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2) 言 語 能 力 SPACE J では 以 下 の 日 本 語 の 能 力 が 求 められます 文 化 教 育 学 部 教 育 学 研 究 科 経 済 学 部 経 済 学 研 究 科 理 工 学 部 工 学 系 研 究 科 農 学 部 農 学 研 究 科 学 部 生 JLPT N2 以 上 SP

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平成21年9月29日

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2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

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Transcription:

留 学 交 流 の 活 性 化 に 向 けて - 短 期 留 学 と 長 期 留 学 ICU の 場 合 - 国 際 基 督 教 大 学 教 務 部 長 山 口 京 子 Kyoko Yamaguchi 1.はじめに なぜ 留 学 したいのか 留 学 先 として 希 望 する 国 や 大 学 を 選 ぶ 理 由 は 何 か 留 学 中 に 何 を 学 び その 成 果 を 帰 国 後 にどう 活 かそうとしているのか 筆 者 は 現 在 本 稿 を 執 筆 する 一 方 で 上 記 の 内 容 を 英 文 で 綴 った 百 数 十 人 の 学 生 の 意 欲 溢 れるエッセイを 読 i み 面 接 をする 日 々を 送 っている 国 際 基 督 教 大 学 ( 以 下 ICU)では 毎 年 秋 学 期 に 交 換 留 学 派 遣 希 望 者 の 募 集 選 考 を 行 っており 書 類 選 考 の 後 学 期 終 了 後 の 秋 休 み 期 間 中 ( 例 年 11 月 下 旬 から 12 月 はじめ)に 面 接 を 実 施 しているのである ICU は 国 際 的 社 会 人 としての 教 養 をもって 神 と 人 とに 奉 仕 する 有 為 の 人 材 を 養 成 し 恒 久 平 和 の 確 立 に 資 すること を 目 的 として 1953 年 に 献 学 された 大 学 名 に 示 される 通 り 国 際 性 への 使 命 (I) キリスト 教 への 使 命 (C) 学 問 への 使 命 (U)の 3つを 掲 げ 実 現 に 努 めてきた その 内 国 際 性 への 使 命 達 成 に 向 けた 努 力 の 一 環 と して 国 際 教 育 交 流 プログラムの 内 容 を 充 実 させ 諸 外 国 の 大 学 との 学 生 交 流 の 促 進 に 注 力 している 現 在 21 カ 国 63 大 学 との 間 で 学 生 を 交 換 するほか 英 語 研 修 を 含 む さまざまな 短 期 留 学 プログラムを 実 施 し 学 生 がそれぞれの 学 びの 計 画 のなかで 海 外 留 学 の 機 会 を 取 り 入 れられるよう 環 境 を 整 えている なかでも 交 換 留 学 プログラムは 1960 年 代 はじめに 開 始 され 本 学 の 国 際 教 育 交 流 プ ログラムの 中 核 を 担 ってきた 学 生 の 多 様 なニーズに 応 えるべく 年 月 とともに 派 遣 先 の 選 択 肢 を 増 やし 多 くの 学 生 を 送 り 出 してきたが 2005 年 頃 から 派 遣 数 は 減 少 傾 向 にあった 若 者 の 内 向 き 志 向 がメディアに 取 り 上 げられる 時 期 に 重 なり 国 際 性 を 旨 とする 本 学 でも 海 外 に 学 生 の 目 が 向 かなくなったのかと 懸 念 する 状 況 にあった が 現 在 留 学 中 の 2011-12 年 度 派 遣 学 生 においてその 数 を 大 幅 に 増 やすことができた 本 稿 では 背 景 にある 短 期 留 学 プログラムについて 長 期 の 交 換 留 学 プログラムとと もに 概 観 し 短 期 留 学 と 長 期 留 学 のつながり 留 学 プログラム 活 性 化 に 向 けた 短 期 留 学 プログラムの 可 能 性 について 考 察 する 2. 