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KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 1 投 資 法 人 に 関 する 制 度 改 正 による 税 務 上 の 影 響 KPMG 税 理 士 法 人 トランザクションアドバイザリーグループ パートナー 竹 宮 裕 二 シニアマネジャー 半 田 太 一 J-REIT( 日 本 版 不 動 産 投 資 信 託 )は 発 足 より10 年 以 上 の 年 月 が 経 過 し 安 定 的 なキャッシュ フローを 生 み 出 す 金 融 商 品 としての 役 割 を 果 たしてきましたが 一 方 でリーマンショックを 契 機 とする 世 界 的 な 金 融 市 場 の 混 乱 時 においては 資 金 調 達 手 段 の 制 約 等 財 務 上 の 課 題 が 顕 在 化 し 投 資 法 人 の 資 金 繰 りや 投 資 口 の 価 格 に 大 きな 影 響 を 及 ぼすことにもなりました これを 受 けて 平 成 25 年 6 月 19 日 に 公 布 された 投 資 信 託 及 び 投 資 法 人 に 関 する 法 律 ( 以 下 投 信 法 という) の 改 正 において 資 金 調 達 資 本 政 策 手 段 の 多 様 化 として 自 己 投 資 口 の 取 得 やライツオファリングの 導 入 や 投 資 法 人 の 投 資 対 象 の 拡 大 として 海 外 不 動 産 の 取 得 等 の 骨 組 みが 作 られ 平 成 26 年 4 月 25 日 に 金 融 庁 より 平 成 25 年 投 信 法 改 正 に 係 る 政 令 内 閣 府 令 案 等 に 基 づき 詳 細 が 公 表 されました 本 稿 では 主 に 投 資 法 人 の 運 用 に 携 わる 運 用 会 社 の 皆 様 ならびに J-REIT 市 場 関 係 者 の 皆 様 向 けに 上 述 の 投 信 法 の 改 正 および 政 令 内 閣 府 令 の 改 正 案 1 に 関 する 投 資 法 人 における 税 務 上 の 影 響 および 近 年 における 投 資 法 人 に 関 する 税 制 改 正 の 実 務 における 留 意 点 等 を 述 べていきます なお 本 稿 は 寄 稿 時 点 ( 平 成 26 年 6 月 6 日 現 在 )において 公 表 されている 投 信 法 改 正 に 係 る 政 令 内 閣 府 令 案 ( 平 成 26 年 4 月 25 日 付 )を 基 に 記 載 をしており その 後 の 変 更 の 反 映 は しておりませんのでご 留 意 ください なお 文 中 の 意 見 に 関 する 部 分 は 筆 者 の 私 見 であることをあらかじめ 申 し 添 えます たけみや 竹 ゆ う じ 宮 裕 二 KPMG 税 理 士 法 人 トランザクションアドバイザリーグループ パートナー ポイント 投 信 法 政 令 内 閣 府 令 案 の 公 表 により 投 資 法 人 の 資 金 調 達 資 本 政 策 手 段 の 多 様 化 ( 自 己 投 資 口 の 取 得 機 会 の 拡 大 ライツオファリングおよび 無 償 減 資 の 導 入 )に 関 する 詳 細 ならびに 投 資 法 人 が 海 外 不 動 産 投 資 を 行 う 際 に 50% 以 上 の 議 決 権 を 保 有 することができる 海 外 ビークルの 要 件 の 詳 細 が 明 らかにされた 当 該 投 信 法 等 の 改 正 に 伴 う 投 資 法 人 の 課 税 の 特 例 を 受 けるための 導 管 性 要 件 への 影 響 やその 他 投 資 法 人 特 有 の 税 務 論 点 に 留 意 する 必 要 がある 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 において 投 資 法 人 の 合 併 により 正 ののれんが 生 じる 場 合 において 正 ののれんの 償 却 費 の 70% 相 当 を 配 当 可 能 利 益 の 金 額 から 控 除 することにより 90% 超 配 当 要 件 を 満 たすべく 手 当 てがされて いる 一 方 で 依 然 として 正 ののれんの 償 却 や 減 価 償 却 超 過 を 起 因 とした 税 会 不 一 致 による 一 定 の 課 税 が 生 じるリスクに 留 意 する 必 要 がある インフラ 資 産 を 投 資 対 象 とする 投 資 法 人 の 創 設 に 向 けて 投 信 法 等 の 改 正 が 進 められている 一 方 税 法 上 は 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 において 新 たに 資 産 割 合 要 件 が 導 入 されている 平 成 26 年 の 税 制 改 正 大 綱 において 投 資 法 人 税 制 のさらなる 安 定 に 向 け て 税 会 不 一 致 の 解 消 のための 検 討 が 行 われることが 示 された は ん だ 半 た い ち 田 太 一 KPMG 税 理 士 法 人 トランザクションアドバイザリーグループ シニアマネジャー 1 施 行 予 定 期 日 は 平 成 26 年 12 月 1 日 とされています 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

2 KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 Ⅰ 資 金 調 達 資 本 政 策 手 段 の 多 様 化 1. 自 己 投 資 口 の 取 得 となった 投 資 法 人 の 投 資 口 に 対 応 する 部 分 の 金 額 を 超 えると きは その 超 える 部 分 の 金 額 がみなし 配 当 として 取 り 扱 われる こととなります また 払 戻 しを 受 けた 金 額 のうちみなし 配 当 の 金 額 を 超 える 部 分 は 売 却 収 入 として 取 り 扱 われることとなり ます (1) 改 正 の 内 容 これまで 投 資 法 人 における 自 己 投 資 口 の 取 得 は 合 併 より 承 継 する 場 合 や 無 償 で 取 得 する 場 合 などに 制 限 されていま したが 金 融 危 機 後 に 投 資 口 価 格 のボラティリティが 拡 大 し たことを 受 け 金 融 資 本 市 場 の 動 向 が 投 資 口 価 格 に 与 える 影 響 を 緩 和 し 投 資 法 人 の 財 務 基 盤 の 安 定 性 の 向 上 を 図 るため 自 己 投 資 口 の 取 得 規 制 が 緩 和 されることとなりました 具 体 的 には 投 信 法 第 80 条 第 1 項 第 一 号 として その 資 産 を 主 とし て 不 動 産 等 資 産 2 に 対 する 投 