水 化 物 の 基 準 値 はカロリーをも とに 計 算 されることからカロリーの 増 加 に 伴 ってこれらの 栄 養 素 もアップして いる さらに 今 回 の 改 定 では 脳 卒 中 予 防 も 取 り 入 れられ 塩 分 摂 取 量 が 減 らされてい る つまり 私 たちが 行 う 栄 養 管 理 法 は 減 塩 に 努 めかつカロリーを 増 加 させ 体 重 アップに 努 めるということである 2 平 成 27 年 4 月 の 時 点 でBMIが 目 標 値 より 下 回 りかつ が 対 照 的 な 入 居 者 2 名 に 焦 点 を 当 て 1 年 間 の 摂 取 栄 養 量 それに 伴 う 体 重 の 変 動 を 見 る その 入 居 者 の 咀 嚼 や 嚥 下 の 状 態 が 変 わる 都 度 食 べやすい 食 形 態 へ 変 更 していき 食 べ やすい 食 事 を 提 供 する また が 少 ない 入 居 者 に 対 しては 栄 養 補 助 食 品 を 用 い 栄 養 価 を 上 げていく 2 階 ユニットのAさん(70 歳 代 ) 女 性 身 長 158cm 体 重 48.1kg BMI19.3 ( 標 準 体 重 55.0kg) 平 成 27 年 3 月 の 時 点 で 常 食 を 食 べられており 毎 食 ほぼ 完 食 されていた しか し 体 重 BMIを 見 てみると 目 標 値 より 低 め 4 月 からの 基 準 値 変 更 で 直 接 体 重 がどう 変 化 していくのかを 観 察 していく 2 階 ユニットのBさん(80 歳 代 ) 女 性 身 長 140cm 体 重 36.4kg BMI18.6 ( 標 準 体 重 43.1kg) 平 成 27 年 3 月 の 時 点 で 常 食 を 食 べられており は 少 なく5 割 前 後 となっ ている 体 重 BMIは 標 準 を 下 回 るが 大 きく 減 ることはなく 今 まで 過 ごして いる 家 族 からも 昔 から は 少 なかったとの 話 がある 体 重 測 定 は 毎 月 第 三 火 曜 日 に 行 うものとする 今 回 取 り 上 げる 数 値 は 体 重 増 加 に 直 接 関 係 するエネルギー たんぱく 質 脂 質 炭 水 化 物 と 減 塩 の 食 事 の 提 供 ができているか 判 断 となる 塩 分 相 当 量 の 数 値 とする - 3 -

4 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 96 99 100 100 96 98 98 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 54 59 46 77 39 69 57 提 供 量 1539 64.4 42.2 219 7.5 摂 取 量 (Aさん) 1508 63.1 41.3 214 7.4 摂 取 量 (Bさん) 877 36.7 24.0 124 4.3 Aさん: 体 重 49.9kg( 前 月 比 :+1.8kg) BMI20.0( 前 月 比 :+0.7) もともと 全 量 摂 取 される 入 居 者 だったため 4 月 もしっかり 食 べている 3 月 か ら 比 べるとカロリーが 100kcal ほどアップしているためか 体 重 も 増 加 日 によ っては 朝 食 を 1 割 ほどしか 食 べない 日 もあったが 一 日 を 通 して 9 割 摂 取 を 下 回 る 日 は 無 かった Bさん: 体 重 35.5kg( 前 月 比 :-0.9kg) BMI18.1( 前 月 比 :-0.5) 全 体 の 平 均 は 約 6 割 であるが 夕 食 の 主 食 は 4 割 を 下 回 り 主 食 を 全 くと らない 日 もあった むらがあると 言 える 体 重 も 前 の 月 と 比 べ 1 kgほど 減 って いるが 洋 食 や 卵 料 理 味 付 けごはん 等 を 好 まれるようでそのような 日 は 全 量 摂 取 しているので 翌 月 も 様 子 観 察 を 行 うこととする - 4 -

