年 連 続 の 減 少 となっている DM は 3,829 億 円 ( 前 年 比 2.4% 減 で 2 年 ぶりにプラスとなった 前 年 から 再 びマイナスに 転 じた ただ 媒 体 構 成 比 は 6.2%( 同 0.2 ポイント 減 を 占 め 構 成 比 の 順 位 では テレビメディア(

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑


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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

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スライド 1

2016年夏のボーナス見通し

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

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注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

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職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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●電力自由化推進法案

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

Transcription:

DM 広 告 の 現 状 と 今 後 の 課 題 DM REPORT 2016-No.3 ~ 広 告 費 統 計 資 料 予 測 データ 広 告 動 態 調 査 からの 一 考 察 ~ 井 上 東 二 郎 本 稿 では 前 々 回 前 回 のレポートに 引 き 続 き 2015 年 のダイレクトメール(DMを 含 めた 国 内 広 告 市 場 の 動 向 について 代 表 的 な 広 告 費 統 計 資 料 である 電 通 の 日 本 の 広 告 費 と 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 ( 広 告 業 のデータを 使 って 分 析 する また 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 費 予 測 のデータをもとに 今 後 の 国 内 広 告 費 のゆくえを 見 ていく この 予 測 は 日 経 広 告 研 究 所 と 日 本 経 済 研 究 センターが 共 同 開 発 したモデルを 使 い 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 の 広 告 業 売 上 高 をベースに 同 センターが 予 測 する 財 務 省 の 法 人 企 業 統 計 季 報 の 経 常 利 益 増 減 率 と 名 目 GDP 増 減 率 を 加 味 し 同 センターの 短 期 経 済 予 測 も 反 映 させている さらに 今 回 は 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 動 態 調 査 の 調 査 データを 用 いて 有 力 企 業 の 宣 伝 担 当 者 が DM を 含 めた 各 種 広 告 メディアをどう 評 価 をしているのかも 探 っていく この 調 査 では 各 企 業 が 宣 伝 活 動 に 投 じる 費 用 の 規 模 やその 使 い 道 実 際 の 活 動 や 考 え 方 など 多 岐 に 渡 る 質 問 を 設 定 幅 広 い 業 種 から 回 答 を 得 ており 広 告 主 企 業 の 最 新 の 宣 伝 