2009年度中の全国信用金庫主要勘定増減状況



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1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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16 日本学生支援機構

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

●幼児教育振興法案

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

添 付 資 料 の 目 次 1.サマリー 情 報 (その 他 )に 関 する 事 項... 2 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動... 2 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用.

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

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18 国立高等専門学校機構

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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23 年 度 事 業 計 画 概 要 事 業 項 目 事 業 内 容 施 策 A. 各 種 制 度 改 変 への 対 応 (1) 老 人 福 祉 法 高 齢 者 住 まい 法 改 正 関 連 1 指 導 指 針 改 正 ( 老 福 法 ) 登 録 基 準 策 定 ( 住 まい 法 )への 対 応 2

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事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

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ニュースリリース

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

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Transcription:

2009 年 度 中 の 全 国 信 用 金 庫 主 要 勘 定 増 減 状 況 ( 速 報 ) 貸 出 金 増 加 に 伴 い 預 貸 率 も 上 昇 へ (2009 年 5 月 13 日 ) S C B SHINKIN SHINKIN CENTRAL CENTRAL BANK BANK 海 外 経 金 済 融 調 査 レポート 情 報 No.11 27-30 (2016.2.9) 2000.10 地 域 中 小 企 業 研 究 所 103-0028 東 京 都 中 央 区 八 重 洲 1-3-7 TEL.03-5202-7671 FAX.03-3278-7048 URL http://www.scbri.jp 手 数 料 収 入 の 強 化 策 について 視 点 信 用 金 庫 が 貸 出 金 利 息 で 経 費 を 賄 えなくなってから4 年 が 経 過 した 現 在 の 金 融 市 場 を 勘 案 すると 貸 出 金 利 息 の 減 少 傾 向 に 歯 止 めをかけるのは 難 しい こうした 状 況 下 手 数 料 収 入 の 強 化 に 注 目 し 保 険 商 品 や 投 資 信 託 を 推 進 する 信 用 金 庫 が 増 えつつある また 手 数 料 体 系 の 見 直 しなどを 通 じて 手 数 料 収 入 を 伸 ばす 動 きも 活 発 である そこで 本 稿 では 信 用 金 庫 の 手 数 料 収 入 の 強 化 策 について 他 業 態 との 比 較 を 行 うと 同 時 に 推 進 時 の 留 意 点 などを 取 り 上 げる 要 旨 平 成 26 年 度 の 信 用 金 庫 の 役 務 取 引 等 利 益 は 前 期 比 2.2% 増 の 726 億 円 となった 内 訳 では 預 かり 資 産 の 推 進 などから その 他 受 入 手 数 料 等 が 増 益 を 牽 引 した 他 業 態 と 比 較 すると 都 市 銀 行 地 方 銀 行 第 二 地 銀 に 対 し 信 用 金 庫 は 役 務 取 引 等 利 益 の 伸 び 率 が 低 く また 収 益 源 の 多 様 化 でも 遅 れている 主 な 手 数 料 収 入 の 強 化 策 には 1 預 かり 資 産 の 推 進 2 法 人 役 務 の 推 進 3 手 数 料 体 系 の 見 直 し 4 役 務 取 引 等 費 用 の 削 減 などがある 今 後 手 数 料 収 入 の 強 化 に 取 り 組 む 際 の 検 討 項 目 をあげると 1 競 合 分 析 の 実 施 2 費 用 対 効 果 の 検 討 3 営 業 活 動 の 優 先 順 位 付 け 4 職 員 教 育 の 充 実 などがある 本 稿 では 地 域 銀 行 における 手 数 料 収 入 の 強 化 事 例 を 紹 介 する キーワード 役 務 取 引 等 利 益 預 かり 資 産 法 人 役 務 フィービジネス 手 数 料 体 系 の 見 直 し

