厚生白書(昭和41年度版)



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5 満 60 歳 以 上 の 祖 父 母 二 親 等 の 直 系 血 族 である 実 父 母 の 実 父 母 若 しくは 養 父 母 又 は 養 父 母 の 実 父 母 若 しくは 養 父 母 をいう 6 満 22 歳 に 達 する 日 以 後 の 最 初 の3 月 31 日 までの 間 にある 弟

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らの 内 容 について 規 定 することとしております 今 回 お 示 しする 整 理 は 現 時 点 の 案 ですので あらかじめご 承 知 おき 下 さい 同 令 等 の 改 正 規 定 が 確 定 し 次 第 改 めてご 連 絡 をさせていただきます 記 1 軽 減 措 置 の 具 体 的 な

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平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

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四 勤 続 20 年 を 超 え30 年 までの 期 間 については 勤 続 1 年 につき100 分 の200 五 勤 続 30 年 を 超 える 期 間 については 勤 続 1 年 につき100 分 の100 2 基 礎 調 整 額 は 職 員 が 退 職 し 解 雇 され 又 は 死 亡 した

( 支 給 制 限 ) 第 4 条 市 長 は 前 条 の 規 定 にかかわらず 給 対 象 者 が 次 の 各 号 のいずれかに 該 当 するとき は 給 金 を 支 給 しないものとする (1) 年 額 405,696 円 以 上 の 公 的 年 金 等 を 受 給 しているとき (2) 生 活

(2) 勤 続 5 年 を 超 え 10 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の140 (3) 勤 続 10 年 を 超 え 20 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の180 (4)

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平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

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育児・介護休業等に関する規則

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4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

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月 収 額 算 出 のながれ 給 与 所 得 者 の 場 合 年 金 所 得 者 の 場 合 その 他 の 所 得 者 の 場 合 前 年 中 の 年 間 総 収 入 を 確 かめてください 前 年 中 の 年 間 総 収 入 を 確 かめてください 前 年 中 の 年 間 総 所 得 を 確 かめ

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

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m07 北見工業大学 様式①

定款

2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

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防府市知的障害者生活協力員紹介事業実施要綱

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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人 に 使 用 される 者 としての 勤 続 期 間 を 当 該 職 員 となつた 者 の 職 員 としての 勤 続 期 間 に 通 算 することと 定 められている 法 人 に 限 る )をいう 3 第 一 項 の 退 職 手 当 通 算 予 定 職 員 とは 任 命 権 者 又 はその 委 任

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

退職手当とは

職 員 退 職 手 当 支 給 規 程 平 成 15 年 10 月 1 日 規 程 第 号 改 正 平 成 17 年 1 月 31 日 規 程 第 17-1 号 改 正 平 成 20 年 12 月 22 日 規 程 第 号 改 正 平 成 22 年 3 月 18 日 規 程

(2) 懲 戒 については 戒 告 は 3 ヵ 月 減 給 は 6 ヵ 月 停 職 は 9 ヵ 月 4 病 気 休 暇 休 職 欠 勤 により 勤 務 しなかった 職 員 が 再 び 勤 務 するに 至 った 場 合 において 他 の 職 員 との 均 衡 上 必 要 があると 認 められるときは

となるため 退 職 をし かつ 引 き 続 き 国 家 公 務 員 等 として 在 職 (その 者 が 更 に 引 き 続 き 当 該 国 家 公 務 員 以 外 の 他 の 国 等 の 機 関 に 係 る 国 家 公 務 員 等 として 在 職 した 場 合 を 含 む )した 後 引 き 続 い

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

省 九 州 地 方 整 備 局 長 若 しくは 宮 崎 県 知 事 に 意 見 を 提 出 することができる ( 役 員 の 任 命 ) 第 8 条 理 事 長 及 び 監 事 は 宮 崎 県 知 事 が 任 命 する 2 理 事 は 理 事 長 が 任 命 する 3 副 理 事 長 は 理 事 長

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5 次 のいずれにも 該 当 する 従 業 員 は 子 が1 歳 6ヶ 月 に 達 するまでの 間 で 必 要 な 日 数 について 育 児 休 業 をするこ とができる なお 育 児 休 業 を 開 始 しようとする 日 は 原 則 として 子 の1 歳 の 誕 生 日 に 限 るものとする (1

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取 り 消 された 後 当 該 産 前 の 休 業 又 は 出 産 に 係 る 子 若 しくは 同 号 に 規 定 する 承 認 に 係 る 子 が 死 亡 し 又 は 養 子 縁 組 等 により 職 員 と 別 居 することとなったこと (2) 育 児 休 業 をしている 職 員 が 休 職 又

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は 1 時 間 ( 年 次 有 給 休 暇 5 日 を 限 度 )とすることができる 2 1 時 間 を 単 位 として 使 用 した 年 次 有 給 休 暇 を 日 に 換 算 する 場 合 は 8 時 間 をもって1 日 とする ( 病 気 有 給 休 暇 ) 第 4 条 規 則 第 20 条

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(2) 保 育 料 等 減 免 措 置 に 関 する 調 書 (3) 地 方 税 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 226 号 ) 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 する 市 町 村 民 税 の 課 税 の 状 況 を 証 明 する 書 類 又 は 生 活 保 護 法 ( 昭 和

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

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資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

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(2) 広 島 国 際 学 院 大 学 ( 以 下 大 学 という ) (3) 広 島 国 際 学 院 大 学 自 動 車 短 期 大 学 部 ( 以 下 短 大 という ) (4) 広 島 国 際 学 院 高 等 学 校 ( 以 下 高 校 という ) ( 学 納 金 の 種 類 ) 第 3 条

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(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

Transcription:

