ため, 地 方 の 市 町 村 では 過 疎 化 と 少 子 高 齢 化 が 急 速 に 進 展 し, 商 業 施 設 や 医 療 施 設 の 撤 退 など 社 会 サービス 水 準 の 低 下 を 招 き,これが 更 なる 過 疎 化 に 拍 車 をかけ るという 悪 循 環 に 陥 っている こ



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130117_『高齢社会をむかえた東京23区の将来 人口と建物の関係から見て

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容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

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16 日本学生支援機構

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

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( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

高 第 3 種 17m 第 3 種 20m 第 3 種 30m 第 3 種 40m 第 3 種 30m 40m 建 築 物 の 各 部 分 の 高 さは 当 該 部 分 から 前 面 道 路 1 建 築 物 の 高 さは20メートル

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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別紙3

は し が き



船橋市地域住宅計画(第1回変更)様式変更

対 象 外 区 域 以 下 の 区 域 は 原 則 として 策 定 区 域 に 含 めないこと (1) 農 業 振 興 地 域 の 整 備 に 関 する 法 律 に 規 定 する 農 用 地 区 域 (2) 優 良 農 地 ( 一 団 のまとまりのある 農 地 や 農 業 水 利 施 設 の 整 備

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2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

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(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

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公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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6. 共 有 等 に 係 る 固 定 資 産 の 判 定 3 共 有 に 係 る 固 定 資 産 については それぞれの 共 有 者 が 他 に 固 定 資 産 を 所 有 している 場 合 であっても その 資 産 とは 別 個 に 共 有 されている 固 定 資 産 を 別 の 人 格 が 所

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

01.活性化計画(上大久保)

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

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1 目的

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

基 準 地 価 格 3 年 に1 度 審 議 直 近 ではH23 年 12 月 に 審 議 土 地 評 価 替 えの 流 れと 固 定 資 産 評 価 審 議 会 基 準 地 とは 土 地 評 価 の 水 準 と 市 町 村 間 の 均 衡 を 確 保 するための 指 標 となるものであり 各 市

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

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Transcription:

論 文 国 勢 調 査 と 住 宅 地 図 を 併 用 した 人 口 分 布 データ 作 成 手 法 の 提 案 Suggestion of the Technique for Creating Data about Population Distribution with National Census and Housing Data 山 元 隆 稔 ( 愛 知 大 学 三 遠 南 信 地 域 連 携 研 究 センター) 要 旨 地 方 都 市 の 過 疎 化 が 急 速 に 進 展 する 現 在, 政 策 立 案 および 政 策 評 価 を 行 う 上 で 人 口 の 変 化 と その 分 布 を 捉 えることは 重 要 である この 人 口 分 布 を 捉 えるための 情 報 としては 一 般 的 に 国 勢 調 査 による 統 計 データが 用 いられている しかし, 国 勢 調 査 の 実 施 は 5 年 に 1 度 であり 集 計 単 位 も 500m が 最 小 ( 都 市 部 を 除 く)であることから, 地 方 の 小 規 模 自 治 体 において 詳 細 な 人 口 分 布 の 把 握 は 難 しい そこで 本 稿 では, 国 勢 調 査 による 集 計 データに 住 宅 地 図 データデータベース (Zmap-TOWNⅡ: 株 式 会 社 ゼンリン)を 組 み 合 わせた 詳 細 人 口 分 布 データ 作 成 手 法 の 提 案 を 行 う 加 えて, 人 口 分 布 データ 作 成 を 容 易 に 進 めるためのプラグインを 開 発 し, 愛 知 県 北 設 楽 郡 東 栄 町 を 対 象 に 詳 細 人 口 分 布 データを 作 成 および 国 勢 調 査 による 地 域 集 計 データとの 若 干 の 比 較 を 行 った キーワード: 地 理 情 報 システム(GIS), 国 勢 調 査, 人 口 分 布,プラグイン 開 発 1.はじめに 1.1 研 究 背 景 我 が 国 の 人 口 は2005 年 をピークに 人 口 減 少 社 会 へと 突 入 している 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 ( 以 下, 社 人 研 )が 2012 年 1 月 に 公 表 した 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 24 年 1 月 推 計 ): 出 生 中 位 死 亡 中 位 推 計 1) によれば,2060 年 までに 総 人 口 は2010 年 の 約 3 分 の2に 当 たる8,674 万 人 まで 減 少 すると 予 測 されている( 図 1) 加 えて, 就 職 や 就 学 による 地 方 から 都 市 部 への 人 口 移 動 が 著 しく, 特 に 三 大 都 市 圏 への 転 入 超 過 が 顕 著 である さら に1970 年 代 に 入 ると 転 入 超 過 は 首 都 圏 への 一 極 集 中 の 状 態 となっている この 図 1 1) 出 生 中 位 ( 死 亡 中 位 ) 推 計 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 63 -

