1. 地 域 医 療 ビジョン と 議 論 の 現 状 2014 年 6 月 に 成 立 した 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 で 都 道 府 県 は 地 域 医 療 計 画 に 将 来 の 医 療 提 供 体 制 に 関 する 構 想 として 地 域 医 療 ビジョン( 地 域 医 療



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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

公表表紙

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

18 国立高等専門学校機構

官報掲載【セット版】

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

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定款

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

16 日本学生支援機構

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Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

m07 北見工業大学 様式①

●労働基準法等の一部を改正する法律案

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Microsoft Word - 福祉医療費給付要綱

スライド 1

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

●電力自由化推進法案

全設健発第     号

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

 

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

Taro-01 議案概要.jtd

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Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

資 料 年 オリンピック パラリンピック 東 京 大 会 における ホストシティ タウン 構 想 (イメージ) 1. 趣 旨 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2014( 平 成 26 年 6 月 24 日 閣 議 決 定 )を 踏 まえ 2020 年 オリン

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

●幼児教育振興法案

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スライド 1

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

技 能 労 務 職 平 均 年 齢 歳,7 平 均 給 料 月 額 歳 7,,8, 歳,9,57, 7,7 7,9 9,5 - (8,85) (5,) 類 似 団 体 5. 歳 9,8 9, 85, ( 注 ) 平 均 給 料 月 額 とは 平 成 5 年 月 日 現 在 における

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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Microsoft Word 利子補給金交付要綱

老発第    第 号

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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Taro-iryouhoken

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

スライド 1

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

( 新 ) 医 療 提 供 の 機 能 分 化 に 向 けたICT 医 療 連 携 導 入 支 援 事 業 費 事 業 の 目 的 医 療 政 策 課 予 算 額 58,011 千 円 医 療 分 野 において あじさいネットを 活 用 したICT したICT 導 入 により により 医 療 機 能

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 135,6 243,7 2 級 185,8 37,8 3 級 4 級 222,9 354,7 ( 注 )

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : 円 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135, , , , , ,600 最

Microsoft Word - 公表資料(H22).doc

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

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別紙3

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4


介護保険制度改正にかかる事業所説明会

3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険


3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

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(\202g22\214\366\225\\.xls)

Microsoft Word 行革PF法案-0概要

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Microsoft PowerPoint - 【資料5】社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し(案)について

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Transcription:

主 な 制 度 仕 組 み( 概 説 ) * 地 域 医 療 計 画 に 関 連 する 主 な 制 度 や 仕 組 みの 現 状 と 課 題 を 概 説 した 趣 旨 と 基 本 的 考 え 方 機 能 分 化 と 連 携 と 併 読 されることを 想 定 している 44

