報 道 発 表 資 料 平 成 22 年 11 月 25 日 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター ますますエスカレートするマンションの 悪 質 な 勧 誘 増 加 する 強 引 強 迫 長 時 間 夜 間 勧 誘 29 年 度 に 全 国 の 消 費 生 活 センターに 寄 せられたマンションの 勧 誘 に 関 する 相 談 件 数 は 対 前 年 比 22% 増 (5,355 件 )と 大 きく 増 加 した また 25 年 度 以 降 21 年 度 (1 月 末 日 登 録 分 まで)までの5 年 間 の 総 件 数 は2 万 2,16 件 となっている 1) 一 方 消 費 者 トラブルメール 箱 に 寄 せられる 情 報 においては 26 年 度 以 降 は 毎 年 1 件 を 超 え 続 けており 同 様 の 傾 向 にある なかでも 投 資 用 マンションの 購 入 を 強 く 迫 られ 断 ると 脅 された 等 の 相 談 が 増 え 続 け ている 電 話 勧 誘 の 場 合 は 勤 務 先 に 非 通 知 でかけてきて 業 者 名 も 名 乗 らないケースが 目 立 ち マンション 経 営 で 節 税 を 税 金 の 還 付 がある 安 定 した 家 賃 収 入 で 老 後 が 安 心 というセールストークをはじめ 住 宅 に 関 するアンケート に 答 えてほしいと 電 話 をしてく る 手 口 が 見 受 けられる 訪 問 販 売 の 場 合 は 執 拗 な 勧 誘 に 根 負 けして 会 う 約 束 をさせられる 免 許 証 保 険 証 源 泉 徴 収 票 を 提 出 させられて 個 人 情 報 を 取 られるといったケース が 見 られる このような 勧 誘 を 規 制 する 法 律 としては 宅 地 建 物 取 引 業 法 ( 以 下 宅 建 業 法 )があり 同 法 では 契 約 にあたって 相 手 を 威 迫 してはならないと 定 めているほか 同 法 施 行 規 則 では 電 話 による 長 時 間 の 勧 誘 等 により 相 手 を 困 惑 させてはならないと 定 めている それにもかかわ らず 29 年 度 の 相 談 (5,355 件 )を 相 談 内 容 キーワードで 見 てみると 強 引 強 迫 4,463 件 長 時 間 勧 誘 491 件 夜 間 勧 誘 341 件 と 問 題 のある 勧 誘 が 行 なわれていることを 示 す 統 計 結 果 が 出 ている そこでマンションの 悪 質 な 勧 誘 による 被 害 を 防 止 するため 消 費 者 へ 情 報 提 供 を 行 い 併 せ て 関 係 官 庁 ならびに 業 界 団 体 に 規 制 強 化 を 要 望 する 1. PIO-NET( 全 国 消 費 生 活 情 報 ネットワーク システム) 2) にみる 相 談 の 概 要 (1) 相 談 件 数 マンションの 勧 誘 に 関 する 相 談 件 数 3) は25 年 度 以 降 年 々 増 加 傾 向 にある 21 年 度 1) 国 民 生 活 センターでは 消 費 者 被 害 の 実 態 をリアルタイムで 把 握 し 消 費 者 被 害 の 防 止 に 役 立 てるため 22 年 4 月 8 日 にインターネットを 利 用 した 情 報 収 集 システム( 消 費 者 トラブルメール 箱 )を 開 設 した 寄 せられる 情 報 は 消 費 者 問 題 の 拡 大 防 止 のために 利 用 され 受 信 された 情 報 からは 危 害 に 関 する 注 意 情 報 も 多 数 発 信 されている 2)PIO-NET(パイオネット: 全 国 消 費 生 活 情 報 ネットワーク システム)とは 国 民 生 活 センターと 全 国 の 消 費 生 活 センタ ーをオンラインネットワークで 結 び 消 費 生 活 に 関 する 情 報 を 蓄 積 しているデータベースのこと 3)マンションの 電 話 勧 誘 や 訪 問 による 勧 誘 のうち 強 引 脅 迫 まがいなど 販 売 方 法 に 問 題 がある 相 談 や 契 約 解 約 に 関 する 相 談 について 集 計 している なお 電 話 や 訪 問 による 勧 誘 の 後 事 務 所 等 で 契 約 するケースなども 含 まれる 1
においては 1 月 末 日 までに 2,82 件 が 登 録 されており 前 年 同 期 と 比 べて 上 回 ってい る( 図 1) 件 6, 5, 4, 3, 図 1 マンションの 勧 誘 に 関 する 相 談 件 数 の 推 移 5,355 4,376 3,339 3,451 2,837 2,82 2, 1, 2,321 25 26 27 28 29 21 年 度 21 年 1 月 末 日 までの 登 録 分 前 年 同 期 比 (2) 勧 誘 を 受 けた 当 事 者 の 属 性 以 下 は 25 年 度 以 降 PIO-NETに 登 録 された 相 談 2 万 2,16 件 を 分 析 した 内 容 である ( 不 明 無 回 答 は 除 く) 1) 年 代 別 内 訳 最 も 多 いのは4 代 で47.1% 次 いで3 代 が27.8%となっている 平 均 年 齢 は43 歳 であ る( 図 2) 図 2 当 事 者 の 年 代 5 代 17.% 6 代 2.6% 7 代 1.1% 8 代 以 上.4% 2 代 以 下 4.% 3 代 27.8% 4 代 47.1% 2) 性 別 内 訳 男 性 が85.%と 圧 倒 的 に 多 くなっている( 図 3) 図 3 当 事 者 の 性 別 女 性 13.6% 団 体 1.4% 男 性 85.% 2