第 1 節 総 説 過 ぐる 大 戦 中 に 軍 人 軍 属 として 動 員 され 戦 没 した 者 負 傷 して 不 具 廃 疾 となつた 者 は200 万 人 をこえて いる これらの 者 は 戦 争 による 最 大 の 犠 牲 者 であり 終 戦 前 においては 戦 没 者 遺 族 戦 傷 病 者 に 対 しては 軍 人 文 官 雇 員 等 の 身 分 に 応 じて それぞれ 恩 給 法 雇 員 扶 助 令 等 により 年 金 等 が 支 給 さ れ 下 士 官 兵 の 遺 族 のうち 生 活 困 難 なものに 対 しては 軍 事 扶 助 が 行 なわれるなど 国 として 手 厚 い 補 償 又 は 援 護 の 手 が 差 し 伸 べられていた 終 戦 を 迎 えて 昭 和 20 年 11 月 に 連 合 軍 最 高 司 令 官 からほとんどす べての 恩 給 を 停 止 する 旨 の 覚 書 が 発 せられると これに 応 じて 政 府 は21 年 2 月 にいわゆるポツダム 政 令 で ある 恩 給 法 の 特 例 に 関 する 件 を 公 布 し いわゆる 軍 人 恩 給 は 少 額 の 増 加 恩 給 ( 障 害 年 金 にあたる 恩 給 )を 除 いて 全 面 的 に 停 止 されることになつた こうして 戦 没 者 の 遺 族 に 対 する 政 府 の 援 護 は 公 的 扶 助 である 生 活 保 護 のみとなり 戦 傷 病 者 に 対 する 援 護 は 恩 給 法 による 少 額 の 増 加 恩 給 ( 普 通 恩 給 の 併 給 は 停 止 されてしまつた )と 生 活 保 護 のみとなつた しかし 国 が 国 家 のために 身 を 捧 げた 者 に 対 し なん らの 措 置 を 講 じないでよいか たとえ 旧 軍 人 恩 給 が 軍 人 等 を 他 の 者 より 優 遇 するものであつたとし ても 全 く 処 遇 しないでよいものかという 問 題 は 占 領 初 期 の 混 乱 がおさまるのに 伴 つて 各 方 面 で 論 議 を 呼 ぶことになつた 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 は こうした 社 会 の 動 向 を 背 景 にして 日 本 の 独 立 を 契 機 として 27 年 4 月 に 制 定 された 当 時 の 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 は 旧 軍 人 恩 給 を 停 止 又 は 制 限 された 旧 軍 人 及 びその 遺 族 と 戦 地 勤 務 の 有 給 嘱 託 員 雇 員 よう 人 工 員 又 は 鉱 員 たる 軍 属 及 びその 遺 族 を 対 象 とし 戦 傷 病 者 に 対 して は 障 害 年 金 更 生 医 療 等 を 支 給 し 遺 族 に 対 しては 遺 族 年 金 及 び 弔 慰 金 を 支 給 するとともに 国 家 総 力 戦 の 名 のもとに 徴 用 された 者 総 動 員 業 務 に 協 力 した 者 戦 闘 に 参 加 した 一 般 邦 人 国 民 義 勇 隊 員 及 び 未 復 員 者 と 同 様 の 事 情 のもとに 抑 留 された 一 般 邦 人 のうち 戦 没 した 者 (これらの 者 を 当 時 は 軍 属 とみ なしていたが その 後 準 軍 属 という 名 称 が 与 えられた)の 遺 族 に 対 して 弔 慰 金 を 支 給 することを 定 めて いた 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 は その 後 約 20 次 にわたる 改 正 を 経 て 現 在 に 至 つている この 間 給 付 内 容 については 一 般 国 民 の 生 活 水 準 の 向 上 及 び 物 価 の 動 向 に 応 じて 増 額 が 行 なわれ 給 付 の 種 類 は 準 軍 属 の 遺 族 に 対 する 年 金 給 付 として 遺 族 給 与 金 及 び 軍 人 軍 属 の 遺 族 に 対 しては 遺 族 一 時 金 が 加 えられるなど 目 ざましい 充 実 を 遂 げている また 援 護 の 対 象 としては 28 年 のいわゆる 旧 軍 人 恩 給 の 復 活 が 行 なわれ 軍 人 の 大 部 分 が 恩 給 法 により 処 遇 されることになつて 激 減 したが 軍 属 については 船 舶 運 営 会 船 員 軍 属 と 同 様 の 状 態 にあつた 満 鉄 職 員 等 及 び 満 州 台 湾 で 勤 務 していた 有 給 軍 属 などが 加 えられ 準 軍 属 については 満 州 開 拓 青 年 義 勇 隊 員 内 地 等 の 有 給 軍 属 及 び 満 州 等 における 動 員 学 徒 な どを 加 えた なお 38 年 には 戦 傷 病 者 援 護 に 関 する 単 独 法 の 制 定 についての 関 係 団 体 の 強 い 要 望 により 議 員 立 法 で 戦 傷 病 者 特 別 援 護 法 が 成 立 し 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 から 戦 傷 病 者 の 更 生 医 療 等 に 関 する 部 分 が 移 し 替 えられた こうして 所 得 面 に 対 する 援 護 を 除 いて これまで 各 法 律 によつて 規 定 されていたも のがこの 法 律 に 集 約 されることになつた 以 上 のような 戦 没 者 の 遺 族 及 び 戦 傷 病 者 に 対 する 援 護 の 措 置 のほか 戦 没 者 の 妻 など 戦 争 以 来 特 別 な 事 情 にあつたと 認 められる 者 の 精 神 的 痛 苦 に 対 して 国 が 特 に 慰 籍 するために 38 年 度 には 戦 没 者 等 の 妻 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 が 41 年 度 には 戦 傷 病 者 等 の 妻 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 が 42 年 度 にお いては 戦 没 者 の 父 母 等 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 が 制 定 されている これらは5 年 ないし10 年 以 内 に 償 還 する 記 名 国 債 で 支 給 されている また 戦 後 20 年 を 経 た40 年 度 には 遺 族 年 金 公 務 扶 助 料 等 を 受 けて いない 弔 慰 金 受 給 者 に 対 してあらためて 特 別 弔 慰 金 を 支 給 するため 戦 没 者 等 の 遺 族 に 対 する 特 別 弔 慰 金 支 給 法 が 制 定 された 過 ぐる 大 戦 の 犠 牲 になつた 者 は 戦 没 した 者 や 不 具 廃 疾 になつた 者 だけではなかつた 軍 人 の 復 員 一

般 邦 人 の 帰 還 が 終 戦 直 後 一 せいに 行 なわれても 海 外 に 抑 留 されて 帰 れない 未 帰 還 者 がいた これらの 者 及 びその 留 守 家 族 も 戦 傷 病 者 や 遺 族 と 同 様 に 悲 惨 な 状 態 にあつたため 28 年 に 未 帰 還 者 留 守 家 族 等 援 護 法 が 制 定 され 未 帰 還 者 が 帰 還 した 場 合 の 援 護 留 守 家 族 に 対 する 留 守 家 族 手 当 の 支 給 などを 行 なつ ている また 34 年 には 未 帰 還 者 に 関 する 特 別 措 置 法 が 制 定 されて 未 帰 還 者 のうち 国 が 消 息 を 明 らかにできない 者 について 厚 生 大 臣 が 民 法 による 失 跡 宣 告 の 請 求 を 行 なうことができるみちが 開 かれ た この 請 求 に 基 づいて 未 帰 還 者 が 戦 時 死 亡 宣 告 を 受 けた 場 合 には 弔 慰 金 を 支 給 することとし この 未 帰 還 者 が 抑 留 中 消 息 を 断 つた 者 である 場 合 などにおいては 恩 給 法 及 び 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 の 適 用 については 公 務 上 の 傷 病 により 死 亡 したものとして 取 り 扱 われることとなつた