1. 地 域 医 療 ビジョン と 議 論 の 現 状 2014 年 6 月 に 成 立 した 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 で 都 道 府 県 は 地 域 医 療 計 画 に 将 来 の 医 療 提 供 体 制 に 関 する 構 想 として 地 域 医 療 ビジョン( 地 域 医 療 構 想 )を 定 めることが 盛 り 込 まれた 厚 生 労 働 省 は 病 床 機 能 報 告 制 度 ( 下 記 参 照 )によって 医 療 機 関 から 報 告 される 情 報 も 踏 まえて 都 道 府 県 が 地 域 医 療 ビジョンを 策 定 するためのガイドラインをまとめるため 2014 年 9 月 に 地 域 医 療 構 想 策 定 ガイドライン 等 に 関 する 検 討 会 を 設 置 した ガイドラインには(1)あるべき 将 来 の 医 療 提 供 体 制 の 姿 (2)2025 年 の 医 療 需 要 ( 入 院 外 来 疾 病 別 )の 推 計 方 法 (3)2025 年 の 各 病 床 機 能 の 必 要 量 の 推 計 方 法 (4)あるべき 将 来 の 医 療 提 供 体 制 を 実 現 するための 具 体 的 な 方 策 のほか 地 域 医 療 ビジョンを 策 定 する 際 に 幅 広 い 関 係 者 と 協 議 し 住 民 の 意 見 を 聞 くプロセスも 盛 り 込 む 予 定 このほか 検 討 会 は (1) 地 域 医 療 ビジョンを 推 進 するための 医 療 者 などによる 協 議 の 場 の 設 置 運 営 方 針 (2) 病 床 機 能 報 告 制 度 で 情 報 の 公 表 のあり 方 などを 議 論 し 2015 年 1 月 をめどにとりまとめ る 予 定 厚 労 省 が 策 定 する 地 域 医 療 構 想 策 定 ガイドラインを 基 に 都 道 府 県 は 2015 年 度 に 地 域 医 療 ビジョン を 策 定 する 地 域 医 療 ビジョンの 策 定 にあたっては 将 来 の 医 療 需 要 の 予 測 や 関 係 者 との 調 整 など 相 当 な 業 務 量 が 想 定 される 将 来 の 医 療 需 要 を 推 計 するためには 病 床 機 能 報 告 データ 等 の 分 析 が 必 要 となるが そのための 専 門 的 な 知 識 を 有 する 職 員 の 確 保 が 難 しい 各 医 療 機 関 の 将 来 の 経 営 にも 大 きく 関 わってくるために 協 議 が 整 うか 疑 問 がある 協 議 が 整 わない 場 合 強 化 された 県 の 権 限 を 使 うことが 可 能 であるが 実 際 には 行 使 することは 今 後 の 円 滑 な 医 療 行 政 を 考 えると 非 常 に 難 しいと 考 えられる 医 療 関 係 部 局 には 介 護 に 関 する 情 報 が 不 足 しており 各 県 域 において 医 療 に 介 護 も 含 めた 全 体 が 適 切 な 状 態 かを 把 握 することが 困 難 である 策 定 にあたり 医 療 と 介 護 の 連 携 のみならず 生 活 や 街 づくり 等 とも 連 携 の 必 要 がある 計 画 策 定 までには 相 当 な 時 間 が 必 要 になる 十 分 な 計 画 策 定 のための 期 間 が 確 保 できるかが 課 題 以 上 のアンケート 結 果 から 地 域 医 療 ビジョンの 協 議 の 基 になるべきデータを 適 切 に 分 析 できるか また 介 護 を 含 めた 地 域 全 体 の 調 整 ができるか 不 安 を 抱 えている 都 道 府 県 担 当 者 もおり 支 援 する 仕 組 みが 必 要 と 考 えられる 第 1 回 地 域 医 療 構 想 策 定 ガイドライン 等 に 関 する 検 討 会 (2014 年 9 月 18 日 開 催 ) 資 料 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000058264.html(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 45

2. 基 金 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 の 成 立 による 制 度 面 での 対 応 に 併 せ 医 療 介 護 サービスの 提 供 体 制 の 改 革 を 進 めるための 新 たな 財 政 支 援 制 度 対 象 事 業 は (1) 病 床 の 機 能 分 化 連 携 のために 必 要 な 事 業 (2) 在 宅 医 療 介 護 サービスの 充 実 の ために 必 要 な 事 業 (3) 医 療 従 事 者 などの 確 保 養 成 のための 事 業 (4) 医 療 介 護 従 事 者 の 勤 務 環 境 改 善 のための 事 業 などとなっている 2013 年 10 月 に 消 費 税 を 5%から 8%に 増 税 した 増 収 分 を 財 源 として 活 用 している 2014 年 度 は 消 費 増 税 活 用 分 の 544 億 円 に 公 費 から 360 億 円 を 上 乗 せして 計 904 億 円 2014 年 度 は 医 療 を 対 象 とし 介 護 については 2015 年 度 から 実 施 する (1)の 病 床 の 機 能 分 化 連 携 については 2014 年 度 は 現 状 でも 必 要 なもののみ 対 象 とし 2015 年 度 の 地 域 医 療 ビジョンの 策 定 後 に 拡 充 を 検 討 する 都 道 府 県 は 基 金 の 活 用 計 画 を 厚 生 労 働 省 に 提 出 する 厚 生 労 働 省 は 審 査 の 上 交 付 対 象 となる 事 業 を 絞 り 込 む 国 と 都 道 府 県 の 負 担 割 合 は 国 が 3 分 の 2 で 都 道 府 県 が 3 分 の 1 市 町 村 や 医 療 機 関 からの 事 業 提 案 を 全 て 査 定 し 優 先 順 位 をつけるのに 労 力 と 時 間 を 要 する 地 域 医 療 再 生 基 金 と 比 べて 自 由 度 が 低 い 3 分 の 1 負 担 となり 県 財 政 負 担 を 抑 えたい 財 政 当 局 との 折 衝 が 障 壁 である 基 金 事 業 の 事 業 評 価 を 求 められているが 原 則 1 年 間 の 計 画 であるため 成 果 を 示 すことは 困 難 である 基 金 事 業 であるにも 関 わらず 国 の 毎 年 度 の 予 算 と 計 画 に 縛 られ 補 助 金 と 同 じになっている 計 画 策 定 のスケジュールと 予 算 編 成 のスケジュールに 隔 たりが 予 想 される 翌 年 度 の 割 当 額 が 未 定 であるため 中 長 期 的 な 計 画 に 取 り 組 めない 地 域 医 療 計 画 の 目 標 年 次 に, 一 括 して 事 業 評 価 を 行 う 仕 組 みに 変 更 すべきだ 以 上 のアンケート 結 果 から 今 回 の 基 金 については 年 度 単 位 であることに 加 え 県 の 負 担 もあること から 中 長 期 的 な 計 画 や 県 財 政 との 調 整 が 必 要 なため 使 いにくさを 感 じており 地 域 医 療 再 生 基 金 のよ うな 年 度 を 超 えて 計 画 できる 基 金 が 求 められている 厚 生 労 働 省 新 たな 財 政 支 援 制 度 の 創 設 ( 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 総 会 2013 年 12 月 25 日 開 催 http://www.mhlw.go.jp/file/05-shingikai-12404000-hokenkyoku-iryouka/0000033412.pdf(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 46

