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Transcription:

資 料 年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して 大 原 さつき * 田 中 謙 The Type of Bullying in School Based on the questionnaire survey for university students OOHARA Satsuki TANAKA Ken Key words : 学 校 いじめ 大 学 生 回 顧 調 査 要 旨 本 研 究 は Y 大 学 の 学 生 に 対 して 学 校 段 階 ごとにいじめ 内 容 に 関 する 見 聞 体 験 を 明 らかにするための 質 問 紙 によ る 回 顧 調 査 を 実 施 した その 結 果 学 校 段 階 が 進 むにつれいじめ 内 容 に 関 する 質 的 な 変 化 が 見 られたこと 等 が 明 らかとなった そして 結 果 を 基 に いじめのジェンダー 差 の 存 在 が 認 められるものの 精 神 的 いじめと 身 体 的 いじめという 単 純 なくくりで 見 るのではなく 個 人 の 背 景 にあるものやその 時 の 状 況 等 多 面 的 にみて 対 応 しておく 必 要 があるこ と 従 来 のいじめとの 共 通 性 がみられた ネットいじめ では 媒 体 の 違 いに 留 意 しながらも 従 来 のいじめ 対 応 やいじめ 研 究 で 重 要 だと 指 摘 されている 視 点 や 対 応 策 などを 参 考 にする 必 要 性 があること 等 を 指 摘 した Ⅰ 問 題 の 所 在 と 研 究 目 的 1. 本 研 究 の 目 的 といじめの 現 況 本 研 究 の 目 的 は 性 別 よるいじめ 内 容 の 違 いについて 特 に 女 子 児 童 生 徒 に 着 目 し 女 子 児 童 生 徒 のいじめ 内 容 の 特 徴 を 学 校 段 階 間 の 相 違 や 近 年 課 題 視 されている ネットいじめ の 実 態 を 踏 まえながら 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して 明 らかにすることである 学 校 教 育 における 課 題 の 一 つに いじめ が 挙 げられるが その 内 容 や 発 生 要 因 は 性 別 年 齢 時 代 背 景 等 様 々な 要 因 が 関 わっていると 考 えられる また いじめの 定 義 に 関 しても 文 部 省 文 部 科 学 省 が 示 す 定 義 は 1985( 昭 和 60)~2005( 平 成 17) 年 まで の 自 分 より 弱 い 者 に 対 して 一 方 的 に 身 体 的 心 理 的 な 攻 撃 を 継 続 的 に 加 え 相 手 が 深 刻 な 苦 痛 を 感 じている もの なお 起 こった 場 所 は 学 校 の 内 外 を 問 わない なお 個 々の 行 為 がいじめに 当 たるか 否 かの 判 断 を 表 面 的 形 式 的 に 行 うことなく いじめられた 児 童 生 徒 の 立 場 に 立 って 行 うこと から 2006( 平 成 18) 年 以 降 2014( 平 成 26) 年 現 在 にいたる 当 該 児 童 生 徒 が 一 定 の 人 間 関 係 のある 者 から 心 理 的 物 理 的 な 攻 撃 を 受 けたことに より 精 神 的 な 苦 痛 を 感 じているものとする なお 起 こった 場 所 は 学 校 の 内 外 を 問 わない と 社 会 状 況 に 応 じ て 変 化 しており いじめについて 検 討 する 上 では 社 会 状 況 に 応 じて 検 討 する 視 点 が 求 められると 考 えられる * 山 梨 県 立 大 学 平 成 26 年 度 卒 業 生 (Graduate of Yamanashi Prefectural University, in the Class of 2014) 山 梨 県 立 大 学 (Yamanashi Prefectural University) 76

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して 文 部 科 学 省 が 調 査 した 2013( 平 成 25) 年 度 のいじめの 認 知 件 数 は 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 ( 以 下 高 校 と 表 する) 特 別 支 援 学 校 合 わせて 185,860 件 であり 前 年 2012( 平 成 24) 年 度 198,109 件 より 12,249 件 減 少 したものの 依 然 として 高 い 水 準 にあることがうかがえる また いじめの 認 知 件 数 は 滋 賀 県 大 津 市 で 生 じた 大 津 市 立 中 学 校 におけるいじめ 事 件 問 題 を 受 け 全 国 都 道 府 県 及 び 市 区 町 村 教 育 委 員 会 の 把 握 が 進 んだ 2012 年 度 に 急 増 していることが 読 み 取 れる 2.いじめに 関 する 先 行 研 究 このような 学 校 教 育 における 重 要 課 題 の 一 つとして 着 目 されるいじめに 関 しては 三 島 (2003) 久 保 田 (2012) 等 多 くの 先 行 研 究 が 挙 げられる それらの 先 行 研 究 の 検 討 から 以 下 3つの 特 徴 が 挙 げられる (1) 学 校 段 階 間 による 違 い 第 一 にいじめ 内 容 における 小 学 校 中 学 校 高 校 の 学 校 段 階 間 による 違 いである その 違 いに 関 して まずい じめの 認 知 件 数 が 増 加 し 始 める 時 期 として 小 学 校 高 学 年 が 挙 げられる この 時 期 は 思 春 期 という 複 雑 な 年 齢 で あり 仲 間 との 関 わりにおいて どのような 行 動 をとればよいのか 子 ども 達 は 神 経 をとがらせ 自 分 がその 集 団 のメンバーにどのように 評 価 されているのか 不 安 を 抱 えていることも 多 い ( 有 倉,2011) 時 期 とされる この 不 安 を 拭 うために 互 いの 類 似 性 を 言 葉 で 確 かめ 合 い 仲 間 の 間 で 通 用 する 言 葉 を 作 り 通 用 しないものを 疎 外 する ( 黒 沢 有 本 森,2003) 行 為 が いじめのきっかけの1つとなる 可 能 性 が 考 えられる 次 いでいじめの 内 容 についても 学 校 段 階 間 の 差 異 がある 事 が 指 摘 されている 小 学 校 中 学 校 では 一 番 多 い 内 容 として 冷 やかし からかい ( 小 学 校 の 構 成 比 29.6% 中 学 校 の 構 成 比 29.8%) 高 校 では 暴 力 を 振 るう ( 構 成 比 22.8%), 特 殊 教 育 諸 学 校 では 言 葉 での 脅 し ( 構 成 比 29.1%)がそれぞれ 挙 げられている( 教 育 課 程 審 議 会,2000) 同 様 の 学 校 段 階 間 によるいじめ 内 容 の 相 違 があることについては 久 保 田 (2012) 他 でも 報 告 さ れている いじめ 研 究 を 行 うにあたっては いじめ 内 容 における 小 学 校 中 学 校 高 校 の 学 校 段 階 間 による 違 い に 着 目 する 必 要 性 がある (2)ジェンダー 差 第 二 に 男 子 児 童 生 徒 女 子 児 童 生 徒 間 では いじめ 内 容 の 違 いが 確 認 されている つまりいじめ 内 容 にジェン ダー 差 が 生 じているという 点 である 男 子 児 童 生 徒 女 子 児 童 生 徒 のいじめに 関 する 事 例 として 高 校 2 年 生 時 に 殴 る 蹴 る ビールの 一 気 飲 みを させる お 金 を 奪 う 等 を 受 けた 男 子 生 徒 の 事 例 中 学 3 年 生 時 に 所 有 物 に 悪 口 目 の 前 で 悪 口 等 を 受 けた 女 子 生 徒 の 事 例 が 挙 げられている( 久 保 田,2001) 男 子 児 童 生 徒 のいじめの 特 徴 としては 殴 る 蹴 る といった 暴 力 的 いじめが 多 いとされていること 一 方 で 女 子 児 童 生 徒 は 無 視 悪 口 といった 心 理 的 ないじめが 多 いといった 言 及 がなされている( 三 島,2003 等 ) 三 島 (2003)の 指 摘 からは 男 子 児 童 生 徒 は からかう 冷 やかし 冗 談 からいじめがはじまる おもし ろはんぶん というように いじめ 加 害 者 側 の 児 童 生 徒 にとっていじめを 遊 び と 捉 えている 可 能 性 が 考 えら れる 女 子 児 童 生 徒 においては 無 視 する 仲 間 外 れにする といった 行 為 は 少 人 数 の 仲 良 し 集 団 内 で 行 われる ことが 多 く いじめ 加 害 者 いじめ 被 害 者 等 の 当 事 者 以 外 にはそのいじめの 存 在 が 分 かりにくいと 考 えられる この 違 いについては 上 記 先 行 研 究 等 では いじめの 認 識 や 集 団 の 捉 え 方 による 男 女 の 違 いが 考 えられる との 考 察 がなされているが 実 証 的 な 研 究 はまだ 充 分 になされていとは 言 い 難 い さらに いじめられた 後 どのような 気 持 ちになるのか という 質 問 に 対 し 女 子 児 童 生 徒 は 落 ち 込 んだ 学 校 に 行 きたくなくなった 友 達 が 信 用 できなくなった 不 安 心 配 になった 自 分 がいやになった 等 の 選 択 肢 の 回 答 率 が 男 子 児 童 生 徒 よりも 高 く 女 子 児 童 生 徒 の 方 が 気 持 ちの 落 ち 込 みが 激 しいことがうかがえる( 片 77