第 2 節 戦 没 者 の 遺 族 と 戦 傷 病 者 の 援 護 1 戦 没 者 の 遺 族 の 援 護 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 によつて 戦 没 者 の 遺 族 に 支 給 される 給 付 は 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 遺 族 一 時 金 及 び 弔 慰 金 である 軍 人 軍 属 が 公 務 上 の 傷 病 により 死 亡 した 場 合 は その 遺 族 に 遺 族 年 金 が 支 給 され 準 軍 属 が 公 務 上 の 傷 病 により 死 亡 した 場 合 は 遺 族 給 与 金 が 遺 族 に 支 給 される 昭 和 42 年 3 月 末 現 在 の 受 給 人 員 は 第 11-1 表 のとおりである 第 11-1 表 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 受 給 者 数 軍 人 軍 属 が 日 華 事 変 以 後 の 公 務 傷 病 に 併 発 した 傷 病 により 退 職 後 2 年 ( 結 核 及 び 精 神 病 の 場 合 6 年 ) 以 内 に 死 亡 した 場 合 並 びに 戦 地 勤 務 期 間 6か 月 以 上 の 軍 人 軍 属 が 復 員 後 1 年 ( 結 核 精 神 病 の 場 合 は3 年 ) 以 内 に 死 亡 した 場 合 で 遺 族 年 金 公 務 扶 助 料 等 の 遺 族 給 付 が 行 なわれないときは 遺 族 一 時 金 (10 万 円 )が 支 給 さ れる 39 年 10 月 にこの 遺 族 一 時 金 の 制 度 が 創 設 されてから42 年 3 月 末 までに 軍 人 については1,604 件 軍 属 については90 件 支 給 している 軍 人 軍 属 準 軍 属 が 公 務 上 の 傷 病 又 は 事 変 戦 争 勤 務 に 関 連 する 傷 病 により16 年 12 月 8 日 以 後 に 死 亡 し た 場 合 には その 遺 族 に 対 し 弔 慰 金 ( 軍 人 軍 属 5 万 円 準 軍 属 3 万 円 の10 年 以 内 償 還 年 利 6 分 の 記 名 国 債 )が 支 給 される 27 年 以 来 42 年 3 月 末 までの 支 給 件 数 は 軍 人 については180 万 5,025 件 軍 属 につ いては13 万 6,561 件 準 軍 属 については10 万 4,641 件 総 計 約 205 万 件 に 及 んでいる 戦 没 者 等 の 妻 が 過 ぐる 大 戦 の 敗 戦 に 伴 い 特 別 の 事 情 のもとに 置 かれたという 観 点 から 国 がこれらの 妻 に 対 し 特 別 の 慰 籍 を 行 なうため38 年 3 月 に 戦 没 者 等 の 妻 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 が 制 定 された 支 給 対 象 となる 者 は 日 華 事 変 ぼつ 発 (12 年 7 月 7 日 ) 以 後 の 公 務 上 の 傷 病 により 死 亡 した 軍 人 軍 属 準 軍 属 の 妻 であつて 38 年 4 月 1 日 に 遺 族 年 金 公 務 扶 助 料 等 の 遺 族 給 付 を 受 ける 権 利 を 有 していた 者 である 特 別 給 付 金 は 20 万 円 10 年 以 内 償 還 無 利 子 の 記 名 国 債 で 支 給 される 創 設 以 来 42 年 3 月 末 までの 支 給 件 数 は40 万 4,387 件 である 戦 没 者 等 の 遺 族 に 対 する 特 別 弔 慰 金 支 給 法 は 公 務 上 の 傷 病 により16 年 12 月 8 日 以 後 死 亡 した 軍 人 軍 属 準 軍 属 の 遺 族 であつて 弔 慰 金 を 受 ける 権 利 を 取 得 した 者 に 対 し 同 一 の 戦 没 者 について 遺 族 年 金 公 務 扶 助 料 等 の 遺 族 給 付 を 受 ける 権 利 を 有 する 者 がいない 場 合 に 国 として 弔 慰 のため 特 別 弔 慰 金

を 支 給 するため 40 年 6 月 に 制 定 された 特 別 弔 慰 金 は 3 万 円 10 年 以 内 償 還 無 利 子 の 記 名 国 債 で 支 給 される 42 年 3 月 末 現 在 で14 万 5,002 件 が 支 給 された 軍 人 軍 属 準 軍 属 の 遺 族 に 対 する 援 護 は 27 年 に 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 の 制 定 以 来 逐 次 拡 充 されてきたが 39 年 に 大 改 正 がなされて ほぼ 現 在 の 体 系 ができた 40 年 度 においては 年 金 額 等 の 増 額 措 置 が 行 なわれ 41 年 度 においては 遺 族 の 範 囲 の 拡 大 を 主 とする 改 正 が 行 なわれた 41 年 度 の 改 正 の 第 1 点 は 準 軍 属 の 遺 族 に 対 する 処 遇 の 改 善 である 従 来 準 軍 属 に 関 する 遺 族 給 与 金 の 額 は 軍 人 軍 属 に 関 する 遺 族 年 金 の 額 の5/10とされていたのを 7/10に 引 き 上 げることとした 改 正 の 第 2 点 は 遺 族 の 範 囲 の 拡 大 である 従 来 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 等 を 受 けることができる 父 母 は いずれも 戦 没 者 と 自 然 血 族 又 は 法 定 血 族 の 関 係 にあることが 必 要 とされていたが この 改 正 により 22 年 5 月 3 日 ( 日 本 国 憲 法 の 施 行 に 伴 う 民 法 の 応 急 的 措 置 に 関 する 法 律 施 行 の 日 ) 以 後 に 戦 没 者 が 死 亡 した 場 合 におけるその 継 親 であつた 者 及 び 入 夫 婚 姻 による 妻 の 父 母 であつた 者 戦 没 者 の 事 実 上 の 養 親 等 であつ た 者 のうち 戦 没 者 と 生 計 維 持 又 は 生 計 同 一 の 関 係 にあつたもので 援 護 審 査 会 が 戦 没 者 死 亡 当 時 にお いて 死 亡 した 者 の 父 母 と 同 視 すべき 状 況 にあつたと 議 決 したものに 対 しても 遺 族 年 金 遺 族 給 付 金 を 支 給 することとした 改 正 の 第 3 点 は 戦 没 者 死 亡 後 再 婚 をしたが その 後 相 手 方 と 死 別 した 配 偶 者 に 対 して 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 等 を 支 給 することとしたことである 戦 没 者 の 妻 などが 再 婚 したときは 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 等 は 支 給 されないことになつているが 39 年 の 改 正 により21 年 2 月 1 日 から27 年 4 月 29 日 までの 間 に 再 婚 し 離 婚 により 再 婚 を 解 消 した 妻 などについては 39 年 10 月 分 から 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 等 を 支 給 すること となつた この 改 正 では 旧 軍 人 恩 給 停 止 の 日 から 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 の 施 行 の 日 の 前 日 (21 年 2 月 1 日 から27 年 4 月 29 日 まで)の 間 に 再 婚 し この 期 間 内 にその 相 手 方 と 死 別 した 配 偶 者 であつて 27 年 4 月 29 日 において 婚 姻 前 の 氏 に 復 していた 者 その 他 援 護 審 査 会 においてその 死 別 を 離 別 による 婚 姻 の 解 消 と 同 視 すべきものと 議 決 したものについては 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 等 を 支 給 することにしたことであ る なお 同 様 の 事 情 で 氏 を 改 める 再 婚 をし その 相 手 方 と 死 別 した 場 合 の 父 母 祖 父 母 についても 同 様 の 取 扱 いとした 改 正 の 第 4 点 は 40 年 の 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 の 改 正 により 42 年 1 月 ないし 同 年 7 月 までに 実 施 することとなつていた 遺 族 年 金 及 び 遺 族 給 与 金 の 完 全 増 額 措 置 を 65 歳 以 上 の 者 及 び 妻 子 等 については3 か 月 その 他 の 者 については6か 月 短 縮 して 実 施 することとしたことである 以 上 のほか 関 係 法 令 の 改 正 により 遺 族 年 金 等 を 受 けることとなつた 戦 没 者 の 妻 に 対 し 戦 没 者 の 妻 に 対 する 特 別 給 付 金 を 支 給 する 等 の 改 正 を 行 なつた また 41 年 度 においては 戦 没 者 等 の 遺 族 に 対 する 特 別 弔 慰 金 支 給 法 の 一 部 改 正 を 行 なつて 従 来 弔 慰 金 を 受 けた 遺 族 には 同 一 の 戦 没 者 について 年 金 給 付 を 受 けていない 限 り 特 別 弔 慰 金 を 支 給 するこ ととし 該 当 者 がいない 場 合 には 戦 没 者 の 子 に 限 つて 転 給 することにしていたが この 改 正 により 転 給 の 範 囲 を 拡 大 し 遺 族 以 外 の 者 と 婚 姻 したり 養 子 縁 組 したりなどしていない 限 り 兄 弟 姉 妹 までの 遺 族 に 転 給 できることとした なお 42 年 度 においては 次 のような 処 遇 改 善 がなされる まず 新 立 法 としては 戦 没 者 の 父 母 等 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 が 制 定 される この 法 律 は 過 ぐる 大 戦 により すべての 子 又 は 最 後 に 残 された 子 を 軍 人 軍 属 又 は 準 軍 属 として 戦 闘 その 他 の 公 務 により 失 つた 父 母 及 びこれらの 父 母 と 同 様 の 立 場 にある 孫 を 失 つた 祖 父 母 については その 最 愛 の 子 などを 国 に 捧 げ そのために 子 孫 が 絶 えたといういいしれぬ 寂 しさや 孤 独 感 と 戦 つて 生 きてこなければならなか つたという 特 別 の 事 情 がある 点 にかんがみ 国 としてこのような 戦 没 者 の 父 母 及 び 祖 父 母 の 精 神 的 痛 苦 に 対 して 特 別 給 付 金 を 支 給 しようとするものである 支 給 対 象 となる 者 は 日 華 事 変 ぼつ 発 (12 年 7 月 7 日 ) 以 後 の 公 務 上 の 傷 病 により 死 亡 した 軍 人 軍 属 準 軍 属 の 父 母 又 は 祖 父 母 として 42 年 4 月 1 日 に 遺 族 年 金 公 務 扶 助 料 等 の 遺 族 給 付 を 受 ける 権 利 又 は 資 格 を 有 する 者 であつて その 戦 没 者 の 死 亡 の 当 時 他 に 子 も 孫 もなく その 後 42 年 3 月 31 日 までの 間 に 子 も 孫 も 出 生 しなかつた 者 である 特 別 給 付 金 は 10 万 円 5 年 以 内 償 還 無 利 子 の 記 名 国 債 で 支 給 される 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 については 次 のような 改 正 が 行 なわれ 42 年 10 月 から 実 施 される