3. 病 床 機 能 報 告 制 度 病 院 や 診 療 所 が 病 棟 単 位 で(1) 高 度 急 性 期 機 能 ( 2) 急 性 期 機 能 ( 3) 回 復 期 機 能 ( 4) 慢 性 期 機 能 の 4 区 分 から1つを 選 んで 都 道 府 県 に 報 告 する 制 度 報 告 は 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 に 基 づく 義 務 で 毎 年 10 月 末 までに 報 告 された 結 果 を 基 に 各 都 道 府 県 は 翌 年 度 の 地 域 医 療 ビジョンを 策 定 する 4 区 分 の 医 療 機 能 は 以 下 の 通 りである (1) 高 度 急 性 期 機 能 急 性 期 の 患 者 に 対 し 状 態 の 早 期 安 定 化 に 向 けて 診 療 密 度 が 特 に 高 い 医 療 を 提 供 する (2) 急 性 期 機 能 急 性 期 の 患 者 に 対 し 状 態 の 早 期 安 定 化 に 向 けて 医 療 を 提 供 する (3) 回 復 期 機 能 急 性 期 を 経 過 した 患 者 への 在 宅 復 帰 に 向 けた 医 療 やリハビリテーションを 提 供 する (4) 慢 性 期 機 能 長 期 にわたり 療 養 が 必 要 な 患 者 を 入 院 させる 報 告 された 情 報 の 公 表 方 法 については 厚 生 労 働 省 が 2014 年 9 月 に 設 置 した 地 域 医 療 ビジョン のガイドラインを 策 定 する 検 討 会 で 詳 細 を 議 論 する 4 区 分 と 医 療 法 における 病 床 区 分 や 診 療 報 酬 上 区 分 との 整 合 が 不 十 分 で 今 後 の 方 向 として 報 告 し た 4 区 分 別 の 病 床 数 にどのように 誘 導 していくか 具 体 策 を 描 きにくい 現 状 は 定 性 的 な 報 告 で 基 準 も 不 明 瞭 のため 報 告 で 医 療 機 関 の 混 乱 も 想 定 される 特 定 機 能 病 院 地 域 医 療 支 援 病 院 などとの 関 係 について 整 理 されていない 医 療 機 能 情 報 提 供 制 度 と 並 行 する 形 となっており 医 療 機 関 の 負 担 も 大 きいことから 統 合 すべきだと 考 える 現 在 のレセプト( 診 療 報 酬 明 細 書 )データが 病 院 ごとのデータであり 病 棟 ごとになっていないため 病 棟 ごとの 機 能 実 態 が 把 握 しにくい 離 島 などでは 病 院 が 少 数 というところもあり 病 棟 規 模 で4 区 分 に 分 けることは 困 難 ではないかと 考 えている 以 上 のアンケート 結 果 から 病 床 機 能 報 告 制 度 の 区 分 が 分 かりにくいと 感 じており 厚 生 労 働 省 はレ セプトデータや 医 療 機 能 情 報 提 供 制 度 との 整 合 性 を 示 す 必 要 がある 厚 生 労 働 省 病 床 機 能 報 告 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 47