3) 職 業 別 内 訳 給 与 生 活 者 (87.5%) 家 事 従 事 者 (6.4%) 自 営 自 由 業 (2.9%)となって おり 約 9 割 が 給 与 生 活 者 である( 図 4) 図 4 当 事 者 の 職 業 別 家 事 従 事 者 6.4% 自 営 自 由 業 2.9% 学 生.1% 無 職 3.1% 給 与 生 活 者 87.5% (3) 契 約 1) 契 約 締 結 の 有 無 勧 誘 を 受 けて 契 約 に 至 った 相 談 は3,45 件 で 全 体 の 約 15.9%であった( 図 5) 図 5 契 約 締 結 の 有 無 既 契 約 15.9% 未 契 約 84.1% 2) 契 約 金 額 ( 契 約 締 結 前 でも 契 約 金 額 がわかっている 相 談 も 含 む ) 契 約 金 額 は1, 万 円 未 満 (7.5%) 1, 万 円 ~2, 万 円 未 満 (19.3%) 2, 万 円 ~3, 万 円 未 満 (52.1%) 3, 万 円 ~4, 万 円 未 満 (11.%) 4, 万 円 ~5, 万 円 未 満 (5.4%) 5, 万 円 以 上 (4.4%)となっている 契 約 金 額 の 平 均 は 約 2,5 万 円 であった( 図 6) 図 6 契 約 金 額 4 万 円 ~ 5 万 円 未 満 5.4% 3 万 円 ~ 4 万 円 未 満 11.% 5 万 円 以 上 4.4% 1 万 円 未 満 7.5% 1 万 円 ~ 2 万 円 未 満 19.3% 2 万 円 ~ 3 万 円 未 満 52.1% 3
2. 相 談 内 容 PIO-NETに 登 録 された2 万 2,16 件 の 相 談 を 内 容 キーワード 別 にみると 強 引 強 迫 に 関 するものは1 万 7,99 件 であった 件 数 とともに 強 引 強 迫 全 体 に 占 める 割 合 も 年 々 増 加 している( 図 7) 5 4 3 2 1 件 図 7 マンションの 強 引 強 迫 に 関 する 相 談 件 数 と 強 引 強 迫 全 体 に 占 める 割 合 4,463 7 3,543 5.8 6 4.9 5 2,691 2,718 3.4 2,278 2,297 4 2.2 3 1.7 1.1 2 1 25 26 27 28 29 21 年 度 割 合 (%) マンション 件 数 割 合 21 年 1 月 末 日 までの 登 録 分 マンションの 勧 誘 に 関 する 相 談 のうち 長 時 間 勧 誘 に 関 するものは1,813 件 であった 件 数 とともに 長 時 間 勧 誘 全 体 に 占 める 割 合 も 増 加 傾 向 が 見 られる( 図 8) 件 5 4 3 2 1 図 8 マンションの 長 時 間 勧 誘 に 関 する 相 談 件 数 と 長 時 間 勧 誘 全 体 に 占 める 割 合 197 2.3 246 3. 262 4.3 346 7. 491 11. 11.6 271 2 25 26 27 28 29 21 年 度 割 合 (%) 14 12 1 8 6 4 マンション 件 数 割 合 21 年 1 月 末 日 までの 登 録 分 夜 間 勧 誘 に 関 する 相 談 件 数 は1,236 件 であった ( 図 9) 件 4 35 3 25 2 15 1 5 162 6.3 図 9 マンションの 夜 間 勧 誘 に 関 する 相 談 件 数 と 夜 間 勧 誘 全 体 に 占 める 割 合 196 7.5 183 8.8 227 12.7 341 17.9 13.6 127 25 26 27 28 29 21 年 度 割 合 (%) 2 15 1 5 マンション 件 数 割 合 21 年 1 月 末 日 までの 登 録 分 なお 29 年 度 の 消 費 生 活 相 談 全 体 における 強 引 強 迫 長 時 間 勧 誘 夜 間 勧 誘 のキーワードでみると マンションの 勧 誘 に 関 する 相 談 は 最 も 多 いトラブルであった 4
3. 主 な 相 談 事 例 (1) 勧 誘 を 断 ると 暴 力 を 振 るわれた け 事 例 1 断 り 続 けると 営 業 員 に 胸 ぐらをつかまれ 足 を 蹴 られた 電 話 でしつこく 勧 誘 され 最 後 は 怒 鳴 られたりしたので やむなく 会 う 約 束 をした ファ ミリーレストランで2 時 間 も 断 り 続 けたら 表 に 出 ろ と 言 われ 店 の 駐 車 場 で 胸 ぐらをつ かまれ 足 を 蹴 られた 土 下 座 して 謝 罪 もさせられた (29 年 1 月 5 代 男 性 給 与 生 活 者 新 潟 県 ) (2) 強 引 強 迫 による 勧 誘 事 例 2 勧 誘 を 断 ると 生 コンを 流 しに 行 く 車 でひき 殺 す と 脅 された 今 までも 何 度 も 利 殖 目 的 の 新 築 分 譲 マンションの 勧 誘 電 話 を 受 けたことがあるが 全 て 断 っていた 昨 日 もマンション 販 売 の 勧 誘 電 話 があり 断 り 電 話 をすぐに 切 った その 後 も 4~5 回 電 話 があり 断 ったら 生 コンを 流 しに 行 く 車 でひき 殺 す と 脅 された (21 年 7 月 4 代 男 性 自 営 自 由 業 静 岡 県 ) ま 事 例 3 息 子 宛 の 勧 誘 を 断 ると 息 子 に 代 わらないとガソリンを 撒 く と 脅 された 3 代 の 息 子 宛 に 新 築 マンション 販 売 の 勧 誘 電 話 がある 執 拗 なので 父 親 である 自 分 が 購 入 する 意 思 はないとはっきり 断 ると 息 子 を 出 せ 代 わらないとガソリンを 撒 くぞ と 脅 された 業 者 は 息 子 の 会 社 名 も 知 っており 職 場 にまで 出 向 くのではないかと 心 配 だ (21 年 6 月 6 代 男 性 無 職 群 馬 県 ) (3) 長 時 間 夜 間 に 及 ぶ 勧 誘 事 例 4 朝 1 時 から 15 時 間 に 及 ぶ 勧 誘 で 無 理 やり 契 約 させられた 3 代 の 娘 が 自 宅 を 訪 問 した 販 売 員 に 勧 誘 されモデルルームを 見 に 行 った 朝 1 時 に 行 って 部 屋 を 見 て 説 明 を 聞 き 翌 日 午 前 1 時 まで 勧 誘 が 続 いた 