目 次 はじめに 1. 役 務 取 引 等 利 益 の 推 移 2. 業 態 別 の 比 較 3. 手 数 料 収 入 の 強 化 方 法 4. 推 進 時 の 検 討 項 目 5. 地 域 銀 行 における 手 数 収 入 の 強 化 事 例 ( 参 考 ) おわりに はじめに 多 くの 信 用 金 庫 が 貸 出 金 残 高 の 伸 び 悩 みと 利 回 り 低 下 による 貸 出 金 利 息 の 減 少 に 苦 慮 している 貸 出 金 利 息 の 減 少 をカバーすると 同 時 に 安 定 収 益 の 確 保 を 目 的 に 手 数 料 収 入 の 強 化 に 乗 り 出 す 信 用 金 庫 が 増 えつつある わが 国 が 本 格 的 な 少 子 高 齢 化 社 会 を 迎 えるなか 保 険 商 品 や 投 資 信 託 といった 預 かり 資 産 の 推 進 は 顧 客 の 資 産 形 成 に 貢 献 する との 意 見 がある また 顧 客 の 課 題 解 決 に 向 け 取 組 みを 強 化 している 事 業 承 継 やM&A 私 募 債 ビジネスマッチングといったソリューションのなかには 対 価 として 手 数 料 を 得 るものも 多 く 結 果 としてフィービジネスの 拡 大 が 期 待 される そこで 本 稿 では 信 用 金 庫 の 手 数 料 収 入 の 強 化 策 について 他 業 態 との 比 較 を 行 いつ つ 推 進 時 の 留 意 点 などを 取 り 上 げる 1. 役 務 取 引 等 利 益 の 推 移 (1) 役 務 取 引 等 利 益 の 要 因 分 析 信 用 金 庫 の 平 成 26 年 度 の 役 務 取 引 等 利 益 は 前 期 比 2.2% 増 加 の 726 億 円 となり 4 年 ぶりに 前 期 を 上 回 った( 図 表 1) コア 業 務 粗 利 益 に 占 める 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 も 前 期 から 0.2 ポイント 上 昇 の 4.1%となった ( 図 表 1) 役 務 取 引 等 利 益 の 推 移 ( 図 表 2) 役 務 取 引 等 利 益 の 内 訳 の 推 移 ( 億 円 ) (%) 1,200 5 1,000 4 800 3 600 役 務 取 引 等 利 益 ( 左 ) 2 400 コア 業 務 粗 利 に 占 める 割 合 ( 右 ) 200 1 0 0 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 ( 年 度 ) ( 億 円 ) 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 500 1,000 1,500 受 入 為 替 手 数 料 その 他 受 入 手 数 料 等 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 支 払 為 替 手 数 料 その 他 支 払 手 数 料 等 ( 年 度 ) ( 備 考 )1. 他 業 態 との 合 併 等 は 考 慮 していない 2. 図 表 1 から 5 まで 信 金 中 央 金 庫 地 域 中 小 企 業 研 究 所 作 成 1

近 年 収 益 力 の 強 化 と 収 益 源 の 多 様 化 を 目 的 に 手 数 料 収 入 の 増 強 に 取 り 組 む 信 用 金 庫 が 増 えている しかしながら 16 年 度 と 比 較 すると 18.7%の 減 少 にとどまる そこで 16 年 度 から 26 年 度 までの 役 務 取 引 等 利 益 の 変 化 を 要 因 分 析 する( 図 表 2) 収 入 であ る 役 務 取 引 等 収 益 は 152 億 円 減 少 し さらに 支 出 となる 役 務 取 引 等 費 用 についても 14 億 円 増 加 している 役 務 取 引 等 収 益 のうち 預 かり 資 産 の 推 進 などで その 他 受 入 手 数 料 等 が 増 加 したものの 受 入 為 替 手 数 料 は 減 少 方 向 にある また 役 務 取 引 等 費 用 では 保 証 料 の 増 加 などから その 他 支 払 手 数 料 等 が 増 加 した (2) 地 区 別 規 模 別 の 動 向 26 年 度 のコア 業 務 粗 利 益 に 占 める 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 を 地 区 別 にみると 中 国 と 北 海 道 が5%を 超 える 一 方 で 四 国 と 南 九 州 は 役 務 取 引 等 利 益 がマイナスであった( 図 表 3) また 預 金 規 模 別 にみると 1 兆 5,000 億 円 以 上 の 5.1%から 1,000 億 円 未 満 のマイナスまで 総 じて 規 模 の 大 きい 階 層 で 割 合 が 高 かった( 図 表 4) ( 図 表 3) 地 区 別 の 役 務 取 引 等 利 益 の 変 化 ( 図 表 4) 預 金 規 模 別 のコア 業 務 粗 利 益 に 占 め る 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 地 区 16 年 度 25 年 度 26 年 度 コア 業 務 粗 利 に 占 める 割 合 ( 単 位 : 億 円 %) 16 年 度 比 増 減 率 25 年 度 比 増 減 率 北 海 道 75.5 53.8 53.2 5.6 29.5 1.2 東 北 20.0 14.5 14.4 1.9 28.2 0.9 東 京 182.3 159.8 159.1 4.9 12.7 0.4 関 東 186.4 139.3 138.4 4.1 25.7 0.6 北 陸 19.5 20.7 20.0 4.2 2.9 3.2 東 海 216.9 155.8 163.3 4.8 24.6 4.8 近 畿 135.9 122.6 132.4 3.8 2.6 7.9 中 国 48.0 46.7 50.1 5.8 4.3 7.1 四 国 20.2 7.5 6.1 - - - 九 州 北 部 12.0 2.9 2.5 0.7 78.8 14.6 南 九 州 16.2 1.5 0.8 - - - 合 計 893.9 710.4 726.3 4.1 18.7 2.2 ( 備 考 ) 沖 縄 県 は 合 計 に 含 む 合 計 1 兆 5,000 以 上 1 兆 5,000 未 満 1 兆 未 満 7,000 未 満 5,000 未 満 3,000 未 満 2,000 未 満 1,500 未 満 1,000 未 満 26 年 度 25 年 度 16 年 度 2 0 2 4 6 8 (%) (3) 信 用 金 庫 別 の 動 向 26 年 度 のコア 業 務 粗 利 益 に 占 める 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 を 信 用 金 庫 別 にみると 12% 未 満 が 85 金 庫 (31.8%) 2% 以 上 6% 未 満 が 142 金 庫 (53.1%) 36% 以 上 は 40 金 庫 (14.9%)となった( 図 表 5) 16 年 度 からの 変 化 では マイナス の 割 合 が 9.3%(28 金 庫 )から 16.8%(45 金 庫 )に 上 昇 した 一 方 8% 以 上 も 10.0% (30 金 庫 )から 13.8%(37 金 庫 )に 高 ま っており 信 用 金 庫 間 で 格 差 がみられる 2 ( 図 表 5) 信 用 金 庫 別 のコア 業 務 粗 利 益 に 占 める 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 ( 構 成 比 =100%) 16 25 26 8% 以 上 8% 未 満 6% 未 満 4% 未 満 2% 未 満 マイナス ( 年 度 )

