待 機 児 童 解 消 に 向 けて 緊 急 的 に 対 応 する 施 策 (3 月 28 日 )への 緊 急 コメント 未 来 を 担 う 子 どもを 社 会 全 体 で 育 むための 財 源 の 確 保 を 求 めます 2016 年 4 月 6 日 保 育 園 を 考 える 親 の 会 安 心 できる 保 育 園 ふやして!2016 チーム 3つの 安 心 =1 子 どもが 安 心 して 育 つことができる 2 親 が 安 心 して 預 けられる 3 保 育 者 が 安 心 して 働 ける 3 月 28 日 に 発 表 された 待 機 児 童 解 消 に 向 けて 緊 急 的 に 対 応 する 施 策 について について 保 護 者 の 視 点 から 次 の2 点 について 意 見 を 表 明 します 1 保 育 士 の 処 遇 改 善 なくして 待 機 児 童 対 策 は 進 みません 恒 久 的 な 財 源 確 保 を 求 めます 2 基 準 の 緩 和 は 子 どもの 安 全 と 発 達 を 脅 かし 保 育 士 の 負 担 増 になります 事 故 愛 着 障 害 の 原 因 となる 保 育 の 質 の 切 り 下 げに 反 対 します * 緊 急 対 策 の 採 点 と 要 望 に 詳 細 なコメントあり < 今 保 育 園 を 考 える 親 の 会 会 員 のまわりで 起 こっていること> 保 育 士 の 人 数 が 足 りなくて 新 規 施 設 の 開 園 ができない 新 規 採 用 ができず 既 存 施 設 で 定 員 を 充 足 した 保 育 ができない 職 員 が 大 量 退 職 して 新 人 保 育 士 のみになり 4 月 からの 通 常 保 育 ができない ベテランが 少 なく 園 庭 がないのに 散 歩 にもろくに 行 けないなど 子 どもの 発 達 を 保 障 する 保 育 ができない 保 育 士 にゆとりがなく 本 来 子 どもの 目 を 見 て 行 うべき 授 乳 を 哺 乳 瓶 を 持 たせて 乳 児 が 自 分 で 飲 むように 仕 向 ける 保 育 が 行 われている( 公 設 民 営 ) 現 場 に 入 る 保 育 士 の 人 数 の 不 足 現 場 の 保 育 士 のスキルの 総 量 の 不 足 1
1 保 育 士 さんの 処 遇 改 善 なくして 待 機 児 童 対 策 は 進 みません 恒 久 的 な 財 源 確 保 を 求 めます 緊 急 対 策 に 保 育 士 の 処 遇 改 善 が 盛 り 込 まれなかったことは 大 きなショックでした 一 刻 も 早 く 保 育 士 の 処 遇 改 善 のための 財 源 確 保 の 見 通 しを 明 らかにして 保 育 士 の 現 場 離 れをストップしてください! 予 算 編 成 における 子 ども 施 策 の 優 先 順 位 を 上 げる 保 育 所 等 の 間 接 的 な 利 用 者 にあたる 一 般 事 業 主 にも 負 担 を (*1) 2 基 準 の 緩 和 は 子 どもの 安 全 と 発 達 を 脅 かし 保 育 士 の 負 担 増 になります 事 故 愛 着 障 害 の 原 因 となる 保 育 の 質 の 切 り 下 げに 反 対 します 自 治 体 の 保 育 士 上 乗 せ 配 置 等 を 削 ることには 子 どもの 安 全 (*2)と 発 達 を 守 る 立 場 から 反 対 します 子 どもたちの 命 を 脅 かし ホスピタリズム( 施 設 病 )による 愛 着 障 害 を 引 き 起 こす 危 険 性 を 含 んでいます ホスピタリズム: 第 2 次 世 界 大 戦 終 戦 直 後 のヨーロッパの 孤 児 院 等 の 子 どもの 施 設 で 子 どもの 死 亡 率 が 異 常 に 高 く 生 き 残 った 子 どもも 発 達 に 遅 れがあったことが 問 題 になり 施 設 病 (ホスピ タリズム) と 名 付 けられた その 原 因 は 保 育 者 がスキンシップや 応 答 的 な 対 応 など 手 厚 い 保 育 ができていないことにあることがわかった(*3) 調 査 された 施 設 ( 最 新 設 備 の 乳 児 院 )では 看 護 師 1 人 が10 人 の 子 どもを 見 るような 状 態 で 子 どもはほとんど 抱 っこされることもなく 過 ごしてい た 経 験 や 技 術 が 薄 い 保 育 者 が 過 