労働契約法改正に対する労働者の評価・反応―「多様化する正規・非正規労働者の就業行動と意識に関する調査」の調査結果より



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調査結果の概要

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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(2) 就 業 規 則 の 状 況 就 業 規 則 は 90.0%の 事 業 所 が 整 備 している このうち 就 業 規 則 を 周 知 している 事 業 所 は 84.0%で 周 知 の 方 法 ( 複 数 回 答 )については 常 時 掲 示 または 備 え 付 け が 最 も 多 く 64

Microsoft Word - 通達(参考).doc

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

スライド 1

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●労働基準法等の一部を改正する法律案

平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

公表表紙

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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Taro-01 議案概要.jtd

* 解 雇 の 合 理 性 相 当 性 は 整 理 解 雇 の 場 合 には 1 整 理 解 雇 の 必 要 性 2 人 員 選 択 の 相 当 性 3 解 雇 回 避 努 力 義 務 の 履 行 4 手 続 きの 相 当 性 の 四 要 件 ( 要 素 )で 判 断 され る 部 門 閉 鎖 型

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

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定款

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16 日本学生支援機構

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

18 国立高等専門学校機構

1

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

●電力自由化推進法案

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

スライド 1

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

基発第 号

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

m07 北見工業大学 様式①


【労働保険事務組合事務処理規約】

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

平成21年9月29日

Microsoft Word - 目次.doc

後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職


為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

Taro-H19退職金(修正版).jtd

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

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慶應義塾利益相反対処規程

異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

 

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共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

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Microsoft Word 第1章 定款.doc

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

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平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

製 造 業 者 は 製 造 販 売 業 者 の 管 理 監 督 の 下 適 切 な 品 質 管 理 を 行 い 製 品 を 製 造 します なお 製 造 業 は 製 造 に 特 化 した 許 可 となっており 製 造 業 の 許 可 のみでは 製 品 を 市 場 に 出 荷 することはできま せん

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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第 4 条 (1) 使 用 者 は 2 年 を 超 えない 範 囲 内 で( 期 間 制 勤 労 契 約 の 反 復 更 新 等 の 場 合 は その 継 続 勤 労 した 総 期 間 が2 年 を 超 えない 範 囲 内 で) 期 間 制 勤 労 者 を 使 用 することができる ただ し 次 の

Transcription:

RIETI Policy Discussion Paper Series 14-P-004

RIETI Policy Discussion Paper Series 14-P-004 2014 年 3 月 労 働 契 約 法 改 正 に 対 する 労 働 者 の 評 価 反 応 多 様 化 する 正 規 非 正 規 労 働 者 の 就 業 行 動 と 意 識 に 関 する 調 査 の 調 査 結 果 より 1 戸 田 淳 仁 (リクルートワークス 研 究 所 ) 鶴 光 太 郎 ( 慶 應 義 塾 大 学 経 済 産 業 研 究 所 ) 要 旨 労 働 者 のアンケート 調 査 をもとに 非 正 社 員 や 有 期 雇 用 者 の 実 態 を 把 握 するとと もに 2013 年 の 労 働 契 約 法 改 正 に 対 して 労 働 者 がどのように 評 価 し 対 応 する かといった 点 を 検 討 した 労 働 契 約 法 改 正 の 個 々の 内 容 について 賛 成 が 反 対 よ りも 上 回 っているが 半 数 は 分 からないと 回 答 した 雇 用 契 約 期 間 について 分 か らないと 回 答 する 者 などが 存 在 することを 鑑 みると 労 働 者 が 契 約 内 容 について きちんと 理 解 することが 必 要 であり 政 策 的 な 取 り 組 みが 必 要 であろう また 労 働 契 約 法 の 改 正 については 5 年 以 上 の 無 期 転 換 ルールについては 賛 成 が 多 いも のの 有 期 雇 用 者 の 中 には 5 年 を 待 たず 雇 止 めされると 考 える 者 や 無 期 転 換 を 申 し 出 ない 者 が 少 なからず 存 在 することが 分 かった そのため 契 約 期 間 について の 考 え 方 は 個 人 によって 多 様 であり その 多 様 性 に 即 して 制 度 ルールを 検 討 し ていく 必 要 がある また 雇 止 め 制 限 法 理 の 制 定 や 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 の 明 示 については あまり 効 果 が 期 待 されていないという 結 果 になった キーワード: 労 働 契 約 法 改 正 主 観 的 評 価 有 期 雇 用 無 期 転 換 雇 止 め 制 限 法 理 不 合 理 な 労 働 条 件 禁 止 JEL classification: J41 RIETI ポリシー ディスカッション ペーパーは RIETI の 研 究 に 関 連 して 作 成 され 政 策 をめぐる 議 論 にタイムリーに 貢 献 することを 目 的 としています 論 文 に 述 べられている 見 解 は 執 筆 者 個 人 の 責 任 で 発 表 するものであり 所 属 する 組 織 及 び( 独 ) 経 済 産 業 研 究 所 としての 見 解 を 示 すものではありません 1 本 稿 は 独 立 行 政 法 人 経 済 産 業 研 究 所 におけるプロジェクト 労 働 市 場 制 度 改 革 の 成 果 の 一 部 である また 本 稿 の 原 案 に 対 して 経 済 産 業 研 究 所 ポリシー ディスカッション ペーパー 検 討 会 の 方 々から 多 くの 有 益 なコメントを 頂 いた