改 正 の 第 1 点 は 公 務 扶 助 料 の 増 額 と 関 連 して 遺 族 年 金 遺 族 給 付 金 の 額 を 年 齢 等 の 区 分 により10%ない し28.5% 増 額 しようとするものである この 結 果 70 歳 以 上 の 遺 族 に 支 給 される 遺 族 年 金 は11 万 9,000 円 同 じく 遺 族 給 与 金 は8 万 3,300 円 になる 改 正 の 第 2 点 は 日 華 事 変 中 公 務 傷 病 ではないが 公 務 傷 病 とみなされるものにより 死 亡 した 軍 人 軍 属 に 関 する 遺 族 年 金 の 額 は これまでは 本 来 の 公 務 傷 病 によるものの6 割 とされていたが これを 本 来 の 公 務 傷 病 によるものと 同 額 としようとするものである 改 正 の 第 3 点 は 祖 父 母 等 に 対 する 遺 族 年 金 遺 族 給 与 金 について その 支 給 条 件 のうち その 祖 父 母 等 を 扶 養 することができる 直 系 血 族 がないことという 条 件 を 撤 廃 しようとするものである 改 正 の 第 4 点 は 準 軍 属 の 後 順 位 者 の 遺 族 にも 年 額 3,500 円 の 遺 族 給 与 金 を 支 給 しようとするものであ る 改 正 の 第 5 点 は 事 変 又 は 戦 争 勤 務 に 関 連 する 傷 病 による 死 亡 を 支 給 事 由 とする 弔 慰 金 について 従 来 在 職 期 間 経 過 後 2 年 ( 結 核 精 神 病 の 場 合 は6 年 ) 以 内 に 死 亡 した 場 合 に 支 給 することとなつていたが 在 職 期 間 経 過 後 4 年 ( 結 核 精 神 病 の 場 合 は12 年 ) 以 内 に 死 亡 した 場 合 にも 支 給 しようとするものである

第 2 節 戦 没 者 の 遺 族 と 戦 傷 病 者 の 援 護 2 戦 傷 病 者 の 援 護 過 ぐる 大 戦 において 公 務 上 負 傷 した 者 及 び 疾 病 にかかつて 今 なお 療 養 の 必 要 がある 者 は 全 国 に 約 17 万 人 から18 万 人 いると 推 定 されている これらの 戦 傷 病 者 に 対 しては 現 在 恩 給 法 又 は 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 による 所 得 保 障 と 戦 傷 病 者 特 別 援 護 法 による 医 療 保 障 等 が 行 なわれている また 戦 傷 病 者 のうち 重 度 の 障 害 者 の 妻 に 対 して は 戦 傷 病 者 等 の 妻 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 による 特 別 給 付 金 が 支 給 されている

