平 成 27 年 度 税 制 改 正 に 関 する 要 望 平 成 26 年 7 月 名 古 屋 商 工 会 議 所
我 が 国 の 経 済 情 勢 は 安 倍 政 権 下 での 金 融 財 政 政 策 が 功 を 奏 し 極 端 な 円 高 水 準 の 是 正 や 株 価 の 上 昇 とともに 本 年 4 月 以 降 の 消 費 増 税 の 影 響 を 吸 収 しつ つ 経 済 再 生 とデフレ 脱 却 に 向 けた 着 実 な 動 きが 見 られるようになった こうした 中 我 が 国 経 済 の 持 続 的 な 成 長 と 雇 用 賃 金 の 改 善 を 伴 う 望 ましい 物 価 上 昇 という 経 済 の 好 循 環 を 実 現 し 拡 大 することが 求 められている 1. 新 たな 成 長 戦 略 に 基 づき 経 済 の 好 循 環 を 持 続 拡 大 熾 烈 なグローバル 競 争 の 下 我 が 国 の 競 争 力 強 化 のためには 競 争 相 手 であ るアジア 諸 国 に 遜 色 ない 法 人 実 効 税 率 への 引 き 下 げなど 大 胆 な 税 制 措 置 と 規 制 改 革 の 実 現 が 不 可 欠 である 本 年 6 月 閣 議 決 定 された 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2014 ( 骨 太 の 方 針 )ならびに 新 たな 成 長 戦 略 日 本 再 興 戦 略 改 訂 2014 に 基 づき 我 が 国 の 成 長 力 強 化 に 向 けた 取 り 組 みを 迅 速 且 つ 着 実 に 実 行 し 経 済 の 好 循 環 を 持 続 拡 大 することが 急 務 である 2. 中 小 企 業 の 活 力 強 化 ならびに 地 域 経 済 の 活 性 化 中 小 企 業 においても 本 年 4 月 の 消 費 増 税 による 影 響 からの 早 期 の 景 気 回 復 期 待 が 聞 かれ 始 めているが 業 種 毎 にバラツキがあるほか 円 安 による 原 材 料 価 格 の 上 昇 やエネルギーコストの 増 大 に 加 えて 人 件 費 等 の 上 昇 を 懸 念 する 声 も 多 く 依 然 として 先 行 きへの 不 透 明 感 は 払 拭 されていない また 国 内 市 場 の 縮 小 やグローバル 化 の 進 展 から 海 外 や 新 分 野 進 出 に 活 路 を 求 める 中 小 企 業 も 増 えている 一 方 で 企 業 数 は 年 々 減 少 を 続 けている こうした 中 創 業 促 進 等 をはじめとして 地 域 経 済 の 成 長 の 担 い 手 である 中 小 企 業 の 挑 戦 や 活 力 強 化 を 後 押 しする 政 策 の 拡 充 が 求 められている 3. 社 会 インフラをはじめとした 事 業 産 業 基 盤 の 整 備 促 進 経 済 成 長 力 の 強 化 持 続 的 発 展 を 支 えるためにも 社 会 インフラ( 鉄 道 空 港 港 湾 道 路 等 ) 及 びその 周 辺 地 域 の 整 備 促 進 に 努 めるとともに 甚 大 な 被 害 が 想 定 される 南 海 トラフ 等 巨 大 地 震 への 防 災 減 災 対 策 などを 含 めた 事 業 基 盤 な らびに 産 業 基 盤 の 拡 充 強 化 が 急 務 となっている 以 上 のような 考 えのもと 名 古 屋 商 工 会 議 所 では 平 成 27 年 度 税 制 改 正 について 次 頁 以 降 のとおり 要 望 する
一 経 済 再 生 と 財 政 健 全 化 に 対 する 意 見 目 次 1. 法 人 実 効 税 率 の 引 き 下 げ 1 2. 消 費 税 の 複 数 税 率 導 入 に 反 対 1 二 個 別 要 望 事 項 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 Ⅰ. 中 小 企 業 関 連 税 制 1. 法 人 実 効 税 率 のさらなる 引 き 下 げ 2 2. 法 人 実 効 税 率 引 き 下 げ 財 源 手 当 てのための 過 度 な 課 税 強 化 の 排 除 2 3. 事 業 承 継 税 制 の 抜 本 的 な 見 直 し 2 4. 中 小 企 業 の 海 外 展 開 支 援 税 制 の 拡 充 4 5. 新 規 創 業 ベンチャー 支 援 税 制 の 拡 充 4 6. 市 場 開 拓 や 販 売 促 進 等 を 支 援 する 税 制 措 置 の 創 設 5 7. 中 小 企 業 の 税 法 上 の 基 準 拡 大 ならびに 中 堅 企 業 への 税 制 支 援 措 置 の 創 設 5 8. 留 保 金 課 税 の 撤 廃 5 9. 人 材 育 成 促 進 税 制 の 創 設 5 10. 個 人 事 業 主 の 所 得 税 などの 負 担 軽 減 6 11. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 恒 久 化 6 Ⅱ. 企 業 税 制 1. 法 人 実 効 税 率 のさらなる 引 き 下 げ( 再 掲 ) 6 2. 欠 損 金 繰 戻 還 付 制 度 の 適 用 停 止 措 置 の 廃 止 6 3. 事 業 所 税 の 廃 止 7 4. 印 紙 税 の 廃 止 7 5. 自 動 車 取 得 税 自 動 車 重 量 税 の 廃 止 7 6. 石 油 に 課 せられる 税 の 廃 止 7 7. 役 員 報 酬 手 当 て 等 に 係 る 税 制 措 置 の 見 直 し 7 8. 企 業 の 少 子 化 対 策 ならびに 女 性 の 活 躍 を 促 進 する 税 制 の 創 設 8 9. 知 的 財 産 権 における 税 制 面 での 優 遇 措 置 の 創 設 8 10. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 恒 久 化 8 Ⅲ. 土 地 資 産 に 係 る 税 制 1. 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 の 負 担 の 軽 減 8 2. 不 動 産 譲 渡 所 得 に 係 る 税 制 の 見 直 し 9 3. 不 動 産 取 得 税 ならびに 登 録 免 許 税 の 廃 止 9 4. 地 価 税 特 別 土 地 保 有 税 の 廃 止 9 5. 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 拡 充 9 6. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 拡 充 10 Ⅳ. 地 域 に 係 る 税 制 1. 地 域 防 災 減 災 に 係 る 税 制 優 遇 措 置 の 創 設 拡 充 10 2. 観 光 事 業 に 係 る 税 制 の 創 設 拡 充 11 3. 地 方 法 人 特 別 税 の 撤 廃 11 4. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 拡 充 11 Ⅴ. 環 境 に 係 る 税 制 1. 地 球 温 暖 化 対 策 税 の 抜 本 的 見 直 し 11 Ⅵ. 申 告 納 税 制 度 1. 社 会 保 障 税 共 通 の 番 号 制 度 の 導 入 12 2. 電 子 申 告 納 税 システム(e-Tax)の 整 備 12 3. 申 告 納 税 期 限 の 延 長 12 4. 効 率 的 で 簡 素 な 徴 税 12
