第 5 回 Hematological PET Club 総 会 がん 治 療 後 のsecond primary malignancy - 当 科 における 現 況 とPET/CTの 役 割 と 限 界 - 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 九 州 がんセンター 血 液 内 科 鵜 池 直 邦 14.9. ホテルグランビア 大 阪 Second primary malignancy(spm)とは 二 次 がんまたは 治 療 関 連 二 次 性 悪 性 腫 瘍 と 呼 ばれて いる 疾 患 と 同 一 で 通 常 最 初 のがん( 一 次 がん; primary malignancy[pm])に 対 する 抗 がん 化 学 療 法 な いし 放 射 線 療 法 を 施 行 した 後 6か 月 以 上 経 過 後 に 一 次 がんとは 異 なる 悪 性 疾 患 を 合 併 した 場 合 2 番 目 の 悪 性 疾 患 をsecond primary malignancy (SPM)と 呼 ぶ 九 州 がんセンターでは 血 液 内 科 で 血 液 悪 性 疾 患 で 治 療 を 受 けた 患 者 を 対 象 に1984 年 から 症 例 を 集 積 し ており 本 日 は13 年 までの174 例 について 紹 介 す る 1
解 析 対 象 患 者 PM SPM 174 例 固 形 がん 79 例 血 液 悪 性 腫 瘍 95 例 抗 がん 化 学 療 法 ± 放 射 線 療 法 6ヶ 月 以 上 固 形 がん 49 例 血 液 悪 性 腫 瘍 125 例 34 例 55 例 85 例 1984 年 1994 年 4 年 13 年 初 期 中 期 後 期 二 次 がん 症 例 の 全 体 像 症 例 数 : 174( 期 間 :1981-13 年 ) 男 / 女 : 99 / 75 HTLV-1 + / - / 不 明 15(うちATL 7) / 133 / 26 血 血 / 血 固 / 固 血 46 / 49 / 79 一 次 がん( 血 液 がん / 固 形 がん) 95 / 79 二 次 がん 診 断 時 年 齢 中 央 値 : 65 (7-87) 歳 二 次 がん( 血 液 がん/ 固 形 がん) 125 / 49 一 次 がん 二 次 がんの 期 間 (Y):.5-24.9 (median 5.) 三 次 がん あり/なし 16 / 158 生 存 / 死 亡 6 / 114 2
1 全 生 存 曲 線 8 生 存 率 6 4 5% 生 存 期 間 : 16か 月 5 年 生 存 率 : 32.1% 平 均 フォローアップ 期 間 : 12. 年 n=174 12 24 36 48 6 72 84 96 18 1 132 144 156 168 18 生 存 期 間 ( 月 ) 年 次 推 移 による 全 生 存 曲 線 % 1 8 6 4 4-13 年 (n=85) 5% 生 存 期 間 : 24 か 月 3 年 生 存 率 : 5 % 1984-1993 年 (n=34) 5% 生 存 期 間 : 6 か 月 3 年 生 存 率 : 7 % 1994-3 年 (n=55) 5% 生 存 期 間 : 16 か 月 3 年 生 存 率 : 38 % 平 均 フォローアップ 期 間 : 12. 年 6 1 18 月 3
全 生 存 曲 線 65 歳 未 満 vs 65 歳 以 上 性 別 による % 1 % 1 8 6 4 65 歳 未 満 (n=85) 5% 生 存 期 間 : 18 か 月 3 年 生 存 率 : 37.4 % 65 歳 以 上 (n=89) 5% 生 存 期 間 : 14 か 月 3 年 生 存 率 : 36.7 % 8 6 4 女 (n=75) 5% 生 存 期 間 : 16 か 月 3 年 生 存 率 : 4.2% 男 (n=99) 5% 生 存 期 間 : 15 か 月 3 年 生 存 率 : 34.9% 6 1 18 月 平 均 フォローアップ 期 間 : 12. 年 6 1 18 月 放 射 線 治 療 による 生 存 曲 線 % 1 8 6 4 p=.78 平 均 フォローアップ 期 間 : 12. 年 放 射 線 療 法 なし (n=119) 5% 生 存 率 : 19 か 月 3 年 生 存 率 : 39.7 % 放 射 線 治 療 あり (n=55) 5% 生 存 率 : 8 か 月 3 年 生 存 率 : 32.2 % 6 1 18 月 4