帰 してもらえず 帰 る ために 仕 方 なく 購 入 契 約 をしてしまった クーリング オフはしない 契 約 内 容 を 他 言 しないという 合 意 書 にサインさせられ 手 付 金 を 放 棄 すれば 解 約 できると 説 明 されたと いう (28 年 1 月 5 代 女 性 家 事 従 事 者 静 岡 県 ) (4) 断 定 的 判 断 の 提 供 不 実 告 知 等 もう 事 例 5 絶 対 に 儲 かるといわれて 契 約 したが 赤 字 になり 物 件 価 格 も 7 割 に 下 落 してい た 3 年 前 職 場 にマンションの 勧 誘 電 話 があり 執 拗 に 勧 められた 業 者 と 会 ったところ 本 日 中 に 契 約 すると 得 だ 絶 対 に 儲 かる と 言 われ 新 築 マンションの 購 入 契 約 をし た 採 算 が 合 わないと 訴 えたところ 2 戸 目 のマンションを 勧 められ 契 約 した 修 繕 費 銀 行 ローンを 合 算 すると 赤 字 になる また 査 定 を 依 頼 したところ 物 件 価 格 は 7 割 に 下 落 しており 解 約 したい (29 年 11 月 4 代 男 性 給 与 生 活 者 石 川 県 ) 事 例 6 自 己 負 担 はないと 言 われて 契 約 したが 話 が 違 った 家 賃 収 入 などで 自 己 負 担 はないと 言 われて 契 約 したが 金 融 機 関 からローンの 引 き 落 と 5
うそ しができないと 連 絡 が 入 り 家 賃 収 入 がローンを 下 回 っており 業 者 の 説 明 が 嘘 である ことがわかった ローンの 負 担 があるなら 契 約 しなかった (21 年 7 月 4 代 男 性 給 与 生 活 者 茨 城 県 ) 事 例 7 家 賃 保 証 をする 倒 産 することはないと 言 ったのに 倒 産 自 己 資 金 はなかったが 家 賃 保 証 は1 年 間 あり 入 居 がなくても 賃 借 人 が 家 賃 を 滞 納 しても 会 社 が 払 うし 不 動 産 登 記 費 用 も 会 社 が 払 う 節 税 にもなり 実 績 のある 会 社 なので 倒 産 することはない と 言 われて 夫 が 契 約 したが 先 日 業 者 が 倒 産 した (29 年 2 月 2 代 女 性 家 事 従 事 者 大 阪 府 ) (5) 販 売 目 的 を 告 げずに 勧 誘 事 例 8 名 刺 交 換 の 練 習 をしたいと 路 上 で 声 をかけられ 交 換 すると 電 話 で 勧 誘 される ようになった 路 上 で 2 代 後 半 の 男 性 に 中 途 採 用 なので 名 刺 交 換 の 研 修 をしている 協 力 して 欲 し い と 声 をかけられ 名 刺 を 交 換 した 2 3 日 後 その 人 から 会 社 に 中 古 分 譲 マンション を 購 入 して 人 に 貸 さないか と 電 話 がかかってくるようになった 人 の 善 意 を 利 用 する やり 方 が 許 せない (21 年 3 月 4 代 男 性 給 与 生 活 者 神 奈 川 県 ) 事 例 9 年 金 や 老 後 の 生 活 設 計 の 話 をすると 言 いながら 勧 誘 勤 務 先 に 電 話 があり 年 金 や 老 後 の 生 活 設 計 に 興 味 はありませんか と 聞 かれ 話 を 聞 くと 投 資 用 マンションの 勧 誘 であった 断 っても 契 約 の 話 ではないので 説 明 だけ でも 聞 いて 欲 しい と 電 話 を 切 らせてもらえず 昨 日 業 者 が 職 場 に 来 訪 した 契 約 する 気 はないと 何 度 も 伝 えたが 後 日 また 来 るので 不 明 な 点 を 書 き 出 しておいて 欲 しい と 言 って 帰 った 断 っても 聞 いてくれず 迷 惑 だ (21 年 6 月 3 代 男 性 給 与 生 活 者 大 阪 府 ) 事 例 1 水 まわりの 点 検 のはずが 投 資 用 マンションの 勧 誘 だった 携 帯 電 話 にかけてきて 水 まわりの 点 検 が 得 意 と 言 ったので 来 てもらうと 目 に 見 えな い 点 検 と 言 い 今 後 の 財 産 形 成 の 話 を 始 めた 水 まわりの 点 検 はと 尋 ねると あなたの 勘 違 い と 言 われ 定 年 後 の 年 金 の 話 や 賃 貸 マンションの 話 になり 2 時 間 近 く 説 明 され た 帰 ってほしいと 伝 えても 話 が 途 中 と 言 って 居 座 り 続 けられ 次 回 の 約 束 をさせら れてしまった (21 年 2 月 4 代 男 性 給 与 生 活 者 神 奈 川 県 ) (6)プライバシーが 脅 かされ 不 安 事 例 11 業 者 が 自 分 の 個 人 情 報 以 前 の 先 物 取 引 の 履 歴 まで 知 っていた 数 日 前 から 勧 誘 電 話 が 入 るようになり 昨 日 は 2 時 間 も 話 を 聞 いてしまった 今 日 は 職 場 近 くのホテルで 会 う 約 束 をしたが 契 約 するつもりは 全 くない 相 手 は 業 者 名 も 名 前 も 言 わなかったので 連 絡 が 取 れないが 自 分 の 個 人 情 報 や 以 前 先 物 取 引 で 損 をしたこ となどを 知 っていた このため 今 日 の 約 束 をキャンセルすると 業 者 が 家 に 来 るのでは ないかと 不 安 になり 会 うことにした 6