第 2 節 戦 没 者 の 遺 族 と 戦 傷 病 者 の 援 護 2 戦 傷 病 者 の 援 護 (1) 所 得 面 の 援 護 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 によつて 戦 傷 病 者 に 支 給 される 給 付 は 障 害 年 金 及 び 障 害 一 時 金 である 軍 人 軍 属 準 軍 属 が 公 務 上 傷 病 を 受 け 不 具 廃 疾 となつた 場 合 は 障 害 年 金 又 は 障 害 一 時 金 が 支 給 さ れる 昭 和 42 年 3 月 末 現 在 の 障 害 年 金 の 受 給 人 員 は 軍 人 182 人 軍 属 2,300 人 準 軍 属 1,077 人 である 障 害 一 時 金 を42 年 3 月 末 までに 受 けた 者 は409 人 である 障 害 年 金 障 害 一 時 金 の 額 は 軍 人 軍 属 準 軍 属 の 別 及 び 不 具 廃 疾 の 程 度 によつて 異 なつている 41 年 度 においては 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 について 次 のような 改 正 が 行 なわれた 改 正 の 第 1 点 は 従 来 戦 傷 病 者 が 戦 傷 病 者 特 別 援 護 法 によつて 療 養 の 給 付 を 受 けている 場 合 は 障 害 年 金 を 支 給 しないたてまえになつていたが 療 養 の 給 付 と 障 害 年 金 の 支 給 を 合 わせ 行 なうこととした 改 正 の 第 2 点 は 従 来 準 軍 属 については 恩 給 法 による 特 別 項 症 から 第 6 項 症 までの 障 害 者 に 対 してのみ 障 害 年 金 を 支 給 することとなつていたが 軍 属 の 場 合 と 同 様 第 1 款 症 から 第 3 款 症 までの 障 害 者 に 対 して も 障 害 年 金 障 害 一 時 金 を 支 給 することとした さらに42 年 度 においては 次 のような 法 改 正 が 行 なわれる 改 正 の 第 1 点 は 従 来 恩 給 法 による 第 1 款 症 から 第 3 款 症 程 度 の 障 害 者 については その 不 具 廃 疾 の 程 度 が 変 動 しないと 認 められる 場 合 には 障 害 一 時 金 が 支 給 され それ 以 外 の 場 合 には 障 害 年 金 が 支 給 されるこ とになつていたが 今 後 は 受 給 者 の 選 択 により 年 金 又 は 一 時 金 のいずれかを 支 給 しようとするものであ る 改 正 の 第 2 点 は 遺 族 年 金 と 同 様 増 加 恩 給 の 増 額 に 関 連 して 障 害 年 金 障 害 一 時 金 を 不 具 廃 疾 の 程 度 に 応 じて28.5%ないし20% 増 額 しようとするものである この 結 果 最 も 重 い 程 度 の 障 害 者 である 特 別 項 症 の 者 に 支 給 される 障 害 年 金 は 軍 人 軍 属 の 場 合 58 万 0,500 円 準 軍 属 の 場 合 40 万 6,350 円 になる 改 正 の 第 3 点 は 日 華 事 変 中 公 務 傷 病 ではないが 公 務 傷 病 とみなされるものにより 不 具 廃 疾 となつた 軍 人 軍 属 に 関 する 障 害 年 金 について 遺 族 年 金 と 同 様 本 来 の 公 務 によるものと 同 額 としようとするもの である 戦 傷 病 者 自 身 に 対 する 障 害 年 金 増 加 恩 給 のほか 戦 傷 病 者 の 妻 に 対 しては 戦 傷 病 者 と 一 心 同 体 の 立 場 で 久 しきにわたり 夫 の 日 常 生 活 上 の 介 助 及 び 看 護 家 庭 の 維 持 等 のための 大 きな 負 担 に 耐 えつつ 今 日 に 至 つたという 精 神 的 痛 苦 を 国 が 慰 籍 することを 目 的 として 制 定 された 戦 傷 病 者 等 の 妻 に 対 する 特 別 給 付 金 支 給 法 がある 支 給 対 象 となる 者 は 日 華 事 変 ぼつ 発 (12 年 7 月 7 日 ) 以 後 の 公 務 上 の 傷 病 により 恩 給 法 による 特 別 項 症 から 第 5 項 症 までに 該 当 する 不 具 廃 疾 となり 38 年 4 月 1 日 において 軍 人 軍 属 準 軍 属 に 関 する 障 害 年 金 増 加 恩 給 等 の 障 害 給 付 を 受 けていた 者 の 妻 である 特 別 給 付 金 は 10 万 円 10 年 以 内 償 還 無 利 子 の 記 名 国 債 で 支 給 される 41 年 に 創 設 されて 以 来 42 年 3 月 末 までの 支 給 件 数 は1 万 0,077 件 である 42 年 度 においては 法 改 正 を 行 なつて 現 在 恩 給 法 による 特 別 項 症 から 第 5 項 症 までの 障 害 をもつ 戦 傷 病

者 の 妻 に 対 して 支 給 することとしているものを 第 6 項 症 又 は 第 1 款 症 ( 軍 人 恩 給 の 第 7 項 症 ) 程 度 の 障 害 をも つ 戦 傷 病 者 の 妻 にも 支 給 するよう 支 給 範 囲 の 拡 大 が 行 なわれる

第 2 節 戦 没 者 の 遺 族 と 戦 傷 病 者 の 援 護 2 戦 傷 病 者 の 援 護 (2) 医 療 面 その 他 の 援 護 所 得 面 以 外 の 戦 傷 病 者 に 対 する 援 護 は 38 年 に 制 定 された 戦 傷 病 者 特 別 援 護 法 に 基 づいて 行 なわれてい る この 法 律 は 従 来 から 各 種 の 法 律 により 行 なわれてきた 戦 傷 病 者 に 対 する 援 護 を 整 備 統 合 し より いつそう 援 護 の 充 実 を 図 るようにしたもので 戦 傷 病 者 に 対 して 戦 傷 病 者 手 帳 を 交 付 し これらの 者 に 次 のような 援 護 を 行 なうことを 目 的 としている ア 療 養 の 必 要 があると 認 定 した 者 に 療 養 の 給 付 を 行 なうこと イ 長 期 入 院 患 者 に 療 養 手 当 を 支 給 すること ウ 更 生 するために 医 療 の 必 要 があると 認 定 した 者 に 更 生 医 療 の 給 付 を 行 なうこと エ 補 装 具 の 支 給 及 び 修 理 を 行 なうこと オ 重 度 障 害 者 を 国 立 保 養 所 へ 収 容 すること カ 戦 傷 病 者 及 びその 介 護 者 が 日 本 国 有 鉄 道 の 鉄 道 及 び 連 絡 船 へ 乗 車 及 び 乗 船 する 場 合 に 無 賃 の 取 扱 いをすること キ 療 養 の 給 付 を 受 けている 戦 傷 病 者 が 死 亡 した 場 合 その 遺 族 に 葬 祭 費 を 支 給 すること この 法 律 により 戦 傷 病 者 手 帳 の 交 付 を 受 けている 者 の 数 は 42 年 3 月 末 現 在 で12 万 5,825 人 に 達 してお り 41 年 度 における 援 護 のおもなものの 給 付 実 績 は 次 のとおりである ア 療 養 給 付 受 給 者 数 6,252 人 (42 年 3 月 末 現 在 ) イ 更 生 医 療 の 給 付 件 数 64 件 ウ 補 装 具 の 給 付 件 数 8,897 件 エ 国 鉄 無 賃 乗 車 券 引 換 証 交 付 件 数 10 万 9,515 件 このほか この 法 律 は 国 の 行 なう 援 護 をより 効 果 的 に かつ 徹 底 させるために 40 年 10 月 から 援 護 の 受 給 に 関 する 事 項 更 生 や 職 業 その 他 生 活 上 の 問 題 などについて 民 間 人 の 立 場 で 戦 傷 病 者 の 相 談 相 手 となつて 必 要 な 助 言 指 導 を 行 なう 戦 傷 病 者 相 談 員 の 制 度 が 設 けられ 現 在 全 国 で470 人 の 民 間 人 が 厚 生 大 臣 から 委 託 を 受 けて 業 務 に 従 事 している また 41 年 度 においては この 法 律 の 一 部 が 改 正 されて 次 のような 援 護 内 容 の 改 善 が 行 なわれた ア 葬 祭 費 の 額 を 6,000 円 から8,400 円 に 引 き 上 げる イ 16 年 12 月 8 日 以 後 満 洲 等 において 総 動 員 業 務 と 同 様 の 業 務 に 協 力 していた 者 でこのため 不 具 廃 疾 となり 又 は 現 に 療 養 を 行 なう 必 要 がある 者 を 戦 傷 病 者 の 範 囲 に 加 え 所 要 の 援 護 を 行 なう

さらに 42 年 度 においては 援 護 の 内 容 をいつそう 改 善 するため 4 月 から 療 養 手 当 を3,000 円 から3,400 円 に 増 額 し 10 月 から 戦 傷 病 者 相 談 員 を470 人 から705 人 に 増 員 することとなつている