2. 業 態 別 の 比 較 信 用 金 庫 の 手 数 料 収 入 の 獲 得 状 況 を 理 解 するため 他 業 態 との 比 較 を 試 みる 業 態 別 の 動 向 をみると 都 市 銀 行 は 10 年 以 上 前 からフィービジネスに 積 極 的 であった また 地 方 銀 行 および 第 二 地 銀 も 預 かり 資 産 や 法 人 役 務 の 推 進 といった 手 数 料 収 入 の 獲 得 に 熱 心 である 26 年 度 の 業 態 別 の 役 務 取 引 等 利 益 は 都 市 銀 行 が 前 期 比 6.0% 増 の1 兆 3,416 億 円 地 方 銀 行 が 8.4% 増 の 4,479 億 円 第 二 地 銀 は 10.3% 増 の 872 億 円 であった 内 訳 では 各 業 態 ともに その 他 受 入 手 数 料 等 が 増 加 したほか コンビニATMの 有 料 化 などに より 一 部 の 銀 行 では 支 払 為 替 手 数 料 が 減 少 している 16 年 度 を 基 準 に 26 年 度 までの 役 務 取 引 等 利 益 の 変 化 をみると 都 市 銀 行 が 130.2 地 方 銀 行 が 119.4 第 二 地 銀 は 106.6 となった( 図 表 6) 信 用 金 庫 が2 割 近 い 減 少 だ ったことを 勘 案 すると 業 態 間 で 役 務 取 引 等 利 益 の 獲 得 状 況 に 差 が 生 じている コア 業 務 粗 利 益 に 占 める 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 は 都 市 銀 行 が 26.4% 地 方 銀 行 が 13.2% 第 二 地 銀 は 9.0%となった( 図 表 7) 他 業 態 では 21 年 度 を 直 近 のボトムに 比 率 が 上 昇 基 調 にあり 収 益 源 の 多 様 化 が 進 んでいると 考 えられる ( 図 表 6) 業 態 別 の 役 務 取 引 等 利 益 の 推 移 ( 図 表 7) 業 態 別 のコア 業 務 粗 利 益 に 占 める 役 務 取 引 等 利 益 の 割 合 の 推 移 160 (16 年 度 =100) 信 用 金 庫 (%) 30 信 用 金 庫 都 市 銀 行 140 都 市 銀 行 地 方 銀 行 25 地 方 銀 行 第 二 地 銀 120 第 二 地 銀 20 100 15 80 10 60 5 40 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 ( 年 度 ) 0 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 ( 年 度 ) ( 備 考 ) 図 表 6 7 ともに 全 国 銀 行 財 務 諸 表 分 析 などより 信 金 中 央 金 庫 地 域 中 小 企 業 研 究 所 作 成 このように 業 態 別 の 状 況 を 比 較 すると 信 用 金 庫 は 他 業 態 に 比 べ 役 務 取 引 等 利 益 の 伸 び 率 が 低 く また 収 益 源 の 多 様 化 でも 遅 れが 目 立 つ 現 在 の 市 場 環 境 を 勘 案 すると 貸 出 金 利 息 の 反 転 増 大 には 時 間 を 要 すると 考 えられる 信 用 金 庫 は 地 域 の 金 融 インフラを 維 持 するためにも 安 定 的 な 収 益 確 保 が 不 可 欠 であり そのための 一 手 段 として 手 数 料 収 入 の 強 化 は 大 切 だと 考 えられる 3