治 療 別 生 存 曲 線 % 1 8 6 4 平 均 フォローアップ 期 間 : 12. 年 放 射 線 治 療 のみ (n=12) 5% 生 存 期 間 : 7 か 月 3 年 生 存 率 : 31.2 % 化 学 療 法 のみ (n=119) 5% 生 存 期 間 : 19 か 月 3 年 生 存 率 : 39.7 % 化 学 療 法 + 放 射 線 療 法 (n=43) 5% 生 存 期 間 : 1 か 月 3 年 生 存 率 32.6 % 6 1 18 月 二 次 がんの 種 類 別 生 存 曲 線 % 1 8 p<.1(p=3.8e-8) 6 固 形 がん (n=49) 5% 生 存 期 間 : 98 か 月 3 年 生 存 率 : 67.7 % 4 平 均 フォローアップ 期 間 : 12. 年 血 液 がん (n=125) 5% 生 存 期 間 : 1か 月 3 年 生 存 率 : 25.6 % 6 1 18 月 5
血 液 悪 性 腫 瘍 治 療 における 進 歩 1) 移 植 療 法 造 血 幹 細 胞 移 植 高 齢 者 (7 歳 まで);ミニ 移 植 幹 細 胞 源 : 末 梢 血 臍 帯 血 2) 新 規 薬 剤 ( 分 子 標 的 治 療 薬 を 含 む) 急 性 前 骨 髄 球 性 白 血 病 ATRA, Amnolake, 亜 ヒ 酸 慢 性 骨 髄 性 白 血 病 Imatinib, Dasatinib, Nilotinib 悪 性 リンパ 腫 Rituximab, Bendamustine, Zevalin 多 発 性 骨 髄 腫 Bortezomib, Lenalidomide 成 人 T 細 胞 白 血 病 Mogamulizumab 1 二 次 がん( 血 液 悪 性 腫 瘍 )の 生 存 曲 線 移 植 療 法 ないし 分 子 標 的 薬 による 治 療 vs その 他 の 治 療 9 8 7 生 存 率 6 5 4 ATRA + SCT n=14 5%-OS: 45M 3y-OS: 55.1% 3 other n=111 1 5%-OS: 9M mean observation period:156.2 months 3y-OS: 21.5% p=.8643 12 24 36 48 6 72 84 96 18 1 生 存 期 間 ( 月 ) 6
このSPM 174 例 は 種 類 が 多 種 多 様 にわたり 累 積 発 生 率 が 算 出 できないことにより 一 次 がんで 最 も 症 例 数 の 多 い 悪 性 リンパ 腫 症 例 のみに 絞 って 以 下 の 解 析 を 行 った 本 日 は 放 射 線 画 像 診 断 の 会 でもあり 悪 性 リンパ 腫 の 病 状 の 評 価 が 画 像 診 断 で 可 能 で あるという 利 点 もある 悪 性 リンパ 腫 の 分 類 悪 性 リンパ 腫 Malignant lymphoma[ml] ホジキンリンパ 腫 Hodgkin lymphoma[hl] 非 ホジキンリンパ 腫 Non-Hodgkin s lymphoma[nhl] B 細 胞 性 リンパ 腫 T 細 胞 性 リンパ 腫 NK 細 胞 性 リンパ 腫 7
非 ホジキンリンパ 腫 の 分 類 B 細 胞 性 リンパ 腫 B cell lymphoma 中 高 度 悪 性 リンパ 腫 Aggressive lymphoma Diffuse large B cell lymphoma Mediastinal large B cell lymphoma Primary effusion lymphoma 低 悪 性 度 リンパ 腫 Indolent lymphoma Follicular lymphoma Small lymphocytic lymphoma Lymphoplasmacytic lymphoma Marginal zone B cell lymphoma Mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma 九 州 がんセンターでの 悪 性 リンパ 腫 の 分 類 による 頻 度 T/NK 細 胞 腫 瘍 34% B 細 胞 腫 瘍 63% ( 過 去 年 間 ) 8
