欧 州 経 済 2013 年 4 月 4 日 全 5 頁 英 国 : 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 柔 軟 な 休 暇 取 得 制 度 でイクメンは 増 えるのか? ロンドンリサーチセンター 研 究 員 沼 知 聡 子 [ 要 約 ] 英 国 連 立 政 権 による 雇 用 法 改 革 の 一 環 として 2015 年 より 男 女 共 同 育 児 休 暇 (Shared Parental Leave)の 導 入 が 予 定 されている 最 長 1 年 の 法 定 育 児 休 暇 を 父 母 が 共 有 し 最 低 1 週 間 単 位 で 交 互 あるいは 同 時 での 取 得 を 可 能 にする 柔 軟 な 制 度 である 休 暇 取 得 の 柔 軟 性 を 高 め 女 性 が 出 産 育 児 により 長 期 職 場 を 離 れることによるペナル ティを 軽 減 すると 同 時 に 男 性 の 育 児 参 加 促 進 を 目 指 すが 雇 用 主 の 負 担 増 を 懸 念 する 声 も 強 く 意 図 した 結 果 を 生 むまでには 相 当 の 時 間 がかかるだろう 英 国 の 保 守 党 自 由 民 主 党 連 立 政 権 は 柔 軟 で 労 使 互 恵 的 公 正 な 労 働 市 場 の 確 立 を 目 指 し 雇 用 法 改 革 を 実 施 している 世 界 的 にも 規 制 の 少 ない 英 国 の 労 働 市 場 では 雇 用 保 護 規 制 の 緩 やかさもあり 雇 用 主 が 新 しい 雇 用 創 出 に 積 極 的 であり 人 材 の 流 動 性 も 高 い 景 気 低 迷 が 続 く 中 でも 2012 年 末 時 点 で 雇 用 者 数 が 2,973 万 人 と 過 去 最 高 を 記 録 するなど 市 場 のダイナミズ ムは 維 持 されている 今 回 の 改 革 でも 徒 に 規 制 を 課 すのではなく 労 使 双 方 の 事 情 にかなっ た 雇 用 関 係 構 築 に 向 けた 裁 量 の 拡 大 が 目 指 されている 育 児 や 疾 病 引 退 に 備 えた 準 備 など 職 業 生 活 を 通 じて 起 こりうる 様 々な 変 化 は 被 雇 用 者 の 働 き 方 に 大 きな 影 響 を 与 える 同 様 に 雇 用 主 も 経 済 状 況 に 応 じ 労 働 力 の 調 整 が 必 要 となる 詳 細 な 規 定 で 労 働 市 場 のあり 方 を 決 定 する のではなく 労 使 双 方 の 合 意 に 基 づく 個 々の 状 況 に 応 じた 働 き 方 を 選 択 できるよう 建 設 的 な 議 論 を 奨 励 している このための 施 策 の 1 つが 2015 年 より 施 行 予 定 の 男 女 共 同 育 児 休 暇 であ る 最 長 1 年 の 法 定 育 児 休 暇 を 父 母 が 共 有 するこの 制 度 は 2013 年 子 どもおよび 家 族 法 の 枠 組 みで 導 入 されることになっており 現 在 同 法 案 の 審 議 が 議 会 で 進 められている 制 度 導 入 の 背 景 英 国 では 女 性 の 就 業 率 が EU 平 均 を 大 きく 上 回 り ( 上 級 ) 管 理 職 に 占 める 女 性 の 割 合 も 35% 以 上 と 経 済 協 力 開 発 機 構 (OECD) 平 均 の 約 32%を 超 え 男 女 格 差 を 測 るジェンダーギャップ 指 数 (2012 年 ) 1 でも 135 カ 国 中 18 位 につけるなど 女 性 進 出 が 進 んでいる 印 象 を 受 ける その 1 経 済 教 育 保 険 政 治 分 野 での 各 種 データを 基 に 世 界 経 済 フォーラムが 算 定 する 指 数 日 本 は 101 位 株 式 会 社 大 和 総 研 丸 の 内 オフィス 100-6756 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 一 丁 