(29 年 4 月 5 代 男 性 給 与 生 活 者 滋 賀 県 ) 事 例 12 源 泉 徴 収 票 を 取 られた 自 宅 にマンションの 勧 誘 の 電 話 が 頻 繁 にかかってくる 断 っても 何 度 も 電 話 があり 話 をしたいと 言 われ 夜 の 8 時 ごろ 訪 問 され 投 資 用 マンションを 勧 誘 され 源 泉 徴 収 票 と 自 宅 のローンの 明 細 書 まで 持 っていかれた 次 回 訪 問 する 約 束 を 強 要 されているが 断 りたい (29 年 1 月 3 代 男 性 給 与 生 活 者 神 奈 川 県 ) 4. 事 例 から 見 た 問 題 点 と 業 法 による 規 制 ならびに 法 環 境 の 現 状 (1) 暴 力 事 例 1 マンション 投 資 を 勧 められ 持 ち 帰 って 検 討 すると 言 ってタクシーに 乗 ろうとしたら 腕 をつかまれ 路 上 で 押 し 倒 された など 断 り 続 けた 結 果 暴 力 を 振 るわれるという 犯 罪 ともいえる 勧 誘 が 行 われている < 法 環 境 の 現 状 > 刑 法 では 人 の 体 に 殴 る 蹴 るなどの 行 為 を 行 うこと 暴 行 としており 傷 害 するに 至 った 場 合 は 傷 害 罪 4) それに 至 らなかった 場 合 は 暴 行 罪 5) にあたるとしている (2) 強 引 強 迫 夜 間 長 時 間 に 及 ぶ 勧 誘 事 例 1~ 事 例 4 事 例 9~ 事 例 12 勧 誘 の 際 会 社 名 を 聞 かれても 名 乗 らないケースも 多 く 子 どもに 危 害 を 加 えると 言 われた 殺 すぞ 家 族 がどうなっても 知 らんぞ など 脅 迫 行 為 そのものと 思 われる 事 例 もあった また 自 宅 で 夕 方 4 時 から 翌 朝 6 時 半 まで 勧 誘 を 受 けた 22 時 に 勧 誘 電 話 があり もうろう 断 っても1 回 程 架 けられ 続 けた 長 時 間 強 く 迫 られ 続 け 意 識 朦 朧 としてサインした というように 長 時 間 の 勧 誘 や 夜 間 の 勧 誘 を 受 けた 結 果 根 負 けして 契 約 させられたと いう 相 談 も 目 立 つ 判 断 力 不 十 分 な 状 態 に 追 い 込 まれ 不 本 意 な 契 約 を 締 結 させられて いる また 消 費 者 が 報 復 を 恐 れて 苦 情 を 申 し 出 ることをためらうことも 解 約 を 妨 げる 要 因 となっている < 業 法 による 規 制 ならびに 法 環 境 の 現 状 > 宅 建 業 法 では 勧 誘 行 為 として 威 迫 行 為 および 電 話 による 長 時 間 の 勧 誘 など 私 生 活 および 業 務 の 平 穏 を 害 するような 方 法 により 消 費 者 を 困 惑 させる 行 為 は 禁 じ られており 行 政 処 分 の 対 象 となる 6) なお 刑 法 では 契 約 しなければ 家 に 火 をつけるぞ などと 言 って 契 約 をさせた 場 合 等 は 強 要 罪 7) にあたるとしている また 自 身 や 親 族 に 対 して 生 命 身 体 自 由 名 4) 刑 法 24 条 では 人 の 身 体 を 傷 害 した 者 は 十 五 年 以 下 の 懲 役 または 五 十 万 円 以 下 の 罰 金 に 処 する としている 5) 刑 法 28 条 では 暴 行 を 加 えた 者 が 人 を 傷 害 するに 至 らなかったときは 二 年 以 下 の 懲 役 若 しくは 三 十 万 円 以 下 の 罰 金 又 は 拘 留 もしくは 科 料 に 処 する としている 6) 宅 建 業 法 第 47 条 の 2 第 2 項 では 宅 地 建 物 取 引 業 者 等 は 宅 地 建 物 取 引 業 に 係 る 契 約 を 締 結 させ 又 は 宅 地 建 物 取 引 業 に 係 る 契 約 の 申 込 みの 撤 回 若 しくは 解 除 を 妨 げるため 宅 地 建 物 取 引 業 者 の 相 手 方 等 を 威 迫 してはならない としてい るほか 宅 建 業 法 施 行 規 則 第 16 条 の 12 第 1 号 ハでは 電 話 による 長 時 間 の 勧 誘 その 他 の 私 生 活 又 は 業 務 の 平 穏 を 害 す るような 方 法 によりその 者 を 困 惑 させること を 禁 じている これら 違 反 行 為 はいずれも 行 政 処 分 の 対 象 となる 7) 刑 法 第 223 条 では 生 命 身 体 自 由 名 誉 若 しくは 財 産 に 対 し 害 を 加 えることを 告 知 して 脅 迫 し 又 は 暴 行 を 用 いて 人 に 義 務 のないことを 行 わせ 又 は 権 利 の 行 使 を 妨 害 した 者 は 三 年 以 下 の 懲 役 に 処 する また 同 条 2 項 では 親 族 の 7
8) 誉 又 は 財 産 へ 害 を 加 える 旨 を 告 知 して 人 を 脅 迫 することは 脅 迫 罪 となる 脅 迫 の 内 容 は 一 般 人 が 恐 れるに 足 るものとして 殺 す 殴 る 埋 める などが 該 当 する なお 宅 地 建 物 取 引 業 の 免 許 業 者 が 行 う 宅 地 建 物 取 引 を 適 用 除 外 としている 特 定 商 取 引 法 ( 以 下 特 商 法 )では 施 行 規 則 および 通 達 において 迷 惑 を 覚 えさせるような 方 法 による 勧 誘 を 禁 止 しており 違 反 した 場 合 は 行 政 処 分 の 対 象 となりうる 具 体 的 に は 不 適 当 な 時 間 帯 に( 例 えば 午 後 9 時 から 午 前 8 時 まで 等 ) 勧 誘 すること 長 時 間 にわ たり 勧 誘 すること 執 ように 何 度 も 勧 誘 すること 等 はこれに 該 当 することが 多 いと 考 え られる 9) としている (3)クーリング オフ 妨 害 事 例 4 契 約 のことは 誰 にも 言 うな! 契 約 書 は 誰 にも 見 せるな! 