5 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 98 99 100 100 100 100 99 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 43 54 41 71 38 83 55 提 供 量 1515 61.7 39.4 241 7.7 摂 取 量 (Aさん 1499 61.1 39.0 238 7.6 摂 取 量 (Bさん) 833 33.9 21.7 133 4.3 Aさん: 体 重 51.4kg( 前 月 比 :+1.2kg) BMI20.6( 前 月 比 :+0.6) 先 月 に 引 き 続 き 体 重 は 増 加 しかし 1 ヶ 月 の 提 供 量 のエネルギー 平 均 値 が 基 準 を 下 回 っている ほぼ10 割 食 べていたので 大 きくエネルギー 不 足 となること はないが8 割 を 下 回 る 場 合 1200kcalほどの 摂 取 になってしまうのでなるべく 基 準 値 に 近 づけていきたい Bさん: 体 重 36.2kg( 前 月 比 :+0.8kg) BMI18.5( 前 月 比 :+0.4) この 月 も 主 食 の 摂 取 量 は 5 割 を 下 回 る 前 月 同 様 メニューによって 食 欲 にば らつきはあるが 夜 の 副 食 の 摂 取 量 は 8 割 を 上 回 っている 前 の 月 は 1 kg 程 の 体 重 減 少 が 見 られたが 本 人 の 体 調 には 変 化 はなかった おやつも 基 本 的 に 毎 日 食 べていたようだ 夕 食 とおやつの 摂 取 量 が 良 好 だったためか 前 の 月 に 落 ちた 分 の 体 重 はほぼ 戻 っている それに 伴 いBMI 値 も 上 がったためこのまま 経 過 観 察 を 行 うこととする しかし 栄 養 摂 取 量 を 見 ると 基 準 値 とはだいぶかけ 離 れて いる Bさんの 標 準 体 重 をもとに 必 要 最 低 限 のエネルギー 量 を 計 算 したところ カロリーは 1 日 700kcal であった 基 準 値 に 近 いエネルギー 量 を 摂 取 できるの が 理 想 ではあるがもともと 食 が 細 い 方 のようなのでこの 必 要 最 低 限 のエネルギ ー 摂 取 を 目 標 として 様 子 を 見 たい - 5 -

6 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 100 93 100 100 100 100 98 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 38 47 40 69 30 75 50 提 供 量 1523 60.0 42.2 223 7.1 摂 取 量 (Aさん) 1492 58.8 41.3 218 7.0 摂 取 量 (Bさん) 761 30.0 21.1 112 3.5 Aさん: 体 重 51.2kg( 前 月 比 :-0.2kg) BMI20.5( 前 月 比 :-0.1) 先 月 より 体 重 が0.2kgではあるが 減 少 している 栄 養 摂 取 量 も1500kcalを 下 回 ってしまった 高 齢 であるためこれ 以 上 の の 増 加 は 難 しいと 考 えられ る メニューの 工 夫 を 行 いエネルギーアップを 図 る 必 要 がある Bさん: 体 重 35.4kg( 前 月 比 :-0.8kg) BMI18.1( 前 月 比 :-0.4) この 月 も 同 様 夕 食 の 副 菜 の 摂 取 量 が 良 好 である 様 子 を 見 ていると 野 菜 の 多 い 炒 め 物 等 は 摂 取 量 が 半 分 を 下 回 っている メニューの 好 みがはっきりしてい る 様 子 本 人 より そばは 好 き との 話 がありそばのメニューの 日 の 摂 取 量 は 良 好 だった 体 重 は 前 の 月 より 減 少 している 栄 養 摂 取 量 は 摂 取 できているよ うだが 目 標 値 には 程 遠 い このまま 減 少 が 続 くと 低 栄 養 の 状 態 がさらに 悪 化 す ると 考 えられる - 6 -

7 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 99 98 100 100 100 99 99 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 23 53 23 57 15 53 37 提 供 量 1500 61.3 41.1 214 7.4 摂 取 量 (Aさん) 1485 60.1 40.6 212 7.3 摂 取 量 (Bさん) 555 22.6 15.2 79 2.8 Aさん: 体 重 51.9kg( 前 月 比 :+0.7kg) BMI20.8( 前 月 比 :+0.3) 体 重 は 増 加 している それに 伴 いBMIも 増 加 した しかし 先 月 と 同 じく 摂 取 量 は 基 準 値 を 約 75kcal 下 回 る 1 ヶ 月 の 平 均 が 基 準 を 満 たすのはなかなか 難 しいことだなと 実 感 する 栄 養 量 の 改 定 を 行 ってから 3 ヶ 月 が 経 過 した 少 し ずつではあるが 体 重 も 増 加 しているのでこのままの 栄 養 量 で 様 子 を 見 ていきた い Bさん: 体 重 36.3kg( 前 月 比 :+0.9kg) BMI18.5( 前 月 比 :+0.4) この 月 は 摂 取 量 がだいぶ 落 ちてしまい 全 体 の 平 均 摂 取 量 が 4 割 を 下 回 ってし まった それによって 栄 養 量 も 必 要 最 低 限 の 量 も 下 回 っている 本 人 は 体 調 不 良 の 訴 えもなく 体 重 も 前 の 月 減 った 分 が 戻 っている 主 食 のご 飯 を 全 く 食 べな い 日 もあるため 他 の 物 での 代 用 も 考 えなければならない 七 夕 行 事 食 左 : 常 食 右 :ソフト 食 - 7 -