目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは 投 資 勧 誘 を 意 図 して 提 供 するものではありません このレポートの 掲 載 情 報 は 信 頼 できると 考 えられる 情 報 源 から 作 成 しておりますが その 正 確 性 完 全 性 を 保 証 する ものではありません また 記 載 された 意 見 や 予 測 等 は 作 成 時 点 のものであり 今 後 予 告 なく 変 更 されることがあります 大 和 総 研 の 親 会 社 である 大 和 総 研 ホールディングスと 大 和 証 券 は 大 和 証 券 グループ 本 社 を 親 会 社 とする 大 和 証 券 グループの 会 社 です 内 容 に 関 する 一 切 の 権 利 は 大 和 総 研 にあります 無 断 での 複 製 転 載 転 送 等 はご 遠 慮 ください
2 / 5 一 方 で OECD の 調 査 によれば 女 性 就 業 者 の 40%はパートタイムでの 勤 務 となっており 仕 事 と 家 庭 の 両 立 の 負 担 が 主 に 女 性 の 肩 にかかっていることが 読 み 取 れる この 勤 務 体 系 における 差 異 は 女 性 の 賃 金 が 男 性 のそれを 18% 下 回 ることにも 表 れている また 英 国 の 特 徴 として 挙 げ られるのが 託 児 費 用 の 高 さであり 女 性 がフルタイム 勤 務 を 希 望 する 際 の 障 壁 とされている フルタイム 勤 務 の 年 間 総 所 得 の 中 央 値 が 2 万 6,500 ポンド(2012 年 4 月 5 日 までの 1 年 間 英 国 統 計 局 )の 英 国 で 2 歳 以 下 の 子 どもを 保 育 園 に 預 ける 場 合 年 間 費 用 は 平 均 で 1 万 1,000 ポ ンド 2 に 及 ぶ さらに 現 行 の 出 産 育 児 休 暇 制 度 も 女 性 が 育 児 の 主 体 となることを 前 提 とし 性 的 役 割 の 強 化 を 促 すような 仕 組 みである( 詳 細 後 述 ) 柔 軟 な 選 択 肢 の 欠 如 から 出 産 育 児 により 長 期 にわたり 労 働 市 場 を 離 れるのは 女 性 で 男 性 による 育 児 は 補 助 的 役 割 に 留 まる 傾 向 が 強 い このため 連 立 政 権 では 父 親 の 育 児 参 加 を 促 し 両 親 が 主 体 的 に 育 児 とキャリアのバランス をとれるよう 休 暇 取 得 の 柔 軟 性 向 上 を 課 題 としていた 育 児 による 中 断 が 復 職 後 のキャリア 進 展 の 妨 げとなり あたかも 出 産 が 女 性 にとってペナルティのように 機 能 することを 防 ぐ 目 的 もある 雇 用 主 にとっても 柔 軟 な 休 暇 制 度 は 人 材 プール 全 体 の 活 用 や 優 秀 な 人 材 の 維 持 に つながるという 利 点 もある 柔 軟 な 勤 務 形 態 は 被 雇 用 者 のモチベーションを 高 め 生 産 性 の 向 上 に 資 するという 考 えもある なお これまで 導 入 されてきた 家 族 にやさしい 法 規 制 3 は 企 業 にやさしいものではなく 景 気 低 迷 が 続 く 中 ではより 大 きな 負 担 になり むしろ 出 産 年 齢 にあたる 女 性 の 雇 用 をためらう 一 因 になるとの 指 摘 もある デービッド キャメロン 首 相 はこのような 企 業 の 態 度 は 許 容 しが たいとし この 問 題 に 対 処 するには 育 児 を 両 親 で 担 うことが 社 会 的 規 範 となるよう 促 すこと が 必 要 であると 述 べている これらに 加 え 政 治 的 な 要 因 も 考 えられよう 欧 州 で 最 も 家 庭 にやさしい 政 府 を 目 指 し ている 連 立 政 権 だが 児 童 手 当 の 受 給 要 件 厳 格 化 など 女 性 に 厳 しいとみなされる 一 連 の 施 策 に より 女 性 の 