1. はじめに 2008 年 秋 の 経 済 危 機 により 我 が 国 においても 失 業 率 は 上 昇 し 雇 用 維 持 に 対 する 関 心 が 高 まった とりわけ 派 遣 切 り という 言 葉 が 世 間 をにぎわせたように 派 遣 社 員 を 中 心 とした 非 正 規 雇 用 者 に 雇 用 調 整 のしわ 寄 せが 起 こり 非 正 規 雇 用 の 不 安 定 と 労 働 市 場 に おけるセイフティネットの 未 整 備 が 改 めて 浮 き 彫 りとなった これを 機 に 雇 用 形 態 の 待 遇 格 差 の 改 善 を 図 るとともに 不 安 定 な 雇 用 については 禁 止 をするもしくは 安 定 な 雇 用 に 移 行 する 仕 組 みを 作 る 機 運 が 高 まった 例 えば 2010 年 4 月 には 雇 用 保 険 の 適 用 範 囲 化 を 拡 大 し 6 か 月 以 上 の 雇 用 見 込 みを 31 日 以 上 雇 用 見 込 みに 緩 和 した また 経 済 危 機 によっ て 雇 用 保 険 の 失 業 給 付 等 を 受 給 できない 求 職 者 に 対 する 職 業 訓 練 実 施 と 給 付 金 支 給 をパッ ケージとした 緊 急 人 材 育 成 支 援 事 業 は 2011 年 10 月 より 求 職 者 支 援 制 度 として 恒 久 化 さ れた また 不 安 定 な 雇 用 の 禁 止 もしくは 安 定 な 雇 用 への 移 行 を 促 進 する 仕 組 みとして 労 働 者 派 遣 法 の 改 正 労 働 契 約 法 の 改 正 などがあげられる 労 働 者 派 遣 法 は 2012 年 10 月 に 施 行 され 雇 用 期 間 が 30 日 以 内 の 日 雇 い 派 遣 の 禁 止 ( 一 部 例 外 を 除 く) 派 遣 会 社 が 離 職 後 1 年 以 内 の 人 と 労 働 契 約 を 結 び 元 の 勤 務 先 に 派 遣 することは 禁 止 などが 盛 り 込 まれた 労 働 者 派 遣 法 を 改 正 する 議 論 の 段 階 で 登 録 型 派 遣 製 造 業 派 遣 の 禁 止 についても 議 論 さ れたが 改 正 案 には 盛 り 込 まれなかった また 労 働 契 約 法 は 2012 年 8 月 に 成 立 し 有 期 雇 用 が 5 年 を 超 えて 反 復 更 新 された 場 合 は 労 働 者 の 申 し 込 みにより 無 期 雇 用 に 転 換 す る 仕 組 みの 導 入 有 期 雇 用 の 更 新 に 関 する 雇 止 め 法 理 を 法 定 化 期 間 の 定 めがあることに よる 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 が 盛 り 込 まれた 以 上 のような 法 改 正 や 政 策 は 人 々にどのように 受 け 入 れられているのだろうか 上 記 は 特 に 非 正 規 雇 用 者 を 中 心 とした 法 改 正 であり 彼 らが 本 当 にこのような 政 策 内 容 や 予 想 される 効 果 を 期 待 しているのだろうか また 経 済 危 機 以 降 雇 用 が 不 安 定 化 しつつある 中 で 人 々は 失 職 状 態 ということに 対 してどのように 認 識 しているのであろうか 経 済 産 業 研 究 所 (RIETI)の 労 働 市 場 制 度 改 革 プロジェクトでは これまで 非 正 規 雇 用 の 就 業 実 態 を 解 明 するべく 2009 年 1 月 派 遣 労 働 者 の 生 活 と 求 職 行 動 に 関 するアンケー ト 調 査 を 実 施 半 年 毎 に 継 続 調 査 して 労 働 政 策 のバックボーンを 提 供 してきた そこ で 明 らかになったことは 非 正 規 雇 用 は 派 遣 パート アルバイト 契 約 社 員 など 非 常 に 多 様 であり それぞれを 取 り 巻 く 環 境 や 抱 えている 課 題 も 大 きく 異 なることであった ま た 非 正 規 雇 用 の 職 を 自 ら 進 んで 選 んだのか 意 に 反 して 選 ばざるを 得 なかったのかとい う 違 いも 主 観 的 厚 生 水 準 に 大 きな 影 響 を 与 えることがわかった 一 方 この 調 査 での 対 象 外 であった 正 規 雇 用 についても 企 業 の 中 で 准 正 社 員 や 限 定 社 員 などの 多 様 な 働 き 方 複 線 的 な 人 事 管 理 が 生 まれてきている 2

上 記 の 調 査 では 正 規 雇 用 者 を 対 象 としていないため 正 規 雇 用 者 が 上 記 の 法 改 正 や 政 策 に 対 してどのように 考 えているか 把 握 できない 特 に 待 遇 改 善 といったことについては 非 正 規 雇 用 者 のみならず 正 規 雇 用 者 にも 影 響 が 生 じる 可 能 性 があるため 包 括 的 な 調 査 が 望 まれている そこで 労 働 市 場 制 度 改 革 プロジェクトでは 正 規 非 正 規 雇 用 者 をバランスよくサンプ リングしたアンケート 調 査 を 行 って 正 規 非 正 規 雇 用 双 方 において 多 様 で 満 足 度 の 高 い 働 き 方 を 可 能 にするための 包 括 的 な 政 策 を 検 討 してきた 政 策 のバックボーンとなる 正 規 非 正 規 雇 用 者 の 労 働 実 態 労 働 者 の 嗜 好 ありうる 政 策 変 更 に 対 する 労 働 者 の 仮 想 的 な 反 応 複 数 の 政 策 に 対 する 優 先 順 位 等 を 定 量 的 評 価 し 政 策 的 なインプリケーションを 導 き 出 すことが 必 要 であると 考 える 使 用 するデータは 経 済 産 業 研 究 所 (RIETI)が 実 施 した 多 様 化 する 正 規 非 正 規 労 働 者 の 就 業 行 動 と 意 識 に 関 する 調 査 ( 平 成 24 年 度 )である この 調 査 はインターネットモニ ターサンプルを 活 用 し 全 国 の 20 歳 以 上 69 歳 以 下 の 男 女 個 人 を 対 象 とし 6128 名 より 回 答 を 得 た 本 調 査 の 調 査 項 目 並 びに 基 本 集 計 については 鶴 大 竹 久 米 (2014)を 参 照 し ていただきたい 以 下 では 対 象 を 雇 用 者 に 限 定 し 近 年 の 法 制 度 の 改 正 に 対 する 評 価 や 意 見 についての 調 査 結 果 を 中 心 に 概 観 する 2 第 2 節 では 非 正 規 雇 用 者 の 実 態 について 触 れ 第 3 節 では 近 年 の 労 働 法 改 正 に 対 する 賛 否 評 価 に 関 する 調 査 結 果 を 紹 介 する 最 後 にこれらの 結 果 を 踏 まえて 政 策 的 なインプリケーションについて 議 論 したい 2. 非 正 規 雇 用 者 の 実 態 法 改 正 や 政 策 に 対 する 評 価 を 検 討 する 前 に 非 正 規 雇 用 者 のとらえ 方 について 改 めて 検 討 したい 非 正 規 雇 用 といっても 多 様 性 複 雑 性 が 増 している 中 で いわゆる 勤 め 先 の 呼 称 だけでなく 下 記 の 軸 に 分 けて 見 るのが 分 かりやすい( 鶴 (2011)) 1 労 働 時 間 の 軸 (フルタイム またはパート) 2 雇 用 契 約 期 間 の 軸 ( 期 間 の 定 めなし または 有 期 ) 3 雇 用 関 係 の 軸 ( 勤 め 先 と 同 じ 直 接 雇 用 または 派 遣 社 員 などの 間 接 雇 用 ) 4 指 揮 命 令 の 軸 ( 勤 め 先 と 同 じ(= 直 接 雇 用 派 遣 )または 異 なる(= 請 負 )) 本 調 査 では 請 負 社 員 については 調 査 対 象 としていないため 上 記 の1~3において 労 2 労 働 契 約 法 改 正 に 関 する 他 の 調 査 として 以 下 のものがあるが いずれも 企 業 の 人 事 担 当 者 に 対 する 調 査 である 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 高 年 齢 社 員 や 有 期 契 約 の 法 改 正 後 活 用 状 況 に 関 する 調 査 では フルタイム 有 期 を 雇 用 する 企 業 の4 割 超 が 何 らかの 形 で 無 期 契 約 にしていく 4 割 弱 が 対 応 方 針 は 未 定 分 からない と 回 答 した また 全 国 求 人 情 報 協 会 労 働 契 約 法 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 改 正 前 後 の 実 態 調 査 では 契 約 更 新 の 厳 格 化 や 抑 制 ばかりでなく 正 社 員 登 用 の 活 用 や 新 設 などの 対 応 も 進 むという 回 答 が 得 られた 3