年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 岡,2007) このように 女 子 児 童 生 徒 のいじめは 男 子 児 童 生 徒 に 比 して 影 響 が 深 刻 であるとの 示 唆 が 得 られている にも 関 わらず いじめの 存 在 が 分 かりにくいという 傾 向 から これまであまり 研 究 されてこなかったという 課 題 も 挙 げられている(シモンズ,2003) つまり 久 保 田 (2012)が 今 後 は 男 女 のいじめの 違 いをジェンダーの 視 点 から 検 討 する 研 究 が 求 められよう と 述 べているように 今 後 のいじめ 研 究 を 推 進 するにあたってはジェンダーによるいじめ 内 容 の 特 徴 について 明 らかにする 必 要 がある (3) ネットいじめ 第 三 に 挙 げられるのは インターネットを 媒 介 としたいじめに 関 する 報 告 が 2000 年 代 後 半 以 降 複 数 なされて いることである 近 年 ではPC 携 帯 電 話 スマートフォン 等 の 普 及 により メールやWebsite 上 の 掲 示 板 SNS(Social Networking Service) 等 のインターネットを 媒 介 したいじめ 報 告 が 数 多 くなされている 渡 辺 (2008)はこのインターネッ トを 媒 介 したいじめを ネットいじめ と 表 現 しており 本 研 究 もこの ネットいじめ の 用 語 を 用 いる ネットいじめに 関 しては 文 部 科 学 省 もその 実 態 を 問 題 視 しており 携 帯 電 話 やパソコンを 通 じて インターネ ット 上 のウェブサイトの 掲 示 板 などに 特 定 の 子 どもの 悪 口 や 誹 謗 中 傷 を 書 き 込 んだり メールを 送 ったりす るなどの 方 法 により いじめを 行 うもの と 定 義 づけている( 文 部 科 学 省,2008) ネットいじめでは 掲 示 板 やプロフに 誹 謗 中 傷 を 書 き 込 まれた 場 合 同 級 生 は 勿 論 同 級 生 以 外 の 不 特 定 多 数 の 第 三 者 にも 内 容 が 閲 覧 されている(つまり さらされている )ことが 多 くなる そのため 従 来 のいじめ 内 容 に 比 べ 森 田 (1985)のいういじめの 四 層 構 造 における 観 衆 や 傍 観 者 が 圧 倒 的 に 多 くなる 可 能 性 が 高 いのであ る 多 くの 観 衆 や 傍 観 者 に 見 られているという 意 識 つまりは 森 田 清 永 (1994)がいうところの い じめの 劇 場 化 がいじめ 加 害 者 のモチベーションを 高 めることになってしまい いじめがエスカレートしてしま う1つの 要 因 と 考 えられる( 小 倉,2013) ネットいじめはこのように 従 来 のいじめと 異 なる 性 質 をもつ 可 能 性 が ある 今 後 いじめ 研 究 を 行 う 上 では 少 なくとも 上 述 の(1)~(3)の3つの 視 点 から 検 討 する 必 要 があるといえ る そこで 本 研 究 では 学 校 段 階 ごとにいじめ 内 容 の 検 討 を 行 い その 中 で 男 子 児 童 生 徒 女 子 児 童 生 徒 間 でのい じめ 内 容 の 相 違 及 び 近 年 問 題 視 されているネットいじめに 着 目 して 本 研 究 を 行 うこととする Ⅱ 研 究 方 法 本 研 究 では 上 記 研 究 目 的 を 達 するため 大 学 生 を 対 象 とした 回 顧 法 による 質 問 紙 調 査 を 実 施 する 大 学 生 を 対 象 とする 理 由 は 小 学 校 中 学 校 高 校 の 学 校 段 階 間 ごとのいじめの 伝 聞 体 験 目 撃 体 験 について 同 一 人 物 から 一 貫 して 回 答 が 求 められる 点 を 重 要 視 したためである また 本 研 究 対 象 とする 大 学 生 の 多 くが 小 学 校 から 高 校 に 在 籍 していたと 考 えられる 1999( 平 成 11)~ 2013( 平 成 25) 年 度 の 総 務 省 調 査 移 動 体 通 信 ( 携 帯 電 話 PHS)の 年 度 別 人 口 普 及 率 と 契 約 数 の 推 移 によれば 人 口 普 及 率 は 49.3%から 104.2%へ 上 昇 している 本 研 究 対 象 の 大 学 生 は 携 帯 電 話 等 の 普 及 が 広 まった 時 期 と 小 学 校 ~ 高 校 在 籍 時 期 が 重 なるため ネットいじめも 生 じていた 可 能 性 が 否 定 できない そこで 本 研 究 ではこの ネ ットいじめ も 調 査 対 象 とする 78

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して 1. 調 査 内 容 三 島 (2003) 及 び 久 保 田 (2012) 等 を 参 考 にいじめ 内 容 における 男 子 児 童 生 徒 女 子 児 童 生 徒 間 の 特 徴 を 明 ら かにするための 質 問 紙 調 査 を 実 施 する なお 女 子 児 童 生 徒 のいじめの 特 徴 に 関 してはレイチェル シモンズ(2003) 及 び 原 田 (2013)を 参 考 とする 詳 細 は 別 紙 資 料 1を 参 照 のこと 2. 調 査 方 法 予 備 調 査 (1) 調 査 対 象 調 査 対 象 は Y 大 学 N 学 科 4 年 生 25 名 ( 男 性 2 名 女 性 23 名 )である 回 収 数 は 25 部 回 収 率 は 100.0%で あった (2) 調 査 の 実 施 調 査 の 実 施 は 平 成 26 年 度 10 月 中 旬 である Y 大 学 の 学 科 学 生 全 員 集 合 時 に 一 斉 に 配 布 し 個 別 のペースで 回 答 を 求 めた 回 答 は 無 記 名 で 依 頼 した 回 収 はその 場 で 行 った 授 業 終 了 時 に 回 収 ができない 場 合 は 後 日 回 収 箱 に 提 出 を 依 頼 して 回 収 した (3) 調 査 内 容 研 究 者 本 人 が 作 成 したいじめに 関 する 60 項 目 に 対 し 小 学 校 中 学 校 高 校 の 学 校 段 階 ごとに 1. 学 校 内 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 2. 学 校 外 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 3. 学 校 内 外 の 両 方 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 4. 見 た 事 も 聞 いた 事 もない の4 択 から1つの 選 択 を 求 めた 本 調 査 (1) 調 査 対 象 調 査 対 象 は Y 大 学 の 合 計 3 学 部 5 学 科 にそれぞれ 在 籍 する1 年 生 58 名 2 年 生 35 名 3 年 生 24 名 の 合 計 117 名 である 回 収 数 は 117 部 回 収 率 は 81.3% であった (2) 調 査 の 実 施 調 査 の 実 施 は 平 成 26 年 度 10 月 下 旬 ~11 月 中 旬 にかけてである Y 大 学 の5つの 講 義 開 始 時 に 一 斉 に 配 布 し 個 別 のペースで 回 答 を 求 めた 回 答 は 無 記 名 で 依 頼 した 回 収 は3 講 義 についてはその 場 で 行 い 残 り2 講 義 に ついては 授 業 終 了 時 に 回 収 できなかったため 後 日 回 収 箱 に 提 出 を 依 頼 して 提 出 を 求 めた (3) 調 査 内 容 予 備 調 査 の 結 果 を 参 考 に 3 項 目 改 善 を 行 い 新 たにいじめに 関 する 57 項 目 と 自 由 記 述 からなる 質 問 紙 を 作 成 した 回 答 はそれぞれの 項 目 に 対 し 小 学 校 中 学 校 高 校 の 学 校 段 階 ごとに 1. 学 校 内 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 2. 学 校 外 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 3. 学 校 内 外 の 両 方 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 4. 見 た 事 も 聞 いた 事 もない の4 択 から1つの 選 択 を 求 めた 3. 倫 理 的 配 慮 本 調 査 の 際 いじめ 加 害 者 いじめ 被 害 者 等 が 調 査 対 象 に 加 わる 可 能 性 を 考 慮 して いじめに 関 して 見 た 事 79

