1 第 二 言 語 が 母 語 に 与 える 影 響 断 り 発 話 の 分 析 から 山 田 恵 美 子 放 送 大 学 新 潟 学 習 センター 要 旨 中 間 言 語 語 用 論 研 究 の 大 半 は 母 語 と 第 二 言 語 (L2)の 間 の 影 響 の 方 向 は 母 語 から L2 であるとしてきたが 近 年 L2 も 母 語 に 影 響 を 与 えるとする 研 究 も ある 語 用 論 レベルで L2 が 母 語 に 影 響 を 与 えるというには 母 語 と 文 化 的 に 大 きく 異 なる 言 語 の 学 習 者 を 対 象 とした 調 査 が 必 要 である 本 稿 は 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 異 なる 日 本 人 大 学 生 の2グループを 対 象 に 母 語 での 断 りの 発 話 行 為 に 英 語 の 影 響 が 見 られるかどうかを 探 る 調 査 はポライトネス 理 論 の 枠 組 みでデザインした 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 低 いグループとは 異 なり 接 触 する 頻 度 の 高 いグルー プには このグループが 日 々 接 触 しているアメリカ 人 と 同 様 距 離 を 疎 と 捉 えた 相 手 に 直 接 断 り 表 現 を 親 と 捉 えた 相 手 に 間 接 断 り 表 現 を という 断 り 表 現 の 使 い 分 けが 見 られなかった 相 手 との 距 離 に 応 じた 断 り 表 現 の 使 い 分 けが 見 られないところに 英 語 学 習 の 影 響 が 現 われている L2 の 影 響 を 受 けた 日 本 語 は 日 本 語 のバリエーションの 一 つである 日 本 語 教 育 で 日 本 語 のバリエーションを 扱 うとき 男 女 差 や 地 域 差 などを 反 映 した 日 本 語 だけでなく L2 の 影 響 を 受 けた 日 本 語 にも 関 心 を 向 ける 必 要 性 を 提 起 し たい キーワード: 母 語 と L2 の 間 の 影 響 の 方 向 断 り 日 本 人 大 学 生 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 違 い 相 手 との 距 離 に 応 じた 断 り 表 現 の 使 い 分 け 0.はじめに 中 間 言 語 語 用 論 (interlanguage pragmatics) 研 究 の 多 くは 第 二 言 語 習 得 研 究 の 一 般 的 な 傾 向 に 倣 い 母 語 と 第 二 言 語 (L2) の 間 の 影 響 の 方 向 は 母 語 から L2 であるとし L2 で 発 話 行 為 を 行 う 際 の 母 語 の 語 用 知 識 の 負 の 転 移 ( 語 用 論 的 転 移 (pragmatic transfer))の 有 無 を 調 査 することに 焦 点 を 当 ててきた しかし 近 年 母 語 と L2 の 間 には 双 方 向 の 影 響 があると 指 摘 する 研 究 もある 音 韻 意 味 文 法 のレベルでは 音 韻 意 味 文 法 に 関 する 先 行 研 究 に 基 づき L2 の 母 語 への 影 響 を 紹 介 している Cook (1992) が その 一 例 である また 語 用 論 レベルでは 英 語 もヘブライ 語 も 堪 能 なイスラエルへのアメリカ 人 移 民 の 依 頼 の 発 話 行 為 を 対 象 とした 調 査 研 究 (Blum-Kulka 1990) が その 一 例 である
2 語 用 論 レベルで L2 が 母 語 に 影 響 を 与 えるのか 与 えないのかを 明 らかにするには 母 語 し か 知 らない 人 の 発 話 行 為 と 母 語 と L2 を 同 じように 操 るバランスのとれたバイリンガルの 発 話 行 為 を 比 較 分 析 する 必 要 がある しかし 今 日 母 語 しか 知 らない 人 を 見 つけるのは 難 しいし 母 語 と L2 を 同 じように 操 るバランスのとれたバイリンガルも 極 めて 数 が 少 ない (Cook 1992 2006) そこで 外 国 語 学 習 の 分 野 での L2 の 母 語 への 影 響 の 検 証 は L2 に 接 触 する 頻 度 の 異 なる2つのグループの 発 話 行 為 の 比 較 分 析 として 行 われている 例 えば Cenoz (2003)は スペイン 人 大 学 生 が 母 語 であるスペイン 語 で 行 った 依 頼 の 発 話 行 為 には 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 違 いと 英 語 の 運 用 力 の 違 いにより 異 なった 傾 向 が 見 られることを 報 告 している ある 種 のコミュニケーション 行 為 は 本 質 的 に 対 話 者 のフェイス(face)に 対 する 欲 求 を 脅 かすものとして 働 くとされる それ 故 話 し 手 は 相 手 ( 聞 き 手 )または 自 分 自 身 のフ ェイスを 傷 つける 可 能 性 をできるだけ 少 なくするために 適 切 なストラテジーを 選 択 し そ のストラテジーに 合 った 言 語 表 現 を 創 り 出 すとされる 話 し 手 がどんなストラテジーを 選 択 するかは 話 し 手 がそのフェイスを 脅 かす 行 為 (FTA)の 大 きさをどのように 判 断 するかに よる FTA の 大 きさは 力 関 係 (P) 距 離 (D) メッセージの 負 担 の 度 合 (R)という3 要 素 の 総 和 で 決 められる (Brown & Levinson 1987 ( 以 下 B&L)) が 力 関 係 距 離 メッセー ジの 負 担 の 度 合 は 社 会 文 化 的 変 数 であるとされるので 選 択 される 言 語 表 現 は 文 化 によって 異 なる 可 能 性 がある そのため 語 用 論 レベルで 母 語 に L2 の 影 響 が 見 られるとするには 母 語 と 文 化 的 に 大 きく 異 なる L2 を 学 習 している 者 を 対 象 とした 調 査 依 頼 以 外 の 発 話 行 為 を 対 象 とした 調 査 も 必 要 である 断 るという 発 話 行 為 は FTA であると 想 定 される そこで 本 研 究 は 日 本 語 母 語 話 者 の 母 語 での 断 りの 発 話 行 為 に 英 語 (L2) 学 習 の 影 響 が 見 られるかどうかを 探 る 英 語 に 接 触 す る 頻 度 の 異 なる 大 学 生 2グループ(G1 G2)を 調 査 対 象 とする 断 りに 関 してはいくつかの 比 較 文 化 的 (cross-cultural) 研 究 が 行 われてきたが 主 要 な 研 究 の1つは Beebe et al. (1990) であろう Beebe et al.( 前 出 ) は 日 本 語 を 母 語 とする 英 語 学 習 者 の 英 語 での 断 りに 母 語 である 日 本 語 からの 転 移 (pragmatic transfer)が 見 られるかどうかを 明 らかにするための 調 査 研 究 を 行 ったが その 調 査 の 過 程 で 日 本 語 母 語 話 者 の 日 本 語 での 断 りとアメリカ 英 語 母 語 話 者 のアメリカ 英 語 での 断 りを 意 味 公 式 を 用 いて 分 析 し 日 本 語 で の 断 りとアメリカ 英 語 での 断 りの 相 違 点 を 明 らかにしている Beebe et al.( 前 出 ) によれば 日 本 語 での 断 りとアメリカ 英 語 での 断 りの 主 要 な 相 違 点 は 話 し 手 の 聞 き 手 に 対 する 力 関 係 が 断 り 表 現 の 選 択 に 関 与 するかどうかであるとされる 本 研 究 の 目 的 は 英 語 学 習 が 語 用 論 レベルで 日 本 語 母 語 話 者 の 母 語 に 影 響 を 与 えるか どうかを 探 ることである それ 故 Beebe et al.( 前 出 ) で 明 らかにされた 日 本 語 での 断 りと アメリカ 英 語 での 断 りの 相 違 点 を 踏 まえて 本 研 究 のリサーチクエスチョンを 以 下 のように する 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 異 なる2つのグループ(G1 G2)の 間 には