8 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 100 100 100 100 100 100 100 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 19 27 27 57 14 49 32 提 供 量 1500 61.3 41.1 214 7.4 摂 取 量 (Aさん) 1500 61.3 41.1 214 7.4 摂 取 量 (Bさん) 467 19.6 13.2 73 2.4 Aさん: 体 重 52.2kg( 前 月 比 :+0.3kg) BMI20.8( 前 月 比 :±0) この 月 は 毎 日 全 量 摂 取 されていた 体 重 も 増 加 している 緩 やかではあるが 4 月 から2kgほど 増 加 しているのを 見 ると 栄 養 量 を 増 やしたからだと 考 えられる 標 準 体 重 にはまだ 3kg ほど 足 りないのでこの 調 子 で 増 加 していけば 良 いと 考 え る 先 月 に 続 き 提 供 量 は 基 準 値 を 下 回 る Bさん: 体 重 36.7kg( 前 月 比 +0.4kg) BMI18.7( 前 月 比 :+0.2) この 月 も 摂 取 量 の 落 ち 込 みが 見 られる 昼 食 の 副 食 が 5 割 をかろうじて 超 え ている 様 子 だ しかし 体 重 の 減 少 は 見 られず 少 し 増 加 した BMIもやせ 診 断 の18を 少 し 超 えている 状 態 しかし 栄 養 摂 取 量 でみると500kcalを 下 回 ってし まっているためこのまま 食 事 のみで 栄 養 を 取 っていくことは 難 しいのではない かと 考 えた 他 職 種 (ケアマネ 看 護 師 )と 話 し 合 い 食 欲 不 振 時 には 栄 養 補 助 食 品 である 高 栄 養 ドリンク を 飲 んでもらうという 対 策 を 取 ってみることに した 高 栄 養 ドリンク 1 本 125ml で 200kcal のカロリーが 摂 取 できるもの このほ かにも たんぱく 質 7.5g ビタミン 類 カルシウムや 亜 鉛 な どのミネラルを 補 給 できる ( 明 治 食 事 サポート 食 品 総 合 カタ ログより) - 8 -

9 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 98 100 97 99 100 100 99 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 13 40 24 51 19 52 33 提 供 量 1543 61.4 41.2 231 7.3 摂 取 量 (Aさん) 1527 60.1 40.7 228 7.2 摂 取 量 (Bさん) 509 20.3 13.4 76 2.4 Aさん: 体 重 51.8kg( 前 月 比 :-0.4kg) BMI20.7( 前 月 比 :-0.1) この 月 は 主 食 を 残 すことが 4 回 ほどあったがどれも 8 割 以 上 は 摂 取 が 体 重 は 先 月 より 少 々 減 り BMIもわずかに 減 少 した エネルギー 量 もわずかに 基 準 には 届 かなかった 改 定 を 行 い 半 年 かけて 約 2kgの 増 加 となった 体 重 BMIともにまだ 目 標 には 届 かないがこのペースで 目 標 に 届 くようにしていき たい Bさん: 体 重 35.9kg( 前 月 比 -0.8kg) BMI18.3( 前 月 比 :-0.4) この 月 より 食 欲 不 振 時 に 高 栄 養 ドリンクを 摂 取 してもらう が 拒 否 も 多 く 実 際 飲 んで 貰 えたのは 3 日 ほどしかなかった そのためドリンクの 栄 養 量 は 今 回 の 結 果 に 含 まない は 3 割 ほどしかなく 栄 養 摂 取 量 も 落 ち 込 んだまま である 体 重 BMI 共 に 低 下 しており 栄 養 状 態 も 落 ち 込 んでいると 言 える 本 人 は 特 に 体 調 不 良 の 訴 えは 無 い 甘 いものを 好 まれるため 翌 月 も 高 栄 養 ドリ ンクを 提 供 することにする 敬 老 会 の 食 事 風 景 - 9 -