年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 聞 いた 事 に 関 して 回 答 を 求 める 質 問 紙 を 採 用 した また 質 問 紙 を 配 布 する 際 研 究 目 的 および 回 答 者 の 個 人 回 答 が 特 定 されないよう 統 計 処 理 する 旨 を 説 明 して 回 答 に 対 する 同 意 を 確 認 した 上 で 実 施 した Ⅲ 調 査 結 果 1. 結 果 の 概 要 質 問 紙 を 集 計 した 結 果 以 下 の 結 果 が 得 られた なお 4の 見 た 事 も 聞 いた 事 もない という 項 目 をのぞいた3つの 項 目 の 回 答 結 果 を 中 心 に 載 せ 1. 学 校 内 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 2. 学 校 外 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 3. 学 校 内 外 の 両 方 で 見 た 事 聞 いた 事 があ る のいずれかに 該 当 するものを 本 研 究 では 見 聞 体 験 として 表 記 する Table 1~3 は 男 女 合 計 の 小 学 校 から 高 校 の 学 校 段 階 別 回 答 者 数 をまとめたものである Table 内 の 1~3 の 欄 は それぞれ 1. 学 校 内 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 2. 学 校 外 で 見 た 事 聞 いた 事 がある 3. 学 校 内 外 の 両 方 で 見 た 事 聞 いた 事 がある の 回 答 数 を 示 している 80

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して Table 1 小 学 校 段 階 における 見 聞 体 験 1 2 3 問 1 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 62 5 22 問 2 いじめ 被 害 者 の 悪 口 を 書 いた 手 紙 をクラス 中 に 回 す 35 7 4 問 3 いじめ 被 害 者 に 関 する 事 実 でない 噂 を 流 す 23 5 14 問 4 インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といったコメントをする 5 5 3 問 5 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 54 3 22 問 6 誕 生 日 会 や 遊 びの 機 会 に 誘 わない 39 3 15 問 7 メーリングリスト(LINE 等 )のグループから 外 す 3 2 3 問 8 殴 る 蹴 るなどの 暴 力 行 為 を 行 う 19 3 8 問 9 いじめ 被 害 者 に 自 殺 の 練 習 をさせる 1 3 1 問 10 インターネット 上 にいじめ 被 害 者 の 連 絡 先 等 を 無 断 で 載 せる 0 1 0 問 11 いじめ 被 害 者 に 掃 除 や 課 題 を 押 し 付 ける 19 6 2 問 12 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 62 3 20 問 13 いじめ 被 害 者 の 好 きな 人 付 き 合 っている 人 を 横 取 る 3 2 1 問 14 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 傷 つける( 例 : 教 科 書 を 破 る 等 ) 31 5 6 問 15 いじめ 被 害 者 が 秘 密 にしていた 事 を 周 囲 に 広 める 23 3 9 問 16 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 73 2 18 問 17 クラス 又 はグループ 全 員 でいじめ 被 害 者 がこの 世 からいなくなったかの 様 な 扱 いをする ( 例 :お 葬 式 ごっこ 等 ) 3 3 2 問 18 いじめ 被 害 者 の 口 に 無 理 矢 理 虫 や 汚 物 を 詰 め 込 む 0 1 1 問 19 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 58 1 22 問 20 わざとぶつかる 26 2 6 問 21 いじめ 被 害 者 に 内 緒 でLINEのグループを 作 り 仲 間 外 れにする 3 2 1 問 22 席 の 後 ろから 消 しゴムのカスなどを 投 げる 45 2 6 問 23 弱 みを 握 って 恐 喝 する 3 2 3 問 24 お 金 を 奪 う 4 2 2 問 25 いじめ 被 害 者 が 言 った 覚 えのない 悪 口 を 言 っていたと 他 の 子 に 告 げ 口 をする 33 1 8 問 26 それまで 楽 しそうに 話 していたにも 関 わらず いじめ 被 害 者 が 話 に 入 ろうとすると 途 端 に 態 度 が 変 わる 43 2 16 問 27 LINEやfacebook 等 でブロックやフォロー 外 しをする 2 1 0 問 28 いじめ 被 害 者 になりすましインターネット 上 のプロフィールにあることないことを 書 く 0 3 1 問 29 陰 で 脅 してわざと 大 勢 の 前 で 恥 をかかせる 4 1 1 問 30 いじめ 被 害 者 を 呪 う 儀 式 を 行 う( 例 :いじめ 被 害 者 が 写 っている 写 真 を 刃 物 で 傷 つける 等 ) 3 2 1 問 31 上 履 きの 中 や 座 布 団 の 中 に 画 鋲 をしのばせる 10 5 4 問 32 死 ね ウザイ 消 えろ 等 のひどい 言 葉 を 並 べいじめ 被 害 者 のブログを 荒 らす 3 3 1 問 33 いじめ 被 害 者 にわざと 嘘 の 情 報 を 流 す ( 例 : 集 合 場 所 や 持 ち 物 について 事 実 と 異 なる 情 報 を 流 す 等 ) 3 5 5 問 34 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 捨 てる 10 6 4 問 35 恥 ずかしい 格 好 の 写 真 や 動 画 をばらまく 1 2 2 問 36 友 達 だから と 理 由 を 付 けて 万 引 きに 誘 う 1 2 0 問 37 いじめ 被 害 者 の 名 前 やイニシャルを 示 してインターネット 上 に 悪 口 を 書 く 4 1 4 問 38 パシリ に 使 う( 例 :ご 飯 を 買 ってこさせる 等 ) 10 2 2 問 39 集 団 でいじめ 被 害 者 を 取 り 囲 む 11 4 5 問 40 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 52 1 19 問 41 いじめ 被 害 者 の 周 囲 の 人 間 関 係 を 壊 す 18 1 5 問 42 いじめ 被 害 者 が 嫌 がるようなメール(LINE 等 )を 送 る 6 1 1 問 43 黒 板 にいじめ 被 害 者 の 悪 口 や 個 人 情 報 をかく 9 4 3 問 44 グループ 活 動 の 時 などにわざと 誘 わない 34 4 14 問 45 いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインターネット 上 に 書 く 7 4 2 問 46 いじめ 被 害 者 の 服 を 脱 がせ 写 真 を 撮 る 1 1 0 問 47 いじめ 被 害 者 の 教 科 書 や 机 に バカ 消 えろ 等 と 書 く 15 3 4 問 48 給 食 の 配 膳 の 際 いじめ 被 害 者 の 給 食 の 中 に 唾 やゴミ 等 を 入 れる 0 2 0 問 49 権 限 を 利 用 して 活 動 に 参 加 させない( 例 : 部 長 の 権 限 を 利 用 して 雑 用 ばかり 押 しつけ 実 際 の 活 動 に 参 加 させない 等 ) 1 2 2 問 50 いじめ 被 害 者 の 髪 の 毛 を 無 理 矢 理 切 る 0 2 0 問 51 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 隠 す 30 4 9 問 52 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 盗 む 14 3 4 問 53 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 60 3 27 問 54 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 内 緒 話 をする 46 3 19 問 55 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 49 3 24 問 56 いじめ 被 害 者 の 知 らない 所 で 無 視 をしよう 転 ばせよう 等 のルールを 作 る 36 2 13 問 57 いじめ 被 害 者 を 試 す 様 な 事 をしてからかう( 例 : 架 空 のアイドルを 知 っているか 尋 ねる 等 して 楽 しむ 等 ) 19 1 7 81

