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弁護士報酬規定(抜粋)

報道関係各位                            2010年7月吉日

第1回

Transcription:

コレンテ vol. 31 n.240 novembre 2010 C O R R E N T E 現 代 イタリア 事 情 -Italia oggi- 第 2 回 Centro Culturale Italo-Giapponese di Kyoto *イタリアの 行 政 区 分 と 街 々の 多 様 性 * 立 元 義 弘 人 口 6 千 万 人 のイタリア 世 界 中 からの 観 光 客 で 賑 わう 誰 もが 知 る 大 都 市 から ひっそりと 丘 の 斜 面 に 貼 り 付 くようにたたずむ 名 もない 小 さな 村 まで それらを 人 々の 生 活 する 街 と 呼 ぶならば そこにはそれぞれの 個 性 的 で 多 様 な 顔 を 持 った 街 々がちりばめられています イタリア 人 が 自 分 たちをイタリア 人 だと 認 識 する のはサッカーのワールドカップの 時 だけというジョ ークがあるくらい 自 分 たちの 生 まれ 育 った 故 郷 の 街 を 大 切 に 考 える 彼 らだからでしょうか それとも 中 世 都 市 国 家 の 集 まりが19 世 紀 になって 初 めて 統 一 国 家 となったという 歴 史 からでしょうか イタ リアでは 日 本 のように 大 都 市 への 人 口 の 集 中 化 は 進 んでいないと 言 えます 100 万 人 都 市 と 言 え ば 首 都 ローマと 商 業 都 市 ミラノの2 都 市 だけで 人 口 が 日 本 の 半 分 弱 とはいえ 100 万 人 都 市 が 12もある 日 本 とは 対 照 的 です 具 体 的 なデータ で 比 較 してみると 全 人 口 の10%が 首 都 東 京 に 集 中 している 日 本 に 対 して イタリアの 首 都 ロー マは 半 分 の4.5%です また それぞれの10 大 都 市 の 人 口 集 中 率 でみても 日 本 が23%である のに 対 して イタリアは14%です したがって 各 都 市 のサイズも 日 本 と 比 べるとこじんまりとしたも ので イタリアの 最 大 都 市 であるローマの 人 口 は 274 万 人 とほぼ 大 阪 市 と 同 規 模 ですが 2 番 目 のミラノとなると 人 口 は130 万 人 で 日 本 で10 番 目 のさいたま 市 より 少 し 多 い 程 度 です ( 図 1) イタリアの 行 政 区 分 は 日 本 と 比 べると 非 常 に 細 分 化 されており 行 政 区 分 単 位 あたり 人 口 の 単 純 な 比 較 だけでは 十 分 でないということはあります が こうした 都 市 への 人 口 集 中 度 合 いの 違 いが イタリアと 日 本 の 都 市 生 活 者 のライフスタイルの 違 いにも 反 映 されているところが 大 いにあると 思 われます イタリア 行 政 州 (Regioni) 20 区 県 (Province) 110 分 市 町 村 (Comuni) 8,094 十 ローマ 2,744 大 ミラノ 1,307 都 ナポリ 963 市 トリノ 910 人 パレルモ 656 口 ジェノバ 610 ( 千 ボローニャ 377 人 フィレンツェ 369 ) バーリ 320 カターニア 296 総 人 口 60,340 千 人 - 日 本 都 道 府 県 47 市 町 村 1,727 (4.5%) 東 京 都 12,610 (9.9%) 横 浜 市 3,621 大 阪 市 2,534 名 古 屋 市 2,178 札 幌 市 1,891 (14.2%) 神 戸 市 1,511 (23.4%) 福 岡 市 1,397 京 都 市 1,385 川 崎 市 1,374 さいたま 市 1,209 総 人 口 127,058 千 人 出 所 :ISTAT : Bollettino Mensile (2009 年 末 現 在 ) 出 所 : 総 務 省 統 計 局 (2010 