第 2 節 戦 没 者 の 遺 族 と 戦 傷 病 者 の 援 護 3 各 国 の 戦 没 者 遺 族 及 び 戦 傷 病 者 に 対 する 援 護 第 11-2 表 は 世 界 の 主 要 国 における 戦 傷 病 者 及 び 戦 没 者 遺 族 に 対 する 援 護 制 度 の 概 要 を 一 覧 表 にまとめたものである 第 11-2 表 主 要 国 における 戦 没 者 の 遺 族 及 び 戦 傷 病 者 に 対 する 援 護 制 度 一 覧 戦 争 犠 牲 者 に 対 する 援 護 制 度 は 国 ごとに その 歴 史 的 経 緯 戦 勝 国 か 敗 戦 国 かの 相 違 などによつて 大 いに 異 なるので 一 律 に 比 較 することは 困 難 であるが この 表 によつておおよそそのアウトラインを 知 ることができよう

第 3 節 未 帰 還 者 の 調 査 と 引 揚 者 の 援 護 など 1 未 帰 還 者 の 調 査 今 次 の 戦 争 が 終 結 した 時 海 外 にあつた 同 胞 は 約 600 万 以 上 であつたが じ 来 20 数 年 にわたるたゆまぬ 引 揚 促 進 対 策 及 び 未 帰 還 者 の 調 査 整 理 等 の 業 務 の 推 進 等 により 相 当 な 成 果 をあげて 今 日 に 至 り 昭 和 42 年 3 月 31 日 現 在 における 未 帰 還 者 は4,884 人 に 減 少 した その 地 域 別 の 数 は 第 11-3 表 のとおりである 第 11-3 表 地 域 別 未 帰 還 者 数 最 近 未 帰 還 者 の 減 少 とともに これら 未 帰 還 者 に 対 する 一 般 の 関 心 が 日 を 追 つて 薄 れつつあること はいなめないが 未 帰 還 者 は 異 境 の 地 にあつて その 生 死 が 明 らかにされない 者 又 は 望 郷 の 念 にから れながらも 故 国 に 帰 りえない 状 態 に 置 かれている 者 であり そのひとりひとりが いずれも その 肉 身 にとつてはかけがえのない 人 々であつて その 消 息 を 待 ちわびている 留 守 家 族 の 心 情 は 察 するに 余 りあ るものがある したがつて 厚 生 省 としては 国 内 的 には 帰 還 者 等 から 情 報 の 提 供 を 得 て 未 帰 還 者 の 行 動 経 過 を 追 い その 足 どりを 検 討 しつつ 最 終 的 に 消 息 を 明 らかにするため 忍 耐 づよく 反 復 調 査 を 続 け また 対 外 的 には ソ 連 及 び 中 共 などと 外 交 折 衝 又 は 赤 十 字 ルート 等 による 話 し 合 いなど 国 の 内 外 を 通 ずる 諸 調 査 により この 問 題 の 解 決 に 努 めてきているが 特 に 対 外 的 な 調 査 については 微 妙 な 国 際 情 勢 などの ため なお 相 当 な 困 難 を 伴 うものと 考 えられる しかしながら39 年 10 月 ソ 連 政 府 に 調 査 を 依 頼 した2,974 人 の 状 況 不 明 の 未 帰 還 者 について ソ 連 側 から41 年 5 月 までの 間 に その 全 員 の 調 査 結 果 の 通 報 を 受 けた ことは 対 外 的 な 調 査 の 成 果 として 注 目 すべきことである ただし ソ 連 側 の 通 知 のうち 死 亡 し た とあつた210 人 については その 者 の 死 亡 場 所 死 亡 の 原 因 が 明 らかでなく また 既 に 本 邦 に 帰 国 した とあつた78 人 については いずれも 同 姓 同 名 の 異 人 であつたので 41 年 11 月 再 度 ソ 連 政 府 にこ れらの 者 について 調 査 を 依 頼 した 未 帰 還 者 は 調 査 究 明 の 結 果 具 体 的 に 死 亡 の 日 時 や 場 所 死 亡 の 原 因 などを 確 認 できた 者 に 対 して は 戸 籍 法 第 89 条 の 規 定 により 死 亡 の 報 告 を 行 なつており 具 体 的 に 死 亡 したことを 確 認 できないが その 消 息 を 絶 つた 時 期 や 場 所 などから 総 合 的 に 判 断 して 既 に 死 亡 したものと 認 められる 者 に 対 して は 未 帰 還 者 に 関 する 特 別 措 置 法 の 規 定 により 厚 生 大 臣 から 民 法 の 失 踪 宣 告 の 申 し 立 てを 行 なう 制 度 (これを 戦 時 死 亡 宣 告 という )が 設 けられている これら 戦 時 死 亡 宣 告 を 受 けた 者 は 生 死 が 明 らかで ないまま 戸 籍 を 抹 消 されているので 厚 生 省 としては 引 き 続 き 未 帰 還 者 の 調 査 と 同 様 に その 消 息 の

調 査 を 継 続 している

第 3 節 未 帰 還 者 の 調 査 と 引 揚 者 の 援 護 など 2 引 揚 者 の 援 護 終 戦 に 伴 う 海 外 からの 日 本 人 の 引 揚 げは 現 在 では 主 として 共 産 圏 地 域 だけに 残 された 問 題 となつた これらの 地 域 からの 集 団 引 揚 げの 方 式 が 昭 和 34 年 に 打 ち 切 られたため 現 在 では 同 地 域 の 未 帰 還 者 が 個 別 に 随 時 に 帰 国 できるような 手 段 がとられている 最 近 では ソ 連 中 共 及 び 韓 国 からの 個 別 引 揚 げが 行 なわれており これを 歴 年 別 にみると 39 年 に204 人 40 年 に247 人 41 年 に143 人 となつている 特 異 な 事 項 としては 近 年 韓 国 に 残 留 していた 日 本 婦 女 子 の 帰 国 が 漸 増 していること 及 び 北 朝 鮮 地 域 からの 引 揚 げが31 年 を 最 後 に 全 くみられないことなどがあげられる なお 共 産 圏 地 域 には 帰 国 を 希 望 する 日 本 人 が 多 数 いることが 判 明 しているので このような 帰 国 希 望 者 の 引 揚 促 進 については 外 交 ルート 赤 十 字 ルート 等 を 通 じあらゆる 手 段 が 講 ぜられているところであ る 最 近 の 引 揚 者 に 対 する 応 急 援 護 は 従 来 の 船 運 賃 国 庫 負 担 の 制 度 上 陸 地 における 金 品 の 支 給 給 食 落 着 き 先 までの 移 送 及 びこれに 関 連 する 各 種 の 援 護 の 他 にソ 連 及 び 中 共 地 域 については 居 住 地 から 出 境 地 まで(たとえば 旧 満 州 地 区 から 香 港 まで 又 は 旧 樺 太 からナホトカまで)の 旅 行 に 必 要 なすべての 経 費 を 国 庫 が 負 担 する 措 置 が 講 ぜられている 海 外 からの 引 揚 者 の 落 着 き 先 で 行 なういわゆる 定 着 援 護 には 住 宅 の 貸 与 更 生 資 金 の 貸 付 引 揚 者 給 付 金 の 支 給 就 職 あつせんなどがある このうち 引 揚 者 給 付 金 の 支 給 は 32 年 に 成 立 した 引 揚 者 給 付 金 等 支 給 法 に 基 づいて 引 揚 者 と 引 揚 前 に 外 地 で 又 は 引 揚 後 32 年 3 月 31 日 以 前 に 死 亡 した 者 の 遺 族 に10 年 償 還 の 国 債 で 支 給 するものであるが 42 年 3 月 現 在 国 債 が 発 行 されたものは 約 317 万 人 約 460 億 8,900 万 円 である 最 近 の 引 揚 者 のうちには 外 地 に 残 留 を 余 儀 なくされた 日 本 婦 人 が 終 戦 後 現 地 人 との 間 にもうけた 子 供 を 連 れて 帰 国 した 者 樺 太 に 本 籍 があつて 内 地 に 戸 籍 のない 者 あるいは やむをえず 外 国 の 国 籍 をと つた 者 等 特 殊 のケースが 多 くみられる そこで これらの 引 揚 者 をすみやかに 更 生 自 立 させるため 従 来 行 なつてきた 援 護 のほかに 国 籍 問 題 の 処 理 戸 籍 法 に 基 づく 就 籍 の 指 導 日 本 語 を 解 しない 子 供 の 就 学 指 導 母 子 世 帯 の 保 護 をはじめとし 広 汎 な 社 会 福 祉 施 策 を 総 合 的 に 講 じている なお 引 揚 者 の 援 護 と 関 連 して 共 産 圏 地 域 からの 帰 国 者 のちう 抑 留 等 のため 残 留 を 余 儀 なくされて いる 間 に 傷 病 を 受 けた 者 に 対 しては 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 と 戦 傷 病 者 特 別 援 護 法 に 基 づき 障 害 年 金 の 支 給 療 養 の 給 付 等 が 行 なわれている また 共 産 圏 地 域 から 帰 国 するまでの 間 は 未 帰 還 者 留 守 家 族 等 援 護 法 に 基 づいてその 留 守 家 族 に 留 守 家 族 手 当 が 支 給 され 不 幸 にして 未 帰 還 者 がそのまま 外 地 で 死 亡 したときは その 遺 族 に 葬 祭 料 と 遺 骨 引 取 経 費 が 支 給 されている