毎 日 見 張 ってやる と 脅 迫 された クーリング オフはできない と 言 われた など クーリング オフ 妨 害 を 行 っている 実 態 が 見 られた 威 迫 やクーリング オフ 妨 害 は 消 費 者 に 与 えられた 権 利 を 侵 害 するものであるだけでなく 宅 建 業 法 で 禁 止 されている 行 為 である < 業 法 による 規 制 の 現 状 > 宅 建 業 法 ではクーリング オフを 拒 んだり 解 除 を 妨 げるために 威 迫 することが 禁 止 されている 1) ほか 解 除 を 妨 げるため 重 要 事 項 等 について 故 意 に 事 実 を 告 げなかった り 不 実 のことを 告 げる 行 為 を 禁 止 している 11) 違 反 した 場 合 は 行 政 処 分 または 罰 則 の 対 象 となる (4) 収 入 になる 自 己 負 担 が 無 い ことが 確 実 と 思 わせる 説 明 があった 事 例 5 事 例 6 事 例 7 損 をすることはない 必 ず 部 屋 の 賃 貸 契 約 が 取 れる 家 賃 保 証 をするから 返 済 を 上 回 る 収 入 が 得 られる など 勧 誘 員 のセールストークを 真 に 受 けて 契 約 することには 大 きなリスクを 伴 う 家 賃 保 証 がすぐに 受 けられなくなった 保 証 会 社 が 倒 産 した という 苦 情 だけで なく 金 額 が 大 きいので 返 済 ができなくなったために 自 己 破 産 に 至 ったケースも 見 られ る < 業 法 による 規 制 ならびに 法 環 境 の 現 状 > 宅 建 業 法 では 利 益 を 生 ずることが 確 実 であると 誤 解 させるようなセールストークを 生 命 身 体 自 由 名 誉 若 しくは 財 産 に 対 し 害 を 加 えることを 告 知 して 脅 迫 し 人 に 義 務 のないことを 行 わせ 又 は 権 利 の 行 使 を 妨 害 した 者 も 前 項 と 同 様 とする としている 8) 刑 法 第 222 条 では 生 命 身 体 自 由 名 誉 若 しくは 財 産 に 対 し 害 を 加 えることを 告 知 して 人 を 脅 迫 した 者 は 二 年 以 下 の 懲 役 又 は 三 十 万 円 以 下 の 罰 金 に 処 する 親 族 の 生 命 身 体 自 由 名 誉 若 しくは 財 産 に 対 し 害 を 加 える 旨 を 告 知 して 人 を 脅 迫 した 者 も 同 様 とする としている 9) 特 商 法 22 条 およびその 施 行 規 則 23 条 では 電 話 勧 誘 に 関 する 行 為 のうち 迷 惑 を 覚 えさせるような 仕 方 で 勧 誘 をす る 行 為 は 行 政 処 分 の 対 象 となるとしている 通 達 によれば 迷 惑 を 覚 えさせるような 仕 方 とは 客 観 的 にみて 相 手 方 が 迷 惑 を 覚 えるような 言 動 であれば 良 く 実 際 に 迷 惑 と 感 じることは 必 要 ではない 具 体 的 には 正 当 な 理 由 なく 不 適 当 な 時 間 帯 に( 例 えば 午 後 9 時 から 午 前 8 時 まで 等 ) 勧 誘 すること 長 時 間 にわたり 勧 誘 すること 執 ように 何 度 も 勧 誘 す ること 等 はこれに 該 当 することが 多 いと 考 えられる としている 1) 宅 建 業 法 第 47 条 の 2 第 2 項 宅 地 建 物 取 引 業 者 等 は 宅 地 建 物 取 引 業 に 係 る 契 約 を 締 結 させ 又 は 宅 地 建 物 取 引 業 に 係 る 契 約 の 申 込 みの 撤 回 若 しくは 解 除 を 妨 げるため 宅 地 建 物 取 引 業 者 の 相 手 方 等 を 威 迫 してはならない としており 行 政 処 分 の 対 象 となる 11) 宅 建 業 法 第 47 条 第 1 号 では 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 宅 地 若 しくは 建 物 の 売 買 交 換 もしくは 賃 借 の 締 結 について 勧 誘 を するに 際 し 又 はその 契 約 の 申 込 みの 撤 回 若 しくは 解 除 を 妨 げるため 重 要 事 項 等 について 故 意 に 事 実 を 告 げず または 不 実 のことを 告 げてはならないとしている 8
してはならないとしており 12) 違 反 行 為 は 行 政 処 分 の 対 象 となる また 消 費 者 契 約 法 ( 以 下 消 契 法 )では 勧 誘 をする 際 に 重 要 事 項 について 事 実 と 異 なることを 告 げられて 契 約 した 場 合 将 来 消 費 者 が 受 け 取 る 金 額 について 不 確 実 で あるにもかかわらず 利 益 が 確 実 であるかの 断 定 的 な 判 断 を 提 供 した 場 合 ないしは 利 益 について 告 げ 不 利 益 となる 事 実 を 故 意 に 告 げなかった 場 合 契 約 の 取 消 しをすること ができる 13) としている (5) 販 売 目 的 業 者 名 販 売 員 の 氏 名 を 告 げない 事 例 8~ 事 例 11 勧 誘 ではない 税 や 利 子 等 で 困 っていませんか ライフプランの 提 案 がある 共 済 組 合 の 個 人 年 金 運 用 について 話 がある などと 販 売 目 的 であることを 明 らかにしない ケースや 市 役 所 の 職 員 を 名 乗 った 社 名 を 聞 いても 答 えない など 業 者 名 販 売 者 名 を 隠 匿 した 勧 誘 を 行 なっている 実 態 が 見 られる 匿 名 の 強 要 電 話 をきっかけに 業 者 と 会 うことになり 意 思 に 反 して 契 約 を 締 結 させられるケースが 目 立 つ なお 宅 建 業 法 では 勧 誘 に 先 立 って 業 者 名 を 名 乗 ることは 定 められていない これでは 業 者 名 が 特 定 できないため 業 者 の 指 導 行 政 処 分 に 結 びつかない < 業 法 による 規 制 の 現 状 > 宅 建 業 法 では 契 約 が 成 立 するまでの 間 に 相 手 方 に 対 して 取 引 主 任 者 が 取 引 主 任 者 証 を 提 示 した 上 で 重 要 事 項 を 説 明 する 義 務 があり