社 説 公 的 年 金 見 直 し 低 所 得 者 対 策 を 急 げ 東 京 新 聞 2015 年 1 月 23 日 厚 生 労 働 省 の 審 議 会 がまとめた 公 的 年 金 制 度 の 見 直 しに 関 する 報 告 書 は 給 付 抑 制 の 仕 組 み 強 化 が 柱 で 高 齢 者 に 痛 みを 強 いるものだ 高 齢 者 の 貧 困 が 拡 大 する 中 低 所 得 者 対 策 を 急 ぐべきだ 報 告 書 の 目 玉 は 給 付 を 抑 制 する マクロ 経 済 スライド の 強 化 だ 年 金 額 は 物 価 や 賃 金 の 変 動 率 に 応 じて 毎 年 改 定 されるが 同 制 度 はその 上 昇 分 から 少 子 高 齢 化 を 考 慮 した 分 ( 約 1%)を 差 し 引 く 仕 組 み 二 〇 〇 四 年 改 革 で 導 入 されたが 物 価 が 下 がるデフレ 下 で は 発 動 されないため これまで 実 施 されたことはない この 仕 組 みをデフレ 下 でも 実 施 できるようにするというのだ 物 価 が1% 下 がったら 年 金 は2% 減 額 する 計 算 になる 報 告 書 は 将 来 世 代 の 給 付 水 準 を 確 保 する という 観 点 から 見 直 しの 必 要 性 を 強 調 し ている だが これは 低 年 金 の 高 齢 者 にとっては 非 常 に 厳 しい 例 えば 非 正 規 労 働 者 や 自 営 業 者 らが 加 入 している 国 民 年 金 は 基 礎 年 金 のみで 現 在 四 十 年 間 保 険 料 を 払 った 満 額 でも 月 六 万 四 千 四 百 円 平 均 だと 同 五 万 五 千 円 で 同 四 万 円 未 満 が 五 百 万 人 余 もいる 審 議 会 でも 基 礎 年 金 を 急 激 に 下 げるのは 慎 重 であるべきだ と 危 惧 する 意 見 が 出 ていた 低 年 金 対 策 の 一 環 として 検 討 されていたパートなど 非 正 規 労 働 者 の 厚 生 年 金 への 加 入 条 件 緩 和 は さらに 進 める 必 要 があることに 異 論 はない としながらも 企 業 負 担 も 考 慮 す べきだ と 両 論 併 記 にとどめた 国 民 年 金 から 厚 生 年 金 に 移 れば 収 入 が 少 ない 人 にとっ て 保 険 料 負 担 は 減 り 将 来 の 年 金 額 は 増 えるメリットがある 加 入 条 件 は 一 六 年 秋 から 一 定 緩 和 され 約 二 十 五 万 人 が 新 たに 厚 生 年 金 の 対 象 となることが 決 まっている 非 正 規 労 働 者 が 全 労 働 者 に 占 める 割 合 は38%に 上 る 制 度 改 正 を 前 倒 しした 上 で さらなる 対 象 拡 大 を 進 めることが 喫 緊 だ 併 せて 高 所 得 者 の 基 礎 年 金 の 国 庫 負 担 部 分 である 二 分 の 一 を 減 額 することや 年 金 課 税 の 強 化 も 検 討 されていたが 議 論 は 分 かれている として 先 送 りを 示 唆 している しかし 再 分 配 機 能 を 強 化 するため 早 急 に 結 論 を 出 し 低 所 得 の 高 齢 者 への 年 金 上 乗 せ などの 原 資 に 充 てるべきではないか 政 府 は 来 週 召 集 される 予 定 の 通 常 国 会 に 関 連 法 案 の 提 出 を 目 指 す 老 後 の 生 活 を 支 える 年 金 制 度 のセーフティーネット 機 能 は 強 化 されなければならない