年 3 月 末 現 在 ) 図 1 日 伊 行 政 区 分 10 大 都 市 人 口 比 較 イタリアの 行 政 区 分 には 州 (Regioni) 中 枢 都 市 圏 (Città metropolitane) プロヴィンチャ(Province) コムーネ(Comuni)という 四 つのくくりが 定 められて おり 現 在 20の 州 15の 中 枢 都 市 圏 110の プロヴィンチャがあり コムーネに 至 っては8094 に 上 ります(2010 年 6 月 現 在 ) 一 概 には 言 えま せんが 大 まかに 言 ってプロヴィンチャが 日 本 の 県 に 相 当 し コムーネが 市 町 村 をひとくくりにした ものと 理 解 してよいと 思 います 日 本 の1 都 2 府 4 3 県 1727 市 町 村 (2010 年 3 月 現 在 )と 比 べる と 先 述 のように 非 常 に 細 分 化 された 行 政 構 造 とな っているのがわかります ( 図 1) 1

これらの 行 政 区 分 を 順 にもう 少 し 詳 しく 見 てい きましょう まず 20の 州 ですが このうちヴァッレ ダオス タ 州 (Valle d Aosta) トレンティーノ アルトアディ ジェ 州 (Trentino-Alto Adige) フリウリ ヴェネツイ ァ ジュリア 州 (Friuli-Venezia Giulia)の 北 部 3 州 と シチリア 州 (Sicilia) サルデーニャ 州 (Sardegna)の 島 嶼 部 2 州 の 合 わせて5 州 が 特 別 自 治 州 という 位 置 づけとなっていて これは 憲 法 第 116 条 に 定 められています この 仕 組 みはこれらの 州 の 歴 史 的 背 景 や 民 族 言 語 の 違 いを 配 慮 することで 統 一 イタリアを 維 持 するために 決 められたもので 他 の 一 般 州 と 比 べて 財 政 的 な 自 治 権 が 認 められ ており 各 州 は 税 収 の 大 部 分 の 裁 量 権 を 持 ってい ます また 少 数 言 語 民 に 対 する 配 慮 から Valle d Aosta は フ ラ ン ス 語 Valee d Aoste を Trentino-Alto Adige はドイツ 語 Südtirol を 加 えた2 ヶ 国 語 表 記 とすることも 定 められています 州 の 下 位 構 造 に は 中 枢 都 市 圏 (Città metropolitane)と 呼 ばれる 仕 組 みがあり トリノ ジ ェノバ ミラノ ヴェネツィア トリエステ ボローニ ャ フィレンツェ ローマ ナポリ バーリ レッジ ョ カラーブリア メッシーナ カターニア パレル モ カリアリの 計 15の 主 要 都 市 圏 が 定 められて いますが 実 際 の 運 用 上 においてはまだあまり 実 態 のない 区 分 であり 話 題 に 上 ることはあまり ありません 県 にあたる110のプロヴィンチャのうち トレン ティーノ アルトアディジェ 州 の 二 つのプロヴィンチ ャであるトレントとボルツァーノには 前 述 の 統 一 国 家 維 持 の 観 点 から 州 レベルの 自 治 権 が 与 えられ ています また ヴァッレ ダオスタ 州 はアオスタ 県 のみのイタリアでは 唯 一 の1 州 1 県 の 州 です 地 方 自 治 行 政 の 最 小 区 分 であるコムーネは 前 述 のように 現 時 点 では8094あり 例 えばピエ モンテ 州 だけでも1206 ロンバルディア 州 には1 544ものコムーネがあります 日 本 の 市 町 村 の3つの 行 政 区 分 をひとくくりにしたものに 相 当 し ますから それこそその 規 模 は 大 小 さまざまで す 面 積 人 口 共 に 最 大 のコムーネはやはり 首 都 のローマで1308km2の 広 さに274 万 人 の 人 々 が 住 んでいます 面 積 で2 位 のコムーネがラベン ナの653km2 人 口 で2 位 のコムーネがミラノの 130 万 人 ですから どちらの 点 でもローマが 断 ト ツです 逆 に 最 小 のコムーネは 面 積 