資 として 運 用 することを 目 的 とす る 投 資 法 人 が 投 資 主 との 合 意 により 投 資 法 人 の 投 資 口 を 有 償 取 得 することができる 旨 を 規 約 で 定 めた 場 合 に 自 己 投 資 口 の 取 得 が 可 能 となりました (2) 税 務 上 の 取 扱 いと 留 意 点 1 自 己 投 資 口 の 取 得 時 における 投 資 主 の 税 務 処 理 自 己 投 資 口 の 取 得 の 方 法 としては 市 場 取 引 による 取 得 や 投 資 主 全 員 に 勧 誘 する 方 法 ( 相 対 取 引 )が 考 えられますが 市 場 取 引 による 取 得 等 一 定 の 場 合 3 を 除 き 自 己 投 資 口 の 取 得 は 税 務 上 法 人 税 法 第 24 条 第 1 項 第 四 号 配 当 等 の 額 とみなす 金 額 に 規 定 する 自 己 の 株 式 又 は 出 資 の 取 得 に 該 当 し そ の 払 い 戻 した 金 銭 の 額 が 資 本 金 等 の 額 のうち 払 戻 しの 対 象 2 自 己 投 資 口 の 取 得 時 における 投 資 法 人 の 税 務 処 理 ( 取 得 した 自 己 投 資 口 の90% 超 配 当 要 件 への 影 響 ) 税 務 上 自 己 投 資 口 の 取 得 は その 取 得 時 にみなし 配 当 部 分 につき 利 益 剰 余 金 が 減 少 し 残 りは 資 本 剰 余 金 が 減 少 する こととなります 4 一 方 投 資 法 人 の 計 算 に 関 する 規 則 ( 以 下 計 算 規 則 という)によれば 自 己 投 資 口 の 取 得 は その 取 得 価 額 をもって 貸 借 対 照 表 上 純 資 産 の 控 除 項 目 として 計 上 されることとされています( 計 算 規 則 第 19 条 第 1 項 第 39 条 第 2 項 ) 租 税 特 別 措 置 法 ( 以 下 措 置 法 という) 第 67 条 の15 第 1 項 の 投 資 法 人 にかかる 課 税 の 特 例 の 要 件 ( 以 下 導 管 性 要 件 と いう)の1つである90% 超 配 当 要 件 ( 会 計 上 の 税 引 前 当 期 利 益 に 一 定 の 調 整 を 加 えた 金 額 の90% 超 の 配 当 を 行 うこととする 要 件 )において 前 述 のように 自 己 投 資 口 が 貸 借 対 照 表 上 純 資 産 の 控 除 項 目 として 計 上 されることから 税 引 前 当 期 利 益 に 比 し 投 資 法 人 が 実 際 に 配 当 できる 金 額 が 自 己 投 資 口 の 金 額 分 減 少 する 懸 念 があり 結 果 として 90% 超 配 当 要 件 を 満 たせないという 可 能 性 があります 計 算 規 則 の 文 言 どおりに 解 釈 すれば 図 表 1のケースでは 事 業 年 度 末 の 配 当 可 能 利 益 については 資 産 から 負 債 および 出 資 金 を 控 除 した70となりますが 税 引 前 当 期 利 益 は100と 図 表 1 自 己 投 資 口 を 取 得 した 場 合 の90% 超 配 当 要 件 の 具 体 例 前 提 税 引 前 当 期 利 益 100 自 己 投 資 口 の 取 得 30 (うちみなし 配 当 10) B/S( 会 計 ) 資 産 3,070 負 債 2,000 出 資 1,000 当 期 未 処 理 利 益 100 自 己 投 資 口 - 3 0 事 業 年 度 の 金 銭 の 分 配 事 業 年 度 末 の 利 益 の 配 当 70 期 中 の 金 銭 の 分 配 ( 自 己 投 資 口 取 得 ) 30 当 該 事 業 年 度 の 金 銭 の 分 配 合 計 100 税 引 前 当 期 利 益 100 法 人 税 等 0 当 期 純 利 益 10 0 前 期 繰 越 利 益 0 当 期 未 処 理 利 益 100 90% 超 配 当 要 件 の 判 定 式 事 業 年 度 末 の 利 益 の 配 当 70 + 期 中 の 金 銭 の 分 配 ( 自 己 投 資 口 取 得 ) 30 100 = <90% 税 引 前 当 期 利 益 100 + 金 銭 の 分 配 のうち 利 益 を 超 えて 分 配 した 金 額 30 130 2 不 動 産 等 資 産 ( 不 動 産 不 動 産 の 賃 借 権 地 上 権 これらの 資 産 のみを 信 託 する 信 託 の 受 益 権 等 ) 投 信 法 施 行 令 ( 改 正 案 ) 第 69 条 の 2 投 信 法 施 行 規 則 ( 改 正 案 ) 第 105 条 一 号 ヘ 第 128 条 の 2 3 市 場 取 引 による 取 得 等 一 定 の 場 合 にはみなし 配 当 は 生 じず 譲 渡 損 益 のみ 生 じることとなる 4 市 場 取 引 による 取 得 等 一 定 の 場 合 には 資 本 剰 余 金 のみ 減 少 することとなる 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 3 なり 90% 超 配 当 要 件 の 判 定 式 は 自 己 投 資 口 の 買 取 り30を 加 味 した 100(70+30)/130(100+30)<90%となる 結 果 90% 超 配 当 要 件 を 満 たせないことが 懸 念 されます したがって 事 業 年 度 の 期 中 で 取 得 した 自 己 投 資 口 は 事 業 年 度 の 末 日 まで には 処 分 または 消 却 を 行 う 必 要 性 が 考 えられます また 投 資 法 人 においては 一 般 に 課 税 が 生 じないよう 利 益 のほぼ 全 額 を 配 当 しているケースが 多 いため 自 己 投 資 口 の 取 得 の 財 源 が 十 分 にない 可 能 性 もありますので 資 金 繰 り の 観 点 からも 留 意 が 必 要 と 考 えられます 3 自 己 投 資 口 の 消 却 又 は 処 分 にかかる 投 資 法 人 の 税 務 処 理 税 務 上 は 自 己 投 資 口 の 消 却 については 特 段 の 処 理 は 発 生 せ ず 会 計 上 においては その 消 却 を 行 った 自 己 投 資 口 の 帳 簿 価 額 をもって 出 資 剰 余 金 ( 出 資 剰 余 金 から 控 除 しきれない 場 合 には 出 資 総 額 )が 減 少 することとなります( 投 信 法 第 80 条 第 5 項 計 算 規 則 ( 改 正 案 ) 第 19 条 第 2 項 第 20 条 第 2 項 第 21 条 第 2 項 ) 税 務 上 は 自 己 投 資 口 の 処 分 については 資 本 等 取 引 であるた め 自 己 投 資 口 の 処 分 により 取 得 した 金 銭 相 当 の 資 本 剰 余 金 が 増 加 することとなります 一 方 会 計 上 においては 投 資 法 人 が 自 己 投 資 口 の 処 分 をする 場 合 には 処 分 の 対 価 が 自 己 投 資 口 の 帳 簿 価 額 を 上 回 る 場 合 には 出 資 剰 余 金 となり 下 回 る 場 合 には 出 資 剰 余 金 ( 出 資 剰 余 金 から 控 除 しきれない 場 合 には 出 資 総 額 )が 減 少 することとなります( 計 算 規 則 ( 改 正 案 ) 第 19 条 第 2 項 3 項 および4 項 ) 2. 