年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 Table 2 中 学 校 段 階 における 見 聞 体 験 1 2 3 問 1 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 69 5 23 問 2 いじめ 被 害 者 の 悪 口 を 書 いた 手 紙 をクラス 中 に 回 す 29 5 5 問 3 いじめ 被 害 者 に 関 する 事 実 でない 噂 を 流 す 52 8 16 問 4 インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といったコメントをする 11 7 9 問 5 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 52 4 24 問 6 誕 生 日 会 や 遊 びの 機 会 に 誘 わない 35 4 16 問 7 メーリングリスト(LINE 等 )のグループから 外 す 4 4 4 問 8 殴 る 蹴 るなどの 暴 力 行 為 を 行 う 23 6 8 問 9 いじめ 被 害 者 に 自 殺 の 練 習 をさせる 2 2 1 問 10 インターネット 上 にいじめ 被 害 者 の 連 絡 先 等 を 無 断 で 載 せる 2 2 1 問 11 いじめ 被 害 者 に 掃 除 や 課 題 を 押 し 付 ける 20 3 5 問 12 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 54 4 21 問 13 いじめ 被 害 者 の 好 きな 人 付 き 合 っている 人 を 横 取 る 5 3 4 問 14 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 傷 つける( 例 : 教 科 書 を 破 る 等 ) 32 5 7 問 15 いじめ 被 害 者 が 秘 密 にしていた 事 を 周 囲 に 広 める 29 2 9 問 16 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 63 3 20 問 17 クラス 又 はグループ 全 員 でいじめ 被 害 者 がこの 世 からいなくなったかの 様 な 扱 いをする ( 例 :お 葬 式 ごっこ 等 ) 3 3 0 問 18 いじめ 被 害 者 の 口 に 無 理 矢 理 虫 や 汚 物 を 詰 め 込 む 3 1 0 問 19 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 62 2 25 問 20 わざとぶつかる 25 2 12 問 21 いじめ 被 害 者 に 内 緒 でLINEのグループを 作 り 仲 間 外 れにする 4 2 5 問 22 席 の 後 ろから 消 しゴムのカスなどを 投 げる 36 2 8 問 23 弱 みを 握 って 恐 喝 する 9 1 9 問 24 お 金 を 奪 う 8 2 4 問 25 いじめ 被 害 者 が 言 った 覚 えのない 悪 口 を 言 っていたと 他 の 子 に 告 げ 口 をする 30 2 9 問 26 それまで 楽 しそうに 話 していたにも 関 わらず いじめ 被 害 者 が 話 に 入 ろうとすると 途 端 に 態 度 が 変 わる 49 2 17 問 27 LINEやfacebook 等 でブロックやフォロー 外 しをする 3 4 2 問 28 いじめ 被 害 者 になりすましインターネット 上 のプロフィールにあることないことを 書 く 4 2 1 問 29 陰 で 脅 してわざと 大 勢 の 前 で 恥 をかかせる 7 1 1 問 30 いじめ 被 害 者 を 呪 う 儀 式 を 行 う ( 例 :いじめ 被 害 者 が 写 っている 写 真 を 刃 物 で 傷 つける 等 ) 1 1 0 問 31 上 履 きの 中 や 座 布 団 の 中 に 画 鋲 をしのばせる 8 3 4 問 32 死 ね ウザイ 消 えろ 等 のひどい 言 葉 を 並 べいじめ 被 害 者 のブログを 荒 らす 11 6 6 問 33 いじめ 被 害 者 にわざと 嘘 の 情 報 を 流 す ( 例 : 集 合 場 所 や 持 ち 物 について 事 実 と 異 なる 情 報 を 流 す 等 ) 5 6 3 問 34 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 捨 てる 14 4 3 問 35 恥 ずかしい 格 好 の 写 真 や 動 画 をばらまく 3 2 2 問 36 友 達 だから と 理 由 を 付 けて 万 引 きに 誘 う 3 2 0 問 37 いじめ 被 害 者 の 名 前 やイニシャルを 示 してインターネット 上 に 悪 口 を 書 く 19 3 11 問 38 パシリ に 使 う ( 例 :ご 飯 を 買 ってこさせる 等 ) 13 3 6 問 39 集 団 でいじめ 被 害 者 を 取 り 囲 む 18 6 5 問 40 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 50 3 19 問 41 いじめ 被 害 者 の 周 囲 の 人 間 関 係 を 壊 す 26 2 9 問 42 いじめ 被 害 者 が 嫌 がるようなメール(LINE 等 )を 送 る 11 2 6 問 43 黒 板 にいじめ 被 害 者 の 悪 口 や 個 人 情 報 をかく 8 4 1 問 44 グループ 活 動 の 時 などにわざと 誘 わない 35 4 14 問 45 いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインターネット 上 に 書 く 24 5 12 問 46 いじめ 被 害 者 の 服 を 脱 がせ 写 真 を 撮 る 0 1 1 問 47 いじめ 被 害 者 の 教 科 書 や 机 に バカ 消 えろ 等 と 書 く 20 3 4 問 48 給 食 の 配 膳 の 際 いじめ 被 害 者 の 給 食 の 中 に 唾 やゴミ 等 を 入 れる 3 2 0 問 49 権 限 を 利 用 して 活 動 に 参 加 させない ( 例 : 部 長 の 権 限 を 利 用 して 雑 用 ばかり 押 しつけ 実 際 の 活 動 に 参 加 させない 等 ) 1 1 4 問 50 いじめ 被 害 者 の 髪 の 毛 を 無 理 矢 理 切 る 2 2 0 問 51 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 隠 す 35 3 12 問 52 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 盗 む 16 4 5 問 53 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 62 4 28 問 54 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 内 緒 話 をする 47 3 18 問 55 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 50 5 24 問 56 いじめ 被 害 者 の 知 らない 所 で 無 視 をしよう 転 ばせよう 等 のルールを 作 る 31 4 14 問 57 いじめ 被 害 者 を 試 す 様 な 事 をしてからかう ( 例 : 架 空 のアイドルを 知 っているか 尋 ねる 等 して 楽 しむ 等 ) 15 3 7 82

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して Table 3 高 校 段 階 における 見 聞 体 験 1 2 3 問 1 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 30 10 7 問 2 いじめ 被 害 者 の 悪 口 を 書 いた 手 紙 をクラス 中 に 回 す 3 6 0 問 3 いじめ 被 害 者 に 関 する 事 実 でない 噂 を 流 す 17 9 9 問 4 インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といったコメントをする 9 11 4 問 5 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 24 4 10 問 6 誕 生 日 会 や 遊 びの 機 会 に 誘 わない 16 5 10 問 7 メーリングリスト(LINE 等 )のグループから 外 す 11 6 10 問 8 殴 る 蹴 るなどの 暴 力 行 為 を 行 う 6 7 1 問 9 いじめ 被 害 者 に 自 殺 の 練 習 をさせる 0 3 0 問 10 インターネット 上 にいじめ 被 害 者 の 連 絡 先 等 を 無 断 で 載 せる 0 2 0 問 11 いじめ 被 害 者 に 掃 除 や 課 題 を 押 し 付 ける 6 5 0 問 12 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 21 6 9 問 13 いじめ 被 害 者 の 好 きな 人 付 き 合 っている 人 を 横 取 る 1 5 1 問 14 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 傷 つける( 例 : 教 科 書 を 破 る 等 ) 6 5 5 問 15 いじめ 被 害 者 が 秘 密 にしていた 事 を 周 囲 に 広 める 9 3 9 問 16 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 15 8 7 問 17 クラス 又 はグループ 全 員 でいじめ 被 害 者 がこの 世 からいなくなったかの 様 な 扱 いをする ( 例 :お 葬 式 ごっこ 