明海日本語の投稿論文の書きかたについて



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240 人 間 関 係 を 良 好 に 保 つための 機 能 を 持 つ 付 加 的 な 表 現 も 付 け 加 えることなど 様 々な 戦 略 を 用 いることで 会 話 を 円 満 に 進 行 させているものといえる 本 稿 では 日 中 韓 3 国 における 断 り 談 話 の 特 徴 を 明 らかにすることにより 異 文 化 に 対 する 理 解 を 深 め 異 文 化 間 コミュニケーションに 役 立 てたいと 思 う 2. 先 行 研 究 日 中 韓 では 80 年 代 から 異 文 化 に 対 する 理 解 や 第 二 言 語 教 育 に 役 立 つために 日 中 韓 の 対 照 研 究 が 盛 んに 行 われてきた しかし そのほとんどは 日 中 韓 のうちの 2 言 語 間 の 対 照 研 究 で 3 国 間 の 対 照 研 究 はあまりないといっても 過 言 ではない 断 り 談 話 に 関 しても 2 言 語 間 の 対 照 研 究 は 多 くなされていたが 3 言 語 間 の 対 照 研 究 はそれほ ど 多 くはない ここでは 先 行 研 究 を 通 して 日 中 韓 の 断 り 談 話 の 特 徴 を 概 観 してみたいと 思 う まず 日 中 韓 対 照 研 究 として 李 威 (1999)は DCT テストを 通 じて 断 り 行 為 を 意 味 公 式 (Semantic Formulas)の 機 能 別 に 分 類 し 平 均 使 用 頻 度 や 順 序 分 析 などを 行 った 李 (1999)が 提 案 した 意 味 公 式 は 不 可, 理 由, 詫 び, 感 謝, 代 替 案, 関 係 維 持, 共 感, 挨 拶,ためらいの 表 出 で 断 りの 類 型 を 詫 び 先 行 型, 理 由 先 行 型, 不 可 先 行 型,ためらい 表 出 先 行 型,その 他 に 分 類 した その 結 果 と しては 日 中 韓 ともに 詫 び, 理 由, 不 可 が 多 いと 述 べている しかし 断 り 行 為 自 体 が 不 可 を 常 に 伴 う 言 語 行 為 であるのに 意 味 公 式 として 不 可 を 立 てることは 矛 盾 していると 思 う ま た 李 (1999)は 具 体 的 に 理 由 の 中 身 まではみていないので 本 稿 ではそこを 発 展 させたいと 思 う さ らに 李 (1999)は 中 国 語 は 日 本 語 に 比 べ 代 替 案 をよく 用 いると 指 摘 しているが 本 稿 の 結 果 か らも 類 似 した 結 果 が 得 られた 次 に 日 韓 対 照 研 究 として 元 智 恩 (2002)は 日 本 人 95 名 韓 国 人 106 名 を 対 象 に 指 導 教 官 か ら 引 っ 越 しの 手 伝 いを 頼 まれたところを 断 る 場 面 を 設 定 し 日 韓 の 断 り 談 話 を 意 味 公 式 の 配 列 順 序 によっていくつかのタイプに 分 類 した しかし 意 味 公 式 の 分 類 が 細 かすぎるため 全 体 の 傾 向 を 把 握 することは 難 しいと 思 われる 次 に 本 稿 では 断 りの 理 由 に 関 する 分 析 も 行 うが 日 本 語 と NZ 英 語 の 言 い 訳 の 対 照 研 究 を 試 みた 西 村 (2007)から 共 通 点 を 見 出 すことができた 西 村 (2007)は 日 本 語 は 体 調 不 良 や 忙 し い という 言 い 訳 が 多 く NZ 英 語 では 宿 題 が 多 い という 言 い 訳 が 多 いが 日 本 語 における 忙 しい は 定 着 した 常 套 句 で また 日 本 人 は NZ 人 より 再 勧 誘 をしないと 指 摘 している さらに 日 本 では 言 い 訳 が 単 に 断 りへの 記 号 として 作 用 し NZ では 実 のある 情 報 提 示 発 話 として 断 り 発 話 の 中 で 機 能 していると 指 摘 している 次 に 大 倉 (2002)は 日 本 人 とメキシコ 人 の 断 り 談 話 を 分 析 し 弁 明 + 不 可 が 断 り 表 現 の 中 心 構 造 を 成 していると 指 摘 している しかし 本 稿 ではマイナス 的 な 弁 明 という 用 語 より 断 りの 理 由 という 用 語 を 用 いることにする さらに 董 青 (2005)は 日 中 の 断 り 行 動 を 通 常 の 意 味 公 式 による 表 現 レベルでの 研 究 ではな