4. 地 域 包 括 ケアシステム 第 2 次 世 界 大 戦 直 後 で 年 間 出 生 数 が 現 在 の 3 倍 近 い 約 270 万 人 だった 第 1 次 ベビーブームで 生 まれ た 団 塊 の 世 代 (1947 年 1950 年 生 まれ)が 全 員 75 歳 以 上 となる 2025 年 は 介 護 が 必 要 な 高 齢 者 数 が ピークを 迎 えると 予 測 されている 2013 年 8 月 にまとめた 官 邸 の 社 会 保 障 制 度 改 革 国 民 会 議 ( 以 下 国 民 会 議 )の 報 告 書 などを 受 け 国 は 2025 年 までに 重 度 な 要 介 護 状 態 となっても 住 み 慣 れた 地 域 で 医 療 介 護 などを 受 けられる 仕 組 み( 地 域 包 括 ケアシステム)を 目 指 している 国 は 地 域 包 括 ケアシステムの 規 模 としては 人 口 約 1 万 人 程 度 の 中 学 校 の 学 区 域 を 想 定 しているが 都 市 部 や 地 方 では 高 齢 化 の 進 み 具 合 は 大 きく 異 なるため それぞれの 地 域 に 合 った 対 応 をすることが 重 要 となる 地 域 包 括 ケアシステムの 仕 組 み 作 りは 市 町 村 が 主 体 となり 3 年 ごとの 介 護 保 険 事 業 計 画 の 策 定 を 通 じて 進 められている 地 域 包 括 ケアシステムの 課 題 は 住 まい に 加 え 医 療 介 護 予 防 生 活 支 援 など 多 岐 にわ たるが 医 療 は 高 齢 者 にとって 必 要 不 可 欠 であり 介 護 分 野 と 地 域 医 療 計 画 がどう 連 携 していく のかが 課 題 となっている 市 町 村 には 医 療 担 当 の 部 局 がないところが 多 く 県 の 介 護 担 当 部 局 では 介 護 は 市 町 村 の 仕 事 と 認 識 し ており 現 場 の 情 報 が 少 ないなどの 実 情 があり 県 と 市 町 村 がどのように 役 割 分 担 していくのか 明 確 にする 必 要 がある 地 域 ケア 会 議 を 推 進 するため 研 修 会 やアドバイザーの 派 遣 などの 市 町 村 に 対 する 支 援 が 必 要 である 地 域 包 括 ケアシステムの 中 核 を 担 う 在 宅 療 養 支 援 診 療 所 や 訪 問 看 護 ステーションなどの 施 設 が 不 足 している 在 宅 生 活 を 支 える 各 種 サービスの 充 実 地 域 包 括 支 援 センターなどの 機 能 強 化 に 取 り 組 む こと 必 要 がある 地 域 ごとの 医 療 福 祉 資 源 社 会 資 源 の 把 握 や 具 体 的 な 進 め 方 などを 調 整 する 人 材 の 養 成 確 保 やそ のための 体 制 整 備 が 必 要 である 以 上 のアンケート 結 果 から 介 護 を 担 う 市 町 村 との 役 割 分 担 と 連 携 が 十 分 でない 現 状 があり 医 療 と 介 護 をつなぐ 人 材 育 成 や 体 制 整 備 が 求 められている 厚 生 労 働 省 地 域 包 括 ケアシステム http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu /(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 首 相 官 邸 社 会 保 障 制 度 改 革 国 民 会 議 報 告 書 確 かな 社 会 保 障 を 将 来 世 代 に 伝 えるための 道 筋 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/pdf/houkokusyo.pdf(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 48