短 期 留 学 プログラムの 概 要 本 学 が 実 施 する 短 期 留 学 プログラムの 第 一 として 海 外 英 語 研 修 プログラム(Study English Abroad Program 略 称 SEAプログラム) がある 日 英 両 語 によるバイリンガ ルなリベラルアーツ 教 育 を 行 う 本 学 では 4 月 入 学 の 学 生 には 英 語 教 育 プログラム (ELP: English Language Program) 9 月 入 学 の 学 生 には 日 本 語 教 育 プログラム(JLP: Japanese Language Programs)の 履 修 を 卒 業 要 件 として 求 めている ii ELPは 1 年 次 と2 年 次 で 計 22 単 位 を 課 し 英 語 力 の 向 上 と 同 時 に 本 学 で 効 果 的 に 学 ぶためのアカ デミックな 能 力 と 批 判 的 思 考 力 を 養 う SEAプログラムは この 内 4 単 位 を 夏 期 休 暇 中 1

に 海 外 で 集 中 的 に 学 ぶものであり 1 年 次 対 象 のフレッシュマン SEA プログラムでは 6カ 国 10 大 学 に 210 名 2 年 次 対 象 のソフォモア SEA プログラムでは3カ 国 4 大 学 に 60 名 の 定 員 枠 のもと 学 生 を 派 遣 している 参 加 者 には 英 語 圏 での 生 活 のなかで 日 常 的 なコミュニケーション 能 力 を 伸 ばしながら 異 なる 文 化 や 考 え 方 を 理 解 すること 自 身 がマイノリティとなる 経 験 を 通 して 自 分 を 知 り 内 面 的 に 成 長 することが 期 待 さ れている 夏 期 休 暇 中 の 短 期 留 学 プログラムとしては ほかに カリフォルニア 大 学 (UC)サ マーセッションズ と イギリス 文 化 研 究 がある 前 者 は カリフォルニア 大 学 バ ークレー 校 またはロサンゼルス 校 iii で 開 講 される6 週 間 のサマーセッションにて5 単 位 以 上 の 科 目 を 履 修 するプログラムで 取 得 した 単 位 は 審 査 の 上 本 学 に 編 入 され る また 後 者 は 教 養 学 部 の 授 業 科 目 (3 単 位 )として 開 講 されるもので ケンブリ ッジ 大 学 の4 週 間 の 夏 期 講 座 に 参 加 し 歴 史 文 学 国 際 政 治 科 学 史 など 幅 広 い 分 野 に 亘 るコースのなかから2コース 以 上 を 履 修 するプログラムである 2011 年 度 より ケンブリッジ 大 学 の 英 語 要 件 が 大 きく 引 き 上 げられ 参 加 可 能 な 学 生 が 限 定 される 結 果 となったことから 2012 年 度 からはリーズ 大 学 を 新 たな 派 遣 先 に 加 え テーマの 選 択 肢 を 広 げるとともにより 多 くの 学 生 を 派 遣 できるよう 準 備 を 進 めているところで ある SEAプログラムが 英 語 研 修 を 主 な 目 的 とするのに 対 し いずれのプログラム も 専 門 の 学 びが 可 能 となっており 2 年 生 以 上 の 学 生 が 参 加 できる 以 上 のプログラムは 教 務 部 国 際 教 育 交 流 グループで 運 営 するものであるが 本 学 で は これ 以 外 にも 短 期 の 留 学 / 海 外 体 験 の 機 会 を 提 供 している 海 外 フランス 語 研 修 国 際 サービス ラーニング 海 外 日 本 語 教 育 実 習 など 単 位 付 与 をともなうプログラム のほか アメリカの 国 立 公 園 でインターンシップを 行 う U.S. National Park Internship や 平 和 研 究 所 主 催 のフィールドトリップ 宗 務 部 主 催 のタイ ワークキャ ンプなど 多 様 な 学 びの 場 が 用 意 されている 3. 