3 1. 断 りが 行 われるそれぞれの 場 面 で 選 択 される 断 り 表 現 に 異 なる 傾 向 が 見 られるか 2. 場 面 が 変 わったとき( 例 えば 断 る 相 手 との 関 係 ( 力 関 係 距 離 )が 変 わったとき) 選 択 される 断 り 表 現 に 変 化 が 見 られるか 1. 調 査 1.1 調 査 対 象 者 英 語 に 接 触 する 頻 度 以 外 の 個 人 的 要 因 ( 年 齢 (20 歳 前 後 ) 地 域 など)がほぼ 同 じ 日 本 人 大 学 生 の2つのグループ(G1 G2)を 調 査 対 象 とする G1 と G2 は 中 学 校 高 等 学 校 で 学 校 教 育 を 通 して 同 じように 英 語 を 学 んできたが 大 学 入 学 後 専 攻 の 違 いにより 英 語 に 接 触 する 頻 度 が 異 なった 大 学 生 の2つのグループである G1 は 幼 児 教 育 を 専 攻 とする 女 子 学 生 で G2 はアメリカ 留 学 を 目 指 して 学 ぶ 英 語 集 中 課 程 の 学 生 で 連 日 アメリカ 人 教 員 から 英 語 で 授 業 を 受 けており 英 語 の 運 用 力 は 中 級 レベル (TOEFL などによる)である なお G2 の 学 校 のアメリカ 人 留 学 生 とアメリカ 人 教 員 にアンケートとインタビューを 行 っ てアメリカ 英 語 での 断 りについて 資 料 を 集 め 調 査 結 果 の 解 釈 を 補 うものとする 1.2 調 査 のデザイン 調 査 は ポライトネス 理 論 (B&L)の 枠 組 みで 断 り 表 現 の 選 択 に 影 響 を 与 えるとされる 3つの 変 数 を 組 み 合 わせてデザインした 1 ( 例 1 参 照 ) 聞 き 手 の 話 し 手 に 対 する 力 関 係 ( 以 下 力 関 係 )は 上 位 同 等 下 位 の3 水 準 話 し 手 と 聞 き 手 の 距 離 ( 以 下 距 離 )は 接 触 の 頻 度 で 捉 えた 親 疎 の2 水 準 メッセージの 負 担 の 度 合 は 自 宅 でのパーティーに 招 待 されたこと( 以 下 招 待 ) と 新 しくできたレストランに 行 ってみるよう 勧 められたこと( 以 下 提 案 ) の2 水 準 とした 結 果 として 断 りの 発 話 行 為 が 行 われる 場 面 の 変 数 の 異 なる 12 の 場 面 が 準 備 できた なお 実 際 の 調 査 では 12 の 場 面 はランダムに 提 示 した 断 り 表 現 は 多 肢 選 択 で 求 めた 断 り 表 現 の 選 択 肢 としては 藤 森 (1994)を 踏 まえ { 結 論 } { 弁 明 } { 代 案 } { 弁 明 + 代 案 }という4つの 意 味 公 式 に 分 類 される 言 語 表 現 を 提 示 した 断 るときには 謝 ることから 話 を 始 めることがあるが 謝 るということは 他 のいずれの 断 り 表 現 とも 共 起 できる( 森 山 1990)とされるので 英 語 学 習 が 語 用 論 レベルで 学 習 者 の 母 語 に 影 響 を 与 えるかどうかを 探 るという 調 査 の 目 的 を 考 えて 断 り 表 現 の 選 択 肢 は{ 詫 び}に 分 類 される 言 語 表 現 を 付 加 していないかたちとした 語 用 論 レベルでの L2 の 母 語 への 影 響 を 見 るのに 重 要 なのは 断 りが 行 われる 場 面 に 応 じ た 言 語 表 現 の 選 択 が 行 われているかどうかである 本 稿 では 言 語 表 現 の 選 択 は 断 りが 行 われる 場 面 の 判 断 に 基 づいて 行 われると 想 定 する( 場 面 の 判 断 と 言 語 表 現 の 選 択 に 関 しては
4 杉 戸 2007 に 基 づく) それ 故 回 答 者 に 断 り 表 現 を 選 択 することを 求 めることに 加 え 断 り が 行 われる 場 面 をどのように 判 断 するかも 求 めた 場 面 に 関 する 判 断 は 招 待 あるいは 提 案 されて 話 し 手 が 感 じる 負 担 の 度 合 ( 以 下 負 担 の 度 合 )と 招 待 あるいは 提 案 を 断 られて 聞 き 手 が 失 望 すると 話 し 手 が 思 う 度 合 ( 以 下 失 望 すると 思 う 度 合 )から 求 めた 負 担 の 度 合 と 失 望 すると 思 う 度 合 という2つの 側 面 から 場 面 に 関 する 判 断 を 求 めたのは お 互 いのフェ イスを 維 持 することが 参 加 者 全 員 の 最 大 の 利 益 になる (B&L)とされるので 回 答 者 は 話 し 手 と 聞 き 手 両 者 のフェイスに 配 慮 して 断 り 表 現 を 選 択 すると 考 えたからである アンケート 調 査 は 2004 年 11 月 に 行 った G1 には 40 名 の 学 生 にアンケートを 配 布 し 40 名 から 回 収 した(アンケートの 回 収 率 は 100%) G2 には 26 名 の 学 生 にアンケートを 配 布 し 22 名 ( 男 女 比 は1:3)から 回 収 した(アンケートの 回 収 率 は 84.62%) そこで G1 は 40 名 の 回 答 を G2 は 22 名 の 回 答 を 分 析 する なお アンケート 結 果 の 解 釈 を 補 うために 2004 年 11 月 にアメリカ 人 教 員 (5 名 )と 留 学 生 (5 名 )に 個 別 にインタビューを 行 った ま た 留 学 生 には 調 査 対 象 者 に 配 布 したアンケートの 英 語 版 を 配 布 し アメリカ 英 語 で 断 る 場 合 を 想 定 して 回 答 するよう 求 めた [ 例 1] あなたの 親 しい 友 達 が その 人 の 家 で 開 かれるパーティーに 招 待 してくれた 質 問 1 どのように 断 りますか 日 本 語 で 話 しているとしたら あなたが 一 番 よく 使 うと 思 う 返 答 を(A) ~(D)から 選 んでください (A) 招 待 を 直 接 断 る 例 えば: 行 けません (B) 言 い 訳 をして 招 待 を 断 る 例 えば: 忙 しいので 行 けません (C) 招 待 を 断 るが 代 案 を 示 す 例 えば: その 日 は 行 けません でいいなら 行 きたいのですけど (D) 言 い 訳 をして 招 待 を 断 るが 代 案 を 示 す 例 えば: 忙 しいので その 日 は 行 けません でいいなら 行 きたいのですけど 質 問 2 招 待 されたとき: * この 状 況 は あなたにとってどのくらいやっかいなものですか 下 から 選 んでください 5.とてもやっかいである 4.すこしやっかいである 3. どちらとも 言 えない 2. ほとんどやっかいでない 1.すこしもやっかいでない * あなたが 断 ったら 招 待 した 人 は どのくらいがっかりすると 思 いますか 下 から 選 んでください 5.とてもがっかりする 4.すこしがっかりする 3. どちらとも 言 えない 2.ほとんどがっかりしない 1.すこしもがっかりしない