活 動 を 知 る 手 立 てとして 参 考 になる 最 後 のまとめとして これらのデータを 踏 まえ 最 近 のデジタル 技 術 の 急 速 な 進 展 によってメディ アの 環 境 が 激 変 する 中 での DM 広 告 の 現 状 を 捉 えるとともに 今 後 の 課 題 について 述 べていきたい 1 電 通 の 日 本 の 広 告 費 から 推 定 する DM 広 告 市 場 (12015 年 の 国 内 総 広 告 費 は 4 年 連 続 の 増 加 電 通 が 16 年 2 月 に 発 表 した 2015 日 本 の 広 告 費 によれば 15 年 の 国 内 総 広 告 費 は 6 兆 1,710 億 円 4 年 連 続 で 前 年 実 績 を 超 えたが 伸 び 率 は 前 年 の 2.9%を 下 回 る 0.3%の 微 増 に 止 まった 電 通 の 日 本 の 広 告 費 は 1 年 間 (1 月 ~12 月 に 使 われた 国 内 広 告 費 をマスコミ 4 媒 体 (14 年 から 衛 星 メディア 関 連 を 含 めた インターネット プロモーションメディアの 広 告 媒 体 料 金 と 広 告 制 作 費 について 媒 体 社 や 広 告 制 作 会 社 の 協 力 を 得 て 毎 年 推 定 している 継 続 性 を 重 視 し 分 野 ごと の 推 定 範 囲 を 明 示 しているのも 特 徴 である 15 年 の 国 内 総 広 告 費 は 企 業 業 績 の 伸 長 やミラノ 万 博 の 開 催 などがプラス 要 因 となったものの 前 年 4 月 の 消 費 税 増 税 前 の 駆 け 込 み 需 要 や 2 月 のロシア ソチでの 冬 季 オリンピック 6 月 の FIFA ワ ールドカップブラジル 大 会 開 催 に 伴 う 反 動 減 中 国 など 海 外 経 済 の 減 速 個 人 消 費 の 伸 び 悩 みなどが 影 響 し 年 間 では 前 年 比 0.3% 増 となった 媒 体 別 では マスコミ 4 媒 体 が 2 兆 8,699 億 円 ( 前 年 比 2.4% 減 インターネットが 1 兆 1,594 億 円 ( 同 10.2% 増 プロモーションメディアは 2 兆 1,417 億 円 ( 同 0.9% 減 となった マスコミ 4 媒 体 は 新 聞 6.2% 減 雑 誌 2.3% 減 ラジオ 1.4% 減 テレビメディア(14 年 から 地 上 波 テレビと 衛 星 メディア 関 連 の 合 計 値 1.2% 減 で 4 媒 体 全 てがマイナスに 転 じた 一 方 スマートフォン(スマホ や 動 画 広 告 新 しいアドテクノロジーを 活 用 した 広 告 が 伸 長 したインターネットは 前 年 に 引 き 続 き 2 ケタ 増 を 確 保 全 体 を 牽 引 した プロモーションメディアは 全 体 では 前 年 を 下 回 った 媒 体 別 構 成 比 では マスコミ 4 媒 体 46.5%( 新 聞 9.2% 雑 誌 4.0% ラジオ 2.0% テレビメディ ア 31.3% インターネット 18.8% プロモーションメディア 34.7%となり 前 年 に 比 べるとインタ ーネットが 1.7 ポイント 増 加 したのに 対 し マスコミ 4 媒 体 は 1.3 ポイント プロモーションメディ アは 0.4 ポイント 減 少 した 特 に 新 聞 テレビなどマスコミ 4 媒 体 の 減 少 が 目 立 つ( 図 表 1 (2DM 広 告 費 は 前 年 の 2 年 ぶりの 増 加 から 再 び 減 少 へ DM を 含 めた 8 メディアで 構 成 されるプロモーションメディアは 全 体 では 前 年 までの 3 年 連 続 の プラスからマイナスに 転 じた そのうち 屋 外 POP 展 示 映 像 他 は 3 年 連 続 の 増 加 となったもの の 交 通 DM フリーペーパー フリーマガジンがマイナスに 転 じ 折 込 は 3 年 連 続 電 話 帳 は 17-1-