交 換 留 学 の 考 え 方 および 現 状 本 学 の 交 換 留 学 プログラムは1 年 間 の 派 遣 が 基 本 であり 2012-13 年 度 は 21 カ 国 63 大 学 の 協 定 校 に 合 計 142 名 の 定 員 のもとで 募 集 を 行 っている 交 換 留 学 に 加 えて ア メリカの 非 営 利 教 育 団 体 CIEE および IES が 世 界 各 地 の 大 学 と 提 携 して 実 施 する 海 外 留 学 プログラム や アジアキリスト 教 大 学 協 会 (ACUCA: Association of Christian Universities and Colleges in Asia)の 加 盟 大 学 間 で1 学 期 間 学 生 を 交 換 する ACUCA Student Mobility Scheme にも 学 生 を 派 遣 しており 1 学 年 の 入 学 定 員 620 名 に 対 し て 5 人 に1 人 以 上 の 枠 を 準 備 している 交 換 留 学 希 望 者 には 学 力 語 学 力 留 学 目 的 の 現 実 性 および 具 体 性 文 化 の 紹 介 者 としての 資 質 および 社 会 的 適 応 性 等 に 関 して 書 類 選 考 と 面 接 選 考 による 審 査 を 行 う 2 年 次 の 冬 学 期 または3 年 次 の 春 学 期 から 留 学 が 可 能 な 一 部 の 早 期 派 遣 プログラ ム(オセアニア 地 域 フィリピン 韓 国 チリの 協 定 校 で 実 施 )を 除 き 3 年 次 (ま たは4 年 次 以 上 )の 秋 学 期 から1 年 間 (3 学 期 間 )の 派 遣 となる 留 学 先 で 取 得 した 単 位 は 審 査 により 最 大 30 単 位 までを 認 定 しており 1 年 間 の 留 学 を 含 めて4 年 間 での 卒 業 が 可 能 となっている 2

教 養 学 部 1 学 部 のもとに 文 系 理 系 あわせて 30 以 上 のメジャーを 提 供 する 本 学 の 教 育 内 容 に 従 い 各 協 定 校 への 留 学 は 原 則 として 全 ての 分 野 に 開 かれており 留 学 先 で 別 の 角 度 から 自 身 の 専 門 分 野 の 学 びを 深 めたいという 学 生 の 希 望 に 応 えている 英 語 を 母 語 としない 国 の 一 部 の 大 学 を 除 いて 派 遣 先 では 予 備 教 育 等 を 受 けることなく 正 規 の 課 程 で 現 地 の 学 生 と 同 じ 授 業 を 取 ることになる そのため 4 月 入 学 の 学 生 に ついては 1 2 年 次 の ELP を 通 して 一 定 の 英 語 力 と 英 語 での 授 業 に 対 応 できるスキ ルを 身 につけることが 求 められる 学 力 および 語 学 力 の 指 標 として GPA 3.00 以 上 TOEFL 79 (ibt)/ 550 (PBT) 以 上 または IELTS (Academic Module) 6.0 以 上 (6.5 以 上 が 望 ましい)を 応 募 の 基 準 としており 協 定 校 によってはこれより 高 い 基 準 を 設 定 し ている はじめに 述 べた 通 り 2005 年 頃 より 交 換 留 学 プログラムへの 応 募 者 参 加 者 は 減 少 傾 向 にあり 最 も 多 いときで 100 名 前 後 いた 参 加 者 が 60 名 ~70 名 前 後 に 減 り 2010-11 年 度 には 50 名 を 下 回 る 結 果 となった 経 済 状 況 の 悪 化 や 就 職 活 動 の 早 期 化 長 期 化 な ど 背 景 として 想 像 できる 要 因 は 複 数 あり 3 年 次 秋 からの1 年 間 の 留 学 という 考 え 方 そのものに 見 直 しが 必 要 ではないかという 教 員 の 声 もあった そのような 状 況 の なか 留 学 希 望 者 減 の 理 由 を 把 握 し プログラムの 活 性 化 につなげるべく 2008 年 4 月 と 2010 年 4 月 に 学 生 意 識 アンケート 調 査 を 実 施 した iv 2008 年 度 の 調 査 (2 年 生 以 上 対 象 )では 交 換 留 学 プログラムに 参 加 しなかった もしくは 参 加 を 考 えていないと 答 えた 学 生 にその 理 由 ( 複 数 回 答 可 )を 尋 ねたところ ICU での 学 び 生 活 を 重 視 したい (28.7%) 経 済 的 に 困 難 (28.4%) 参 加 に 必 要 な 成 績 を 修 めることができるかどうか 心 配 ( 23.6%) 就 職 活 動 を 重 視 したい (20.8%)という 回 答 が 上 位 を 占 めた また 2010 年 の 調 査 (2 年 生 以 上 対 象 )では 交 換 留 学 への 参 加 を 検 討 するに 当 たって 気 になることや 心 配 事 は 何 か( 複 数 回 答 可 ) という 質 