ため, 地 方 の 市 町 村 では 過 疎 化 と 少 子 高 齢 化 が 急 速 に 進 展 し, 商 業 施 設 や 医 療 施 設 の 撤 退 など 社 会 サービス 水 準 の 低 下 を 招 き,これが 更 なる 過 疎 化 に 拍 車 をかけ るという 悪 循 環 に 陥 っている この 様 な 過 疎 地 域 では, 居 住 地 が 分 散 し 商 業 施 設 などの 利 用 に 自 動 車 が 不 可 欠 な 場 合 が 多 いため 高 齢 者 のような 交 通 弱 者 による 利 用 は 困 難 な 状 況 である このため, 生 活 必 需 品 の 宅 配 サービスなどの 福 祉 サービ スの 充 実 や 社 会 インフラ 整 備 の 推 進 が 大 きな 課 題 である 地 域 の 人 口 規 模 や 年 齢 構 造, 人 口 分 布 を 的 確 に 把 握 することは 福 祉 サービスや 社 会 インフラ 整 備 などの 行 政 施 策 を 検 討 評 価 する 上 で 重 要 である 地 域 の 人 口 分 布 を 把 握 するための 手 法 として は, 都 市 計 画 学 や 地 理 学 をはじめとして 様 々な 分 野 で 用 いられているGIS( 地 理 情 報 システム:Geographic Information System)がある このGISとは, 建 物 や 道 路 などの 地 物 (フィーチャ)の 空 間 的 な 位 置 関 係 やそれぞれのフィーチャが 持 つ 属 性 値 を 用 いて 定 量 的 かつ 空 間 的 な 分 析 解 析 を 行 い,それらを 視 覚 的 に 情 報 提 供 するシステムである 紙 媒 体 の 地 図 とは 異 なり, 情 報 の 管 理 や 検 索, 更 新 が 容 易 であると 共 にレイヤーと 呼 ばれる 個 別 のデータを 重 ね 合 わせによって 新 たな 情 報 ( 知 見 )の 抽 出 も 可 能 である 本 稿 では,GISを 用 いた 建 物 単 位 の 詳 細 人 口 分 布 データ 作 成 手 法 について 提 案 すると 共 に 過 疎 地 域 の 政 策 検 討 における 活 用 について 既 存 データと 若 干 の 比 較 検 討 を 行 う 1.2 対 象 地 域 本 稿 では, 過 疎 化 および 少 子 高 齢 化 が 著 しい 中 山 間 地 域 である 愛 知 県 北 設 楽 郡 の 東 栄 町 を 研 究 対 象 地 域 とする 東 栄 町 は, 愛 知 県 北 東 部 の 奥 三 河 地 域 に 位 置 す る 人 口 3,757 人 (2010 年 国 勢 調 査 より), 面 積 123.4km 2 の 中 山 間 地 域 の 町 である 町 は 12 の 大 字 から 成 り, 中 央 に 位 置 する 本 郷 地 区 には 中 心 市 街 地 が 形 成 され 人 口 の 約 4 分 の1が 集 中 すると 共 に 町 役 場 も 立 地 している( 図 2, 表 1) 南 部 の 三 輪 地 区 には 町 で 唯 一 の 駅 舎 であるJR 飯 田 線 の 東 栄 駅 が 立 地 している 人 口 は, 他 の 中 山 間 地 域 の 都 市 と 同 様 に 年 々 減 少 しており,1980 年 当 時 は 6,236 人 であった 人 口 は2010 年 には3,757 図 2 対 象 地 域 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 64 -