密 な 環 境 で 保 育 を 行 えば これに 近 い 保 育 になる 恐 れは 十 分 にある 都 市 部 の 保 育 所 は 保 育 室 が 狭 い( 面 積 基 準 ぎりぎり) 園 庭 がない(*4) 保 育 時 間 が 長 い(*5)ため 保 育 士 にも 子 どもにも 負 荷 の 大 きい 環 境 がふえています また 施 設 が 現 在 行 っている 運 営 ( 保 育 )の 水 準 を 下 げることは 児 童 福 祉 施 保 育 室 が 面 積 基 準 ぎりぎり 保 育 時 間 の 長 時 間 化 園 庭 がな い 保 育 士 の 負 担 増 子 どもの 環 境 悪 化 設 最 低 基 準 の 規 定 に 違 反 します < 児 童 福 祉 施 設 の 設 備 及 び 運 営 に 関 する 基 準 > 第 1 章 総 則 第 3 条 2 項 都 道 府 県 は 最 低 基 準 を 常 に 向 上 させ るように 努 めるものとする 第 4 条 1 項 児 童 福 祉 施 設 は 最 低 基 準 を 超 えて 常 に その 設 備 及 び 運 営 を 向 上 させなければならない 2 項 最 低 基 準 を 超 えて 設 備 を 有 し 又 は 運 営 を している 児 童 福 祉 施 設 においては 最 低 基 準 を 理 由 と して その 設 備 又 は 運 営 を 低 下 させてはならない 保 育 所 はこれからの 社 会 を 支 えるインフラです(*6) 2
[*を 付 した 事 柄 の 補 足 説 明 ] *1 企 業 主 導 型 保 育 事 業 の 財 源 となっている 事 業 主 拠 出 金 の 活 用 懸 案 の 事 業 主 拠 出 金 の 負 担 率 の 引 き 上 げに 賛 成 します しかし その 増 額 分 は よ り 幅 広 い 企 業 の 従 業 員 が 利 用 できる 認 可 の 保 育 とりわけ 保 育 士 の 処 遇 改 善 に 還 元 す べきです [ 理 由 ] 1 企 業 ( 一 般 利 用 主 )も 認 可 の 保 育 の 利 用 者 である( 大 半 の 労 働 者 は 認 可 の 保 育 を 利 用 している) 2 待 機 児 童 が 最 も 深 刻 な 大 都 市 圏 では 車 通 勤 ができず 事 業 所 内 保 育 所 を 利 用 する と 満 員 電 車 に 子 連 れで 乗 車 しなくてはならないため 保 育 園 を 考 える 親 の 会 でも 子 連 れ 通 勤 は 無 理 が 多 数 派 やむなく 職 場 近 くの 保 育 を 利 用 しても 地 元 の 認 可 に 空 きが 出 れば 転 園 している 3この 財 源 を 認 可 施 設 における 保 育 士 の 処 遇 改 善 に 充 てることは 一 部 の 企 業 の 従 業 員 のみならず より 多 くの 企 業 の 従 業 員 の 就 労 を 支 えることになる 4 認 可 外 の 事 業 所 内 保 育 所 の 補 助 金 にするのであれば 運 営 基 準 を 設 けなくてはなら ない 原 案 では 保 育 士 ではなく 子 育 て 支 援 員 で 保 育 することになっている *2 子 どもは 命 がけで 保 育 されている 保 育 施 設 での 死 亡 事 故 は 増 加 傾 向 にあります( 下 図 は 施 設 が 厚 生 労 働 省 に 報 告 し た 件 数 であり これがすべてではないと 言 われている) 保 育 施 設 内 で 発 生 した 死 亡 事 案 ( 小 保 内 ら 2014 年 )より 上 記 研 究 では 死 亡 事 案 の 検 証 から 次 のことが 指 摘 されています 圧 倒 的 に3 歳 未 満 児 に 多 い 午 睡 中 の 原 因 不 明 死 が 多 く 発 見 時 に うつぶせ の 体 位 だったものが 多 い 1 歳 未 満 児 にあっては 保 育 士 の 配 置 基 準 を 守 れていなかった 事 案 が 多 い 3