一. 経 済 再 生 と 財 政 健 全 化 に 対 する 意 見 経 済 再 生 と 財 政 健 全 化 の 両 立 の 観 点 から 税 制 面 で 特 に 重 要 と 考 えるのは 以 下 の2 点 である 1. 法 人 実 効 税 率 の 引 き 下 げ (1)アジア 諸 国 並 み(20% 台 前 半 )への 引 き 下 げ 中 小 企 業 の 活 力 強 化 をはじめ 我 が 国 の 立 地 競 争 力 を 高 め 企 業 の 国 際 競 争 力 を 強 化 するため アジア 諸 国 など 競 争 相 手 国 とのイコールフッティングの 実 現 が 急 務 である 可 及 的 早 期 に 法 人 実 効 税 率 を 20% 台 前 半 へ 引 き 下 げるべきである 特 に 地 域 経 済 の 中 核 をなす 中 小 企 業 の 軽 減 税 率 については 国 際 競 争 に 打 ち 勝 つ 水 準 (11% 以 下 )にまで 引 き 下 げるとともに 適 用 所 得 金 額 800 万 円 から 1,600 万 円 へ 拡 大 を 図 るべきである (2) 中 小 企 業 への 過 度 な 課 税 強 化 を 回 避 し 行 財 政 改 革 の 徹 底 により 代 替 財 源 を 捻 出 すべき 地 域 の 経 済 と 雇 用 を 支 える 中 小 企 業 の 黒 字 法 人 数 は 約 74 万 社 と 黒 字 法 人 全 体 の 98%を 占 めている また 赤 字 法 人 であっても 雇 用 や 社 会 保 険 料 等 の 支 払 い を 通 じて 経 済 社 会 基 盤 の 維 持 を 支 えている( 中 小 企 業 全 体 の 支 える 雇 用 は 全 体 の 約 7 割 3,200 万 人 社 会 保 険 料 の 民 間 事 業 主 拠 出 金 の 約 5 割 約 12 兆 円 を 負 担 ) こうした 観 点 から 法 人 減 税 の 代 替 財 源 については 中 小 企 業 の 課 税 ベース 拡 大 ( 法 人 事 業 税 の 外 形 課 税 拡 大 欠 損 金 繰 越 控 除 制 度 の 制 限 等 )など 単 なる 財 源 確 保 といった 中 小 法 人 の 負 担 が 増 加 するような 安 易 な 見 直 しは 厳 に 回 避 すべきで あり 経 済 再 生 と 財 政 健 全 化 との 両 立 に 留 意 しつつ 行 財 政 改 革 の 徹 底 による 歳 出 削 減 や 成 長 競 争 力 重 視 の 政 策 実 行 による 歳 入 増 加 を 図 ることにより 他 の 税 目 を 含 めた 予 算 全 体 の 中 で 且 つ 複 数 年 度 でカバーすべきである 2. 消 費 税 の 複 数 税 率 導 入 に 反 対 複 数 税 率 の 導 入 については 以 下 のような 問 題 があり 反 対 である 真 に 支 援 が 必 要 な 者 に 対 しては 複 数 税 率 導 入 ではなく マイナンバー 制 度 の 速 やかな 導 入 によるきめ 細 かな 給 付 で 対 応 するべきである 加 えて 住 宅 のよう に 高 額 で かつ 産 業 としての 視 点 からも 高 い 経 済 波 及 効 果 を 有 する 商 品 等 につい ては 別 途 優 遇 措 置 を 講 ずることが 必 要 である 1 社 会 保 障 財 源 の 毀 損 軽 減 税 率 分 の 財 源 補 填 のために 社 会 保 障 給 付 の 削 減 や 消 費 税 の 更 なる 引 き 上 げ 等 が 必 要 となり 国 民 に 別 の 形 で 負 担 を 強 いる 2 対 象 品 目 の 選 定 困 難 対 象 品 目 の 線 引 きが 難 しい 導 入 済 のEU 諸 国 では 大 きな 混 乱 が 生 じており 我 が 国 でも 同 様 の 事 態 が 想 定 される 3 中 小 企 業 の 事 務 負 担 の 増 加 インボイス 等 の 導 入 は 中 小 事 業 者 に 多 大 な 事 務 負 担 を 強 いる 1
二 個 別 要 望 事 項 Ⅰ. 中 小 企 業 関 連 税 制 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 1. 法 人 実 効 税 率 のさらなる 引 き 下 げ 法 人 税 率 ( 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 含 む)は 平 成 26 年 度 に 復 興 増 税 分 が 前 倒 しで 廃 止 されたが 国 際 的 に 見 て 未 だ 高 い 水 準 にある 我 が 国 の 立 地 競 争 力 を 高 め 企 業 の 国 際 競 争 力 を 強 化 する 観 点 から 法 人 実 効 税 率 をアジア 諸 国 並 み(20% 台 前 半 )に 引 き 下 げるべきである 特 に 中 小 法 人 の 活 力 強 化 を 図 るため 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 は 国 際 競 争 に 打 ち 勝 つ 水 準 (11% 以 下 )まで 引 き 下 げるべきで ある 併 せて 適 用 所 得 金 額 800 万 円 から 1,600 万 円 へ 拡 大 を 図 るべきである (1) 法 人 実 効 税 率 のアジア 諸 国 並 み(20% 台 前 半 )への 引 き 下 げ (2) 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 は 国 際 競 争 に 打 ち 勝 つ 水 準 へ 拡 充 ( 税 率 11% 以 下 へ 引 き 下 げ 適 用 所 得 金 額 800 万 円 から 1,600 万 円 へ 拡 大 ) 2. 