年 連 続 の 減 少 となっている DM は 3,829 億 円 ( 前 年 比 2.4% 減 で 2 年 ぶりにプラスとなった 前 年 から 再 びマイナスに 転 じた ただ 媒 体 構 成 比 は 6.2%( 同 0.2 ポイント 減 を 占 め 構 成 比 の 順 位 では テレビメディア(31.3% インターネット(18.8% 新 聞 (9.2% 折 込 (7.6%に 次 ぐ 第 5 位 につけ 前 年 と 変 わらない 広 告 費 規 模 を 堅 持 している( 図 表 1 15 年 の DM 広 告 市 場 を 見 ると 全 体 的 には ネットを 軸 に 広 告 展 開 をしていた 企 業 が DM を 積 極 的 に 活 用 したケースも 目 立 つが もともと DM を 広 告 の 軸 にしていた 企 業 が 一 旦 ネットにシフトし たものの 費 用 対 効 果 の 側 面 から 紙 メディアである DM の 有 効 性 を 再 評 価 し 従 来 の DM 主 体 の 広 告 展 開 に 回 帰 したケースも 多 いようだ ネットで 獲 得 できる 顧 客 層 と そうでない 層 を 明 確 に 区 分 す る 傾 向 が 強 まっている 業 種 別 では E コマース 領 域 で DM を 活 用 するケースが 増 えている 特 にス マホの 買 い 替 えや 中 高 年 層 への 普 及 拡 大 を 図 る 情 報 通 信 ネット 対 応 でのサービスを 進 める 金 融 保 険 オムニチャネルの 本 格 化 を 目 指 す 流 通 小 売 業 などでは DM の 活 用 が 着 実 に 増 加 している ( 図 表 1 媒 体 別 広 告 費 出 典 : 電 通 2015( 平 成 27 年 日 本 の 広 告 費 2 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 から 推 定 する 折 込 DM 広 告 市 場 (1 電 通 の 日 本 の 広 告 費 との 違 い 前 回 も 指 摘 したが 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 では 広 告 業 の 業 務 種 類 ( 取 扱 媒 体 をマスコミ 4 媒 体 屋 外 交 通 折 込 み ダイレクトメール 海 外 SP PR 催 事 企 画 インターネット その 他 の 8 業 務 に 分 けており 電 通 の 日 本 の 広 告 費 における 媒 体 分 類 と 一 部 異 なっている 経 済 産 業 省 の 調 査 では 折 込 と DM を 一 括 りにしたり 海 外 広 告 や PR も 含 めている 両 者 の 相 違 点 は 経 済 産 業 省 の 調 査 が 広 告 会 社 を 対 象 とし その 業 務 分 類 を 国 内 広 告 会 社 の 多 くが 採 用 する 売 上 の 取 扱 種 目 に 依 拠 しているのに 対 し 電 通 の 調 査 は 媒 体 社 と 広 告 制 作 会 社 を 主 要 な 調 査 対 象 としていることに 起 因 すると 思 われる 媒 体 分 類 としては 電 通 の 調 査 が 一 般 的 と 言 えるだろう (2DM 広 告 単 独 の 推 定 この 相 違 点 を 踏 まえ 同 調 査 の 折 込 と DM を 合 計 した 15 年 の 折 込 み ダイレクトメール の 売 上 高 を 見 ると 1~3 月 は 前 年 同 期 比 4.4% 減 4~6 月 同 0.9% 減 7~9 月 同 1.3% 減 10~12 月 同 0.8% 減 で 推 移 し 年 間 では 前 年 比 1.9% 減 となっている 月 別 では 4 月 7 月 10 月 12 月 の 4 ヶ 月 は 前 年 比 プラス 他 の 8 ヶ 月 は 同 マイナスのまだら 模 様 の 結 果 となっている( 図 表 2-2-

