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2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

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連 結 注 記 表 1. 連 結 計 算 書 類 の 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 に 関 する 注 記 等 (1) 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 1 連 結 子 会 社 の 数 及 び 名 称 連 結 子 会 社 の 数 0 社 連 結 子 会 社 の 名 称

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第1章 財務諸表

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解 説 IASBとFASBで 共 通 化 された 収 益 認 識 に 関 する 会 計 基 準 国 際 会 計 基 準 審 議 会 (IASB) 客 員 研 究 員 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 (FASB) 国 際 研 究 員 かわ にし 川 西 やす のぶ 安 喜 はじめに 2014 年 5 月 28 日 国 際 会 計 基 準 審 議 会 (IASB)は 国 際 財 務 報 告 基 準 (IFRS) 第 15 号 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 を 公 表 し 同 日 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 (FASB)は 会 計 基 準 更 新 書 (ASU) 第 201409 号 収 益 認 識 (Topic606): 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 を 公 表 し た これらの 会 計 基 準 は IASBと FASBの 共 同 プロジェクトである 収 益 認 識 プロジェクトの 成 果 であり 実 質 的 に 同 じ 内 容 となっている 本 稿 では この 共 通 化 された 収 益 認 識 に 関 する 会 計 基 準 について IFRS 第 15 号 に 基 づき 解 説 した 上 で IFRS 第 15 号 とASU 第 201409 号 の 間 に 残 る 差 異 について 解 説 する IASB 及 びFASBのボード メンバーやス タッフが 個 人 の 見 解 を 表 明 するこ とは 奨 励 されており 本 稿 では 筆 者 個 人 の 見 解 が 表 明 されている 会 計 上 の 問 題 に 関 するIASB 及 びFASB の 公 式 見 解 は それぞれのボードの 厳 正 なデュー プロセス 審 議 を 経 たものに 限 られている IFRS 第 15 号 の 概 要 範 囲 契 約 とは 2 者 以 上 の 当 事 者 の 間 の 強 制 可 能 な 権 利 及 び 義 務 を 創 出 す る 合 意 をいい それは 書 面 による ものであっても 口 頭 によるもので あっても 企 業 の 実 務 慣 行 によって 示 唆 されるものであってもよい ま た 顧 客 とは 対 価 と 交 換 に 企 業 の 通 常 の 活 動 のアウトプットである 財 又 はサービスを 獲 得 するために そ の 企 業 と 契 約 した 当 事 者 をいう IFRS 第 15 号 は 以 下 を 除 くすべ ての 顧 客 との 契 約 に 適 用 しなければ 国 際 会 計 基 準 (IAS) 第 17 号 リース の 範 囲 に 含 まれるリー ス 契 約 IFRS 第 4 号 保 険 契 約 の 範 囲 に 含 まれる 保 険 契 約 IFRS 第 9 号 金 融 商 品 IFRS 第 10 号 連 結 財 務 諸 表 IFRS 第 11 号 共 同 支 配 の 取 決 め IAS 第 27 号 個 別 財 務 諸 表 及 びIAS 第 28 号 関 連 会 社 及 び 共 同 支 配 企 業 に 対 する 投 資 の 範 囲 に 含 まれ る 金 融 商 品 その 他 の 契 約 上 の 権 利 及 び 義 務 顧 客 ( 又 は 潜 在 的 な 顧 客 )への 販 売 を 促 進 するための 同 業 種 の 企 業 間 の 非 貨 幣 性 の 交 換 顧 客 との 契 約 の 一 部 がIFRS 第 15 号 の 範 囲 に 含 まれ 残 りの 部 分 が IFRS 第 15 号 以 外 の 会 計 基 準 の 範 囲 に 含 まれることがある IFRS 第 15 号 以 外 の 会 計 基 準 が 契 約 の 一 部 を 区 分 する 方 法 若 しくはこれを 当 初 測 定 する 方 法 ( 又 はその 両 方 )を 定 めて いる 場 合 企 業 は まず IFRS 第 15 号 以 外 の 会 計 基 準 に 従 わなければな らない IFRS 第 15 号 以 外 の 会 計 基 準 に 従 って 当 初 測 定 した 部 分 は 取 引 価 格 から 除 外 する IFRS 第 15 号 以 外 の 会 計 基 準 が 契 約 の 一 部 を 区 分 する 方 法 若 しくはこれを 当 初 測 定 す る 方 法 ( 又 はその 両 方 )を 定 めてい ない 場 合 企 業 はIFRS 第 15 号 に 従 わなければ コア 原 則 と5つのステップ IFRS 第 15 号 のコア 原 則 は 企 業 が 約 束 された 財 又 はサービスの 顧 客 への 移 転 を 描 写 するように その 財 又 はサービスと 交 換 に 受 け 取 る 権 利 を 得 ることが 見 込 まれる 対 価 の 金 額 を 反 映 した 金 額 により 収 益 を 認 識 しなければならないというもので 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014 27

ある このコア 原 則 を 達 成 するため 企 業 は 以 下 のステップを 踏 むことによ り 収 益 を 認 識 することとなる 1. 顧 客 との 契 約 の 識 別 2. 契 約 に 含 まれる 別 個 の 履 行 義 務 の 識 別 3. 取 引 価 格 の 決 定 4. 契 約 に 含 まれる 履 行 義 務 への 取 引 価 格 の 配 分 5. 履 行 義 務 充 足 時 の 収 益 認 識 ステップ1: 顧 客 との 契 約 の 識 別 1 契 約 の 識 別 以 下 の 要 件 をすべて 満 たす 場 合 に のみ 企 業 は IFRS 第 15 号 の 範 囲 に 含 まれる 顧 客 との 契 約 について 会 計 処 理 しなければ 契 約 の 各 当 事 者 が 契 約 を 承 認 し ており かつ それぞれの 義 務 を 履 行 することを 約 束 している 企 業 が 移 転 される 財 又 はサー ビスに 関 する 各 当 事 者 の 権 利 を 識 別 することができる 企 業 が 移 転 される 財 又 はサー ビスの 支 払 条 件 を 識 別 することが できる 契 約 に 商 業 的 実 態 がある 顧 客 に 移 転 される 財 又 はサービ スと 交 換 に 権 利 を 得 る 対 価 を 企 業 が 回 収 する 可 能 性 が 高 い 顧 客 との 契 約 が 上 記 の 要 件 を 満 た さない 場 合 企 業 は 要 件 を 満 たす かどうかをその 後 も 継 続 して 評 価 し なければ 2 契 約 の 結 合 以 下 のいずれかの 要 件 を 満 たす 場 合 企 業 は 同 じ 顧 客 ( 又 はその 顧 客 の 関 連 当 事 者 )と 同 時 ( 又 はほぼ 同 時 )に 締 結 された2 以 上 の 契 約 を 結 合 し 単 一 の 契 約 として 会 計 処 理 しなければ これらの 契 約 が 単 一 の 商 業 的 3 な 目 的 をもってまとめて 交 渉 され る ある 契 約 において 支 払 われる 対 価 の 金 額 が 他 