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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

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工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

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弁護士報酬規定(抜粋)

Transcription:

http://www.jri.co.jp グローバル 化 の 進 展 と 日 中 韓 自 動 車 産 業 013 年 7 月 19 日 No.013-1 円 安 ウォン 高 と 現 代 自 動 車 世 界 市 場 の 影 響 は 軽 微 韓 国 で 崩 れる 圧 倒 的 優 位 調 査 部 上 席 主 任 研 究 員 向 山 英 彦 要 点 円 安 ウォン 高 が 急 ピッチで 進 んだ 時 期 現 代 自 動 車 の 業 績 が 悪 化 するという 見 方 が 広 がった その 理 由 は 1 現 代 自 動 車 が 世 界 市 場 でシェアを 上 げてきたのは ウォン 安 によるところが 大 きい 円 安 ウォン 高 に 伴 い 輸 出 が 鈍 化 する( 日 本 車 の 輸 出 が 増 える) 3ウォン 換 算 の 利 益 が 減 少 するなどである 日 本 車 と 多 くのセグメントで 競 合 する 米 国 市 場 では 円 安 ウォン 高 の 影 響 を 受 けるのは 避 けられないが 世 界 市 場 全 体 における 影 響 は 比 較 的 軽 微 にとどまる 可 能 性 が 高 い 新 興 市 場 では 日 系 メーカーとマーケティング 戦 略 が 異 なっており 円 安 ウォン 高 によってその 優 位 が 崩 れないためである 013 年 上 期 をみると 米 国 での 販 売 台 数 は 前 年 同 期 比 +1.%にとどまった 他 方 中 国 では 第 三 工 場 が 稼 働 (1 年 7 月 )して 供 給 力 が 増 大 したこともあり 前 年 同 期 比 +3.9%と 販 売 を 伸 ばしている インドでは 成 長 の 減 速 により 国 内 販 売 は 低 迷 しているものの 輸 出 がカバーしている むしろ 注 意 したいのは 韓 国 国 内 の 動 きである 輸 入 車 のシェアが 上 昇 傾 向 にある 上 日 系 メーカーも 最 近 になり 円 安 を 活 用 した 積 極 的 なマーケティングを 展 開 してい るからである このため 現 代 自 動 車 グループ( 起 亜 自 動 車 を 含 む)も 値 引 きを 迫 ら れている これまで 同 グループは 圧 倒 的 なシェアに 支 えられた 価 格 支 配 力 によって 大 きな 利 益 を 確 保 し それを 研 究 開 発 や 海 外 事 業 展 開 広 告 宣 伝 などに 振 り 向 けてき たとすれば 輸 入 車 のプレゼンスの 拡 大 はそれを 難 しくさせることになる 1

( 会 社 概 要 ) 株 式 会 社 日 本 総 合 研 究 所 は 三 井 住 友 フィナンシャルグループのグループIT 会 社 であり 情 報 システム コ ンサルティング シンクタンクの3 機 能 により 顧 客 価 値 創 造 を 目 指 す 知 識 エンジニアリング 企 業 です システ ムの 企 画 構 築 アウトソーシングサービスの 提 供 に 加 え 内 外 経 済 の 調 査 分 析 政 策 提 言 等 の 発 信 経 営 戦 略 行 政 改 革 等 のコンサルティング 活 動 新 たな 事 業 の 創 出 を 行 うインキュベーション 活 動 など 多 岐 にわ たる 企 業 活 動 を 展 開 しております 名 称 : 株 式 会 社 日 本 総 合 研 究 所 (http://www.jri.co.jp) 創 立 :199 年 月 0 日 