年 金 抑 制 デフレ 下 でも 実 施 二 重 引 き 下 げ へ (2015 年 1 月 22 日 読 売 新 聞 ) 厚 生 労 働 省 の 社 会 保 障 審 議 会 年 金 部 会 は21 日 公 的 年 金 制 度 の 改 革 に 関 する 報 告 書 を 取 りまとめた 年 金 の 抑 制 策 マクロ 経 済 スライド について 将 来 物 価 賃 金 が 下 落 するデフレに なった 場 合 でも 実 施 するよう 塩 崎 厚 生 労 働 相 に 求 めた マクロ 経 済 スライドは 本 来 は 物 価 賃 金 の 上 昇 に 応 じた 年 金 額 の 伸 びについて 一 定 の 割 合 で 小 さくする 仕 組 みだ 現 行 制 度 は デフレ 下 では 適 用 できない 現 在 物 価 賃 金 が 上 昇 しており 政 府 は4 月 から 初 めてマクロ 経 済 スライドを 適 用 する 今 回 の 報 告 書 は 将 来 的 に 再 びデフレになることも 想 定 し 年 金 額 の 抑 制 について 極 力 先 送 りされないようにすることが 重 要 と 結 論 づけた デフレを 理 由 に 先 送 りを 続 けれ ば 年 金 財 政 が 圧 迫 され 現 役 世 代 にしわ 寄 せが 行 くためだ デフレ 下 の 抑 制 が 実 現 した 場 合 物 価 賃 金 の 下 落 分 に 加 え 少 子 高 齢 化 の 進 展 具 合 に 伴 って 一 定 の 割 合 を 引 き 下 げることになる これには 二 重 の 引 き 下 げだ といった 反 発 が 予 想 され 報 告 書 は 国 民 年 金 ( 基 礎 年 金 )には 適 用 しない などの 配 慮 の 必 要 性 も 明 記 した 主 張 年 金 改 革 案 受 給 世 代 も 痛 み 共 有 を 産 経 新 聞 2015.1.23 年 金 制 度 の 足 腰 をより 強 固 なものとするには あらゆる 世 代 が 負 担 を 分 かち 合 うしかな い 厚 生 労 働 省 がまとめた 年 金 制 度 改 革 の 報 告 書 は 人 口 減 などの 影 響 を 勘 案 して 支 給 額 を 自 動 調 整 する 仕 組 み マクロ 経 済 スライド を デフレ 下 でも 実 施 するよう 見 直 す 考 えを 打 ち 出 した すでに 年 金 を 受 け 取 っている 高 齢 者 にも 支 給 額 の 抑 制 という 痛 み を 求 めたことの 意 義 は 大 きく 前 進 だといえよう これまで 改 革 といえば 保 険 料 アップや 膨 大 な 赤 字 国 債 発 行 など 次 世 代 により 多 く のツケを 回 してきた マクロ 経 済 スライドのデフレ 下 での 実 施 は 高 齢 者 に 多 少 我 慢 して もらうことで 将 来 世 代 の 給 付 水 準 が 下 がり 過 ぎないようにするのが 狙 いだ 政 府 は 導 入
を 急 ぐ 必 要 がある 一 方 残 念 だったのは 65 歳 に 向 けて 段 階 的 に 移 行 中 の 支 給 開 始 年 齢 の 再 引 き 上 げを 両 論 併 記 に 終 わらせたことだ 再 引 き 上 げの 代 わりに 浮 上 した 保 険 料 納 付 期 間 を5 年 延 ばし 受 給 開 始 時 期 を 国 民 に 選 択 させる 仕 組 みの 拡 大 案 についても 踏 み 込 めなかった 支 給 開 始 年 齢 の 引 き 上 げは 現 在 の 若 者 世 代 に 痛 み を 求 める 政 策 だ 単 年 度 の 給 付 総 額 が 圧 縮 されて 積 立 金 の 取 り 崩 しペースが 緩 やかになれば 次 の 世 代 の 給 付 水 準 低 下 の 抑 制 につながる しかしながら 引 き 上 げには 国 民 の 人 生 設 計 の 混 乱 を 避 けるため 何 年 もの 期 間 を 要 する 定 年 年 齢 の 引 き 上 げなど 高 齢 者 雇 用 の 充 実 策 もセットで 議 論 しなければならず 引 き 上 げ を 決 めるだけで 相 当 の 労 力 が 必 要 