法 人 実 効 税 率 引 き 下 げ 財 源 手 当 てのための 過 度 な 課 税 強 化 の 排 除 (1) 中 小 企 業 への 法 人 事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 の 適 用 拡 大 に 断 固 反 対 従 業 員 給 与 に 課 税 する 法 人 事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 を 労 働 分 配 率 が 8 割 にも 達 する 中 小 企 業 にも 適 用 することは 雇 用 の 維 持 を 困 難 にし アベノミ クスで 取 り 組 む 賃 金 引 き 上 げを 抑 制 するなど 経 済 の 好 循 環 の 実 現 を 阻 害 し 地 域 経 済 の 衰 退 を 招 くことから 適 用 すべきではない (2) 欠 損 金 繰 越 控 除 をはじめ 中 小 企 業 税 制 の 縮 減 反 対 中 小 企 業 は 損 益 分 岐 点 比 率 が 高 く 景 気 変 動 の 影 響 を 大 きく 受 ける 特 性 が あり 国 際 的 にも 多 くの 国 では 中 小 企 業 の 欠 損 金 繰 越 控 除 を 制 限 していない こうした 欠 損 金 繰 越 控 除 の 利 用 制 限 や 中 小 法 人 向 け 租 税 特 別 措 置 の 利 用 制 限 留 保 金 課 税 の 中 小 企 業 への 拡 大 など 中 小 企 業 にこれ 以 上 の 負 担 を 課 すべきではない 中 小 企 業 の 課 税 ベース 拡 大 については 中 小 企 業 の 特 性 を 考 慮 して 中 小 企 業 の 成 長 に 寄 与 するか 制 度 の 公 平 性 簡 素 化 といった 点 から 検 討 すべき であり 単 なる 財 源 確 保 といった 観 点 で 検 討 すべきではない 3. 事 業 承 継 税 制 の 抜 本 的 な 見 直 し 平 成 25 年 度 改 正 において 事 業 承 継 税 制 は 一 部 の 利 用 要 件 緩 和 や 手 続 きの 簡 素 化 が 実 現 するなど 使 い 勝 手 が 改 善 され 平 成 27 年 1 月 からの 施 行 となってい るが 経 営 承 継 円 滑 化 法 施 行 5 年 経 過 後 ( 平 成 25 年 10 月 以 降 )の 見 直 しに 合 わせて 以 下 に 掲 げるように 中 小 企 業 の 実 態 やニーズに 即 した 抜 本 的 な 見 直 し を 行 い 一 層 円 滑 な 事 業 承 継 税 制 を 実 現 すべきである 2
(1) 非 上 場 株 式 に 係 る 相 続 税 贈 与 税 の 納 税 猶 予 制 度 については 雇 用 確 保 や 経 済 活 力 の 維 持 に 資 するためにも 中 小 企 業 者 にとってより 使 い 勝 手 のよ い 制 度 とすべき 相 続 税 の 納 税 猶 予 割 合 の 引 き 上 げ( 現 行 8 割 を 10 割 へ) 経 営 承 継 円 滑 化 法 成 立 時 の 付 帯 決 議 において 検 討 課 題 とされた 相 続 税 の 納 税 猶 予 割 合 の 100%への 引 き 上 げについて 円 滑 な 事 業 承 継 のため に 実 現 すべき 発 行 済 議 決 権 株 式 総 数 の 上 限 ( 現 行 3 分 の 2)の 撤 廃 納 税 猶 予 の 対 象 となる 自 社 株 式 について 相 続 等 により 取 得 した 議 決 権 株 式 等 と 相 続 開 始 前 から 保 有 していた 議 決 権 株 式 等 を 合 わせて 発 行 済 議 決 権 株 式 の 総 数 の 3 分 の 2 までとする 上 限 があるが これを 撤 廃 し 全 ての 株 式 を 対 象 とすべき 納 税 猶 予 開 始 後 5 年 経 過 時 点 での 納 税 免 除 後 継 者 死 亡 等 の 時 点 まで 納 税 が 免 除 されないことについて 納 税 猶 予 開 始 後 5 年 経 過 時 点 で 納 税 を 免 除 することとすべき 事 前 確 認 制 度 の 任 意 化 経 済 産 業 大 臣 の 事 前 確 認 が 不 要 となったことから 中 小 事 業 者 が 制 度 の 詳 細 内 容 を 認 識 しておらず 相 続 開 始 時 に 要 件 を 満 たしていないこと を 理 由 に 制 度 を 利 用 できないという 事 態 が 生 じることが 危 惧 される こうした 事 態 を 生 じさせないためにも 中 小 事 業 者 に 対 する 利 用 要 件 等 を 含 めた 本 制 度 の 周 知 徹 底 を 図 るとともに 必 要 とするものには 事 前 確 認 制 度 を 利 用 させるなど 任 意 化 して 不 測 の 事 態 を 回 避 すべき 贈 与 税 の 納 税 猶 予 の 認 定 取 消 時 に 相 続 税 精 算 課 税 制 度 を 選 択 可 能 とする 制 度 の 創 設 贈 与 税 の 納 税 猶 予 の 認 定 が 取 り 消 された 場 合 に 暦 年 課 税 制 度 による 贈 与 税 の 負 担 に 加 え 5 年 以 内 の 取 消 しは 納 税 猶 予 開 始 後 また 5 年 経 過 後 の 取 消 しについては 5 年 経 過 後 の 期 間 について 利 子 税 が 付 加 される ため( 平 成 25 年 度 税 制 改 正 において 経 営 承 継 期 間 である 5 年 間 の 利 子 税 が 免 除 されることとなった) 事 業 承 継 が 極 めて 困 難 になる 認 定 取 消 時 のリスク 軽 減 を 図 る 観 点 から 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 選 択 可 能 とする 措 置 を 講 ずるべき 納 税 猶 予 制 度 の 複 数 人 利 用 現 行 の 納 税 猶 予 制 度 は 株 式 の 分 散 防 止 と 株 式 の 集 中 による 安 定 的 な 事 業 の 継 続 が 重 要 との 考 え 方 に 基 づき 後 継 者 を 1 人 に 定 めその 者 に 対 して 納 税 猶 予 の 利 用 を 認 めている しかしながら 人 材 が 限 られる 中 小 企 業 では 兄 弟 で 事 業 を 行 っている 場 合 も 多 く 納 税 猶 予 を 利 用 できる 者 を 1 人 に 限 定 することは 現 実 的 で ないことから 後 継 者 を 兄 弟 など 複 数 人 で 利 用 できる 制 度 に 見 直 すべき 3