241 く, 断 り 行 動 ( 断 る 断 らない)に 焦 点 を 絞 って 分 析 し 日 本 人 が 中 国 人 より 断 り 行 動 が 多 いことを 実 証 した 以 上 で 先 行 研 究 を 概 観 したが 日 中 韓 3 言 語 間 の 対 照 研 究 はあまり 行 われておらず また 大 量 データに 基 づいた 断 り 談 話 の 具 体 的 な 内 容 に 関 する 先 行 研 究 はないといっても 過 言 ではない 本 研 究 は 外 国 語 の 学 習 において 最 も 基 本 といえる 謝 罪 の 定 型 表 現 の 使 用 実 態 をはじめ 日 中 韓 の 断 り 談 話 の 特 徴 を 明 らかにしたいと 思 う 3. 調 査 概 要 アンケート 調 査 は 日 中 韓 の 大 学 生 を 対 象 に 行 った 調 査 時 期 とインフォーマントの 構 成 は 表 1 の 通 りである 表 1 インフォーマントの 構 成 日 本 中 国 韓 国 調 査 時 09 年 7 月 ~10 年 5 09 年 4 月 ~5 月 09 年 5 月 ~6 月 男 期 性 135(36.9%) 月 75(28.0%) 147(42.1%) 女 性 230(62.8%) 165(61.6%) 202(57.9%) 不 明 1(0.3%) 28(10.4%) 0(0%) 合 計 366(100%) 268(100%) 349(100%) 本 研 究 で 調 査 対 象 を 大 学 生 にした 理 由 としては 大 学 生 が 他 の 社 会 層 に 比 べ 異 文 化 に 接 触 す る 機 会 が 多 いことと 大 量 データの 収 集 が 容 易 であるという 二 つの 点 があげられる その 根 拠 に 関 して 簡 単 に 説 明 しておこう 近 年 の 各 国 の 大 学 には 外 国 からの 留 学 生 が 大 勢 いるため 大 学 生 は 日 常 的 に 外 国 人 と 接 触 する 機 会 が 多 い 本 研 究 の 本 来 の 目 的 は 自 国 の 言 語 使 用 に 関 する 項 目 だけを 調 査 するのではなく 接 触 場 面 での 言 語 行 動 や 他 国 のイメージに 関 する 調 査 項 目 も 含 まれているため 異 文 化 に 接 触 する 機 会 の 多 い 大 学 生 がより 調 査 対 象 として 適 していると 判 断 した 次 に 大 量 データの 収 集 という 観 点 からは 多 様 な 社 会 層 を 対 象 とし 日 中 韓 の 言 語 使 用 のメカ ニズムを 明 らかにすることが 望 ましいが 現 実 的 には 多 様 な 社 会 層 を 対 象 とすることはかなり 厳 しいといえる 故 に 本 研 究 では 大 学 生 だけに 絞 って 調 査 を 行 った なお 本 研 究 のための 調 査 に 協 力 してくれた 日 中 韓 の 大 学 生 はそれぞれ 414 名 380 名 416 名 であるが 表 1 には 本 稿 で 分 析 する 質 問 項 目 に 自 由 記 述 式 で 回 答 した 回 答 者 のみの 情 報 を 示 した 全 体 的 に 3 国 ともに 男 性 に 比 べ 女 性 の 割 合 が 高 い 一 般 的 に 上 下 関 係 や 親 疎 差 男 女 差 は 言 語 使 用 に 大 いに 影 響 を 及 ぼすと 言 われているが 本 研 究 で 設 定 した 場 面 は 上 下 関 係 と 親 疎 関 係 が 一 定 しており さらに 男 女 差 までみることが 望 ましいが 本 研 究 は 3 国 間 の 対 照 研 究 であるため とりあえず 男 女 差 は 無 視 し 言 語 間 の 違 いに 注 目 したいと 思 う