資 本 金 :100 億 円 従 業 員 :000 名 代 表 取 締 役 社 長 : 藤 井 順 輔 理 事 長 : 高 橋 進 東 京 本 社 : 11-00 東 京 都 品 川 区 東 五 反 田 丁 目 18 番 1 号 TEL 03-833-0900( 代 表 ) 大 阪 本 社 : 550-0001 大 阪 市 西 区 土 佐 堀 丁 目 番 号 TEL 0-79-5800( 代 表 ) 本 件 に 関 するご 照 会 は 調 査 部 向 山 英 彦 宛 にお 願 いいたします Tel:03-833-1 Mail:mukoyama.hidehiko@jri.co.jp

1. 世 界 全 体 では 影 響 は 軽 微 急 速 な 円 安 ウォン 高 により 一 時 期 現 代 自 動 車 の 業 績 悪 化 が 懸 念 された 実 際 には 米 国 市 場 では 増 勢 が 鈍 化 しているものの 最 大 の 市 場 である 中 国 では 販 売 を 大 幅 に 伸 ばしている (1) 懸 念 された 円 安 ウォン 高 の 影 響 韓 国 では 01 年 末 以 降 急 速 な 円 安 ウォ ン 高 に 見 舞 われた 1 年 10 月 に 100 円 =1,500 ウォン 台 で 推 移 していたウォン 円 レートは 同 年 1 月 に 1,00 ウォン 台 13 年 1 月 に 1,100 ウォン 台 5 月 には 1,000 ウォン 台 へ 上 昇 した ( 図 表 1-1) 短 期 間 に 円 安 ウォン 高 が 進 んだため 韓 国 内 外 で 現 代 自 動 車 の 業 績 が 悪 化 するとの 見 方 が 広 がり 同 社 の 株 価 は 1 年 10 月 から 11 月 にかけて 急 落 した( 図 表 1-) 韓 国 の 総 合 株 価 指 数 の 下 落 幅 を 大 幅 に 上 回 ったことが 当 時 の 様 子 を 物 語 っている その 後 やや 持 ち 直 した ものの 月 に 円 安 が 進 んだこと 1~3 月 期 の 決 算 が 発 表 ( 営 業 利 益 が 前 年 同 期 比 10.7%) されたことを 契 機 に 再 び 下 落 した (1ドル 100 円 = ) 1,800 1,00 1,00 1,00 1,000 800 00 ( 図 表 1-1)ウォンの 対 ドル 円 レート 対 ドル 対 円 00 1997/1 99/1 001/01 03/1 05/1 07/1 09/1 11/1 13/1 ( 注 )レートは 月 末 値 ( 資 料 ) 韓 国 銀 行 Economic Statistics System 110 ( 図 表 1-) 現 代 自 動 車 の 株 価 推 移 現 代 自 動 車 韓 国 総 合 株 価 指 数 ( 年 / 月 ) 現 代 自 動 車 の 業 績 が 悪 化 するという 見 方 は 100 1 世 界 市 場 でシェアを 上 げてきたのはウォン 安 によるところが 大 きい 急 速 な 円 安 ウォ 90 ン 高 に 伴 い 価 格 競 争 力 が 低 下 して 輸 出 が 鈍 化 する( 日 本 車 の 輸 出 が 増 える) 3ウォン 換 算 80 の 利 益 が 減 少 するなどにもとづいている また 日 系 メーカーよりも 国 内 生 産 比 率 が 高 いため 為 替 の 影 響 を 受 けやすい 点 も 問 題 視 された 70 01/9/3 10/31 1/8 /7 /5 /5 たしかに 日 本 車 と 多 くのセグメントで 競 合 ( 資 料 ) 韓 国 取 引 所 ( 注 )01 年 9 月 3 日 の 値 が100 直 近 は013 年 7 月 17 日 する 米 国 市 場 では 円 安 ウォン 高 の 影 響 を 受 けるのは 避 けられないが 世 界 全 体 でみた 影 響 は 軽 微 にとどまる 可 能 性 が 高 い というのは 現 代 自 動 車 が 世 界 的 にシェアを 伸 ばしてきたのは 主 に 新 興 市 場 によるところが 大 きく(1 年 の 現 代 自 動 車 の 地 域 別 販 売 台 数 は 1 中 国 (8.7 万 台 ) 米 国 (70.3 万 台 ) 3 韓 国 (.7 万 台 ) EU (. 