遺 留 分 に 関 する 民 法 特 例 を 親 族 外 承 継 へ 拡 大 親 族 に 限 らず 適 任 者 を 後 継 者 とする 親 族 外 承 継 が 認 められたことに 合 わせて 遺 留 分 に 関 する 民 法 特 例 についても 親 族 外 承 継 に 適 用 できるよ う 拡 大 すべき (2) 取 引 相 場 のない 株 式 の 評 価 方 法 の 見 直 し 相 続 税 納 税 猶 予 制 度 を 活 用 しない 事 業 承 継 にあたっては 依 然 として 相 続 税 の 負 担 は 大 きい 取 引 相 場 のない 株 式 は 換 金 性 に 乏 しいことを 勘 案 し その 評 価 方 法 を 見 直 すべきである 特 に 類 似 業 種 比 準 価 額 計 算 上 の 基 となる 標 本 会 社 の 選 定 基 準 を 明 らか にして 一 定 期 間 固 定 化 するとともに 業 種 目 別 株 価 等 を 2 ヶ 月 以 内 に 発 表 するなど 審 査 の 透 明 性 公 平 性 迅 速 性 を 高 めるべきである また 今 後 法 人 実 効 税 率 の 引 き 下 げや 路 線 価 上 昇 による 純 資 産 価 額 方 式 の 評 価 額 増 加 が 予 想 される 中 中 小 法 人 の 株 価 評 価 にあたっては 同 方 式 による 評 価 額 算 定 上 の 軽 減 措 置 を 講 じるか あるいは 株 価 評 価 額 の 併 用 割 合 を 引 き 下 げるなどの 配 慮 が 必 要 である (3) 自 己 株 式 のみなし 配 当 課 税 の 撤 廃 非 上 場 株 式 の 発 行 会 社 への 売 却 については みなし 配 当 として 最 高 50% の 税 率 で 課 税 されるが 相 続 後 は 株 式 譲 渡 益 として 20%の 課 税 となる 特 例 措 置 が 図 られている ついては 相 続 前 の 自 己 株 式 購 入 などによる 事 業 承 継 の 円 滑 化 を 図 るため 相 続 前 についてもみなし 配 当 課 税 を 廃 止 すべきで ある 4. 中 小 企 業 の 海 外 展 開 支 援 税 制 の 拡 充 少 子 高 齢 化 に 伴 う 国 内 市 場 の 縮 小 経 済 のグローバル 化 の 進 展 に 対 応 するた め 海 外 展 開 を 積 極 的 に 推 進 する 中 小 企 業 が 増 加 している こうした 中 小 企 業 の 海 外 展 開 を 後 押 しする 税 制 面 の 措 置 ( 投 資 リスクの 軽 減 含 む)が 必 要 である (1) 海 外 展 開 への 取 り 組 みに 係 る 費 用 ( 海 外 コンサル 費 用 など)の 税 額 控 除 の 創 設 (2) 海 外 事 業 の 撤 退 に 際 し 損 失 が 発 生 した 場 合 撤 退 費 用 の 一 定 割 合 の 税 額 控 除 や 資 源 開 発 事 業 に 限 られている 海 外 投 資 等 損 失 準 備 金 制 度 の 拡 充 (3) 海 外 子 会 社 配 当 の 全 額 益 金 不 算 入 (4) 海 外 子 会 社 の 経 営 基 盤 の 早 期 安 定 化 のために 少 なくとも 設 立 後 1 年 間 は 親 会 社 による 人 件 費 負 担 を 海 外 寄 付 金 対 象 から 除 外 5. 新 規 創 業 ベンチャー 支 援 税 制 の 拡 充 現 在 企 業 の 開 業 率 が 廃 業 率 を 下 回 る 状 況 が 続 いており 企 業 数 の 減 少 に 歯 止 めが 掛 かっていない 斯 かる 状 況 を 打 開 するには 新 規 開 業 やベンチャー 企 業 の 創 業 準 備 段 階 から 4
強 力 にサポートするとともに 税 制 面 からも 支 援 措 置 が 必 要 である (1)ベンチャー 企 業 への 投 資 促 進 の 観 点 から エンジェル 税 制 を 拡 充 すべき 1 適 用 企 業 の 要 件 緩 和 ( 売 上 高 成 長 率 (25% 超 )の 引 き 下 げ ならびに 創 業 条 件 3 年 以 内 を 5 年 以 内 へ 延 長 等 ) 2 投 資 額 の 所 得 控 除 の 上 限 額 ( 総 所 得 額 の 40%もしくは 1,000 万 円 のいずれ か 低 いほう)の 引 き 上 げ 3 損 失 繰 越 控 除 期 間 を 3 年 から 5 年 へ 延 長 (2) 創 業 後 5 年 間 に 生 じた 欠 損 金 の 繰 越 控 除 期 間 の 無 期 限 化 (3) 創 業 者 の 親 族 等 から 贈 与 された 創 業 資 金 に 係 る 贈 与 税 非 課 税 枠 (1,000 万 円 ) の 創 設 (4) 社 会 保 険 料 の 会 社 負 担 分 の 大 幅 な 減 免 措 置 の 創 設 (5) 会 社 設 立 に 係 る 印 紙 税 および 登 録 免 許 税 の 廃 止 6. 市 場 開 拓 や 販 売 促 進 等 を 支 援 する 税 制 措 置 の 創 設 中 小 企 業 の 事 業 拡 大 や 事 業 育 成 にとって 不 可 欠 な 製 品 の 市 場 開 拓 や 販 売 促 進 等 を 支 援 する 税 制 措 置 の 創 設 が 必 要 である 7. 中 小 企 業 の 税 法 上 の 基 準 拡 大 ならびに 中 堅 企 業 への 税 制 支 援 措 置 の 創 設 中 小 企 業 の 成 長 を 促 進 するため 法 人 税 法 において 資 本 金 1 億 円 以 下 と されている 中 小 法 人 の 範 囲 を 中 小 企 業 基 本 法 の 基 準 に 合 わせて 資 本 金 3 億 円 以 下 まで 拡 大 すべきである これに 伴 い 中 小 企 業 関 連 の 租 税 特 別 措 置 を 適 用 拡 大 すべきである また 地 域 経 済 を 牽 引 する 中 堅 企 業 ( 資 本 金 3 億 円 超 10 億 円 以 下 )は 地 域 経 済 や 中 小 企 業 への 波 及 効 果 が 大 きく 例 えば 研 究 開 発 税 制 の 深 堀 部 分 (12%) や 中 小 企 業 投 資 促 進 税 制 をはじめとした 中 小 企 業 向 け 租 税 特 別 措 置 を 適 用 する など 成 長 に 向 けた 取 り 組 みへの 後 押 し( 税 制 支 援 措 置 )が 重 要 である 8. 留 保 金 課 税 の 撤 廃 企 業 にとって 財 務 基 盤 の 強 化 は 極 めて 重 要 にも 関 わらず 自 己 資 本 の 充 実 を 抑 制 し 企 業 の 成 長 を 阻 害 する 留 保 金 課 税 は 廃 止 すべきである(ただし 平 成 19 年 度 税 制 改 正 において 資 本 金 1 億 円 以 下 の 中 小 法 人 について 適 用 除 外 ) 9. 人 材 育 成 促 進 税 制 の 創 設 中 小 企 業 は 経 営 資 源 に 乏 しく 人 材 の 確 保 や 育 成 が 重 要 課 題 となっており 採 用 活 動 に 伴 う 費 用 や 教 育 訓 練 費 などを 控 除 する 税 制 措 置 を 創 設 すべきである また 新 たな 成 長 戦 略 に 盛 り 込 まれた 外 国 人 材 の 活 用 について 中 小 企 業 に おける 外 国 の 高 度 人 材 や 留 学 生 等 の 採 用 促 進 の 観 点 から 採 用 活 動 費 や 語 学 研 修 をはじめとする 教 育 訓 練 費 等 に 関 して 格 段 の 税 制 措 置 を 講 ずるべきである 5