242 調 査 は 元 々 自 分 の 目 的 を 達 成 するまでの 一 連 の 言 語 行 動 過 程 の 全 体 を 調 査 したものである 具 体 的 には 挨 拶 自 己 紹 介 依 頼 誉 め 誉 めに 対 する 返 答 勧 誘 断 り 謝 罪 不 満 表 明 釈 明 感 謝 挨 拶 という 一 連 の 行 動 の 連 鎖 である 本 稿 ではその 一 連 の 言 語 行 動 の 連 鎖 のうち 断 り 場 面 だけに 注 目 したものである アンケート 調 査 票 で 用 いた 調 査 文 は 以 下 の 通 りである もし あなたが 実 際 に 先 生 に 向 かって 断 るとしたら どのように 言 って 断 ると 思 いますか 具 体 的 に 記 入 してください 指 導 教 授 : 明 日 留 学 生 歓 迎 会 があるんだけど もし 時 間 があったら 案 内 係 りをお 願 いできるか な あなた: 4. 調 査 結 果 及 び 考 察 先 生 の 要 求 に 対 し 断 り 行 為 を 行 う 際 は 通 常 先 生 の 発 話 後 少 し 間 をおいて すみません のような 謝 罪 の 定 型 表 現 を 言 った 後 断 る 理 由 を 述 べ さらに 進 んで 代 案 を 出 すという 流 れが 観 察 される 従 って 以 下 では 謝 罪 の 定 型 表 現 断 りの 理 由 代 案 の 提 案 という 3 つの 観 点 から 分 析 を 行 うことにする 4.1 断 り 談 話 に 用 いられた 謝 罪 の 定 型 表 現 の 使 用 まずは 断 る 際 に 最 初 に 定 型 的 に 使 う 謝 罪 表 現 についてみてみよう 表 2 と 図 1 に 示 した 表 2 謝 罪 の 定 型 表 現 の 使 用 回 数 回 数 日 本 語 中 国 語 韓 国 語 0 38 10.4% 71 26.5% 63 18.1% 1 275 75.1% 171 63.8% 230 65.9% 2 50 13.7% 24 9.0% 54 15.5% 3 3 0.8% 2 0.7% 2 0.6% 合 計 366 100% 268 100% 349 100% 平 均 1.0492 0.8396 0.9857

243 図 1 謝 罪 の 定 型 表 現 の 使 用 回 数 一 人 当 たりの 謝 罪 の 定 型 表 現 の 平 均 使 用 回 数 は 日 本 語 (1.05)> 韓 国 語 (0.98)> 中 国 語 (0.83)の 順 で 大 体 1 回 の 謝 罪 の 定 型 表 現 を 用 いることが 分 かった 日 本 人 は 感 謝 の 時 も 謝 罪 の 時 もよく 謝 罪 の 定 型 表 現 を 使 うと 言 われているため 日 本 語 の 方 が 中 韓 に 比 べ 平 均 使 用 回 数 がもっと 多 いと 予 想 したが 仮 説 とは 違 う 結 果 となった さらに 図 1の 国 別 の 謝 罪 回 数 をみると 平 均 使 用 回 数 でも 述 べたように1 回 が 圧 倒 的 に 多 いが 特 徴 的 なこととしては 中 国 語 が 謝 罪 の 定 型 表 現 を 使 わない 割 合 が 26.5%で 最 も 高 いことであっ た 中 国 人 はあまり 謝 らないと 知 られているが 今 回 の 調 査 でも 中 国 の 大 学 生 は 断 る 妥 当 な 理 由 があるなら 謝 罪 の 表 現 を 使 わなくても 失 礼 にならないと 思 う 人 が 日 韓 に 比 べ 多 いようであった 以 下 に 謝 罪 の 定 型 表 現 が 使 われていない 例 文 をあげておく 日 ) 明 日 はちょっと 用 事 がつまっていて 難 しいかもしれないです 中 ) 我 家 里 有 点 事 情 (wo jia li you dian shi qing 家 に 事 情 があります) 韓 )내일은 시간이 없습니다. 다른 친구를 소개해 드리죠. ( nae ir eun si gan i eopt seup ni da da reun chin gu reur so gae hae deu ri jyo 明 日 は 時 間 がありません 他 の 友 達 を 紹 介 致 します ) 次 は 具 体 的 にどのような 定 型 表 現 が 使 われているかを 表 3 に 示 した