広 告 業 の 業 務 種 類 別 売 上 高 年 期 月 折 込 み ダイレクトメール ( 百 万 円 前 年 比 前 年 同 期 比 前 年 同 月 比 (% 平 成 26 年 696,807 99.7 27 年 685,200 98.1 平 成 27 年 1~3 月 179,486 95.6 4~6 月 170,067 99.1 7~9 月 161,147 98.7 10~12 月 174,501 99.2 平 成 28 年 1~3 月 176,814 98.5 平 成 27 年 3 月 70,568 95.9 4 月 58,616 102.7 5 月 54,843 97.2 6 月 56,609 97.5 7 月 59,014 100.1 8 月 47,611 96.0 9 月 54,523 99.6 10 月 57,154 101.9 11 月 56,748 94.7 12 月 60,598 101.1 平 成 28 年 1 月 57,616 98.9 2 月 50,875 100.4 3 月 68,323 96.8 4 月 59,012 101.4 5 月 51,088 93.8 DM REPORT 2016-No.3 一 方 電 通 の 日 本 の 広 告 費 では 15 年 の 折 込 広 告 は 前 年 比 4.7% 減 で 3 年 連 続 のマイナスと 推 定 日 本 新 聞 折 込 広 告 業 協 会 (J-NOAの 全 国 新 聞 折 込 出 稿 状 況 (193 拠 点 のモニターが 収 集 したデータで も 15 年 の 1 世 帯 平 均 の 新 聞 折 込 枚 数 は 同 3.6% 減 と 分 析 する 日 本 新 聞 協 会 によれば 全 国 の 新 聞 発 行 部 数 は 2000 年 の 5,371 万 部 から 15 年 の 4,425 万 部 へ と 16 年 間 で 900 万 部 以 上 減 少 している この 推 移 を 見 ても 15 年 の 折 込 広 告 の 減 少 幅 は 妥 当 な 推 定 値 と 言 えるだろう 折 込 とダイレクトメール(DMを 合 計 した 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 ( 広 告 業 に おいて DM 広 告 費 単 独 の 推 定 はできないが DM 広 告 に 比 べ 減 少 幅 が 大 きい 折 込 広 告 の 調 査 結 果 を 見 ていく と 15 年 の DM 広 告 費 は 前 年 比 マイナスではあるが その 減 少 幅 はそれほど 大 きくはなかったと 考 えられる ( 図 表 2 折 込 み ダイレクトメール 売 上 高 出 典 : 経 済 産 業 省 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 3 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 費 予 測 から 推 定 する 今 後 の 折 込 DM 市 場 (12015 年 ~16 年 の 総 広 告 費 予 測 日 経 広 告 研 究 所 が 16 年 7 月 に 発 表 した 広 告 費 予 測 によれば 15 年 の 総 広 告 費 実 績 は 上 期 で 前 年 同 期 比 2.0% 増 下 期 で 同 3.4% 増 年 間 で 前 年 比 2.7% 増 としている この 実 績 値 をもとに 16 年 は 上 期 3.7% 増 下 期 1.7% 増 年 間 で 2.7% 増 と 予 測 する 中 国 や 他 の 新 興 国 経 済 の 低 迷 円 高 株 安 基 調 の 影 響 懸 念 はあるものの 企 業 業 績 は 堅 調 に 推 移 すると 見 て 伸 び 率 は 前 年 比 横 ばいと 想 定 している ただ 消 費 税 率 引 き 上 げの 延 期 や 英 国 の EU 離 脱 14 年 4 月 の 消 費 増 税 の 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 や 若 年 層 の 将 来 への 不 安 高 齢 者 層 の 消 費 マインドの 低 下 などから 個 人 消 費 は 力 強 さに 欠 け ている 先 行 きの 景 気 動 向 は 変 動 要 因 もあると 見 て 上 期 は 3.7% 増 下 期 は 1.7% 増 とした 媒 体 別 ではマスコミ 4 媒 体 0.2% 増 ( 新 聞 3.9% 減 雑 誌 4.1% 減 テレビ 1.3% 増 ラジオ 2.1% 増 交 通 広 告 0.2% 減 折 込 み DM1.1% 減 インターネット 14.6% 増 その 他 3.4% 増 としている 今 回 もインターネットの 顕 著 な 伸 びが 広 告 費 全 体 を 牽 引 する 構 図 は 変 わらない( 図 表 3 (2 折 込 DM 広 告 費 予 測 その 中 で 折 込 DM の 15 年 実 績 と 16 年 予 測 を 見 ると 15 年 実 績 は 上 期 3,471 億 円 ( 前 年 同 期 比 2.7% 減 下 期 3,333 億 円 ( 同 1.1% 減 年 間 では 6,804 億 円 ( 前 年 比 1.9% 減 としている こ の 数 値 を 基 準 に 16 年 は 上 期 3,437 億 円 ( 前 年 同 期 比 1.0% 減 下 期 3,292 億 円 ( 同 1.2% 減 年 間 では 6,729 億 円 ( 前 年 比 1.1% 減 で 15 年 に 比 べ 減 少 幅 は 0.8 ポイントの 改 善 と 予 測 する( 金 額 は 1 千 万 円 以 下 切 捨 て ただ 広 告 費 予 測 は 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 を 基 本 データに 媒 体 分 類 も 折 込 み DM として 様 々な 予 測 値 を 加 味 しているため ここでも DM 単 独 の 予 測 はできないが 折 込 広 告 の 減 少 が 続 く 中 では DM 広 告 の 減 少 幅 は 小 さいと 推 定 される -3-

広 告 費 ( 暦 年 実 額 百 万 円 伸 び 率 ( % 売 上 高 合 計 4 媒 体 広 告 新 聞 雑 誌 テレビ ラジオ 交 通 広 告 折 込 み タ イレクトメール インター ネット その 他 7 媒 体 計 2014 暦 年 上 2,898,152 1,063,995 203,468 52,557 782,912 25,058 106,227 356,747 240,199 1,130,984 1,767,168 2014 暦 年 下 2,870,340 1,031,000 183,385 57,639 763,102 26,875 96,225 336,895 251,044 1,155,175 1,715,165 2015 暦 年 上 2,956,315 1,013,832 187,094 49,956 752,380 24,401 105,449 347,124 271,507 1,218,404 1,737,911 2015 暦 年 下 2,967,588 1,017,484 170,907 53,765 766,229 26,581 98,138 333,315 290,008 1,228,645 1,738,943 2016 暦 年 上 3,066,408 1,017,852 179,934 47,231 765,517 25,168 104,723 343,720 313,776 1,286,338 1,780,070 2016 暦 年 下 3,018,145 1,016,538 164,145 52,191 773,338 26,863 98,535 329,202 329,832 1,244,039 1,774,106 2014 暦 年 上 4.6 3.9 2.3-3.1 5.0-1.7 4.0 0.6 12.2 5.1 4.2 2014 暦 年 下 2.3 0.9-3.3-0.8 2.1 1.8 0.3-1.2 13.9 2.6 2.2 2015 暦 年 上 2.0-4.7-8.0-4.9-3.9-2.6-0.7-2.7 13.0 7.7-1.7 2015 暦 年 下 3.4-1.3-6.8-6.7 0.4-1.1 2.0-1.1 15.5 6.4 1.4 2016 暦 年 上 3.7 0.4-3.8-5.5 1.7 3.1-0.7-1.0 15.6 5.6 2.4 2016 暦 年 下 1.7-0.1-4.0-2.9 0.9 1.1 0.4-1.2 13.7 1.3 2.0 ( 百 実 万 円 額 ( % 伸 び 率 2014 暦 年 5,768,492 2,094,995 386,853 110,196 1,546,014 51,933 202,452 693,642 491,243 2,286,159 3,482,333 2015 暦 年 5,923,903 2,031,316 358,001 103,721 1,518,609 50,982 203,587 680,439 561,515 2,447,049 3,476,854 2016 暦 年 6,084,553 2,034,390 344,080 99,423 1,538,855 52,031 203,258 672,922 643,607 2,530,377 3,554,176 2014 暦 年 3.5 2.4-0.4-1.9 3.5 0.1 2.2-0.3 13.0 3.9 3.2 2015 暦 年 2.7-3.0-7.5-5.9-1.8-1.8 0.6-1.9 14.3 7.0-0.2 2016 暦 年 2.7 0.2-3.9-4.1 1.3 2.1-0.2-1.1 14.6 3.4 2.2 ( 図 表 3 広 告 費 予 測 (2016 年 7 月 出 典 : 日 経 広 告 研 究 所 4 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 動 態 調 査 から 見 る 各 種 広 告 メディアの 利 用 実 態 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 動 態 調 査 は 同 研 究 所 がまとめた 有 力 企 業 の 広 告 宣 伝 費 2015 年 版 記 載 の 単 独 広 告 宣 伝 費 上 位 430 社 のうちの 239 社 とそれに 準 ずる 企 業 269 社 の 合 計 508 社 を 対 象 に 15 年 11~12 月 に 調 査 を 実 施 262 社 から 回 答 を 得 た 回 答 率 は 51.6%である ちなみに 有 力 企 業 の 広 告 宣 伝 費 は 有 価 証 券 報 告 書 を 提 出 し その 中 で 広 告 宣 伝 費 を 公 表 している 企 業 を 対 象 としてい る 調 査 内 容 は 対 象 企 業 の 広 告 予 算 広 告 メディアの 評 価 組 織 活 動 広 告 調 査 広 告 会 社 との 取 引 広 告 表 現 など 多 岐 に 渡 り 回 答 結 果 は 各 企 業 の 広 告 宣 伝 活 動 の 実 態 や 意 識 を 知 るうえで 重 要 な データと 言 える 今 回 は この 調 査 における 広 告 メディアについての 設 問 と 回 答 結 果 から DM を 含 めた 各 種 広 告 メディアの 利 用 実 態 や 今 後 の 評 価 について 見 ていきたい (12015 年 度 の 広 告 宣 伝 費 の 媒 体 配 分 15 年 度 の 各 企 業 の 媒 体 費 配 分 を 見 ると テレビ 地 上 波 が 49.8%( 前 回 比 +3.6 ポイント 新 聞 6.3% (+0.7 ポイント ラジオ 2.0%(+0.2 ポイントで 配 分 シェアが 徐 々に 減 る 傾 向 にあったマスメ ディアに 復 調 の 兆 しがみられる インターネットは 8.9%(+1.1 ポイントで 順 調 にシェアを 伸 ばし た 半 面 折 込 チラシ 5.5%(-2.9 ポイント 見 本 市 展 示 会 イベント 2.9%(-1.1 ポイント 屋 外 広 告 2.0%(-0.3 ポイント DM1.9%(-0.3 ポイント POP1.1%(-0.8 ポイントなどは そろってシェアを 落 とした 交 通 広 告 は 4.0%(+1.2 ポイントで 堅 調 だった( 図 表 4 ( 図 表 4-4-