の 契 約 の 価 格 又 は 履 行 に 依 存 する 契 約 における 約 束 された 財 若 し くはサービス( 又 はそれぞれの 契 約 の 財 若 しくはサービスの 一 部 ) が 単 一 の 履 行 義 務 を 構 成 する 契 約 の 変 更 契 約 の 変 更 とは 契 約 の 各 当 事 者 が 承 認 した 契 約 の 範 囲 若 しくは 価 格 ( 又 はその 両 方 )の 変 更 をいう 以 下 の 条 件 を 共 に 満 たす 場 合 企 業 は 契 約 の 変 更 について 既 存 の 契 約 とは 別 個 の 契 約 として 会 計 処 理 しな ければ 区 別 できる 約 束 された 財 又 はサー ビスが 追 加 されたために 契 約 の 範 囲 が 拡 大 する 追 加 の 約 束 された 財 又 はサービ スの 単 独 販 売 価 格 及 びその 具 体 的 な 契 約 の 状 況 を 反 映 するための 適 切 な 修 正 を 反 映 した 対 価 の 金 額 だ け 契 約 の 価 格 が 増 加 する 契 約 の 変 更 を 別 個 の 契 約 として 会 計 処 理 しない 場 合 企 業 は 契 約 変 更 日 に 未 移 転 の 約 束 された 財 又 はサー ビスについて 以 下 のいずれかの 方 法 により 会 計 処 理 しなければならな い 契 約 変 更 日 以 前 に 移 転 した 財 又 は サービスが 残 りの 財 又 はサー ビスと 区 別 できる 場 合 契 約 の 変 更 は 既 存 の 契 約 を 終 了 し 新 し い 契 約 を 締 結 したかのように 会 計 処 理 する 残 りの 履 行 義 務 ( 又 は 単 一 の 履 行 義 務 に 含 まれる 残 りの 区 別 できる 財 又 はサービス)に 配 分 される 対 価 の 金 額 は 以 下 の 合 計 である 顧 客 により 約 束 された 対 価 ( 既 に 顧 客 より 受 け 取 った 対 価 を 含 む )で 取 引 価 格 の 見 積 りに 含 めたものの まだ 収 益 と して 認 識 していない 金 額 ⅱ 契 約 の 変 更 の 一 部 として 約 束 された 対 価 残 りの 財 又 はサービスが 区 別 で きず したがって 契 約 変 更 日 に おいて 部 分 的 に 充 足 されている 単 一 の 履 行 義 務 の 一 部 を 構 成 する 場 合 契 約 の 変 更 は 既 存 の 契 約 の 一 部 として 会 計 処 理 する 契 約 の 変 更 が 取 引 価 格 及 び 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 向 けた 進 捗 度 の 測 定 値 に 与 える 影 響 は 契 約 変 更 日 に 累 積 的 影 響 額 を 調 整 ( 収 益 を 増 額 又 は 減 額 )する 形 で 認 識 する 残 りの 財 又 はサービスが 上 記 及 びの 組 合 せである 場 合 変 更 後 の 契 約 における 未 充 足 の 履 行 義 務 ( 部 分 的 に 未 充 足 のものを 含 む ) にその 契 約 の 変 更 が 与 える 影 響 に ついては 上 記 及 びの 目 的 と 整 合 するように 会 計 処 理 する ステップ2: 契 約 に 含 まれる 別 個 の 履 行 義 務 の 識 別 契 約 開 始 時 に 企 業 は 契 約 にお いて 約 束 された 財 又 はサービスを 評 価 し 以 下 のいずれかを 顧 客 に 移 転 する 約 束 のそれぞれについて 履 行 義 務 として 識 別 しなければ 区 別 できる 財 若 しくはサービス ( 又 はそれらの 束 ) 実 質 的 に 同 じであり かつ 顧 客 への 移 転 のパターンが 同 じであ る 一 連 の 区 別 できる 財 又 はサー ビス ここで 以 下 の 要 件 が 共 に 満 たさ れる 場 合 顧 客 と 約 束 された 財 又 は サービスは 区 別 できる 顧 客 が 単 独 で 又 は 顧 客 が 容 易 に 入 手 できる 他 の 資 源 と 組 み 合 28 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014

わせて その 財 又 はサービスから 便 益 を 享 受 することができる( 財 又 はサービスが 区 別 できるものと なり 得 る) 顧 客 に 財 又 はサービスを 移 転 す る 約 束 が 契 約 に 含 まれる 他 の 約 束 と 別 個 に 識 別 できる( 財 又 はサー ビスがその 契 約 の 文 脈 において 識 別 できる) 約 束 された 財 又 はサービスが 区 別 できない 場 合 識 別 できる 財 又 はサー ビスの 束 を 識 別 できるようになるま で その 財 又 はサービスは 他 の 約 束 された 財 又 はサービスと 一 緒 にして 考 える 以 下 の 要 件 が 共 に 満 たされる 場 合 一 連 の 区 別 できる 財 又 はサービスの 顧 客 への 移 転 パターンは 同 じである 企 業 が 顧 客 に 移 転 することを 約 束 する 一 連 の 財 又 はサービスに 含 まれる 区 別 できる 財 又 はサービ スが 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 さ れる 履 行 義 務 となるための 要 件 を 満 たす 一 連 の 財 又 はサービスを 構 成 す る それぞれの 区 別 できる 財 又 は サービスを 移 転 する 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 向 けた 進 捗 度 を 測 定 す るに 当 たり 同 じ 手 法 が 用 いられ る ステップ3: 取 引 価 格 の 決 定 企 業 は 契 約 条 件 及 び 実 務 慣 行 を 考 慮 し その 取 引 価 格 の 金 額 を 決 定 しなければここで 取 引 価 格 とは 約 束 された 財 又 はサービ スを 顧 客 に 移 転 することと 交 換 に 受 け 取 る 権 利 を 得 ることが 見 込 まれる 対 価 の 金 額 ( 一 部 の 売 上 税 等 第 三 者 のために 回 収 する 金 額 を 除 く ) をいう 契 約 において 顧 客 と 約 束 さ れる 対 価 は 固 定 額 でも 変 動 額 で も その 組 合 せであってもよい 顧 客 と 約 束 された 対 価 の 性 質 時 期 及 び 金 額 は 取 引 価 格 の 見 積 りに 影 響 する 取 引 価 格 の 決 定 に 当 たり 企 業 は 以 下 のすべての 項 目 の 影 響 を 考 慮 しなければ 1. 変 動 対 価 2. 契 約 に 含 まれる 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 3. 現 金 以 外 の 対 価 4. 顧 客 に 支 払 う 対 価 1 変 動 対 価 変 動 対 価 の 見 積 り 契 約 において 約 束 された 対 価 が 変 動 額 を 含 む 場 合 企 業 は 約 束 され た 財 又 はサービスを 顧 客 に 移 転 する ことと 交 換 に 受 け 取 る 権 利 を 得 るこ ととなる 対 価 の 金 額 を 見 積 もらなけ れば 対 価 の 金 額 は 値 引 リベート 返 金 クレジット イン センティブ 実 績 ボーナス ペナル ティー 又 は 類 似 の 項 目 により 変 動 す ることがある また 企 業 が 対 価 を 受 け 取 る 権 利 が 将 来 事 象 の 発 生 又 は 不 発 生 という 条 件 付 きである 場 合 が ある 契 約 において 明 示 されている 場 合 のほか 以 下 のいずれかの 場 合 にも 約 束 された 対 価 が 変 動 することがあ る 企 業 の 実 務 慣 行 公 表 された 方 針 又 は 具 体 的 な 声 明 に 基 づき 顧 客 は 企 業 が 契 約 において 示 され た 金 額 よりも 少 ない 対 価 を 受 け 入 れるとの 妥 当 な 期 待 を 抱 いている ( 企 業 が 値 引 を 提 示 することが 見 込 まれる ) その 他 の 