等 ) 1 2 1 問 18 いじめ 被 害 者 の 口 に 無 理 矢 理 虫 や 汚 物 を 詰 め 込 む 1 1 0 問 19 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 22 4 11 問 20 わざとぶつかる 7 3 2 問 21 いじめ 被 害 者 に 内 緒 でLINEのグループを 作 り 仲 間 外 れにする 9 3 8 問 22 席 の 後 ろから 消 しゴムのカスなどを 投 げる 12 3 2 問 23 弱 みを 握 って 恐 喝 する 2 4 2 問 24 お 金 を 奪 う 6 1 4 問 25 いじめ 被 害 者 が 言 った 覚 えのない 悪 口 を 言 っていたと 他 の 子 に 告 げ 口 をする 6 5 5 問 26 それまで 楽 しそうに 話 していたにも 関 わらず いじめ 被 害 者 が 話 に 入 ろうとすると 途 端 に 態 度 が 変 わる 14 4 10 問 27 LINEやfacebook 等 でブロックやフォロー 外 しをする 6 4 7 問 28 いじめ 被 害 者 になりすましインターネット 上 のプロフィールにあることないことを 書 く 1 3 1 問 29 陰 で 脅 してわざと 大 勢 の 前 で 恥 をかかせる 0 2 0 問 30 いじめ 被 害 者 を 呪 う 儀 式 を 行 う ( 例 :いじめ 被 害 者 が 写 っている 写 真 を 刃 物 で 傷 つける 等 ) 0 1 0 問 31 上 履 きの 中 や 座 布 団 の 中 に 画 鋲 をしのばせる 0 3 0 問 32 死 ね ウザイ 消 えろ 等 のひどい 言 葉 を 並 べいじめ 被 害 者 のブログを 荒 らす 1 4 4 問 33 いじめ 被 害 者 にわざと 嘘 の 情 報 を 流 す ( 例 : 集 合 場 所 や 持 ち 物 について 事 実 と 異 なる 情 報 を 流 す 等 ) 1 4 2 問 34 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 捨 てる 0 3 1 問 35 恥 ずかしい 格 好 の 写 真 や 動 画 をばらまく 0 2 2 問 36 友 達 だから と 理 由 を 付 けて 万 引 きに 誘 う 0 1 0 問 37 いじめ 被 害 者 の 名 前 やイニシャルを 示 してインターネット 上 に 悪 口 を 書 く 9 2 6 問 38 パシリ に 使 う( 例 :ご 飯 を 買 ってこさせる 等 ) 3 5 3 問 39 集 団 でいじめ 被 害 者 を 取 り 囲 む 1 3 2 問 40 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 22 5 10 問 41 いじめ 被 害 者 の 周 囲 の 人 間 関 係 を 壊 す 9 4 2 問 42 いじめ 被 害 者 が 嫌 がるようなメール(LINE 等 )を 送 る 5 2 1 問 43 黒 板 にいじめ 被 害 者 の 悪 口 や 個 人 情 報 をかく 1 3 0 問 44 グループ 活 動 の 時 などにわざと 誘 わない 9 4 9 問 45 いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインターネット 上 に 書 く 10 6 10 問 46 いじめ 被 害 者 の 服 を 脱 がせ 写 真 を 撮 る 1 1 0 問 47 いじめ 被 害 者 の 教 科 書 や 机 に バカ 消 えろ 等 と 書 く 2 2 0 問 48 給 食 の 配 膳 の 際 いじめ 被 害 者 の 給 食 の 中 に 唾 やゴミ 等 を 入 れる 0 1 0 問 49 権 限 を 利 用 して 活 動 に 参 加 させない ( 例 : 部 長 の 権 限 を 利 用 して 雑 用 ばかり 押 しつけ 実 際 の 活 動 に 参 加 させない 等 ) 0 2 1 問 50 いじめ 被 害 者 の 髪 の 毛 を 無 理 矢 理 切 る 1 2 0 問 51 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 隠 す 4 3 5 問 52 いじめ 被 害 者 の 所 有 物 を 盗 む 4 2 4 問 53 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 33 4 22 問 54 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 内 緒 話 をする 17 4 13 問 55 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 33 3 19 問 56 いじめ 被 害 者 の 知 らない 所 で 無 視 をしよう 転 ばせよう 等 のルールを 作 る 6 4 5 問 57 いじめ 被 害 者 を 試 す 様 な 事 をしてからかう ( 例 : 架 空 のアイドルを 知 っているか 尋 ねる 等 して 楽 しむ 等 ) 4 2 5 83

年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 各 段 階 の 見 聞 経 験 の 総 数 をみてみると 小 学 校 段 階 が 1,684 件 中 学 校 段 階 が 1,924 件 高 校 段 階 が 914 件 と なった この 結 果 から 森 田 (2000) 等 が 示 しているように いじめの 認 知 件 数 が 増 加 しはじめる 時 期 が 含 まれる 小 学 校 段 階 そして 中 学 校 段 階 が 高 校 段 階 に 比 べ 見 聞 経 験 の 数 が 多 く 見 られた また 中 学 校 段 階 高 校 段 階 では いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う が 上 位 に 位 置 しているのに 比 べると 小 学 校 段 階 では 先 に 挙 げた 項 目 よりも 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける といった 項 目 がより 上 位 にあっ た このことから 小 学 校 段 階 ではいじめ 加 害 者 の 立 場 にある 者 は 遊 びのつもり 楽 しんでいた といった 感 覚 でいじめ 行 為 を 行 っていることがうかがえることから 三 島 (2003)の 示 すいじめを からかい と 捉 えている 背 景 があるのではないかと 考 えられる 2. 上 位 回 答 項 目 について 1の 結 果 から 小 学 校 段 階 から 高 等 学 校 段 階 それぞれの 回 答 数 についてまとめた 小 学 校 段 階 においては 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする が 93 人 ( 79.5%)で 最 も 多 く 次 に いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う が 90 人 (76.9%)で 2 番 目 に 多 かった 中 学 校 段 階 においては いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う が 97 人 (82.9%)で 最 も 多 く 次 に いじ め 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う が 94 人 (80.3%)で 2 番 目 に 多 かった 高 校 段 階 においては いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う が 59 人 (50.4%)で 最 も 多 く 次 に 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う が 55 人 (47.0%)で 2 番 目 に 多 かった 各 学 校 段 階 いじめ 被 害 者 を 無 視 する いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う いじめ 被 害 者 本 人 のいな い 所 で 悪 口 を 言 う の3 項 目 の 回 答 数 が 多 く どの 学 校 段 階 においても 見 聞 体 験 の 多 い 内 容 であることがうかが える 自 由 記 述 では 特 に いじめ 被 害 者 を 避 ける 下 学 年 もいじめ 加 害 者 に 巻 き 込 む という 回 答 は 小 学 校 中 学 校 高 校 全 ての 学 校 段 階 で 見 られた また 髪 の 毛 を 燃 やす 体 育 ( 柔 道 )の 時 わざと 強 く 技 を 決 める とい った 直 接 生 命 に 関 わる 可 能 性 のある 回 答 もあり いじめの 実 態 の 深 刻 さをうかがわせた 3.いじめのジェンダー 差 について いじめのジェンダー 差 について 調 査 結 果 を 男 女 別 かつ 学 校 段 階 別 に 集 計 した その 結 果 が Table.6~11 であ る 男 子 児 童 生 徒 に 関 しては 小 学 校 段 階 の 男 子 児 童 では いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う が 20 人 (87.0%)で 最 も 多 かった 中 学 校 段 階 の 男 子 生 徒 では いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う が 23 人 (100.0%)で 最 も 多 かった 高 校 段 階 の 男 子 生 徒 では いじめ 被 害 者 本 人 の いない 所 で 悪 口 を 言 う が 16 人 (69.6 %)で 最 も 多 かった 女 子 児 童 生 徒 に 関 しては 小 学 校 段 階 の 女 子 児 童 では 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする が 83 人 (88.3%)で 最 も 多 かった 中 学 校 段 階 の 女 子 生 徒 では いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う が 74 人 (78.7)%で 最 も 多 かった 高 校 段 階 の 女 子 生 徒 では いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う が 43 人 (45.7%)で 最 も 多 かった 各 段 階 別 男 女 別 に 上 位 1 位 ~5 位 の 項 目 をまとめると Table 4 の 様 になる 84