(2 各 メディアの 利 用 状 況 各 メディアの 利 用 状 況 を 見 ると テレビ 地 上 波 が 86.9%で 最 も 高 く 次 に 新 聞 86.4% インターネ ット 86.0% 雑 誌 79.6% 屋 外 広 告 72.9% 交 通 広 告 67.4%と 続 く DM は 49.8%で 対 象 の 17 メディア 中 14 位 に 止 まった( 図 表 5 ただ DM の 業 種 別 では 商 社 流 通 小 売 業 が 76.7% サービス レジャーが 72.7% 精 密 事 務 機 器 文 具 が 70.0%と DM 平 均 を 大 幅 に 上 回 った ( 図 表 5 (3 利 用 が 増 えると 見 込 む 広 告 媒 体 減 ると 見 込 む 広 告 媒 体 この 設 問 は 各 企 業 が 各 種 広 告 メディアの 将 来 性 をどう 見 ているかを 知 る 材 料 となる 利 用 が 増 え ると 見 込 むメディアではインターネットへの 支 持 が 格 段 に 高 く 73.3%を 記 録 した モバイルも 61.1%で 6 割 台 にある マスメディアでは テレビ 地 上 波 が 26.7%となったものの 新 聞 9.2% 雑 誌 8.8% ラジオ 6.1%とそれぞれ 1 ケタ 台 に 止 まった DM は 9.2% 新 聞 と 同 位 置 で 雑 誌 やラジ オ 屋 外 広 告 POP 折 込 チラシなどを 上 回 り 17 メディア 中 8 位 につけた( 図 表 6 DM の 業 種 別 では 家 庭 用 品 レジャー 用 品 50.0% 商 社 流 通 小 売 業 24.3%で 平 均 を 大 幅 に 上 回 った 一 方 利 用 が 減 ると 見 込 むメディアでは 新 聞 40.1% 雑 誌 34.7% 折 込 チラシ 29.0% ラジオ 27.1%などが 上 位 に 並 び テレビ 地 上 波 は 21.4%と 2 割 台 である DM は 16.8%に 止 まり 17 メデ ィア 中 13 位 の 位 置 につけている( 図 表 6 DM の 業 種 別 では 金 融 保 険 4.2% 医 薬 品 医 療 用 品 9.1%などは 平 均 を 大 幅 に 下 回 っている ( 図 表 6 (4 特 に 重 要 と 考 える 媒 体 あまり 重 要 視 していない 媒 体 ここでは(3の 設 問 と 一 線 を 画 し 特 に 重 要 と 考 える( 広 告 宣 伝 費 を 減 らされた 際 でも 極 力 減 額 しないメディアを 3 つまで 挙 げている テレビ 地 上 波 が 51.5%で 最 も 高 く 次 にネット 上 の 自 社 ホ ームページ 35.9% インターネット 広 告 35.5% モバイル 広 告 33.2%などネット 関 連 メディアが 続 く DM は 7.6%で 交 通 広 告 テレビ(BS CS など カタログ PR 誌 POP などを 上 回 り 18 メディア 中 10 位 に 止 まった( 図 表 7 DM の 業 種 別 では 商 社 流 通 小 売 業 が 40.5%で 平 均 を 大 幅 に 上 回 った 一 方 あまり 重 要 視 していない( 広 告 宣 伝 費 を 減 らされた 際 減 額 の 対 象 となるメ ディアでは 回 答 が 分 散 したものの 雑 誌 が 26.3%で 最 も 高 く 次 にラジオ 24.4% 折 込 チラシ 22.9% 新 聞 21.8%と 続 く DM は 17.6%で 18 メディア 中 5 位 だった( 図 表 7 DM の 業 種 別 では ファ ッションが 10.0% 電 気 機 器 AV 機 器 が 11.1% 情 報 通 信 が 12.5%と 平 均 を 下 回 った -5-