働 条 件 と 相 関 関 係 の 強 いといわれる( 神 林 2010) 勤 め 先 の 呼 称 との 関 連 について 見 てみ たい 図 表 1は 勤 め 先 の 呼 称 と 契 約 期 間 の 定 め 3 との 関 係 を 表 したものである 勤 め 先 の 呼 称 が 正 社 員 のうち 89.2%は 雇 用 契 約 期 間 に 定 めがない( 無 期 定 年 までの 雇 用 を 含 む)と 回 答 しており すべてではない 一 部 は 雇 用 契 約 期 間 に 定 めがある( 有 期 ) もしくは 雇 用 契 約 期 間 が 分 からないと 回 答 している 一 方 契 約 社 員 嘱 託 社 員 については 41.3%が 無 期 50.4%が 有 期 と 大 きく 二 分 している 派 遣 社 員 については 6 割 が 有 期 と 回 答 しているが 1 割 ほどは 契 約 期 間 が 分 からないと 回 答 している パート アルバイトでは 8 割 を 超 える 人 が 有 期 であると 回 答 している 図 表 1 勤 め 先 の 呼 称 別 契 約 期 間 の 定 めの 有 無 (Q2) 勤 め 先 の 呼 称 なし ( 無 期 ) 雇 用 契 約 期 間 の 定 め あり ( 有 期 ) わからな い サンプル サイズ 各 割 合 正 社 員 89.2% 8.2% 2.6% 3,346 66.0% 契 約 社 員 嘱 託 社 員 41.3% 50.4% 8.3% 1,244 24.5% 派 遣 社 員 27.4% 60.7% 11.9% 135 2.7% パート アルバイト 11.1% 85.2% 3.8% 344 6.8% 雇 用 形 態 計 70.5% 25.2% 4.3% 5,069 100.0% ( 注 ) 雇 用 契 約 期 間 の 定 めなし( 無 期 )には 定 年 までの 雇 用 を 含 む ( 出 所 )RIETI 多 様 化 する 正 規 非 正 規 労 働 者 の 就 業 行 動 と 意 識 に 関 する 調 査 ( 平 成 24 年 度 ) 以 下 の 図 表 において 出 所 は 同 様 なので 省 略 する このように 勤 め 先 の 呼 称 によって すべての 正 社 員 が 無 期 であり すべての 非 正 社 員 が 有 期 という 関 係 にはなっていない 2012 年 の 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 においても 正 社 員 のうち 92.2%が 無 期 ( 定 年 までの 雇 用 を 含 む) 4.1%が 無 期 3.7%は 雇 用 契 約 期 間 が 分 からないと 回 答 している 非 正 社 員 についても 30.2%が 無 期 15.8%が 分 からないと 回 答 し ており 就 業 構 造 基 本 調 査 との 回 答 傾 向 ともある 程 度 整 合 的 である 正 社 員 であるにもかかわらず 有 期 である 人 と 非 正 社 員 で 有 期 である 人 に 何 らかの 違 いがあるだろうか 図 表 2では 勤 め 先 の 呼 称 別 に 有 期 の 人 に 限 定 して 契 約 更 新 の 方 法 に ついて 確 認 してみたい 特 徴 的 なのは 有 期 の 正 社 員 のうち 35.8%が 原 則 として 契 約 更 新 しない と 回 答 しているのに 対 し 契 約 社 員 嘱 託 社 員 は 46.7%がパート アルバイト 3 Q2 では 雇 用 の 契 約 期 間 についてもっともよくあてはまるものを 1 つ 選 ぶという 形 式 で 調 査 し ているが そのうち 期 間 の 定 めはない( 定 年 退 職 するまで) 期 間 の 定 めはない( 定 年 退 職 はない) を 無 期 1 日 1 週 間 1 か 月 2 か 月 3 か 月 半 年 1 年 2 年 以 上 を 有 期 とした 4

は 44.0%が 特 別 な 事 情 がなければ 自 動 的 に 更 新 される としている そのため 有 期 雇 用 者 といっても 正 社 員 と 呼 ばれている 労 働 者 とそれ 以 外 の 労 働 者 については 実 態 が 異 なると 言 える 図 表 2 勤 め 先 の 呼 称 別 契 約 更 新 の 方 法 ( 雇 用 契 約 期 間 に 定 めありに 限 定 Q8) 勤 め 先 の 呼 称 原 則 とし て 契 約 更 新 しない 期 間 満 了 時 に 更 新 の 可 否 の 判 断 をさ れる 特 別 な 事 情 がなけ れば 自 動 的 に 更 新 される 更 新 につ いては 説 明 を 受 け ていない わからな い サンプル サイズ 正 社 員 35.8% 15.0% 25.6% 11.3% 12.4% 274 契 約 社 員 嘱 託 社 員 8.6% 29.4% 46.7% 8.9% 6.4% 627 派 遣 社 員 17.4% 38.5% 30.3% 5.5% 8.3% 109 パート アルバイト 7.5% 42.7% 44.0% 4.1% 1.7% 293 雇 用 形 態 計 14.8% 30.1% 40.3% 8.1% 6.8% 1,303 次 に 雇 用 契 約 期 間 の 軸 以 外 として 労 働 時 間 の 軸 を 見 てみよう 図 表 3は 正 社 員 の うち 無 期 とそれ 以 外 ( 有 期 雇 用 契 約 期 間 が 分 からない) 非 正 社 員 ( 派 遣 社 員 を 除 く)の うち 無 期 有 期 雇 用 契 約 期 間 が 不 明 派 遣 社 員 に 分 けて 週 当 たり 労 働 時 間 の 分 布 を 示 したものである 図 表 3 雇 用 形 態 別 週 当 たり 平 均 労 働 時 間 の 分 布 (Q15) 35 時 間 未 満 35-41 時 間 42-49 時 間 50 時 間 以 上 サンプル サイズ 正 社 員 無 期 3.6% 44.1% 23.2% 29.0% 2,986 正 社 員 有 期 ほか 4 8.1% 48.6% 18.1% 25.3% 360 非 正 社 員 有 期 61.3% 29.2% 5.1% 4.4% 920 非 正 社 員 無 期 74.3% 19.4% 2.2% 4.2% 552 非 正 社 員 不 明 68.1% 24.1% 2.6% 5.2% 116 派 遣 社 員 30.4% 54.8% 5.2% 9.6% 135 無 期 の 正 社 員 は 35-41 時 間 の 割 合 が 最 も 高 いが 50 時 間 以 上 でも 29.0%となっている 有 期 の 正 社 員 でも 無 期 の 正 社 員 とほぼ 同 様 に 35-41 時 間 の 割 合 が 最 も 高 いが 50 時 間 以 上 の 割 合 も 無 期 の 正 社 員 と 匹 敵 する 割 合 となっている 一 方 非 正 社 員 は 35 時 間 未 満 の 割 4 サンプルサイズが 小 さいため 勤 め 先 の 呼 称 が 正 社 員 であり 雇 用 契 約 期 間 に 定 めがある 労 働 者 もし くは 雇 用 契 約 期 間 が 分 からない 労 働 者 を 正 社 員 有 期 ほか と 表 記 した 5