これを 行 わない 場 合 は 行 政 処 分 の 対 象 になる また 勧 誘 に 際 し 重 要 事 項 等 について 故 意 に 事 実 を 告 げなかったり 不 実 の ことを 告 げる 行 為 を 禁 止 しており 違 反 した 場 合 は 行 政 処 分 または 罰 則 の 対 象 11) となる そのほか 取 引 主 任 者 は 請 求 があったときには 取 引 主 任 者 証 を 提 示 する 義 務 があり また 従 業 者 も 従 業 者 証 明 書 を 携 帯 し 請 求 があったときには 証 明 書 を 提 示 しなければ ならず 14) これを 行 わない 場 合 についても 行 政 処 分 または 罰 則 の 対 象 となる また 免 許 を 受 けていない 者 が 契 約 締 結 行 為 を 行 った 場 合 は 罰 則 の 対 象 となるとしている 15) 宅 地 建 物 取 引 業 の 免 許 業 者 が 行 う 宅 地 建 物 取 引 は 特 商 法 の 適 用 除 外 であり 電 話 勧 誘 販 売 における 販 売 業 者 名 および 勧 誘 員 の 氏 名 販 売 目 的 等 の 明 示 は 義 務 付 けられていな い なお 特 商 法 では 電 話 勧 誘 販 売 について 勧 誘 に 先 立 って 販 売 業 者 名 を 告 げな 12) 宅 建 業 法 第 47 条 の 2 第 1 項 では 宅 地 建 物 取 引 業 者 等 は 宅 地 建 物 取 引 業 に 係 る 契 約 の 締 結 の 勧 誘 をするに 際 し 宅 地 建 物 取 引 業 者 の 相 手 方 等 に 対 し 利 益 を 生 ずることが 確 実 であると 誤 解 させるべき 断 定 的 判 断 を 提 供 する 行 為 をしては ならない としている 13) 消 契 法 第 4 条 では 消 費 者 は 事 業 者 が 消 費 者 契 約 の 締 結 について 勧 誘 をするに 際 し 当 該 消 費 者 に 対 して 次 の 各 号 に 掲 げる 行 為 をしたことにより 当 該 各 号 に 定 める 誤 認 をし それによって 当 該 消 費 者 契 約 の 申 込 み 又 はその 承 諾 の 意 思 表 示 をしたときは これを 取 り 消 すことができる 一 重 要 事 項 について 事 実 と 異 なることを 告 げること 当 該 告 げられた 内 容 が 事 実 であるとの 誤 認 二 物 品 権 利 役 務 その 他 の 当 該 消 費 者 契 約 の 目 的 となるものに 関 し 将 来 におけるその 価 額 将 来 において 当 該 消 費 者 が 受 け 取 るべき 金 額 その 他 の 将 来 における 変 動 が 不 確 実 な 事 項 につき 断 定 的 判 断 を 提 供 すること 当 該 提 供 された 断 定 的 判 断 の 内 容 が 確 実 であるとの 誤 認 2 消 費 者 は 事 業 者 が 消 費 者 契 約 の 締 結 について 勧 誘 をするに 際 し 当 該 消 費 者 に 対 してある 重 要 事 項 又 は 当 該 重 要 事 項 に 関 連 する 事 項 について 当 該 消 費 者 の 利 益 となる 旨 を 告 げ かつ 当 該 重 要 事 項 について 当 該 消 費 者 の 不 利 益 となる 事 実 ( 当 該 告 知 により 当 該 事 実 が 存 在 しないと 消 費 者 が 通 常 考 えるべきものに 限 る)を 故 意 に 告 げなかったことにより 当 該 事 実 が 存 在 しないとの 誤 認 をし それによって 当 該 消 費 者 契 約 の 申 込 み 又 はその 承 諾 の 意 思 表 示 をしたときは これを 取 り 消 すことができる としている 14) 宅 建 業 法 第 48 条 第 1 項 および 第 2 項 では 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 国 土 交 通 省 令 の 定 めるところにより 従 業 者 に その 従 業 者 であることを 証 する 証 明 書 を 携 帯 させなければ その 者 をその 業 務 に 従 事 させてはならない 従 業 者 は 取 引 の 関 係 者 の 請 求 があつたときは 前 項 の 証 明 書 を 提 示 しなければならない としている 15) 宅 建 業 法 第 3 条 では 宅 地 建 物 取 引 業 を 営 もうとする 者 は 二 以 上 の 都 道 府 県 の 区 域 内 に 事 務 所 を 設 置 してその 事 業 を 営 もうとする 場 合 にあっては 国 土 交 通 省 の 一 の 都 道 府 県 の 区 域 内 にのみ 事 務 所 を 設 置 してその 事 業 を 営 もうとする 場 合 にあっては 当 該 事 務 所 の 所 在 地 を 管 轄 する 都 道 府 県 知 事 の 免 許 を 受 けなければならない としており また 同 法 第 12 条 では 第 三 条 第 一 項 の 免 許 を 受 けない 者 は 宅 地 建 物 取 引 業 を 営 んではならない としている 9