万 台 ) その 他 (173.1 万 台 ) 総 計 39. 万 台 ) 新 興 市 場 ではマーケティング 戦 略 が 異 なり ( 後 述 ) 日 系 メーカーと 必 ずしも 競 合 しているわけではないからである 1 以 下 では この 点 を 検 証 していくことにしよう 1 この 点 に 関 しては 向 山 英 彦 グローバル 化 で 変 わる 韓 国 の 自 動 車 産 業 世 界 で 存 在 感 を 増 す 現 代 国 内 では 輸 入 車 増 加 JRI レビュー 013 Vol., No.7 を 参 照 されたい 3

() 米 国 市 場 では 増 勢 鈍 化 93 年 のカナダ 工 場 閉 鎖 後 現 代 自 動 車 が 海 外 現 地 生 産 (ノックダウンを 除 く)を 本 格 化 させたの は 90 年 代 末 になってからである 97 年 トルコ 98 年 インド 00 年 に 中 国 ( 北 ( 図 表 1-3) 現 代 自 動 車 の 海 外 生 産 工 場 稼 動 年 現 地 生 産 国 1989 カナダ(93 年 閉 鎖 ) 1997 トルコ 1998 インド 00 中 国 005 米 国 00 米 国 第 二 工 場 008 インド 第 二 工 場 中 国 第 二 工 場 009 チェコ 011 ロシア 01 中 国 第 三 工 場 (7 月 ) ブラジル(9 月 ) ( 資 料 ) 現 代 自 動 車 Annual Report 各 種 資 料 京 汽 車 との 合 弁 )で 現 地 生 産 を 開 始 した その 後 08 年 にインドと 中 国 第 二 工 場 09 年 にチェコの 工 場 が 相 次 いで 稼 動 した 結 果 海 外 生 産 拠 点 におけ る 総 販 売 台 数 は 009 年 に 150 万 台 に 達 した さら に 11 年 にロシア 1 年 に 中 国 第 三 工 場 ブラジ ル 工 場 が 稼 動 しているように 海 外 現 地 生 産 は 新 興 国 市 場 が 中 心 になっており なかでも 需 要 が 急 ( 図 表 1-) 現 代 自 動 車 の 地 域 別 輸 出 ( 千 台 ) 拡 大 している BRICs に 注 力 してきたことが 特 徴 的 1,00 である( 図 表 1-3) こうした 現 地 生 産 の 拡 大 に 伴 い 輸 出 は 近 年 やや 1,00 1,000 頭 打 ちになりつつあるが 米 国 向 けは 増 加 し 続 け 800 中 南 米 てきた( 図 表 1-) 1 年 の 米 国 販 売 をみると 現 地 生 産 分 (エラントラ ソナタ)が 30 万 9 千 台 00 00 欧 州 カナダ 韓 国 からの 輸 出 分 が 35 万 1 千 台 である 00 米 国 輸 出 比 率 が 高 いため 米 国 での 販 売 は 為 替 レー 0 007 08 09 10 11 1 ト 変 動 の 影 響 を 受 けやすく 韓 国 車 は コストパ ( 年 ) フォーマンスの 良 さ が 魅 力 であるため 円 安 に ( 資 料 ) 現 代 自 動 車 ホームページ より 日 本 車 の 価 格 が 低 下 すればその 影 響 は 小 さくないと 考 えられた 中 型 セダンでは 現 代 自 動 車 のソナタと カムリ(トヨタ) アコード(ホンダ) アルティマ( 日 産 )などが 競 合 している アジア 太 平 洋 中 東 アフリカ 13 年 上 期 の 米 国 販 売 台 数 は 前 年 同 期 比 1.% 増 にとどまった( 図 表 1-5) この 数 字 だけをみれ ば 失 速 したといえるが 前 年 上 期 は 米 国 とのFTA 発 効 (3 月 15 日 発 効 )を 契 機 に 販 売 ( 輸 出 ) 台 数 が 上 振 れたことを 考 慮 すれば 予 想 以 上 ( 図 表 1-5) 現 代 自 動 車 の 米 国 での 販 売 台 数 ( 万 台 ) に 健 闘 していると 考 えられる 一 部 で 予 想 された 日 本 車 の 台 頭 により 現 代 自 動 車 のシェアが 大 幅 に 奪 われる ( 現 代 自 動 車 グル ープのシェアは 1 年 8.7% 13 年 上 期 8.