合 が 6 割 を 超 えているが 1 割 程 度 は 42 時 間 以 上 の 人 もいる 労 働 時 間 についても 勤 め 先 の 呼 称 とある 程 度 の 相 関 を 示 しているが 正 社 員 であってもパートタイム 並 みの 労 働 時 間 である 人 非 正 社 員 であってもフルタイムで 働 く 労 働 者 が 少 なからずいる 点 に 注 意 した い 次 に 現 在 の 勤 め 先 での 勤 続 年 数 ( 有 期 雇 用 者 は 通 算 勤 続 年 数 )について 見 ていこう 図 表 4によると 正 社 員 ( 無 期 )では 5 年 以 上 が 7 割 を 超 えているが 有 期 の 正 社 員 でも 5 割 を 超 えている 一 方 で 非 正 社 員 については 多 少 の 違 いはあるが 5 年 以 上 が 3 割 程 度 となっており 契 約 期 間 に 定 めの 有 無 にかかわらず 長 期 の 雇 用 がなされていることがわ かる 特 に 有 期 契 約 については 1 回 の 契 約 期 間 が 3 年 ( 一 部 は 5 年 )となっているから 多 くの 有 期 雇 用 についても 契 約 が 更 新 し 続 けてきていることがわかる また 派 遣 社 員 に ついては 派 遣 先 の 勤 続 年 数 を 示 しているが 勤 続 年 数 が 1 年 未 満 の 割 合 が 半 数 を 超 えてお り 他 とは 異 なった 特 徴 を 示 している しかし 5 年 以 上 と 回 答 する 割 合 も 16.3%となっ ており 同 じ 派 遣 先 で 働 き 続 ける 派 遣 社 員 も 少 なからず 存 在 することがわかる 図 表 4 通 算 の 勤 続 年 数 の 分 布 (Q6) 1 年 未 満 1-3 年 未 3-5 年 未 サンプル 5 年 以 上 満 満 サイズ 正 社 員 無 期 6.0% 11.8% 11.2% 71.0% 2,986 正 社 員 有 期 ほか 15.3% 17.2% 14.7% 52.8% 360 非 正 社 員 有 期 28.0% 26.9% 14.4% 30.8% 920 非 正 社 員 無 期 21.6% 23.9% 16.1% 38.4% 552 非 正 社 員 不 明 39.7% 23.3% 12.1% 25.0% 116 派 遣 社 員 51.9% 20.7% 11.1% 16.3% 135 ( 注 ) 派 遣 社 員 については 派 遣 先 での 勤 続 年 数 また 産 業 ごとに 雇 用 形 態 が 大 きく 異 なることが 知 られているが 本 調 査 においても 同 じような 傾 向 が 見 られる 図 表 5 は 産 業 ごとの 雇 用 形 態 を 示 したものであるが 正 社 員 無 期 である 割 合 は 建 設 業 (77.0%) 製 造 業 (75.0%) 不 動 産 業 物 品 賃 貸 業 (72.7%) 公 務 (71.0%)では 7 割 を 超 える 一 方 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 (21.0%) 生 活 関 連 サービス 業 (36.1%) 複 合 サ ービス 業 (37.6%)と 4 割 を 下 回 るなど 産 業 によって 大 きな 違 いがある また 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 は 非 正 社 員 有 期 と 非 正 社 員 無 期 がともに 3 割 程 度 であり 非 正 社 員 無 期 の 割 合 がほかの 産 業 に 比 べて 顕 著 に 高 い また サービス 業 と 卸 売 業 小 売 業 では 非 正 社 員 無 期 の 割 合 が 1 割 を 超 えており 非 正 社 員 無 期 という 形 態 はサービス 業 を 中 心 に 見 られる また 医 療 福 祉 においては 非 正 社 員 無 期 (19.4%)の 割 合 が 非 正 社 員 有 期 (16.7%)を 上 回 っているなど 産 業 によって 非 正 社 員 の 中 身 の 構 成 が 異 なっている 6

図 表 5 産 業 別 雇 用 形 態 の 状 況 正 社 員 正 社 員 非 正 社 非 正 社 非 正 社 サンプルサ 派 遣 社 員 無 期 有 期 ほか 員 有 期 員 無 期 員 不 明 イズ 建 設 業 77.0% 8.3% 6.4% 4.8% 1.3% 2.2% 313 製 造 業 75.0% 6.9% 8.2% 5.5% 1.3% 3.2% 944 情 報 通 信 業 69.6% 6.5% 12.4% 2.3% 2.3% 6.9% 217 運 輸 業 通 信 業 63.3% 7.6% 17.1% 4.8% 1.4% 5.7% 210 卸 売 業 小 売 業 49.8% 5.0% 25.0% 15.0% 3.1% 2.0% 640 金 融 業 保 険 業 62.5% 6.3% 22.3% 3.6% 0.9% 4.5% 224 不 動 産 業 物 品 賃 貸 業 72.7% 4.6% 11.8% 7.3% 1.8% 1.8% 110 学 術 研 究 専 門 技 術 サービス 業 62.0% 17.0% 11.0% 7.0% 0.0% 3.0% 100 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 21.0% 3.7% 30.9% 30.9% 11.1% 2.5% 162 生 活 関 連 サービス 業 36.1% 7.0% 27.9% 23.3% 4.7% 1.2% 86 教 育 学 習 支 援 業 49.3% 7.6% 26.9% 12.8% 1.7% 1.7% 290 医 療 福 祉 52.3% 8.3% 16.7% 19.4% 1.9% 1.4% 520 複 合 サービス 業 37.6% 10.1% 33.0% 13.8% 3.7% 1.8% 109 その 他 サービス 業 47.4% 9.5% 21.9% 16.2% 3.3% 1.8% 549 公 務 71.0% 4.1% 22.3% 0.7% 0.7% 1.4% 296 産 業 計 59.2% 7.2% 17.9% 10.8% 2.3% 2.6% 4,770 注 : 一 部 のサンプルサイズの 小 さい 産 業 は 掲 載 していないため 上 記 に 記 載 している 産 業 をすべて 合 計 しても 産 業 計 と 一 致 しない 図 表 6 産 業 別 通 算 勤 続 年 数 ( 有 期 雇 用 者 に 限 定 ) 1 年 未 満 1-3 年 未 3-5 年 未 サンプル 5 年 以 上 満 満 サイズ 建 設 業 26.8% 14.6% 17.1% 41.5% 43 製 造 業 23.1% 26.6% 7.7% 42.7% 149 情 報 通 信 業 34.0% 12.8% 17.0% 36.2% 50 運 輸 業 通 信 業 28.9% 23.1% 19.2% 28.9% 55 卸 売 業 小 売 業 22.6% 21.6% 14.6% 41.2% 200 金 融 業 保 険 業 18.3% 28.2% 12.7% 40.9% 72 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 26.8% 33.9% 16.1% 23.2% 59 生 活 関 連 サービス 業 37.0% 33.3% 14.8% 14.8% 27 教 育 学 習 支 援 業 39.4% 31.3% 6.1% 23.2% 100 医 療 福 祉 24.6% 31.0% 12.7% 31.8% 128 複 合 サービス 業 31.9% 21.3% 12.8% 34.0% 47 その 他 サービス 業 24.8% 24.2% 14.3% 36.7% 164 公 務 35.0% 28.8% 10.0% 26.3% 81 産 業 計 26.8% 25.2% 13.4% 34.5% 1,193 次 に 有 期 雇 用 に 限 定 し 産 業 別 に 通 算 勤 続 年 数 の 違 いについて 確 認 しておきたい 図 表 6 をみると 有 期 雇 用 の 契 約 更 新 を 経 て 通 算 勤 続 年 数 が 5 年 を 超 えている 者 の 割 合 は 製 造 業 (42.7%) 建 設 業 (41.5%) 卸 売 業 小 売 業 (41.2%) 金 融 業 保 険 業 (40.9%)では 4 割 を 超 えており 比 較 的 長 く 雇 用 される 有 期 雇 用 者 も 存 在 することがわかる その 一 方 生 活 関 連 サービス 業 (14.8%) 教 育 学 習 支 援 業 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 (23.2%)と いった 産 業 では 5 年 以 上 の 有 期 雇 用 者 は 他 の 業 種 より 少 なく 逆 に 5 年 未 満 の 有 期 雇 用 者 7