ではトレンテ ィーノ アルトアディジェ 州 トレント 県 のフィエーラ ディ プリミエーロで0.15km2と 日 比 谷 公 園 くら いの 広 さです 人 口 ではロンバルディア 州 ソンドリ オ 県 の 山 村 ペデジーナで 住 民 の 数 は33 人 とされ ています 人 口 密 度 で 見 てみると 最 も 人 口 密 度 の 高 いコムーネはナポリ 県 のポルティチという 人 口 5 万 5 千 人 の 街 で 1 平 方 キロメートルあたり1 万 2 千 人 強 と 地 方 のコムーネであるにも 拘 わらず 東 京 23 区 並 みの 密 集 度 合 いです しかも 面 積 の2 割 以 上 が 森 林 地 帯 で 人 が 住 んでおらず 居 住 地 域 だけの 面 積 で 計 算 すると 人 口 密 度 は 更 に 高 く なります 一 方 人 口 密 度 の 最 も 低 いコムーネは フランスと 国 境 を 接 する 山 岳 地 域 ピエモンテ 州 クーネオ 県 のブリーガ アルタで ユニバーサル スタジオジャパンや 東 京 ディズニーランドほどの 広 さに 人 口 が51 人 人 口 密 度 は1km2あたり0. 96 人 となっています このように 人 口 270 万 人 を 超 える 首 都 ローマ から 住 民 わずか30 人 あまりの 山 村 までイタリア の 街 の 姿 は 本 当 に 様 々ですが その 中 には 日 本 とのつながりの 深 い 街 もあり イタリアと 日 本 の 間 には35 件 の 姉 妹 都 市 提 携 が 結 ばれています これらの 提 携 関 係 は 自 治 体 間 の 国 際 交 流 や 何 かのコンタクトが 縁 となって 提 携 に 至 ったものの ほかに 地 形 産 業 歴 史 といった 双 方 の 類 似 性 や 共 通 性 が 取 り 持 つ 提 携 関 係 のケースが 多 いよ うです 縁 がきっかけとなったケースとしては 映 画 遠 野 物 語 がサレルノで 開 催 された 国 際 映 画 祭 でグ ランプリを 獲 得 したことが 提 携 につながった 例 や 東 京 都 板 橋 区 の 区 立 美 術 館 でのボローニャ 国 際 絵 本 原 画 展 開 催 をきっかけに 始 まった 絵 本 交 流 が 姉 妹 都 市 関 係 につながった 例 があります また 近 江 八 幡 市 とマントヴァの 提 携 は 天 正 遣 欧 使 節 がローマ 法 王 に 献 上 するための 安 土 の 街 並 を 描 いた 屏 風 絵 を 持 ってマントヴァを 訪 れた 16 世 紀 にさかのぼる 歴 史 から 結 ばれた 姉 妹 関 係 ですし 長 浜 市 とヴェローナは 双 方 に 拠 点 を 持 っていたキ ャノンの 仲 介 によって 実 現 したものです 双 方 の 類 似 性 や 共 通 性 で 結 ばれた 提 携 関 係 はその 理 由 がバラエティに 富 んでいます 首 都 同 士 の 東 京 都 とローマ 商 業 都 市 同 士 の 2

大 阪 市 とミラノ 或 いは 歴 史 的 古 都 としての 京 都 市 とフィレンツェなどは 容 易 に 納 得 できますし 片 や 錦 江 湾 に 噴 煙 を 上 げる 桜 島 片 やナポリ 湾 を 見 おろすヴェズヴィオ 火 山 で 共 通 の 雄 大 な 景 観 を 誇 る 鹿 児 島 市 とナポリや 共 に 世 界 文 化 遺 産 に 登 録 される 独 特 の 住 居 集 落 で 有 名 な 岐 阜 県 白 川 村 とプーリア 州 アルベロベッロなども 結 ばれるべ くして 結 ばれた 姉 妹 都 市 だと 言 えるでしょう ( 写 真 1 2) ス(Palio delle tinozze)というよく 似 た 年 に 一 度 のお 祭 りが 共 通 テーマです ( 写 真 3,4) 写 真 3: 松 川 たらい 乗 り 競 争 写 真 1: 白 川 村 写 真 2:アルベロベッロ 物 産 やイベントの 共 通 性 によるものも 多 くあり ます 青 森 県 田 子 町 とエミリア ロマーニャ 州 のモ ンティチェッリ ドジーナはどちらもニンニクの 産 地 としての 提 携 ですし 山 