10 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 95 96 100 100 100 98 98 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 23 35 25 43 19 67 35 提 供 量 1530 63.1 43.1 235 7.0 摂 取 量 (Aさん) 1499 61.8 42.2 230 6.8 摂 取 量 (Bさん) 535 22.1 15.1 82 2.5 Aさん: 体 重 52.2kg( 前 月 比 :+0.4kg) BMI20.9( 前 月 比 :+0.2) この 月 は 珍 しく 朝 食 を 全 く 摂 取 しない 日 が 1 日 だけあった しかし 1 日 を 通 して が 8 割 を 下 回 る 日 は 無 く 平 均 も 高 い 摂 取 率 のままだった しかし このころから 口 を 全 く 開 けなくなる 等 の 拒 否 や むせ 込 みが 見 られるようにな り 食 事 時 間 も 1 時 間 を 超 すことがあった このままの 食 事 形 態 での 提 供 を 続 け ることが 困 難 になってきた そのためまずは 主 食 をご 飯 からお 粥 へと 変 更 を 行 う Bさん: 体 重 37.5kg( 前 月 比 :+1.6kg) BMI19.1( 前 月 比 :+0.8) この 月 も は 先 月 とあまり 変 わらず 3 割 程 度 である が 肉 料 理 や 卵 料 理 は 全 量 摂 取 している 日 もある また おやつがロールケーキやドーナツなど 甘 い 物 を 提 供 した 日 は 食 べたーい! と 笑 顔 で 応 じてくれるなど 好 みがはっ きりしている 様 子 食 べたい 物 に 関 しては 関 心 があるので 翌 月 もこのまま 様 子 観 察 をする 体 重 も 先 月 に 比 べ1.6kg 増 加 している 主 食 の 摂 取 量 は1 割 から2 割 程 度 であるが 副 食 の 摂 取 量 は 昼 夜 を 中 心 に 半 分 以 上 摂 取 できているためか この 月 も 食 欲 がない 日 には 1 日 1 本 の 栄 養 ドリンクを 提 供 しているが 先 月 と 同 じく3 日 ほどしか 摂 取 していない - 10 -

11 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 97 98 100 100 100 100 99 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 35 49 35 59 26 69 46 提 供 量 1561 63.2 44.2 240 7.1 摂 取 量 (Aさん) 1545 62.5 43.7 237 7.0 摂 取 量 (Bさん) 718 29.1 20.3 110 3.2 Aさん: 体 重 53.3kg( 前 月 比 :+1.1kg) BMI21.4( 前 月 比 :+0.5) 主 食 をお 粥 へ 変 更 した 後 は 先 月 の 状 態 は 繰 り 返 さなくなった 食 べたくない と 拒 否 はあったものの 一 度 しかなかったため 気 分 的 なものと 考 える 体 重 も 先 月 より 1kg 増 え 体 重 増 加 は 順 調 である この 月 は 基 準 値 に 近 い 摂 取 量 になった ため 栄 養 状 態 も 向 上 してきたのではないか Bさん: 体 重 37.3kg( 前 月 比 :-0.2kg) BMI19.0( 前 月 比 :-0.1) この 月 はここ 2 か 月 間 の の 平 均 に 比 べると 多 く 約 5 割 の 摂 取 量 となっ ている 特 に 夕 食 の 副 食 の 摂 取 量 が 多 く 平 均 でも 約 7 割 であり 毎 日 の 記 録 を 見 ても 半 分 以 上 は 食 べていた そのため 栄 養 摂 取 量 も 今 までよりは 増 加 した 体 重 も 若 干 の 減 少 は 見 られるが 大 きく 減 少 することはなくBMIも19を 維 持 で きている が 増 えてきたためこのまま 様 子 観 察 することにする - 11 -

