もそれを 救 済 する 機 能 を 持 たない 行 政 の 規 制 の 目 的 は 公 益 のための 違 法 行 為 の 取 り 締 ま りであり 違 法 行 為 による 消 費 者 被 害 は 当 該 事 業 者 と 消 費 者 の 民 事 紛 争 であるとして 関 与 しないことを 旨 としてい



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ー ただお 課 長 を 表 示 するものとする ( 第 三 者 に 対 する 許 諾 ) 第 4 条 甲 は 第 三 者 に 対 して 本 契 約 において 乙 に 与 えた 許 諾 と 同 一 又 は 類 似 の 許 諾 を することができる この 場 合 において 乙 は 甲 に 対 して 当

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2. 前 項 の 規 定 にかかわらず 証 券 会 社 等 又 は 機 構 を 通 じた 届 出 の 対 象 となっていない 事 項 については 当 会 社 の 定 める 書 式 により 株 主 名 簿 管 理 人 宛 に 届 け 出 るものとす る ( 法 人 株 主 等 の 代 表 者 ) 第

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(1) 社 会 保 険 等 未 加 入 建 設 業 者 の 確 認 方 法 等 受 注 者 から 提 出 される 施 工 体 制 台 帳 及 び 添 付 書 類 により 確 認 を 行 います (2) 違 反 した 受 注 者 へのペナルティー 違 反 した 受 注 者 に 対 しては 下 記 のペ


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を 行 わなければならない 適 正 な 運 用 方 針 を 厳 格 に 運 用 することによっては じめて 人 がみだりにその 容 ぼう 等 を 撮 影 されない 自 由 や 権 利 の 保 護 と 犯 罪 発 生 の 抑 止 という 防 犯 カメラの 設 置 目 的 との 調 和 が 実 現 され

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Transcription:

東 北 大 学 消 費 者 法 問 題 研 究 会 2006.4.22. 行 政 による 消 費 者 被 害 救 済 事 業 者 制 裁 を 考 える * 細 川 幸 一 1. 問 題 意 識 消 費 者 問 題 の 解 決 には 消 費 者 自 らが 消 費 者 私 法 を 活 用 し 権 利 利 益 の 回 復 を 図 る 司 法 的 手 段 と 行 政 が 市 場 に 介 入 し 事 業 者 を 規 制 する 行 政 的 手 段 の 二 通 りがある 規 制 緩 和 が 叫 ばれる 今 日 行 政 規 制 を 極 力 緩 和 し 司 法 的 問 題 解 決 を 図 ることがふさわしいとさ れているが 未 だそのための 消 費 者 私 法 は 十 分 ではない また 消 費 者 が 自 らの 権 利 意 識 を 高 め 権 利 侵 害 に 対 して 積 極 的 な 行 動 を 取 らなければ 消 費 者 私 法 は 活 用 されないため 消 費 者 教 育 の 充 実 が 急 がれているが その 十 分 な 成 果 を 見 るには 更 なる 時 間 を 要 する そ こで 従 来 の 行 政 規 制 の 悪 弊 を 取 り 除 くことはもちろんであるが 行 政 的 手 段 の 必 要 性 は 今 後 も 減 少 するものではないであろう 消 費 者 問 題 の 構 造 的 な 解 決 のための 行 政 の 市 場 への 介 入 には 二 つの 方 法 がある 一 つは 強 者 たる 企 業 の 活 動 を 規 制 する 規 制 行 政 であり もっぱら 各 業 法 の 主 務 官 庁 がその 役 割 を 担 ってきた もう 一 つは 企 業 に 対 して 弱 い 立 場 の 消 費 者 を 支 援 する 支 援 行 政 が 国 民 生 活 センターや 消 費 生 活 