保 守 党 支 持 率 は 下 落 している 4 共 働 き 世 帯 の 母 親 には 大 きな 打 撃 となった 児 童 手 当 の 削 減 をはじめ 鳴 り 物 入 りで 始 まった 託 児 施 設 の 改 革 も 難 航 し 食 料 品 や 燃 料 価 格 の 高 騰 は 家 計 を 預 かることの 多 い 女 性 に 政 府 の 落 ち 度 として 認 識 されている このため 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 は 女 性 有 権 者 への 配 慮 を 示 すためのアピールとも 理 解 できる 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 新 しい 制 度 に 触 れる 前 に 現 行 の 出 産 育 児 休 暇 制 度 を 概 説 する 被 雇 用 者 である 母 親 には http://www3.weforum.org/docs/wef_gendergap_report_2012.pdf 2 保 育 園 の 料 金 が 英 国 平 均 で 1 時 間 あたり 4.26 ポンド 1 週 間 50 時 間 利 用 した 場 合 で 算 出 地 域 差 も 大 きく 最 も 高 いロンドンでは 年 間 1 万 4,000 ポンド 近 くになる 3 出 産 休 暇 の 長 期 化 フレックスタイム 勤 務 を 要 請 する 権 利 養 子 休 暇 や 父 親 の 育 児 休 暇 の 導 入 など 4 2010 年 総 選 挙 時 に 36%を 記 録 した 女 性 有 権 者 の 保 守 党 支 持 率 は 2013 年 1 月 には29%にまで 低 下 し 野 党 労 働 党 支 持 率 は 総 選 挙 時 の 31%から 同 45%へと 大 きく 上 昇 している(Associated Newspaers 調 査 による)
3 / 5 出 産 休 暇 (Maternity Leave)として 最 長 1 年 間 5 の 休 暇 が 付 与 され 最 長 39 週 間 にわたり 出 産 手 当 (Maternity Pay)が 支 給 される 出 産 休 暇 の 受 給 要 件 は 雇 用 期 間 に 依 存 しないが 出 産 手 当 は 出 産 予 定 週 前 15 週 間 の 時 点 での 勤 務 期 間 が 半 年 あり かつ 平 均 107 ポンド 以 上 の 週 給 を 得 ていることが 受 給 要 件 となる 休 暇 開 始 後 6 週 間 は 平 均 週 給 の 90% 以 後 39 週 までは 法 定 レー ト(2012 年 度 は 週 135.45 ポンド もしくは 平 均 週 給 の 90%のいずれか 低 い 方 )が 給 付 される なお 父 親 も 母 親 と 同 様 の 受 給 要 件 を 満 たせば 出 産 後 に 父 親 の 育 児 休 暇 (Paternity Leave) として 2 週 間 の 有 給 休 暇 6 のほか 産 後 20 週 以 降 に 母 親 が 復 職 した 場 合 残 りの 出 産 休 暇 ( 最 長 26 週 間 )を 代 わりに 取 得 できる 図 表 英 国 における 育 児 休 暇 の 現 況 と 新 制 度 モデル 現 行 制 度 母 通 常 出 産 休 暇 26 週 間 追 加 出 産 休 暇 26 週 間 親 週 給 の90% 法 定 レート 無 給 1-6 週 7-39 週 40-52 週 父 56 日 以 内 に 最 長 2 週 間 21 週 目 以 降 最 長 26 週 間 譲 渡 可 能 ( 母 親 が 復 職 した 場 合 ) 親 法 定 レート( 取 得 日 数 分 ) 法 定 レート 無 給 新 制 度 モデル 21-39 週 40-52 週 母 通 常 出 産 休 暇 26 週 間 追 加 出 産 休 暇 26 週 間 親 週 給 の90% 法 定 レート 無 給 1-6 週 7-39 週 40-52 週 父 親 2 週 間 法 定 レート 両 3 週 目 以 降 両 親 どちらが 使 用 