12 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 100 99 100 100 98 100 99 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 29 45 35 60 29 71 45 提 供 量 1543 67.0 43.4 220 7.6 摂 取 量 (Aさん) 1527 66.3 43.0 218 7.5 摂 取 量 (Bさん) 694 30.1 19.5 99 3.4 Aさん: 体 重 52.9kg( 前 月 比 :-0.4kg) BMI21.2( 前 月 比 :-0.2) この 月 は 全 体 的 に 調 子 が 良 かったようで 9 割 摂 取 を 下 回 ることはほぼなかっ た 拒 否 等 も 見 られず 自 力 摂 取 するような 行 動 も 見 られている 体 重 は 先 月 に 比 べるとやや 減 少 したが このまま 調 子 の 良 い 状 態 が 続 けば53kg 台 に 届 くと 思 われる この 調 子 を 維 持 していきたい Bさん: 体 重 37.5kg( 前 月 比 :+0.2kg) BMI19.1( 前 月 比 :+0.1) この 月 も は 約 5 割 で 昼 食 と 夕 食 の 摂 取 量 を 中 心 に 増 加 した 栄 養 摂 取 量 も 700kcal ほど 取 れている 体 重 も 先 月 減 少 した 分 が 戻 っているような 感 じ である この 月 は 洋 食 はもちろん 豆 腐 料 理 や 魚 の 揚 げ 物 も 全 量 摂 取 する 日 も あった そのため 栄 養 ドリンクは 提 供 することなく 過 ごしている この 調 子 で が 落 ちなければ 栄 養 状 態 も 改 善 されてくると 言 える クリスマス 行 事 食 - 12 -

1 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 100 99 100 99 100 100 99 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 24 42 21 56 23 63 38 提 供 量 1534 61.7 45.1 241 7.2 摂 取 量 (Aさん) 1519 61.1 44.6 239 7.1 摂 取 量 (Bさん) 583(783) 23.4(30.9) 17.1 91 2.7 カッコ 内 の 数 字 は 栄 養 ドリンク 摂 取 後 の 栄 養 摂 取 量 Aさん: 体 重 53.4kg( 前 月 比 :+0.5kg) BMI21.4( 前 月 比 :+0.2) 先 月 の 体 重 から 0.5kg 増 加 しそれに 伴 いBMIも 増 えた 栄 養 状 態 は 安 定 し ている 様 子 しかし 1 月 中 旬 までに 何 度 か 咀 嚼 したまま 飲 み 込 まないことがあ り 食 事 を 途 中 で 中 断 することがあった 嚥 下 の 状 態 が 悪 くなっている 様 子 食 事 に 1 時 間 以 上 かかるようになり 本 人 も 疲 れてくるのではと 思 い おかずを 常 食 の 食 形 態 から 小 刻 み 食 (ミキサーで 刻 むもの)へ 変 更 する その 後 は 順 調 に 食 べている 様 子 Bさん: 体 重 37.8kg( 前 月 比 :+0.3kg) BMI19.3( 前 月 比 :+0.2) この 月 は 先 月 より が 少 し 落 ちてしまい 約 4 割 の 摂 取 となった 栄 養 摂 取 量 も 約 100kcal 落 ちた 体 重 は 減 少 することなく 少 しではあるが 増 加 しBM Iも 増 加 した 1 月 中 旬 から がさらに 落 ちてきたため 栄 養 ドリンクを 毎 朝 飲 んでもら うことにする 特 に 拒 否 も 見 られずほぼ 毎 日 飲 まれていた 栄 養 摂 取 量 のカッ コ 内 に 記 載 した 数 値 が 栄 養 ドリンクを 飲 んだ 時 の 栄 養 量 である 200kcalの 追 加 となるため 必 要 最 低 限 のカロリーは 摂 取 できる 栄 養 状 態 の 維 持 のためにはこ のドリンクは 必 ず 必 要 なものになりそうである 翌 月 も 様 子 観 察 することとす る - 13 -