ければならない 16) とされている (6) 不 退 去 監 禁 ( 退 去 妨 害 ) 事 例 1 事 例 4 事 例 9 事 例 1 立 ち 去 るよう 言 っても 聞 き 入 れなかった 契 約 するまで 居 座 り 続 ける と 言 われた 帰 りたい 旨 を 告 げても 帰 してもらえなかった とりあえず 物 件 を 見 てと 言 われ 現 場 まで 連 れて 行 かれた 断 ると 何 を 今 さら 言 うのか 契 約 しないで 帰 れるはずがない と 凄 まれて 契 約 させられた など 消 費 者 の 退 去 要 請 に 業 者 が 応 じない( 不 退 去 ) また 帰 りたい と 意 思 表 示 を 何 度 もしたが 聞 き 入 れられなかった( 退 去 妨 害 )といった 問 題 ある 勧 誘 が 行 なわれている 業 者 に 会 うとさらに 執 拗 に 強 迫 監 禁 され 契 約 締 結 に 至 る 確 率 が 非 常 に 高 まる なかには 自 宅 に 訪 問 され 投 資 用 マンションの 勧 誘 を 受 け 業 者 の 車 でマンションの 空 室 に 連 れ 込 まれ 監 禁 状 態 で 契 約 を 迫 られた と 強 要 とも 取 れる 事 例 があった < 法 環 境 の 現 状 > 消 契 法 では 消 費 者 が 業 者 に 対 し 契 約 しない 意 思 を 示 したり あるいは 消 費 者 が 退 去 する 等 の 意 思 を 示 したり 業 者 に 対 して 退 去 するよう 意 思 を 示 したのに 聞 き 入 れら れず 結 果 として 契 約 に 至 った 場 合 契 約 の 取 消 しを 行 うことができる 17) としている なお 刑 法 では 要 求 を 受 けたにもかかわらず 人 の 住 居 等 から 退 去 しなかった 場 合 不 退 去 罪 が 成 り 立 つとしている (7) 断 ったのに 何 度 も 勧 誘 される 事 例 1 事 例 2 事 例 3 事 例 9 事 例 12 断 っても 断 っても 電 話 がかかってくる 1 日 1 回 1 週 間 続 けて 電 話 がかかってき た 断 ったが 帰 宅 すると 自 宅 前 で2 人 の 営 業 員 に 待 ち 伏 せされた など 断 っても 執 拗 な 勧 誘 が 続 く 被 害 を 訴 えるケースが 大 変 多 い 電 話 勧 誘 は 不 意 打 ち 的 であり 覆 面 性 が 強 く 気 軽 に 何 度 も 繰 り 返 し 勧 誘 が 行 われるといった 問 題 点 が 挙 げられる また 職 場 への 悪 質 な 電 話 勧 誘 については 業 務 に 支 障 が 出 ることを 避 けるために 会 わざるを 得 なくなったケースも 見 られる < 業 法 による 規 制 の 現 状 > 電 話 による 長 時 間 の 勧 誘 などにより 消 費 者 を 困 惑 させることは 宅 建 業 法 違 反 となるも のの 消 費 者 が 購 入 しない 旨 の 意 思 を 表 示 した 場 合 の 再 勧 誘 の 禁 止 については 明 記 され ていない 一 方 宅 地 建 物 取 引 業 の 免 許 業 者 が 行 う 宅 地 建 物 取 引 を 適 用 除 外 としている 特 商 法 では 電 話 勧 誘 販 売 で 消 費 者 が 購 入 しない 旨 の 意 思 を 表 示 した 場 合 勧 誘 するこ とを 禁 止 している 16) 特 商 法 第 16 条 では 販 売 業 者 又 は 役 務 提 供 者 は 電 話 勧 誘 販 売 をしようとするときは その 勧 誘 に 先 立 って その 相 手 方 に 対 し 販 売 業 者 又 は 役 務 提 供 事 業 者 の 氏 名 又 は 名 称 及 びその 勧 誘 を 行 う 者 の 氏 名 並 びに 商 品 若 しくは 権 利 又 は 役 務 の 種 類 並 びにその 電 話 が 売 買 契 約 又 は 役 務 提 供 契 約 の 締 結 について 勧 誘 をするためのものであることを 告 げなければな らない としている 17) 消 契 法 第 4 条 では 消 費 者 は 事 業 者 が 消 費 者 契 約 の 締 結 について 勧 誘 をするに 際 し 当 該 消 費 者 に 対 して 次 に 掲 げ る 行 為 をしたことにより 困 惑 し それによって 当 該 消 費 者 契 約 の 申 込 み 又 はその 承 諾 の 意 思 表 示 をしたときは これを 取 り 消 すことができる 一. 当 該 事 業 者 に 対 し 当 該 消 費 者 が その 住 居 又 はその 業 務 を 行 っている 場 所 から 退 去 すべき 旨 の 意 思 を 示 したにもかかわらず それらの 場 所 から 退 去 しないこと 二. 当 該 事 業 者 が 当 該 消 費 者 契 約 の 締 結 について 勧 誘 をしている 場 所 から 当 該 消 費 者 が 退 去 する 旨 の 意 思 を 示 したにもかかわらず その 場 所 から 当 該 消 費 者 を 退 去 させない こと としている 1
5. 消 費 者 へのアドバイス (1) 買 う 気 がなければ 絶 対 に 会 わないこと 業 者 によっては 会 うと 強 迫 により 契 約 させられてしまい 財 産 被 害 等 が 発 生 する 危 険 性 が 非 常 に 高 まる 買 う 気 がなければ 絶 対 に 会 わないこと 強 迫 等 により 会 わざるを 得 ない 場 合 は 必 ず 会 話 を 録 音 すること き (2) 電 話 で 業 者 から 強 引 に 勧 められても 買 う 気 がなければ 毅 然 と 断 る 買 う 気 がなければ 毅 然 と 必 要 ありません お 断 りします と 言 ってすぐに 電 話 を 切 ること 断 った 際 に 話 も 聞 かず 電 話 を 切 るのは 失 礼 だ!! などと 怒 鳴 られても 決 して 応 じないこと なお 断 ったのに 勧 誘 され 続 けた 結 果 何 時 間 も 説 明 させて 営 業 妨 害 だ と 脅 される ケースが 目 立 つが 勧 誘 を 断 る 行 為 は 営 業 妨 害 ではない はっきり 断 ること また 着 信 拒 否 の 設 定 をしたり 非 通 知 では 繋 がらない 有 料 サービスを 利 用 すること も 対 策 のひとつである (3) 訪 問 されたり 会 ってしまった 場 合 契 約 したくない 意 思 を 態 度 で 示 すこと 契 約 したくない 場 合 は その 意 思 を 事 業 者 に 態 度 で 示 すこと 例 えば 自 宅 に 居 座 ら れた 場 合 に 帰 ってください と 言 ってドアを 開 けたり 事 務 所 等 で 勧 誘 を 受 けた 場 合 には 帰 ります と 言 って 椅 子 から 立 ち 上 がるなどが 挙 げられる (4) 契 約 を 強 要 されたり 契 約 してしまった 場 合 早 めに 最 寄 りの 消 費 生 活 センターに 相 談 すること 契 約 した 場 合 宅 建 業 法 にはクーリング オフの 規 定 があり 告 知 の 日 から 8 日 以 内 で 要 件 18) が 整 えば 無 条 件 で 解 約 ができる クーリング オフ 期 間 を 過 ぎていても 契 約 の 取 消 しができる 場 合 もある 早 めに 最 寄 りの 消 費 生 活 センターに 相 談 すること (5) 暴 力 を 振 るわれたり 脅 された 場 合 は 警 察 へ 被 害 届 を 出 すこと 契 約 を 取 り 付 けようとして 殺 すぞ! いつ 死 にたい? 