3. 手 数 料 収 入 の 強 化 方 法 主 な 手 数 料 収 入 の 強 化 策 には 1 預 かり 資 産 の 推 進 2 法 人 役 務 の 推 進 3 手 数 料 体 系 の 見 直 し 4 役 務 取 引 等 費 用 の 削 減 などがある 信 用 金 庫 は 自 らの 有 する 経 営 資 源 や 競 合 状 況 などを 踏 まえて これらの 施 策 を 組 み 合 わせている (1) 預 かり 資 産 の 推 進 手 数 料 収 入 の 増 強 策 の 第 一 が 個 人 顧 客 に 対 する 預 かり 資 産 の 推 進 である 足 元 は 預 金 を 集 めやすい 市 場 環 境 にあるうえ NISAなどの 政 策 面 の 後 押 しも 預 かり 資 産 推 進 のフォローとなっている そこで 預 かり 資 産 を 販 売 し 手 数 料 収 入 を 獲 得 すると 同 時 に 顧 客 を 囲 い 込 む 動 きが 強 まってきた 少 子 高 齢 化 が 進 展 するなか 投 資 信 託 や 保 険 商 品 は 個 人 取 引 の 開 拓 深 耕 ツールとして 有 効 といえよう また 今 後 のインフレ 経 済 の 到 来 を 見 越 し 個 人 顧 客 の 金 融 資 産 を 目 減 りから 守 る 意 味 で インフレ 経 済 に 強 い 預 かり 資 産 の 推 進 に 力 を 入 れている 信 用 金 庫 もある (2) 法 人 役 務 の 推 進 信 用 金 庫 が 取 り 扱 う 付 加 価 値 サービスの 質 品 揃 えが 充 実 するなか 法 人 役 務 の 強 化 という 観 点 で 注 目 する 動 きがある 取 引 先 の 後 継 者 難 などを 背 景 に 事 業 承 継 やM& Aを 支 援 したり 有 料 コンサルティングを 提 供 したりする 際 の 対 価 として 手 数 料 を 徴 求 する 景 気 回 復 から 優 良 取 引 先 に 私 募 債 を 提 案 する 事 例 も 増 えている ただし これらの 手 数 料 収 入 は 成 功 報 酬 的 な 要 素 が 強 く 安 定 収 益 源 になりにくい そこで 顧 客 囲 い 込 みと 安 定 収 益 源 の 確 保 に 資 する 法 人 向 けネットバンキング(FB) の 契 約 などに 注 力 する 信 用 金 庫 が 増 えてきた ( 図 表 8) 法 人 役 務 の 例 シンジケートローン 事 業 承 継 M&A 私 募 債 有 料 マッチング コンサルティング デリバティブ 商 品 法 人 向 け 預 かり 資 産 確 定 拠 出 年 金 インターネットバンキング(FB EB) 顧 客 組 織 化 情 報 提 供 外 国 為 替 ( 備 考 ) 信 金 中 央 金 庫 地 域 中 小 企 業 研 究 所 作 成 (3) 手 数 料 体 系 の 見 直 し 手 数 料 の 改 定 にあたっては 事 前 に 自 金 庫 および 競 合 金 融 機 関 の 手 数 料 を 洗 い 出 す 必 要 がある( 図 表 9) 手 数 料 の 徴 求 において 信 用 金 庫 が 地 域 でリーダーシップを 発 揮 するのは 難 しく 競 合 する 地 方 銀 行 の 水 準 を 参 考 に 設 定 するケースが 多 い 地 域 で 競 合 する 全 ての 金 融 機 関 の 手 数 料 を 洗 い 出 し 自 金 庫 のそれと 比 較 する そのうえで イ) 競 合 金 融 機 関 より 割 安 なものは 同 水 準 に 引 き 上 げる ロ) 割 高 なものは 据 え 置 く 4

