蓄 電 池 エネルギーシステム 分 野 ( 蓄 電 池 ) (1099-6) 仮 訳 操 作 可 能 な 針 を 使 ったロボットで 脳 血 栓 を 治 療 ( 米 国 ) 著 者 :David Salisbury 氏 2013 年 8 月 8 日 ( 木 )9:00AM 投 稿 You Tube 動 画 脳 内 出 血 によって 発 生 した 圧 損 傷 を 治 療 する 外 科 手 術 はロボットに 最 適 な 仕 事 であ る これが ヴァンダービルト 大 学 で 開 発 中 の 新 たなイメージガイド( 画 像 誘 導 ) 外 科 手 術 システムの 基 本 前 提 である このシステムに 採 用 されている 操 作 可 能 な 針 は 生 体 検 査 用 の 脳 を 最 小 限 のダメージで 貫 き 形 成 された 脳 血 栓 を 吸 引 して 取 り 除 くことができる 当 該 システムについては 雑 誌 IEEE Transactions on Biomedical Engineering に 掲 載 される 記 事 で 説 明 されている Robert L. Webster III 准 教 授 と 神 経 外 科 の Kyle Weaver 准 教 授 が 率 いる 技 師 や 医 師 からなる 現 在 も 進 行 中 の 共 同 研 究 チームによる 研 究 成 果 である 脳 血 栓 によって 死 や 障 害 が 引 き 起 こされている 一 生 のうちに 脳 内 出 血 を 起 こす 人 の 割 合 は 1/50 である 脳 内 出 血 が 起 きた 場 合 そ のうちの 40%が 一 月 以 内 に 死 亡 している 生 存 者 の 多 くは 脳 に 深 刻 なダメージが 残 る 私 が 大 学 にいた 頃 父 親 が 脳 内 出 血 を 起 こしました と Webster 氏 は 言 う 幸 いにも 父 は 命 を 取 り 留 めて 完 全 に 回 復 しました 当 時 の 私 は 死 亡 確 率 や 深 刻 な 脳 障 害 が 起 こる 確 率 がどれほど 高 いかを 知 らずに 喜 んでいましたが 知 っていたとすればもっ と 怖 じ 気 づいていたでしょう 1
操 作 可 能 な 針 なら 手 術 による 二 次 ダメージ を 防 げる 脳 内 出 血 を 減 量 する(debulk) ための 手 術 は 神 経 外 科 医 の 間 ではあまり 人 気 がない というのも 血 栓 が 小 さい 場 合 か あるいは 容 易 に 届 く 脳 の 表 面 にある 場 合 を 除 いて 手 術 による 効 果 はほとんど 得 られない 外 科 医 は 通 常 25-50%の 血 栓 を 取 り 除 くこと で 臨 床 的 有 益 性 を 得 られるとしているが その 有 益 性 は 血 栓 を 取 り 除 いた 際 に 周 囲 の 組 織 に 与 えるダメージと 相 殺 されてしまう そのため 脳 に 深 刻 な 血 栓 が 見 つかった 場 合 医 師 たちは 注 意 深 く 待 つ というアプローチをとる つまり 手 術 なしで 患 者 が 回 復 す るよう 薬 の 投 与 によって 血 栓 周 辺 の 腫 れを 抑 えてくれるのを 期 待 する この 4 年 間 で Webster 氏 の 研 究 チーム は 経 鼻 手 術 に 用 いる 操 作 可 能 な 針 を 使 ったシステムを 開 発 した このシステムを 使 って 従 来 は 患 者 の 頭 蓋 骨 や 顔 に 大 きな 切 れ 目 を 入 れる 必 要 のあった 下 垂 体 や 頭 蓋 底 にある 腫 瘍 を 取 り 除 く 手 術 を 行 う 研 究 結 果 として 内 視 鏡 を 使 って 鼻 腔 を 通 すこと で 外 傷 性 が 少 なくなることが 明 らかになっ たが 行 程 が 難 しいために 使 い 方 をマスタ ーしている 外 科 医 は 数 えるほどしかいない Robert Webster 氏 ( 左 ) Kyle Weaver 氏 Philip Swaney 氏 (Joe Howell / Vanderbilt 大 学 ) 去 年 の 夏 Webster 氏 が 出 席 したイタリ アのカンファレンスにおいて 演 説 者 の 一 人 である University of Maryland School of Medicine(メリーランド 大 学 医 学 部 )の 脳 外 科 医 Marc Simard 氏 は 聴 衆 の 中 にいるエンジニアの 誰 かにいつか 実 現 してもらいた いと 願 いながら 将 来 有 益 となりうる 架 空 の 神 経 外 科 手 術 デバイスの 希 望 リストを 素 早 く 読 みあげた 彼 が 血 栓 を 取 り 除 くために 脳 の 深 部 まで 届 く 針 サイズのアームロボット について 説 明 している 時 Webster 氏 は 笑 みを 抑 えることができなかった 彼 が 開 発 中 だった 操 作 可 能 な 針 を 使 ったシステムは その 作 業 に 最 適 だったからだ Webster 氏 が active cannula( 機 敏 に 動 くカニューレ( 排 出 等 のために 体 内 に 挿 入 す るチューブ)) と 呼 ぶ 設 計 は 薄 くぴったり 収 められたチューブの 集 まりで 構 成 されて いる チューブはそれぞれ 異 なる 内 部 曲 率 を 持 っている こうしたチューブを 正 確 に 回 転 伸 縮 させることによって 手 術 担 当 者 は 体 の 曲 線 に 合 わせて 先 端 を 様 々な 方 向 に 操 作 できる 脳 血 栓 を 除 去 する 針 が 一 本 のみのシステムは 針 が 複 数 本 ある 経 鼻 システム よりも 実 質 的 にずっとシンプルである 2