の 比 率 が 高 い これらの 産 業 では 図 表 7にある 契 約 更 新 の 方 法 を 見 る 限 り 原 則 として 契 約 更 新 しない の 割 合 が 顕 著 に 高 くはない 建 設 業 (25.6%)や 教 育 学 習 支 援 業 (20.0%) は 産 業 計 (15.0%)を 上 回 っているが 顕 著 に 大 きいわけではない そのため 生 活 関 連 サービス 業 教 育 学 習 支 援 業 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 といった 産 業 においては 雇 止 めになる 可 能 性 が 多 いわけではなく 通 算 勤 続 年 数 が 短 いのはその 産 業 における 有 期 雇 用 者 の 定 着 が 問 題 であると 推 察 される 図 表 7 産 業 別 契 約 更 新 の 方 法 ( 雇 用 契 約 期 間 に 定 めありに 限 定 Q8) 原 則 として 契 約 更 新 しない 期 間 満 了 時 に 更 新 の 可 否 の 判 断 をさ 特 別 な 事 情 がなけ れば 自 動 的 に 更 新 更 新 につ いては 説 明 を 受 け ていない わからな い サンプル サイズ 建 設 業 25.6% 32.6% 30.2% 4.7% 7.0% 41 製 造 業 14.8% 35.6% 32.9% 8.7% 8.1% 143 情 報 通 信 業 18.0% 28.0% 38.0% 12.0% 4.0% 47 運 輸 業 通 信 業 14.6% 27.3% 43.6% 7.3% 7.3% 52 卸 売 業 小 売 業 10.5% 23.0% 52.5% 6.5% 7.5% 199 金 融 業 保 険 業 15.3% 37.5% 37.5% 5.6% 4.2% 71 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 10.2% 10.2% 47.5% 13.6% 18.6% 56 生 活 関 連 サービス 業 7.4% 33.3% 37.0% 14.8% 7.4% 27 教 育 学 習 支 援 業 20.0% 46.0% 28.0% 3.0% 3.0% 99 医 療 福 祉 16.4% 26.6% 44.5% 8.6% 3.9% 126 複 合 サービス 業 14.9% 27.7% 36.2% 14.9% 6.4% 47 その 他 サービス 業 14.6% 28.7% 40.2% 7.9% 8.5% 161 公 務 17.3% 39.5% 30.9% 4.9% 7.4% 80 産 業 計 15.0% 30.6% 39.5% 7.9% 7.1% 1220 3. 労 働 契 約 法 改 正 の 評 価 反 応 本 節 では 労 働 契 約 法 改 正 を 労 働 者 はどのようにとらえているのか アンケート 結 果 を もとにみていきたい 取 り 上 げる 法 改 正 は 2012 年 における 労 働 契 約 法 の 改 正 すなわち 15 年 以 上 の 無 期 転 換 2 雇 止 め 法 理 の 法 定 化 3 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 である (1)5 年 以 上 の 無 期 転 換 労 働 契 約 法 の 改 正 により 2013 年 4 月 より 有 期 労 働 契 約 が 5 年 を 超 えて 反 復 更 新 された 場 合 は 労 働 者 の 申 込 みにより 無 期 労 働 契 約 に 転 換 させる 仕 組 みが 導 入 された( 第 18 条 ) ただし これまでの 有 期 労 働 契 約 については 2013 年 4 月 以 降 の 年 数 が 5 年 を 超 えた 2018 年 4 月 以 降 に 無 期 転 換 の 仕 組 みが 適 用 されることになる 図 表 8は この 仕 組 みに 対 する 賛 否 を 示 したものである 全 体 では 賛 成 が 41.6% 反 対 8

が 8.5% わからないが 49.4%と 分 からないが 半 数 となっているのが 特 徴 的 である 正 社 員 については 反 対 が 1 割 を 超 え 非 正 社 員 と 比 較 して 割 合 がやや 高 い 非 正 社 員 の 中 で も 有 期 雇 用 者 で 賛 成 が 49.7%と 他 に 比 べてやや 割 合 が 高 い この 法 律 は 特 に 有 期 雇 用 者 5に 影 響 が 生 じると 考 えられるため 有 期 雇 用 者 に 限 定 しこれ までの 通 算 勤 続 年 数 別 に 賛 否 を 見 てみよう 6 図 表 9を 見 る 限 り 通 算 勤 続 年 数 が 1-3 年 未 満 3-5 年 未 満 において 賛 成 が 5 割 を 超 えて 他 の 勤 続 年 数 よりも 賛 成 の 割 合 がわずかに 高 いくらいの 違 いがあるだけであり 通 算 勤 続 年 数 によって 賛 否 に 大 きな 差 はない 図 表 8 雇 用 形 態 別 5 年 以 上 の 無 期 転 換 に 対 する 賛 否 (Q69) 分 からな サンプル 賛 成 反 対 い サイズ 正 社 員 無 期 41.2% 10.1% 48.7% 2,986 正 社 員 有 期 ほか 35.0% 10.6% 54.4% 360 非 正 社 員 有 期 49.7% 6.2% 44.1% 920 非 正 社 員 無 期 38.2% 4.4% 57.4% 552 非 正 社 員 不 明 24.1% 1.7% 74.1% 116 派 遣 社 員 41.5% 6.7% 51.9% 135 合 計 41.6% 8.5% 49.9% 5,069 図 表 9 通 算 勤 続 年 数 別 5 年 以 上 の 無 期 転 換 に 対 する 賛 否 ( 有 期 雇 用 者 に 限 定 Q69) 分 からな サンプル 賛 成 反 対 い サイズ 1 年 未 満 42.8% 9.0% 48.3% 346 1-3 年 未 満 50.0% 8.9% 41.1% 316 3-5 年 未 満 51.1% 6.3% 42.6% 176 5 年 以 上 44.8% 5.9% 49.3% 438 有 期 計 46.4% 7.5% 46.1% 1,276 無 期 転 換 の 仕 組 みが 導 入 されることにより 無 期 転 換 を 望 まない 企 業 は 5 年 を 超 えない ように 有 期 雇 用 者 を 雇 止 めにするなどをして 無 期 転 換 を 申 し 出 る 権 利 を 持 つ 有 期 雇 用 者 を 抑 制 することも 考 えられる 前 述 したように 無 期 転 換 ルールを 活 用 して 無 期 転 換 するケ ースが 現 れるのは 2018 年 4 月 以 降 であるため この 時 期 に 近 づくにつれて 5 年 を 超 えな 5 前 述 のとおり 勤 め 先 の 呼 称 は 正 社 員 であるが 有 期 雇 用 である 労 働 者 がみられるが 本 論 文 で 述 べる 有 期 雇 用 者 には 正 社 員 有 期 雇 用 であるものも 含 まれる 6 労 働 契 約 法 では 一 部 の 例 外 を 除 き 契 約 期 間 に 定 めのある 雇 用 の 1 回 あたりの 雇 用 契 約 期 間 は 3 年 を 上 限 としているため 多 くの 場 合 通 算 勤 続 年 数 が 3 年 を 超 す 場 合 は 1 回 以 上 契 約 更 新 をしていることにな る 9