5.データ 整 備 1 概 要 地 域 医 療 計 画 を 策 定 するためには 地 域 にどのような 患 者 がいて どのような 受 診 行 動 をとっている のか どのような 医 療 機 関 があるのかなど 現 状 を 把 握 することが 不 可 欠 である 情 報 はできる 限 り 2 次 医 療 圏 単 位 で 把 握 する 地 域 医 療 計 画 の 策 定 のために (1) 患 者 調 査 の 特 別 集 計 結 果 (がん 急 性 心 筋 梗 塞 脳 卒 中 など 5 疾 病 および 救 急 の 流 入 流 出 患 者 の 割 合 ) (2) 診 療 報 酬 の 施 設 基 準 届 出 数 (3) 診 療 報 酬 明 細 書 (レ セプト) 情 報 特 定 健 診 等 情 報 をまとめた ナショナルデータベース( 以 下 NDB) などのデータ が 整 備 され 厚 生 労 働 省 が 開 催 している 都 道 府 県 向 けの 研 修 会 で 提 供 されている データの 入 手 分 析 に 役 立 つソフトも 研 修 会 で 配 布 解 説 されており 急 性 心 筋 梗 塞 などの 集 中 治 療 室 (CCU)の 施 設 数 や 病 床 数 急 性 心 筋 梗 塞 の 患 者 の 在 宅 復 帰 率 などを 2 次 医 療 圏 単 位 で 算 出 できる ようになっている 医 療 分 野 は 非 常 に 専 門 性 が 高 く 医 療 政 策 に 精 通 した 職 員 が 担 当 しないと データの 所 在 や 入 手 法 具 体 的 活 用 法 分 析 方 法 等 に 関 して 承 知 していないため 計 画 策 定 に 苦 慮 することとなる 専 門 知 識 を 有 する 人 材 の 長 期 的 な 育 成 が 困 難 人 材 育 成 研 修 には 地 元 の 大 学 を 巻 き 込 むことが 重 要 以 上 のアンケート 結 果 から データの 分 析 を 十 分 できない 現 状 があり 地 元 の 大 学 の 研 究 者 など 専 門 家 との 連 携 が 求 められている 医 療 計 画 の 見 直 しに 関 する 都 道 府 県 説 明 会 資 料 (2) 医 療 機 能 調 査 現 状 把 握 の 指 標 について ( 厚 生 労 働 省 医 政 局 指 導 課 ) http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-1.p df(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 医 療 計 画 作 成 支 援 データブックについて ( 厚 生 労 働 省 ) http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 6. 患 者 住 民 参 加 都 道 府 県 が 地 域 医 療 計 画 を 決 める 際 患 者 住 民 の 参 加 は 必 須 条 件 である 都 道 府 県 は 地 域 医 療 計 画 を 決 める 際 にはあらかじめ 都 道 府 県 医 療 審 議 会 ( 医 療 対 策 協 議 会 などとも 49