事 実 及 び 状 況 が 契 約 を 締 結 した 時 点 で 企 業 が 顧 客 に 値 引 を 提 示 する 意 図 があったこと を 示 している 企 業 は 以 下 の 方 法 のうち 権 利 を 得 ることとなる 対 価 の 金 額 をより よく 予 測 する 方 法 により 変 動 対 価 の 金 額 を 見 積 もらなければ 期 待 値 : 期 待 値 とは 考 えられ る 対 価 の 金 額 の 範 囲 について 確 率 加 重 した 金 額 の 合 計 をいう 期 待 値 は 類 似 する 特 徴 を 有 する 契 約 を 多 数 保 有 している 場 合 に 変 動 対 価 の 適 切 な 見 積 値 となること がある 最 頻 値 : 最 頻 値 とは 考 えられ る 対 価 の 金 額 の 範 囲 の 中 で 最 も 発 生 可 能 性 が 高 い 単 独 の 金 額 をい う 最 頻 値 は ( 例 えば 実 績 ボー ナスを 達 成 するかしないかという ように) 考 えられる 契 約 の 結 果 が 2つしかない 場 合 に 変 動 対 価 の 適 切 な 見 積 値 となることがある 企 業 が 受 け 取 る 権 利 を 得 ることと なる 変 動 対 価 の 金 額 に 関 する 不 確 実 性 の 見 積 りに 当 たり 企 業 は 上 記 のいずれかの 方 法 を 契 約 を 通 じて 一 貫 して 適 用 しなければ また ( 過 去 現 在 及 び 将 来 に 関 す る) 合 理 的 に 入 手 可 能 なすべての 情 報 を 考 慮 し 合 理 的 な 数 の 考 えられ る 対 価 の 金 額 の 組 合 せを 識 別 しなけ れば 変 動 対 価 の 金 額 を 見 積 もる 上 で 用 いる 情 報 は 通 常 入 札 プロセスや 約 束 された 財 又 はサー ビスの 価 格 を 決 定 する 際 に 経 営 者 が 用 いる 情 報 と 類 似 している 変 動 対 価 の 見 積 りに 対 する 制 約 変 動 対 価 に 関 連 する 不 確 実 性 が 事 後 に 解 消 された 時 点 で それまでに 認 識 された 収 益 の 累 計 額 に 重 要 な 戻 入 れが 発 生 しない 可 能 性 が 非 常 に 高 い 金 額 を 限 度 として 企 業 は 変 動 対 価 の 見 積 値 の 全 部 又 は 一 部 を 取 引 価 格 に 含 めなければこの 評 価 に 当 たり 企 業 は 収 益 の 戻 入 れの 発 生 可 能 性 と 金 額 の 大 きさの 両 方 を 考 慮 しなければ 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014 29

変 動 対 価 の 再 評 価 各 報 告 期 間 末 において 企 業 は 報 告 期 間 末 における 状 況 及 び 報 告 期 間 中 の 状 況 の 変 化 を 忠 実 に 表 現 する ため 取 引 価 格 の 見 積 値 を 更 新 しな ければ 2 契 約 に 含 まれる 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 取 引 価 格 の 決 定 に 当 たり 契 約 の 当 事 者 によって( 明 示 的 又 は 黙 示 的 に) 合 意 された 支 払 時 期 が 顧 客 又 は 企 業 に 対 して 顧 客 への 財 又 はサー ビスの 移 転 に 当 たり 資 金 調 達 という 重 要 な 便 益 をもたらす 場 合 ( 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 が 含 まれる 場 合 ) 企 業 は 貨 幣 の 時 間 価 値 の 影 響 につ いて 約 束 された 対 価 の 金 額 を 調 整 し なければ 約 束 された 対 価 の 金 額 を 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 について 調 整 する 目 的 は 顧 客 に 財 若 しくはサービスが 移 転 した 時 点 で( 又 は 財 若 しくはサー ビスが 移 転 するに 従 い) それらの 財 又 はサービスに 対 して 顧 客 が 現 金 で 支 払 ったと 仮 定 した 場 合 に 支 払 っ たであろう 金 額 ( 現 金 販 売 価 格 )を 反 映 する 金 額 により 企 業 が 収 益 を 認 識 することにある 上 記 にかかわらず 以 下 のいずれ かの 場 合 には 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 は 存 在 しないものとする 顧 客 が 財 又 はサービスについて 前 払 いしており それらの 財 又 は サービスの 移 転 の 時 期 が 顧 客 の 裁 量 にゆだねられている 顧 客 によって 約 束 された 対 価 の 金 額 の 相 当 部 分 が 変 動 し その 対 価 の 金 額 又 は 支 払 時 期 は 実 質 的 に 顧 客 又 は 企 業 の 支 配 の 及 ばない 将 来 の 事 象 の 発 生 又 は 不 発 生 によっ て 変 動 する 約 束 された 対 価 の 金 額 と 財 又 は サービスの 現 金 販 売 価 格 の 差 額 が 顧 客 又 は 企 業 に 資 金 を 提 供 するこ と 以 外 の 理 由 によって 発 生 し そ の 差 額 は その 差 額 が 発 生 する 理 由 に 比 例 する 例 えば 支 払 条 件 が 契 約 に 基 づき 第 三 者 がその 義 務 の 全 部 又 は 一 部 を 果 たさない 場 合 の 防 御 策 を 企 業 又 は 顧 客 に 与 え ていることがある 実 務 上 の 簡 便 法 として 約 束 され た 財 又 はサービスを 移 転 する 時 点 と 顧 客 がその 財 又 はサービスについて 支 払 う 時 点 の 間 が1 年 以 内 であると 企 業 が 契 約 開 始 時 に 見 込 む 場 合 企 業 は 約 束 された 対 価 を 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 について 調 整 しなくてもよ い 3 現 金 以 外 の 対 価 現 金 以 外 の 形 で 顧 客 が 対 価 を 約 束 する 契 約 の 取 引 価 格 の 決 定 に 当 たり 現 金 以 外 の 対 価 ( 又 は 現 金 以 外 の 対 価 に 関 する 約 束 )は 公 正 価 値 によ り 測 定 しなければ 現 金 以 外 の 対 価 の 公 正 価 値 を 合 理 的 に 見 積 もることができない 場 合 企 業 は 顧 客 ( 又 は 顧 客 の 種 類 )に 約 束 され た 財 又 はサービスの 単 独 販 売 価 格 を 参 照 することにより 間 接 的 に 対 価 を 測 定 しなければ 4 顧 客 に 支 払 う 対 価 顧 客 に 支 払 う 対 価 には 企 業 が 顧 客 ( 又 は 企 業 の 財 若 しくはサービス を 顧 客 から 購 入 する 第 三 者 )に 支 払 っ た( 又 は 支 払 う 予 定 である) 現 金 の 金 額 や 企 業 ( 又 は 企 業 の 財 若 しく はサービスを 顧 客 から 購 入 する 第 三 者 )に 対 して 負 う 金 額 と 相 殺 できる (クーポンやバウチャーのような) クレジットその 他 の 項 目 が 含 まれる 企 業 は 顧 客 に 支 払 う 対 価 について その 支 払 いが 顧 客 が 企 業 に 移 転 す る 区 別 できる 財 又 はサービスと 交 換 に 行 われるものでない 限 り 取 引 価 格 の 減 額 (ひいては 収 益 の 減 額 ) として 会 計 処 理 しなければ ステップ4: 契 約 に 含 まれる 履 行 義 務 への 取 引 価 格 の 配 分 1 取 引 価 格 の 履 行 義 務 への 配 分 の 目 的 取 引 価 格 を 配 分 する 目 的 は 顧 客 に 約 束 された 財 又 はサービスを 移 転 することと 交 換 に 受 け 取 る 権 利 を 得 ることを 企 業 が 見 込 む 対 価 の 金 額 を 描 写 する 金 額 により それぞれの 