となる ここで 先 送 りしたのでは 高 齢 者 数 がピークを 迎 える2040 年 代 初 頭 の 財 政 安 定 化 策 と して 間 に 合 わない 再 考 を 求 めたい さらに 懸 念 されるのが 政 府 与 党 内 に 改 革 そのものの 先 送 り 論 があることだ 改 革 項 目 の 多 くは 将 来 的 な 安 定 性 を 高 めるものであり これまで 緊 急 性 が 乏 しい と の 理 由 で 見 送 られてきたが 高 齢 化 スピードを 考 えれば いつまでも 先 送 りするわけには いくまい 報 告 書 は 短 時 間 労 働 者 の 厚 生 年 金 への 加 入 拡 大 など 長 年 の 検 討 課 題 についても 盛 り 込 んでいる 安 倍 晋 三 首 相 は 今 度 こそ 強 い 姿 勢 で 骨 抜 き 圧 力 をはね 返 してもらいたい 年 金 抑 制 デフレ 時 は 凍 結 翌 年 度 以 降 に 繰 り 越 し 日 本 経 済 新 聞 2015/1/23 厚 生 労 働 省 は 年 金 支 給 の 抑 制 策 マクロ 経 済 スライド の 発 動 条 件 の 詳 細 を 固 め 政 府 与 党 内 で 調 整 に 入 った 物 価 が 下 落 した 場 合 は 発 動 を 少 なくとも1 年 凍 結 し 翌 年 度 以 降 に 繰 り 越 す 物 価 下 落 分 と 二 重 で 減 額 すると 高 齢 者 の 反 発 が 広 がると 判 断 した 物 価 上 昇 を 待 ち 複 数 年 度 で 抑 制 を 実 現 する 仕 組 みともいえるが デフレが 長 引 けば 現 役 世 代 の 負 担 増 につながる 厚 労 省 は 名 目 下 限 ルールを 維 持 する 場 合 の 見 直 し 案 というペーパーをまとめ 関 係 議 員 などへ 説 明 を 始 めた これによれば 年 金 支 給 額 を1% 程 度 抑 制 するマクロスライド の 発 動 は 物 価 上 昇 時 に 限 る 物 価 下 落 時 は 実 施 せず 翌 年 度 に 繰 り 越 す 物 価 の 伸 びが
小 さく 反 映 しきれない 部 分 は 翌 々 年 度 以 降 に 繰 り 越 す 仕 組 みとする デフレの 年 でも 抑 制 策 を 実 施 するとした 従 来 方 針 を 事 実 上 修 正 した 1 月 召 集 の 通 常 国 会 に 抑 制 策 の 見 直 しを 含 めた 関 連 法 の 改 正 案 提 出 をめざし 調 整 入 りした 公 的 年 金 の 支 給 額 は 物 価 変 動 を 反 映 して 毎 年 改 定 している 物 価 が3% 上 がれば 年 金 額 も3% 上 げる 逆 に3% 下 落 すれば 3% 減 額 する 仕 組 みだ さらに 毎 年 1% 程 度 増 額 を 抑 制 し 上 昇 を 抑 えるマクロスライドという 仕 組 みがある ただし この 仕 組 みは 現 行 法 では 物 価 下 落 時 などには 発 動 できないため これまでは 発 動 実 績 がなかった 年 金 財 政 が 厳 しいため デフレ 時 でも 実 施 できるように 法 改 正 すべきだ との 声 が 強 まっていた 厚 労 省 も 昨 年 まとめた 年 金 財 政 の 検 証 で 物 価 が 下 落 した 時 でも 年 金 額 を 毎 年 必 ず 約 1% 抑 制 する 改 革 案 を 打 ち 出 した だが 今 月 21 日 にまとめた 審 議 会 の 報 告 書 の 記 述 は ( 年 金 額 の 抑 制 が) 極 力 先 送 りされないよう 工 夫 する とトーンが 弱 まっていた 厚 労 省 は 年 金 財 政 の 悪 化 を 防 ぐため マクロスライドの 完 全 適 用 が 必 要 との 立 場 をと ってきた だが 4 月 の 統 一 地 方 選 や 2016 年 の 