形 県 天 童 市 とヴェネト 州 マ ロスティカは 名 物 の 人 間 将 棋 と 人 間 チェスが 取 り 持 つ 関 係 です 少 し 変 わったところでは 静 岡 県 伊 東 市 とラツィオ 州 リエーティです こちらは 松 川 たらい 乗 り 競 争 とヴェリーノ 川 ワイン 樽 乗 りレー 写 真 4:Palio delle tinozze 最 も 風 変 わりな 姉 妹 都 市 関 係 は 群 馬 県 渋 川 市 とウンブリア 州 フォリーニョでしょう 共 通 のテーマ は へそ で どちらもがそれぞれの 国 の 中 心 に 位 置 した 町 だという 理 由 での 提 携 です ただ フォ リーニョの 方 は 一 枚 上 手 でさらに 世 界 の 中 心 だと 言 うのです 町 の 中 心 にあるBarのビリヤード 台 の 中 心 に 置 かれたピンが 世 界 の 中 心 だ なぜな らそのバールはフォリーニョのど 真 ん 中 にあるか らで そのフォリーニョはウンブリア 州 の 中 心 だ そして ウンブリア 州 はイタリアの 中 心 で イタリ アはヨーロッパ 地 中 海 の 中 心 ひいては 世 界 の 中 心 だ という 言 い 伝 えがあるのだそうです も っともこのバールも 今 はなく 現 在 は 銀 行 になっ ていて その 銀 行 のロビーフロアに 件 のピンが 今 も 埋 め 込 まれているそうです ( 大 阪 大 学 講 師 元 パナソニックイタリア 社 長 ) 3

イタリア 通 信 第 5 回 異 文 化 理 解 の 道 すがら - tanto amore, tanto rancore - 深 草 真 由 子 イタリアを 旅 することと そこで 暮 らすことは 全 く 別 物 である 太 陽 の 光 が 降 り 注 ぐ 地 中 海 地 方 色 豊 かなおいしい 料 理 映 画 やテアトロの 娯 楽 文 化 明 るく 陽 気 なイタリア 人 と 響 きの 美 しいイタリア 語 町 を 歩 けばあちこちで 歴 史 的 文 化 遺 産 に 出 会 え る 国 その 一 方 で 壊 れたままの 券 売 機 郵 便 局 の 長 い 行 列 トイレットペーパーは 言 うまでもな く 便 座 もない 男 女 共 用 の 汚 い 公 衆 トイレ TPOを 構 わず 鳴 り 響 く 携 帯 の 呼 び 出 し 音 と 迷 惑 な 話 声 あたかも 地 震 の 後 の 有 り 様 のように 商 品 の 散 乱 したスーパーマーケット テレビの 中 の 肌 を 露 出 した 女 性 が 踊 る 姿 とベルルスコーニのニタニタ 笑 い 横 柄 だったり 無 愛 想 だったり 他 人 への 気 遣 いに 欠 けたりするイタリア 人 町 を 歩 けばあち こちで 犬 の 糞 煙 草 の 吸 い 殻 回 収 されずに 溢 れ たゴミの 山 に 出 くわす 国 そんな 溜 息 をつきた くなるようなあり 様 もこの Bel paese の 真 の 姿 で ある それも 愛 嬌 の 内 だ これがイタリアらしさなのだ と 旅 人 は 言 うかもしれない 実 際 規 則 だった 秩 序 の 中 で 生 きている 日 本 人 にとって たまにイタ リアというカオスの 中 を 探 検 するのは 楽 しいこと だ しかし いざカオスの 中 で 暮 らすとなれば 笑 って 済 ますことのできない 壁 にぶち 当 たる 自 分 はイタリアには 向 かないのではないか? と 考 え 込 む 者 もいるだろう 正 直 に 言 うと 私 の 場 合 は まずイタリア 人 に 対 して 怒 りを 感 じるようになり それが 収 まらない 場 合 は どうせ 彼 らはこの 程 度 だから という 諦 めとも 侮 蔑 とも 解 釈 できる 気 持 ち に 行 きついてしまう もちろんこの 感 情 は 不 遜 で 単 に 異 文 化 とのギャップに 苦 しむ 自 分 への 慰 め であることは 十 分 承 知 している しかし そうでも しないと 気 分 が 落 ち 込 んでやりきれなくなることが 時 々あるのだ この 怒 りと 諦 めの 段 階 を 乗 り 越 えた 先 には 何 が 待 っているのだろう?