表 1 対 象 地 域 の 概 要 地 区 名 人 口 ( 人 ) 面 積 (km 2 ) 総 数 構 成 比 総 数 構 成 比 月 198 5.4 10.48 8.5 中 設 楽 438 11.9 10.48 8.5 東 薗 目 77 2.1 15.80 12.8 西 薗 目 59 1.6 6.29 5.1 御 園 93 2.5 5.69 4.6 足 込 106 2.9 10.32 8.4 下 田 686 18.7 5.83 4.7 川 角 72 2.0 2.44 2.0 本 郷 887 24.1 8.01 6.5 奈 根 38 1.0 3.45 2.8 三 輪 562 15.3 11.88 9.6 振 草 462 12.6 32.67 26.5 出 所 :S55~ H22 までの 国 勢 調 査 を 基 に 筆 者 作 成 図 3 人 口 および 少 子 高 齢 化 率 の 推 移 人 と30 年 で 約 40% 減 少 している( 図 3) 加 えて, 年 少 人 口 割 合 は16.5%から8.0% に, 高 齢 人 口 割 合 は18.4%から47.8%に なり 少 子 化 高 齢 化 の 進 展 が 著 しい こ の 人 口 減 少 少 子 高 齢 化 は 今 後 も 進 行 すると 予 測 されており, 社 人 研 によれ ば2040 年 時 点 での 東 栄 町 の 人 口 は1,665 人, 年 少 人 口 割 合 は6.5%, 高 齢 人 口 割 合 は59.6%と 推 計 されている 全 国 平 均 の 年 少 人 口 割 合 が 10.0 %, 高 齢 人 口 割 合 が 36.1%と 推 計 されていることからも 東 栄 町 における 少 子 高 齢 化 は 深 刻 である また, 周 囲 には 明 神 山 (1,016m)を はじめとする1,000m 級 の 山 々が 連 なり, 町 の 約 9 割 を 山 林 が 占 めている 2) さら に, 天 竜 川 や 豊 川 の 水 源 地 となっており 豊 富 な 森 林 資 源 と 水 資 源 を 有 する 土 地 で ある 2. 人 口 分 布 に 関 するデータ 人 口 規 模 や 年 齢 構 造 を 捉 えるデータと しては 国 勢 調 査 による 統 計 情 報 が 一 般 的 に 用 いられている 国 勢 調 査 は, 我 が 国 の 統 計 法 に 定 める 基 幹 統 計 調 査 とし て 総 務 省 統 計 局 により5 年 に1 度 実 施 さ れている 調 査 結 果 は, 総 務 省 統 計 局 が 中 心 となって 開 発 し, 独 立 行 政 法 人 統 計 センターが 運 用 管 理 するポータルサイト e-stat ( 図 4)を 通 じて 広 く 一 般 に 公 開 されている また, 筆 者 らは 東 栄 町 協 力 の 基, 土 砂 図 4 e-stat 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 65 -