いように 有 期 雇 用 者 が 雇 止 めされるケースが 増 える 可 能 性 がある このような 懸 念 を 踏 ま えて 本 調 査 では 5 年 を 経 たないで 契 約 を 切 られる 可 能 性 についても 調 査 している その 結 果 が 図 表 10 である 有 期 の 非 正 社 員 では 20.8% 派 遣 社 員 では 29.6%が 5 年 未 満 で 契 約 を 切 られると 考 えて おり 少 なからずの 有 期 雇 用 者 が 5 年 を 経 たずして 契 約 が 来 られるのではないかと 思 って いる 有 期 雇 用 者 に 限 定 して 通 算 勤 続 年 数 別 に 回 答 傾 向 を 見 てみると 1 年 未 満 では 28.0% 1-3 年 未 満 では 24.7%が 契 約 を 切 られると 思 っており 3-5 年 未 満 は 14.8% 5 年 以 上 は 13.2%が 契 約 を 切 られると 思 っている 勤 続 年 数 の 長 い 人 に 比 べて 回 答 割 合 が 高 いといえる この 結 果 の 解 釈 として 推 測 の 域 を 出 ないが 下 記 のようなことが 考 えられる 有 期 雇 用 者 にとって 通 算 勤 続 年 数 は 1 回 あたりの 契 約 期 間 ではないため 通 算 勤 続 年 数 の 短 い 有 期 雇 用 者 は 他 者 との 代 替 がある 程 度 可 能 な 仕 事 についており 本 人 が 5 年 を 超 えない 範 囲 で 雇 止 めをされても 企 業 は 他 の 労 働 者 で 補 充 することで 事 業 を 運 営 できると 回 答 者 判 断 している 一 方 で 通 算 勤 続 年 数 の 長 い 有 期 雇 用 者 は 契 約 更 新 を 複 数 回 繰 り 返 しており 図 表 10 雇 用 形 態 通 算 勤 続 年 数 別 無 期 転 換 による 5 年 未 満 の 契 約 解 除 に 対 する 意 見 (Q70 7 ) 通 算 勤 続 年 数 別 正 社 員 以 外 有 期 雇 用 者 限 定 解 除 され ると 思 う 解 除 され ると 思 わ ない わからな い サンプル サイズ 非 正 社 員 有 期 20.8% 33.0% 46.2% 920 非 正 社 員 無 期 8.5% 37.1% 54.4% 552 非 正 社 員 不 明 10.3% 13.8% 75.9% 116 派 遣 社 員 29.6% 37.0% 33.3% 135 1 年 未 満 28.0% 24.9% 47.1% 346 1-3 年 未 満 24.7% 33.9% 41.5% 316 3-5 年 未 満 14.8% 35.8% 49.4% 176 5 年 以 上 13.2% 33.3% 53.4% 438 有 期 計 20.3% 31.5% 48.2% 1,276 労 使 ともに 雇 用 関 係 に 特 に 不 満 があまりなく 企 業 としてもその 労 働 者 に 継 続 して 就 業 してほしいと 思 っている そのように 労 働 者 は 認 識 をしており 5 年 を 超 えない 範 囲 での 雇 止 めはされないであろうと 思 っていると 考 えられる 7 Q70 のうち 5 年 未 満 ( 例 えば 4 年 半 )で 契 約 を 切 られてしまう に 当 てはまると 回 答 した 者 を 解 除 されると 思 う わからない と 回 答 した 者 を わからない とし それ 以 外 は 解 除 されると 思 わ ない と 分 類 した 10

また 無 期 転 換 の 仕 組 みを 活 用 して 正 社 員 への 転 換 を 申 し 出 るか 否 かも 調 査 している 図 表 11 によると 有 期 の 非 正 社 員 のうち 18.9%は 正 社 員 への 転 換 を 申 し 出 るが 19.8%は 申 し 出 ないとして 割 合 は 拮 抗 している また 派 遣 社 員 に 限 定 すると 29.5%は 申 し 出 ると していて 他 の 雇 用 形 態 よりも 回 答 割 合 は 高 い 図 表 11 雇 用 形 態 通 算 勤 続 年 数 別 正 社 員 への 転 換 の 申 し 出 (5 年 未 満 で 契 約 解 除 されると 思 わない 人 限 定 Q70) 通 算 勤 続 年 数 別 正 社 員 以 外 有 期 限 定 申 し 出 る 申 し 出 な い わからな い サンプル サイズ 非 正 社 員 有 期 18.9% 19.8% 61.3% 729 非 正 社 員 無 期 14.7% 22.8% 62.6% 505 非 正 社 員 不 明 5.8% 8.7% 85.6% 104 派 遣 社 員 29.5% 14.7% 55.8% 95 1 年 未 満 18.9% 12.9% 68.3% 249 1-3 年 未 満 23.5% 18.9% 57.6% 238 3-5 年 未 満 20.0% 18.7% 61.3% 150 5 年 以 上 19.0% 15.5% 65.5% 380 有 期 計 20.2% 16.1% 63.7% 1,017 不 本 意 型 非 正 社 員 派 遣 社 員 32.3% 13.2% 54.5% 257 有 期 雇 用 者 に 限 定 して 通 算 勤 続 年 数 別 についてみてみると 勤 続 年 数 が 1 年 未 満 およ び 1-3 年 未 満 は 正 社 員 への 転 換 を 申 し 出 る 割 合 がそれ 以 上 の 勤 続 年 数 に 比 べてわずかに 高 い また 現 在 の 勤 め 先 の 就 業 形 態 を 選 んだ 理 由 を 正 社 員 として 働 ける 会 社 がないから と 回 答 している 不 本 意 非 正 社 員 派 遣 社 員 についてみてみると 32.3%が 申 し 出 ると 回 答 し ており 非 正 社 員 とくらべて 回 答 割 合 が 高 い そのため 不 本 意 型 とそれ 以 外 では 正 社 員 への 転 換 希 望 について 二 極 化 傾 向 がみられる いずれにせよ 無 期 転 換 の 仕 組 みを 活 用 して 無 期 転 換 を 申 し 出 ないと 回 答 する 割 合 がど の 項 目 でも 一 定 程 度 存 在 することは 注 目 に 値 する 一 般 に 無 期 雇 用 者 と 有 期 雇 用 者 の 職 務 や 労 働 条 件 は 大 きく 異 なると 言 われており 有 期 雇 用 者 は 無 期 雇 用 者 に 比 べて 契 約 解 除 される 可 能 性 が 高 い つまり 雇 用 が 不 安 定 になりやすいというデメリットがある 反 面 労 働 時 間 を 自 由 に 選 択 できる 職 責 の 範 囲 や 加 重 が 小 さいなどの 特 徴 がある 有 期 雇 用 の 雇 用 が 不 安 定 非 正 社 員 や 有 期 という 働 き 方 が 望 ましいとして あえて 有 期 という 働 き 方 を 続 けたいと 考 える 人 が 一 定 数 いることがその 背 景 であろう (2) 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 11

労 働 契 約 法 の 改 正 により 雇 止 め 法 理 ( 判 例 法 理 ) を 制 定 法 化 した( 第 19 条 ) 雇 止 め 法 理 とは 有 期 労 働 契 約 の 反 復 更 新 により 無 期 労 働 契 約 と 実 質 的 に 異 ならない 状 態 で 存 在 し ている 場 合 または 有 期 労 働 契 約 の 期 間 満 了 後 の 雇 用 継 続 につき 合 理 的 期 待 が 認 められ る 場 合 には 雇 止 めが 客 観 的 に 合 理 的 な 理 由 を 欠 き 社 会 通 念 上 相 当 であると 認 められな いときは 有 期 労 働 契 約 が 更 新 ( 締 結 )されたとみなす 法 理 である 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 についての 賛 否 は 図 表 12 のようになっている 全 体 では 賛 成 が 32.2% 反 対 が 13.4% 分 からないが 54.5%と 分 からないが 半 数 を 超 えている 特 に 派 遣 社 員 や 有 期 の 非 正 社 員 において 賛 成 と 回 答 する 割 合 がわずかに 高 い 図 表 12 雇 用 形 態 別 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 についての 賛 否 (Q71) 分 からな サンプル 賛 成 反 対 い サイズ 正 社 員 無 期 32.3% 14.0% 53.7% 2,986 正 社 員 有 期 ほか 27.8% 16.1% 56.1% 360 非 正 社 員 有 期 37.0% 11.4% 51.6% 920 非 正 社 員 無 期 29.4% 12.9% 57.8% 552 非 正 社 員 不 明 15.5% 7.8% 76.7% 116 派 遣 社 員 33.3% 12.6% 54.1% 135 合 計 32.2% 13.4% 54.5% 5,069 また 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 に 伴 い 今 後 の 契 約 更 新 がどうなるかについても 調 査 してい る それによると とくに 変 わらない と 回 答 する 割 合 が 高 いが 約 1 割 は 反 復 更 新 が 容 易 あらかじめ 反 復 更 新 を 認 めない と 回 答 している 図 表 13 雇 用 形 態 別 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 による 今 後 の 契 約 更 新 に 対 する 意 見 (Q72) 予 め 反 復 今 後 の 反 更 新 を 認 復 更 新 が めない 雇 とくに 変 わ わからな サンプル 容 易 にな 用 契 約 に らない い サイズ るだろう なるだろ う 正 社 員 有 期 ほか 7.5% 13.9% 46.1% 32.5% 360 非 正 社 員 有 期 8.9% 14.7% 45.7% 30.8% 920 非 正 社 員 無 期 4.0% 7.6% 63.6% 24.8% 552 非 正 社 員 不 明 4.3% 10.3% 36.2% 49.1% 116 派 遣 社 員 5.9% 17.0% 40.7% 36.3% 135 12