新 投 資 口 予 約 権 (ライツオファリング)の 発 行 (1) 改 正 の 内 容 従 前 REITによる 資 金 調 達 手 段 は 基 本 的 に 公 募 増 資 と 借 入 れ に 限 定 されておりましたが 金 融 市 場 の 状 況 によっては 迅 速 な 公 募 増 資 や 借 入 れが 困 難 なことから 資 金 調 達 手 段 の 多 様 化 の1つとして ライツオファリングが 導 入 されることとなり ました ライツオファリングにおいては 基 本 的 にすべての 投 資 主 に 無 償 で 新 投 資 口 予 約 権 を 割 り 当 て 割 当 てを 受 けた 投 資 主 は 1 当 該 権 利 を 行 使 して 新 たに 投 資 口 を 引 き 受 ける 2 新 投 資 口 予 約 権 を 市 場 で 売 却 する または3 投 資 法 人 が 新 投 資 口 予 約 権 を 取 得 できることとしている 場 合 (いわゆるコミットメン ト 型 )には 取 得 条 項 に 基 づき 投 資 法 人 へ 譲 渡 する(その 後 投 資 法 人 から 証 券 会 社 への 売 却 )ことが 考 えられます( 図 表 2 参 照 ) (2) 税 務 上 の 取 扱 いと 留 意 点 1 割 当 時 の 税 務 処 理 投 資 法 人 においては 新 投 資 口 予 約 権 の 無 償 発 行 時 におい ては 特 段 の 課 税 関 係 は 生 じません また 投 資 主 においては 一 律 に 割 り 当 てられるものであ り 発 行 法 人 からの 資 産 の 移 転 や 既 存 投 資 主 間 における 経 済 的 利 益 の 移 転 はないものと 考 えられますので 投 資 主 におい て 課 税 関 係 は 生 じないものと 考 えられます 5 図 表 2 ライツオファリング(コミットメント 型 ) 新 投 資 口 予 約 権 の 譲 渡 新 投 資 口 予 約 権 の 購 入 既 存 投 資 主 証 券 市 場 投 資 主 新 投 資 口 予 約 権 の 割 当 て 新 投 資 口 予 約 権 の 行 使 未 行 使 の 新 投 資 口 予 約 権 の 譲 渡 投 資 法 人 投 資 口 の 譲 渡 新 投 資 口 予 約 権 の 行 使 未 行 使 の 新 投 資 口 予 約 権 の 譲 渡 証 券 会 社 5 国 税 庁 の 文 書 回 答 事 例 株 主 に 無 償 で 割 り 当 てられた 上 場 新 株 予 約 権 の 行 使 により 交 付 される 端 数 金 等 の 税 務 上 の 取 扱 いについて 参 照 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

4 KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 2 行 使 時 の 税 務 処 理 払 込 みを 受 けた 投 資 法 人 においては 原 則 として 会 計 上 税 務 上 ともに 払 込 金 銭 の 額 の 出 資 総 額 が 増 加 します( 計 算 規 則 ( 改 正 案 ) 第 1 6 条 の 2 ) 投 資 主 においては 新 投 資 口 予 約 権 の 行 使 により 払 い 込 ん だ 金 額 が 取 得 した 投 資 口 の 取 得 価 額 になります 3 投 資 主 が 新 投 資 口 予 約 権 を 市 場 で 売 却 する 場 合 投 資 法 人 においては 特 段 の 課 税 関 係 は 生 じません 投 資 主 においては 新 投 資 口 予 約 権 の 譲 渡 は 有 価 証 券 の 譲 渡 として 譲 渡 益 について 課 税 されます 譲 渡 益 の 金 額 は 無 償 で 割 り 当 てられていることから 原 則 として 譲 渡 収 入 の 全 額 が 譲 渡 益 の 金 額 となります なお 新 投 資 口 予 約 権 の 導 入 に 伴 い 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 において 新 投 資 口 予 約 権 が 株 式 等 または 上 場 株 式 等 の 定 義 に 含 まれるよう 手 当 てがされ 個 人 投 資 主 においては 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 特 例 ( 申 告 分 離 課 税 ) 特 定 口 座 への 受 け 入 れ 上 場 株 式 等 にかかる 譲 渡 損 失 の 損 益 通 算 およ び 繰 越 控 除 NISAの 適 用 が 可 能 とされました 4 不 行 使 により 消 滅 する 場 合 無 償 発 行 であるため 投 資 法 人 および 投 資 主 において 特 段 の 課 税 関 係 は 生 じません 5 投 資 法 人 が 新 投 資 口 予 約 権 を 取 得 できることとしている 場 合 (いわゆるコミットメント 型 )の 投 資 法 人 による 新 投 資 口 予 約 権 の 取 得 投 資 法 人 においては 取 得 した 自 己 新 投 資 口 予 約 権 は 貸 借 対 照 表 上 純 資 産 の 部 の 新 投 資 口 予 約 権 からの 控 除 項 目 と なります その 後 自 己 新 投 資 口 予 約 権 を 証 券 会 社 に 譲 渡 する 場 合 には 帳 簿 価 額 と 譲 渡 価 額 の 差 額 は 自 己 新 投 資 口 予 約 権 の 譲 渡 損 益 として 取 り 扱 われると 考 えられます 税 務 上 は 自 己 新 投 資 口 予 約 権 の 取 得 をした 投 資 法 人 におい ては 有 価 証 券 の 取 得 として 処 理 することとなります その 後 自 己 新 投 資 口 予 約 権 を 証 券 会 社 に 譲 渡 する 場 合 には 帳 簿 価 額 と 譲 渡 価 額 の 差 額 は 自 己 新 投 資 口 予 約 権 の 譲 渡 損 益 として 取 り 扱 われると 考 えられます 投 資 主 においては 有 価 証 券 の 譲 渡 として 譲 渡 損 益 の 課 税 が 生 じます (3) 導 管 性 要 件 における 留 意 点 新 投 資 口 予 約 権 の 無 償 割 当 てが 法 律 上 有 価 証 券 の 募 集 に 該 当 するか 明 