いう) ( 以 下 医 療 審 議 会 )に 意 見 を 聴 かなければならないが 医 療 審 議 会 の 委 員 は 医 師 歯 科 医 師 看 護 師 など 医 療 者 だけでなく 医 療 を 受 ける 立 場 にある 者 を 任 命 することが 医 療 法 施 行 令 で 規 定 されているためだ 誰 を 医 療 を 受 ける 立 場 にある 者 に 任 命 するかは ある 県 では 特 定 の 疾 患 の 患 者 団 体 のメンバーを 選 び 別 の 件 では 母 親 クラブのメンバーを 選 ぶなど 都 道 府 県 で 地 域 医 療 計 画 を 策 定 する 課 の 担 当 者 の 裁 量 となっており 明 確 な 選 考 基 準 がないのが 現 状 だ H-PAC2 期 生 の 医 療 政 策 決 定 プロセスにおける 住 民 患 者 の 参 画 研 究 班 が 2012 年 に 全 都 道 府 県 に 対 して 実 施 した 調 査 でも 都 道 府 県 の 医 療 審 議 会 ( 医 療 対 策 協 議 会 )での 患 者 住 民 委 員 数 は 大 き くばらつきがあった 決 定 方 法 は 公 募 で 採 用 している 県 が 32%あったが 指 名 推 薦 が 43%と 多 く 研 究 班 は 今 後 は 指 名 推 薦 に 頼 るのではなく 関 心 のある 住 民 を 支 援 し 応 募 する 人 材 の 裾 野 を 広 くする 必 要 がある と 提 言 している 都 道 府 県 で 地 域 医 療 計 画 を 策 定 する 医 療 審 議 会 のほか 作 業 部 会 などを 含 めて 医 療 計 画 の 策 定 に 携 わる 患 者 住 民 の 延 べ 人 数 を 尋 ねたところ 平 均 値 は 9.4 人 中 央 値 が 8 人 で ほとんどは 10 人 以 下 にとどまっていた 一 方 医 療 提 供 者 現 場 の 平 均 値 は 58.5 人 中 央 値 も 22.5 人 と 20 人 を 超 えていた 有 識 者 は 平 均 値 が 8.9 人 中 央 値 が 5 人 で 大 多 数 は 医 療 提 供 者 現 場 で 占 められている 以 上 のアンケート 結 果 から 患 者 住 民 は 医 療 審 議 会 や 作 業 部 会 の 委 員 となっても 医 療 提 供 者 現 場 が 大 多 数 を 占 め 発 言 しにくい 現 状 がうかがえた 医 療 法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/s23/s23ho205.html(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 医 療 法 施 行 令 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/s23/s23se326.html(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) H-PAC2 期 生 医 療 政 策 決 定 プロセスにおける 住 民 患 者 の 参 画 研 究 班 ( 佐 伯 晴 子 代 表 ) 報 告 書 7. 保 険 者 参 加 2014 年 6 月 の 医 療 介 護 総 合 確 保 推 進 法 の 成 立 で 都 道 府 県 は 地 域 医 療 計 画 を 定 める 際 保 険 者 協 議 会 の 意 見 を 聴 くことが 新 たに 盛 り 込 まれ 健 康 保 険 を 運 営 する 保 険 者 の 参 加 は 必 須 条 件 となった (2015 年 4 月 施 行 ) 保 険 者 協 議 会 は 高 齢 者 の 医 療 の 確 保 に 関 する 法 律 に 新 設 され 法 的 に 位 置 づけられた (1) 大 企 業 の 社 員 など 約 2930 万 人 が 加 入 する 健 康 保 険 組 合 ( 以 下 企 業 健 保 ) (2) 中 小 企 業 などで 働 く 社 員 な ど 約 3560 万 人 が 加 入 する 全 国 健 康 保 険 協 会 ( 以 下 協 会 けんぽ) (3) 自 営 業 者 など 約 3520 万 人 が 50