センターといった 企 業 に 対 して 規 制 権 限 を 持 たない 行 政 機 関 による 消 費 者 教 育 情 報 の 提 供 苦 情 処 理 等 によって 進 められてきた 現 状 は 規 制 行 政 サイドの 公 正 取 引 委 員 会 の 景 表 法 の 運 用 や 経 済 産 業 省 の 特 定 商 取 引 法 の 運 用 等 においては 違 法 行 為 の 是 正 のための 営 業 停 止 等 の 行 政 処 分 制 裁 のための 刑 事 告 発 等 はしてもすでに 生 じた 被 害 の 救 済 にはまったく 関 与 しない 一 方 支 援 行 政 サイド の 国 民 生 活 センターや 消 費 生 活 センターにおける 苦 情 処 理 あっせん 等 は 企 業 サイドの 自 発 的 な 合 意 がなければ 解 決 できず 返 金 等 の 被 害 救 済 額 は いわゆる 痛 み 分 け 等 両 当 事 者 の 面 子 や 主 張 の 落 としどころを 探 るケースが 多 く また 特 定 の 事 業 者 の 違 法 行 為 による 被 害 者 が 複 数 いても 救 済 するのは 苦 情 を 申 し 出 た 消 費 者 だけである このよう な 状 況 から 日 本 では 市 場 における 違 法 行 為 による 事 業 者 の 不 当 な 利 益 の 多 くは 当 該 事 業 者 の 懐 に 入 ったままで たとえ 行 政 処 分 等 の 制 裁 を 受 けてもやり 得 になってしまう 可 能 性 が 極 めて 高 い そこで 行 政 による 消 費 者 被 害 救 済 事 業 者 制 裁 のあり 方 について 考 察 する 2. 規 制 行 政 による 被 害 救 済 事 業 者 制 裁 日 本 の 規 制 行 政 は 被 害 を 受 けた 消 費 者 を 個 別 的 にも あるいは 被 害 者 が 多 数 いる 場 合 で * 日 本 女 子 大 学 家 政 学 部 助 教 授 1

もそれを 救 済 する 機 能 を 持 たない 行 政 の 規 制 の 目 的 は 公 益 のための 違 法 行 為 の 取 り 締 ま りであり 違 法 行 為 による 消 費 者 被 害 は 当 該 事 業 者 と 消 費 者 の 民 事 紛 争 であるとして 関 与 しないことを 旨 としているからである また 違 法 な 行 為 を 働 いた 事 業 者 に 制 裁 の 目 的 で 金 銭 を 徴 収 したり 不 当 利 益 を 徴 収 し たりするような 機 能 は 前 者 では 刑 法 典 あるいは 行 政 法 規 中 の 刑 事 規 定 ( 行 政 刑 法 ) 行 政 機 関 が 行 政 処 分 として 課 す 過 料 ( 軽 微 な 行 政 規 定 の 違 反 者 に 科 する 少 額 の 金 銭 罰 であり 刑 罰 ではない) 後 者 では 公 正 取 引 委 員 会 の 課 徴 金 (surcharge)( 公 正 取 引 委 員 会 が 独 禁 法 に 基 づき 行 政 処 分 として 価 格 カルテルや 入 札 談 合 等 価 格 に 影 響 を 与 えるカルテルを 行 った 事 業 者 に 課 す) 組 織 犯 罪 処 罰 法 違 反 に 対 する 犯 罪 収 益 の 追 徴 没 収 を 除 き 基 本 的 には 有 していない また 地 方 公 共 団 体 の 多 くは いわゆる 消 費 者 保 護 条 例 を 制 定 し て 事 業 者 規 制 を 行 っているが 事 業 者 が 条 例 で 定 める 禁 止 行 為 をした 場 合 の 制 裁 は 事 業 者 名 等 の 公 表 どまりである 以 下 規 制 行 政 が 事 業 者 に 対 する 金 銭 的 制 裁 等 のために 行 い 得 る 手 段 についてふれる (1) 刑 事 罰 刑 法 典 のほか 行 政 法 規 の 中 には その 規 定 の 違 反 者 に 対 して 刑 事 罰 を 定 めるいわゆる 行 政 刑 法 を 含 むものが 多 く そこでは 罰 金 刑 等 が 定 められている( 例 えば 特 定 商 取 引 法 70 条 ~74 条 ) 刑 事 罰 には 違 法 行 為 を 行 った 場 合 にすぐに 罰 金 を 科 