2 月 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 100 100 100 100 100 100 100 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 31 38 18 49 34 77 41 提 供 量 1550 63.5 44.4 220 7.8 摂 取 量 (Aさん) 1550 63.5 44.4 220 7.8 摂 取 量 (Bさん) 635(835) 26.0(33.5) 18.2 90 3.2 Aさん: 体 重 53.7kg( 前 月 比 :+0.3kg) BMI21.5( 前 月 比 :+0.1) 食 形 態 を 変 更 してから 不 便 なく 食 事 をしている 様 子 体 重 BMIともに 安 定 している 炭 水 化 物 量 が 基 準 を 少 し 下 回 ったものの 全 量 摂 取 していたので 摂 取 量 も 十 分 だったのではないか この 月 で 初 めてBMIは 目 標 値 に 到 達 した しかし 少 し 体 重 が 減 ってしまうとBMIもまた 目 標 値 を 下 回 ってしまうためや はり 標 準 体 重 まで 近 づけていきたい Bさん: 体 重 38.0kg( 前 月 比 :+0.2kg) BMI19.4( 前 月 比 :+0.1) この 月 も は 約 4 割 である 栄 養 ドリンクを 飲 んでもらうことによって 800kcal の 摂 取 はできている たんぱく 質 も 提 供 量 の 半 分 は 摂 取 できている そ のためか 体 重 の 減 少 も 見 られない 副 菜 も 全 量 摂 取 した 日 は 無 かったもののド リンクによって 体 重 も 維 持 できている 様 子 が 見 受 けられる 甘 い 味 の 物 を 好 ま れるため 拒 否 もなく 全 部 飲 めるようだ このまま 様 子 観 察 することとする 食 事 量 はあまり 増 えないものの 研 究 開 始 時 より 体 重 は 約 2kg BMIも1.3ほど 増 加 している 栄 養 量 の 増 加 とドリンクの 効 果 が 出 てきたようである 咀 嚼 困 難 な 人 向 けへ 提 供 している 高 栄 養 ゼリー を 使 用 したおやつ(バナナ 味 にあんこをかけたもの) おやつでも 栄 養 補 給 できるよう 提 供 した - 14 -

3 月 ( 研 究 提 出 のため 中 旬 までの 数 値 とする) 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 100 99 100 96 100 98 98 主 食 副 食 主 食 副 食 主 食 副 食 41 33 37 53 45 60 45 提 供 量 1546 64.5 47.2 211 7.2 摂 取 量 (A さん) 1515 63.2 46.2 206 7.0 摂 取 量 (Bさん) 695(895) 29.0(36.5) 21.2 95 3.2 Aさん: 体 重 53.1kg( 前 月 比 :-0.6kg) BMI21.3( 前 月 比 :-0.2) この 月 は 中 旬 までのデータしかないが 何 日 か 食 事 が 進 まない 日 があった そのためか 先 月 目 標 BMI 値 に 到 達 したものの 今 月 は 体 重 が 少 し 減 少 しBMI はまた 目 標 を 少 しではあるが 下 回 ってしまった わずかな 差 であるので 栄 養 量 ともに 落 とすことなく 提 供 していけば 何 か 月 か 後 には 目 標 BMIへ 到 達 すると 思 われる 標 準 体 重 に 近 づくにはまだ 2kg ほど 増 加 しないといけない 今 回 の 観 察 で 大 体 半 年 に 2kg のペースで 増 加 していったので 今 後 もそのペース で 増 えていくと 予 想 する この 栄 養 量 と を 今 後 も 維 持 していく 必 要 があ る Bさん: 体 重 37.6kg( 前 月 比 :-0.4kg) BMI19.2( 前 月 比 -0.2) この 月 も は4 割 程 度 である 栄 養 量 はドリンクの 摂 取 量 により 900kcal ほどでたんぱく 質 も 約 半 分 の 摂 取 となっている 体 重 は 少 々 減 少 したもののB MIも 19 を 維 持 できた 今 年 度 の 観 察 では 体 重 は 2.1kg BMIは 1.1 上 昇 し た は 1 年 を 通 して 大 体 5 割 で 決 して 多 い 数 字 とは 言 えなかった が 特 に 体 調 を 崩 すこともなく 過 ごしていた 今 後 はもう 少 し 栄 養 量 を 増 やし 栄 養 状 態 をもう 少 し 改 善 させていきたい 加 齢 に 伴 う 食 欲 不 振 も 考 えられるのでうま く 栄 養 補 助 食 品 を 用 い 疾 病 予 防 に 努 めたい - 15 -