小 地 域 統 計 地 域 メッシュ 統 計 カーネル 密 度 推 定 手 法 図 5 人 口 分 布 データ 災 害 リスクの 分 析 を 目 的 として 建 物 単 位 の 人 口 ポイントデータを 作 成 した そし てこの 人 口 ポイントデータとカーネル 密 度 推 計 手 法 を 用 いて 人 口 分 布 を 表 す 手 法 を 開 発 した 図 5にGISとそれぞれのデータを 用 い て 表 した 人 口 分 布 図 を 示 す 2.1 小 地 域 統 計 による 人 口 分 布 小 地 域 統 計 とは, 市 区 町 村 よりも 小 さ い 町 丁 字 などの 単 位 で 統 計 情 報 を 集 計 し たものである 小 地 域 統 計 を 使 用 する 利 点 としては 以 下 の 内 容 が 挙 げられる 区 画 が 町 丁 字 などを 基 本 としている ため 区 画 に 地 理 的 (コミュニティ 的 ) 側 面 から 意 味 を 持 たせることが 可 能 2.2 地 域 メッシュ 統 計 による 人 口 分 布 いう)の 区 域 に 分 割 し,それぞれのメッ シュで 人 口 などの 統 計 データを 集 計 した ものである e-stat では 基 準 地 域 メッシュ( 約 1km) および2 分 の1 地 域 メッシュ( 約 500m) で 集 計 されたデータを 入 手 することが 出 来 る また, 一 部 地 域 ( 東 京 都 特 別 区 お よび 政 令 指 定 都 市, 県 庁 所 在 地 を 含 む2 次 地 域 区 画 )については4 分 の1 地 域 メッ シュ( 約 250m)を 入 手 可 能 である 地 域 メッシュ 統 計 を 使 用 する 利 点 とし ては 以 下 の 内 容 が 挙 げられる メッシュの 形 状, 大 きさがほぼ 同 じ であるためメッシュ 相 互 の 統 計 量 の 比 較 が 容 易 メッシュの 位 置 が 行 政 境 界 に 依 存 し ていないため 合 併 等 により 行 政 境 界 に 変 更 が 生 じた 場 合 でも 時 系 列 比 較 が 可 能 地 域 メッシュ 統 計 とは, 緯 度 経 度 に 基 づいた 地 域 メッシュ( 以 下,メッシュと 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 66 -

2.3 カーネル 密 度 推 定 による 人 口 分 布 筆 者 らは, 拙 著 3) において 東 栄 町 の 土 砂 災 害 リスクを 定 量 的 かつ 空 間 的 な 分 析 を 試 みた この 土 砂 災 害 リスクを 分 析 に おいて, 災 害 影 響 範 囲 に 居 住 する 人 口 を 算 出 する 必 要 があったが, 災 害 影 響 範 囲 に 比 べ 小 地 域 統 計 や 地 域 メッシュ 統 計 の 集 計 規 模 が 大 きくデータ 粒 度 が 荒 いため 地 域 の 特 徴 を 捉 える 上 で 適 切 とは 言 えな いと 考 えた そこで, 詳 細 な 人 口 分 布 を 捉 えるため に,まず, 東 栄 町 の 協 力 を 得 て 建 物 単 位 の 人 口 データ(ポイントデータ)を 作 成 した ここで 作 成 した 人 口 データは, 居 住 地 ( 建 物 )の 中 心 にポイントを 生 成 し, 居 住 人 口 を 属 性 値 として 付 与 したもので ある この 人 口 データを 基 にカーネル 密 度 推 定 手 法 ( 図 6)を 用 いて 人 口 分 布 を 表 した この 手 法 は 人 口 点 ( 建 物 )を 中 心 に, 適 宜 設 定 した 観 測 範 囲 の 半 径 に 基 づき 発 生 させたガウス 分 布 を 重 ね 合 わせ ることで 地 域 の 人 口 分 布 ( 確 率 密 度 )を 算 出 する 手 法 である 本 手 法 の 利 点 としては 以 下 の 内 容 が 挙 げられる 小 地 域 やメッシュなどの 区 画 で 統 計 量 を 集 計 しないためより 詳 細 な 人 口 分 布 を 表 現 することが 可 能 行 政 境 界 などの 変 更 の 影 響 も 受 けな いため 時 系 列 比 較 が 可 能 詳 細 な 人 口 分 布 を 捉 えることが 可 能 3. 人 口 分 布 データ 作 成 手 法 の 提 案 3.1 既 存 手 法 の 課 題 前 章 で 整 理 したように 国 勢 調 査 の 小 地 域 統 計 または 地 域 メッシュ 統 計 は 無 償 で 提 供 されていることから 人 口 分 布 データ としては 上 記 のいずれかを 用 いる 場 合 が 多 い しかし, 小 地 域 統 計 を 用 いて 人 口 分 布 データを 作 成 した 場 合, 区 画 規 模 の バラツキが 大 きいため 地 域 相 互 の 比 較 に は 適 していない 加 えて, 行 政 境 界 の 変 化 などにより 区 画 形 状 も 変 化 することか 図 6 3) カーネル 密 度 関 数 を 用 いた 人 口 分 布 推 定 の 概 念 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 67 -