す 直 罰 規 定 と 違 法 行 為 の 主 務 大 臣 等 による 命 令 に 従 わなかった 場 合 に 科 す 間 接 罰 規 定 がある こ れらの 刑 事 罰 を 含 む 消 費 者 保 護 関 連 の 行 政 法 規 は 事 業 者 等 に 対 して 消 費 者 の 利 益 を 損 な うことのないように 遵 守 すべき 準 則 を 定 め これに 違 反 した 者 に 対 して 刑 事 罰 を 科 すとい う 構 成 をとっている これらは 商 品 やサービスの 品 質 量 価 格 に 関 する 表 示 の 真 実 性 や 安 全 性 を 担 保 するための 刑 罰 法 規 である 罰 則 付 きあるということが 規 制 を 受 ける 側 にとっ ては 遵 守 の 大 きな 圧 力 になっている しかし 実 際 に 刑 事 罰 が 科 されるケースはまれであ る また 行 政 刑 法 と 言 えども 刑 罰 を 科 する 一 連 の 手 続 きは 司 法 警 察 職 員 検 察 官 裁 判 官 に 委 ねられており 行 政 庁 は 関 与 しない 行 政 庁 は 特 に 重 大 かつ 悪 質 な 違 反 を 捜 査 機 関 に 告 発 するに 止 まる その 告 発 に 関 しても 刑 事 訴 訟 法 239 条 2 項 は 官 吏 又 は 公 吏 は その 職 務 を 行 うことにより 犯 罪 があると 思 料 するときは 告 発 をしなければならな い としているが 消 費 者 行 政 は 必 ずしも 積 極 的 ではない なお 現 在 国 会 で 組 織 犯 罪 処 罰 法 の 改 正 審 議 がされており 同 法 違 反 により 追 徴 没 収 された 犯 罪 収 益 を 犯 罪 被 害 者 に 分 配 する 制 度 が 創 設 される 見 込 みであり 注 目 に 値 する (2) 課 徴 金 公 取 委 が 課 す 課 徴 金 は カルテルを 行 った 事 業 者 や 事 業 者 団 体 の 構 成 事 業 者 に 対 して カルテルの 排 除 措 置 のほかに 課 すことになっている( 独 禁 法 7 条 の2 8 条 の3) 課 徴 金 は カルテル 禁 止 規 定 の 実 効 性 を 確 保 するために 一 定 の 算 式 によって 計 算 した 額 を 国 庫 に 納 付 することを 命 ずる 行 政 上 の 措 置 である 課 徴 金 制 度 は 1977 年 ( 昭 和 52 年 )の 独 禁 法 の 改 正 によって 創 設 された 同 改 正 前 においては カルテル 行 為 者 に 対 する 措 置 と 2

して 排 除 措 置 命 令 刑 事 罰 損 害 賠 償 が 規 定 されていたが 実 際 には 刑 事 罰 と 損 害 賠 償 は ほとんど 機 能 しておらず 排 除 措 置 命 令 も 行 為 の 差 止 が 中 心 であったことから 行 為 者 は 独 禁 法 違 反 を 犯 して 公 取 委 の 行 政 処 分 を 受 けてもカルテルによる 利 得 はそのまま 享 受 できる という 状 況 にあった これに 対 して 昭 和 40 年 代 の 後 半 に 起 きた いわゆる 石 油 ショック による 急 激 なインフレの 中 で 企 業 の 価 格 引 き 上 げカルテルが 横 行 し これに 対 する 国 民 の 批 判 が 高 まったことから 1977 年 の 独 禁 法 改 正 において カルテルによって 得 た 不 当 な 利 益 を 剥 奪 することにより 社 会 的 公 正 の 確 保 違 反 行 為 の 抑 制 を 図 ろうという 趣 旨 で 設 けられたのが 課 徴 金 制 度 である その 後 1991 年 ( 平 成 3 年 )に 課 徴 金 の 強 化 ( 売 上 高 に 乗 じる 一 定 率 の 引 上 げ)が 行 われ 今 日 に 至 っている なお 現 状 では 課 徴 金 はカル テル( 不 当 な 取 引 制 限 )が 行 われた 場 合 に それを 行 った 事 業 者 や 事 業 者 団 体 の 構 成 事 業 者 に 課 すものであり 消 費 者 保 護 に 直 接 関 係 する 不 公 正 な 取 引 方 法 景 表 法 