第 3 節 未 帰 還 者 の 調 査 と 引 揚 者 の 援 護 など 3 戦 時 死 亡 宣 告 未 帰 還 者 について 調 査 究 明 を 行 なつた 結 果 どうしてもその 生 死 を 明 らかにしえない 場 合 があるが こ の 場 合 未 帰 還 者 の 身 分 的 に 不 安 定 な 状 態 を 解 消 し 留 守 家 族 に 対 して 適 切 な 援 護 措 置 を 講 ずるため 未 帰 還 者 に 関 する 特 別 措 置 法 に 基 づき 留 守 家 族 の 同 意 を 得 て 厚 生 大 臣 が 家 庭 裁 判 所 に 民 法 第 30 条 の 失 踪 宣 告 ( 戦 時 死 亡 宣 告 )の 申 し 立 てを 行 なうことにしている この 制 度 によつて 死 亡 とみなされる 未 帰 還 者 の 数 は 最 近 かなり 減 少 したが なお 昭 和 41 年 度 においては434 人 になつており 制 度 ができてから42 年 3 月 31 日 までの 累 計 は 1 万 8,164 人 に 達 している 戦 時 死 亡 宣 告 を 受 けた 未 帰 還 者 が 身 分 恩 給 法 又 は 戦 傷 病 者 戦 没 者 遺 族 等 援 護 法 の 適 用 を 受 ける 者 である 場 合 は 原 則 として 公 務 により 死 亡 したものとみ なされ その 遺 族 に 対 してこれらの 法 律 により 公 務 扶 助 料 又 は 遺 族 年 金 等 が 支 給 される また 未 帰 還 者 に 関 する 特 別 措 置 法 に 基 づき3 万 円 ( 公 務 扶 助 料 等 の 支 給 を 受 ける 場 合 は2 万 円 )の 弔 慰 料 が 支 給 される

第 3 節 未 帰 還 者 の 調 査 と 引 揚 者 の 援 護 など 4 在 日 朝 鮮 人 の 北 朝 鮮 帰 還 在 日 朝 鮮 人 の 北 朝 鮮 帰 還 は 昭 和 34 年 8 月 13 日 に 日 本 赤 十 字 社 と 朝 鮮 赤 十 字 会 との 間 において 締 結 された 帰 還 協 定 に 基 づき34 年 12 月 第 1 次 帰 還 が 行 なわれて 以 来 42 年 3 月 までに 第 147 次 にわたり8 万 7,095 人 が 帰 還 した この 帰 還 協 定 は 戦 後 北 朝 鮮 に 帰 還 を 希 望 する 者 が 多 数 いたので これらの 人 々を 早 期 に 多 数 帰 還 さ せることを 目 的 として 締 結 されたものであるが 前 述 のように 多 数 の 人 々が 帰 還 しており 最 近 の 帰 還 状 況 は その 後 新 たに 帰 還 の 意 思 を 持 つに 至 つた 人 が 月 に 少 数 帰 還 する 程 度 であるので 既 に 所 期 の 目 的 は 達 せられたと 判 断 される したがつて 今 日 では 北 朝 鮮 帰 還 は 一 般 外 国 人 の 任 意 出 国 と 同 様 に 取 り 扱 うべきものと 考 えたので 政 府 は41 年 8 月 23 日 に 閣 議 了 解 を 行 ない 帰 還 協 定 は42 年 11 月 12 日 限 りで 終 了 させることとした

第 4 節 戦 没 者 の 追 悼 行 事 など 1 戦 没 者 の 追 悼 行 事 (1) 全 国 戦 没 者 追 悼 式 さきの 大 戦 において 死 没 した300 万 人 余 の 軍 人 軍 属 準 軍 属 一 般 市 民 に 追 悼 の 誠 を 捧 げるため 政 府 は 昭 和 38 年 から 毎 年 8 月 15 日 に 全 国 戦 没 者 追 悼 式 を 挙 行 している 41 年 の 式 典 は 天 皇 皇 后 両 陛 下 御 臨 席 のもとに 東 京 九 段 の 日 本 武 道 館 において 全 国 の 戦 没 者 遺 族 代 表 をはじめ 国 会 政 府 その 他 各 界 の 代 表 等 約 5,000 人 が 参 列 して 厳 粛 にとり 行 なわれた 式 典 当 日 は 官 公 庁 銀 行 会 社 などはいつせいに 半 旗 を 掲 げ 正 午 には 全 国 民 がそれぞれの 職 場 や 家 庭 において 式 場 における 黙 とうに 合 わせていつせいに 黙 とうを 行 ない 戦 没 者 に 追 悼 の 誠 を 捧 げるとと もに 平 和 への 思 いを 新 たにした

第 4 節 戦 没 者 の 追 悼 行 事 など 1 戦 没 者 の 追 悼 行 事 (2) 千 鳥 ケ 淵 戦 没 者 墓 苑 拝 礼 式 戦 後 各 戦 域 から 政 府 派 遣 団 などの 手 によつて 収 集 された 戦 没 者 の 無 名 の 遺 骨 は 国 立 の 千 鳥 ケ 淵 戦 没 者 墓 苑 に 収 められ 毎 年 1 回 厚 生 省 主 催 の 拝 礼 式 が 行 なわれている 41 年 は 3 月 28 日 に 千 鳥 ケ 淵 戦 没 者 墓 苑 拝 礼 式 が 行 なわれ 三 笠 宮 殿 下 御 臨 席 のもとに 戦 没 者 遺 族 国 会 及 び 政 府 関 係 者 関 係 団 体 代 表 等 約 300 人 が 参 列 した この 際 前 回 の 拝 礼 式 以 後 新 たに 外 地 から 持 ち 帰 られた 遺 骨 79 柱 が 同 墓 苑 に 納 められた