判 別 するための 閾 値 の 設 定 は 定 性 的 に 成 らざるを 得 ない 3.2 本 研 究 の 人 口 分 布 データ 作 成 手 法 図 7 地 域 メッシュ 統 計 の 課 題 ら 経 年 での 比 較 も 難 しい さらに, 本 稿 において 対 象 とする 東 栄 町 のような 小 規 模 な 自 治 体 では 小 地 域 が 細 かく 分 割 され ていない 場 合 が 多 いため 概 略 的 な 分 布 を 捉 えることも 難 しい また, 地 域 メッ シュ 統 計 により 人 口 分 布 データを 作 成 す る 場 合, 区 画 の 形 状 と 規 模 はほぼ 統 一 さ れていることから 小 地 域 統 計 の 抱 える 課 題 は 概 ね 解 決 している しかし, 図 7に 示 すようにメッシュの 位 置 が 若 干 異 なる だけで 結 果 に 影 響 が 出 ることも 想 定 され る 一 方 で, 拙 著 のカーネル 密 度 推 定 を 用 いた 手 法 の 場 合, 決 まった 区 画 で 統 計 量 を 集 計 していないことから 小 地 域 統 計 お よび 地 域 メッシュ 統 計 による 課 題 は 概 ね 解 消 されていると 考 える しかし, 仮 定 値 である 観 測 範 囲 半 径 設 定 の 確 たる 根 拠 はないため,( 拙 著 では 一 般 的 に 日 常 生 活 距 離 が400mであったことから 建 物 を 中 心 に 半 径 200mと 設 定 した) 経 験 的 感 覚 的 に 成 らざるを 得 ない 加 えて, 俯 瞰 的 に 人 口 分 布 の 疎 密 を 捉 えることは 可 能 であるが 算 出 される 値 は 正 規 分 布 に 基 づく 確 率 密 度 であることから 密 集 地 域 を (1) 本 手 法 の 基 本 的 概 念 以 上 の 課 題 を 踏 まえると, 小 規 模 自 治 体 においては 地 域 メッシュ 統 計 の 様 に 集 計 区 画 を 統 一 すると 共 に 集 計 区 画 間 の 統 計 量 の 変 化 を 平 滑 化 することが 必 要 であ ると 考 える また,カーネル 密 度 推 定 手 法 のように 相 対 的 に 人 口 の 疎 密 を 表 すだ けでなく 算 出 される 値 を 人 口 密 度 ( 人 / km 2 )の 様 に 定 量 的 に 比 較 できるものと することで 政 策 検 討 や 政 策 評 価 に 資 する 人 口 分 布 データとする (2) 使 用 データ 本 稿 では, 建 物 単 位 の 詳 細 人 口 データ を 作 成 する ここで,カーネル 密 度 推 定 手 法 において 使 用 した 人 口 データは 東 栄 町 が 所 持 する 統 計 データを 基 に 作 成 した が, 個 人 情 報 が 多 分 に 含 まれておりデー タの 入 手 や 整 備 が 難 しい そこで, 使 用 するデータについては 比 較 的 容 易 に 入 手 可 能 であることとし, 表 2に 示 す3つの データを 用 いる (3) 人 口 分 布 データ 作 成 の 流 れ 本 研 究 では, 以 下 の7 工 程 により 人 口 分 布 データを 作 成 する なお, 愛 知 大 学 ではGISソフトウェアとしてArcGISを 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 68 -