違 反 には 適 用 がない なお インサイダー 取 引 相 場 操 縦 風 説 の 流 布 有 価 証 券 届 出 書 の 虚 偽 記 載 を 対 象 に 証 券 取 引 法 の 規 定 に 違 反 した 者 に 対 する 課 徴 金 制 度 が 2005 年 4 月 1 日 から 導 入 され 注 目 に 値 する (3) 過 料 行 政 上 の 義 務 違 反 に 対 して 科 される 罰 である 行 政 罰 のなかに 刑 事 罰 ではない 過 料 があ る 過 料 は 行 政 上 の 秩 序 罰 と 呼 ばれる 過 料 は 刑 罰 ではないので 刑 法 総 則 や 刑 事 訴 訟 法 の 規 定 はない 行 政 刑 法 は 行 政 目 的 や 社 会 的 法 益 を 侵 害 する 行 為 に 対 して 科 されるのに 対 し 行 政 上 の 秩 序 罰 は 行 政 上 の 秩 序 を 害 する 行 為 に 対 して 科 されるという 説 明 が 一 般 的 に なされている 過 料 は 行 政 刑 罰 を 必 要 とするほど 悪 質 でない 行 為 を 対 象 としていると 考 え られる 典 型 的 には 登 記 や 届 出 の 義 務 を 怠 る 等 の 行 為 が 過 料 の 対 象 とされる 過 料 は 刑 事 罰 ではないので 刑 法 総 則 刑 事 訴 訟 法 の 適 用 は 受 けず 法 令 で 特 に 定 めがない 場 合 には 非 訟 事 件 手 続 法 の 規 定 によって 科 される 過 料 を 科 される 者 の 住 所 地 の 地 方 裁 判 所 によっ て 過 料 を 科 す( 同 法 第 206 条 207 条 第 1 項 ) 過 料 の 裁 判 については 申 立 者 がなく 裁 判 所 が 職 権 で 行 うこととなるが 事 実 上 は 違 反 行 為 を 発 見 した 行 政 機 関 の 通 知 に 基 づいて 過 料 の 裁 判 が 開 始 される 地 方 公 共 団 体 による 過 料 処 分 については 地 方 自 治 法 に 規 定 が あるため これによる 同 法 第 149 条 第 3 項 の 規 定 により 地 方 公 共 団 体 による 過 料 処 分 は 地 方 公 共 団 体 の 長 による 一 般 的 に 知 られている 過 料 の 適 用 は 行 政 庁 に 出 す 届 け 出 等 を 怠 った 場 合 である 例 えば 出 生 届 は 出 生 の 日 から 14 日 以 内 にしなければならず( 戸 籍 法 第 49 条 ) 正 当 な 理 由 が なくこの 期 間 内 に 届 出 をしない 届 出 義 務 者 は 3 万 円 以 下 の 過 料 に 処 せられることとなって いる( 同 法 第 120 条 ) 最 近 千 代 区 が 条 例 により 路 上 喫 煙 を 禁 止 し 違 反 者 から 2 千 円 の 過 料 ( 条 例 上 は3 万 円 以 内 )を 徴 収 しはじめたことが 注 目 されたが 消 費 者 保 護 分 野 で 過 料 の 適 用 によって 事 業 者 制 裁 を 行 っているような 状 況 は 皆 無 である 3

3. 支 援 行 政 による 被 害 救 済 事 業 者 制 裁 国 民 生 活 センターや 消 費 生 活 センターの 支 援 行 政 サイドでは 苦 情 を 持 ち 込 んだ 当 該 消 費 者 の 被 害 救 済 については 関 与 するが その 際 も 非 公 式 なあっせんが 中 心 であり 支 援 行 政 サイドには 事 業 者 に 対 する 命 令 権 紛 争 解 決 のための 合 意 勧 告 等 の 権 限 がないために 消 費 者 の 完 全 な 被 害 救 済 に 事 業 者 が 同 意 しない 場 合 いわゆる 落 としどころ を 探 し 痛 みわけで 終 わるケースもある また 同 一 事 業 者 の 違 法 行 為 による 被 害 者 が 市 場 に 複 数 いても 苦 情 を 持 ち 込 まない 消 費 者 の 被 害 救 済 には 当 然 関 与 できないし さらに 事 業 者 に 対 する 制 裁 というような 発 想 やその 権 限 を 持 っていない 規 制 行 政 が 消 