してもよい 親 法 定 レート 無 給 3-39 週 40-52 週 出 所 :ビジネス イノベーション 技 能 省 資 料 より 大 和 総 研 作 成 一 方 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 はその 名 前 が 示 す 通 り 育 児 休 暇 の 共 同 で 取 得 を 促 すものであ り 母 親 に 代 わり 父 親 が 取 得 できる 期 間 が 大 幅 に 拡 大 される まず 母 親 に 1 年 間 の 休 暇 が 付 与 されるが 産 後 2 週 間 以 降 はいつでも これを 父 親 と 共 有 できる 雇 用 主 に 取 得 意 図 を 通 知 し 同 意 を 得 れば 残 り 50 週 を 交 互 に あるいは 同 時 に 最 低 1 週 間 の 単 位 で 両 親 が 分 割 して 自 由 に 取 得 することができる( 雇 用 主 は 休 暇 の 短 期 分 割 取 得 について その 申 請 が 実 情 にそぐわな い 場 合 はこれを 却 下 できる) 2013 年 を 通 じ 実 施 面 での 詳 細 が 協 議 される 予 定 だが 休 暇 取 得 5 26 週 間 の 通 常 出 産 休 暇 と それに 続 く 26 週 間 の 追 加 出 産 休 暇 での 1 年 となる 産 後 の 2 週 間 は 母 体 の 回 復 のため 取 得 は 義 務 となる 分 割 して 取 得 することはできない 休 暇 給 付 ともに 法 定 の 水 準 を 下 回 ることは できないが 企 業 が 独 自 スキームとしてこれを 上 回 る 制 度 を 導 入 することは 可 能 6 産 後 56 日 以 内 の 取 得 のみ 有 効 給 付 額 は 週 135.45 ポンドもしくは 平 均 週 給 の 90%の いずれか 低 い 方
4 / 5 には 事 前 8 週 間 の 通 知 が 必 要 とみられている 受 給 要 件 は 両 親 がともに 出 産 予 定 日 の 15 週 間 の 時 点 で 雇 用 期 間 が 半 年 を 満 たすことである 給 付 については 現 行 制 度 と 変 わらず 母 親 に は 最 初 の 6 週 間 に 平 均 週 給 の 90% 残 り 33 週 間 は 法 定 レートが 適 用 され 父 親 には 2 週 間 の 有 給 休 暇 が 付 与 される 両 親 に 対 する 給 付 の 総 額 は 変 わらないものの 母 親 が 生 計 中 心 者 である 場 合 には 従 来 よりも 早 く 職 場 復 帰 がしやすくなるというメリットがある 統 計 上 では 年 間 42 万 世 帯 が 新 制 度 の 利 用 対 象 になるが ビジネス イノベーション 技 能 省 の 試 算 によると 父 親 が 母 親 に 代 わり 休 暇 を 取 得 することが 経 済 的 な 利 益 につながるのは 1 万 3,500 世 帯 に 留 まると いう また 両 親 が 給 付 を 重 複 して 受 給 しないよう 労 働 年 金 省 では 新 たな IT システムの 構 築 が 必 要 となり その 費 用 は 2,200 万 ポンドとされる 実 施 面 での 不 安 も 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 は 誕 生 直 後 の 早 い 段 階 から 父 親 の 育 児 参 加 を 促 し 固 定 化 した 性 的 役 割 観 を 揺 さぶり 両 親 により 多 くの 選 択 肢 を 与 えるものとして その 意 図 は 広 く 評 価 されて いる しかし 施 策 の 実 施 面 での 検 討 不 足 を 指 摘 する 声 や 企 業 の 負 担 増 に 対 する 懸 念 も 多 い 特 に 問 題 視 されているのは 短 期 間 に 分 割 しての 取 得 を 可 能 にした 点 である 往 々にして 限 ら れたリソースで 稼 動 している 中 小 企 業 などでは 細 切 れに 休 暇 取 得 を 繰 