より 寛 大 で タフに 成 長 した 自 分 がいるのだろうか? 町 に 貼 られた 環 境 美 化 ポスター イタリアに 対 する 愛 憎 の 微 妙 なバランスの 上 に 成 り 立 つ 生 活 異 文 化 を 理 解 することは 決 して 容 易 なことではない 常 に 日 本 とイタリアを 比 べてし まう 親 切 で 行 儀 がよく 他 人 への 気 遣 いのでき る 日 本 人 便 利 で 清 潔 な 町 時 刻 表 通 りに 動 く 電 車 スムーズに 物 事 が 運 ぶ 快 適 さ 最 新 の I-phone をイタリアで 購 入 しようとした 時 のこと ど こでも 好 きな 時 にインターネットができるというの に どうやら 我 が 家 には 電 波 が 届 いていない 電 話 会 社 の 電 波 マップを 見 ると ほぼ 全 面 的 に 色 づ けされた 町 の 中 でちょうど 我 が 家 の 辺 りだけが 空 白 のまま 残 されている 私 は 何 も 山 奥 に 住 んでい るわけではないのだが こんなことが 日 本 で 起 こ るだろうか ではイタリア 人 の 目 から 見 た 日 本 とは?イタリ アにおける 日 本 への 関 心 は 一 時 的 なブームを 通 り 越 し もはや 定 着 した 感 がある 今 の 日 本 に 侍 はいない 日 本 人 は 生 魚 を 食 べる といったこと は 今 ではもうイタリア 人 にとっても 自 明 であり 普 通 は よ り 高 度 な 質 問 が 飛 ん でく る Banana Yoshimoto はペンネームなのか? 米 はどう 調 理 するのか?なぜラジオ 体 操 をするのか? 多 く のイタリア 人 が(いや 少 なくとも 東 洋 人 である 私 4

と 親 しくするようなイタリア 人 は) 日 本 に 一 度 行 っ てみたい と 言 う しかし それを 聞 いて 私 は 内 心 嬉 しい 反 面 いつも 少 し 不 安 になる 日 本 を 旅 行 して 本 当 に 満 足 してくれるものだろうか と 歴 史 的 建 造 物 文 化 的 遺 産 の 中 で 日 常 生 活 を 送 っているイタリア 人 にとっては 灰 色 のコンクリ ートで 埋 め 尽 くされた 日 本 の 都 会 が 魅 力 的 に 映 る のだろうか 観 光 地 に 立 ち 並 ぶ 巨 大 なホテル ゲ ームセンターやカラオケボックスがイタリア 人 にと って 美 しいものに 見 えるだろうか 多 くの 外 国 人 が 日 本 の 観 光 を 楽 しんでいるのだから 実 際 面 白 い 所 なのだろう だが 日 本 特 に 日 本 の 都 市 は 単 に 興 味 深 いというだけであって 決 して 居 心 地 の 良 い 場 所 ではないし いつかまた 戻 ってきたい と 一 般 のイタリア 人 を 思 わせることができるだろう かという 心 配 がいつも 頭 をよぎる 先 日 ブラジル 人 の 親 友 Ana が 来 週 日 本 に 行 く のよ ついにあなたの 国 を 見 に 行 ってくるよ とメ ールで 知 らせてくれた パドヴァに 住 んでいた 頃 彼 女 とは 毎 晩 のように 一 緒 に 料 理 を 作 った 仲 だ Naturalista の 彼 女 はいつも 私 の 料 理 を 褒 めてくれ た 油 控 え 目 で 野 菜 中 心 肉 少 々 魚 も 少 々 醤 油 豆 腐 味 噌 海 藻 類 Tu mangi sano!!! 冷 凍 食 品 や 炭 酸 飲 料 をよく 摂 っていた 他 の 同 居 人 と は 違 って 私 の 健 康 的 で 独 特 な 食 生 活 は 彼 女 に 好 印 象 を 与 えたようだった そんな 彼 女 がコンビ ニでインスタントラーメンのずらりと 並 んだ 棚 を 見 て 何 を 思 うだろう 日 本 食 がヘルシーだというの は 嘘 だ 日 本 人 はプラスチックの 容 器 の 中 に 詰 め られた 人 工 物 ばかりを 食 べている と 幻 滅 しない だろうか 隣 の 芝 は 青 いんだよ L erba del vicino è sempre più verde と 日 本 マニアのイタリア 人 