履 行 義 務 ( 又 は 区 別 できる 財 若 しくは サービス)に 取 引 価 格 を 配 分 するこ とにある この 目 的 を 達 成 するため 企 業 は 取 引 価 格 について それぞ れの 履 行 義 務 に 対 し 単 独 販 売 価 格 に 比 例 するように 配 分 しなければな らない( 値 引 の 配 分 及 び 変 動 対 価 の 配 分 については 別 に 定 めている) 2 単 独 販 売 価 格 に 基 づく 配 分 企 業 は 契 約 に 含 まれるそれぞれ の 履 行 義 務 の 基 礎 となる 区 別 でき る 財 又 はサービスの 単 独 販 売 価 格 を 契 約 開 始 時 に 決 定 し それらの 単 独 販 売 価 格 に 比 例 するように 取 引 価 格 を 配 分 しなければここで 単 独 販 売 価 格 とは 顧 客 に 約 束 され た 財 又 はサービスを 別 個 に 販 売 する 場 合 の 価 格 をいう 単 独 販 売 価 格 の 最 高 の 証 拠 は 類 似 する 状 況 で 類 似 する 顧 客 にその 財 又 はサービスを 別 個 に 販 売 する 場 合 のその 財 又 はサー ビスの 観 察 可 能 な 価 格 である 財 又 はサービスの 契 約 に 規 定 した 価 格 や 定 価 は その 財 又 はサービスの 単 独 販 売 価 格 となることがあるが そう であることを 前 提 にしては 単 独 販 売 価 格 が 直 接 的 に 観 察 可 能 ではない 場 合 企 業 は 取 引 価 格 の 配 分 が 上 記 の 目 的 を 達 成 するように 単 独 販 売 価 格 を 見 積 もらなければな 30 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014

らない 単 独 販 売 価 格 の 見 積 りに 当 たり 企 業 は ( 市 場 の 状 況 企 業 固 有 の 要 因 及 び 顧 客 又 は 顧 客 の 種 類 に 関 する 情 報 を 含 む) 利 用 可 能 な すべての 情 報 を 考 慮 し 観 察 可 能 な インプットを 最 大 限 に 利 用 し 類 似 する 状 況 には 整 合 的 に 見 積 方 法 を 適 用 しなければ 3 値 引 の 配 分 契 約 において 約 束 された 財 又 はサー ビスの 単 独 販 売 価 格 の 合 計 が 契 約 において 約 束 された 対 価 を 上 回 る 場 合 顧 客 は 財 又 はサービスを 束 で 購 入 することによる 値 引 を 受 けてい る 値 引 全 体 が 契 約 に 含 まれる (すべての 履 行 義 務 ではない)1 以 上 の 履 行 義 務 に 関 連 することの 観 察 可 能 な 証 拠 がある 場 合 を 除 き 企 業 は 契 約 に 含 まれるすべての 履 行 義 務 に 比 例 的 に 値 引 を 配 分 しなければ 以 下 の 要 件 をすべて 満 たす 場 合 企 業 は 値 引 全 体 を 契 約 に 含 まれる (すべての 履 行 義 務 ではない)1 以 上 の 履 行 義 務 に 配 分 しなければなら ない 企 業 が 契 約 に 含 まれる 区 別 で きる 財 若 しくはサービス( 又 はそ の 束 )のそれぞれについて 日 常 的 に 単 独 で 販 売 している 区 別 できる 財 又 はサービスの 一 部 の 束 ( 又 は 複 数 の 束 )について 日 常 的 にそれぞれの 束 の 単 独 販 売 価 格 から 値 引 をして 単 独 で 販 売 し ている 上 記 のそれぞれの 束 に 帰 属 する 値 引 と 契 約 に 対 する 値 引 が 実 質 的 に 同 じであり それぞれの 束 に 含 まれる 財 又 はサービスを 分 析 す ることにより 契 約 に 対 する 値 引 全 体 が どの 履 行 義 務 に 帰 属 する のかについての 観 察 可 能 な 証 拠 が 得 られる 4 変 動 対 価 の 配 分 契 約 において 約 束 された 変 動 対 価 は 契 約 全 体 に 帰 属 させることもあ れば 以 下 のいずれかのように 契 約 の 特 定 の 部 分 に 帰 属 させることも ある 契 約 に 含 まれる(そのすべてで はない)1 以 上 の 履 行 義 務 ( 例 え ば ボーナスが 特 定 の 期 間 内 に 約 束 された 財 又 はサービスを 移 転 するという 条 件 付 きの 場 合 ) 単 一 の 履 行 義 務 を 構 成 する 一 連 の 区 別 できる 財 又 はサービスに 含 まれる(そのすべてではない)1 以 上 の 区 別 できる 財 又 はサービス ( 例 えば 2 年 間 の 清 掃 サービス 契 約 の2 年 目 の 約 束 された 対 価 が 特 定 のインフレ 指 標 の 変 動 に 基 づ き 変 動 する 場 合 ) 以 下 の 要 件 を 共 に 満 たす 場 合 企 業 は 変 動 対 価 ( 及 びその 後 のその 金 額 の 変 動 ) 全 体 について 履 行 義 務 又 は 単 一 の 履 行 義 務 を 構 成 する 区 別 できる 財 若 しくはサービスに 配 分 しなければ 変 動 対 価 の 条 件 が 履 行 義 務 を 充 足 するか 区 別 できる 財 若 しく はサービスを 移 転 するという 企 業 の 特 定 の 努 力 ( 又 は 履 行 義 務 の 充 足 若 しくは 区 別 できる 財 又 はサー ビスの 移 転 による 特 定 の 結 果 )に 関 係 している 契 約 に 含 まれるすべての 履 行 義 務 及 び 支 払 条 件 を 考 慮 した 場 合 に 変 動 対 価 全 体 を 履 行 義 務 又 は 区 別 できる 財 若 しくはサービスに 配 分 することが 取 引 価 格 の 履 行 義 務 への 配 分 の 目 的 と 整 合 している 5 取 引 価 格 の 変 動 契 約 開 始 後 さまざまな 理 由 によ り 取 引 価 格 が 変 動 することがある これには 不 確 実 性 のある 事 象 の 解 決 その 他 の 状 況 の 変 化 により 企 業 が 約 束 された 財 又 はサービスと 交 換 に 受 け 取 る 権 利 を 得 ることが 見 込 ま れる 対 価 の 金 額 が 変 動 する 場 合 が 含 まれる 取 引 価 格 の 事 後 の 変 動 は 契 約 開 始 時 と 同 じ 基 礎 により 履 行 義 務 に 配 分 する したがって 契 約 開 始 後 の 単 独 販 売 価 格 の 変 動 を 反 映 するよ うに 取 引 価 格 を 再 配 分 してはならな い 履 行 済 みの 履 行 義 務 に 配 分 され る 金 額 は 取 引 価 格 が 変 動 した 期 間 に 収 益 ( 又 は 収 益 の 減 額 )として 認 識 しなければ 契 約 の 変 更 の 結 果 として 生 じる 取 引 価 格 の 変 動 については 契 約 の 変 更 に 関 する 会 計 処 理 を 行 わなければ 契 約 変 更 後 の 取 引 価 格 の 変 動 については 以 下 の 方 法 によら なければ 取 引 価 格 の 変 動 は その 変 動 が 変 更 前 に 約 束 された 変 動 対 価 の 金 額 に 帰 属 し その 契 約 の 変 更 が 既 存 の 契 約 の 解 約 及 び 新 しい 契 約 の 締 結 として 会 計 処 理 される 場 合 かつ その 限 りにおいて 変 更 前 の 契 約 において 識 別 された 履 行 義 務 に 配 分 する 別 個 の 契 約 として 会 計 処 理 され ない その 他 の 契 約 の 変 更 につい て 取 引 価 格 の 変 動 は 変 更 後 の 契 約 ( 変 更 直 後 の 未 充 足 又 は 部 分 的 に 未 充 足 の 履 行 義 務 )に 配 分 す る ステップ5: 履 行 義 務 充 足 時 の 収 益 認 識 1 収 益 の 認 識 企 業 は 約 束 された 財 又 はサービ ス( 資 産 )を 移 転 することにより 履 行 義 務 を 充 足 した 時 点 で( 又 は 履 行 義 務 を 充 足 するに 従 い) 収 益 を 認 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014 31