参 院 選 を 控 えて 与 党 から 物 価 下 落 時 に 抑 制 策 を 発 動 すると 物 価 下 落 分 とマクロスライド 分 の 二 重 減 額 となり 高 齢 者 の 生 活 に 影 響 が 出 る との 声 が 強 まってきたのに 配 慮 したもようだ 新 しい 厚 労 省 案 は デフレ 時 の 年 金 抑 制 は 複 数 年 度 で 進 め 実 質 年 金 額 が 下 がらないよ うにして 単 年 度 ベースでは 激 変 を 緩 和 する 折 衷 案 といえる それでも 与 党 内 には 年 金 の 抑 制 そのものに 反 対 する 声 も 残 っており 調 整 の 行 方 が 注 目 される 介 護 サービス 低 下 招 く 報 酬 2.27% 大 幅 カット 人 員 確 保 に 逆 行 しんぶん 赤 旗 2015 年 1 月 23 日 ( 金 ) 安 倍 内 閣 は 2015 年 度 から 介 護 報 酬 ( 介 護 サービスの 公 定 価 格 )を 全 体 で2 27% 引 き 下 げます 実 質 0 8% 減 だった 前 回 12 年 度 に 続 く 連 続 削 減 で 単 年 度 で 最 大 とな った03 年 度 の2 3% 減 に 匹 敵 する 大 幅 な 切 り 下 げです 危 機 的 な 状 況 に 介 護 職 員 の 処 遇 改 善 (1 65%) 認 知 症 中 重 度 者 対 応 の 加 算 (0 56%)を 加 え た 上 での 介 護 報 酬 削 減 であり 削 減 部 分 は 実 質 4 48%もの 大 幅 引 き 下 げとなります 今 後 については すでに 特 別 養 護 老 人 ホームや 小 規 模 デイサービスの 基 本 報 酬 引 き 下 げ などが 提 案 されています これが 実 施 されると 多 くの 事 業 所 の 経 営 を 直 撃 し 介 護 職 員 の
労 働 条 件 や 介 護 サービスの 後 退 を 招 くことは 必 至 です 全 国 老 人 福 祉 施 設 協 議 会 は 現 在 でも 赤 字 施 設 が3 割 近 くに 及 ぶ 特 別 養 護 老 人 ホームな どでは やむなくボーナスカットや 非 正 規 雇 用 への 切 り 替 え 賃 金 水 準 の 引 き 下 げもあり 得 る 危 機 的 な 状 況 に 陥 る 恐 れがある と 強 調 しています 厚 労 省 は 処 遇 改 善 加 算 によって140 万 人 ( 常 勤 換 算 )に 月 1 万 2000 円 程 度 の 賃 上 げを 見 込 んでいると 説 明 しています しかし 介 護 で 働 く 事 務 職 員 や 理 学 療 法 士 など 約 70 万 人 は 対 象 外 です しかも 加 算 を 得 られるのは 職 務 に 応 じた 賃 金 体 系 や 研 修 の 実 施 子 育 て 支 援 など 労 働 環 境 が 整 っている 事 業 所 だけ 今 でも2 割 弱 の 事 業 所 が 加 算 を 得 られていません 保 険 料 は10% 増 厚 労 省 は 現 状 の 対 応 だけでは 介 護 職 員 が25 年 度 に 約 30 万 人 不 足 すると 推 計 して おり 人 手 確 保 にも 逆 行 することになります 財 務 省 は 報 酬 引 き 下 げによって 介 護 費 を2400 億 円 削 減 でき 利 用 者 の 負 担 軽 減 に なるといいます しかし 一 方 で 保 険 料 は10%もアップします 事 業 者 団 体 などは 介 護 報 酬 全 体 の 底 上 げこそ 処 遇 改 善 をはかる 大 前 提 である ( 全 日 本 民 医 連 )として 公 費 負 担 の 割 合 を 増 やすなど 利 用 者 負 担 とならないような 手 だてをと り 介 護 報 酬 を 引 き 上 げることを 求 めています ( 岩 間 萌 子 )