コン ピュータ 技 師 Vincenzo は 言 う 彼 は 日 本 語 を 勉 強 し いつかは 東 京 で 働 きたいという 夢 を 持 つ イ タリア 人 はエゴイストだから 嫌 いだ その 点 日 本 人 は 親 切 で 穏 やかで 公 共 心 がある そこで 私 は 言 う 日 本 人 の 親 切 は 本 心 からのものとは 限 らないヨ 例 えば 混 雑 するスーパーのレジで 客 が 端 数 の 小 銭 を 出 そうと 財 布 の 中 を 探 ってもた ついているとどうだろう 日 本 人 の 店 員 はマニュ アルで 定 められた 通 りの 笑 顔 と 丁 寧 な 言 葉 遣 い で 上 辺 を 装 ってはいるが 一 刻 も 早 く 列 を 進 めた いために 内 心 では 小 銭 なんか 要 らないから 早 く 出 て 行 って! とイライラしているかもしれない( 少 なくとも 私 の 経 験 ではそうだ) だがVincenzoは 断 言 する イタリア 人 の cattiveria sincera より 日 本 人 の simpatia finta の 方 がずっと 害 が 少 ない 先 日 イタリア 人 の 若 い 男 女 が 道 に 並 べられたバー ルのテーブルで 休 む 観 光 客 の 中 年 夫 婦 に 突 然 殴 りかかる 場 面 を 目 撃 した コーヒーか 煙 草 が 若 者 の 服 を 汚 したのかもしれないし あるいは 単 に 自 分 達 の 進 行 方 向 にあるテーブルが 邪 魔 だったの かもしれない 些 細 なことで 理 性 を 失 った 若 者 た ちの 乱 暴 な 姿 に どこか 動 物 的 なものを 感 じた 秩 序 のないイタリア 形 式 だけは 重 んじられる 日 本 どちらの 芝 もそう 青 々とはしていない だが 欠 点 があるからこそ 美 点 が 輝 くのである イタリアで 最 も 素 敵 なことは やはり 人 と 人 の 暖 か いつながりが 今 もあることだろう 外 国 からイタリ アの 空 港 に 到 着 して スーツケースを 受 け 取 って 出 口 に 向 かう 時 いつもたくさんの 人 々が 誰 かの 到 着 を 待 っているのを 目 にする 家 族 や 友 人 の 姿 を 見 つけると 大 きく 手 を 振 って 名 前 を 呼 び そして 抱 きしめてキスを 交 わし 再 会 の 喜 びを 体 いっぱ いで 表 現 している その 反 面 関 空 に 降 り 立 つ 時 の 寂 しいことと 言 ったら 帰 国 した 日 本 人 を 待 ち 構 えているのは 両 替 カウンターの 案 内 係 一 人 だ け ということも 珍 しくない 私 のイタリア 生 活 において 最 も 心 に 残 った 言 葉 は 友 人 Luisa が 発 したものである 彼 女 はボロー ニャで 生 物 学 の 任 期 付 き 研 究 員 として 働 きながら 結 婚 し 一 カ 月 以 上 もの 間 新 婚 旅 行 に 出 かけ 子 供 を 二 人 産 んだ 日 本 の 女 性 研 究 者 ではこん なことはそう 簡 単 にはできないだろう プライベー トが 充 実 していて 羨 ましい と 私 は 傍 で 見 ていたも のだ しかし 昨 今 の 大 学 改 革 の 波 に 巻 き 込 まれ 結 局 彼 女 の 雇 用 契 約 が 延 長 されることはなかっ た 今 は 子 育 てに 専 念 しているが やがては 子 供 を 保 育 所 に 預 けて 自 分 は 外 に 働 きに 行 きたいと 言 う イタリアの 現 状 は 厳 しい 職 場 をより 好 みす る 余 裕 はない だからといってボローニャを 離 れ るわけにもいかないだろう 他 人 事 ながら 心 配 に なった 私 は 行 き 先 に 迷 う 日 本 人 たちがよくする あの 質 問 をしてみた この 先 どうするの? する と Luisa は 明 るく なんとでもなるでしょう 人 生 は いつもサプライズだからね 逆 に 日 本 では 定 ま 5