表 2 使 用 データ データ 名 内 容 出 典 有 償, 無 償 の 別 センサスデータ 国 勢 調 査 ( 小 地 域 ) 男 女 別 人 口 総 数 及 び 世 帯 数 小 地 域 形 状 (ポリゴンデータ)を 含 むシェープファイル e-stat4) 無 償 建 物 データ 表 札 データベース 住 宅 地 図 データベース Zmap-TOWN Ⅱ 建 物 形 状 (ポリゴンデータ)を 含 むシェープファイル 属 性 値 として 建 物 用 途 などが 含 まれる 株 式 会 社 ゼンリン 有 償 住 宅 地 図 データベース Zmap-TOWN Ⅱ 居 住 世 帯 情 報 のデータベース 採 用 しているが 自 治 体 で 新 たに 導 入 する 場 合 も 考 慮 し,フリーソフトウェアであ る Quantum GIS( 以 下,QGIS という) を 使 用 する 図 8 表 札 データベース 1 建 物 ポイントデータの 生 成 建 物 データ(ポリゴンフィーチャ)よ り, 全 ての 建 物 重 心 に 建 物 ポイント(ポ イントフィーチャ)を 生 成 した 建 物 ポイ ントデータを 作 成 する ここで, 建 物 データの 建 物 ID と 建 物 用 途 の 属 性 値 を 建 物 ポイントデータにコピーす る 物 ポイントデータと 関 連 付 け 居 住 世 帯 数 の 属 性 値 を 付 与 する 最 後 に, 上 記 の 方 法 で 居 住 世 帯 数 が 付 与 された 建 物 ポ イントを 除 き, 建 物 用 途 の 属 性 値 が 住 居 系 の 建 物 について1 世 帯 が 居 住 している ものと 仮 定 し 居 住 世 帯 数 として1を 付 与 する 2 世 帯 情 報 の 集 計 と 属 性 値 の 付 与 3 1 世 帯 当 たり 人 口 の 算 出 表 札 データベースは 集 合 住 宅 など 複 数 センサスデータの 小 地 域 ポリゴンと 建 世 帯 が 居 住 する 住 戸 について 居 住 世 帯 の 情 報 を 図 8に 示 す 形 式 で 整 理 したもので ある 1つのデータ(カラム)が1 世 帯 を 表 しており 居 住 建 物 のIDが 付 与 されて いる そこでまず, 同 一 建 物 IDを 持 つカ ラム 数 を 集 計 し, 集 合 住 宅 等 の 居 住 世 帯 物 ポイントデータの 空 間 的 な 位 置 関 係 よ りQGISの 空 間 結 合 機 能 を 用 いて 小 地 域 ポリゴンに 居 住 世 帯 数 の 集 計 値 を 付 与 する そして, 集 計 居 住 世 帯 数 と 小 地 域 人 口 を 基 に 1 世 帯 当 たり 人 口 を 算 出 する 数 を 算 出 する 次 に, 建 物 IDを 基 に 建 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 69 -

4 各 ポイントの 人 口 算 出 3と 同 様 に 小 地 域 ポリゴンと 建 物 ポイ ントデータの 空 間 的 な 位 置 関 係 より 建 物 ポイントに1 世 帯 当 たり 人 口 を 付 与 す る そして,1 世 帯 当 たり 人 口 と 居 住 世 帯 数 を 基 に 各 建 物 ポイントの 居 住 人 口 を 算 出 する 5 人 口 集 計 レイヤーの 生 成 まず, 規 則 的 な 点 郡 機 能 を 用 いて 対 象 地 域 にグリッド 状 のポイントフィー チャ(グリッドポイント)を 生 成 する 次 に, 居 住 人 口 を 集 計 するためにグリッ ドポイントを 中 心 とした 集 計 メッシュを 生 成 する ここで, 地 域 メッシュ 統 計 の 課 題 として 挙 げているメッシュの 位 置 関 係 による 集 計 値 差 異 の 発 生 を 極 力 防 ぐた め 集 計 メッシュサイズをグリッドポイン トの 間 隔 より 大 きくし, 集 計 メッシュ 同 士 が 重 複 することで 集 計 居 住 人 口 を 平 滑 化 する 本 研 究 では,グリッドポイント を50m 間 隔 で 生 成 し, 集 計 メッシュのサ イズを100m 四 方 とした 7 内 挿 補 間 による 地 図 化 集 計 居 住 人 口 が 付 与 されたグリッドポ イントデータを 基 に データ 補 間 機 能 を 用 いて 集 計 居 住 人 口 ラスタデータを 作 成 する 3.3 プラグインの 開 発 前 節 に 示 すように, 人 口 分 布 データの 作 成 工 程 は 若 干 煩 雑 であり, 不 便 さが 残 ることも 考 えられる ここで,QGIS の 利 点 として 無 償 であるという 以 外 にもプラ グインと 呼 ばれる 拡 張 機 能 の 開 発 及 び 再 頒 布 も 比 較 的 容 易 である 5) という 事 が 挙 げられる そこで 本 研 究 では1~6まで の 工 程 を 一 括 で 処 理 できるプラグインを 作 成 した( 図 9) 6 人 口 集 計 まず, 集 計 メッシュと 建 物 ポイント データの 空 間 的 位 置 関 係 を 基 に 空 間 結 合 機 能 を 用 いて 集 計 メッシュに 居 住 人 口 の 集 計 値 を 付 与 する 次 に, 空 間 結 合 機 能 を 用 いて 集 計 メッシュに 付 与 さ れた 集 計 居 住 人 口 をグリッドポイントに 付 与 する 図 9 プラグイン 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 70 -