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して Table 4 学 校 段 階 男 女 別 上 位 5 項 目 男 子 児 童 生 徒 女 子 児 童 生 徒 1 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 1 位 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 1 位 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 2 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 1 位 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 3 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 小 学 校 段 階 1 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 4 位 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 5 位 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 5 位 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 5 位 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 5 位 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 5 位 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 1 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 1 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 2 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 2 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 3 位 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 3 位 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 3 位 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 4 位 明 らかにいじめ 被 害 者 を 避 けたり 汚 いもの 扱 いをする 中 学 校 段 階 4 位 いじめ 被 害 者 に 関 する 事 実 でない 噂 を 流 す 5 位 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 4 位 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 4 位 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 4 位 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 4 位 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 1 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 1 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う 2 位 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 2 位 冗 談 で 傷 つく 事 を 言 う 3 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 3 位 いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う 高 校 段 階 4 位 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 4 位 いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう 4 位 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 5 位 いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける 4 位 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 5 位 いじめ 被 害 者 を 無 視 する 5 位 仲 良 しグループから 仲 間 外 れにする 全 段 階 男 女 双 方 に 共 通 してあるのは いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う いじめ 被 害 者 本 人 のいな い 所 で 悪 口 を 言 う いじめ 被 害 者 を 無 視 する の3 項 目 である また 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 では いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う という 項 目 が いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う よりも 上 位 にある 場 合 が 多 いが( 小 学 校 段 階 の 女 子 児 童 を 除 く) 高 校 段 階 では 逆 に 男 女 ともに いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う という 項 目 の 方 が いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う よりも 上 位 にある このことから 高 校 段 階 ではいじめ 被 害 者 本 人 の 知 らない 所 でいじめが 広 まって いる 可 能 性 がより 高 いのではないかということが 考 えられる 特 徴 としては 小 学 校 段 階 の 男 子 児 童 に 関 しては 上 位 に 出 てくる 項 目 は 中 学 校 段 階 高 校 段 階 とさほど 変 わら ないが いじめ 被 害 者 が 傷 つくようなあだ 名 をつける いじめ 被 害 者 の 真 似 をしてからかう が 中 学 校 段 階 高 校 段 階 に 比 べより 上 位 にあることがうかがえる このことからも 三 島 (2003)の 指 摘 通 り 男 子 児 童 生 徒 は いじめと 遊 び の 境 界 線 が 曖 昧 であり 周 囲 との 人 間 関 係 を 築 き 始 めた 小 学 校 段 階 ではその 特 色 が 特 に 強 いの ではないかと 考 えられる 中 学 校 段 階 の 男 子 生 徒 に 関 しては 小 学 校 段 階 から 変 化 し 冗 談 からかい から 悪 口 無 視 といった 項 目 がより 上 位 に 移 動 してきていることがうかがえる 高 校 段 階 の 男 子 生 徒 に 関 しては 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 に 比 べ 見 聞 経 験 の 数 は 減 少 しているが 上 位 に 見 られ る 項 目 は 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 と 共 通 しているものが 多 くある また 選 択 肢 2の 学 校 外 で 見 た 事 聞 いた 事 がある が 男 子 児 童 生 徒 の 全 段 階 の 中 で 最 も 多 くみられることも 特 徴 の 1 つである 小 学 校 段 階 の 女 子 児 童 に 関 しては 同 じ 時 期 の 男 子 児 童 の 上 位 5 項 目 と 比 べてみると 内 容 は 同 じものが 多 いがそ の 値 は 圧 倒 的 に 女 子 児 童 の 方 が 大 きいことがうかがえる いじめが 増 加 し 始 める 時 期 とされる 小 学 校 高 学 年 さらに 集 団 意 識 の 強 い 女 子 児 童 生 徒 これらの 条 件 が 揃 い 今 回 の 様 な 結 果 が 出 たのではないかと 考 えられる 中 学 校 段 階 の 女 子 生 徒 に 関 しては 女 子 生 徒 の 各 段 階 の 中 で いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う いじ 85