確 ではありませんが 導 管 性 要 件 のうち 投 資 口 の 発 行 価 額 の 総 額 のうちに 国 内 において 募 集 される 投 資 口 の 発 行 価 額 の 占 める 割 合 が100 分 の50を 超 えるものとする 要 件 ( 以 下 国 内 募 集 要 件 という)の 判 定 上 新 投 資 口 予 約 権 の 無 償 割 当 てを 考 慮 して 考 えるのか 考 慮 する 場 合 には 割 当 時 点 で 判 定 するのか それとも 実 際 に 行 使 が 行 われた 時 点 で 判 定 をするのか 明 確 ではありません 現 在 国 内 募 集 要 件 の 判 定 は 過 去 の 募 集 を 累 積 して50% 超 が 国 内 において 募 集 されている かどうかを 判 定 するため 当 該 要 件 に 抵 触 する 可 能 性 は 必 ず しも 高 くはありませんが もともと 外 国 投 資 主 の 比 率 が 高 い 投 資 法 人 においては 新 投 資 口 予 約 権 の 無 償 割 当 て 時 の 投 資 主 の 構 成 次 第 では 国 内 募 集 要 件 を 充 足 しないケースもあり 得 るかもしれません したがって 新 投 資 口 予 約 権 の 無 償 割 当 てを 国 内 募 集 要 件 の 判 定 においてどのように 取 り 扱 うべきか 明 確 化 が 望 まれます 3. 無 償 減 資 の 導 入 (1) 改 正 の 内 容 多 額 の 売 却 損 や 減 損 損 失 が 発 生 することなどにより 会 計 上 欠 損 が 累 積 している 場 合 には その 欠 損 状 態 の 期 間 におい ては 利 益 の 配 当 を 行 うことができません 6 安 定 配 当 が 志 向 さ れるREITにおいて 継 続 的 な 無 配 は 投 資 家 離 れを 引 き 起 こし 投 資 口 価 格 の 下 落 増 資 等 資 金 調 達 の 障 害 になり 得 ますので 金 銭 の 分 配 にかかる 計 算 書 に 基 づき 損 失 の 全 部 または 一 部 を 出 資 総 額 から 控 除 すること(いわゆる 欠 損 填 補 の 無 償 減 資 ) ができることとされ( 図 表 3 参 照 ) 継 続 的 な 収 益 の 配 当 を 維 持 することができるよう 手 当 てがなされました( 投 信 法 第 136 条 第 2 項 計 算 規 則 ( 改 正 案 ) 第 20 条 第 2 項 第 21 条 第 2 項 ) 図 表 3 無 償 減 資 欠 損 填 補 前 資 産 損 失 負 債 出 資 総 額 欠 損 填 補 後 資 産 負 債 出 資 総 額 (2) 税 務 上 の 取 扱 いと 留 意 点 税 務 上 は 無 償 減 資 が 行 われたとしても 資 本 等 の 金 額 に 変 更 はなく 繰 越 欠 損 金 はそのまま 残 ることとなります(なお 会 計 上 減 損 損 失 により 欠 損 が 生 じている 場 合 には 税 務 上 減 損 損 失 は 損 金 とはならないため 税 務 上 繰 越 欠 損 金 はありま せん) 無 償 減 資 を 行 った 年 度 以 降 税 会 不 一 致 がなく 課 税 所 得 が 発 生 しない 場 合 には 当 該 繰 越 欠 損 金 は 利 用 の 機 会 がな 継 続 的 な 配 当 6 利 益 超 過 配 当 は 一 定 の 限 度 額 を 限 度 に 可 能 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 5 くなり 使 用 期 限 内 に 使 い 切 れずに 消 滅 してしまう 可 能 性 があ りますが 将 来 税 会 不 一 致 等 を 理 由 に 課 税 所 得 が 生 じる 場 合 には 当 該 欠 損 金 の 利 用 により 課 税 を 軽 減 する 効 果 があり ます Ⅱ 投 資 法 人 による 海 外 不 動 産 の 取 得 促 進 (1) 所 在 する 国 において 専 ら1 不 動 産 の 取 得 または 譲 渡 2 不 動 産 の 貸 借 3 不 動 産 の 管 理 の 委 託 を 行 うことをその 目 的 とす ること ( 2 )各 事 業 年 度 ( 1 年 を 超 える こ と が で き な い も の と す る ) 経 過 後 6 月 以 内 に その 配 当 可 能 な 額 7 のうち 当 該 登 録 投 資 法 人 の 有 する 株 式 の 数 または 出 資 の 額 に 応 じて 按 分 した 額 その 他 の 当 該 法 人 の 所 在 する 国 における 法 令 または 慣 行 により 割 り 当 てることができる 額 の 金 銭 ( 端 数 があるときは その 端 数 を 切 り 捨 てたもの)を 当 該 登 録 投 資 法 人 に 支 払 うこと 1. 改 正 の 内 容 現 在 においても REITが 海 外 不 動 産 を 取 得 すること 自 体 は 禁 止 されていませんが 事 業 支 配 を 制 限 する 趣 旨 から 投 資 先 の 株 式 の 議 決 権 の50% 以 上 の 保 有 が 投 信 法 上 禁 止 されてい たため 外 資 による 不 動 産 の 直 接 取 得 につき 規 制 がある 国 の 不 動 産 への 投 資 が 事 実 上 困 難 となっている 例 があります か かる 場 合 において 投 資 法 人 制 度 の 信 頼 性 が 確 保 されること を 前 提 に 投 資 法 人 の 性 質 および 事 業 支 配 を 制 限 する 趣 旨 な どを 踏 まえつつ 実 質 的 に 投 資 法 人 が 海 外 不 動 産 を 取 得 する ことと 同 視 できる 一 定 の 場 合 には 海 外 不 動 産 を 取 得 するた めのビークルの50% 以 上 の 議 決 権 保 有 を 認 めることとされま した( 図 表 4 参 照 ) 投 信 法 および 投 信 法 政 令 内 閣 府 令 の 改 正 案 によれば 投 資 法 人 が 特 定 資 産 の 所 在 する 国 の 法 令 の 規 定 又 は 慣 行 その 他 やむを 得 ない 理 由 により 1 不 動 産 の 取 得 または 譲 渡 2 不 動 産 の 貸 借 3 不 動 産 の 管 理 の 委 託 までに 掲 げる 取 引 のうち いずれかの 取 引 を 自 ら 行 うことができない 場 合 において 以 下 のすべての 要 件 を 満 たす 法 人 の 発 行 する 株 式 を 取 得 するとき は 議 決 権 の50% 以 上 の 保 有 制 限 は 適 用 されないこととされ ました( 投 信 法 第 194 条 第 2 項 投 信 法 施 行 令 ( 改 正 案 )116 条 の2 投 信 法 施 行 規 則 ( 改 正 案 )221 条 の2) 本 改 正 ( 案 )により 外 国 人 による 