%) 事 態 にいたらなかった 理 由 としては 1 日 系 メーカ ーは 円 高 に 耐 えうる 生 産 体 制 を 築 いてきた 結 果 国 内 生 産 比 率 が 低 く(トヨタの 場 合 米 国 販 売 分 のうち 日 本 からの 輸 出 は 約 1/3) 輸 出 拡 大 の 余 地 が 限 られていること 米 国 では 景 気 回 復 に 伴 い 8 7 5 3 1 0 011 01 013 1 3 5 7 8 9 10 11 1 ( 資 料 ) 現 代 自 動 車 ホームページ 報 道 発 表 ( 注 ) 販 売 台 数 は 現 地 生 産 と 輸 出 双 方 を 含 む ( 月 ) 日 本 経 済 新 聞 013 年 7 月 1 日 現 代 自 米 市 場 で 失 速 によれば 1 米 国 工 場 ではフル 稼 働 状 態 になっていること 韓 国 国 内 における 週 末 生 産 が 労 使 問 題 で 停 止 したこと 3 新 車 の 投 入 が 遅 れていることなどを 失 速 の 要 因 として 指 摘 している

需 要 が 大 型 車 にシフトしていること 3 中 型 セグメント(かつては 日 本 車 が 圧 倒 的 に 優 位 )におけ る 競 争 が 激 しくなったことなどが 指 摘 できる 米 国 販 売 が 懸 念 されたほど 落 ち 込 んでいないことと 次 にみるように 新 興 国 市 場 で 堅 調 に 販 売 を 伸 ばしていることが 現 代 自 動 車 の 株 価 が 最 近 になり 回 復 している 理 由 である( 図 表 1-) (3) 中 国 市 場 での 販 売 は 好 調 維 持 インドでは 輸 出 がカバー 韓 国 車 と 日 本 車 は 競 合 しているといわれているが 新 興 市 場 ではマーケティング 戦 略 が 異 なって いる 現 代 自 動 車 はボリュームゾーン( 小 型 車 )をターゲットにした 現 地 モデル( 現 地 調 達 率 が 高 い)を 早 い 段 階 から 投 入 してきたのに 対 して 日 本 企 業 は 上 から 下 へ の 戦 略 にもとづき 中 型 車 から 参 入 し 小 型 車 の 投 入 は 遅 れた これが 需 要 取 り 込 みの 差 となって 表 れている 中 国 では 0 年 の 生 産 開 始 以 降 北 京 現 代 が 小 型 車 の アクセント (1,00cc 1,00cc)や エラントラ (1,00cc 1,800cc) 中 型 セダンの ソナタ (,000cc,00cc)などの 最 新 モデルを 低 価 格 で 販 売 したこと 北 京 市 でのタクシー 需 要 を 取 り 込 んだことにより 徐 々にシェアを 高 めた しかしその 後 奇 瑞 吉 利 な ど 中 国 メーカーを 含 む 他 社 の 相 次 ぐ 新 車 投 入 と 価 格 引 下 げ ウォン 高 による 輸 入 部 品 コスト 上 昇 などの 影 響 を 受 けて 07 年 の 販 売 台 数 は 前 年 比 マイナスとなった 08 年 に 第 二 工 場 が 稼 動 することもあり 販 売 低 迷 か ら 脱 却 する 必 要 があった そのために 実 施 したのが 低 ( 図 表 1 ) 現 代 自 動 車 の 中 国 拠 点 の 販 売 台 数 ( 万 台 ) 1 10 011 01 013 8 1 3 5 7 8 9 10 11 1 ( 資 料 ) 現 代 自 動 車 ホームページ ( 月 ) 価 格 新 小 型 車 の 開 発 である 新 型 車 ( 中 国 名 は アバンテ 悦 動 )のベース 価 格 が 9.98 万 元 と 10 万 元 を 下 回 った 上 韓 国 国 内 モデルよりも 一 回 り 大 きく クロームメッキで 高 級 感 を 出 したことが 市 場 で 好 感 された 09 年 に 中 国 政 府 が 消 費 