4.まとめと 今 後 の 課 題 本 研 究 では, 小 規 模 自 治 体 における 政 策 検 討 や 政 策 評 価 に 資 することを 目 的 と して 建 物 単 位 の 詳 細 な 人 口 分 布 データの 作 成 手 法 の 提 案 を 行 った 加 えて, 円 滑 な 人 口 分 布 データの 作 成 を 補 助 するた め, 人 口 分 布 データの 作 成 工 程 をまとめ たプラグインを 開 発 した 図 10および 図 11は 東 栄 町 の 中 心 部 である 本 郷 地 区 の 人 口 分 布 を 地 域 統 計 メッシュと 本 手 法 で 表 したものである これら 図 より, 本 手 法 による 人 口 分 布 は 建 物 の 立 地 に 合 わせ 人 口 の 粗 密 を 表 現 できており, 既 往 の 手 法 に 比 べより 細 密 に 地 域 の 状 況 を 捉 え, 政 策 検 討 や 政 策 評 価 に 資 することが 出 来 るのではないかと 考 える しかし 使 用 するデータの 内, 建 物 デー タや 表 札 データベースは 株 式 会 社 ゼンリ ンより 毎 年 発 行 されているため 必 要 な 時 点 のデータを 入 手 することは 比 較 的 容 易 である しかし,センサスデータは 国 勢 調 査 が5 年 に1 度 であるため5 年 間 隔 でし か 入 手 することが 出 来 ない 国 勢 調 査 の 実 施 間 時 点 における 人 口 は 国 勢 調 査 によ る 人 口 を 基 準 として,その 後 の 人 口 動 向 を 加 減 して 推 計 されている しかし,こ の 人 口 推 計 は 小 地 域 単 位 では 実 施 されて いないため 国 勢 調 査 の 実 施 間 時 点 の 人 口 分 布 データ 作 成 する 場 合, 人 口 の 按 分 方 法 について 検 討 する 必 要 がある また, 本 研 究 では 小 規 模 自 治 体 の 人 口 分 布 を 表 現 するという 点 と 一 般 的 に 用 いられる 人 口 密 度 の 単 位 として( 人 /ha)があるこ とから 集 計 範 囲 を100mメッシュ, 集 計 間 隔 を 50m と 設 定 したが,これらの 設 定 値 については 自 治 体 の 規 模 などに 応 じて 適 切 な 値 を 検 討 することが 必 要 である 図 10 図 11 地 域 統 計 メッシュ 人 口 分 布 本 手 法 による 人 口 分 布 参 考 文 献 1) 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 : 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 24 年 1 月 推 計 ),2012 2) 東 栄 町 : 東 栄 町 の 森 づくり~ 豊 かな 森 と 伝 統 芸 能 が 息 づく 町 ~( 東 栄 町 森 づくり 基 本 計 画 ),2010 3) 蒋 湧, 山 元 隆 稔 [ 他 ]: 自 治 体 における GISを 活 用 した 土 砂 災 害 リスクの 空 間 的 分 析, 地 域 政 策 学 ジャーナル, 第 5 巻, 第 1 号 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 71 -

2015.7 4)http://www.e-stat.go.jp/SG1/ estat/estattopportal.do, (2015.11.20 accessed) 5) 今 木 洋 大 :Quantum GIS 入 門, 古 今 書 院, 2013.11 愛 知 大 学 情 報 メディアセンター - 72 -