年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 め 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う の 総 数 が 最 も 多 かった 小 学 校 段 階 からさらに 集 団 意 識 が 強 まり 自 分 たちの 集 団 に 合 わない 者 を 除 外 さらに 追 い 詰 めようという 意 識 があるのではないだろうかと 考 えられる 高 校 段 階 の 女 子 生 徒 に 関 しては 上 位 5 項 目 の 中 に 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 では 出 てこなかった 仲 良 しグルー プから 仲 間 外 れにする がある このことから 先 にも 述 べたように 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 以 上 に 女 子 同 士 の 集 団 意 識 が 強 くなっているのではないかと 考 えられる 4.ネットいじめ 全 57 項 目 のうち インターネット 等 を 使 った ネットいじめ に 関 連 する 項 目 として 設 定 したものの 結 果 を まとめたのが 以 下 である ここでは 学 校 段 階 ごとで 比 較 を 行 うため 段 階 ごとにまとめた 小 学 校 段 階 においては インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といったコメントをする いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインターネット 上 に 書 く が 共 に 13 人 (11.1%) で 最 も 多 く 次 に いじめ 被 害 者 の 名 前 やイニシャルを 示 してインターネット 上 に 悪 口 を 書 く が9 人 (7.6%) となった 中 学 校 段 階 においては 小 学 校 段 階 と 同 様 いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインタ ーネット 上 に 書 く が 41 人 (35.0%)で 最 も 多 く 次 に いじめ 被 害 者 の 名 前 やイニシャルを 示 してインターネ ット 上 に 悪 口 を 書 く が 33 人 (28.2%) インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といった コメントをする が 27 人 (23.1%)となった 高 校 段 階 においては 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 で 上 位 に 見 られなかった メーリングリスト(LINE 等 )のグル ープから 外 す が 27 人 (23.1%)で 最 も 多 く 次 に いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインターネット 上 に 書 く が 26 人 (22.2%) インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といったコメントをする が 24 人 (20.5%)となった 結 果 から 小 学 校 段 階 の 時 点 ですでに ネットいじめ が 存 在 していることがうかがえる 早 期 からネットで の 繋 がりに 依 存 し いじめへと 発 展 してしまうのはその 後 の 中 学 校 段 階 高 校 段 階 にも 大 きく 影 響 していくので はないかと 考 えられる さらに 小 学 校 段 階 は 全 体 に 占 める 割 合 その 割 合 の 男 女 差 が 中 学 校 段 階 高 校 段 階 に 比 べ 小 さいことがうか がえる これは 携 帯 電 話 の 普 及 がまだ 十 分 でなく 携 帯 電 話 の 使 用 自 体 少 なかったこと ブログ 等 の 使 用 も 現 在 に 比 べるとごく 少 数 だったことからこのような 値 が 出 たのではないかと 考 えられる 中 学 校 段 階 になるとその 値 は 大 きく 増 加 し 男 女 差 も 大 きく 開 いていることがうかがえる また 高 校 段 階 で も 同 様 のことが 言 え 段 階 の 中 の 男 女 差 の 合 計 も 高 校 段 階 が 最 も 大 きい 高 校 段 階 での 携 帯 電 話 の 所 持 は 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 以 上 に 普 及 し(ベネッセ 総 合 研 究 所,2014)それに 伴 い LINE や Facebook 等 の 使 用 も 増 加 し ていることが 大 きく 関 係 しているのではないかと 考 えられる さらに インターネット 上 に 載 せた 顔 写 真 に 対 し きもい ブス といったコメントをする いじめ 被 害 者 の 名 前 は 示 さないが 本 人 と 分 かる 内 容 の 悪 口 をインターネット 上 に 書 く といった 項 目 は 各 段 階 のいずれにおい ても 上 位 にあった ネットいじめ が 増 加 しているのは 事 実 であるが 悪 口 といったいじめ 内 容 は 変 わって いないのではないかと 考 えられる Ⅳ 考 察 アンケート 調 査 を 行 った 結 果 の 考 察 を 全 体 の 特 徴 学 校 段 階 別 の 特 徴 ネットいじめの 特 徴 男 女 のいじ めの 特 徴 という4つの 観 点 でまとめると 以 下 のようになる 86

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して まず 全 体 の 特 徴 に 関 して 各 学 校 段 階 男 女 児 童 生 徒 ともに いじめ 被 害 者 を 無 視 する いじめ 被 害 者 本 人 のいる 前 で 悪 口 を 言 う いじめ 被 害 者 本 人 のいない 所 で 悪 口 を 言 う といういじめ 内 容 が 上 位 3 項 目 であった 後 述 の ネットいじめ などいじめ 内 容 の 変 容 が 一 部 確 認 されたものの 各 学 校 段 階 男 女 児 童 生 徒 問 わず 生 じ やすいいじめ 内 容 が 存 在 することが 確 認 された また 自 由 記 述 から 学 校 現 場 では 髪 の 毛 を 燃 やす 体 育 ( 柔 道 )の 時 わざと 強 く 技 を 決 める といった 直 接 生 命 に 関 わるようないじめ 内 容 が 生 じている 実 態 が 明 らかになった 次 に 学 校 段 階 別 の 特 徴 に 関 して 小 学 校 段 階 では 先 行 研 究 同 様 に いじめを からかい ( 三 島,2003)と 捉 え ている 場 合 が 多 いこと 中 学 校 段 階 ではいじめの 内 容 は 小 学 校 段 階 と 類 似 しているものの 小 学 校 段 階 1,684 件 中 学 校 段 階 1,924 件 高 校 段 階 914 件 といじめの 見 聞 件 数 が 最 も 多 いことが 示 された また 自 由 記 述 でも 小 学 校 段 階 高 校 段 階 に 比 べ 中 学 校 段 階 は 多 様 ないじめの 内 容 が 示 されていた 高 校 段 階 の 大 きな 特 徴 としては 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 に 比 べ 見 聞 経 験 数 は 減 少 しているということ またベ ネッセ 総 合 研 究 所 (2014)に 示 されるように 携 帯 電 話 の 所 持 率 がそれまで 以 上 に 高 いことから 小 学 校 段 階 中 学 校 段 階 に 比 べ メーリングリスト(LINE 等 )のグループから 外 す LINE や Facebook Twitter 等 でブロッ クやフォロー 外 しをする といった 近 年 発 達 した SNS を 使 ったいじめが 多 いことがうかがえる ネットいじめ の 特 徴 に 関 しては 従 来 のいじめ 内 容 と 同 様 悪 口 仲 間 外 れにする といった 内 容 に 関 する 項 目 の 回 答 が 多 数 見 られた また 携 帯 電 話 の 所 持 が 最 も 多 いのは 高 校 段 階 であるが 小 学 校 段 階 からすで に ネットいじめ がみられるという 結 果 が 得 られた ネットいじめ への 対 応 は 小 学 校 段 階 から 必 要 であり 各 学 校 段 階 で 生 じている 状 況 に 対 応 した 小 学 校 から 高 校 まで 一 貫 した 指 導 が 求 められよう 男 女 のいじめの 特 徴 