り 返 された 場 合 には 現 実 的 には 対 応 不 可 能 というのが 本 音 であろう 業 務 遂 行 にあたり 専 門 知 識 や 一 定 の 研 修 期 間 を 要 する 場 合 はなおさらだ 休 暇 申 請 を 却 下 することもできるが 被 雇 用 者 との 間 に 不 必 要 なあつれきが 生 じる 恐 れもある 過 去 の 判 例 からは 家 庭 の 事 情 が 企 業 都 合 に 優 先 される 場 合 が 多 いだけに 企 業 の 対 応 も 神 経 質 にならざるを 得 ない 景 気 低 迷 が 続 く 中 での 導 入 に 対 し 政 府 の 熟 慮 を 求 める 向 きも 多 い また 同 じ 2013 年 子 どもおよび 家 族 法 の 枠 組 みで フレ ックスタイム 勤 務 を 要 請 する 権 利 が 従 来 の 育 児 介 護 を 主 体 的 に 担 う 被 雇 用 者 のみから 全 被 雇 用 者 に 拡 大 される 予 定 である 施 行 に 際 する 詳 細 はまだ 明 らかにされていないが 雇 用 者 側 の 更 なる 負 担 増 や 現 場 の 混 乱 が 予 想 される 一 方 の 被 雇 用 者 側 だが 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 がどれだけ 活 用 されるかは 現 段 階 では 不 透 明 である 経 済 低 迷 が 長 引 いているだけに 長 期 にわたり 職 場 を 離 れる 不 安 や 無 給 期 間 の 所 得 減 による 家 計 への 影 響 を 理 由 に 休 暇 取 得 に 前 向 きになれない 父 親 も 多 いのが 現 状 であろう 休 暇 取 得 が 職 務 に 対 するコミットメントの 欠 如 と 受 け 止 められることを 懸 念 する 向 きも 多 い 現 行 制 度 でも 母 親 の 代 わりに 一 定 期 間 産 休 を 取 得 することが 可 能 だが 制 度 に 対 する 認 知 度 が 高 いとはいえず 父 親 の 休 暇 取 得 期 間 に 目 立 った 変 化 はみられていないという 北 欧 諸 国 の パパ クォータ 制 のような 父 親 側 の 育 児 休 暇 取 得 が 両 親 に 対 する 給 付 額 や 取 得 可 能 期 間 に 影 響 を 与 えるなどの 経 済 的 インセンティブに 欠 ける 点 も 弱 みとなろう 社 会 に 深 く 根 付 いた 伝 統 的 な 性 的 役 割 のステレオタイプを 変 えるには 相 当 の 時 間 がかかる それでも 男 女 共 同 育 児 休 暇 制 度 を 活 用 する 父 親 が 増 えていけば 家 庭 と 仕 事 の 両 立 は 女 性 にと っての 課 題 ではなく 親 としての 課 題 になっていくだろう また 女 性 が 生 計 中 心 者 とな る 世 帯 がわずかながらも 増 えつつあるのも 現 実 であり そのような 世 帯 から 新 制 度 の 活 用 は
5 / 5 徐 々に 進 んでいくものと 考 えられる 即 時 的 な 効 果 は 期 待 できないとしても 育 児 は 両 親 が 共 同 で 担 うというメッセージを 明 確 にした 点 は 評 価 に 値 するだろう 一 方 日 本 では 父 親 の 育 児 休 暇 取 得 率 が 2011 年 度 に 2.63% 7 と 極 めて 低 く 2017 年 度 までの 目 標 値 である 10%からはほど 遠 い 水 準 にある 月 額 賃 金 の 50% 相 当 額 が 支 給 される 育 児 休 業 給 付 金 もあるが 横 並 びの 意 識 が 強 い 社 会 では 取 得 申 請 すらままならない 場 合 も 多 いと 聞 く 英 国 の 新 制 度 を 先 例 に 日 本 で も 育 児 に 対 する 意 識 を 変 える 契 機 が 生 まれることを 望 みたい 7 厚 生 労 働 省 平 成 23 年 度 雇 用 均 等 基 本 調 査 の 概 況 ( 平 成 24 年 7 月 25 日 )による