識 しなければ 顧 客 が 資 産 の 支 配 を 獲 得 した 時 点 で( 又 は 支 配 を 獲 得 するに 従 い) その 資 産 は 移 転 する 企 業 は 識 別 されたそれぞれの 履 行 義 務 について 契 約 開 始 時 に そ の 履 行 義 務 が 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 されるものであるのか 一 時 点 で 充 足 されるものであるのかを 決 定 し なければ 履 行 義 務 が 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 されるものでは ない 場 合 それは 一 時 点 で 充 足 され る 履 行 義 務 である 2 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 される 履 行 義 務 以 下 のいずれかの 要 件 を 満 たす 場 合 企 業 は 財 又 はサービスに 対 す る 支 配 を 一 定 の 期 間 にわたり 移 転 し 履 行 義 務 を 充 足 するため 一 定 の 期 間 にわたり 収 益 を 認 識 しなければな らない 企 業 が 履 行 するに 従 い 顧 客 は その 履 行 によりもたらされる 便 益 を 受 け 取 ると 同 時 に 消 費 する 企 業 の 履 行 により 資 産 が 創 出 されるか 資 産 の 価 値 が 増 加 し 顧 客 は その 資 産 が 創 出 されるか 資 産 の 価 値 が 増 加 するに 従 い その 資 産 を 支 配 する 企 業 の 履 行 により その 企 業 に とって 代 替 的 な 用 途 のある 資 産 が 創 出 されず 企 業 はその 時 点 まで の 履 行 について 支 払 いを 受 ける 強 制 可 能 な 権 利 を 有 している 3 一 時 点 で 充 足 される 履 行 義 務 履 行 義 務 が 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 されるものではない 場 合 それは 一 時 点 で 充 足 される 履 行 義 務 である 顧 客 が 約 束 された 資 産 の 支 配 を 獲 得 する 時 点 について 企 業 は 支 配 に 関 する 規 定 に 従 わなければ また 支 配 の 移 転 については 以 下 のような 指 標 を 考 慮 しなければなら ない(ただし これらに 限 定 されな い ) 企 業 が 資 産 について 支 払 いを 受 ける 現 在 の 権 利 を 有 している 顧 客 が 資 産 に 対 する 法 律 上 の 所 有 権 を 有 している 企 業 が 資 産 の 物 理 的 な 占 有 を 移 転 している 顧 客 が 資 産 の 所 有 に 関 する 重 要 なリスク 及 び 経 済 価 値 を 有 してい る 顧 客 が 資 産 を 受 け 入 れている 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 向 けた 進 捗 度 の 測 定 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 される 履 行 義 務 について 企 業 は その 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 向 けた 進 捗 度 を 測 定 することにより 一 定 の 期 間 に わたり 収 益 を 認 識 しなければならな い 進 捗 度 を 測 定 する 目 的 は 顧 客 に 約 束 された 財 又 はサービスの 支 配 を 移 転 するという 企 業 の 履 行 ( 企 業 による 履 行 義 務 の 充 足 )を 描 写 する ことにある 企 業 は 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 される 履 行 義 務 の 進 捗 度 の 測 定 に 当 たり それぞれ 単 一 の 手 法 を 適 用 し 類 似 する 履 行 義 務 や 類 似 する 状 況 においても 整 合 的 にその 手 法 を 適 用 しなければ 各 報 告 期 間 末 において 企 業 は 一 定 の 期 間 に わたり 充 足 される 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 向 けた 進 捗 度 を 再 測 定 しなけ れば 適 切 な 進 捗 度 の 測 定 手 法 には イ ンプット 法 やアウトプット 法 がある 進 捗 度 の 測 定 に 適 切 な 手 法 を 決 定 す るに 当 たり 企 業 は 顧 客 に 移 転 す ることを 約 束 した 財 又 はサービスの 性 質 を 考 慮 しなければ 企 業 は 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 32 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014

向 けた 進 捗 度 を 合 理 的 に 測 定 できる 場 合 にのみ 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 される 履 行 義 務 について 収 益 を 認 識 しなければ 進 捗 度 を 測 定 する 適 切 な 手 法 を 適 用 する 上 で 必 要 な 信 頼 できる 情 報 が 得 られない 場 合 企 業 は 履 行 義 務 の 完 全 な 充 足 に 向 けた 進 捗 度 を 合 理 的 に 測 定 する ことができない ( 契 約 が 初 期 段 階 にある 等 ) 状 況 によっては 企 業 が 履 行 義 務 の 結 果 を 合 理 的 に 測 定 することができない ものの 履 行 義 務 の 充 足 に 当 たり 発 生 したコストを 回 収 できる 見 込 みが ある 場 合 がある そのような 場 合 履 行 義 務 の 結 果 を 合 理 的 に 測 定 する ことができるようになるまで 発 生 したコストを 限 度 に 収 益 を 認 識 しな ければ 契 約 コスト 1 契 約 を 獲 得 するための 増 分 コスト 顧 客 との 契 約 を 獲 得 するための 増 分 コストは 企 業 がそのコストを 回 収 することを 見 込 んでいる 場 合 資 産 として 認 識 しなければ ここで 契 約 を 獲 得 するための 増 分 コストとは 契 約 が 獲 得 されていな ければ 発 生 していなかったであろう 顧 客 との 契 約 を 獲 得 するために 企 業 が 発 生 させたコストをいう 実 務 上 の 簡 便 法 として 契 約 を 獲 得 するための 増 分 コストは それを 資 産 として 認 識 した 場 合 の 償 却 期 間 が1 年 以 内 であると 考 えられる 場 合 発 生 時 の 費 用 として 認 識 することが できる 2 契 約 を 履 行 するためのコスト 顧 客 との 契 約 を 履 行 するために 発 生 したコストが IAS 第 2 号 棚 卸 資 産 IAS 第 16 号 有 形 固 定 資 産 又 はIAS 第 38 号 無 形 資 産 等 の 他 の 会 計 基 準 の 範 囲 に 含 まれる 場 合 企 業 は これら 他 の 会 計 基 準 に 従 い 会 計 処 理 しなければ 顧 客 との 契 約 を 履 行 するために 発 生 したコストが 他 の 会 計 基 準 の 範 囲 に 含 まれない 場 合 企 業 は 以 下 の 要 件 をすべて 満 たす 場 合 にのみ 発 生 したコストを 資 産 として 認 識 しな ければ そのコストが 企 業 が 具 体 的 に 識 別 できる 契 約 ( 又 は 予 想 される 契 約 )に 直 接 関 連 している そのコストが 将 来 履 行 義 務 を 充 足 する( 又 は 履 行 義 務 を 充 足 し 続 ける)ために 用 いられる 企 業 の 資 源 を 創 出 するか その 資 源 の 価 値 を 高 める そのコストの 回 収 が 見 