費 者 の 私 的 救 済 に 無 関 心 であるのに 対 して 苦 情 相 談 をしてきた 消 費 者 の 被 害 救 済 には 積 極 的 に 関 与 している のは 事 実 であるが 言 い 方 を 代 えれば 規 制 行 政 サイドが 公 法 と 私 法 の 分 離 原 則 から 私 的 救 済 に 関 与 でいきないことの 裏 返 しとして 規 制 権 限 を 持 たない 支 援 行 政 を 発 達 させてき たということもできよう そのために 支 援 行 政 における 活 動 は 何 らかの 権 限 で 事 業 者 に 消 費 者 の 被 害 救 済 を 命 じるのではなく あくまで 調 停 やあっせんという 非 公 式 の 裁 判 外 紛 争 解 決 機 関 (ADR)として 機 能 していることとなる したがって 消 費 者 の 損 害 賠 償 請 求 権 を 行 政 が 代 わって 行 使 するとか 消 費 者 の 損 害 賠 償 請 求 を 支 援 するというよりも 両 当 事 者 の 間 に 入 って 解 決 を 促 すということに 主 目 的 があると 考 えられる 4. 現 行 制 度 の 問 題 点 (1) 民 事 救 済 制 度 の 不 備 最 大 の 問 題 点 は 違 反 者 のやり 得 を 許 してしまう 法 制 度 となっていることである 本 来 消 費 者 問 題 は 事 業 者 と 消 費 者 という 市 場 における 売 り 手 と 買 い 手 の 民 事 紛 争 が 中 心 である から その 解 決 には 私 人 間 の 民 事 手 続 きによることが 基 本 である しかしながら 民 事 紛 争 としての 消 費 者 問 題 の 解 決 は 以 下 のような 理 由 で 困 難 である まず 取 締 り 法 規 ( 業 法 )に 違 反 する 民 事 契 約 の 効 力 はただちに 否 定 されないというこ とである 日 本 では 本 格 的 な 消 費 者 私 法 は 十 分 に 整 備 されておらず 行 政 法 規 ( 業 法 )に より 違 法 行 為 を 是 正 することを 中 心 として 行 われてきた そのために 民 事 の 法 手 続 きによ る 救 済 は 容 易 ではない また 民 事 上 の 紛 争 解 決 を 通 じて 事 業 者 に 制 裁 を 加 えたり 不 当 な 利 益 の 吐 き 出 しを 行 わせるといった 発 想 にも 乏 しい 行 政 法 規 上 の 禁 止 行 為 は 行 政 権 の 発 動 要 件 に 過 ぎず 禁 止 行 為 によって 被 害 を 受 けた 消 費 者 は 行 政 による 救 済 を 受 けられず 自 ら 民 事 裁 判 に 訴 えて 行 政 法 規 に 違 反 することによって 公 序 良 俗 違 反 不 法 行 為 となる 等 と 主 張 する 必 要 ある また 実 際 の 裁 判 でも 消 費 者 側 の 過 失 認 定 がなされて 損 害 賠 償 金 が 相 殺 されてしまうことも 多 く 違 法 行 為 を 働 いた 事 業 者 に 有 利 な 法 制 度 といえる さらに たとえ 民 事 救 済 制 度 が 整 備 されていてもその 法 の 執 行 主 体 は 当 然 消 費 者 で あるからその 消 費 者 が 自 らの 権 利 に 無 知 であったり あるいは 権 利 侵 害 を 認 識 していても それを 自 らの 行 動 で 回 復 しなければ その 法 は 実 現 されない 4

(2) 行 政 による 活 動 の 不 備 限 界 まず 事 業 者 制 裁 に 消 極 的 な 主 務 官 庁 の 態 度 があげられる 近 年 変 化 の 兆 しはあるけ れども 消 費 者 のための 規 制 行 政 は 産 業 振 興 行 政 のなかに 埋 没 し 徹 頭 徹 尾 消 費 者 の 権 利 利 益 を 図 るというような 発 想 が 乏 しかった また 産 業 分 野 ごとの 縦 割 り 行 政 による 規 制 では 新 たな 分 野 での 消 費 者 被 害 についてはそれに 対 する 所 掌 が 明 確 でないために 対 応 が 遅 れたりあるいはまったく 規 制 官 庁 が 存 在 しないで 