244 表 3 日 中 韓 の 謝 罪 の 定 型 表 現 の 使 用 率 日 本 語 中 国 語 韓 国 語 ごめんなさい 16 4.2 不 好 意 思 86 38.6 中 途 終 了 型 49 14.3 すみません 170 44.6 对 不 起 77 34.5 죄송해요 40 11.7 申 し 訳 ありません 144 37.8 抱 歉 60 26.9 죄송합니다 254 74.1 申 し 訳 ございません 51 13.4 合 計 381 100 合 計 223 100 合 計 343 100 図 2 日 中 韓 の 謝 罪 の 定 型 表 現 の 使 用 率 日 本 語 の 場 合 は すみません と 申 し 訳 ありません が 半 々 使 われていて 申 し 訳 ございま せん と ごめんなさい は 使 用 率 が 低 く 前 者 の 二 つがほとんど 定 型 的 に 使 われていた 次 に 中 国 語 は 不 好 意 思 (bu hao yi si) 对 不 起 (dui bu qi) 抱 歉 (bao qian) の 使 用 率 の 差 がそ れほど 大 きくなかった 前 者 の 二 つは 日 常 会 話 で 多 く 使 われ 後 者 は 改 まった 場 面 で 使 われるこ とが 多 いとされている 特 に 不 好 意 思 (bu hao yi si) はささいなことに 対 して 簡 単 にお 詫 びの 気 持 ちを 述 べる 際 に 使 われるものであるが 今 回 の 調 査 では 相 手 が 大 学 の 先 生 であるのにも 関 わら ず 多 く 使 われている 残 念 ながら 不 好 意 思 (bu hao yi si) と 对 不 起 (dui bu qi) の 両 者 を 社 会 言 語 学 的 な 観 点 から 分 析 した 先 行 研 究 は 管 見 の 限 りなく そこで 中 国 人 の 内 省 を 聞 いてみた 結 果 一 昔 前 は 对 不 起 (dui bu qi) が 多 く 使 われていたが 近 年 になっては 段 々 不 好 意 思 (bu hao yi si) の 使 用 が 増 えているような 印 象 があるという 今 後 両 者 の 使 用 様 相 の 変 化 に 関 するさらなる 研 究 が 必 要 であろう 最 後 に 韓 国 語 の 場 合 は 結 果 が 単 調 でほとんどの 人 が 죄송합니다(joe song hap ni da) を 用 い ていた 中 途 終 了 型 は 文 末 の 丁 寧 さを 曖 昧 に 終 わらせたもので 죄송해요(joe song hae yo) は 죄송합니다(joe song hap ni da) より 丁 寧 度 が 低 い 表 現 であるが 要 するに 韓 国 語 の 場 合 はか なり 改 まった 言 い 方 を 用 いていることが 分 かる このことから 韓 国 における 師 弟 関 係 を 伺 うこと ができる なお 定 型 表 現 に 関 するより 詳 しい 結 果 は 金 (2012)を 参 照 されたい

245 4.2 断 りの 理 由 断 りの 理 由 として 述 べた 内 容 は 様 々であるが 本 稿 では 大 きく 3 つに 分 けてみた 1 個 人 的 な 事 情 : 用 事 約 束 英 語 能 力 時 間 がない アルバイトなど 2 家 庭 の 事 情 : 家 庭 の 用 事 家 族 との 約 束 など 3 願 書 や 学 校 関 連 : 願 書 の 作 成 テスト 授 業 など 図 3 断 り 談 話 の 3 分 類 上 記 の 図 3 をみると 中 国 語 と 韓 国 語 が 類 似 しており 日 本 語 が 若 干 異 なる 傾 向 をみせている ことが 分 かる すなわり 日 本 語 は 81.4%というほとんどの 人 が 個 人 的 な 理 由 を 先 生 に 言 うのに 対 し 中 韓 は 個 人 的 な 理 由 が 60% 程 度 で 学 校 を 理 由 としてあげる 割 合 が 日 本 語 に 比 べずっと 高 い 中 国 と 韓 国 では 先 生 の 頼 みを 個 人 的 な 理 由 で 断 ることは 妥 当 な 理 由 ではなく 言 い 訳 をし ているかのように 思 われるかもしれないという 危 険 性 があると 思 われる 以 下 では 断 りの 理 由 をより 具 体 的 に 分 類 し 日 中 韓 でどんな 違 いがあるかをみてみよう