また 有 期 雇 用 者 の 限 り 上 記 2 つの 結 果 のクロス 表 を 作 ってみると 今 後 の 反 復 更 新 が 容 易 になると 考 えている 人 の 7 割 以 上 は 賛 成 している 一 方 あらかじめ 反 復 更 新 を 認 めな い 雇 用 契 約 になると 考 えている 人 のうち 反 対 しているのは 2 割 に 過 ぎない また 特 に 変 わらないと 考 えている 人 のうち 賛 成 が 4 割 にのぼっている 図 表 14 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 の 効 果 と 賛 否 ( 有 期 雇 用 者 に 限 る) 今 後 の 更 新 賛 成 反 対 分 からな い 今 後 の 反 復 更 新 が 容 易 になるだろう 73.2% 13.0% 13.9% 予 め 反 復 更 新 を 認 めない 雇 用 契 約 になるだろう 49.2% 24.6% 26.2% とくに 変 わらない 36.0% 11.4% 52.6% わからない 16.8% 8.6% 74.6% 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 については このことにより 今 後 の 更 新 が 特 に 変 わらないと 考 えて いる 人 が 多 いため 有 期 雇 用 者 は 法 定 化 による 効 果 をあまり 期 待 していないと 言 える (3) 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 労 働 契 約 法 の 改 正 において 有 期 雇 用 者 と 無 期 雇 用 者 の 間 の 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 を 定 める 条 文 が 追 加 された( 第 20 条 ) 有 期 契 約 労 働 者 の 労 働 条 件 が 期 間 の 定 めがあるこ とにより 無 期 契 約 労 働 者 の 労 働 条 件 と 相 違 する 場 合 その 相 違 は 職 務 の 内 容 や 配 置 の 変 更 の 範 囲 等 を 考 慮 して 不 合 理 と 認 められるものであってはならないと 規 定 するものであ る この 規 定 は 民 事 的 効 力 があり 不 合 理 とされた 労 働 条 件 の 定 めは 無 効 となり 故 意 過 失 による 権 利 侵 害 すなわち 不 法 行 為 として 損 害 賠 償 が 認 められ 得 ると 解 される また 図 表 15 雇 用 形 態 別 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 による 労 働 条 件 変 化 に 対 する 意 見 (Q73) 極 端 な 待 労 使 間 で 実 質 的 に わからな サンプル 遇 格 差 が 紛 争 が 増 は 効 果 が い サイズ なくなる える ない 正 社 員 無 期 15.9% 16.2% 25.3% 42.5% 2,986 正 社 員 有 期 ほか 14.7% 15.0% 21.1% 49.2% 360 非 正 社 員 有 期 14.0% 13.5% 27.0% 45.5% 920 非 正 社 員 無 期 12.1% 10.5% 29.4% 48.0% 552 非 正 社 員 不 明 9.5% 9.5% 15.5% 65.5% 116 派 遣 社 員 8.9% 11.9% 31.9% 47.4% 135 合 計 14.7% 14.8% 25.7% 44.8% 5,069 13

無 効 とされた 労 働 条 件 については 基 本 的 には 無 期 雇 用 者 と 同 じ 労 働 条 件 が 認 められる と 解 される 図 表 15 は 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 によって 労 働 条 件 はどのように 変 化 する 会 見 を 聞 いた 結 果 である 図 表 15 によると 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 に 対 して 全 体 では 25.7%が 実 質 的 には 効 果 がない と 回 答 している また 14.7%が 極 端 な 待 遇 格 差 がなくなる 14.8% 労 使 間 で 紛 争 が 増 える と 回 答 している 派 遣 社 員 についても 実 質 的 には 効 果 がない の 回 答 割 合 が 他 の 選 択 肢 よりも 高 い 傾 向 が 見 られる 次 に 極 端 な 待 遇 格 差 がなくなる と 考 えている 非 正 社 員 や 有 期 雇 用 者 に 限 って どの ような 労 働 条 件 や 労 働 環 境 が 変 化 するか その 意 見 についてみていきたい 労 働 契 約 法 第 20 条 で 定 めている 労 働 条 件 には 賃 金 や 労 働 時 間 等 の 狭 義 の 労 働 条 件 のみならず 労 働 契 約 の 内 容 となっている 災 害 補 償 服 務 規 律 教 育 訓 練 付 随 義 務 福 利 厚 生 等 労 働 者 に 対 する 一 切 の 待 遇 を 包 含 すると 解 される 図 表 16 ではサンプルサイズが 小 さいため 非 正 社 員 派 遣 社 員 に 限 定 した 場 合 と 有 期 雇 用 者 に 限 定 した 場 合 のみ 表 示 しているが いずれの 場 合 も 賃 金 の 水 準 の 上 昇 昇 給 と 回 答 した 割 合 が 高 く 次 いで 年 金 健 康 保 険 雇 用 保 険 への 加 入 健 康 診 断 など 健 康 管 理 の 充 実 有 休 休 暇 が 取 りやすくなる となっている ただし 人 によっては 賃 金 の 水 準 の 低 下 減 給 と 回 答 する 人 も 若 干 の 割 合 存 在 する 図 表 16 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 により 変 化 すると 思 う 労 働 条 件 労 働 環 境 ( 極 端 な 待 遇 格 差 がなくなると 考 えている 雇 用 者 限 定 複 数 回 答 Q74) 非 正 社 員 有 期 雇 用 派 遣 社 員 賃 金 水 準 の 上 昇 昇 給 22.8% 26.2% 年 金 健 康 保 険 雇 用 保 険 への 加 入 18.3% 15.8% 健 康 診 断 など 健 康 管 理 の 充 実 16.9% 19.1% 有 給 休 暇 が 取 りやすくなる 16.0% 14.8% 退 職 金 や 賞 与 が 増 加 する(あるいはもらえるようになる) 11.0% 11.5% 賃 金 水 準 の 低 下 減 給 9.6% 8.7% 職 場 環 境 ( 安 全 衛 生 )の 改 善 9.1% 10.4% ロッカー 食 堂 など 福 利 厚 生 施 設 の 利 用 7.3% 5.5% 転 勤 配 置 転 換 の 増 加 7.3% 10.4% 教 育 訓 練 の 充 実 6.4% 8.7% 職 場 の 人 間 関 係 の 改 善 5.5% 6.0% いろいろな 仕 事 を 経 験 させてくれる 5.0% 7.1% 残 業 が 減 る 4.6% 4.9% 退 職 金 や 賞 与 が 減 少 する(あるいはもらえなくなる) 4.1% 6.0% 14