不 動 産 ( 主 に 土 地 )の 直 接 取 得 または 使 用 を 制 限 されている 東 南 アジア 等 向 けの 投 資 の 機 会 は 増 えると 考 えられますが 前 述 下 線 の 慣 行 その 他 や むを 得 ない 理 由 が 明 確 ではないため 米 国 や 英 国 などの 欧 米 諸 国 のように 外 国 人 による 不 動 産 の 取 得 が 法 令 の 規 定 上 必 ずしも 制 限 されていない 国 においても リスクの 遮 断 の 観 点 や 現 地 で 資 金 調 達 をするといった 事 情 等 に 基 づきSPCを 経 由 し て 投 資 することが 可 能 か 否 か 明 確 化 が 望 まれます また 海 外 不 動 産 投 資 にあたっては 税 効 率 の 観 点 から 複 数 のSPCを 介 在 させることが 考 えられますが REITの 場 合 に は 過 度 な 複 雑 化 を 避 けることから 複 数 層 のSPCを 介 在 させ る 投 資 は 認 めらないものと 考 えられます またSPCが 不 動 産 現 物 ではなく 信 託 受 益 権 の 取 得 する 場 合 には 本 要 件 を 満 たさ ない 可 能 性 が 考 えられます 2. 税 務 上 の 取 扱 いと 留 意 点 (1) 投 信 法 改 正 に 伴 う 税 制 改 正 の 動 向 現 行 の 措 置 法 においては 50% 以 上 保 有 禁 止 要 件 ( 他 の 法 人 の 発 行 済 株 式 または 出 資 の 総 数 または 総 額 の50% 以 上 に 相 当 する 数 または 金 額 の 株 式 または 出 資 を 有 していないこととす る 要 件 以 下 同 じ)の 例 外 となる 外 国 法 人 については 投 資 法 人 に 代 わって 専 ら 投 信 法 第 193 条 第 1 項 第 三 号 から 第 五 号 ま でに 掲 げる 取 引 ( 国 外 において 行 われるものに 限 る)を 行 うこ とを 目 的 とするものとして 財 務 省 令 で 定 める 法 人 を 除 く ) と 図 表 4 REITの 海 外 不 動 産 投 資 日 本 海 外 100% 株 式 保 有 投 資 法 人 SPC 海 外 不 動 産 7 配 当 可 能 な 額 とは 各 事 業 年 度 において 直 前 の 事 業 年 度 の 末 日 における 監 査 人 による 監 査 後 の 貸 借 対 照 上 に 計 上 された 資 産 の 額 から 以 下 に 掲 げる 額 の 合 計 額 を 減 じて 得 た 額 をいう 負 債 の 額 資 本 金 の 額 資 本 準 備 金 利 益 準 備 金 その 他 の 法 定 の 準 備 金 の 額 の 合 計 額 資 産 につき 時 価 を 付 すものとした 場 合 においてその 付 した 時 価 の 総 額 が 当 該 資 産 の 取 得 価 額 の 総 額 を 超 えるときは 時 価 を 付 したことにより 増 加 した 貸 借 対 照 表 上 の 純 資 産 の 額 前 各 号 に 掲 げる 額 のほか 当 該 法 人 の 所 在 する 国 の 法 令 又 は 慣 行 により 配 当 することができない 金 額 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

6 KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 定 められており 措 置 法 規 則 において 今 後 詳 細 が 定 められ ることとされております そのため 投 信 法 同 様 の 要 件 となる のか それとも 税 法 独 自 の 追 加 の 要 件 が 加 えられるのか 今 後 改 正 の 動 向 を 注 視 する 必 要 があります なお 当 該 50% 以 上 の 保 有 禁 止 要 件 においては 投 信 法 は 議 決 権 での 判 定 であるのに 対 し 税 法 上 は 発 行 済 株 式 の 総 数 ま たは 総 額 ベースでの 判 定 という 点 の 違 いがあることに 留 意 が 必 要 です の 額 から 控 除 する 制 度 となっております 当 該 制 度 において は 投 資 法 人 が 納 付 した 外 国 法 人 税 が 対 象 となりますが SPC を 経 由 する 場 合 においては 海 外 SPCレベルで 課 された 外 国 法 人 税 については 当 該 制 度 の 対 象 外 となり 二 重 課 税 を 完 全 には 排 除 できないことに 留 意 が 必 要 です Ⅲ マーケット 安 定 下 における 投 資 法 人 間 の 合 併 (2)タックスヘイブン 対 策 税 制 の 抵 触 可 能 性 と 投 資 法 人 に おける 問 題 点 8 投 資 法 人 が50% 以 上 の 株 式 を 取 得 する 外 国 法 人 が 実 効 税 率 20% 以 下 であるタックスヘイブン 国 ( 香 港 シンガポール タ イ イギリス 9 など)にあり いわゆるSPCである 場 合 タッ クスヘイブン 対 策 税 制 の 適 用 除 外 要 件 を 満 たさず 外 国 法 人 で 生 じた 利 益 ( 課 税 対 象 金 額 )につき 投 資 法 人 で 合 算 課 税 が 生 じる 可 能 性 があります したがって 当 該 タックスヘイブン 対 策 税 制 に 抵 触 する 場 合 には 投 資 法 人 においてはタックスヘイ ブン 対 策 税 制 による 合 算 課 税 と 実 際 に 配 当 を 受 けた 際 の 配 当 所 得 の 二 重 の 所 得 の 認 識 が 必 要 となります ここで 投 資 法 人 以 外 の 内 国 法 人 の 場 合 においては 配 当 所 得 に 関 してはタックスヘイブン 対 策 税 制 で 課 税 済 みの 金 額 ( 特 定 課 税 対 象 金 額 )については 益 金 不 算 入 の 適 用 を 受 けることが できるため 二 重 課 税 は 生 じませんが 一 方 投 資 法 人 におい てはこの 益 金 不 算 入 の 適 用 はないこととされているため 二 重 に 課 税 が 生 じる 可 能 性 があります (3) 外 国 法 人 税 の 会 計 処 理 を 起 因 とした90% 超 配 当 要 件 へ の 影 響 会 計 上 外 国 法 人 税 の 金 額 を 損 益 計 算 書 における 税 引 前 当 期 利 益 の 後 の 法 人 税 住 民 税 及 び 事 業 税 に 計 上 する 場 合 に は 投 資 法 人 が 実 際 に 配 当 できる 利 益 の 金 額 が 外 国 法 人 税 の 分 だけ 減 少 することとなり 外 国 法 人 税 の 金 額 が 多 額 の 場 合 には 90% 超 配 当 要 件 を 満 たさない 可 能 性 があります した がって 当 該 外 国 法 人 税 については 販 売 管 理 費 の 租 税 公 課 に 計 上 するか 仮 払 金 経 理 をするなどの 対 応 が 必 要 と 考 えら れ その 会 計 処 理 の 明 確 化 が 求 められます (4) 外 国 税 額 控 除 海 外 不 動 産 投 資 を 行 う 場 合 には 不 動 産 所 在 地 国 で 一 般 に 一 定 の 課 税 が 受 けることとなりますが 現 行 の 税 制 下 におい て 投 資 法 人 に 関 しては 投 資 法 人 自 身 で 外 国 税 額 控 除 の 適 用 を 行 うのではなく 代 わりに 投 資 法 人 が 納 付 した 外 国 法 人 税 の 額 を 投 資 法 人 が 投 資 家 に 配 当 する 際 に 徴 収 する 源 泉 所 得 税 1. 