ったものが 何 もなく 先 行 きの 見 えない 人 生 に 不 安 を 覚 える 若 者 も 多 数 いるというのに イタリア 人 のパワーはこんな 人 生 観 にあるのかもしれない 今 回 は 異 文 化 理 解 の 底 知 れない 難 しさと 今 ま さにそれと 奮 闘 している 筆 者 が 日 々 感 じているこ とを 正 直 につづってみた 偏 見 や 安 易 な 類 型 化 があるかもしれない それでも 異 文 化 理 解 を 概 念 として 知 るだけではなく 実 体 験 を 通 して 沸 き 起 こるマイナスの 感 情 もあるということ また 逆 に 新 たな 発 見 や 喜 びもあるということを 伝 えることがで きたならば 幸 いである ( 元 当 館 スタッフ) 会 館 だ よ り 高 級 娼 婦 と 芸 術 家 のビミョウな 関 係 京 都 文 化 博 物 館 で 開 催 中 の ナポリ 宮 廷 と 美 カポディモンテ 美 術 館 展 この 展 覧 会 の 中 でも 特 筆 すべき 出 典 作 品 で ある パルミジャニーノによる 貴 婦 人 の 肖 像 (アンテア) 貴 婦 人 と 冠 されて はいるものの 実 はパルミジャニーノ がローマで 親 しんだ 高 級 娼 婦 という 言 い 伝 えもあり ルネサンス 期 イタリア 語 でコルティジャーナと 呼 ばれる 高 級 娼 婦 は 多 くの 美 術 家 を 刺 激 し その 創 造 性 に 大 きく 寄 与 したのです そんな 高 級 娼 婦 と 芸 術 家 の 妖 しくも 微 妙 な 関 係 にスポットライトをあてて その 創 造 の 源 をたどります 講 師 : 松 本 典 昭 ( 阪 南 大 教 授 文 化 史 家 ) 日 時 :11 月 6 日 ( 土 ) 18:00~20:00 参 加 費 : 1500 円 ( 一 般 受 講 生 ) 500 円 ( 個 人 維 持 会 員 ) 会 場 : 日 本 イタリア 京 都 会 館 本 校 イタリア 的 ライフスタイル 20 年 の 長 きに 渡 りイタリアで 暮 らし ビジ ネスの 最 前 線 に 身 を 置 かれた 元 パナソニ ックイタリア 社 長 立 元 義 弘 氏 が 多 くのイ タリア 人 との 交 流 を 通 じて 見 聞 きし 経 験 し たイタリア 人 の 生 活 観 家 族 観 などなど 旅 行 者 の 目 ではなかなか 垣 間 見 ることの できないイタリアならではの 魅 力 的 なライ フスタイルをご 紹 介 します 講 師 : 立 元 義 弘 ( 元 パナソニックイタリア 社 長 ) 日 時 :11 月 13 日 ( 土 ) 17:00~19:00 参 加 費 : 1500 円 ( 一 般 受 講 生 ) 500 円 ( 個 人 維 持 会 員 ) 会 場 : 日 本 イタリア 京 都 会 館 大 阪 梅 田 校 イタリア 的 ライフスタイル 会 食 つき 20 年 の 長 きに 渡 りイタリアで 暮 らし ビジ ネスの 最 前 線 に 身 を 置 かれた 元 パナソニ ックイタリア 社 長 立 元 義 弘 氏 が 多 くのイ タリア 人 との 交 流 を 通 じて 見 聞 きし 経 験 し たイタリア 人 の 生 活 観 家 族 観 などなど 旅 行 者 の 目 ではなかなか 垣 間 見 ることの できないイタリアならではの 魅 力 的 なライ フスタイルをご 紹 介 します シチリアで 修 業 された 関 シェフのお 店 ビ ベロン でフルコースランチに 舌 鼓 を 打 ち ながら 楽 しい 話 に 耳 を 傾 けてみません か 講 師 : 立 元 義 弘 ( 元 パナソニックイタリア 社 長 ) 日 時 :11 月 23 日 ( 火 祝 ) 12:00~15:00 参 加 費 : 5500 円 ( 一 般 受 講 生 ) 4500 円 ( 個 人 維 持 会 員 ) 会 場 :イタリア 料 理 ビベロン ( 京 都 御 幸 町 押 小 路 ) 編 集 発 行 /( 財 ) 日 本 イタリア 京 都 会 館 606-8302 京 都 市 左 京 区 吉 田 牛 の 宮 町 4 TEL:(075)761-4356/FAX:(075)761-4357 E-mail: centro@italiakaikan.jp URL: http://italiakaikan.jp/ 6