今 から 殺 しに 行 く な どと 凄 んで 脅 迫 するほか 暴 力 を 振 るうなど 悪 質 極 まりない 業 者 がある 暴 力 を 振 るわ れそうになったり 脅 迫 されるなどして 身 の 危 険 を 感 じた 場 合 には 直 ちに 11 番 するこ と また 11 番 通 報 ができなかった 場 合 でも 暴 力 を 振 るわれた 脅 迫 された 契 約 を 強 要 された 場 合 には 速 やかに 警 察 に 被 害 届 を 出 すこと 可 能 であれば 勧 誘 の 際 の 会 話 や 通 話 内 容 を 録 音 すること 無 理 であれば 当 日 のうちに 勧 誘 時 のやりとりを 覚 えて いる 限 りメモにしておくこと (6) 非 常 に 悪 質 な 勧 誘 と 思 われる 場 合 は 行 政 の 担 当 課 に 申 し 出 ること 非 常 に 悪 質 で 迷 惑 な 勧 誘 を 受 けた 際 には 各 都 道 府 県 の 宅 建 業 法 の 所 管 課 国 土 交 通 18) 宅 地 建 物 取 引 業 者 が 自 ら 売 主 となり 事 務 所 等 以 外 の 場 所 において 売 買 契 約 を 締 結 した 場 合 買 主 は 原 則 として 撤 回 ま たは 解 除 ができる( 宅 建 業 法 第 37 条 の 2) 引 渡 を 受 け かつ 代 金 全 額 を 払 った 場 合 または 告 知 の 日 から 8 日 経 過 した 場 合 はクーリング オフできないとされている 11
省 もしくは 国 土 交 通 省 の 地 方 整 備 局 に 申 し 出 ること また 可 能 であれば 業 者 名 連 絡 先 を 聞 き 書 きとめて 担 当 窓 口 に 通 報 すること 通 話 内 容 を 録 音 するなどの 対 策 も 有 効 である 6. 行 政 への 要 望 (1)マンションの 悪 質 な 勧 誘 に 関 する 相 談 は 増 加 する 一 方 であり なかには 犯 罪 とも 取 れ る 行 為 が 見 られる 宅 建 業 法 に 違 反 した 業 者 への 行 政 処 分 業 者 に 対 する 指 導 を 強 化 徹 底 すること (2) 極 めて 悪 質 な 勧 誘 を 行 った 事 実 や 無 免 許 業 者 が 勧 誘 を 行 った 事 実 が 判 明 した 場 合 は 宅 建 業 法 所 管 省 庁 および 都 道 府 県 宅 建 業 主 管 課 より 告 発 を 行 うなど 警 察 と 積 極 的 に 連 携 を 取 ること (3) 違 反 業 者 への 行 政 処 分 や 指 導 の 強 化 警 察 との 積 極 的 な 連 携 について 国 土 交 通 省 よ り 都 道 府 県 宅 建 業 主 管 課 へ 周 知 すること (4) 再 勧 誘 の 禁 止 私 生 活 や 業 務 の 平 穏 を 害 するような 不 適 当 な 勧 誘 時 間 の 例 示 勧 誘 時 における 事 業 者 名 や 販 売 目 的 等 の 明 示 について 消 費 者 トラブルの 実 態 を 踏 まえ 宅 建 業 法 および 同 法 政 省 令 の 改 正 や 解 釈 運 用 の 明 確 化 など 必 要 な 対 応 を 検 討 すること 7. 業 界 への 要 望 (1) 法 令 遵 守 に 努 め 勧 誘 員 等 の 指 導 教 育 を 徹 底 すること (2) 長 時 間 の 勧 誘 や 生 活 の 平 穏 を 害 するような 不 適 当 な 時 間 帯 の 勧 誘 を 禁 止 すること (3) つれ 回 しによる 勧 誘 を 禁 止 すること (4) 強 引 強 迫 な 勧 誘 で 契 約 に 至 った 場 合 また 将 来 の 収 入 に 関 し 断 定 的 判 断 の 提 供 不 実 告 知 等 により 契 約 に 至 った 場 合 契 約 の 解 除 取 消 し 等 に 前 向 きに 応 じること (5) 消 費 者 が 販 売 勧 誘 を 拒 絶 する 意 思 を 明 らかにした 場 合 の 再 勧 誘 を 禁 止 すること (6) 勧 誘 時 には まずマンションの 販 売 を 目 的 とした 勧 誘 であること 業 者 名 氏 名 を 告 げること 要 望 先 消 費 者 庁 政 策 調 整 課 財 団 法 人 不 動 産 適 正 取 引 推 進 機 構 社 団 法 人 不 動 産 協 会 社 団 法 人 全 日 本 不 動 産 協 会 社 団 法 人 全 国 宅 地 建 物 取 引 業 協 会 連 合 会 社 団 法 人 不 動 産 流 通 経 営 協 会 12
情 報 提 供 先 国 土 交 通 省 総 合 政 策 局 不 動 産 業 課 消 費 者 庁 取 引 物 価 対 策 課 警 察 庁 生 活 安 全 局 生 活 経 済 対 策 管 理 官 本 件 に 関 するお 問 い 合 わせ 先 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 相 談 部 3-3446-999 <title>ますますエスカレートするマンションの 悪 質 な 勧 誘 - 増 加 する 強 引 強 迫 長 時 間 夜 間 勧 誘 - </title> 13