改 正 の 内 容 および 税 務 上 の 取 扱 い 留 意 点 従 前 の 合 併 は リーマンショック 以 降 の 金 融 危 機 下 における 合 併 ということもあり 救 済 という 意 味 合 いを 持 つ 合 併 もあり ましたが 今 般 投 資 法 人 数 の 増 加 に 伴 い 競 争 が 激 化 する 中 で 今 後 規 模 の 拡 大 およびさらなる 成 長 を 図 るべく 成 長 戦 略 としての 合 併 が 行 われることが 想 定 されます 従 前 においては 金 融 危 機 時 の 合 併 であったため 会 計 上 負 ののれんが 生 じるケース( 被 合 併 投 資 法 人 の 投 資 主 に 交 付 し た 合 併 投 資 法 人 の 投 資 口 等 の 時 価 が 被 合 併 投 資 法 人 の 時 価 純 資 産 を 下 回 るケース)が 散 見 されましたが REIT 市 場 の 比 較 的 安 定 しているなかでの 合 併 においては 会 計 上 正 ののれ んが 生 じるケース( 被 合 併 投 資 法 人 の 投 資 主 に 交 付 した 合 併 投 資 法 人 の 投 資 口 等 の 時 価 が 被 合 併 投 資 法 人 の 時 価 純 資 産 を 上 回 るケース)が 生 じる 可 能 性 が 高 いと 考 えられます 投 資 法 人 間 の 合 併 については 基 本 的 には 税 務 上 共 同 事 業 要 件 を 充 足 する 適 格 合 併 となることが 平 成 21 年 3 月 19 日 付 けの 国 税 庁 の 文 書 回 答 投 資 法 人 が 共 同 で 事 業 を 営 むための 合 併 を 行 う 場 合 の 適 格 判 定 について において 確 認 されました が 税 務 上 適 格 合 併 の 場 合 には 資 産 および 負 債 を 税 務 上 の 帳 簿 価 額 で 引 き 継 ぐこととなり のれんも 生 じず 一 方 会 計 はパーチェス 法 の 適 用 となる 場 合 には 資 産 および 負 債 は 時 価 で 引 継 ぎ のれんの 認 識 も 行 われることから 税 会 不 一 致 が 生 じます ここで 会 計 上 正 ののれんが 生 じた 場 合 には 毎 期 のれんの 償 却 費 ( 原 則 20 年 以 内 の 均 等 償 却 )が 発 生 すること となりますが 税 務 上 はこれらののれんの 償 却 費 は 加 算 調 整 することとなりますので 税 会 不 一 致 が 生 じ のれん 償 却 費 相 当 の 課 税 が 生 じることを 起 因 として 90% 超 配 当 要 件 を 充 足 できない 可 能 性 が 考 えられます このことから 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 により 正 ののれんが 生 じることを 想 定 して 正 ののれんの 償 却 額 の70%に 相 当 す る 金 額 が90% 超 配 当 要 件 の 基 礎 となる 配 当 可 能 利 益 の 金 額 か ら 控 除 されることとなり 90% 超 配 当 要 件 を 満 たすべく 手 当 て がなされました( 図 表 5 参 照 ) 8 外 国 人 による 不 動 産 の 直 接 取 得 が 禁 止 されていない 香 港 シンガポール タイ イギリスなどについて 改 正 案 に 示 された 慣 行 その 他 やむを 得 ない 理 由 によりビークルを 通 じて 投 資 できると 解 釈 される 場 合 に 生 じ 得 る 問 題 点 9 平 成 27 年 4 月 以 降 税 率 20% となる 予 定 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 7 図 表 5 改 正 後 の90% 超 配 当 要 件 の 判 定 式 金 銭 の 分 配 ( 利 益 の 配 当 ) 税 引 前 当 期 利 益 前 期 繰 越 損 失 の 額 負 ののれんの 発 生 益 減 損 損 失 の70% 買 換 圧 縮 積 立 金 正 ののれんの 償 却 額 の70% 今 回 の 改 正 点 図 表 6 正 ののれん 及 び 減 価 償 却 超 過 額 発 生 時 の 税 金 計 算 例 前 提 1 会 計 上 はパーチェス 法 を 適 用 2 税 務 上 は 適 格 合 併 に 該 当 する 3 事 業 年 度 は 簡 便 的 に1 年 とする 4 会 計 上 の 税 後 の 利 益 の 全 額 を 配 当 する 5 簡 便 的 に 実 効 税 率 を35%とする 6 被 合 併 投 資 法 人 の 合 併 直 前 の 貸 借 対 照 表 ( 簡 略 化 )は 以 下 の 通 りとする B/S 資 産 2,500 負 債 1,500 出 資 総 額 1,000 7 被 合 併 投 資 法 人 の 合 併 時 の 資 産 時 価 2,800 8 増 加 出 資 総 額 ( 被 合 併 投 資 法 人 の 投 資 主 に 対 して 交 付 した 合 併 投 資 法 人 投 資 口 の 時 価 ) 1,600 9 合 併 投 資 法 人 の 合 併 受 入 仕 訳 ( 会 計 )は 以 下 の 通 り 合 併 受 入 仕 訳 ( 会 計 ) 資 産 2,800 負 債 1,500 のれん 300 出 資 総 額 1,600 10 合 併 投 資 法 人 の 合 併 受 入 仕 訳 ( 税 務 )は 以 下 の 通 り 合 併 受 入 仕 訳 ( 税 務 ) 資 産 2,500 負 債 1,500 出 資 総 額 1,600 資 本 剰 余 金 -600 11 正 ののれんの 毎 年 の 償 却 費 15(300/20 年 ) 12 毎 年 の 減 価 償 却 費 会 計 60 税 務 50 とする 13 Year 3 において 2,800 で 売 却 税 金 計 算 Year 1 Year 2 Year 3 経 常 利 益 100.0 100.0 100.0 固 定 資 産 売 却 益 0.0 0.0 120.0 税 引 前 