昇 進 機 会 の 増 加 4.1% 4.9% 有 給 休 暇 が 取 りにくくなる 3.7% 6.6% 高 度 な 仕 事 を 経 験 させてくれる 3.7% 4.4% 職 場 の 人 間 関 係 の 悪 化 3.2% 4.4% 残 業 が 増 える 0.0% 10.4% その 他 0.0% 0.0% サンプルサイズ 219 183 4. 結 果 のまとめと 含 意 本 稿 では 非 正 社 員 有 期 雇 用 者 のとらえ 方 を 確 認 するとともに 労 働 契 約 法 の 改 正 に 対 して 労 働 者 はどのような 主 観 的 評 価 を 持 っているのか また 改 正 によってどのような 対 応 を 行 おうとするのか アンケート 調 査 の 結 果 を 考 察 した 非 正 社 員 や 有 期 雇 用 者 の 実 態 として 勤 め 先 の 呼 称 と 雇 用 契 約 期 間 の 定 めとの 関 係 を 見 ると 正 社 員 であるが 有 期 雇 用 である もしくは 非 正 社 員 であるが 無 期 雇 用 であると 回 答 した 労 働 者 が 見 られた このような 回 答 をした 労 働 者 の 傾 向 を 見 る 限 り 勤 め 先 の 呼 称 の 違 いによって 通 算 の 勤 続 年 数 や 労 働 時 間 が 大 きく 異 なるため 勤 め 先 の 呼 称 で 区 分 をし たほうが 良 いといえる ただし 雇 用 契 約 期 間 が 分 からないと 回 答 する 労 働 者 が 見 られていることを 鑑 みると 必 ずしもすべての 労 働 者 が 自 身 の 労 働 契 約 の 内 容 を 把 握 しているとはいえない 労 働 基 準 法 第 15 条 において 使 用 者 は 労 働 契 約 の 締 結 に 際 し 労 働 者 に 対 して 賃 金 労 働 時 間 そ の 他 の 労 働 条 件 を 明 示 しなければならない としており さらに 労 働 契 約 の 期 間 や 従 事 す べき 業 務 など 厚 生 労 働 省 令 で 定 める 事 項 については 書 面 の 交 付 により 明 示 しなければなら ないとしている これは 契 約 内 容 があいまいになり 後 のトラブルを 未 然 に 防 ぐことを 目 的 としているが 書 面 の 交 付 によっても 労 働 者 がきちんと 理 解 していない 可 能 性 がある こ の 点 も 含 めて 契 約 内 容 の 周 知 や 理 解 について 労 働 者 に 対 する 啓 蒙 活 動 がさらに 必 要 であ ろう また 非 正 社 員 については 卸 売 業 小 売 業 といった 流 通 業 やサービス 業 の 一 部 で 活 用 さ れているが 必 ずしも 定 着 率 は 高 くなく 有 期 雇 用 者 の 通 算 勤 続 年 数 が 他 の 産 業 よりも 短 い 状 態 である 労 働 契 約 法 の 改 正 について 15 年 以 上 の 無 期 転 換 2 雇 止 め 法 理 の 法 定 化 3 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 に 対 する 主 観 的 な 評 価 や 対 応 について 考 察 してきた まずどの 改 正 につい ても 賛 成 反 対 の 意 見 が 分 からないという 声 が 少 なからず 見 られることを 指 摘 できる その 背 景 として 労 働 契 約 法 の 改 正 が 労 働 者 に 周 知 徹 底 されていないことが 考 えられるた め このような 法 改 正 に 対 してさらに 周 知 徹 底 をしていくことを 考 えていく 必 要 がある 15

そのうえで 分 からないという 回 答 をのぞいては 5 年 以 上 の 無 期 転 換 については 賛 成 と 考 える 割 合 が 高 かった 有 期 雇 用 者 のうち 一 部 は 契 約 更 新 が 通 常 のようになされている 状 況 中 では 有 期 雇 用 が 持 つ 雇 用 の 不 安 定 さ すなわち 契 約 終 了 後 の 雇 用 継 続 があいまいで ある 点 を 解 消 させる 目 的 では 一 定 程 度 評 価 ができる ただし 無 期 転 換 のルールが 導 入 されることにより 5 年 を 経 たず 雇 止 めされると 考 える 労 働 者 が 派 遣 社 員 を 中 心 に 見 られるため 本 来 であれば 雇 用 継 続 されるにもかかわらず 無 期 転 換 のルールが 導 入 されたことによってかえって 雇 用 期 間 が 短 くなるケースも 懸 念 され る また 無 期 転 換 のルールが 導 入 されたとしても 無 期 転 換 をしたくないと 考 える 労 働 者 が 一 定 数 存 在 しており 個 人 の 意 識 が 多 様 化 しており 今 回 の 労 働 契 約 法 の 改 正 のよう に 多 様 性 を 無 視 した 一 律 の 規 制 では 必 ずしも 問 題 を 解 決 できないことを 示 唆 していると いえる 雇 止 め 法 理 の 制 定 化 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 については 効 果 を 期 待 できない 声 が 大 き い 雇 用 継 続 の 期 待 の 保 護 や 不 合 理 な 労 働 条 件 といったものが 分 かりにくいため 法 律 へ の 条 文 化 だけでは 不 十 分 であり 個 別 事 例 に 即 して 法 律 改 正 の 意 義 に 対 して 理 解 を 促 せる ことが 必 要 であると 考 える 労 働 契 約 法 は 2013 年 8 月 に 改 正 され その 改 正 内 容 の 効 果 が 実 質 的 に 表 れているのは 今 後 のことである また 2013 年 の 改 正 の 中 でも 無 期 転 換 のルールに 関 しては 修 正 の 動 きが みられる 研 究 開 発 力 強 化 法 改 正 ( 平 成 25 年 法 律 第 99 号 )により 研 究 者 について 無 期 労 働 契 約 に 転 換 する 期 間 を 5 年 から 10 年 に 延 長 した また 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 ( 平 成 25 年 法 律 第 107 号 )により 重 要 かつ 次 元 的 な 事 業 に 従 事 する 労 働 者 であって 高 度 の 専 門 的 知 識 を 有 している 者 で 比 較 的 高 収 入 を 得 ている 者 などを 対 象 とした 見 直 しに ついても 労 働 政 策 審 議 会 で 審 議 し 2014 年 通 常 国 会 に 所 要 の 法 案 が 提 出 される 予 定 であ る あわせて 高 齢 者 の 活 躍 促 進 を 図 るため 定 年 後 の 高 齢 者 に 関 し 有 期 労 働 契 約 の 無 期 転 換 申 し 込 み 件 発 生 までの 期 間 の 在 り 方 についても 見 直 しが 検 討 されている 勤 続 年 数 が 通 算 5 年 を 超 える 場 合 の 無 期 転 換 については 2013 年 4 月 から 起 算 して 5 年 後 の 2018 年 以 降 に 無 期 転 換 ルールを 活 用 して 無 期 転 換 するケースが 見 られるようになる そのため 懸 念 される 内 容 が 問 題 として 顕 在 化 するかどうかは 今 後 の 判 断 を 待 つしかない しかし 本 論 文 で 示 したように 労 働 者 の 働 き 方 に 対 する 考 え 方 は 多 様 であり 多 様 な 考 え 方 に 対 して 柔 軟 に 判 断 していくことが 今 度 も 求 められる 参 考 文 献 神 林 龍 (2010) 常 用 非 正 規 労 働 者 の 諸 相 Global COE Hi-Stat Discussion Paper Series No. 120. 一 橋 大 学. 鶴 光 太 郎 (2011) 非 正 規 雇 用 問 題 解 決 のための 鳥 瞰 図 鶴 ほか 編 非 正 規 雇 用 改 革 日 16

本 評 論 社 久 米 功 一 大 竹 文 雄 鶴 光 太 郎 (2014) 多 様 化 する 正 規 非 正 規 労 働 者 の 就 業 行 動 と 意 識 -RIETI Web アンケート 調 査 の 概 要 RIETI Policy Discussion Paper Series 14-P-003. 17