イタリアから 戻 った Webster 氏 が 神 経 外 科 医 の Weaver 氏 にシステムの 新 たな 応 用 方 法 の 可 能 性 について 話 をしたところ 彼 は 非 常 に 協 力 的 だった 私 はこのシステム で 多 くの 命 を 救 うことができると 思 っています 脳 血 栓 の 発 症 数 は 非 常 に 多 く さらに その 数 は 人 口 が 高 齢 化 するにつれて 間 違 いなく 増 えていきます このシステムの 研 究 に 携 わる 院 生 の Philip Swaney 氏 は Webster 氏 の Medical and Electromechanical Design Laboratory におけるプロジェクトの 全 てが 実 用 化 に 近 づい ているという 事 実 を 好 ましく 思 っている 近 い 将 来 に 人 の 命 を 救 うことになる 研 究 を 行 えて 嬉 しいです と 彼 は 言 う 機 敏 に 動 くカニューレが 92%の 疑 似 血 栓 を 除 去 脳 血 栓 システムに 必 要 なチューブは 外 側 のまっすぐなチューブ 1 本 と 内 側 の 曲 がっ たチューブ 1 本 の 計 2 本 だけである 2 本 のチューブ 直 径 は 1/20 インチ 以 下 である CT スキャンが 血 栓 の 位 置 を 決 定 すると 外 科 医 が 深 針 を 通 すうえで 最 適 な 頭 蓋 骨 の 位 置 と 挿 入 方 向 を 決 める その 方 向 は 患 者 の 脳 に 針 を 通 すために 頭 蓋 骨 にドリルで 開 けた 小 さな 穴 の 直 ぐ 近 くに 取 り 付 けられる 軌 道 軸 (trajectory stem)と 呼 ばれる 固 定 具 を 回 すことで 設 定 される ゼラチンで 作 られた 疑 似 血 栓 を 用 いたテストの 様 子 (Joe Hawell 氏 / ヴァンダービルト 大 学 ) 3
外 科 医 は 外 側 のまっすぐなチューブが 軌 道 軸 を 通 って 脳 へ 挿 入 されるようにロボッ トの 位 置 を 決 める さらに 内 側 の 小 さなチューブには 血 栓 の 大 きさや 形 に 合 った 曲 率 を 持 つものを 選 択 し その 外 端 に 吸 引 ポンプを 取 り 付 け これを 外 側 のチューブ 内 部 に 取 り 付 ける CT スキャン 画 像 に 従 って ロボットは 外 側 のチューブを 脳 内 にある 血 栓 の 外 表 面 に 達 するまで 挿 入 する そして 内 側 の 曲 がったチューブを 血 栓 内 部 へと 伸 ばす ポンプの スイッチを 入 れるとチューブがまるで 小 さな 掃 除 機 のように 動 き 出 して 物 質 を 吸 い 出 す ロボットは 血 栓 内 部 で 先 端 をあちこちと 移 動 させ チューブを 回 転 伸 縮 させるこ とで 動 きをコントロールする 研 究 者 たちが 行 ったフィージビリティースタディーによ れば ロボットは 疑 似 血 栓 の 92%を 除 去 することができた 手 術 で 最 もやっかいなのは かなりの 量 の 血 栓 を 除 去 した 後 です 外 圧 によって 血 栓 の 縁 が 部 分 的 に 壊 れてしまい 血 栓 の 境 界 線 を 把 握 し 続 けることが 難 しくなるので す と Webster 氏 は 言 う 今 後 のプロジェクト 目 標 は 超 音 波 画 像 診 断 と 脳 組 織 変 形 の 様 子 を 示 すコンピューター モデルを 組 み 合 わせ 全 ての 血 栓 材 料 を 安 全 かつ 効 率 的 に 確 実 に 除 去 できるようにする ことである 研 究 チームにはこの 他 に 以 前 ヴァンダー ビルト 大 学 の 博 士 研 究 員 であり 現 在 はドイツ のハノーバー 大 学 電 子 機 械 工 学 センター 長 を 務 める Jessica Burgner 氏 そしてヴァンダービルト 大 学 の 院 生 Ray Lathrop 氏 が 参 加 している 操 作 可 能 な 針 を 使 ったロボット(Joe Howell 氏 / ヴァンダービルト 大 学 ) 当 該 研 究 は 全 米 科 学 財 団 CAREER プログラムの 資 金 提 供 機 会 (award)iis-1054331 大 学 院 研 究 フェローシップ 及 びドイツ 学 術 交 流 会 からの 支 援 を 受 けている 連 絡 先 : David Salisbury, (615) 322-NEWS david.salisbury@vanderbilt.edu 4
翻 訳 :NEDO( 担 当 広 報 部 望 月 麻 衣 ) 出 典 : 本 資 料 は 米 国 ヴァンダービルト 大 学 の 以 下 の 記 事 を 翻 訳 したものである Robot uses steerable needles to treat brain clots http://news.vanderbilt.edu/2013/08/brain-clot-robot/ Used with Permission of Vanderbilt University 5