込 まれる 3 償 却 及 び 減 損 企 業 は 顧 客 との 契 約 を 獲 得 又 は 履 行 するためのコストについて 資 産 を 認 識 した 場 合 その 資 産 は 関 連 する 財 又 はサービスの 顧 客 への 移 転 と 整 合 するように 規 則 的 に 償 却 し なければ 関 連 する 財 又 は サービスの 顧 客 への 移 転 の 見 込 時 期 に 重 要 な 変 更 があった 場 合 これを 反 映 するために 償 却 費 を 更 新 しなけ れば 顧 客 との 契 約 を 獲 得 又 は 履 行 する ためのコストについて 資 産 を 認 識 した 場 合 で その 帳 簿 価 額 が 以 下 の からを 控 除 した 金 額 を 上 回 る 場 合 企 業 は その 上 回 る 金 額 につい て 減 損 損 失 を 認 識 しなければならな い 関 連 する 財 又 はサービスと 交 換 に 企 業 が 受 け 取 ることを 見 込 む 残 りの 対 価 の 金 額 まだ 費 用 として 認 識 していない 財 又 はサービスの 提 供 に 直 接 関 連 するコスト 企 業 は 減 損 の 状 況 がもはや 存 在 しないか 状 況 が 改 善 した 場 合 に 過 去 に 認 識 した 減 損 損 失 の 全 部 又 は 一 部 を 戻 し 入 れなければ 戻 入 後 の 帳 簿 価 額 は 過 去 に 減 損 損 失 が 認 識 されていなかったと 仮 定 し た 場 合 の 償 却 後 の 金 額 を 上 回 っては 表 示 契 約 の 当 事 者 のいずれかが 履 行 し た 場 合 企 業 はその 契 約 について 企 業 の 履 行 と 顧 客 の 支 払 いの 関 係 に 基 づき 貸 借 対 照 表 において 契 約 資 産 又 は 契 約 負 債 として 表 示 しなけれ ば 対 価 に 対 する 無 条 件 の 権 利 は 受 取 債 権 として 別 個 に 表 示 しなければ 企 業 が 顧 客 に 財 又 はサービスを 移 転 する 前 に 顧 客 が 対 価 を 支 払 うか 企 業 が 対 価 に 対 する 無 条 件 の 権 利 ( 受 取 債 権 )を 有 する 場 合 支 払 い が 行 われた 時 点 と 支 払 期 日 が 到 来 し た 時 点 のいずれか 早 い 時 点 で 企 業 はその 契 約 について 契 約 負 債 を 表 示 しなければここで 契 約 負 債 とは 顧 客 から 対 価 を 受 け 取 っ ている( 又 は 対 価 の 支 払 期 日 が 到 来 している) 財 又 はサービスを 顧 客 に 移 転 する 企 業 の 義 務 をいう 顧 客 が 対 価 を 支 払 うか 支 払 期 日 が 到 来 する 前 に 企 業 が 財 又 はサー ビスを 移 転 することにより 履 行 する 場 合 企 業 はその 契 約 について 契 約 資 産 を 表 示 しなければならない( 受 取 債 権 として 表 示 されるものを 除 く ) ここで 契 約 資 産 とは 企 業 が 顧 客 に 対 して 移 転 した 財 又 はサー ビスと 交 換 した 対 価 に 対 する 企 業 の 権 利 をいう 契 約 資 産 の 減 損 につ いては IFRS 第 9 号 金 融 商 品 に 従 い 評 価 し 契 約 資 産 の 減 損 の 測 定 表 示 及 び 開 示 については IFRS 第 9 号 の 範 囲 に 含 まれる 金 融 資 産 と 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014 33

同 様 に 行 わなければ 受 取 債 権 は 対 価 に 対 する 無 条 件 の 企 業 の 権 利 をいう 対 価 に 対 する 権 利 は 対 価 の 支 払 期 日 が 到 来 する まで 時 の 経 過 以 外 に 何 も 要 求 され ない 場 合 に 無 条 件 である 受 取 債 権 はIFRS 第 9 号 に 従 い 会 計 処 理 し なければ 顧 客 との 契 約 か ら 生 じる 受 取 債 権 の 当 初 認 識 に 当 た り IFRS 第 9 号 に 従 い 測 定 される 受 取 債 権 の 金 額 とこれに 対 応 して 認 識 する 収 益 の 金 額 との 差 額 は ( 減 損 損 失 等 の) 費 用 として 表 示 しなけ れば IFRS 第 15 号 は 契 約 資 産 及 び 契 約 負 債 という 用 語 を 用 いてい るが 企 業 はこれらの 項 目 について 別 の 表 現 を 貸 借 対 照 表 において 用 い ることができる 別 の 表 現 を 用 いる 場 合 企 業 は 財 務 諸 表 の 利 用 者 が 受 取 債 権 と 契 約 資 産 を 識 別 できるよう に 十 分 な 情 報 を 提 供 しなければな らない 開 示 開 示 規 定 の 目 的 は 財 務 諸 表 の 利 用 者 が 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 及 びキャッシュ フローを 理 解 で きるように 企 業 が 十 分 な 情 報 を 開 示 することにある この 目 的 を 達 成 するため 企 業 は 以 下 のすべてに ついて 定 性 的 及 び 定 量 的 な 情 報 を 開 示 しなければ 1. 顧 客 との 契 約 2. 顧 客 との 契 約 にIFRS 第 15 号 を 適 用 するに 当 たっての 重 要 な 判 断 及 びその 判 断 の 変 更 3. 顧 客 との 契 約 を 獲 得 又 は 履 行 す るためのコストについて 資 産 を 認 識 した 場 合 のその 資 産 1 顧 客 との 契 約 企 業 は 他 の 会 計 基 準 に 従 い 損 益 計 算 書 において 別 個 に 表 示 してい る 場 合 を 除 き 以 下 の 項 目 に 関 する 報 告 期 間 の 金 額 を 開 示 しなければな らない 顧 客 との 契 約 から 認 識 した 収 益 企 業 は 他 の 収 益 の 源 泉 と 区 分 し て 開 示 しなければ 顧 客 との 契 約 から 生 じた 受 取 債 権 又 は 契 約 資 産 について(IFRS 第 9 号 に 従 い) 減 損 損 失 を 認 識 し た 場 合 のその 減 損 損 失 企 業 は 他 の 契 約 から 生 じた 減 損 損 失 と 区 分 して 開 示 しなければ 収 益 の 分 解 表 示 企 業 は 顧 客 との 契 約 から 認 識 し た 収 益 について 収 益 及 びキャッシュ フローの 性 質 金 額 及 び 不 確 実 性 が 経 済 的 な 要 因 によってどのような 影 響 を 受 けるのかを 描 写 するカテゴリー 別 に 分 解 表 示 しなければ また 企 業 がIFRS 第 8 号 事 業 セ グメント を 適 用 している 場 合 こ の 収 益 の 分 解 表 示 と それぞれの 報 告 セグメントについて 開 示 されてい る 収 益 の 情 報 との 関 係 を 財 務 諸 表 の 利 用 者 が 理 解 できるように 十 分 な 情 報 を 開 示 しなければ 契 約 残 高 企 業 は 以 下 を 開 示 しなければなら ない 区 分 して 表 示 又 は 開 示 していな い 場 合 売 上 債 権 契 約 資 産 及 び 契 約 負 債 の 期 首 及 び 期 末 の 残 高 期 首 に 契 約 負 債 の 残 高 に 含 まれ 報 告 期 間 中 に 収 益 として 認 識 した 金 額 過 去 の 期 間 に 充 足 された( 又 は 部 分 的 に 充 足 された) 履 行 義 務 に ついて 報 告 期 間 中 に 認 識 した 収 益 企 業 は 履 行 義 務 の 充 足 の 時 期 と 通 常 の 支 払 時 期 の 関 係 と その 関 係 が 契 約 資 産 又 は 契 約 負 債 の 残 高 に 与 える 影 響 について 説 明 しなければな 34 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014