10. 個 人 事 業 主 の 所 得 税 などの 負 担 軽 減 個 人 事 業 者 の 経 営 基 盤 強 化 のためには 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 の 引 き 下 げに 合 わせ 個 人 事 業 者 に 対 する 所 得 税 などの 負 担 軽 減 を 図 るべきである 具 体 的 に は 青 色 申 告 特 別 控 除 (65 万 円 ) 個 人 事 業 主 の 事 業 主 控 除 (290 万 円 )を 拡 充 すべきである 11. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 恒 久 化 (1) 中 小 法 人 等 の 法 人 税 率 ( 軽 減 税 率 )の 特 例 の 延 長 拡 充 平 成 23 年 度 税 制 改 正 において 法 人 税 率 に 合 わせて 引 き 下 げられた 中 小 法 人 等 の 軽 減 税 率 の 特 例 適 用 期 限 を 延 長 した 上 で 国 際 競 争 に 打 ち 勝 つ 水 準 へ 拡 充 すべきである( 税 率 11% 以 下 へ 引 き 下 げ 適 用 所 得 金 額 800 万 円 から 1,600 万 円 へ 拡 大 ) ( 再 掲 ) (2) 商 業 サービス 業 農 林 水 産 業 活 性 化 税 制 の 延 長 拡 充 平 成 25 年 度 税 制 改 正 で 創 設 された 商 業 サービス 業 農 林 水 産 業 活 性 化 税 制 を 延 長 恒 久 化 すべきである なお 商 業 サービス 業 の 店 舗 改 修 等 には 野 立 て 看 板 や 広 告 塔 などへの 投 資 需 要 もあることから 現 行 器 具 備 品 建 設 付 属 設 備 に 限 定 されて いる 対 象 設 備 に 構 築 物 ( 広 告 用 のもの)を 追 加 すべきである (3) 中 小 企 業 の 貸 倒 引 当 金 の 特 例 の 延 長 資 本 金 1 億 円 以 下 の 中 小 企 業 等 に 認 められている 貸 倒 引 当 金 の 損 金 算 入 の 特 例 を 延 長 すべきである (4) 信 用 保 証 制 度 に 係 る 税 制 の 延 長 中 小 企 業 の 円 滑 な 資 金 調 達 のため 信 用 保 証 協 会 が 受 ける( 根 ) 抵 当 権 設 定 登 記 に 係 る 登 録 免 許 税 の 軽 減 措 置 を 延 長 すべきである Ⅱ. 企 業 税 制 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 1. 法 人 実 効 税 率 のさらなる 引 き 下 げ( 再 掲 ) Ⅰ. 中 小 企 業 関 連 税 制 の1. 法 人 実 効 税 率 のさらなる 引 き 下 げ と 同 じ (1) 法 人 実 効 税 率 のアジア 諸 国 並 み(20% 台 前 半 )への 引 き 下 げ (2) 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 は 国 際 競 争 に 打 ち 勝 つ 水 準 へ 拡 充 ( 税 率 11% 以 下 へ 引 き 下 げ 適 用 所 得 金 額 800 万 円 から 1,600 万 円 へ 拡 大 ) 2. 欠 損 金 繰 戻 還 付 制 度 の 適 用 停 止 措 置 の 廃 止 平 成 21 年 度 税 制 改 正 において 資 本 金 1 億 円 以 下 の 中 小 法 人 等 にはその 適 用 停 止 措 置 が 廃 止 された しかしながら 本 来 事 業 年 度 課 税 の 欠 陥 を 補 うものと して 法 人 税 法 に 規 定 されているものであり 中 小 法 人 等 と 同 様 にその 適 用 停 止 措 置 を 全 面 的 に 廃 止 すべきである 6
3. 事 業 所 税 の 廃 止 事 業 所 税 の 資 産 割 部 分 は 固 定 資 産 税 等 と 従 業 者 割 は 外 形 標 準 化 され た 法 人 事 業 税 と 二 重 課 税 となっており また 企 業 および 人 口 の 集 積 する 都 市 のみへの 課 税 と 都 市 間 の 公 平 性 を 欠 くことから 事 業 所 税 を 廃 止 すべきである 4. 印 紙 税 の 廃 止 平 成 25 年 度 税 制 改 正 で 不 動 産 譲 渡 契 約 や 金 銭 有 価 証 券 の 受 取 書 に 係 る 税 率 が 引 き 下 げられたが そもそも 電 子 商 取 引 が 一 般 化 し ペーパーレス 化 が 進 展 する 中 課 税 上 の 不 公 平 感 や 事 務 負 担 軽 減 から 印 紙 税 を 廃 止 すべきである 5. 自 動 車 取 得 税 自 動 車 重 量 税 の 廃 止 平 成 26 年 度 税 制 改 正 において 自 動 車 取 得 税 は 消 費 税 率 10%への 引 き 上 げ 時 に 廃 止 するとされたが 速 やかに 廃 止 すべきである なお その 代 替 財 源 の 捻 出 を 安 易 な 増 税 に 頼 ることなく 不 断 の 行 政 改 革 等 に 取 り 組 むことによって 財 源 捻 出 を 不 要 とすべきである また 自 動 車 重 量 税 は 自 動 車 税 (または 軽 自 動 車 税 )との 二 重 課 税 となって いることから 速 やかに 廃 止 すべきである 6. 石 油 に 課 せられる 税 の 廃 止 国 内 産 業 の 発 展 のためには 国 際 的 なイコールフッティングと 国 際 競 争 力 の 維 持 が 必 要 である 現 在 消 費 税 との 二 重 課 税 になっている 石 油 諸 税 ( 揮 発 油 税 地 方 揮 発 油 税 石 油 ガス 税 石 油 石 炭 税 など)を 廃 止 すべきである 7. 