5 2. 調 査 結 果 2.1 分 析 の 基 準 本 節 では 第 0 節 でたてた 本 研 究 のリサーチクエスチョンを 分 析 する 分 析 の 基 準 は 以 下 のようにする [ 例 1]で 断 り 表 現 の 選 択 肢 として 提 示 した 表 現 のうち (A)は{ 結 論 }に 分 類 される 直 接 断 り 表 現 であり (B) (C) ( D)は それぞれ{ 弁 明 } { 代 案 } { 弁 明 + 代 案 }に 分 類 される 間 接 断 り 表 現 である 本 研 究 では 直 接 断 り 表 現 より 間 接 断 り 表 現 の 方 が 丁 寧 度 が 高 いとする そして 藤 森 (1994)を 踏 まえて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 は 言 語 表 現 の 長 さに 現 れると 想 定 し 間 接 断 り 表 現 のなかでは { 弁 明 }あるいは{ 代 案 }に 分 類 される 言 語 表 現 よりも{ 弁 明 + 代 案 }に 分 類 される 言 語 表 現 のほうが 丁 寧 度 が 高 いとする 2.2 アンケート 結 果 2.2.1 それぞれの 場 面 で 選 択 される 断 り 表 現 リサーチクエスチョン1は G1 と G2 の 間 には 断 りが 行 われるそれぞれの 場 面 で 選 択 さ れる 断 り 表 現 に 異 なる 傾 向 が 見 られるか である そこで 断 りが 行 われる 場 面 ごとに 選 択 された 断 り 表 現 とその 表 現 を 選 択 した 回 答 者 数 を 表 1~ 表 4に 示 す なお 断 り 表 現 は 意 味 公 式 を 用 いて 表 記 してある Fisher の 直 接 確 率 法 を 用 いて 解 析 した 結 果 ほとんどの 場 面 で 有 意 な 差 は 見 られなかった このことは 断 りが 行 われるそれぞれの 場 面 での G1 と G2 の 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 は 概 ね 同 じであることを 意 味 する ただし 上 位 疎 の 相 手 に 招 待 を 断 る 場 面 と 同 等 疎 の 相 手 に 招 待 を 断 る 場 面 において それぞれ P=0.027 P=0.046 で 有 意 であった このことは これら 二 つの 場 面 では G1 の 選 択 した 断 り 表 現 と G2 の 選 択 した 断 り 表 現 の 比 率 のどこかに 有 意 な 差 があることを 意 味 する( 表 2を 参 照 ) 表 1 選 択 された 断 り 表 現 親 の 相 手 に 招 待 を 断 る 場 合 (G1: n=40 G2: n=22) 上 位 同 等 下 位 G1 G2 G1 G2 G1 G2 結 論 8(20.00) 6(27.27) 7(17.50) 5(22.72) 9(22.50) 5(22.72) 弁 明 12(30.00) 3(13.64) 11(27.50) 7(31.82) 15(37.50) 6(27.27) 代 案 4(10.00) 3(13.64) 8(20.00) 2(9.09) 7(17.50) 5(22.72) 弁 明 + 代 案 16(40.00) 10(45.45) 14(35.00) 8(36.36) 9(22.50) 6(27.27) 注 )( ) 内 は%
6 表 2 選 択 された 断 り 表 現 疎 の 相 手 に 招 待 を 断 る 場 合 (G1: n=40 G2: n=22) 上 位 * 同 等 * 下 位 G1 G2 G1 G2 G1 G2 結 論 15(37.50) 6(27.27) 10(25.00) 6(27.27) 16(40.00) 9(40.91) 弁 明 13(32.50) 6(27.27) 11(27.50) 12(54.55) 15(37.50) 6(27.27) 代 案 6(15.00) 0(0.00) 9(22.50) 0(0.00) 3(7.50) 4(18.18) 弁 明 + 代 案 6(15.00) 10(45.45) 10(25.00) 4(18.18) 6(15.00) 3(13.64) 注 )( ) 内 は% * は 0.05 水 準 で 有 意 であることを 示 す 表 3 選 択 された 断 り 表 現 親 の 相 手 に 提 案 を 断 る 場 合 (G1: n=40 G2: n=22) 上 位 同 等 下 位 G1 G2 G1 G2 G1 G2 結 論 7(17.50) 5(22.73) 3(7.50) 3(13.64) 9(22.50) 9(40.91) 弁 明 10(25.00) 3(13.64) 9(22.50) 6(27.27) 10(25.00) 8(36.36) 代 案 8(20.00) 3(13.64) 15(37.50) 2(9.09) 10(25.00) 1(4.55) 弁 明 + 代 案 15(37.50) 11(50.00) 13(32.50) 11(50.00) 11(27.50) 4(18.18) 注 )( ) 内 は% 表 4 選 択 された 断 り 表 現 疎 の 相 手 に 提 案 を 断 る 場 合 (G1: n=40 G2: n=22) 上 位 同 等 下 位 G1 G2 G1 G2 G1 G2 結 論 16(40.00) 6(27.27) 10(25.00) 6(27.27) 19(47.50) 11(50.00) 弁 明 11(27.50) 7(31.82) 10(25.00) 6(27.27) 12(30.00) 5(22.73) 代 案 6(15.00) 3(13.64) 12(30.00) 2(9.09) 4(10.00) 1(4.55) 弁 明 + 代 案 7(17.50) 6(27.27) 8(20.00) 8(36.36) 5(12.50) 5(22.73) 注 )( ) 内 は% 2.2.2 相 手 との 関 係 の 変 化 に 伴 う 断 り 表 現 選 択 の 変 化 リサーチクエスチョン2は 場 面 が 変 わったとき( 例 えば 断 る 相 手 との 関 係 ( 力 関 係 距 離 )が 変 わったとき) 選 択 される 断 り 表 現 に 変 化 が 見 られるか である そこで 回 答 者 一 人 一 人 が 選 択 した 断 り 表 現 が 相 手 との 関 係 が 変 わる 前 と 変 わった 後 で 異 なっているかどう かを 調 べた 断 り 表 現 の 選 択 肢 として 提 示 した4つの 断 り 表 現 の 間 の 大 きな 違 いは 直 接 断 り 表 現 か 間 接 断 り 表 現 かの 違 いである そこで 相 手 との 関 係 が 変 わったとき 選 択 された 表 現 に 見 られる 変 化 は 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 あるいは 間 接 断 り 表 現 直 接 断 り 表