らない その 説 明 には 定 性 的 な 情 報 を 用 いることができる また 企 業 は 報 告 期 間 中 の 契 約 資 産 及 び 契 約 負 債 の 残 高 の 重 要 な 変 動 について 説 明 しなければ その 説 明 には 定 性 的 及 び 定 量 的 情 報 を 含 めなければ 履 行 義 務 企 業 は 以 下 のすべての 項 目 の 説 明 を 含 む 顧 客 との 契 約 における 履 行 義 務 に 関 する 情 報 を 開 示 しなけれ ば 企 業 が 通 常 履 行 義 務 を 充 足 す る 時 点 重 要 な 支 払 条 件 企 業 が 移 転 を 約 束 した 財 又 はサー ビスの 性 質 第 三 者 による 財 又 は サービスの 移 転 の 手 配 を 行 う( 企 業 が 代 理 人 である) 場 合 の 履 行 義 務 は 明 示 する 返 品 返 金 その 他 の 類 似 の 義 務 製 品 保 証 の 種 類 及 びこれに 関 連 する 義 務 残 りの 履 行 義 務 に 配 分 された 取 引 価 格 企 業 は 残 りの 履 行 義 務 に 関 する 以 下 の 情 報 を 開 示 しなければならな い 履 行 義 務 に 配 分 された 取 引 価 格 のうち 報 告 期 間 末 において 未 充 足 ( 又 は 部 分 的 に 未 充 足 )のもの の 合 計 額 上 記 で 開 示 した 金 額 を 収 益 と して 認 識 することを 企 業 が 見 込 む 時 期 についての 説 明 その 説 明 は 以 下 のいずれかの 方 法 によらなけ れば 履 行 義 務 の 残 存 期 間 に 照 らし て 最 も 適 切 な 時 間 の 区 切 り 方 に より 定 量 的 に 示 す 方 法 ⅱ 定 性 的 な 情 報 による 方 法 実 務 上 の 簡 便 法 として 以 下 のい ずれかの 条 件 を 満 たす 場 合 企 業 は 履 行 義 務 に 関 する 情 報 を 開 示 しなく てよい 履 行 義 務 が 当 初 の 存 続 期 間 が 1 年 以 内 であると 見 込 まれる 契 約 の 一 部 である 企 業 が 履 行 することの 顧 客 にとっ ての 価 値 に 直 接 対 応 する 金 額 を 企 業 が 請 求 できる 場 合 の 実 務 上 の 簡 便 法 として 企 業 が 請 求 権 を 有 する 金 額 に 基 づき 収 益 を 認 識 して いる 企 業 は 上 記 の 実 務 上 の 簡 便 法 を 適 用 しているどうか また 顧 客 と の 契 約 から 生 じる 対 価 のうち 取 引 価 格 に 含 まれず その 結 果 として 残 りの 履 行 義 務 に 関 する 上 記 の 開 示 に 含 まれないものがあるかどうかに ついて 定 性 的 に 説 明 しなければな らない 2 IFRS 第 15 号 を 適 用 するに 当 たっ て 行 った 重 要 な 判 断 企 業 は IFRS 第 15 号 を 適 用 する に 当 たり 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 の 金 額 及 び 時 期 の 決 定 に 重 要 な 影 響 を 与 える 判 断 及 びその 判 断 の 変 更 について 開 示 しなければ 具 体 的 には 企 業 は 以 下 の 及 び を 決 定 する 上 で 用 いた 判 断 及 びそ の 判 断 の 変 更 について 開 示 しなけれ ば 履 行 義 務 の 充 足 の 時 期 取 引 価 格 及 び 履 行 義 務 に 配 分 さ れた 金 額 履 行 義 務 の 充 足 の 時 期 一 定 の 期 間 にわたり 充 足 される 履 行 義 務 について 企 業 は 以 下 の 両 方 について 開 示 しなければ 収 益 認 識 に 用 いた 手 法 用 いた 手 法 が 財 又 はサービスの 移 転 の 忠 実 な 描 写 となる 理 由 一 時 点 で 充 足 される 履 行 義 務 につ いて 企 業 は 顧 客 が 約 束 された 財 又 はサービスの 支 配 をどの 時 点 で 獲 得 するのかを 評 価 する 上 で 重 要 な 判 断 について 開 示 しなければ 取 引 価 格 及 び 履 行 義 務 に 配 分 され た 金 額 企 業 は 以 下 のすべての 項 目 につ いて 用 いた 手 法 インプット 及 び 仮 定 に 関 する 情 報 を 開 示 しなければ 取 引 価 格 の 決 定 ( 変 動 対 価 の 見 積 り 貨 幣 の 時 間 価 値 についての 対 価 の 調 整 及 び 現 金 以 外 の 対 価 の 測 定 を 含 む ) 変 動 対 価 の 見 積 りが 制 約 されて いるかどうか 取 引 価 格 の 配 分 ( 約 束 された 財 又 はサービスの 単 独 販 売 価 格 の 見 積 り 及 び 値 引 又 は 変 動 対 価 を 契 約 の 特 定 の 部 分 に 配 分 している 場 合 はその 配 分 を 含 む ) 返 金 返 品 その 他 の 類 似 する 義 務 の 測 定 3 顧 客 との 契 約 の 獲 得 又 は 履 行 の ためのコストから 認 識 した 資 産 企 業 は 以 下 の 及 びについて 説 明 しなければ 顧 客 との 契 約 を 獲 得 又 は 履 行 す るために 発 生 したコストの 金 額 を 決 定 する 上 で 行 った 判 断 各 報 告 期 間 の 償 却 費 を 決 めるた めに 用 いた 手 法 また 企 業 は 以 下 のすべての 項 目 を 開 示 しなければ 資 産 の 主 なカテゴリー 別 の 顧 客 との 契 約 の 獲 得 又 は 履 行 のため のコストから 認 識 した 資 産 の 期 末 残 高 報 告 期 間 中 の 償 却 費 及 び 減 損 損 失 が 認 識 された 場 合 の 減 損 損 失 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014 35

4 実 務 上 の 簡 便 法 重 要 な 資 金 調 達 の 要 素 に 関 する 実 務 上 の 簡 便 法 又 は 契 約 を 獲 得 するた めの 増 分 コストに 関 する 実 務 上 の 簡 便 法 を 用 いることを 選 択 した 場 合 企 業 はその 旨 開 示 しなければなら ない 発 効 日 及 び 移 行 規 定 1 発 効 日 企 業 はIFRS 第 15 号 を2017 年 1 月 1 日 以 後 に 開 始 する 年 度 より 適 用 し なければ 早 期 適 用 は 認 め られる 早 期 適 用 する 場 合 企 業 は その 旨 開 示 しなければ 2 移 行 規 定 企 業 は 以 下 の 又 はの 方 法 によ り IFRS 第 15 号 を 適 用 しなければ IAS 第 8 号 会 計 方 針 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 及 び 誤 謬 に 従 い 過 去 の 各 報 告 期 間 に 遡 及 適 用 する この 場 合 以 下 の1つ 以 上 の 実 務 上 の 簡 便 法 を 用 いることができる IAS 第 11 号 工 事 契 約 IAS 第 18 号 収 益 及 び 関 連 する 解 釈 指 針 に 従 い 識 別 された 財 又 は サービスを 企 業 がすべて 移 転 し た 契 約 ( 完 了 した 契 約 )につい て 企 業 は 同 じ 年 度 内 で 開 始 し 終 了 する 契 約 について 再 表 示 しなくてよい ⅱ 変 動 対 価 を 含 む 完 了 した 契 約 について 企 業 は 比 較 報 告 期 間 の 変 動 対 価 の 金 額 を 見 積 もら ずに 契 約 が 完 了 した 時 点 での 取 引 価 格 を 用 いることができる ⅲ 企 業 が 初 めてIFRS 第 15 号 を 適 用 した 報 告 期 間 の 期 首 ( 当 初 適 用 日 )より 前 に 表 示 されるす べての 報 告 期 間 について 残 り の 履 行 義 務 に 配 分 された 取 引 価 格 の 金 額 及 びその 金 額 をどの 時 点 で 収 益 として 認 識 することを 見 込 んでいるかの 説 明 を 開 示 し なくてよい これらの 実 務 上 の 簡 便 法 を1つ でも 用 いる 場 合 企 業 は 