役 員 報 酬 手 当 て 等 に 係 る 税 制 措 置 の 見 直 し (1) 役 員 給 与 については 税 務 上 定 期 同 額 給 与 事 前 確 定 届 出 給 与 利 益 連 動 給 与 の 3 類 型 のみ 損 金 算 入 が 認 められているが 役 員 給 与 は 職 務 執 行 に おける 対 価 であることから 原 則 全 額 損 金 算 入 とすべきである 特 に 景 気 変 動 の 影 響 を 大 きく 受 ける 中 小 企 業 の 特 性 を 踏 まえれば 経 営 健 全 化 の 見 地 から 役 員 給 与 を 期 中 に 減 額 せざるを 得 ない 場 合 もある こうした 場 合 に 対 応 するため 中 小 企 業 にも 新 たに 利 益 連 動 給 与 を 認 める か 定 期 同 額 給 与 で 経 営 悪 化 時 に 認 められる 期 中 変 更 要 件 の 弾 力 化 を 図 るべ きである 現 行 の 期 中 変 更 要 件 は 極 めて 限 定 的 であるため 恣 意 性 等 がある 場 合 を 除 き 合 理 的 理 由 による 期 中 変 更 が 認 められるよう 柔 軟 で 機 動 的 な 仕 組 みとすべきである (2) 平 成 24 年 度 税 制 改 正 において 勤 続 5 年 以 下 の 役 員 が 受 け 取 る 退 職 金 の 1 /2 課 税 が 廃 止 された 功 労 として 1 期 のみ 役 員 登 用 された 場 合 にも 本 措 置 が 適 用 されるが 勤 続 年 数 条 項 は 従 業 員 期 間 と 通 算 する 措 置 へ 見 直 すべきで ある 7
8. 企 業 の 少 子 化 対 策 ならびに 女 性 の 活 躍 を 促 進 する 税 制 の 創 設 少 子 化 が 急 速 に 進 展 している 中 で 仕 事 と 子 育 ての 両 立 や 女 性 の 活 躍 支 援 に 取 り 組 む 企 業 に 対 し 育 休 や 短 時 間 勤 務 者 の 代 替 要 員 を 確 保 した 場 合 の 人 件 費 育 児 支 援 サービスの 提 供 に 要 する 経 費 などに 対 する 税 額 控 除 制 度 を 創 設 すべ きである また 女 性 の 活 躍 を 促 進 する 観 点 から 配 偶 者 控 除 等 所 得 税 の 諸 控 除 のあり 方 については 税 制 の 枠 組 みのみに 留 まらず 子 育 て 支 援 や 待 機 児 童 の 解 消 な ど 社 会 基 盤 の 環 境 整 備 を 含 めた 女 性 の 働 き 方 に 中 立 的 な 税 制 社 会 保 障 制 度 を 構 築 する 中 で 総 合 的 に 検 討 すべきである 9. 知 的 財 産 権 における 税 制 面 での 優 遇 措 置 の 創 設 知 的 財 産 立 国 を 目 指 すわが 国 にとって 知 的 財 産 の 保 護 利 用 流 通 を 促 進 させることが 重 要 であることから 国 際 特 許 並 びに 商 標 登 録 等 の 登 録 費 用 の 一 定 割 合 を 税 額 控 除 する 措 置 を 創 設 すべきである また 未 利 用 特 許 などの 活 用 促 進 のため ライセンスや 特 許 の 取 得 費 用 は 税 額 控 除 する 措 置 あるいは 一 時 損 金 処 理 または 特 別 償 却 制 度 を 創 設 するとともに ライセンス 供 与 や 譲 渡 を 行 う 際 の 所 得 課 税 を 軽 減 すべきである 10. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 恒 久 化 (1) 生 産 等 設 備 投 資 促 進 税 制 の 恒 久 化 企 業 の 設 備 投 資 を 促 進 するために 平 成 25 年 度 税 制 改 正 において 創 設 されたこ の 制 度 は 国 内 における 設 備 投 資 が 増 加 した 場 合 に 機 械 装 置 について その 取 得 価 額 の 30% 特 別 償 却 又 は 取 得 価 額 の 3% 税 額 控 除 ( 法 人 税 額 の 20%を 限 度 ) を 認 めるもの この 利 用 を 促 進 するため 利 用 要 件 を 拡 充 するとともに 恒 久 化 すべきである (2)グリーン 投 資 減 税 ( 環 境 関 連 投 資 促 進 税 制 )の 恒 久 化 平 成 23 年 度 税 制 改 正 において 創 設 された クリーンエネルギー( 太 陽 光 風 力 発 電 設 備 )の 導 入 を 条 件 としたグリーン 投 資 減 税 のうち 100% 即 時 償 却 の 適 用 期 限 が 到 来 する( 現 行 の 適 用 期 限 : 平 成 27 年 3 月 31 日 ) エネルギー 起 源 の CO2 排 出 削 減 や 再 生 可 能 エネルギー 導 入 拡 大 に 資 する 設 備 投 資 の 加 速 化 が 必 要 不 可 欠 との 観 点 から グリーン 投 資 減 税 制 度 は 恒 久 化 すべ きである Ⅲ. 土 地 資 産 に 係 る 税 制 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 1. 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 の 負 担 の 軽 減 (1) 商 業 地 等 に 係 る 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 の 抜 本 的 見 直 し 平 成 6 年 土 地 評 価 の 全 国 一 律 化 の 際 に 講 じられた 税 負 担 の 急 激 な 増 減 8
を 抑 制 するための 措 置 ( 負 担 調 整 措 置 )は 今 年 度 末 に 適 用 期 限 が 到 来 する 特 に 実 勢 価 格 との 乖 離 が 大 きく 負 担 感 が 強 い 中 心 市 街 地 など 商 業 地 等 に 係 る 固 定 資 産 税 については 企 業 負 担 の 軽 減 によってその 活 力 を 地 域 経 済 の 発 展 に 繋 げるという 観 点 から 土 地 に 係 る 固 定 資 産 税 の 評 価 替 え(3 年 毎 )の 年 に 当 たる 平 成 27 年 度 に 合 わせて 評 価 方 法 の 見 直 しを 含 めた 抜 本 的 な 税 負 担 の 軽 減 措 置 を 講 じるべきである (2) 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 の 見 直 し 家 屋 の 評 価 についても 現 行 の 評 価 基 準 は 非 常 に 複 雑 なうえ 法 人 税 法 上 の 法 定 耐 用 年 数 に 相 当 する 経 過 年 数 が 長 く 設 定 されている 等 の 問 題 が あり 見 直 しを 図 るべきである (3) 償 却 資 産 に 係 る 固 定 資 産 税 の 廃 止 償 却 資 産 に 係 る 固 定 資 産 税 は 企 業 の 前 向 きな 設 備 投 資 を 阻 害 するもの であり 国 際 的 にも 稀 な 税 制 であることに 加 えて 特 定 業 界 への 負 担 が 大 き く 公 平 性 に 欠 けることから 速 やかに 廃 止 すべきである 2. 