九 州 がんセンターにおける 悪 性 リンパ 腫 の 高 齢 化 とサブタイプの 経 時 的 変 化 mean age 59.6 6. low grade B-cell lymphoma 61.7 64.3 62.9 64.2 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 二 次 性 悪 性 腫 瘍 発 生 例 ホジキン 非 ホジキンリンパ 腫 症 例 数 二 次 性 悪 性 腫 瘍 発 生 例 数 ( 症 例 数 に 対 する 発 生 率 ) ホジキンリンパ 腫 (HL) 73 7 (9.6%) 非 ホジキンリンパ 腫 (NHL) B 細 胞 性 1,67 48 (4.5%) T 細 胞 性 495 14 (2.8%) (ATL) (292) (4) (1.4%) その 他 7 (%) 不 明 29 (%) 全 症 例 数 1,671 69 (4.1%) 9
悪 性 リンパ 腫 治 療 後 二 次 性 悪 性 腫 瘍 発 症 例 二 次 性 悪 性 腫 瘍 (69 例 ) 血 液 がん (27 例 ) 固 形 がん (42 例 ) 年 齢 中 央 値 63 (15-87) 69 (15-84) 65 (29 87) 二 次 性 悪 性 腫 瘍 疾 患 名 MDS; 15 AML; 5 NHL; 4 肝 臓 がん;7 大 腸 がん;7 子 宮 がん;4 乳 がん; 4 腎 がん;4 肺 がん; 3 食 道 がん; 2 胃 がん;2 膵 がん;2 CML;1 ALL(Ph+); 1 EBV/PTLD; 1 胸 腺 腫 ;1 甲 状 腺 がん;1 胆 管 がん;1 皮 膚 がん; 1 膀 胱 がん;1 盲 腸 がん;1 前 立 腺 がん;1 潜 伏 期 間 ( 年 ) ( 平 均 ).5-15.7 (6.1).5-15.7 (7.2).5-15.5 (5.4) % 1 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 二 次 性 悪 性 腫 瘍 の 生 存 曲 線 8 6 5% 生 存 期 間 : 41 か 月 5 年 生 存 率 : 47.1% 4 平 均 フォローアップ 期 間 : 11. 年 n=74 24 48 72 96 1 月 1
累 積 発 生 率 (%) 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 二 次 性 悪 性 腫 瘍 症 例 の 死 亡 率 と 直 接 死 因 死 亡 率 ( 死 亡 例 数 ) 直 接 死 因 二 次 性 悪 性 腫 瘍 (69 例 ) 56.5% (39 例 ) 血 液 がん (27 例 ) 81.5% (22 例 ) 固 形 がん (42 例 ) 4.5% (17 例 ) NHL 6 例 2 例 4 例 二 次 性 悪 性 腫 瘍 17 例 1 例 7 例 三 次 性 悪 性 腫 瘍 1 例 1 例 感 染 症 6 例 5 例 1 例 出 血 4 例 4 例 急 性 腎 不 全 1 例 1 例 心 肺 機 能 低 下 1 例 1 例 不 明 3 例 3 例 直 接 死 因 が 二 次 性 悪 性 腫 瘍 に 関 連 するもの 77.8% 86.4% 64.3% 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 の 二 次 性 悪 性 腫 瘍 の 累 積 発 生 率 1 8 全 症 例 数 1675 例 中 発 生 69 例 血 液 癌 発 生 :27 例 6 4 固 形 癌 発 生 :42 例 5 年 4.1% 1.1% 3.2% 1 年 11.3% 5.% 6.6% 15 年 22.3% 12.3% 11.5% 年 28.9% 15.1% 16.2% 6 1 18 24 月 平 均 観 察 期 間 11. 年 11
1 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 死 因 別 累 積 死 亡 8 累 積 発 生 率 6 4 二 次 性 悪 性 腫 瘍 による 死 亡 (n=18) 晩 期 毒 性 による 死 亡 (n=12) 悪 性 リンパ 腫 による 死 亡 (n=6) 24 48 72 96 1 月 平 均 観 察 期 間 11. 年 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 二 次 性 悪 性 腫 瘍 の 生 存 曲 線 % 1 8 6 固 形 がん (n=47) MST: 98 months 5-year OS: 62.3% 4 平 均 フォローアップ 期 間 : 11. 年 血 液 がん (n=27) MST: 5 months 5-year OS: 25.4% p<.1(p=1.97e-6) 24 48 72 96 1 月 12