問 に 対 し 費 用 負 担 (52.6%) 就 職 活 動 (44.1%) 応 募 選 考 基 準 の 成 績 (43.0%) 卒 業 時 期 (4 年 間 で 卒 業 できるかどうか) (38.4%) 応 募 選 考 基 準 の 英 語 能 力 (33.8%)と 回 答 する 学 生 が 多 かった 2 回 のアンケートで 質 問 項 目 や 回 答 の 設 定 を 変 更 したため 厳 密 な 比 較 分 析 はで きないが 本 学 での 学 びにより 重 きを 置 く あるいは 心 配 する 声 とあわせて 就 職 活 動 や 費 用 負 担 成 績 や 英 語 能 力 などの 応 募 基 準 に 不 安 を 覚 えて 留 学 をためらう 学 生 が 多 いことがわかった これらのアンケート 結 果 などを 踏 まえて 国 際 教 育 交 流 グルー プを 中 心 に 留 学 に 向 けた 学 生 への 働 きかけを 強 化 した 結 果 2011-12 年 度 には 応 募 者 が 前 年 度 比 で 75% 増 え これまでで 最 多 となる 100 名 超 の 学 生 を 派 遣 することができ た 4. 有 機 的 継 続 的 な 留 学 サポート 派 遣 学 生 増 に 向 けて 特 別 な 処 方 箋 があったわけではない 教 員 や 関 係 スタッフ 間 で 問 題 を 共 有 し 学 生 への 情 報 提 供 の 機 会 を 増 やし 多 面 的 継 続 的 なサポートを 行 っ たことが 功 を 奏 したものと 評 価 している 教 員 アドヴァイザー v や 授 業 の 担 当 教 員 自 らの 関 心 分 野 の 教 員 からの 助 言 を 得 て 交 換 留 学 に 応 募 する 学 生 は 従 来 から 一 定 数 見 られたが 教 授 会 等 を 通 じて 上 記 のアンケート 結 果 を 近 年 の 派 遣 実 績 とともに 報 告 し 3

問 題 を 共 有 することで 以 前 にも 増 して 具 体 的 な 教 員 からの 働 きかけがなされている と 認 識 している 国 際 教 育 交 流 グループからの 情 報 提 供 は 新 入 生 オリエンテーションに 始 まり 毎 学 期 説 明 会 を 実 施 し 交 換 留 学 応 募 の 時 期 に 当 たる 秋 学 期 には 留 学 から 帰 国 した 学 生 による 報 告 会 を 複 数 回 開 催 している 同 じく 帰 国 留 学 生 にボランティアで 依 頼 する 留 学 相 談 の 時 間 もよく 利 用 されており 先 輩 の 言 葉 が 与 える 影 響 は 大 きい また 本 学 では 学 内 の 寮 で 受 入 れ 留 学 生 と 生 活 をともにする 学 生 が 多 く 日 本 での 彼 らの 留 学 への 向 き 合 い 方 に 刺 激 され 留 学 を 志 す 学 生 も 少 なくない これを 受 け 昨 年 度 から 受 入 れ 留 学 生 による 協 定 校 の 説 明 会 や 相 談 対 応 の 時 間 を 設 け 寮 生 以 外 の 学 生 にも 彼 らと 留 学 について 話 せる 機 会 を 提 供 している さらに 教 員 による 留 学 説 明 会 も 開 始 し 今 年 度 は カリフォルニア 大 学 ミドルベリー 大 学 ロンドン 大 学 アジア アフリカ 学 院 (SOAS) ベルリン 自 由 大 学 に 深 く 関 わりのある 教 員 および 関 係 者 の 協 力 を 得 て 個 々の 大 学 の 紹 介 とあわせて 米 国 の 州 立 総 合 大 学 ならびに 小 規 模 リベラルアーツ 大 学 英 国 および 欧 州 の 大 学 で 学 ぶことの 意 味 を 伝 える 場 とした こうして 情 報 提 供 の 機 会 を 増 やすことで 長 期 の 留 学 に 向 けた 学 生 の 不 安 を 解 消 し それを 上 回 る 留 学 の 価 値 を 示 すことを 心 がけている ICUでの 学 びのなかでの 留 学 の 位 置 付 け(メジャー 選 択 vi や 単 位 編 入 卒 業 要 件 との 関 わり) 費 用 負 担 や 就 職 活 動 等 上 述 のアンケートで 学 生 が 交 換 留 学 のデメリット として 感 じている 事 項 に 対 応 す るため 関 係 部 署 間 vii で 情 報 交 換 の 機 会 を 増 やし 連 携 して 説 明 会 を 開 催 し 多 面 