当 期 利 益 ( 1) 100.0 100.0 220.0 法 人 税 等 ( *) -13.5-13.5-180.3 当 期 未 処 分 利 益 ( 2) 86.5 86.5 39.8 税 務 調 整 のれんの 償 却 費 15.0 15.0 15.0 減 価 償 却 超 過 額 10.0 10.0-20.0 資 産 売 却 益 300.0 税 務 調 整 合 計 (3) 25.0 25.0 295.0 課 税 所 得 ( 配 当 損 金 算 入 前 )(4=1+3) 125.0 125.0 515.0 配 当 損 金 算 入 金 額 ( 2) -86.5-86.5 0.0 課 税 所 得 ( 配 当 損 金 算 入 後 ) 38.5 38.5 515.0 法 人 税 等 ( 税 率 35%) 13.5 13.5 180.3 90% 超 要 件 Year 1 Year 2 Year 3 分 子 ( 金 銭 の 分 配 のうち 利 益 の 配 当 ) 86.5 86.5 39.8 税 引 前 当 期 利 益 100.0 100.0 220.0 のれんの 償 却 費 の 70% -10.5-10.5-10.5 分 母 ( 税 引 前 当 期 利 益 - のれんの 償 却 費 の 70%) 89.5 89.5 209.5 判 定 86.5/89.5=93% 86.5/89.5=93% 39.8/209.5=19% >90% 充 足 >90% 充 足 < 90% 充 足 しない * 法 人 税 等 はグロスアップ 計 算 をしている 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

8 KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 したがって REIT 市 場 の 比 較 的 安 定 しているなかでの 合 併 が 行 われた 場 合 においても 税 務 上 導 管 性 要 件 を 充 足 できない リスクは 軽 減 されたものと 考 えられますが 導 管 性 要 件 を 充 足 したとしても 正 ののれんの 償 却 が 税 会 不 一 致 となることによ り 一 定 の 課 税 が 生 じてしまうことには 留 意 が 必 要 です また 図 表 6のように 合 併 により 引 き 継 ぐ 資 産 に 含 み 益 が 生 じている 場 合 においては 会 計 上 の 減 価 償 却 費 が 税 務 上 の 減 価 償 却 限 度 額 を 超 過 し 税 務 否 認 が 生 じ 続 けること また 合 併 により 引 き 継 いだ 資 産 の 売 却 時 には 被 合 併 投 資 法 人 からの 受 け 入 れ た 資 産 の 含 み 益 が 税 務 上 実 現 し( 同 時 に 減 価 償 却 超 過 の 認 容 も 生 じる) 税 会 不 一 致 が 生 じることとなりますので 一 定 の 課 税 が 生 じることとなります また 減 価 償 却 費 や 売 却 損 益 の 税 会 不 一 致 が 多 額 になり 法 人 税 等 が 多 額 に 発 生 する 場 合 には 90% 超 配 当 要 件 自 体 も 満 たさなくなる 可 能 性 があることには 留 意 が 必 要 です( 図 表 6の Year 3においては 結 果 として 90% 超 配 当 要 件 を 充 足 しない こととなっています) Ⅳ インフラ 資 産 を 投 資 対 象 とする 投 資 法 人 の 創 設 1. 改 正 の 内 容 および 税 務 上 の 取 扱 い 留 意 点 平 成 25 年 6 月 14 日 に 閣 議 決 定 された 日 本 再 興 戦 略 におい て 民 間 資 金 を 活 用 した 再 生 可 能 エネルギーの 導 入 促 進 やPPP/ PFIの 活 用 拡 大 が 掲 げられ 日 本 証 券 取 引 所 グループにおいて も 上 場 インフラ 市 場 の 創 設 に 向 けた 準 備 が 進 められている 中 投 資 法 人 が 再 生 可 能 エネルギーや 公 共 施 設 等 運 営 権 等 の インフラ 資 産 に 投 資 できるように 投 信 法 施 行 令 および 措 置 法 の 改 正 が 進 められています 平 成 26 年 6 月 6 日 に 公 表 された 投 信 法 施 行 令 の 改 正 案 におい ては 投 信 法 施 行 令 第 3 条 の 改 正 として 特 定 資 産 に 再 生 可 能 エ ネルギー 発 電 設 備 や 公 共 施 設 等 運 営 権 ならびにこれらを 運 用 対 象 とした 匿 名 組 合 出 資 が 追 加 されています 一 方 措 置 法 においては 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 において 新 たな 導 管 性 要 件 の 判 定 として 以 下 の 要 件 が 追 加 されてい ます ギー 発 電 設 備 および 公 共 的 施 設 運 営 権 以 外 の 特 定 資 産 の 割 合 が50% 超 を 占 めることと 記 載 されていますが 前 述 の 投 信 法 施 行 令 の 改 正 案 と 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 において 加 えられた 前 述 の 資 産 割 合 要 件 を 鑑 みますと 必 ずしも 現 時 点 では 税 制 改 正 大 綱 で 意 図 した 趣 旨 が 反 映 されていないと 考 えられま す 10 したがって 今 後 税 制 改 正 大 綱 の 趣 旨 に 沿 うべくさらに 措 置 法 施 行 令 の 改 正 が 行 われることも 予 想 されるため 今 後 の 改 正 動 向 に 留 意 が 必 要 です 投 信 法 施 行 令 の 改 正 により 再 生 エネルギー 発 電 設 備 および 公 共 的 施 設 運 営 権 の 取 得 が 法 律 上 可 能 となった 場 合 において も 今 後 税 制 改 正 大 綱 の 趣 旨 に 沿 うべく 措 置 法 施 行 令 の 改 正 が 行 われる 場 合 には 再 生 可 能 エネルギー 設 備 および 公 共 的 施 設 運 営 権 以 外 の 特 定 資 産 が 過 半 を 占 めるような 資 産 構 成 に しなければならないことに 留 意 が 必 要 です( 図 表 7 参 照 ) たとえば 太 陽 光 発 電 施 設 の 投 資 法 人 への 組 入 れが 実 務 上 検 討 されておりますが 太 陽 光 発 電 施 設 は 一 般 にまとまっ た 土 地 を 低 価 で 取 得 できる 郊 外 の 土 地 が 想 定 されるため 一 般 に 土 地 の 価 格 は 低 く 資 産 割 合 要 件 を 充 足 しづらい 可 能 性 があります また 当 初 資 産 割 合 要 件 を 満 たしたとしても 