刺 激 策 の 一 環 として 排 気 量 1,00cc 以 下 の 自 動 車 取 得 税 を 引 き 下 げた(10%から5%へ)ことも 追 い 風 となった 需 要 の 拡 大 を 背 景 に 第 三 工 場 を 建 設 し た(1 年 7 月 稼 働 ) 結 果 生 産 能 力 は 100 万 台 となった 3 生 産 能 力 の 拡 大 に 支 えられて 13 年 上 期 の 販 売 台 数 は 前 年 同 期 比 +3.9%となった( 図 表 1-) 最 大 の 市 場 である 中 国 で 販 売 を 大 幅 に 伸 ばしている 一 部 の 新 興 国 では 成 長 減 速 の 影 響 で 販 売 が 減 少 して いるものの トータルでは 増 加 している インド 工 場 の 国 内 販 売 台 数 は 13 年 (1~5 月 )に 前 年 同 期 比 ( 以 下 同 じ) 5.8%となったが 輸 出 ( 中 東 やアフリカな ど)が+1.9%になり 全 体 では+.1%であった( 図 表 1-7) ロシア 工 場 でもロシア 販 売 分 は 3.%であ ったが 総 販 売 台 数 は 前 年 同 期 比 +0.7%となった ( 図 表 1 7) 現 代 自 動 車 のインド 拠 点 の 販 売 台 数 ( 万 台 ) 5 011 01 013 3 1 0 1 3 5 7 8 9 10 11 1 ( 資 料 ) 現 代 自 動 車 ホームページ ( 月 ) 3 中 国 で 現 地 生 産 されている 車 は 基 本 的 に 中 国 国 内 向 けに 販 売 されている 韓 国 からは 最 高 級 車 の エクウス のほかに ロ ーエンスクーペ ベロスター サンタフェ などのスポーツカーや SUV などが 輸 出 されている 5

. 厳 しさを 増 す 国 内 環 境 むしろ 現 代 自 動 車 にとって 予 想 以 上 の 苦 戦 を 強 いられているのが 韓 国 国 内 である 輸 入 車 のシェ アが 上 昇 傾 向 にある 上 日 系 メーカーも 積 極 的 なマーケティングを 展 開 している (1) 続 く 輸 入 車 のシェア 上 昇 韓 国 国 内 では 自 動 車 販 売 が 伸 び 悩 むなかで 輸 入 ( 図 表 -1) 韓 国 の 自 動 車 販 売 台 数 車 のシェアが 上 昇 傾 向 にある 輸 入 車 180 国 産 車 輸 入 車 の 市 場 規 模 は 依 然 として 小 さいものの 着 輸 入 車 シェア( 右 目 盛 ) 10 実 に 拡 大 して 011 年 に 初 めて 10 万 台 に 乗 った 1 10 10 年 は 韓 国 車 の 国 内 販 売 台 数 が 前 年 比.%となっ 100 たのに 対 して 輸 入 車 の 販 売 台 数 は.% 増 の 13 80 万 858 台 となり 国 内 の 自 動 車 販 売 全 体 に 占 めるシ 0 0 ェアは 8.5%となった 0 自 動 車 に 対 する 個 別 消 費 税 引 き 下 げ 措 置 (1 年 9 0 001 03 05 07 09 11 13 月 実 施 )が 1 年 末 で 終 了 したため 1 年 秋 以 降 増 ( 年 ) 勢 が 強 まった 自 動 車 販 売 台 数 が 13 年 入 り 後 再 び 伸 び 悩 み 上 期 は 0.8%( 前 年 同 期 比 以 下 同 じ)に とどまった こうしたなかでも 輸 入 車 の 販 売 は+19.7%と 安 定 的 に 伸 び 全 体 に 占 めるシェアは 9.8%へ 上 昇 した( 図 表 -1) ( 万 台 ) (%) ( 注 )013 年 は1~ 月 ( 資 料 ) 国 産 車 はKorea Automobile Manufacturers Association 輸 入 車 はKorea Automobile Importers and Distributors Association 近 年 とりわけドイツ 車 のシェアが 上 昇 している VWグループ(Audi を 含 む)は 07 年 の 1.% から 1 年 に 5.