加 入 する 国 民 健 康 保 険 ( 以 下 国 保 )などの 保 険 者 のほか 75 歳 以 上 の 約 1510 万 人 が 加 入 する 後 期 高 齢 者 医 療 広 域 連 合 が 組 織 する 2 保 険 者 の 果 たすべき 機 能 と 課 題 :RH-PAC 勉 強 会 (2014 年 6 月 28 日 )より 保 険 者 の 果 たすべき 機 能 としては (1) 加 入 者 の 資 格 管 理 (2) 保 険 料 の 設 定 徴 収 (3) 診 療 報 酬 など 保 険 給 付 (4) 診 療 報 酬 の 審 査 支 払 い という 基 本 的 なもののほか (5) 加 入 者 の 健 康 管 理 さらには(6) 医 療 の 質 や 効 率 性 向 上 のための 医 療 提 供 側 への 働 きかけがある 日 本 の 公 的 医 療 保 険 制 度 では 制 度 の 骨 格 である 保 険 適 用 の 範 囲 や 診 療 報 酬 審 査 支 払 い 事 務 を 委 託 できる 機 関 などを 国 が 決 めており 保 険 者 機 能 が 発 揮 しにくかった 2008 年 以 降 レセプトの 電 子 化 が 進 み 特 定 健 診 特 定 保 健 指 導 (いわゆるメタボ 健 診 )が 導 入 さ れ 保 険 者 が 大 量 のデータを 分 析 できるようになり 効 率 的 効 果 的 に(5) ( 6)の 機 能 を 果 たせる ようになった 国 保 では 国 保 連 合 会 が 管 理 する 国 保 データベース(KDB)システム が 2013 年 10 月 から 稼 働 を 開 始 し 生 活 習 慣 病 を 中 心 とした 疾 病 別 の 人 数 要 介 護 者 の 有 病 状 況 から 地 域 の 全 体 像 の 把 握 医 療 費 の 分 析 経 年 比 較 などを 進 めつつある 協 会 けんぽは 医 療 費 や 健 診 データを 全 国 と 比 較 して 指 数 化 し レーダーチャートなどで 違 いが 分 か るようにしている 市 区 町 村 別 や 業 種 別 に 糖 尿 病 など 疾 患 の 受 診 率 や 医 療 費 などの 詳 細 な 分 析 も 可 能 になっている 2012 年 7 月 改 訂 の 協 会 けんぽ 保 険 者 機 能 強 化 アクションプラン( 第 2 期 )では こうした 分 析 結 果 を 基 に 各 地 方 支 部 がそれぞれの 都 道 府 県 などに 積 極 的 に 政 策 提 言 をすることを 盛 り 込 んでいる こうした 協 会 けんぽ 国 保 後 期 高 齢 者 広 域 連 合 そして 企 業 健 保 などの 保 険 者 が 各 県 の 保 険 者 協 議 会 でレセプトデータの 集 合 化 ができるかが 検 討 課 題 となる さらに 介 護 保 険 のデータも 加 えられれば 高 齢 者 を 含 めた 患 者 の 流 れ 医 療 費 介 護 費 の 傾 向 を 詳 細 に 分 析 でき 地 域 医 療 計 画 の 策 定 に 役 立 つ ものと 考 えられる みずほ 情 報 総 研 保 険 者 機 能 のあり 方 と 評 価 に 関 する 調 査 研 究 報 告 書 (2013 年 3 月 ) 8. 場 作 り 1 概 要 都 道 府 県 は 地 域 医 療 計 画 を 決 める 際 には 都 道 府 県 医 療 審 議 会 ( 以 下 医 療 審 議 会 )の 意 見 を 聴 か なければならない 医 療 審 議 会 の 委 員 は 医 師 歯 科 医 師 薬 剤 師 医 療 を 受 ける 立 場 にある 者 ( 患 者 住 民 ) 学 識 経 験 者 から 都 道 府 県 知 事 が 任 命 するように さまざまな 立 場 の 関 係 者 が 関 わる 医 療 審 議 会 の 委 員 だけでなく 医 療 審 議 会 を 運 営 する 都 道 府 県 の 行 政 担 当 者 や 地 方 議 会 の 議 員 も 重 要 な 役 割 を 担 っている こうしたさまざまな 立 場 の 関 係 者 (ステークホルダー)が 関 わる 中 医 療 審 議 会 や 下 部 組 織 の 部 会 の 議 論 だけでなく より 多 くのステークホルダーが 参 加 した 場 づくり も よりよい 地 域 医 療 計 画 作 51

りに 有 効 である 2 好 事 例 がん 政 策 サミット( 日 本 医 療 政 策 機 構 市 民 医 療 協 議 会 ) 内 容 : 2009 年 から 2014 年 まで 年 2 回 計 9 回 開 催 がん 対 策 基 本 法 に 基 づいて 都 道 府 県 に 設 置 されている がん 対 策 推 進 協 議 会 の 患 者 委 員 を 中 心 に がん 患 者 団 体 のメンバーが 集 まり 制 度 や 政 策 決 定 のプロセスなど 幅 広 く 学 ぶ 患 者 関 係 者 だけでなく 都 道 府 県 の 行 政 担 当 者 地 方 議 員 医 療 提 供 者 メディア 企 業 関 係 者 も 参 加 して (1) 患 者 関 係 者 (2) 行 政 担 当 者 (3) 政 治 家 (4) 医 療 提 供 者 (5) 企 業 関 係 者 (6)メ ディア 関 係 者 が 六 位 一 体 となって 全 国 の 好 事 例 などを 共 有 することで 各 都 道 府 県 に 持 ち 帰 り よりよいがん 対 策 推 進 条 例 の 制 定 など 都 道 府 県 のがん 政 策 に 関 わる 人 材 育 成 と がん 政 策 の 底 上 げ につながった( 医 療 計 画 策 定 参 画 者 研 修 ガイドライン も 参 照 ) がん 政 策 サミット ( 日 本 医 療 政 策 機 構 市 民 医 療 協 議 会 ) http://ganseisaku.net/gan_summit.html(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 患 者 アドボカシーカレッジ 六 位 一 体 の 協 働 医 療 環 境 の 変 革 には 協 働 が 重 要 に ( 日 本 医 療 政 策 機 構 市 民 医 療 協 議 会 ) http://advocacy-college.net/(2014 年 10 月 4 日 閲 覧 ) 52