7. 研 究 の 結 果 と 考 察 今 回 の 研 究 で 定 めた 基 準 値 に 沿 った 食 事 を 提 供 することが 入 居 者 の 身 体 状 況 の 向 上 に 直 接 反 映 されることが 分 かった 4 月 の 時 点 で 50kg を 下 回 っていた Aさんの 体 重 が 約 一 年 を 通 して 4kg ほど 増 加 しBMIは 目 標 値 にもう 少 しで 到 達 する 数 値 となった 前 の 月 と 比 べて 減 少 する 月 もあったが 連 続 して 減 少 する ことはなく 今 も 体 重 は 上 昇 傾 向 にある Bさんについても は 1 年 を 通 し て 少 なかったが 基 準 の 栄 養 量 を 上 げることで 今 までより 多 い 栄 養 量 を 摂 取 でき たと 言 える それに 伴 って 体 重 も 約 2kg 増 加 した さらにAさんについては 食 形 態 を 状 況 が 変 わる 都 度 見 直 してきたのでどの 月 も 9 割 以 上 摂 取 してもらえた 何 より 食 べる 意 欲 がなければ 身 体 状 況 は 改 善 しなかったと 思 われる 基 準 に 沿 った 食 事 を 提 供 するだけでなくその 方 が 食 べ やすい 食 事 を 提 供 していくことも 重 要 だと 感 じた Bさんについては が 少 ないため 提 供 する 食 事 だけでの 栄 養 確 保 が 難 し く 減 少 する 月 も 見 られた BMIも19には 到 達 したがこの1 年 間 で 目 標 の 範 囲 へ 届 かせることは 難 しかった 1 年 間 の 結 果 を 通 してみると 栄 養 基 準 値 を 上 回 る ように 摂 取 量 を 定 めることは 難 しく 一 日 のエネルギー 量 が1500kcalを 下 回 る ときもあった Bさんについてはそのような 月 は 500kcal しか 一 日 を 通 して 摂 取 できていなかった このようにただ 献 立 を 作 成 し 食 事 を 提 供 するだけでなく どのくらい 食 べたのか 実 際 にどのくらいの 栄 養 価 を 摂 取 することができたの か 観 察 することも 大 事 な 仕 事 なのだと 感 じた 今 回 は 食 べる 意 欲 のあるAさんと 昔 から 食 が 細 かったBさんを 例 に 挙 げて 研 究 を 行 った Bさんはやせ 傾 向 にあるものの が 少 なくても 大 きく 体 重 が 減 少 したり 体 調 不 良 に 陥 ったりすることはなかった 今 までもこのように 生 活 してきたことが 伺 える 好 きなものがはっきりしているなど 個 性 も 感 じられ た 施 設 での 栄 養 管 理 はそれぞれの 生 活 史 や 個 性 も 頭 に 入 れながら 行 っていく 必 要 があると 感 じた しかし やはり 高 齢 者 の 低 栄 養 は 様 々な 疾 病 を 引 き 起 こ す 原 因 になると 考 えるためBさんについては 栄 養 補 助 食 品 を 用 い 栄 養 価 を 上 げ ていく 必 要 があった 甘 い 物 を 好 むため 今 回 取 り 入 れた 物 は 拒 否 なく 摂 取 でき ていた このように 補 助 食 品 が 必 要 な 入 居 者 が 他 にもいる それぞれが 必 要 と している 量 の 栄 養 価 を 補 給 できるようにするため デザート 感 覚 で 食 べられる ゼリータイプの 物 甘 くて 飲 みやすいドリンクタイプの 物 などそれぞれの 好 み に 合 わせて 臨 機 応 変 に 対 応 していく 必 要 がある また 生 活 記 録 を 見 るとこ の 両 者 ともに 一 年 を 通 して 体 調 不 良 によって 通 院 入 院 をすることは 一 度 もな かった やはり 高 齢 者 にとって 栄 養 状 態 を 維 持 していくことは 健 康 そのものを 維 持 していくのだと 分 かった 適 切 な 栄 養 量 を 提 供 し さらに 摂 取 してもらえ る 方 法 をこれからも 探 っていく 必 要 がある - 16 -