7 現 とし 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 とした 回 答 者 数 と 間 接 断 り 表 現 直 接 断 り 表 現 とした 回 答 者 数 に 食 い 違 いがでるかどうかを McNemar 検 定 を 用 いて 解 析 した( 断 り 表 現 の 選 択 肢 として 提 示 した 言 語 表 現 のうち どの 表 現 が 直 接 断 り 表 現 でどの 表 現 が 間 接 断 り 表 現 であるかに 関 しては 2.1 を 参 照 ) 解 析 の 結 果 有 意 な 差 が 生 じた 場 面 を 図 1~ 図 6に 示 す 図 1 招 待 の 断 りの 場 合 G1 図 2 提 案 の 断 りの 場 合 G1 への 変 化 ( 下 位 の 場 合 ) 下 位 同 等 への 変 化 ( 疎 の 場 合 ) 親 の 相 手 直 接 断 り 間 接 断 り 同 等 の 相 手 直 接 断 り 間 接 断 り 疎 の 相 手 下 位 の 相 手 直 接 断 り 8 8 直 接 断 り 6 13 間 接 断 り 1 23 間 接 断 り 4 17 P=0.039 P=0.049 図 3 提 案 の 断 りの 場 合 G1 図 4 提 案 の 断 りの 場 合 G1 への 変 化 ( 上 位 の 場 合 ) への 変 化 ( 同 等 の 場 合 ) 親 の 相 手 直 接 断 り 間 接 断 り 親 の 相 手 直 接 断 り 間 接 断 り 疎 の 相 手 疎 の 相 手 直 接 断 り 6 10 直 接 断 り 2 8 間 接 断 り 1 23 間 接 断 り 1 29 P=0.012 P=0.039 図 5 提 案 の 断 りの 場 合 G1 図 6 提 案 の 断 りの 場 合 G2 への 変 化 ( 下 位 の 場 合 ) 下 位 同 等 への 変 化 ( 親 の 場 合 ) 親 の 相 手 直 接 断 り 間 接 断 り 同 等 の 相 手 直 接 断 り 間 接 断 り 疎 の 相 手 下 位 の 相 手 直 接 断 り 7 12 直 接 断 り 3 6 間 接 断 り 2 19 間 接 断 り 0 13 P=0.013 P=0.031
8 図 1からわかるように G1 は 下 位 の 相 手 からの 招 待 を 断 る 場 合 断 る 相 手 との 関 係 ( 距 離 ) が に 変 わったとき 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 選 択 する 表 現 を 変 化 させ た 回 答 者 数 は8 間 接 断 り 表 現 直 接 断 り 表 現 へと 選 択 する 表 現 を 変 化 させた 回 答 者 数 は 1で McNemar の 検 定 の 結 果 P=0.039 である このことは 下 位 の 相 手 からの 招 待 を 断 る 場 合 断 る 相 手 との 関 係 ( 距 離 )が に 変 わったとき 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 回 答 者 が 有 意 に 多 いことを 示 唆 する 同 様 にして 図 2は 疎 の 相 手 からの 提 案 を 断 る 場 合 断 る 相 手 との 関 係 ( 力 関 係 )が 下 位 同 等 に 変 わったとき 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 回 答 者 が 有 意 に 多 いことを 示 唆 する 図 3 図 4 図 5は それぞれ 上 位 の 相 手 / 同 等 の 相 手 / 下 位 の 相 手 からの 提 案 を 断 る 場 合 断 る 相 手 との 関 係 ( 距 離 )が に 変 わったとき 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 回 答 者 が 有 意 に 多 いことを 示 唆 する 一 方 G2 は 親 の 相 手 からの 提 案 を 断 る 場 合 相 手 との 関 係 ( 力 関 係 )が 下 位 同 等 に 変 わったとき 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させ る 回 答 者 が 有 意 に 多 かった( 図 6)が 相 手 との 距 離 が 変 わっても 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させることはなかった それでは 相 手 との 関 係 ( 力 関 係 距 離 )が 変 わったとき 選 択 する 断 り 表 現 を 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 変 化 させた 回 答 者 には 間 接 断 り 表 現 の 中 で どれか 特 定 の 表 現 を 選 択 する 傾 向 が 見 られるだろうか 相 手 との 関 係 の 変 化 に 応 じて 選 択 された 間 接 断 り 表 現 の 内 訳 とその 間 接 断 り 表 現 を 選 択 した 回 答 者 数 を 表 5に 示 す なお 選 択 された 言 語 表 現 は 意 味 公 式 を 用 いて 表 示 してある 表 5 人 間 関 係 が 変 わった 結 果 選 択 された 間 接 断 り 表 現 の 内 訳 G1(n=40) G2(n=22) 招 待 の 断 り 提 案 の 断 り 提 案 の 断 り 下 位 の 場 合 ( 図 1) 下 位 同 等 疎 の 場 合 ( 図 2) 上 位 の 場 合 ( 図 3) 同 等 の 場 合 ( 図 4) 下 位 の 場 合 ( 図 5) 下 位 同 等 親 の 場 合 ( 図 6) 弁 明 2(25.00) 5(38.46) 1(10.00) 2(25.00) 5(41.67) 1(16.67) 代 案 2(25.00) 6(46.15) 3(30.00) 4(50.00) 4(33.33) 1(16.67) 弁 明 + 代 案 4(50.00) 2(15.38) 6(60.00) 2(25.00) 3(25.00) 4(66.67) 合 計 8(100.00) 13(99.99) 10(100.00) 8(100.00) 12(100.00) 6(100.01) 注 )( ) 内 は% 例 えば 下 位 の 場 合 ( 図 1) は 下 位 の 相 手 に 断 る 場 合 で 相 手 との 距 離 が へと 変 化 したときで 図 1で 示 した 場 合 に 対 応 する 表 5は 特 に G1 の 場 合 には 断 りが 行 われるどれか 特 定 の 場 面 で { 弁 明 } { 代 案 } { 弁 明
9 + 代 案 }に 分 類 される 言 語 表 現 のうち どれか 特 定 の 表 現 が 好 んで 選 択 される 傾 向 が 見 られる とは 言 いがたいことを 示 唆 している 次 に 参 考 資 料 として 留 学 生 のアメリカ 英 語 での 断 りに 関 するアンケート 結 果 を 表 6 表 7に 示 す なお 選 択 された 言 語 表 現 は 意 味 公 式 を 用 いて 表 示 してある 断 りが 行 われる 12 の 場 面 で 選 択 された 断 り 表 現 を Fisher の 直 接 確 率 法 を 用 いて 解 析 した 結 果 調 査 対 象 者 が 6 人 と 人 数 が 少 なかったが 招 待 の 断 りでも 提 案 の 断 りでも 有 意 な 差 は 見 られなかった ま た { 結 論 }に 分 類 される 直 接 断 り 表 現 を 選 択 した 回 答 は 見 られなかった 表 6 アメリカ 英 語 での 招 待 の 断 り 留 学 生 の 場 合 (n=6) 上 位 親 上 位 疎 同 等 親 同 等 疎 下 位 親 下 位 疎 結 論 