246 図 4 日 中 韓 の 断 りの 理 由 日 中 韓 ともに ただ 単 に 用 事 があります とか 約 束 があります のような 若 干 漠 然 とした 用 事 約 束 が 最 も 多 く 使 われている その 中 でも 日 本 語 は 他 の 言 語 に 比 べかなり 高 い 割 合 を 占 めている また 次 の 日 本 語 の 特 徴 としては アルバイト が 他 言 語 に 比 べ 高 いことである これは 日 本 が 韓 国 や 中 国 に 比 べ 大 学 生 のアルバイト 率 が 高 いことも 原 因 になるかと 思 う 日 本 学 生 支 援 機 構 が 行 った 平 成 22 年 度 の 調 査 結 果 をみると 37,151 名 のうち 73.1%がアルバイトを しているという 中 国 の 場 合 は 中 国 社 会 科 学 院 によると 大 学 1 年 生 は 13.5% 2 3 年 生 は 段 々 高 くなって 4 年 生 は 41. 2%に 達 すると 報 告 している さらに 韓 国 の 場 合 はアルバイト 専 門 サイ ト(www.alba.co.kr)で 行 った 調 査 結 果 をみると 53%がアルバイトをしているとされている この ように 日 本 の 大 学 生 のアルバイト 率 は 中 韓 に 比 べ 高 いことが 分 かる 次 に 中 国 語 の 特 徴 としては 2 番 目 に 高 いのが テスト 授 業 で 日 本 と 韓 国 に 比 べ 高 いこ とであろう 個 人 的 な 理 由 ではなく 学 校 を 名 分 として 立 てることで より 妥 当 性 を 持 たせてい ると 思 われる 最 後 に 韓 国 語 の 特 徴 は 他 の 二 国 に 比 べ 英 語 能 力 が 高 いことだといえよう 韓 国 では 英 語 が 重 視 され 英 語 コンプレックスを 持 っている 人 が 多 く 留 学 生 歓 迎 会 では 当 然 英 語 能 力 が 要 求 され るため 英 語 能 力 の 不 十 分 で 断 るというと 先 生 も 仕 方 がないと 思 うかもしれないので これを 理 由 としてあげていると 思 われる また 用 事 や 約 束 などは 変 更 の 可 能 性 もあって 先 生 により 変 更 させられるかもしれないという 危 険 性 があるが 英 語 能 力 はすぐには 身 に 付 くものではない

247 ため 自 分 の 理 由 を 通 せる 確 率 が 高 くなるわけである 以 上 をまとめると 日 本 人 は 実 生 活 でも 人 のことについてあまり 聞 かない 傾 向 があると 思 うが 断 る 際 にも 漠 然 とした 理 由 を 言 って 断 っているのに 対 し 韓 国 人 や 中 国 人 はより 妥 当 的 でより 具 体 的 な 理 由 を 言 っていることが 分 かった このように どのような 理 由 をあげるかという 問 題 は その 国 々の 社 会 文 化 的 状 況 と 密 接 に 関 わっているといえる 4.3 代 案 の 提 示 次 は 自 分 が 要 求 を 断 る 代 わりに 他 の 代 案 を 先 生 に 提 案 するかどうかいう 観 点 からの 分 析 であ る 図 5 に 示 した 図 5 代 案 の 提 示 の 有 無 日 本 と 中 国 は 代 案 を 提 示 する 人 としない 人 が 大 体 半 々であるが 韓 国 の 場 合 は 代 案 を 提 示 する 人 が 代 案 を 提 示 しない 人 の 2 倍 にもなる 韓 国 では 師 弟 関 係 が 厳 しいと 言 われ 先 生 の 頼 みを 断 るという 行 為 に 負 担 を 感 じ できるだけ 先 生 に 被 害 を 与 えないように 気 を 使 っているものと 判 断 される 次 は どのような 代 案 を 提 示 しているかについてみてみよう 提 案 は 大 きく 2 つに 分 けること ができた 1 つ 目 は 今 回 はだめだけど 次 回 は 協 力 するというので 2 つ 目 は 自 分 はだめであっ ても 代 わりに 友 人 を 紹 介 するというのだった 便 宜 上 前 者 を 次 回 といい 後 者 を 紹 介 といおう 以 下 の 図 6 には 代 案 を 提 示 した 人 を 100%にして 計 算 しなおしたものである