8. 今 後 の 課 題 今 回 は 体 重 が 目 標 値 を 下 回 る 入 居 者 で が 異 なる 入 居 者 2 名 に 焦 点 を 当 てて 研 究 を 行 った 一 方 の 入 居 者 は 食 事 をしっかりと 取 ることができたため 1 年 で 体 重 を 増 加 させることができた 一 方 で が 少 ない 入 居 者 は 栄 養 価 を 上 げた 食 事 を 提 供 しても 5 割 ほどしか 摂 取 できず 適 正 体 重 へ 近 づけることはで きなかった そのため 普 段 の 食 事 の 他 に 栄 養 補 助 食 品 で 補 っていく 方 法 を 取 っ た それはあくまで 補 助 食 品 であり 低 栄 養 の 状 態 を 改 善 するためには 日 常 の 食 事 を 食 べてもらう 以 外 にないと 考 えている また 当 苑 には 通 常 の 食 形 態 では 摂 取 困 難 な 為 ソフト 食 を 食 べられている 方 も 少 なくない どの 入 居 者 も 栄 養 状 態 を 良 くしていくためには 施 設 の 食 事 でバランスよく 栄 養 を 摂 取 していくこと である そのためには 日 々の 献 立 作 成 だけでなく 個 々の 嚥 下 咀 嚼 能 力 の 把 握 やこれまでの 背 景 ( 家 族 関 係 生 活 仕 事 趣 味 嗜 好 面 )を 家 族 や 介 護 者 からしっかり 聞 き 取 り 把 握 したうえで 食 事 計 画 を 立 てる 必 要 があるだろう 食 べることが 好 きだった 方 やもともと 食 が 細 かった 方 など 生 活 史 を 見 ただけで 入 居 者 の 数 の 通 りの 生 活 習 慣 があった それぞれの 趣 味 嗜 好 をもとに 食 事 の 提 供 を 行 うことは 容 易 いことではないが 必 ず 必 要 となってくる さらに 栄 養 の 摂 取 のみでなく 運 動 を 取 り 入 れた 生 活 の 場 の 提 供 も 必 要 となってくるだろう 栄 養 価 をむやみに 上 げていけば 糖 尿 病 等 の 生 活 習 慣 病 を 患 っている 方 は 疾 病 の 悪 化 にもつながりかねない 年 齢 に 見 合 った 運 動 量 と のバランスを 取 る ことが 健 康 的 な 体 作 りには 欠 かせないと 考 える 全 入 居 者 の 健 康 維 持 を 目 標 に 今 後 の 食 生 活 と 運 動 習 慣 のあり 方 を 考 えていきたい また 当 苑 では 認 知 症 を 患 う 方 の 割 合 が 非 常 に 多 い この 疾 病 により 認 知 機 能 を 中 心 に 様 々な 身 体 機 能 低 下 を 余 儀 なくされた 入 居 者 がその 人 らしく 生 きて いくことをどのように 支 えるか 人 としての 尊 厳 をいかに 維 持 するか 人 を 相 手 にする 職 種 として 考 えることがある その 人 らしさを 維 持 するには 様 々な 職 種 と 協 力 し 合 い 情 報 の 共 有 であったり ケアの 仕 方 の 検 討 だったりが 重 要 にな ってくる 施 設 内 で 連 携 を 図 り 生 活 面 医 療 面 食 事 面 で 一 つのまとまりが 生 まれれば 入 居 者 の 健 康 維 持 や 精 神 的 な 満 足 感 が 得 られ 尊 厳 を 守 っていけるので はないかと 考 える 参 考 文 献 引 用 文 献 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 2015 年 版 日 本 栄 養 士 会 雑 誌 2015 年 3 月 号 - 17 -

参 考 資 料 ( 現 在 使 用 の 補 助 食 品 の 種 類 ) 栄 養 調 整 食 品 (ドリンクタイプ) 1 本 (125ml)で 200kcal のエネ ルギーが 含 まれ 他 にもたんぱく 質 鉄 亜 鉛 ビタミンを 補 給 で きる 少 量 飲 むことで 栄 養 補 給 できるた め 食 欲 の 少 ない 人 に 向 いている 栄 養 調 整 食 品 (ゼリータイプ) 1 本 で 350kcal のエネルギーが 補 給 できる デザート 感 覚 で 提 供 で きる 1/3 や 1/2 カットで 出 すこと が 多 い カット 後 のエネルギーは 150kcal 程 度 なので 少 しずつ 体 重 減 少 が 見 られる 人 に 向 いている ドリンクよりボリュームがあるた め 食 欲 がある 人 に 提 供 している 高 濃 度 流 動 食 もともとは 経 管 栄 養 用 の 栄 養 剤 で ある 総 合 的 な 栄 養 素 がバランス よく 含 まれる 上 に 写 真 の 栄 養 剤 は 100ccで200kcal のエネルギーを 摂 取 できる 急 激 に 体 重 が 落 ちて 褥 瘡 など 体 調 も 崩 れてきた 人 に 提 供 している - 18 -