% BMWは 1.3%から 1.5%へ 上 昇 した この 要 因 に 1 韓 国 とEUのFTA ( 自 由 貿 易 協 定 ) 発 効 後 大 型 車 に 対 する 関 税 率 が 引 き 下 げられたこと(8%から 5.%へ) 欧 州 の 景 気 が 悪 化 したため 欧 州 車 メーカーが 高 級 車 ニーズのある 韓 国 市 場 での 販 売 に 力 を 入 れたこ と 30~30 歳 代 の 若 年 富 裕 層 ( 医 者 弁 護 士 などの 専 門 職 )を 中 心 に 欧 州 車 に 対 する 人 気 が 上 昇 したことなどがある 欧 州 車 の 攻 勢 と 東 日 本 大 震 災 の 影 響 により 日 本 車 のシェアは 10 年 から 11 年 にかけて 著 しく 低 下 した 巻 き 返 しを 図 るためにとった 戦 略 が 韓 国 政 府 が 締 結 したFTAの 活 用 である 韓 米 FT Aの 発 効 (1 年 3 月 15 日 )に 伴 い 米 国 製 乗 用 車 に 対 する 関 税 率 が8%から%に 引 き 下 げられ た 結 果 日 本 から 輸 出 する よりも 関 税 面 で 有 利 になる 上 それまでの 超 円 高 による 価 格 競 争 力 の 低 下 を 回 避 する 狙 いもあった トヨタ 自 動 車 は 11 年 11 月 ミニバンのシエナを 皮 切 りに 1 年 より 新 型 カム リ( 旧 型 は 日 本 から 輸 出 し ていた) 11 月 にヴェンザ (SUV とセダンの 融 合 )を ( 図 表 -) 韓 国 輸 入 車 市 場 における 海 外 主 要 ブランド 別 シェア (%) ブランド 007 08 09 10 11 1 13( 上 ) BMW 1.7 13. 15.8 18.55.18 1.51.8 Mercedes-Benz 10.3 11.73 1. 17.79 18.0 15.58 15.5 Audi 8.95 7.71 10.93 8.75 9.85 11.5 1. Volkswagen 7.5 8.33 10.7 11.1 11.8 1.0 1.59 MINI 1.75 1.8.33.5.08.53 3.78 Peugeot 5.08 3.15 1.73.11.51 1.8 1.7 Volvo.13 3..83 1.81 1.1 1.35 1. Chrysler 7.31..5.91 3.1 3.15. Ford 3.79.13.85. 3.98 3.9. レクサス 1.09 9.8 8.8. 3.91 3.80 3.51 トヨタ 0.00 0.00 3.31 7.3.78 8.5 5.81 ホンダ 13.3 0.0 8.0. 3.00 3.01 3.5 インフィニティ 5.3 5..1 3..05 0.8 0.58 日 産 0.00 0.3 3.8 3.89 3. 1.83 1.88 その 他 3.87.33.5.5 5.03.77 5.39 ( 資 料 )Korea Automobile Importers and Distributors Association 1 10 8 0

米 国 から 韓 国 に 輸 出 した この 戦 略 が 功 を 奏 し 新 型 カムリは 1 年 に 輸 入 車 売 上 ランキング 位 に なったほか 同 年 の カー オブ ザ イアー に 選 定 された 13 年 に 入 って トヨタの 販 売 は 再 び 欧 州 勢 の 値 引 き 攻 勢 に 押 されたが 円 安 効 果 を 活 かして 5 月 より 300 万 ウォン 値 引 き キャンペーンを 開 始 した(カムリは 約 1 割 の 値 下 げ) これが 功 を 奏 して 販 売 台 数 は 月 の 57 台 から5 月 1,31 台 月 978 台 と 増 加 している( 数 字 は Korea Automobile Importers and Distributors Association) 輸 入 車 のシェア 上 昇 に 伴 い 現 代 自 動 車 グループは 値 引 きや 輸 入 車 キラー の 投 入 を 迫 られて いる これまで 同 