( 図 表 7 ( 図 表 4~7 広 告 動 態 調 査 2016 年 版 ( 回 答 はすべて 複 数 回 答 出 典 : 日 経 広 告 研 究 所 まとめ 以 上 電 通 の 日 本 の 広 告 費 と 経 済 産 業 省 の 特 定 サービス 産 業 動 態 統 計 調 査 から 15 年 の DM を 含 めた 国 内 広 告 市 場 の 動 向 を 見 てきた DM 広 告 費 は 両 調 査 とも 前 年 比 マイナスだったが 減 少 幅 は 他 メディアに 比 べそれほど 大 きくはなかった また 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 費 予 測 では 16 年 の 折 込 み DM 広 告 費 を 前 年 比 1.1% 減 とし 減 少 幅 は 15 年 より 0.8 ポイントの 改 善 と 予 測 し た 折 込 広 告 の 不 振 が 続 く 中 では DM 広 告 単 独 の 見 通 しはさらに 改 善 される 可 能 性 もある インタ ーネット 広 告 の 伸 長 が 顕 著 な 半 面 新 聞 雑 誌 など 紙 メディアの 低 迷 が 目 立 つが 紙 メディアの 一 翼 を 担 う DM の 減 少 幅 は 小 幅 に 止 まり マスメディアとは 一 線 を 画 す 予 測 となった 一 方 日 経 広 告 研 究 所 の 広 告 動 態 調 査 では DM は 現 状 の 広 告 費 の 媒 体 配 分 や 各 メディアの 利 用 状 況 特 に 重 要 視 する 媒 体 評 価 で 課 題 を 残 す 結 果 となった この 調 査 の 対 象 は 有 価 証 券 報 告 書 に 広 告 宣 伝 費 を 公 表 する 上 場 及 びそれに 準 ずる 企 業 の 上 位 クラスで テレビやインターネットが 利 用 メ ディアの 主 力 であるため DM を 積 極 的 に 活 用 する 通 販 通 教 などを 含 めた 幅 広 い 業 種 企 業 とは 広 告 メディアに 対 する 意 識 や 考 え 方 に 多 少 の 違 いがあるのかも 知 れない ただ 影 響 力 のある 有 力 企 業 対 象 の 調 査 だけに DM の 現 状 評 価 や 今 後 の 活 用 方 法 を 考 えるうえで 示 唆 に 富 んだ 内 容 となっている 例 えば 今 後 の 利 用 が 増 える 減 ると 見 込 まれる 広 告 媒 体 では DM は 他 メディアに 比 べ 比 較 的 良 い 評 価 を 受 けている 増 える から 減 る を 引 いた 数 値 つまり 実 質 的 な 利 用 意 向 率 では イン ターネット(+70.6やモバイル(+58.0 テレビ BS CS など(+9.6 テレビ 地 上 波 (+5.3 には 及 ばないものの DM