第 4 節 戦 没 者 の 追 悼 行 事 など 1 戦 没 者 の 追 悼 行 事 (3) ソ 連 地 域 及 びモンゴルヘの 墓 参 終 戦 直 後 ソ 連 地 域 に 連 行 され 労 働 に 従 事 中 死 没 した 日 本 人 の 墓 地 への 関 係 遺 族 による 墓 参 は 36 年 以 来 数 回 にわたつて 行 なわれてきたが 41 年 には 新 たにエラブカ 地 区 についてソ 連 政 府 の 了 解 が 得 られ 8 月 に 同 地 区 の 墓 参 を 実 施 し 3 人 の 遺 族 代 表 が 現 地 におもむき 霊 を 慰 めた また モンゴルにもソ 連 地 域 と 全 く 同 様 の 事 情 のもとに 死 没 した 日 本 人 の 墓 地 があるが 国 交 未 回 復 等 の 理 由 もあつて 墓 参 が 実 現 していなかつたものであるが 41 年 3 月 に 至 り 墓 参 についてモンゴル 政 府 の 了 解 が 得 られ 8 月 に 遺 族 代 表 8 人 がウランバートル 及 びスフバートルに 墓 参 した 以 上 の 各 地 への 墓 参 はすべて 全 額 国 費 で 行 なわれ 遺 族 の 世 話 等 のため 政 府 職 員 が 同 行 した

第 4 節 戦 没 者 の 追 悼 行 事 など 1 戦 没 者 の 追 悼 行 事 (4) 香 港 (ストーン カツターズ 島 ) 及 び 干 ニューカレドニア 島 の 遺 骨 収 集 政 府 は 28 年 以 来 さきの 大 戦 における 外 地 戦 没 者 の 遺 骨 収 集 を 実 施 してきたのであるが 41 年 には 5 月 に 香 港 島 の 北 方 にあるストーン カツターズ 島 軍 基 地 内 に 埋 葬 されていた 日 本 人 戦 没 者 の 遺 体 175 柱 を 英 軍 の 協 力 により 在 香 港 日 本 総 領 事 館 が 発 掘 し 焼 骨 のうえ 日 本 に 持 ち 帰 つた これらの 遺 骨 は さき の 大 戦 中 連 合 国 軍 の 空 襲 により 香 港 島 周 辺 で 沈 没 した 日 本 艦 船 乗 組 員 の 遺 骨 である また42 年 1 月 には 仏 領 ニューカレドニア 島 ヌーメアに 埋 葬 されていた 日 本 人 戦 没 者 遺 体 32 柱 を 厚 生 省 職 員 が 現 地 におもむき 現 地 官 憲 及 び 在 留 日 本 人 の 協 力 を 得 て 発 掘 し 焼 骨 して 日 本 に 持 ち 帰 つた これ らの 遺 骨 はさきの 大 戦 においてソロモン 群 島 ニューギニア 等 で 戦 闘 中 に 戦 傷 等 のため 行 動 不 能 とな り 連 合 軍 によつてニューカレドニア 島 に 抑 留 されているうちに 死 没 した 人 々の 遺 骨 である 以 上 の 各 地 から 収 集 した 遺 骨 はいずれも 氏 名 が 判 明 しないので 国 立 の 千 鳥 ケ 淵 戦 没 者 墓 苑 に 納 められ た

第 4 節 戦 没 者 の 追 悼 行 事 など 1 戦 没 者 の 追 悼 行 事 (5) 今 後 の 課 題 海 外 戦 没 者 の 遺 骨 の 収 集 現 地 慰 霊 については 現 在 では 中 共 地 域 ( 特 に 旧 満 州 地 域 ) 及 び 北 朝 鮮 地 域 を 除 いておおむね 終 つたかたちになつている しかし 従 来 政 府 が 実 施 した 遺 骨 収 集 は 広 汎 な 地 域 に 対 して 限 られた 人 員 と 日 数 をもつて 行 なわれたことであり その 後 山 野 に 未 処 理 の 遺 骨 が 発 見 されたという 事 例 も 見 受 けられるところである 政 府 としては 戦 後 20 年 余 を 経 た 今 日 の 遺 族 の 心 情 及 び 国 民 感 情 も 十 分 に 考 慮 し なるべく 早 期 に 遺 骨 収 集 の 問 題 が 終 結 するよう 努 力 することとし 42 年 度 以 降 新 たな 計 画 により 最 終 的 な 処 理 を 行 なうため の 遺 骨 収 集 を 実 施 することとしている なお 42 年 度 には フイリッピンのルソン 島 とレイテ 島 マリアナ 諸 島 のサイパン 島 とテニアン 島 カ ロリン 諸 島 のメレヨン 島 及 びパラオ 諸 島 のペリリユー 島 について 遺 骨 収 集 を 実 施 する 予 定 である

第 4 節 戦 没 者 の 追 悼 行 事 など 2 戦 没 者 に 対 する 叙 位 及 び 叙 勲 昭 和 39 年 1 月 7 日 の 閣 議 で この 事 務 を 再 開 することが 決 定 され 同 年 4 月 に 第 1 回 分 が 発 令 されてか ら 42 年 3 月 までに36 回 計 約 77 万 人 に 対 して 叙 勲 が 行 なわれ そのうちの9,000 人 に 対 しては あわせ て 叙 位 が 行 なわれている その 年 度 別 の 内 訳 は 第 11-4 表 のとおりである これらの 叙 位 及 び 叙 勲 の 対 象 になる 者 は 今 次 の 戦 争 に 関 する 勤 務 に 従 事 し これに 関 連 して 死 亡 した もとの 軍 人 軍 属 などで 総 数 約 200 万 人 と 推 定 されており この 事 務 はおおむね5か 年 計 画 で 処 理 する こととしている そのうちの 約 100 万 人 は 終 戦 後 この 事 務 が 中 途 で 打 ち 切 られた 当 時 既 に 内 部 手 続 き が 終 わつていた 者 であつて これまでに 発 令 された 者 の 大 部 分 を 占 めている また その 他 の 内 部 手 続 きが 終 わつていなかつた 約 100 万 人 についても 当 時 の 基 準 に 基 づいて 逐 次 発 令 の 手 続 きを 進 めてい る しかしながら 戦 後 既 に20 年 以 上 を 経 過 した 現 在 叙 位 叙 勲 の 対 象 になる 戦 没 者 の 身 上 についての 資 料 や 遺 族 等 の 調 査 には 多 くの 困 難 が 伴 つているため これまでの 事 務 の 処 理 は 当 初 の 計 画 に 比 べて か なり 遅 れているが 今 後 においては この 遅 れをできるだけ 早 く 取 りかえすとともに 閣 議 で 決 定 され た 主 旨 に 沿 つて この 事 務 が 進 ちよくするように 努 めることとしている 第 11-4 表 叙 位 叙 勲 発 令 数