治 療 法 の 進 歩 によりがん 患 者 が 長 期 生 存 できるようになっ たこと および 患 者 の 年 齢 が 高 齢 化 したことなどで SPMの 患 者 が 増 加 していると 考 えられる それらの 患 者 の 予 後 は SPMが 固 形 がんの 場 合 と 血 液 悪 性 腫 瘍 の 場 合 とで 大 きく 異 なる( 血 液 悪 性 疾 患 の 方 がはる かに 悪 い) SPMが 血 液 悪 性 腫 瘍 の 場 合 でも 分 子 標 的 治 療 薬 を 用 い た 場 合 や 造 血 幹 細 胞 移 植 を 施 行 した 場 合 は 予 後 の 改 善 が 期 待 できる SPM 診 療 においてPET/CTの 果 たす 役 割 について 我 々が 経 験 した5 症 例 を 提 示 する 症 例 1 19 歳 女 性 主 訴 : 右 頸 部 腫 瘤 既 往 歴 : 特 記 事 項 なし 家 族 歴 : 祖 母 ( 父 方 ) 肺 癌 高 血 圧 祖 母 ( 母 方 ) 子 宮 癌 生 活 歴 : 特 記 事 項 なし 現 病 歴 : 1995 年 5 月 右 頸 部 腫 瘤 腰 痛 出 現 し 徐 々に 増 強 発 熱 あり 6 月 当 科 入 院 入 院 時 現 症 : 身 長 159cm 体 重 45kg 血 圧 112/66mmHg 意 識 : 清 明 貧 血 (-) 黄 疸 (-) 肝 脾 腫 (-) 両 頸 部 鎖 骨 上 窩 に 最 大 直 径 2cmのリンパ 節 多 数 触 知 右 ソケイ 部 に 米 粒 大 のリンパ 節 数 個 触 知 13
経 過 19 歳 でHL 発 症 (nodular sclerosis, stageⅢb) ABVD 6コースと 放 射 線 療 法 (IFR; 頸 部 / 胸 部 5.2Gy 腹 部 大 動 脈 周 囲 3Gy) 施 行 するも 新 病 変 出 現 さらに 頸 椎 照 射 (5Gy)と 自 家 末 梢 血 + 骨 髄 移 植 (DHAP 療 法 前 処 置 ;MCNU+CPA+VP-16)で 完 全 寛 解 に 至 った 28 歳 ( 発 症 1 年 後 )で 寛 解 確 認 のためFDG PET/CTを 撮 影 したところ 右 乳 房 に 取 り 込 みを 認 め 超 音 波 ガイ ド 下 の 針 生 検 で 非 浸 潤 癌 と 診 断 され 根 治 切 除 施 行 し 完 治 した Hodgkin lymphoma ABVD Radiation DHAP Auto-BMT ( 前 処 置 ; MCEC) 治 療 経 過 Chemotherapeutic agents ADM 4 mg VLB 1 mg DTIC 43 mg BLM 1 mg Ara-C 196 mg CDDP 137 mg CPA 76 mg MCNU 25 mg VP-16 1 mg Radiaiton Neck-midiastinum 5.8 Gy para-aorta 3 Gy C-spine 5 Gy Breast cancer Ope (curative) Tamoxifen citrate Cardio-vascular symptoms ( 息 切 れ 頻 脈 ) 進 行 性 に 増 悪 Death from cardio-vascular dysfunction ( 急 死 ) July 1995 Oct. 5 Feb. 7 March 9 14
乳 がんのFDG PET/CT 像 Oct. 5 (HL 発 症 1 年 後 ) ホジキンリンパ 腫 と 乳 がんの 組 織 像 Hodgkin lymphoma Nodular sclerosis Breast cancer Non-invasive carcinoma 右 鎖 骨 上 窩 リンパ 節 July 1995 右 乳 房 Nov. 5 15