248 図 6 代 案 の 種 類 図 6 から 面 白 い 結 果 が 得 られた まず 日 本 語 をみると ほとんどの 人 が 次 回 を 約 束 して 紹 介 は 14%に 過 ぎない これは 人 に 迷 惑 をかけたがらない 日 本 人 の 本 性 がそのまま 表 われた ものだと 思 われる 紹 介 という 行 為 は 自 分 だけではなく もう 一 人 の 第 三 者 を 巻 き 込 ませるこ とで 先 生 と 自 分 との 問 題 が 先 生 と 自 分 さらに 友 人 という 3 者 の 問 題 になるわけである 故 に 日 本 人 はそのような 事 態 を 作 りたがらないのであろう これに 対 し 中 国 語 は 紹 介 が 58%で 次 回 より 16% 程 度 高 く 日 本 語 と 大 きな 違 いを 見 せた また 中 国 の 大 学 生 は 友 達 を 紹 介 する 際 に 友 達 に 聞 いてみます のような 友 達 の 意 向 を 聞 くことはほとんどなく 以 下 に 挙 げた 例 のように 勝 手 に 友 達 が 手 伝 えると 決 めつけている 場 合 も 多 かった 例 ) 不 好 意 思, 我 明 天 已 经 有 安 排 了. 我 的 朋 友 来 帮 忙 可 以 吗? (bu hao yi si. Wo ming tian yi jing you an pai le. wo de peng you lai bang zhu ke yi ma? すみません 明 日 すでに 約 束 があります 私 の 友 達 が 来 て 手 伝 います いいですか ) 最 後 に 韓 国 の 場 合 は 次 回 と 紹 介 が 61.6%と 38.4%で 日 本 語 ほどではないが 次 回 が 紹 介 の 2 倍 ほど 高 い 韓 国 の 大 学 生 も 他 人 に 負 担 をかけるよりは 自 分 で 解 決 しようとして いることが 分 かる また 前 述 した 英 語 能 力 と 関 連 し 韓 国 語 の 場 合 は 英 語 ができる 友 達 を 紹 介 したいという 人 が 12 例 もあった ちなみに 日 本 語 と 中 国 語 の 場 合 はこのような 例 は 1 例 もなかっ た ここに 韓 国 語 の 例 を 1 つ 挙 げておく 例 )교수님 죄송한데요, 제가 그런 자리에 참석해본 적도 없고 영어실력이 부족해서요. 오히려 교수님께 민폐만 끼쳐드릴 것 같아서요. 제가 영어 잘하는 저희과 사람들에게 대신 부탁드리면 안될까요?( gyo su nim joe song han de yo je ga geu reon ja ri e cham seok hae bon jeok do eopt go yeong eo sil lyeog i bu jok hae seo yo o hi ryeo gyo su nim kke min pye man kki chyeo deu rir

249 geos gat a seo yo je ga yeong eo jal ha neun jeo hui gwa sa ram deur e ge dae sin bu tak deu ri myeon an doel kka yo? 先 生 申 し 訳 ありませんが 私 がそういうところに 参 加 したこともないし 英 語 実 力 も 足 りな いです かえって 先 生 に 迷 惑 になるかと 思 います 私 が 英 語 のできる 学 科 の 人 々に 代 わりに 頼 ん でみることはできないでしょうか) 以 上 をまとめると 全 体 的 に 韓 国 は 日 本 と 中 国 の 中 間 位 に 位 置 づけることができる 5. おわりに 以 上 で 日 中 韓 の 大 学 生 の 断 り 談 話 の 特 徴 について 考 察 を 行 った 分 析 の 結 果 以 下 のような