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 弁 明 3(50.00) 3(50.00) 5(83.33) 4(66.67) 3(50.00) 3(50.00) 代 案 0(0.00) 1(16.67) 0(0.00) 1(16.67) 2(33.33) 2(33.33) 弁 明 + 代 案 3(50.00) 2(33.33) 1(16.67) 1(16.67) 1(16.67) 1(16.67) 注 )( ) 内 は% 例 えば 上 位 親 は 上 位 親 の 相 手 に 断 る 場 合 表 7 アメリカ 英 語 での 提 案 の 断 り 留 学 生 の 場 合 (n=6) 上 位 親 上 位 疎 同 等 親 同 等 疎 下 位 親 下 位 疎 結 論 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 0(0.00) 弁 明 1(16.67) 2(33.33) 2(33.33) 3(50.00) 3(50.00) 4(66.67) 代 案 1(16.67) 2(33.33) 1(16.67) 1(16.67) 1(16.67) 1(16.67) 弁 明 + 代 案 4(66.67) 2(33.33) 3(50.00) 2(33.33) 2(33.33) 1(16.67) 注 )( ) 内 は% 例 えば 上 位 親 は 上 位 親 の 相 手 に 断 る 場 合 3. 考 察 第 2 節 から G1 と G2 の 間 には それぞれの 場 面 で 選 択 された 断 り 表 現 には 概 ね 同 じよう な 傾 向 が 見 られたが 断 る 相 手 との 関 係 が 変 わったとき 選 択 する 断 り 表 現 を 変 化 させるか どうかに 関 しては 明 確 な 相 違 が 見 られることが 明 らかになった G1 と G2 の 相 違 は 相 手 との 関 係 を 距 離 から 捉 えたときに 明 確 に 見 られた 提 示 した 12 の 場 面 は 距 離 から 捉 えると6 つの 場 面 になるが G1 には その6つの 場 面 のうち4つの 場 面 で 相 手 との 距 離 が へと 変 わるとき 選 択 する 断 り 表 現 を 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 回 答 者 が 有 意 に 多 かった( 図 1 図 3 図 4 図 5を 参 照 ) 一 方 G2 には 相 手 との 距 離 の 変 化 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させるという 現 象 は 見 られなかった
10 それでは 相 手 との 関 係 が 変 わったとき G1 G2 はどのようにして 断 り 表 現 を 選 択 してい たのであろうか 本 調 査 では 言 語 表 現 の 選 択 は 断 りが 行 われる 場 面 の 判 断 に 基 づいて 行 われると 想 定 し 回 答 者 に 招 待 あるいは 提 案 されて 話 し 手 が 感 じる 負 担 の 度 合 ( 以 下 負 担 の 度 合 )と 招 待 あるいは 提 案 を 断 られて 聞 き 手 が 失 望 すると 話 し 手 が 思 う 度 合 ( 以 下 失 望 すると 思 う 度 合 )から 断 りが 行 われる 場 面 の 判 断 を 求 めた(1.2 を 参 照 ) 相 手 との 距 離 が へと 変 化 したとき 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させた G1 の 回 答 者 のうち 相 手 との 距 離 の 変 化 に 伴 い 断 りが 行 われる 場 面 の 判 断 を 変 化 させた 回 答 者 の 割 合 をパーセントで 表 8に 示 す 表 8 相 手 との 距 離 が へと 変 化 したことに 伴 い 場 面 の 判 断 を 変 化 させた 回 答 者 の 割 合 G1の 場 合 招 待 の 断 り 提 案 の 断 り 下 位 の 場 合 ( 図 1) 上 位 の 場 合 ( 図 3) 同 等 の 場 合 ( 図 4) 下 位 の 場 合 ( 図 5) 負 担 の 度 合 の 変 化 75% 50% 38% 58% 失 望 すると 思 う 度 合 の 変 化 50% 50% 38% 33% 注 ) 例 えば 下 位 の 場 合 ( 図 1) は 下 位 の 相 手 に 断 る 場 合 で 相 手 との 距 離 が へと 変 化 したときで 図 1で 示 した 場 合 に 対 応 する 表 8から 招 待 の 断 りでは 相 手 との 距 離 が と 変 化 するとき 負 担 の 度 合 が 変 化 すると 判 断 した 回 答 者 が 75% に 達 していることがわかる ここから 話 し 手 は 断 りが 行 わ れる 場 面 の 判 断 を 一 つの 手 がかりとして 断 り 表 現 の 選 択 を 行 っていると 推 測 される しか し 提 案 の 断 りでは 相 手 との 距 離 が と 変 化 するとき 負 担 の 度 合 あるいは 失 望 すると 思 う 度 合 が 変 化 すると 判 断 した 回 答 者 はせいぜい 半 数 にすぎない このことは 提 案 の 断 りでは 回 答 者 は 負 担 の 度 合 あるいは 失 望 すると 思 う 度 合 から 行 った 場 面 の 判 断 を 基 に 断 り 表 現 を 選 択 しているのではないことを 示 唆 する それでは 回 答 者 は なぜ 距 離 の 変 化 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させたのであろうか 井 出 (2006:101-106)は 日 本 人 とアメリカ 人 の 敬 語 行 動 の 比 較 研 究 プロジェクトにおい て それぞれの 国 の 大 学 生 にアンケート 調 査 を 行 い ペンを 借 りるときに 使 うと 思 われる 依 頼 表 現 を 比 較 している そして 日 本 人 の 場 合 は ソトの 人 物 カテゴリーといわれる 人 々( 教 授 医 者 アルバイトの 上 司 など)に 使 われる 依 頼 表 現 には 例 外 なく です ます がある ( 例 えば お 借 りしてもよろしいでしょうか 貸 してくれませんか )が ウチの 人 間 と して 認 識 する 人 々(アルバイト 仲 間 親 友 兄 妹 など)に 使 われる 依 頼 表 現 には です
11 ます が 全 くついていない( 例 えば 使 ってもいい 貸 してよ )というように 使 われ る 表 現 人 物 の 相 関 がはっきりしていることを 明 らかにしている しかし 最 も 丁 寧 な 表 現 ( 例 えば お 借 りしてもよろしいでしょうか )は 最 も 心 的 距 離 を 大 きくとるべき 人 物 カテ ゴリー 教 授 に 使 う というような 一 対 一 の 相 関 関 係 は 得 られなかったという この 調 査 結 果 を 基 に 井 出 ( 前 出 )は 日 本 人 の 敬 語 行 動 には 次 のような 本 質 があるとする すなわ ち 日 本 人 は 相 手 をウチに 属 するかソトに 属 するか そしてそれに 応 じて です ます を 使 うか 使 わないか その 境 界 線 をはっきり 分 けるということだけをはっきりと 認 識 して 言 葉 の 使 い 分 けをしている ちなみに 使 い 分 ける という 意 味 は 表 現 も 人 物 も 二 つのカテゴ リーに 分 けて 使 うことである ( 井 出 2006:105) 一 方 アメリカ 人 の 場 合 は