被 害 を 拡 大 させてしまう 場 合 もある 公 取 委 の 消 費 者 保 護 に 対 する 消 極 性 も 指 摘 されている 公 正 取 引 委 員 会 は 従 来 自 由 競 争 阻 害 性 を 限 定 的 に 解 釈 し 事 業 者 間 のカルテル 等 の 共 同 違 法 行 為 を 中 心 にその 概 念 を 構 築 してきたために 消 費 者 保 護 は 景 表 法 のみによって 認 識 されてきた そのため 事 業 者 制 裁 の 有 効 な 手 段 である 課 徴 金 はカルテルに 対 してのみ 適 用 され 独 禁 法 上 の 不 公 正 な 取 引 方 法 及 び 景 表 法 違 反 には 適 用 がない さらに こうした 行 政 規 制 は 通 常 主 務 大 臣 の 命 令 という 形 で 違 法 行 為 や 営 業 活 動 の 停 止 が 求 められるが その 命 令 には 消 費 者 に 対 する 損 害 賠 償 ( 被 害 救 済 )は 含 まれない そ のためにすでに 違 法 行 為 によって 被 害 を 受 けた 消 費 者 はここではまったく 救 済 されない 公 取 委 の 排 除 命 令 にも 消 費 者 被 害 の 救 済 は 含 まれないとされている 事 業 者 に 対 する 制 裁 としては 自 由 刑 を 含 む 刑 事 罰 が 有 効 であるが その 適 用 には 慎 重 で あるべきとの 理 念 ( 処 罰 の 謙 抑 性 )も 一 方 にあり また 行 政 による 刑 事 告 発 も 積 極 的 で ないこともあり 消 費 者 保 護 分 野 での 刑 事 規 制 は 限 定 的 である また 非 刑 事 罰 の 金 銭 罰 である 課 徴 金 や 過 料 は 消 費 者 保 護 分 野 での 適 用 は 皆 無 である たとえば 米 国 では civil penalty( 民 事 罰 あるいは 民 事 制 裁 金 と 訳 されている)という 制 裁 金 があり たと えば 州 の 消 費 者 保 護 法 には 欺 瞞 的 な 行 為 一 回 あたりに 5 千 ドルを 課 すというような 規 定 がある 州 の 司 法 長 官 (attorney general)は civil penalty を 求 めて 民 事 裁 判 に 訴 える ことができ また これは 違 法 行 為 一 回 あたりの 金 額 であるので 違 法 行 為 が 繰 り 返 され ていればその 分 をかけあわせることができる また 日 本 では 民 事 訴 訟 における 行 政 の 支 援 はほとんどない 米 国 では 裁 判 所 の 友 (amicus curiae)という 概 念 があり 裁 判 所 に 係 属 する 事 件 について 裁 判 所 に 第 三 者 が 情 報 あるいは 意 見 を 提 供 することができる 米 国 の 行 政 は 消 費 者 保 護 分 野 において 消 費 者 が 違 法 行 為 を 働 いた 事 業 者 を 民 事 裁 判 に 訴 えることがあれば 裁 判 所 の 友 としてしり 得 た 情 報 を 提 供 する これは 行 政 の 金 銭 的 人 的 資 源 には 限 界 があるから 私 訴 がその 不 十 分 な 部 分 を 補 い 社 会 的 正 義 実 現 のために 機 能 しているから 支 援 するのが 当 然 という 発 想 に 基 づくものである 5. 提 言 (1) 非 刑 事 の 制 裁 金 制 度 の 創 設 米 国 の civil penalty のような 非 刑 事 の 制 裁 金 を 行 政 が 違 法 行 為 者 に 課 すような 制 度 を 創 設 すべきである その 方 策 としては 公 取 委 がカルテルに 課 している 課 徴 金 を 独 禁 法 の 不 5