なお 裁 判 になっている 保 育 事 故 の 全 容 を 見 ると 背 景 として 保 育 者 の 人 手 の 問 題 ( 午 睡 時 食 事 時 に 目 を 離 していた など) 保 育 者 の 専 門 性 熟 練 度 の 問 題 ( うつぶせ 寝 のリスクを 知 らない など) 保 育 者 のゆとりの 問 題 ( 子 どもが 思 いどおりにならず 放 置 する 虐 待 する など) が 顕 著 になっています *3 ホスピタリズム( 施 設 病 )と 愛 着 障 害 WHO の 委 託 を 受 けて 調 査 を 行 ったアメリカの 小 児 精 神 科 医 ボウルビーは ホスピタ リズムの 原 因 を 保 育 者 が 子 どもに 十 分 にかかわらないことによる 母 性 的 養 育 の 喪 失 ( 愛 着 障 害 )であるとし 子 どもは 栄 養 と 衛 生 だけでは 育 たないことを 明 らかにしま した これは 一 時 3 歳 児 神 話 の 根 拠 ともなりましたが その 後 の 研 究 で 子 ど もは 母 親 以 外 の 複 数 の 養 育 者 との 間 で 愛 着 関 係 を 結 ぶことができることが 明 らかに なっています また 現 在 では 孤 立 した 家 庭 養 育 における 愛 着 障 害 も 懸 念 されるよ うになっています 国 や 自 治 体 の 保 育 施 策 を 考 える 人 は 次 の 点 を 理 解 する 必 要 があります 1) 保 育 士 はこのような 基 礎 知 識 を 発 達 心 理 学 として 学 んで 資 格 をとっている 2) 現 場 が 保 育 士 の 人 手 をなるべく 厚 くしようとする 背 景 には これらの 研 究 の 積 み 重 ねがある 3) 人 数 のみならず 特 定 の 保 育 者 が 継 続 的 安 定 的 に 保 育 にあたる 必 要 があるこ との 理 由 もここにある *4 東 京 23 区 の 保 育 所 ( 認 可 保 育 園 )の 園 庭 保 有 率 93.3% 88.9% 88.5% 86.6% 81.4% 79.6% 78.6% 80.3% 71.4% 70.4% 69.6% 69.4% 63.8% 62.2% 55.9% 47.8% 36.4% 35.6% 35.3% 63.2% 27.7% 22.0% 0.0% 0.0% 0.0% 20 85 代 替 公 園 でも 戸 外 遊 びはできますが 保 育 士 の 負 担 保 育 の 自 由 度 (いつでも 外 に 出 られる) 遊 びの 充 実 度 ( 安 全 管 理 された 遊 具 衛 生 管 理 された 砂 場 安 全 にめい っぱい 遊 べる)が 違 います 4
*5 保 育 時 間 の 長 時 間 化 都 市 部 の 延 長 保 育 の 実 施 率 と1 園 当 たり 延 長 時 間 ( 100 都 市 保 育 力 充 実 度 チェック 各 年 度 調 査 より) 上 表 は 首 都 圏 の 主 要 都 市 および 政 令 指 定 都 市 の 100 市 区 (2009 年 以 前 は 95 市 区 ) における 保 育 所 の 延 長 保 育 の 実 施 率 を 調 べたもの 延 長 保 育 とは 11 時 間 の 標 準 開 所 時 間 を 超 えて 開 所 する 保 育 時 間 のことです 2015 年 度 で 1 園 あたりの 延 長 時 間 の 平 均 は1 時 間 10 分 施 設 によりゼロ 時 間 4 時 間 ( 夜 10 時 ごろまでの 延 長 )のところがあり それらの 平 均 値 東 京 都 内 は9 時 10 時 まで 開 所 する 施 設 が 増 加 しており サラリーマン 家 庭 が 残 業 のために 利 用 するケースが 多 いという 実 態 があります 長 時 間 労 働 の 慣 習 が 保 育 の コスト 保 育 士 の 負 担 を 大 きくしています ワーク ライフ バランスの 推 進 により 縦 長 の 保 育 を 横 長 にしていくことも 待 機 児 童 対 策 の 一 つと 考 えます 5
*6 保 育 所 の 役 割 の 拡 大 保 護 者 の 就 労 を 支 える 共 働 き ひとり 親 家 庭 を 孤 立 させない 地 域 の 在 宅 子 育 て 家 庭 の 支 援 子 どもの 遊 び( 教 育 ) と 生 活 の 場 保 育 所 の 機 能 家 庭 ととも に 育 てる 待 機 児 童 対 策 の ために 機 能 不 全 となる 恐 れ 在 園 児 の 保 護 者 支 援 貧 困 虐 待 懸 念 子 どものセ ーフティネ ット 多 様 な 育 ち を 支 える 障 害 発 達 障 害 アレルギー 教 育 の5 領 域 保 育 所 保 育 指 針 幼 稚 園 教 育 要 領 6