症 例 2 83 歳 男 性 主 訴 : 左 頚 部 リンパ 節 腫 脹 既 往 歴 :C 型 肝 炎 現 病 歴 :1995 年 8 月 左 頚 部 リンパ 節 腫 脹 で 入 院 生 検 とステージングで 非 ホジキンリンパ 腫 (び 漫 性 大 細 胞 型 B 細 胞 性 リンパ 腫 ;DLBCL) 臨 床 病 期 IIAと 診 断 入 院 時 現 症 : 身 長 17cm 体 重 64kg 意 識 : 清 明 貧 血 (-) 黄 疸 (-) 肝 脾 腫 (-) 左 頚 部 に 最 大 直 径 3cmのリンパ 節 数 個 触 知 他 に 表 在 リンパ 節 腫 脹 なし 経 過 THP-VEPA 療 法 4コースで 寛 解 に 至 らず 左 頸 部 に 放 射 線 照 射 (51.2Gy)を 施 行 し 完 全 寛 解 となった 8 年 後 再 発 ペラゾリン+エトポシド 内 服 療 法 (P-VP 療 法 )で 部 分 寛 解 となるも 合 併 していたC 型 肝 炎 悪 化 のため 化 学 療 法 を 中 止 していた 腫 瘍 マーカー 上 昇 したためPET/CT 撮 影 腹 部 リンパ 節 の 他 に 胃 と 上 行 結 腸 にFDGの 取 り 込 みを 認 めた おのおの 内 視 鏡 検 査 の 結 果 胃 はリンパ 腫 再 発 大 腸 は 大 腸 がん( 腺 がん)の 診 断 であった 16
大 腸 がん 合 併 時 のFDG PET/CTの 所 見 大 腸 がん 悪 性 リンパ 腫 胃 病 変 PET 所 見 胃 弓 隆 起 部 上 行 結 腸 にFDG 高 集 積 が 認 められる 胃 ;SUV 18.1( 悪 性 リンパ 腫 ) 上 行 結 腸 ;SUV 17.3( 大 腸 がん) 大 腸 内 視 鏡 所 見 管 腔 を 半 周 する 隆 起 性 病 変 を 認 める Type3 advancerd colon cancer (well to moderately differentiated adenocarcinoma) (PET/CTは 福 岡 和 白 PET 画 像 診 断 クリニック[ 本 間 穣 先 生 ]で 撮 影 ) 症 例 3 34 歳 女 性 主 訴 : 白 血 球 増 多 家 族 歴 : 母 子 宮 がん 現 病 歴 :1997 年 11 ATL( 慢 性 型 )と 診 断 1999 年 1 月 左 顔 面 神 経 麻 痺 出 現 で 中 枢 神 経 病 変 ( 髄 膜 浸 潤 )が 判 明 し 急 性 転 化 と 判 断 し 治 療 のため 入 院 入 院 時 現 症 : 身 長 158cm 体 重 54kg 意 識 : 清 明 貧 血 (-) 黄 疸 (-) 肝 脾 腫 (-) 17
経 過 入 院 後 髄 注 (MTX+AraC+PSL) 開 始 恥 骨 と 左 大 腿 部 軟 部 腫 瘤 ( 生 検 でATL 病 変 確 認 ) 出 現 放 射 線 療 法 (36.2Gy)とmEPOCH 療 法 を 施 行 し 部 分 寛 解 (mepoch6コース 髄 注 6 回 施 行 ) 1999 年 6 月 同 胞 ドナーから 同 種 骨 髄 移 植 (フル 移 植, 前 処 置 : TBI+CY+AraC, GVHD 予 防 :MTX+CyA) 施 行 経 過 良 好 で 完 全 寛 解 となり 外 来 経 過 観 察 5 年 から 口 内 乾 燥 感 嚥 下 障 害 出 現 したため 3 月 PET/CT 施 行 胸 部 中 部 食 道 から 胸 部 下 部 食 道 に 壁 の 肥 厚 があり これに 一 致 するFDGの 高 集 積 を 認 めた 内 視 鏡 検 査 の 結 果 食 道 がんと 診 断 (ATLは 完 全 寛 解 ) 化 学 療 法 + 放 射 線 療 法 手 術 行 うも 食 道 がん 再 燃 し 1 月 死 亡 食 道 がん 合 併 時 のFDG PET/CTの 所 見 PET 所 見 胸 部 中 部 食 道 から 胸 部 下 部 食 道 に 壁 の 肥 厚 があり これ に 一 致 するFDGの 高 集 積 を 認 める 内 視 鏡 所 見 食 道 管 腔 を 全 周 性 に 狭 窄 する 病 変 を 認 める advanced esophageal cancer type3+-Ⅱc (moderately differentiated squamous cell carcinoma) 18