だれにでも 使 える 表 現 がかなりあり アメリカ 人 は 自 分 の 意 思 で 一 つ 一 つの 表 現 を 選 んで 使 っていると 言 う 本 調 査 の 提 案 の 断 りに 見 られる G1 の 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 は 井 出 ( 前 出 )から 説 明 で きる G1 は 相 手 との 距 離 の 変 化 ( )に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 変 化 させているが ある 特 定 の 場 面 で 間 接 断 り 表 現 ({ 弁 明 } { 代 案 } { 弁 明 + 代 案 }に 分 類 される 言 語 表 現 )のなかでどれか 特 定 の 言 語 表 現 を 好 んで 選 択 し ているわけではないからである( 表 5を 参 照 ) つまり G1 の 提 案 の 断 りでの 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 には 相 手 を 距 離 によって 疎 に 属 するか 親 に 属 するか 二 つに 分 け それに 応 じて 表 現 も 直 接 断 り 表 現 を 使 うか 間 接 断 り 表 現 を 使 うかという 大 まかだが 境 界 線 のは っきりした 区 別 ( 井 出 2006:106)が 見 られるからである なお G1には 丁 寧 度 の 高 い 間 接 断 り 表 現 を 親 の 相 手 に 対 して 選 択 した 回 答 者 が 有 意 に 多 かったのは 断 るという 行 為 は 相 手 を 怒 らせるリスク(risk)が 大 きいとされる(Beebe et al. 前 出 )ので 親 の 相 手 との 関 係 を 重 視 しためであると 推 測 される ただし 招 待 の 断 りでは 距 離 が へ と 変 化 したとき 断 り 表 現 の 丁 寧 度 が 変 化 したのは 下 位 の 相 手 に 断 る 場 合 のみで 上 位 の 相 手 と 同 等 の 相 手 に 断 る 場 合 は 断 り 表 現 の 丁 寧 度 の 変 化 は 見 られない 断 りという 同 じ 発 話 行 為 で しかも 同 じ 回 答 者 が 招 待 の 断 りと 提 案 の 断 りで 断 り 表 現 を 選 択 するよりどころとしたものが 異 なっているという 本 調 査 結 果 は 井 出 ( 前 出 )の 言 う 日 本 人 の 敬 語 行 動 の 本 質 からは 説 明 できないことが 日 本 人 の 言 語 使 用 にあることを 示 唆 して いる 本 調 査 結 果 から G1 では 招 待 を 断 るという 行 為 と 提 案 を 断 るという 行 為 は 共 に 断 る という 行 為 であるが 両 者 は 異 なるものとして 捉 えられている 可 能 性 がある それは 断 る という 行 為 の 前 提 となる 招 待 する という 行 為 と 提 案 する という 行 為 の 違 い に 起 因 するものと 推 測 されるが この 点 の 解 明 は 次 なる 課 題 とする (なお G1 の 提 案 の 断 りでは 疎 の 相 手 に 断 る 場 合 相 手 との 力 関 係 が 下 位 同 等 と 変 化 するときも 選 択 す る 断 り 表 現 を 直 接 断 り 表 現 間 接 断 り 表 現 へと 変 化 させる 回 答 者 が 有 意 に 多 かった( 図 2を 参 照 ) その 場 合 も 負 担 の 度 合 あるいは 失 望 すると 思 う 度 合 が 変 化 すると 判 断 した 回 答 者 はせいぜい 半 数 にすぎない( 負 担 の 度 合 :54% 失 望 すると 思 う 度 合 :15% ) )
12 相 手 との 距 離 の 変 化 に 応 じて 選 択 する 断 り 表 現 の 丁 寧 度 の 変 化 が 見 られない G2 は どの ようにして 断 り 表 現 を 選 択 しているのであろうか G2 が 日 々インターアクションを 行 ってい るアメリカ 人 留 学 生 のアメリカ 英 語 での 断 りには 調 査 対 象 とした 留 学 生 の 数 が6 名 と 数 が 少 ないとはいうものの 提 示 した 12 の 場 面 で 選 択 された 断 り 表 現 の 比 率 の 間 に 有 意 な 差 は 見 られなかった( 表 6 表 7を 参 照 ) このことは 断 り 表 現 の 選 択 に 影 響 を 与 えるとされる3 つの 変 数 力 関 係 距 離 メッセージの 負 担 の 度 合 (B&J)の 異 なる 12 の 場 面 での 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 に 明 確 な 相 違 が 見 られなかったことを 意 味 する このことはどのように 解 釈 し たらいいのだろうか アメリカ 人 教 員 とアメリカ 人 留 学 生 にインタビューを 行 った 結 果 よ く 知 っている 相 手 だからこのように 断 る 知 らない 相 手 だからあのように 断 るというように 相 手 との 距 離 に 応 じて 決 まった 断 り 方 をするのではなく 断 りが 行 われる 場 面 がどのような 場 面 であるかを 考 えて 一 つ 一 つの 場 面 での 断 り 方 を 決 めていることがわかった また ア メリカ 英 語 母 語 話 者 の 英 語 での 断 りに 直 接 断 り 表 現 あるいは 間 接 断 り 表 現 のどちらを 使 う かということに 相 手 との 力 関 係 の 影 響 が 見 られないことは 例 えば Beebe et al.( 前 出 ) Nelson et al. (2002:178) でも 指 摘 されている 以 上 のことから アメリカ 英 語 では 井 出 ( 前 出 )が 指 摘 するように どの 場 面 でも 使 われる 幾 つかの 断 り 表 現 があり その 表 現 のなかか ら 話 し 手 は 話 し 手 個 人 の 意 思 により 断 りが 行 われるそれぞれの 場 面 で 話 し 手 が 適 切 だ と 考 える 表 現 を 選 択 していると 言 えよう 言 い 換 えるならば 話 し 手 は 一 つ 一 つの 場 面 で 力 関 係 距 離 負 担 の 度 合 を 集 計 してフェイスが 脅 かされる 度 合 (FTA の 度 合 )を 判 断 し その 判 断 を 基 に 適 切 なストラテジーを 選 択 し そのストラテジーに 合 った 言 語 表 現 を 創 り 出 している (B&L) と 言 えよう 本 調 査 対 象 とした G2 は アメリカ 人 留 学 生 やアメリカ 人 教 員 と 個 人 的 な 友 好 関 係 を 構 築 しようと 日 々 英 語 でコミュニケーションを 図 っている 学 習 言 語 である 英 語 でコミュニケー ションを 成 立 させるには 母 語 話 者 と 全 く 同 じようにその 言 語 を 運 用 しなければならないと いうことではないが 相 手 との 人 間 関 係 を 含 めた 状 況 を 理 解 し 学 習 言 語 社 会 でその 状 況 に 適 切 とされる 言 語 表 現 を 使 用 することが 必 要 である そのためには 母 語 である 日 本 語 の 状 況 認 知 の 仕 方 言 語 表 現 の 選 択 の 仕 方 を 学 習 言 語 である 英 語 での 状 況 認 知 の 仕 方 言 語 表 現 の 選 択 の 仕 方 に 置 き 換 えるのではなく 母 語 と 異 言 語 を 結 ぶ 共 