不 動 産 譲 渡 所 得 に 係 る 税 制 の 見 直 し 平 成 16 年 度 税 制 改 正 において 個 人 の 不 動 産 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 との 損 益 通 算 が 廃 止 された そのため 含 み 損 ある 不 動 産 の 流 通 を 滞 らせるとともに 不 動 産 売 却 による 財 務 バランスの 改 善 効 果 ( 借 入 金 圧 縮 等 )も 享 受 出 来 ないなど 弊 害 がある 法 人 の 場 合 と 同 様 に 個 人 においても 不 動 産 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 との 損 益 通 算 を 復 活 すべきである 3. 不 動 産 取 得 税 ならびに 登 録 免 許 税 の 廃 止 不 動 産 流 通 の 促 進 は 経 済 への 波 及 効 果 が 大 きく 内 需 拡 大 に 有 効 であること に 加 え 建 物 に 係 る 取 得 税 等 は 消 費 税 と 二 重 課 税 となっている ついては 不 動 産 取 得 税 を 廃 止 ならびに 不 動 産 登 記 に 係 る 登 録 免 許 税 を 手 数 料 制 度 (1 件 あたり 数 千 円 程 度 )へ 改 定 すべきである 4. 地 価 税 特 別 土 地 保 有 税 の 廃 止 2014 年 版 土 地 白 書 ( 国 土 交 通 省 )によれば 足 元 の 地 価 動 向 は 都 市 部 を 中 心 に 上 昇 基 調 の 動 きが 見 られるものの 土 地 の 収 益 性 や 利 便 性 を 重 視 した 実 需 に よる 上 昇 と 分 析 されており 土 地 の 投 機 的 取 引 による 異 常 な 地 価 高 騰 を 抑 制 す るという 地 価 税 特 別 土 地 保 有 税 の 政 策 目 的 は 既 に 意 味 が 失 われている 実 務 上 も 課 税 停 止 されており( 地 価 税 : 平 成 10 年 より 特 別 土 地 保 有 税 : 平 成 15 年 より) 税 制 の 簡 素 化 を 図 るためにも 速 やかに 廃 止 すべきである 5. 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 拡 充 近 年 ライフスタイルの 多 様 化 が 進 み 二 世 帯 住 宅 の 形 態 として 親 名 義 の 敷 地 内 に 子 名 義 で 別 棟 を 建 てるタイプも 増 えているが このようなケースでは 小 9
規 模 宅 地 等 の 特 例 が 認 められない 一 方 一 体 型 の 二 世 帯 住 宅 には 平 成 25 年 度 税 制 改 正 で 区 分 所 有 の 場 合 も 一 定 の 条 件 で 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 が 認 められた ついては 別 棟 型 の 二 世 帯 住 宅 にも 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 を 認 めるべきである 6. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 拡 充 (1) 事 業 用 資 産 の 買 換 え 特 例 の 延 長 拡 充 所 有 期 間 が 10 年 を 超 える 事 業 用 資 産 を 売 却 し 買 換 資 産 を 取 得 した 場 合 原 則 として 売 却 代 金 の 80%の 課 税 を 繰 延 べできる 制 度 (9 号 買 換 え)だが 平 成 24 年 度 税 制 改 正 において 買 換 資 産 の 対 象 となる 土 地 の 面 積 が 300 m2 以 上 のものに 限 定 された ついては 現 行 の 適 用 期 限 ( 平 成 26 年 12 月 31 日 )を 延 長 するととも に 買 換 資 産 の 対 象 となる 土 地 の 面 積 下 限 を 撤 廃 すべきである (2) 商 業 地 等 に 係 る 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 の 負 担 調 整 措 置 の 期 限 到 来 を 機 と した 抜 本 的 見 直 し 商 業 地 等 に 係 る 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 については 評 価 方 法 の 見 直 し を 含 めた 抜 本 的 な 税 負 担 の 軽 減 措 置 を 講 じるべきである ( 再 掲 ) (3) 住 宅 取 得 等 資 金 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 特 例 措 置 の 延 長 拡 充 引 続 き 生 前 贈 与 を 促 進 し 住 宅 取 得 の 拡 大 を 図 るため 非 課 税 限 度 額 を 増 額 のうえ 延 長 すべきである (4) 土 地 住 宅 に 係 る 不 動 産 取 得 税 および 住 宅 用 家 屋 の 所 有 権 保 存 登 記 等 に 係 る 登 録 免 許 税 の 特 例 措 置 の 期 限 到 来 を 機 とした 本 則 の 廃 止 不 動 産 取 得 税 を 廃 止 するとともに 不 動 産 登 記 に 係 る 登 録 免 許 税 を 手 数 料 制 度 へ 改 定 すべきである ( 再 掲 ) Ⅳ. 地 域 に 係 る 税 制 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 1. 地 域 防 災 減 災 に 係 る 税 制 優 遇 措 置 の 創 設 拡 充 南 海 トラフを 震 源 域 とする 巨 大 地 震 が 想 定 される 中 未 曾 有 の 被 害 をも たらした 東 日 本 大 震 災 から 得 た 教 訓 をもとに 耐 震 のみならず 津 波 や 液 状 化 などを 含 めた 幅 広 い 防 災 等 への 対 策 強 化 が 急 務 である その 対 策 促 進 の ために 以 下 の 税 制 優 遇 措 置 を 創 設 すべきである (1) 従 来 優 遇 税 制 の 対 象 外 であった 事 業 用 で 一 定 規 模 未 満 の 事 業 用 建 築 物 に ついての 耐 震 改 修 促 進 税 制 を 創 設 すべきである その 際 住 宅 向 けの 耐 震 改 修 促 進 税 制 に 認 められている 固 定 資 産 税 の 減 免 措 置 についても 講 じ るべきである (2) 津 波 災 害 警 戒 地 域 等 内 にある 企 業 をはじめとして 津 波 液 状 化 対 策 を 支 援 する 税 制 措 置 を 講 じるべきである 10