に 関 しては 従 来 の 研 究 に 見 られる 男 子 児 童 生 徒 は 肉 体 的 いじめが 多 く 女 子 児 童 生 徒 は 精 神 的 いじめが 多 い という 結 果 ではなく 男 子 児 童 生 徒 にも 精 神 的 ないじめに 関 する 内 容 が 多 く 見 られた さ らに 殴 る 蹴 る 等 の 暴 力 行 為 を 行 う いじめ 被 害 者 の 髪 の 毛 を 無 理 矢 理 切 る わざとぶつかる いじめ 被 害 者 の 口 に 無 理 矢 理 虫 や 汚 物 を 詰 め 込 む 上 履 きの 中 や 座 布 団 の 中 に 画 鋲 をしのばせる といった 身 体 的 ないじめ に 関 する 項 目 は 従 来 の 先 行 研 究 からすると 男 子 児 童 生 徒 の 方 が 多 いとされるが 今 回 の 調 査 では 女 子 児 童 生 徒 の 方 が 多 く 見 られた 今 回 の 調 査 では 女 性 に 比 べ 男 性 から 得 られる 回 答 数 が 少 なかったため このような 結 果 にな ったとも 考 えられるものの 女 子 児 童 生 徒 から 相 当 数 の 身 体 的 いじめの 見 聞 体 験 数 が 得 られたことは 今 後 のい じめに 関 する 指 導 を 考 えていく 上 で 非 常 に 興 味 深 いといえる Ⅴ 全 体 考 察 および 今 後 の 課 題 本 研 究 では 性 別 よるいじめ 内 容 の 違 いについて 男 子 児 童 生 徒 と 比 較 しながら 女 子 児 童 生 徒 のいじめ 内 容 の 特 徴 を 学 校 段 階 間 の 相 違 や 近 年 課 題 視 されている ネットいじめ の 実 態 を 踏 まえながら 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して 明 らかにすることを 目 的 とした その 結 果 次 の 点 が 明 らかとなった 学 校 段 階 が 進 むにつれ 数 的 な 変 化 と 共 に 質 的 な 変 化 が 見 られたいじめの 学 校 段 階 差 では1つの 学 校 段 階 の みに 着 目 した 対 応 ではなく 学 校 段 階 間 の 繋 がりを 理 解 して 上 で 各 学 校 段 階 に 応 じた 一 貫 した 指 導 が 求 められ るだろう いじめのジェンダー 差 ではその 存 在 は 認 められるものの 精 神 的 いじめと 身 体 的 いじめという 単 純 なくくりで 見 るのではなく 個 人 の 背 景 にあるものやその 時 の 状 況 等 多 面 的 にみて 対 応 しておく 必 要 があるといえよう 従 来 のいじめとの 共 通 性 がみられた ネットいじめ では 媒 体 の 違 いに 留 意 しながらも 従 来 のいじめ 対 応 やいじめ 研 究 で 重 要 だと 指 摘 されている 視 点 や 対 応 策 などを 参 考 に 今 後 の 対 応 を 考 えていくことが 必 要 である といえよう 87

年 報 教 育 経 営 研 究 Vol.1 No.1 2015 pp.76-89 今 後 の 課 題 としては 本 研 究 では 従 来 のいじめ 研 究 で 得 られた 知 見 とは 異 なる 結 果 が 複 数 示 されているため より 詳 細 な 検 討 が 求 められることがあげられる 具 体 的 には 各 学 校 段 階 に 在 籍 している 児 童 生 徒 に 調 査 を 実 施 し 実 態 をより 詳 細 に 検 討 する 必 要 があるといえるだろう 謝 辞 本 論 文 を 作 成 するにあたり アンケート 調 査 に 協 力 して 頂 いた 皆 様 へ 感 謝 の 気 持 ちと 御 礼 を 申 し 上 げ 謝 辞 に かえさせていただきます 付 記 本 稿 は 第 一 筆 者 が 提 出 した 山 梨 県 立 大 学 人 間 福 祉 学 部 学 士 学 位 申 請 論 文 (2014( 平 成 26) 年 1 月 提 出 )を 加 筆 修 正 したものである 引 用 参 考 文 献 1. 森 田 洋 司 (1985) 学 級 集 団 における いじめ の 構 造 ジュリスト 836, 29-35. 2. 森 田 洋 司 清 永 賢 二 (1994) いじめ 教 室 の 病 金 子 書 房. 3.Rachel Simmons 著 鈴 木 淑 美 訳 (2003) 女 の 子 どうしってややこしい! 草 思 社. 4. 渡 辺 真 由 子 (2008) 大 人 が 知 らない ネットいじめの 真 実 ミネルヴァ 書 房. 5. 原 田 恵 理 子 (2013) 高 校 生 におけるネットいじめの 実 態 東 京 情 報 大 学 研 究 論 集 17, 9-18. 6. 小 倉 正 義 金 子 一 史 (2013) ネットいじめを 考 える 子 どもの 心 と 学 校 臨 床 8,60-70. 7. 加 野 芳 正 藤 村 正 司 浦 田 広 明 (2007) いじめの 社 会 学 玉 川 大 学 教 職 専 門 シリーズ 新 説 教 育 社 会 学 96-110. 8. 久 保 田 真 功 (2001) いじめ 被 害 者 の 反 応 様 式 いじめ 解 決 に 至 った 事 例 の 分 析 中 国 四 国 教 育 学 会 教 育 学 研 究 紀 要 47(1),232-237. 9. 久 保 田 真 功 (2002) いじめが 被 害 者 に 及 ぼす 影 響 小 学 生 を 対 象 とした 質 問 紙 調 査 をもとに 教 育 学 研 究 紀 要 48(1),223-228. 10. 久 保 田 真 功 (2008) いじめ 傍 観 者 の 被 害 者 への 援 助 抑 制 理 由 とその 規 定 要 因 に 関 する 分 析 大 学 生 を 対 象 とした 回 顧 調 査 をもとに 子 ども 社 会 研 究 14,17-28. 11. 久 保 田 真 功 (2012) 国 内 におけるいじめ 研 究 の 動 向 と 課 題 -いじめに 関 する3つの 問 いに 着 目 して- 子 ども 社 会 研 究 18,53-64. 12. 三 島 浩 路 (2003) 小 学 校 教 師 がイメージする 男 子 女 子 児 童 の いじめ 名 古 屋 大 学 大 学 院 教 育 発 達 科 学 研 究 科 紀 要 心 理 発 達 科 学 50,123-131. 13. 大 六 一 志 (2014) いじめに 対 する 女 子 大 生 の 意 識 調 査 武 蔵 野 女 子 大 学 紀 要 33,213-217. 14. 片 岡 洋 子 (2007) 女 子 のいじめと 人 間 関 係 教 育,56-63. 15. 片 岡 洋 子 (2007) 女 の 子 の 友 達 関 係 とその 葛 藤 を 考 える 教 育,86-91. 16. 有 倉 巳 幸 (2011) 生 徒 の 仲 間 集 団 の 排 他 性 に 関 する 研 究 鹿 児 島 大 学 教 育 学 部 教 育 実 践 研 究 紀 要 21,161-172. 17. 黒 沢 幸 子 有 本 和 晃 森 俊 夫 (2003) 仲 間 関 係 発 達 尺 度 の 開 発 ギャング チャム ピアグループの 概 念 にそって 目 白 大 学 人 間 社 会 学 部 紀 要 3,21-33. 88

学 校 におけるいじめ 内 容 の 特 徴 に 関 する 研 究 大 学 生 に 対 する 回 顧 調 査 を 通 して 18. 文 部 科 学 省 教 育 課 程 審 議 会 生 徒 指 導 上 の 諸 問 題 の 現 状 について (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/003/toushin/001219.htm) (Last access:2014.12.16) 19. 文 部 科 学 省 ネット 上 のいじめ に 関 する 対 応 マニュアル 事 例 集 ( 学 校 教 員 向 け) (http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/11/08111701/001.pdf) (Last access:2014.12.16) 20. 平 成 25 年 度 文 部 科 学 省 児 童 生 徒 の 問 題 行 動 等 生 徒 指 導 上 の 諸 問 題 に 関 する 調 査 について(3-1) いじめの 認 知 学 校 数 認 知 件 数 (http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/10/ icsfiles/afieldfile/2014/10/16/1351936_01_1.pdf) (Last access:2014.12.16) 21. 総 務 省 Website 移 動 体 通 信 ( 携 帯 電 話 PHS)の 年 度 別 人 口 普 及 率 と 契 約 数 の 推 移 (http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/tool/tokeisiryo/idoutai_nenbetu.html) (Last access:2014.12.16) 22.2014 年 度 ベネッセ 教 育 総 合 研 究 所 子 どもの ICT 利 用 調 査 第 1 章 第 1 節 携 帯 電 話 の 利 用 の 実 態 (http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/ict_riyou/hon/hon1_1.html) (Last access:2014.12.16) 89