グループは 圧 倒 的 なシェアに 支 えられた 価 格 支 配 力 によって 大 きな 利 益 を 確 保 し それを 研 究 開 発 や 海 外 事 業 展 開 広 告 宣 伝 などに 振 り 向 けてきたとすれば 輸 入 車 のプレゼン スの 拡 大 はそれを 難 しくさせることになる () 強 まるコスト 上 昇 圧 力 現 代 自 動 車 グループがこれまで 国 内 生 産 を 重 視 してきた 理 由 には 1FTAによって 近 い 将 来 関 税 が 撤 廃 されること ウォン 安 のメリットを 利 用 できること 3 各 国 地 域 で 販 売 台 数 の 少 ない 車 種 を 国 内 で 集 中 生 産 するメリットがあること 工 場 周 辺 に 集 積 する 部 品 企 業 に 支 えられた 効 率 的 な 生 産 ができること などが 考 えられる これからもこの 優 位 性 が 維 持 できるのであろうか 韓 国 の 工 場 が 輸 出 生 産 拠 点 として 機 能 し 続 け ていくにはコスト 競 争 力 の 強 化 が 欠 かせないが 近 年 ウォン 高 以 外 にも 賃 金 の 上 昇 圧 力 ( 経 済 民 主 化 の 一 環 として 非 正 規 労 働 者 の 処 遇 改 善 を 求 める 動 きが 広 がる 可 能 性 )や 電 力 料 金 の 値 上 げ など 生 産 コスト 上 昇 圧 力 が 強 まっている また 蔚 山 工 場 では 長 年 行 われてきた 徹 夜 勤 務 体 制 を 見 直 して 13 年 3 月 日 より 昼 夜 連 続 交 代 制 が 実 施 されるようになった 交 代 勤 務 体 制 は 現 代 自 動 車 グループの 生 産 工 場 労 働 者 5 万 人 を 対 象 に 等 しく 適 用 される さらに 最 近 では 週 末 特 別 勤 務 をめぐる 労 使 対 立 労 働 組 合 による 大 幅 な 賃 上 げ 要 求 など 労 使 問 題 も 影 を 落 としている 3.まとめに 代 えて これまで 述 べてきたことを 整 理 すると 以 下 のようになる 1 急 速 な 円 安 ウォン 高 による 影 響 が 懸 念 されたが これまでのところ 影 響 は 比 較 的 軽 微 に とどまっている 新 興 市 場 では 日 系 メーカーとマーケティング 戦 略 が 異 なっており 円 安 ウ ォン 高 によってその 優 位 が 崩 れないためである 最 大 の 市 場 である 中 国 では 生 産 能 力 の 拡 大 に 支 えられて 13 年 上 期 の 販 売 台 数 は 前 年 同 期 比 + 3.9%となった インド 工 場 でも 国 内 販 売 の 低 迷 を 輸 出 でカバーしている 3 むしろ 韓 国 国 内 では 輸 入 車 の 増 加 によりそれまでの 圧 倒 的 優 位 の 構 造 が 崩 れ 始 めているほか 生 産 コスト 上 昇 圧 力 が 強 まるなど 経 営 環 境 が 厳 しくなっている 中 国 での 販 売 が 伸 びているだけに 今 後 の 販 売 動 向 に 注 意 が 必 要 である 中 国 では 第 四 工 場 の 建 設 も 計 画 されているが 状 況 如 何 によっては 過 大 投 資 になる 恐 れもある 国 内 外 の 環 境 変 化 に 対 し てどう 対 応 するのか 現 代 自 動 車 グループの 真 価 が 問 われることになる 7

グローバル 化 の 進 展 と 日 中 韓 自 動 車 産 業 シリーズ 1 向 山 英 彦 韓 国 自 動 車 産 業 にみるFTAの 影 響 輸 出 促 進 効 果 がみられる 半 面 国 内 市 場 で 増 加 する 輸 入 車 01 年 10 月 5 日 変 化 する 韓 国 の 対 日 自 動 車 部 品 貿 易 対 日 輸 出 が 増 加 する 半 面 対 日 輸 入 が 大 幅 減 01 年 1 月 1 日 3 関 辰 一 ポスト 反 日 デモの 中 国 自 動 車 市 場 回 復 が 期 待 される 日 本 車 販 売 013 年 1 月 7 日 8