通 の 倫 理 を 構 築 する ( 細 川 2000:19)ことが 必 要 であるとされる ( 以 上 学 習 言 語 でコミュニケーションを 成 立 させるための 状 況 認 知 の 仕 方 と 言 語 表 現 の 選 択 に 関 しては 細 川 2000:19 に 基 づく ) Cenoz (2003)は 英 語 に 接 触 する 頻 度 が 高 く 英 語 が 堪 能 なスペイン 人 英 語 学 習 者 が 母 語 であるスペイン 語 で 行 った 依 頼 の 発 話 行 為 と 学 習 言 語 である 英 語 で 行 った 依 頼 の 発 話 行 為 に 相 違 が 見 られないこと 英 語 に 接 触 する 頻 度 が 高 く 英 語 が 堪 能 なスペイン 人 のスペイン 語 での 依 頼 の 発 話 行 為 と 英 語 に 接 触 する 頻 度 が 低 く 英 語 の 運 用 力 の 劣 るスペイン 人 のスペイ ン 語 での 依 頼 の 発 話 行 為 には 相 違 が 見 られること 英 語 に 接 触 する 頻 度 が 高 く 英 語 が 堪 能 なスペイン 人 の 英 語 での 依 頼 の 発 話 行 為 は 英 語 母 語 話 者 の 英 語 での 依 頼 の 発 話 行 為 とは 異 なること を 報 告 している
13 G2 の 選 択 した 断 り 表 現 には 断 りが 行 われるそれぞれの 場 面 での 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 に 関 しては アメリカ 人 留 学 生 やアメリカ 人 教 員 とは 異 なり G1 と 同 じように 直 接 断 り 表 現 も 選 択 されている しかし 相 手 との 距 離 の 変 化 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 使 い 分 けるかど うかという 点 に 関 しては G1 とは 異 なり アメリカ 人 留 学 生 やアメリカ 人 教 員 と 同 じように 相 手 との 距 離 に 応 じた 断 り 表 現 の 丁 寧 度 の 使 い 分 けは 見 られない 言 い 換 えるならば G2 の 選 択 した 断 り 表 現 には G1 の 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 に 見 られる 特 徴 とアメリカ 人 留 学 生 や アメリカ 人 教 員 の 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 に 見 られる 特 徴 が 混 在 している これらの G2 の 選 択 した 断 り 表 現 に 見 られる 特 徴 を 細 川 ( 前 出 )と Cenoz ( 前 出 )を 踏 まえて 考 えると G2 が 日 々アメリカ 人 留 学 生 やアメリカ 人 教 員 と 学 習 言 語 である 英 語 でコミュニケーションを 図 ろうとする 過 程 で 相 手 との 人 間 関 係 を 含 めた 状 況 に 適 切 な 言 語 表 現 を 選 択 する 仕 方 に 関 して 母 語 と 異 言 語 を 結 ぶ 共 通 の 倫 理 ( 細 川 2000:19)が 構 築 されたのではないかと 推 測 される その 結 果 G2 の 選 択 した 断 り 表 現 に 見 られるように 母 語 である 日 本 語 で 断 る 場 合 でも 距 離 から 疎 と 捉 えた 相 手 には 直 接 断 り 表 現 を 親 と 捉 えた 相 手 には 間 接 断 り 表 現 をというように 相 手 との 距 離 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 使 い 分 けるというやり 方 が 行 われなくなったのではないかと 推 測 される 相 手 との 距 離 に 応 じた 断 り 表 現 の 丁 寧 度 の 使 い 分 けが 見 られなくなったというところに 英 語 学 習 の 影 響 が 現 われていると 解 釈 される なお 相 手 との 力 関 係 の 変 化 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させるという 現 象 は G1 にも G2 にも 提 案 の 断 りで 力 関 係 が 下 位 同 等 と 変 化 した 場 合 以 外 では 見 られなかっ た( 図 2 図 6を 参 照 ) それは 本 調 査 対 象 とした G1 と G2 が 大 学 生 であるということに 起 因 するのであろうか この 点 を 解 明 するには 更 なる 調 査 が 必 要 である 4.まとめと 今 後 の 展 望 本 研 究 は 母 語 と 文 化 的 に 大 きく 異 なる 言 語 を 学 習 している 学 習 者 の 母 語 にも 語 用 論 レ ベルで 学 習 言 語 (L2)の 影 響 が 見 られるかどうかを 探 ることを 試 みた 語 用 論 レベルで L2 の 母 語 への 影 響 の 有 無 を 調 べるには 母 語 だけしか 知 らない 日 本 語 母 語 話 者 の 言 語 使 用 と 日 本 語 と 英 語 を 同 じように 話 す 日 本 語 母 語 話 者 の 言 語 使 用 を 比 較 する 必 要 があるが 今 日 の 日 本 では ある 年 齢 以 下 の 日 本 人 は 学 校 教 育 を 通 して 英 語 を 学 んでいるので 日 本 語 だけしか 知 らない 日 本 人 を 見 つけることは 困 難 であるし 母 語 と 英 語 を 同 じように 話 すバイリンガル も 数 が 少 ない(Cook 2006:142) そこで 本 研 究 では 外 国 語 学 習 の 分 野 での L2 の 母 語 への 影 響 を 検 証 した 先 行 研 究 ( 例 えば Cenoz 2003)に 倣 い 大 学 入 学 後 専 攻 の 違 いから 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 異 なる 日 本 人 大 学 生 の2つのグループの 断 りの 発 話 行 為 を 調 査 した 調 査 は ポライトネス 理 論 の 枠 組 みでデザインし 多 肢 選 択 で 必 要 なデータを 収 集 した データを 分 析 した 結 果 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 異 なる2つのグループには 断 りの 発 話 行 為 が 行 われる それぞれの 場 面 での 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 には 概 ね 同 じような 傾 向 が 見 られた しかし