公 正 な 取 引 方 法 及 び 景 表 法 違 反 行 為 に 拡 張 することが 検 討 できる さらに 現 在 国 庫 に 納 入 されている 課 徴 金 を 被 害 を 受 けた 消 費 者 に 分 配 するようにすれば 制 裁 と 損 害 賠 償 を 同 一 化 することができる (2) 行 政 による 損 害 賠 償 請 求 権 制 度 の 創 設 公 取 委 は 行 政 処 分 として 排 除 措 置 命 令 を 行 うことができる 通 常 不 当 表 示 に 対 して 排 除 措 置 として 命 じることができる 措 置 は 是 正 広 告 命 令 不 作 為 命 令 将 来 の 広 告 の 提 出 命 令 是 正 広 告 についての 報 告 であり これらは 不 当 表 示 によって 生 じた 消 費 者 の 誤 認 の 排 除 及 び 違 反 行 為 の 再 発 防 止 を 目 的 としており 民 事 救 済 命 令 はできないとされて いる 経 済 産 業 省 等 の 主 務 官 庁 でも 同 様 であり いわゆる 取 締 り 法 規 ( 業 法 )によって 主 務 大 臣 は 指 示 命 令 等 の 行 政 処 分 により 違 反 行 為 に 対 して 制 裁 を 加 えることはできる けれども 行 政 処 分 に 被 害 救 済 措 置 を 含 めることはない すなわち 行 政 法 規 ( 地 方 公 共 団 体 の 消 費 者 保 護 条 例 を 含 む)においては 行 政 権 限 としての 消 費 者 の 私 的 救 済 を 定 めた 条 文 はない なぜならば これらは 行 政 法 規 であり 公 法 に 属 し 公 法 は 基 本 的 には 私 人 間 契 約 の 効 力 に 影 響 を 及 ぼすものではないとの 原 則 があるからである 行 政 が 自 らの 権 限 で 消 費 者 の 被 害 救 済 を 事 業 者 に 命 じる 制 度 の 創 設 を 検 討 すべきである (3) 自 主 規 制 の 活 用 による 制 裁 強 化 近 年 自 主 規 制 分 野 の 重 要 性 が 指 摘 されている 自 主 ルールのなかで 損 害 賠 償 や 制 裁 金 を 定 めることも 検 討 できる 一 例 として 自 主 ルールの 分 野 で 過 怠 金 を 事 業 者 団 体 が 違 法 行 為 を 行 った 会 員 から 徴 収 するものがある 商 品 取 引 所 法 により 経 済 産 業 大 臣 の 認 可 を 受 けた 日 本 商 品 先 物 取 引 協 会 はその 定 款 で 法 法 に 基 づく 命 令 又 は 法 に 基 づいてす る 主 務 大 臣 の 処 分 に 違 反 する 行 為 をしたとき あるいは 同 会 の 定 款 紛 争 処 理 規 程 自 主 規 制 規 則 その 他 の 規 則 及 び 本 会 の 決 議 事 項 指 導 勧 告 処 分 等 に 違 反 したとき 等 の 過 怠 金 を 定 めている そして 同 協 会 の 定 款 に 定 める 規 律 委 員 会 が 同 協 会 が 定 める 制 裁 規 程 に 基 づき 制 裁 の 種 類 ( 譴 責 過 怠 金 の 賦 課 会 員 の 権 利 の 停 止 又 は 制 限 )とその 内 容 を 決 定 する 過 怠 金 については 同 規 程 で 1 億 円 以 下 の 過 怠 金 の 賦 課 との 定 めがある ただし 過 怠 金 は 消 費 者 への 被 害 救 済 には 利 用 されない むすび 田 中 英 夫 竹 内 昭 夫 両 教 授 は 日 本 には 法 律 を 運 用 するのは 行 政 庁 であり 私 人 は 裁 判 所 においてその 法 律 が 認 めた 救 済 庇 護 を 求 めよという 行 政 と 民 事 訴 訟 との 乖 離 分 裂 の 状 態 があるとする 公 法 と 私 法 を 異 なる 次 元 の 法 理 として 扱 い 行 政 は 私 人 間 の 契 約 関 係 には 立 ち 入 らないことを 旨 とする 従 来 の 姿 勢 を 改 めることが 必 要 であろう 従 来 日 本 の 消 費 者 法 制 は 行 政 中 心 主 義 であり その 問 題 意 識 は 消 費 者 ひとりひとりの 権 利 利 益 確 保 よりも 経 済 の 担 い 手 である 総 体 としの 一 般 消 費 者 の 利 益 の 考 慮 であった 今 後 は 権 利 主 体 としての 消 費 者 の 私 的 救 済 を 容 易 にし かつその 権 利 主 体 たる 消 費 者 の 擁 護 者 と しての 役 割 を 行 政 は 担 うべきである 6