は-7.6 ポイントに 止 まり 新 聞 (-30.9 雑 誌 (-25.9 折 込 チラシ (-25.9など 他 の 紙 メディアやラジオ(-21.0に 比 べると そのマイナス 値 は 小 さい また 業 種 別 で 見 ると 利 用 状 況 では 商 社 流 通 小 売 業 やサービス レジャー 精 密 事 務 機 器 文 具 が 利 用 が 増 える では 家 庭 用 品 レジャー 用 品 や 商 社 流 通 小 売 業 が 特 に 重 要 視 す る では 商 社 流 通 小 売 業 が DM 平 均 値 を 大 幅 に 上 回 る 支 持 を 得 ている この 部 分 で DM が 比 較 的 良 い 評 価 を 受 けた 理 由 はどこにあるのだろうか 各 企 業 がどんな 基 準 で 媒 体 選 択 しているのかを 見 ていくと その 理 由 がよく 分 かる この 調 査 では 判 断 基 準 の 上 位 に 訴 求 対 象 の 基 本 属 性 (75.6% 媒 体 の 到 達 率 (66.8% 広 告 予 算 との 兼 ね 合 い(64.1% 過 去 の 出 稿 実 績 (53.4% カバーエリアの 効 率 性 (48.1% 訴 求 対 象 のライフスタイルや 特 性 (46.2% 広 告 料 金 コストパフォーマンス(42.7% 情 報 の 特 質 や 信 頼 性 (37.0%などの 項 目 が 並 んでおり DM にとっては 有 利 な 要 素 が 多 く 含 まれているからだ DM はターゲットの 属 性 を 絞 り 込 みやすいうえ ピンポイントでの 訴 求 が 可 能 で 到 達 率 や 効 率 性 に 優 れている また 1 通 当 りの 情 報 量 の 多 さや 情 報 の 信 頼 性 保 存 性 一 覧 性 などの 機 能 に 強 みを 持 ち インターネットなど 他 メディアとの 親 和 性 も 高 い このような DM メディアの 特 性 は 企 業 の 宣 伝 担 当 者 が 挙 げる 媒 体 選 択 基 準 と 符 合 する 点 が 多 いのだ しかし DM は 現 状 の 利 用 状 況 などでメデ ィアの 課 題 を 残 した その 解 決 を 図 るためにも 広 告 メディアとしての 認 知 度 をさらに 高 める 必 要 が あるだろう 今 後 は DM の 特 性 を 生 かし 紙 とインターネットを 連 動 させるなど 実 効 性 のあるクロス メディアの 展 開 やコストパフォーマンスとリストデータの 精 度 向 上 を 重 視 した 施 策 なども 求 められる -6-

それらの 課 題 に 積 極 的 に 取 り 組 むことで DM の 広 告 メディアとしての 利 用 価 値 は 一 層 高 まるものと 思 われる 井 上 東 二 郎 日 経 広 告 研 究 所 前 主 席 研 究 員 -7-