上 場 投 資 法 人 においては 永 続 的 に 事 業 活 動 を 行 うことが 前 提 と なるため 追 加 で 資 産 を 購 入 していくと 考 えられますが 追 加 の 資 産 の 購 入 により 当 該 資 産 割 合 要 件 を 満 たせなくなる 可 能 性 があることにも 留 意 が 必 要 です なお 一 般 に 太 陽 光 発 電 投 資 案 件 においては 匿 名 組 合 出 資 の 方 法 により 資 金 調 達 をして 運 用 しているものが 市 場 には 数 多 く 存 在 しており 資 産 そのものの 売 買 のではなく 既 存 の 匿 名 組 合 出 資 が 投 資 家 間 で 売 買 されるケースが 望 まれるため 投 資 法 人 が 匿 名 組 合 出 資 を 購 入 するケースも 想 定 されるところ です 投 資 法 人 によるこうした 匿 名 組 合 出 資 の 取 得 について 図 表 7 インフラ 投 資 法 人 のB/Sイメージ 50% 超 インフラ 資 産 以 外 借 入 当 該 事 業 年 度 終 了 時 において 有 する 投 信 法 第 2 条 第 1 項 に 規 定 する 特 定 資 産 のうち 投 信 法 施 行 令 第 3 条 各 号 に 掲 げる 資 産 の 確 定 した 決 算 に 基 づく 貸 借 対 照 表 に 計 上 されている 帳 簿 価 額 の 合 計 額 が 貸 借 対 照 表 に 計 上 されている 総 資 産 の 帳 簿 価 額 の 合 計 額 の 2 分 の 1 に 相 当 する 金 額 を 超 えていること( 以 下 資 産 割 合 要 件 )( 租 税 特 別 措 置 法 67 条 の 15 第 1 項 第 二 号 ト 租 税 特 別 措 置 法 施 行 令 第 39 条 の32 第 8 項 ) インフラ 資 産 出 資 総 額 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 大 綱 においては 再 生 可 能 エネル 10 資 産 割 合 要 件 の 分 母 分 子 の 両 方 に 再 生 エネルギー 発 電 設 備 および 公 共 的 施 設 運 営 権 が 含 まれることとなるため 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMG Insight Vol. 7 / Jul. 2014 9 は 前 述 の 資 産 割 合 要 件 の 判 定 上 どのように 考 えるのか 等 今 後 の 措 置 法 施 行 令 の 改 正 を 待 って 検 討 する 必 要 があります また 平 成 26 年 度 税 制 改 正 大 綱 におきましては 資 産 割 合 要 件 につき 以 下 の 特 例 が 設 けられることが 述 べられていま したが 現 時 点 において 当 該 特 例 は 公 表 施 行 されておらず 今 後 の 措 置 法 等 の 改 正 の 中 で 明 らかにされるものと 考 えられ ます 投 信 法 施 行 令 の 改 正 の 日 から 平 成 29 年 3 月 31 日 の 間 に 再 生 エ ネルギー 発 電 設 備 を 取 得 して 賃 貸 の 用 に 供 した 投 資 法 人 で 次 の 要 件 を 満 たすものについては 当 該 設 備 を 最 初 に 賃 貸 の 用 に 供 し た 日 から10 年 以 内 に 終 了 する 事 業 年 度 に 限 り 上 記 の 新 たな 要 件 は 満 たす 必 要 がないこととする 公 共 施 設 等 運 営 権 の 割 合 が 50% を 超 えないこと 設 立 に 際 して 公 募 により 投 資 口 を 募 集 したこと 又 は 投 資 口 が 上 場 されていること 再 生 エネルギー 発 電 設 備 の 運 用 方 法 が 賃 貸 のみであることが 規 約 に 記 載 されていること Ⅴ 投 資 法 人 税 制 のさらなる 安 定 に 向 けて ( 税 会 不 一 致 の 解 消 ) 投 資 法 人 においては 従 前 は 税 会 不 一 致 を 起 因 とした90% 超 配 当 要 件 を 満 たさないことによる 大 きな 課 税 の 発 生 リスクを 抱 えておりましたが 減 損 損 失 や 負 ののれんの 発 生 益 正 の のれんの 調 整 など 一 定 の 調 整 がなされて 90% 超 配 当 要 件 を 満 たせないリスクは 軽 減 されております 一 方 90% 超 配 当 要 件 を 充 足 したとしても 税 会 不 一 致 が 生 じる 場 合 には 一 定 の 課 税 が 生 じてしまうこととなりますが 当 該 税 会 不 一 致 によ る 課 税 の 発 生 については 特 段 手 当 てが 行 われていません 本 来 導 管 ビークルたる 投 資 法 人 で 課 税 が 発 生 することは 好 ましくないことから 税 会 不 一 致 によっても 課 税 が 生 じない ような 改 正 が 長 年 要 望 されてきましたが 平 成 26 年 度 の 税 制 改 正 大 綱 において 以 下 のとおり 今 後 税 会 不 一 致 等 の 解 消 のための 検 討 を 行 っていくことが 示 されました 投 資 法 人 等 の 課 税 については 税 会 不 一 致 等 による 投 資 法 人 等 の 活 動 の 制 約 の 解 消 を 図 る 観 点 から 平 成 27 年 度 税 制 改 正 に 向 け て 運 用 対 象 資 産 の 範 囲 を 含 む 投 資 法 人 制 度 及 びその 会 計 基 準 と 課 税 の 在 り 方 について わが 国 における 投 資 法 人 の 活 動 実 態 諸 外 国 における 制 度 事 例 や 通 常 法 人 との 課 税 の 公 平 性 にも 留 意 しつつ 検 討 する 税 会 不 一 致 の 解 消 のための 具 体 的 な 手 段 は 現 時 点 では 示 さ れてはおりませんが こうした 手 当 ての 導 入 により 投 資 法 人 の 税 制 上 の 安 定 性 を 高 め J-REIT 市 場 のさらなる 発 展 に 寄 与 するが 期 待 されます 本 稿 に 関 するご 質 問 等 は 以 下 までご 連 絡 くださいますよ うお 願 いいたします KPMG 税 理 士 法 人 トランザクションアドバイザリーグループ パートナー 竹 宮 裕 二 TEL:03-6229-8288 yuji.takemiya@jp.kpmg.com シニアマネジャー 半 田 太 一 TEL:03-6229-8258 taichi.handa@jp.kpmg.com 2014 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

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