(3) 個 人 住 宅 に 適 用 される 耐 震 改 修 促 進 税 制 についても 適 用 範 囲 を 耐 震 以 外 の 津 波 液 状 化 対 策 まで 拡 大 するとともに 所 得 税 額 の 控 除 額 を 現 行 の 工 事 費 の 10%( 最 大 20 万 円 )から 全 額 控 除 に 拡 充 すべきである 2. 観 光 事 業 に 係 る 税 制 の 創 設 拡 充 当 地 域 からの 取 り 組 みが 全 国 的 な 広 がりをみせている 産 業 観 光 は 生 産 現 場 ( 工 場 工 房 等 )や 歴 史 的 文 化 的 価 値 の 高 い 産 業 文 化 財 ( 産 業 遺 産 工 場 遺 構 等 ) などを 観 光 資 源 としているが その 維 持 負 担 が 大 きい そこで 観 光 促 進 並 びに 後 世 へ 貴 重 な 文 化 財 を 継 承 するために 産 業 文 化 財 の 固 定 資 産 税 修 繕 維 持 費 用 等 に 係 る 優 遇 措 置 を 創 設 すべきである また 平 成 26 年 度 税 制 改 正 において ホテル 旅 館 等 の 建 物 に 対 する 固 定 資 産 税 の 軽 減 措 置 ( 耐 用 年 数 50 年 45 年 に 短 縮 )が 実 施 されたが 地 域 の 観 光 振 興 に 資 する 集 客 施 設 などの 軽 減 措 置 対 象 への 拡 大 並 びに 観 光 客 誘 致 のた めのイベントに 対 する 寄 付 金 の 損 金 算 入 を 認 めるべきである 3. 地 方 法 人 特 別 税 の 撤 廃 地 方 法 人 特 別 税 は 消 費 税 を 含 む 税 体 系 の 抜 本 改 革 が 行 われるまでの 暫 定 措 置 として 導 入 されており 今 回 の 消 費 税 引 き 上 げに 合 わせて 撤 廃 すべきである 4. 今 年 度 期 限 切 れを 迎 える 租 税 特 別 措 置 の 延 長 拡 充 (1) 都 市 再 生 緊 急 整 備 地 域 に 係 る 課 税 の 特 例 措 置 の 延 長 拡 充 我 が 国 の 活 力 の 源 泉 となる 大 都 市 について 都 市 再 生 を 図 り その 魅 力 を 高 めるため 都 市 再 生 特 別 措 置 法 に 基 づき 都 市 再 生 緊 急 整 備 地 域 にお いて 国 土 交 通 大 臣 の 認 定 を 受 けた 認 定 事 業 者 に 係 る 課 税 ( 所 得 税 法 人 税 の 割 増 償 却 等 )の 特 例 措 置 を 延 長 拡 充 すべきである Ⅴ. 環 境 に 係 る 税 制 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 1. 地 球 温 暖 化 対 策 税 の 抜 本 的 見 直 し 石 油 石 炭 税 率 に 上 乗 せする 形 で 平 成 24 年 10 月 に 導 入 された 地 球 温 暖 化 対 策 税 は 施 行 から 3 年 半 をかけて 段 階 的 に 税 率 の 引 き 上 げが 予 定 されている( 平 成 26 年 4 月 引 き 上 げ 済 平 成 28 年 4 月 引 き 上 げ 予 定 ) その 一 方 で 現 下 のエネルギーコストを 取 り 巻 く 状 況 を 鑑 みれば 中 小 企 業 を 中 心 に 多 大 なる 影 響 が 懸 念 されることから さらなる 税 率 の 引 き 上 げや 森 林 吸 収 源 対 策 への 使 途 拡 大 はすべきでなく 寧 ろ 税 率 の 引 き 下 げを 検 討 すべきで ある 11
Ⅵ. 申 告 納 税 制 度 網 掛 け 部 分 は 重 点 要 望 事 項 1. 社 会 保 障 税 共 通 の 番 号 制 度 の 導 入 平 成 25 年 5 月 に 成 立 した 社 会 保 障 税 の 共 通 番 号 (マイナンバー) 法 は 行 政 を 効 率 化 し 国 民 の 利 便 性 を 高 め 公 平 公 正 な 社 会 を 実 現 する 社 会 基 盤 である( 平 成 28 年 1 月 より 運 用 開 始 予 定 ) その 導 入 にあたっては 極 力 効 率 化 を 進 め 事 務 負 担 を 抑 えるとともに 個 人 情 報 の 取 扱 いに 配 慮 し 情 報 漏 えいの 防 止 に 万 全 を 図 り 国 民 の 不 安 を 払 拭 するための 措 置 を 十 分 に 講 じるべきである また マイナンバーの 活 用 による 国 民 の 利 便 性 向 上 を 最 大 限 図 るため その 利 用 範 囲 の 拡 大 の 一 環 として 預 金 口 座 へのマイナンバー 付 番 について 検 討 されているが 金 融 機 関 のコストや 事 務 負 担 など 執 行 面 の 課 題 に 配 慮 した 制 度 設 計 導 入 スケジュールとなるよう 検 討 すべきである 2. 電 子 申 告 納 税 システム(e-Tax)の 整 備 現 在 の 電 子 申 告 納 税 システム(e-Tax)では 別 途 郵 送 が 必 要 な 添 付 証 憑 等 が 多 く 企 業 の 事 務 負 担 となっている それらの 早 急 な 電 子 化 を 図 るとともに 国 税 と 地 方 税 のすべてが 対 象 となるような 環 境 整 備 を 行 うべきである 3. 申 告 納 税 期 限 の 延 長 法 人 税 と 消 費 税 の 申 告 納 税 期 限 は 原 則 事 業 年 度 終 了 の 翌 日 から 2 ヶ 月 以 内 となっているが 株 主 総 会 を 3 ヶ 月 以 内 と 定 めている 会 社 法 との 整 合 性 が 保 たれていない また 欧 米 諸 国 も 3 ヶ 月 以 上 の 国 が 多 いことと 海 外 子 会 社 を 持 つ 企 業 の 事 務 負 担 を 勘 案 して 申 告 納 税 期 間 を 3 ヶ 月 に 延 長 すべきである 4. 効 率 的 で 簡 素 な 徴 税 現 在 わが 国 では 国 と 地 方 自 治 体 ( 県 市 町 村 )それぞれが 徴 税 権 を 持 ち 徴 税 業 務 を 行 っているが これらを 一 元 化 し 税 務 行 政 の 効 率 化 と 納 税 者 の 負 担 軽 減 を 図 るべきである また 近 年 時 価 会 計 の 導 入 など 企 業 会 計 の 変 革 が 進 み 税 務 との 乖 離 が 大 き くなっている 企 業 は 納 税 額 の 確 定 のために 非 常 に 煩 雑 な 作 業 を 強 いられてお り 税 務 と 会 計 の 整 合 性 を 確 保 すべきである 以 上 12