14 断 る 相 手 との 距 離 が 変 わるとき 選 択 する 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させるかどうかという 点 に 関 しては 2つのグループの 間 に 相 違 が 明 確 に 見 られた 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 低 いグル ープ(G1)には 断 る 相 手 との 距 離 の 変 化 に 応 じて 選 択 する 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 傾 向 が 見 られたが 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 高 いグループ(G2)には 相 手 との 距 離 の 変 化 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 傾 向 は 見 られなかった 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 高 いグ ループが 日 々インターアクションを 行 っているアメリカ 人 留 学 生 へのアンケート アメリカ 人 留 学 生 やアメリカ 人 教 員 へのインタビュー 及 び アメリカ 英 語 での 断 りの 発 話 行 為 に 関 する 先 行 研 究 を 基 に 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 高 いグループのアンケート 結 果 を 解 釈 すると 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 高 いグループの 選 択 した 断 り 表 現 には 断 る 相 手 との 距 離 の 変 化 に 応 じて 断 り 表 現 の 丁 寧 度 を 変 化 させる 傾 向 が 見 られないという 点 に 学 習 言 語 であるアメリカ 英 語 での 断 り 方 の 影 響 が 窺 える 断 りは 他 の 発 話 行 為 と 同 じように 基 本 的 な 文 化 的 価 値 (fundamental cultural values)を 反 映 している(Beebe et al. 前 出 ) 英 語 学 習 が 一 因 となり そして 英 語 学 習 を 通 して 英 語 文 化 に 触 れることが 一 因 となり 英 語 に 接 触 する 頻 度 の 高 いグループのポライトネスに 応 じた 言 語 行 動 の 捉 え 方 に 変 容 が 生 じたと 解 釈 できる 本 調 査 は 一 地 方 の 大 学 生 の 断 りの 発 話 行 為 という 一 つの 発 話 行 為 を 対 象 としたものであ り 調 査 対 象 者 の 数 も 少 ない 必 要 なデータは 多 肢 選 択 を 用 いて 収 集 したが 多 肢 選 択 で 収 集 したデータは 実 際 の 場 面 での 日 本 人 の 言 語 使 用 とは 必 ずしも 同 じではない また 多 肢 選 択 で 断 り 表 現 の 選 択 肢 として 提 示 した 言 語 表 現 は 大 学 生 の 多 様 な 言 語 使 用 を 考 慮 して です ます を 用 いた 丁 寧 な 表 現 を 提 示 したが よく 知 っている 相 手 に 丁 寧 な 表 現 を 日 常 的 に 使 っていない 回 答 者 には 表 現 を 選 択 する 際 になんらかの 影 響 を 与 えたかもしれない 以 上 のことから 本 調 査 は 一 地 方 の 大 学 生 を 対 象 とした 事 例 研 究 であり 結 果 を 一 般 化 する ことはできない しかし 本 調 査 から 本 調 査 の 範 囲 内 でのことではあるが 語 用 論 レベルで 日 本 語 母 語 話 者 の 母 語 にも L2 の 影 響 が 見 られることが 明 らかになった L2 の 影 響 を 受 けた 日 本 語 は 日 本 語 のバリエーションの 一 つである 国 の 内 外 で 外 国 語 を 学 習 している 日 本 人 が 増 加 してい る 今 日 日 本 語 教 育 で 日 本 語 のバリエーションを 扱 うとき 性 差 や 世 代 差 地 域 差 などを 反 映 した 日 本 語 だけでなく L2 の 影 響 を 受 けた 日 本 語 にも 関 心 を 向 ける 必 要 性 を 提 起 したい 注 1. 筆 者 は 日 本 語 とアメリカ 英 語 での 断 り 表 現 の 選 択 の 仕 方 に 関 する 一 連 の 調 査 を 行 った 本 稿 で 報 告 している 調 査 は その 調 査 の 一 部 である
15 参 考 文 献 (1) Beebe, L. M., Takahashi, T., & Uliss-Weltz, R. (1990) Pragmatic Transfer in ESL Refusals. On the Development of Communicative Competence in a Second Language. Eds. Scacella, R.C., Andersen, E. S., & Krashen, S.D.. New York: Newbury House.55-73. (2) Blum-Kulka, S. (1990) You don t touch lettuce with your fingers: Parental politeness in family discourse. Journal of Pragmatics 14, 259-89. (3) Brown, P. & Levinson, S. C. (1987) Politeness: Some Universals in Language Usage. Cambridge: Cambridge University Press. (4) Cenoz, J. (2003) The Intercultural Style Hypothesis: L1 and L2 Interaction in Requesting Behaviour. Second Language Acquisition 3. Effects of the Second Language on the First. Ed. Cook, V.. 62-80. (5) Cook, V. (1992) Evidence for multi-competence. Language Learning 42, 557-591. (6) Cook, V., Bassetti, B., Kasai C., Sasaki M., Takahashi, J. A. (2006) Do bilinguals have different concepts? The case of shape and material in Japanese L2 users of English. International Journal of Bilingualism vol. 10 no. 2, 137-152. (7) Nelson, L. G., Carson, J., Batal, A. M., Bakary, E. W. (2002) Cross-Cultural Pragumatics: Strategy Use in Egyptian Arabic and American English Refusals. Applied Linguistics vol.2, no.2, 163-189. (8) 井 出 祥 子 (2006) わきまえの 語 用 論 大 修 館 書 店. (9) 杉 戸 清 樹 (2007) 日 本 語 社 会 における 言 語 行 動 のバリエーションと 日 本 語 教 育 日 本 語 教 育 134:18-27. (10) 藤 森 弘 子 (1994) 日 本 語 学 習 者 に 見 られるプラグマティック トランスファー 断 り 行 為 の 場 合 名 古 屋 学 院 大 学 日 本 語 学 日 本 語 教 育 論 集 1: 1-19. (11) 細 川 英 雄 (2000) 崩 壊 する 日 本 事 情 ことばと 文 化 の 統 合 をめざして 21 世 紀 の 日 本 事 情 日 本 語 教 育 から 文 化 リテラシーへ 第 2 号 :16-27. (12) 森 山 卓 郎 (1990) 断 り の 方 略 対 人 関 係 調 整 とコミュニケーション 言 語 19-8: 59-66.