ことが 明 らかになった 1 日 本 と 韓 国 の 大 学 生 は 断 りを 言 う 前 に まず 謝 罪 の 定 型 表 現 を 約 1 回 使 っている 2しかし 中 国 の 大 学 生 は 26.5%が 謝 罪 の 定 型 表 現 を 1 回 も 使 っていない 3 謝 罪 の 定 型 表 現 は 日 本 語 は すみません と 申 し 訳 ありません 中 国 語 は 不 好 意 思 (bu hao yi si) と 对 不 起 (dui bu qi) という 二 つの 表 現 が 多 用 されているが 韓 国 語 は 죄송합니다(joe song hap ni da) が 圧 倒 的 に 多 く 使 われている 4 断 りの 理 由 は 学 校 個 人 家 庭 の 三 つに 分 類 したが 日 本 語 は 個 人 が 8 割 だっ たのに 対 し 韓 国 語 と 中 国 語 は 個 人 が 6 割 で その 代 わり 学 校 の 割 合 が 3 割 程 度 で 日 本 語 より 高 かった 5 断 りの 理 由 を 細 かくみると 日 本 語 は 用 事 約 束 が 中 国 語 と 韓 国 語 に 比 べ 高 く 中 国 語 は テスト 授 業 が 他 言 語 に 比 べ 高 く 韓 国 語 は 願 書 作 成 と 英 語 能 力 が 他 言 語 に 比 べ 高 い 方 だった 6 断 りの 後 の 代 案 の 提 示 の 有 無 についてみたところ 日 中 は 半 分 程 度 が 代 案 を 提 示 し 韓 国 は 7 割 程 度 が 代 案 を 提 示 していた 7さらに 代 案 の 種 類 をみると 日 本 語 は 次 回 が 約 86%で 中 国 語 は 紹 介 が 約 58%で 日 中 で 大 きな 違 いを 見 せていた 韓 国 語 は 次 回 が 62% 紹 介 が 38%で 日 本 語 と 中 国 語 の 中 間 程 度 であった 以 上 のように 今 回 は 日 中 韓 の 断 り 談 話 の 特 徴 について 考 察 を 行 ったが 言 語 使 用 の 男 女 差 に ついては 触 れることができなかった 今 後 の 課 題 としたい

250 謝 辞 本 研 究 で 分 析 したデータは 2008 年 韓 国 学 術 振 興 財 団 の 支 援 を 得 て 行 われた 研 究 ( 研 究 題 目 : 韓 中 日 3 国 の 異 文 化 コミュニケーションの 普 遍 性 と 特 殊 性 研 究 )の 一 部 を 用 いたものである 参 考 文 献 董 青 (2005) 中 国 人 日 本 語 話 者 の 断 り 行 動 に 関 する 考 察 - 接 触 場 面 と 中 国 社 会 における 行 動 の 変 化 につ いて 日 本 語 教 育 と 異 文 化 理 解 第 4 号 愛 知 教 育 大 学 国 際 教 育 学 会 pp.55~63 金 順 任 (2012) 日 中 韓 の 謝 罪 の 定 型 表 現 に 関 する 一 考 察 - 大 学 生 のアンケート 調 査 を 中 心 に 日 本 語 文 学 53 韓 国 日 本 語 文 学 会 pp.23-40 李 威 (1999) 日 中 韓 母 語 話 者 の 断 り 行 為 の 対 照 研 究 日 本 語 教 育 学 会 秋 季 大 会 予 稿 集 日 本 語 教 育 学 会 pp.181~186 西 村 史 子 (2007) 断 りに 用 いられる 言 い 訳 の 日 英 対 照 分 析 世 界 の 日 本 語 教 育 17 国 際 交 流 基 金 日 本 語 センター pp.93-112 大 倉 美 和 子 (2002) 語 用 論 と 日 本 語 教 育 -メキシコ 人 と 日 本 人 の 誘 いを 断 る 発 話 対 照 研 究 と 日 本 語 教 育 ( 日 本 語 と 外 国 語 との 対 照 研 究 :10) 国 立 国 語 研 究 所 編 国 立 国 語 研 究 所 pp.109-127 元 智 恩 (2002) 日 本 語 と 韓 国 語 の 断 り 表 現 の 構 造 指 導 教 官 の 依 頼 を 断 る 場 面 を 中 心 に 言 語 学 論 叢 21 筑 波 大 学 一 般 応 用 言 語 学 研 究 室 pp.21-37