症 例 4 61 歳 男 性 主 訴 : 意 識 障 害 ( 高 カルシウム 血 症 ) 既 往 歴 : 糖 尿 病 現 病 歴 :3 年 6 月 徐 々に 進 行 する 意 識 障 害 のため 他 院 に 緊 急 入 院 全 身 リンパ 節 腫 脹 胸 水 高 カルシウム 血 症 があり 精 査 に て 成 人 T 細 胞 白 血 病 (ATL; 急 性 型 )と 診 断 入 院 時 現 症 : 身 長 157cm 体 重 44kg 意 識 : 昏 睡 貧 血 (-) 黄 疸 (+) 肝 脾 腫 (+) 全 身 に 最 大 3cmの 表 在 リンパ 節 腫 脹 あり 経 過 LSG15で 発 熱 下 痢 持 続 したため mepochに 変 更 し 4コースで 完 全 寛 解 3 年 1 月 同 胞 ドナーから 同 種 末 梢 血 幹 細 胞 移 植 (ミニ 移 植, 前 処 置 :Flu+Bu, GVHD 予 防 :CyA 単 独 ) 施 行 経 過 良 好 で 外 来 経 過 観 察 4 年 11 月 皮 膚 に 再 発 したため PET/CT 施 行 下 行 結 腸 からS 状 - 下 行 結 腸 移 行 部 にかけて 著 明 な 壁 肥 厚 とFDG 高 集 積 が 認 めら れ 内 視 鏡 検 査 の 結 果 大 腸 がんと 診 断 (ATLは 完 全 寛 解 ) 19
大 腸 がん 合 併 時 のFDG PET/CTの 所 見 内 視 鏡 所 見 PET 所 見 下 行 結 腸 からS 状 - 下 行 結 腸 移 行 部 にかけて 著 明 な 壁 肥 厚 とFDG 高 集 積 が 認 められる 管 腔 を1/2~2/3 周 する 隆 起 性 病 変 を 認 める type3 advanced colon cancer (well to moderately differentiated adenocarcinoma) 症 例 5 67 歳 男 性 主 訴 : 左 鎖 骨 上 窩 リンパ 節 腫 脹 既 往 歴 家 族 歴 : 特 記 事 項 なし 現 病 歴 :7 年 1 月 腫 脹 のため 入 院 精 査 にて 濾 胞 性 リンパ 腫 (grade 3a, stage ⅢA)と 診 断 入 院 時 現 症 : 身 長 173cm 体 重 82kg 意 識 : 清 明 貧 血 (-) 黄 疸 (-) 肝 脾 腫 (-) 左 鎖 骨 上 窩 リンパ 節 に 表 在 リンパ 節 腫 脹 あり
RCHOP6コースで 部 分 寛 解 経 過 8 年 5 月 腸 間 膜 リンパ 節 に 再 燃 R-Fludarabine 6コースで 完 全 寛 解 1 年 6 月 傍 大 動 脈 リンパ 節 に 再 発 放 射 線 照 射 (L4, 15Gy)で 完 全 寛 解 ( 膵 は 照 射 野 外 ) 1 年 11 月 3 回 目 の 再 発 ( 腸 間 膜 ) リツキサン4 回 Zevalin 施 行 11 年 3 月 のPET/CTでは 部 分 寛 解 ( 膵 臓 は 正 常 ) 6 月 PET/CT 施 行 リンパ 腫 は 完 全 寛 解 であったが 膵 体 部 にFDGの 取 り 込 みを 伴 う 腫 瘤 出 現 膵 臓 内 科 の 精 査 で 膵 がん 診 断 化 学 療 法 行 うも 12 年 3 月 死 亡 (リンパ 腫 は 完 全 寛 解 ) リンパ 腫 再 発 病 変 の 推 移 と 膵 がん 合 併 時 のFDG PET/CTの 所 見 リンパ 腫 病 変 ( 腸 間 膜 ) SUV(max) 最 大 6.8 リンパ 腫 病 変 ( 腸 間 膜 ) SUV(max) 最 大 3.3 リンパ 腫 病 変 ( 腸 間 膜 ) 消 失 Zevalin 前 1.12.2 Zevalin 後 11.3.8 膵 癌 診 断 11.11.15 膵 体 部 に 結 節 病 変 SUV(max)3.6 21
まとめ 悪 性 リンパ 腫 治 療 後 にSPMを 発 症 した5 例 において SPM の 診 断 におけるPET/CTの 有 用 性 について 述 べた がん 治 療 後 SPMの 合 併 を 常 に 念 頭 に 置 いて 患 者 の 経 過 観 察 を 行 おうとする 意 識 を 持 つことが 最 も 大 切 なことで ある その 上 でスクリーニングとしてPET/CTを 有 効 に 用 い ることができる 可 能 性 がある SPMの 発 症 予 防 (SPMの 起 こりにくいレジメンの 開 発 な ど) 早 期 発 見 とともに 分 子 標 的 薬 を 用 いることによりそ の 予 後 を 改 善 することが 出 来 る 可 能 性 がある 22