的 に 助 言 支 援 を 行 うこととした また 英 語 能 力 の 応 募 基 準 については 従 来 開 催 し ていたTOEFL 説 明 会 に 加 えてIELTS 説 明 会 や 対 策 講 座 を 実 施 すると 同 時 に ELP 主 任 が 両 テストの 内 容 を 説 明 し 準 備 を 促 す 場 も 設 けた 教 職 員 や 先 輩 学 生 受 入 れ 留 学 生 や 学 内 外 の 関 係 者 による 働 きかけを 続 けた 結 果 2012-13 年 度 交 換 留 学 プログラムにはさらに 多 くの 応 募 者 があった 留 学 生 数 減 少 の 事 実 を 受 け 止 め 有 機 的 継 続 的 なサポート 体 制 のあり 方 を 見 直 したことにより 学 生 一 人 一 人 が 留 学 を 自 身 の 可 能 性 としてとらえられる 環 境 が 改 めて 醸 成 されたも のと 考 えている 5. 短 期 留 学 と 長 期 留 学 のつながり- 留 学 交 流 の 活 性 化 に 向 けた 短 期 留 学 への 期 待 - 長 期 留 学 の 不 安 を 軽 減 し 動 機 付 けの 役 割 を 果 たすことにおいては 短 期 留 学 の 存 在 が 非 常 に 大 きい 本 学 では 例 年 SEA プログラム 参 加 者 で 交 換 留 学 に 応 募 する 学 生 の 割 合 が 高 いが 2011-12 年 度 に 留 学 中 の4 月 入 学 生 のなかで1 年 次 または2 年 次 SEA プログラムに 参 加 した 学 生 は 約 6 割 を 占 める これに 他 の 短 期 留 学 プログラムや 海 外 ボランティアなどを 加 えると 交 換 留 学 応 募 者 の 大 半 が 何 らかの 海 外 体 験 をもってお り 選 考 の 過 程 で 異 文 化 との 出 会 いや 海 外 で 生 活 することへの 自 信 英 語 能 力 の 向 上 新 たな 学 びへの 意 欲 等 短 期 の 海 外 滞 在 で 得 たことが 交 換 留 学 を 考 えるきっかけ となったと 語 る 学 生 は 実 に 多 い 前 項 で 述 べた 交 換 留 学 への 応 募 を 奨 励 する 試 みのな かでは SEA プログラム 等 の 短 期 プログラムに 参 加 した 学 生 にさらなる 留 学 の 機 会 に ついて 積 極 的 に 呼 びかけたが これも 学 生 たちの 意 識 を 高 める 上 で 効 果 的 であった 4

今 年 度 より 日 本 学 生 支 援 機 構 (JASSO)が 開 始 した 留 学 生 交 流 支 援 制 度 ショートビ ジット(SV)プログラム は 短 期 留 学 プログラムへの 参 加 を 次 の 海 外 留 学 への 関 心 に 結 びつけることを1つのねらいとしている 本 学 では 申 請 したプログラムの 内 カリフォルニア 大 学 (UC)サマーセッションズ ならびに カリフォルニア 大 学 秋 学 期 冬 学 期 派 遣 プログラム viii が 採 択 を 受 けた 申 請 採 択 の 時 期 と 留 学 プログ ラム 実 施 時 期 との 関 係 から 支 援 の 決 定 によりプログラム 参 加 者 を 増 やすことはでき なかったが UCサマーセッションズ 参 加 者 で 奨 学 金 を 受 けた 学 生 8 名 の 内 半 数 以 上 が 2012-13 年 度 の 交 換 留 学 プログラムに 応 募 中 である 今 後 も 長 く 支 援 が 継 続 され 学 生 の 間 で 奨 学 金 の 存 在 が 認 知 されることにより 短 期 留 学 参 加 者 が 増 えることを 期 待 している 本 学 では 次 年 度 に 向 けて 申 請 の 幅 を 広 げることを 検 討 中 であるが 一 方 で 申 請 時 期 や 運 用 方 法 等 についてJASSOと 大 学 との 間 でさらなる 意 見 交 換 の 機 会 が もたれ 奨 学 金 がより 効 果 的 に 活 用 されることを 願 っている もとより 短 期 留 学 は 個 人 にとっての 短 期 の 経 験 のみで 終 わるものではない 本 人 のなかでは 長 期 に 生 き 続 ける 体 験 であり その 後 の 長 期 留 学 への 動 機 付 けともなるものである また 留 学 先 で 出 会 った 他 国 の 学 生 の 日 本 留 学 への 関 心 につ ながることもある 帰 国 後 に 自 身 の 異 文 化 体 験 から 受 入 れ 留 学 生 に 積 極 的 に 関 わる ようになる 学 生 も 多 い 後 輩 学 生 の 短 期 長 期 の 留 学 に 結 びつくこともあるで あろう 一 人 一 人 の 学 生 の 短 期 留 学 を 有 限 のものに 終 わらせず 未 来 に 多 方 向 に 広 げる 手 助 けを 行 うことが 大 学 の 役 目 であろう 本 学 では 交 換 留 学 から 帰 国 した 学 生 に 帰 国 報 告 書 の 提 出 を 求 めており これ を 学 内 で 公 開 している 先 述 の 通 り 2010-11 年 度 の 派 遣 学 生 数 は 少 なかったが 留 学 中 に 起 きた 東 日 本 大 震 災 のために 派 遣 先 で 支 援 活 動 を 行 った 学 生 も 多 く 自 分 自 身 や 日 本 のこと 留 学 の 意 義 について 深 く 考 えさせられたという 報 告 が 多 々 見 られた 本 稿 執 筆 に 当 たって 報 告 書 を 読 み 返 し 留 学 先 で 国 際 情 勢 を 頻 繁 に 意 識 するようにな り 世 界 のことを 知 ると 同 時 に 日 本 を 知 ってもらおうと 思 うようになった 留 学 に 必 要 なのは 自 分 で 課 題 と 解 決 策 を 発 見 し 行 動 する 力 専 門 分 野 の 知 識 が 深 まっ たことはもちろん 自 分 と 向 き 合 えたことが 一 番 の 収 穫 異 なる 視 点 から 分 析 する 力 固 定 観 念 にとらわれない 考 え 方 さまざまな 状 況 に 対 応 する 力 が 得 られ 人 との つながりにより 精 神 的 に 成 長 できた など 学 生 たちの 言 葉 を 通 して 日 本 や 世 界 にと っての 留 学 交 流 活 性 化 の 意 味 を 改 めて 認 識 している より 多 くの 学 生 が 同 様 の 経 験 を 得 られるよう 今 後 も 積 極 的 に 取 組 んでいきたい i 本 学 では3 学 期 制 を 採 用 しており 第 1 学 期 を 春 学 期 第 2 学 期 を 秋 学 期 第 3 学 期 を 冬 学 期 とも 呼 ぶ 本 稿 では 時 期 を 明 示 するため 春 学 期 秋 学 期 冬 学 期 という 呼 称 を 用 いる ii 本 学 では 日 本 の 教 育 制 度 を 経 て 入 学 する 学 生 を4 月 に 日 本 以 外 の 教 育 制 度 を 経 て 入 学 する 学 生 ( 国 内 インターナショナルスクール 出 身 者 を 含 む)を9 月 に 受 入 れている なお 英 語 教 育 プログラ ム (ELP)は 2012 年 度 に 行 われるプログラム 改 革 によりリベラルアーツ 英 語 プログラム (ELA: English for Liberal Arts)に 変 更 となる 予 定 である iii 本 学 の 学 年 暦 とプ ロ グラム 日 程 が 合 わな い ため 2010 年 度 以 降 ロサンゼルス 校 への 派 遣 は 行 っていない 5

iv 2 回 のアンケート 調 査 は いずれも 新 入 生 対 象 のものと2 年 生 以 上 を 対 象 とするものとを 分 け て 実 施 した v 本 学 では 各 学 生 に 専 任 教 員 ( 准 教 授 以 上 )がアドヴァイザーとしてつき 科 目 履 修 や 成 績 等 学 修 上 のさまざまな 問 題 について 相 談 にのり 助 言 を 行 っている なお 交 換 留 学 応 募 に 際 して はアドヴァイザーの 推 薦 状 が 必 要 となる vi 2008 年 度 に 導 入 されたメジャー 制 により 学 生 は 入 学 時 に 専 門 分 野 を 選 ばず 2 年 次 の 終 わ りまでにメジャーを 選 択 することとなった vii 教 務 グループ アカデミックプランニング センター 就 職 相 談 グループ 学 生 グループな どがこれに 当 たる viii 2011 年 度 より 交 換 留 学 協 定 校 のひとつであるカリフォルニア 大 学 の 一 部 キャンパスを 対 象 に 学 期 単 位 の 留 学 を 可 能 とした 就 職 活 動 への 遅 れや 教 職 課 程 履 修 への 影 響 等 から1 年 間 の 留 学 をためらう 学 生 のニーズにも 応 えるものと 期 待 している 6