表 示 され るすべての 報 告 期 間 の すべての 契 約 に 一 貫 して 適 用 しなければな らない また 以 下 のすべての 情 報 を 開 示 しなければ 用 いた 実 務 上 の 簡 便 法 の 種 類 ⅱ 合 理 的 に 可 能 な 範 囲 で それ ぞれの 簡 便 法 を 適 用 した 影 響 の 見 積 りに 関 する 定 性 的 な 評 価 当 初 適 用 日 にIFRS 第 15 号 を 当 初 適 用 したことによる 累 積 的 影 響 額 を 認 識 することにより 遡 及 適 用 する この 場 合 累 積 的 影 響 額 は 当 初 適 用 日 を 含 む 年 度 の 期 首 の 留 保 利 益 ( 又 は 他 の 資 本 の 構 成 要 素 )の 調 整 として 認 識 する こ の 移 行 方 法 によった 場 合 IFRS 第 15 号 は 当 初 適 用 日 に 完 了 した 契 約 となっていない 契 約 に 対 して のみ 遡 及 適 用 する 当 初 適 用 日 を 含 む 報 告 期 間 について 企 業 は 以 下 の 追 加 の 開 示 を 行 わなければ 変 更 前 に 有 効 であったIAS 第 11 号 IAS 第 18 号 及 び 関 連 する 解 釈 指 針 と 比 較 して IFRS 第 15 号 を 適 用 した 場 合 の 当 期 の 財 務 諸 表 の 各 行 項 目 への 影 響 額 ⅱ 上 記 で 識 別 された 重 要 な 影 響 について その 理 由 の 説 明 3 他 の 会 計 基 準 の 廃 止 IFRS 第 15 号 の 公 表 により 以 下 の 会 計 基 準 等 が 廃 止 される IAS 第 11 号 工 事 契 約 IAS 第 18 号 収 益 IFRIC 解 釈 指 針 第 13 号 カスタ マー ロイヤルティ プログラム IFRIC 解 釈 指 針 第 15 号 不 動 産 36 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014

の 建 設 に 関 する 契 約 IFRIC 解 釈 指 針 第 18 号 顧 客 か らの 資 産 の 移 転 SIC 解 釈 指 針 第 31 号 収 益 - 宣 伝 サービスを 伴 うバーター 取 引 IFRSと 米 国 基 準 の 残 る 差 異 IFRSにおけるIFRS 第 15 号 と 米 国 基 準 におけるTopic606は 共 通 の 収 益 認 識 に 関 する 会 計 基 準 を 開 発 し 財 務 報 告 を 改 善 するためのIASBと FASBの 共 同 作 業 の 成 果 であり IASBとFASBは 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 の 会 計 処 理 について 同 じ 結 論 に 達 するという 目 的 は 達 成 で きたと 考 えている しかし 以 下 の 差 異 が 残 っている 回 収 可 能 性 の 閾 値 IASBとFASBは 企 業 が 収 益 を 認 識 する 前 に 契 約 が 満 たさなければな らない 要 件 の1つとして 明 示 的 な 回 収 可 能 性 の 閾 値 を 含 めている 契 約 がこの 要 件 を 満 たすためには 企 業 が 顧 客 に 移 転 する 財 又 はサービ スと 交 換 に 権 利 を 得 ることになる 対 価 を 回 収 する 可 能 性 が 高 い と 結 論 付 けなければ IFRSと 米 国 基 準 では 可 能 性 が 高 い の 意 味 が 異 なっており IFRS における 可 能 性 が 非 常 に 高 い が 米 国 基 準 の 可 能 性 が 高 い に 対 応 する IASBとFASBは 同 じ 可 能 性 が 高 い という 表 現 を 用 いながら 従 前 のIFRSと 米 国 基 準 における 収 益 認 識 の 規 定 及 び 実 務 と 整 合 する 異 なる 水 準 に 閾 値 を 設 定 することと した 期 中 開 示 に 関 する 規 定 IFRSでは IAS 第 34 号 期 中 財 務 報 告 米 国 基 準 では Topic270 期 中 報 告 のそれぞれの 一 般 的 な 原 則 が 顧 客 との 契 約 から 生 じる 契 約 にも 適 用 される IASBは IAS 第 34 号 を 改 訂 し 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 の 分 解 情 報 の 開 示 を 期 中 財 務 報 告 書 において も 要 求 することとした FASBも 同 様 にTopic270を 改 訂 し 公 開 企 業 に 対 し 期 中 財 務 報 告 書 において 収 益 の 分 解 情 報 の 開 示 を 要 求 している が 契 約 残 高 及 び 残 る 履 行 義 務 につ いても 期 中 の 開 示 を 要 求 している 早 期 適 用 及 び 発 効 日 IFRS 第 15 号 は 早 期 適 用 を 認 めて いるのに 対 し Topic606は 公 開 企 業 による 早 期 適 用 を 禁 止 している また IFRS 第 15 号 は2017 年 1 月 1 日 以 後 に 開 始 する 年 度 より 発 効 す るのに 対 し Topic606は 公 開 企 業 について 2016 年 12 月 15 日 より 後 に 開 始 する 年 度 より 発 効 する 減 損 損 失 の 戻 入 れ IFRS 第 15 号 は 減 損 損 失 の 戻 入 れを 要 求 しており それはIAS 第 36 号 の 範 囲 に 含 まれる 資 産 の 減 損 の 規 定 と 整 合 している Topic606は 契 約 の 獲 得 又 は 履 行 のためのコストに 関 する 規 定 に 従 い 認 識 した 資 産 に 関 する 減 損 損 失 の 戻 入 れを 認 めておらず それは 米 国 基 準 における 他 の 会 計 基 準 と 整 合 し ている 非 公 開 企 業 向 けの 規 定 IFRS 第 15 号 には 非 公 開 企 業 向 けの 規 定 がないものの 公 的 な 説 明 責 任 のない 企 業 は 中 小 企 業 向 けの IFRSを 適 用 することができる Topic606は 非 公 開 企 業 にも 適 用 される しかし Topic606は 開 示 移 行 規 定 及 び 発 効 日 について 非 公 開 企 業 向 けの 救 済 措 置 を 含 んで いる おわりに 収 益 の 金 額 は 企 業 の 財 務 業 績 を 評 価 する 上 で 重 要 な 数 字 であり こ の 収 益 の 認 識 に 関 する 会 計 基 準 が IFRSと 米 国 基 準 で 共 通 化 された 意 義 は 大 きい 実 質 的 に すべての 企 業 が 影 響 を 受 ける 会 計 基 準 であることから 新 会 計 基 準 への 移 行 に 際 して いろい ろな 問 題 が 発 生 することも 考 えられ る IASB 及 びFASBは 新 会 計 基 準 の 導 入 に 当 たっての 問 題 点 をIASB 及 びFASBに 報 告 するための 移 行 のためのリソース グループ(TRG) を 共 同 で 組 成 している このTRGは 幅 広 い 産 業 幅 広 い 地 域 公 開 企 業 及 び 非 公 開 企 業 を 代 表 する 財 務 諸 表 の 作 成 者 利 用 者 及 び 監 査 人 によ り 構 成 される 会 議 体 であるが TRG 自 体 は ガイダンスは 公 表 しないこ ととされている [ 参 考 文 献 ] Financial Accounting Standards Board, Accounting Standards Update201409,Revenuefrom Contracts with Customers (Topic606),May2014. InternationalAccounting Standards Board,IFRS 15,Revenuefrom ContractswithCustomers,May 2014. 教 材 コード J020698 研 修 コード 2103 履 修 単 位 1 単 位 会 計 監 査 ジャーナル No.709 AUG. 2014 37