ハ) 自 金 庫 で 未 設 定 の 項 目 については 新 設 するなど 競 合 金 融 機 関 の 手 数 料 体 系 に 寄 せていく 方 法 が 主 流 である 経 営 判 断 として 競 合 金 融 機 関 より 手 数 料 の 水 準 を 引 き 上 げ 取 引 の 薄 い 顧 客 の 利 用 を 減 らすのも 一 手 だし 逆 に 手 数 料 を 低 く 設 定 し 利 用 顧 客 の 裾 野 を 拡 大 する 方 法 もある ( 図 表 9) 手 数 料 の 見 直 し( 流 れ) 1 一 覧 表 の 作 成 2 改 定 案 の 検 討 3 周 知 PRの 実 施 洗 出 しの 実 施 競 合 の 手 数 料 の 把 握 引 上 げ 新 設 据 置 き チラシ 配 布 重 要 顧 客 への 説 明 実 施 4 見 直 し の 実 施 ( 備 考 ) 信 金 中 央 金 庫 地 域 中 小 企 業 研 究 所 作 成 (4) 費 用 の 改 善 25~26 年 にかけて 一 部 の 都 市 銀 行 や 地 方 銀 行 が 相 次 いでコンビニATMの 手 数 料 有 料 化 を 実 施 した これは コンビニATMに 支 払 う 手 数 料 の 負 担 軽 減 の 目 的 が 大 きい 合 わせて 自 行 ATMへの 顧 客 誘 導 による 稼 働 率 アップやATM 手 数 料 の 増 収 効 果 を 期 待 しての 行 動 と 考 えられる このように 収 入 増 ではなく 収 支 改 善 に 着 目 し 役 務 取 引 等 費 用 を 抑 えることで 役 務 取 引 等 利 益 を 伸 ばす 手 法 もある 4. 推 進 時 の 検 討 項 目 今 後 信 用 金 庫 が 手 数 料 収 入 を 強 化 するためには 1 競 合 分 析 の 実 施 2 費 用 対 効 果 の 検 討 3 営 業 活 動 の 優 先 順 位 付 け 4 職 員 教 育 の 充 実 などが 求 められる (1) 競 合 分 析 の 実 施 第 一 に 自 金 庫 を 取 り 巻 く 競 合 分 析 を 実 施 し 顧 客 ニーズや 受 入 れ 限 度 額 を 確 認 する 特 に 手 数 料 の 改 定 では 競 合 金 融 機 関 の 動 向 を 確 認 しつつ 見 直 しを 実 施 した 方 が 無 難 で ある 両 替 手 数 料 を 例 にあげると 取 引 の 薄 いチェーン 系 の 顧 客 は 手 数 料 の 水 準 を 参 考 に 金 融 機 関 を 選 ぶといわれる こうした 顧 客 との 取 引 を 拡 大 したいなら 競 合 金 融 機 関 より 割 安 な 手 数 料 を 設 定 し 逆 に 抑 制 したいのなら 競 合 金 融 機 関 と 同 水 準 もしくは 割 高 に 設 定 することが 効 果 的 である 地 域 の 顧 客 の 間 で 手 数 料 を 支 払 っても 特 定 のサービスを 受 けたいというニーズがあ るのかなどを 調 査 する 必 要 もある 近 年 地 域 銀 行 のなかにはコンサルティングやビ ジネスマッチングを 有 料 化 する 事 例 もみられるので 自 金 庫 としても 有 料 化 を 検 討 俎 上 に 載 せてみたらどうだろうか 5

(2) 費 用 対 効 果 の 検 討 単 純 な 手 数 料 収 入 の 強 化 策 だけでなく 費 用 対 効 果 の 観 点 から 検 討 する 必 要 がある 例 えば 手 数 料 収 入 を 増 やすためにATMを 増 強 しても その 分 経 費 が 嵩 み 最 終 的 に 利 益 が 減 少 する 可 能 性 もある ある 信 用 金 庫 は 店 外 ATMを 全 廃 する と 同 時 に 顧 客 が 他 金 融 機 関 を 利 用 すること で 支 払 った 手 数 料 をキャッシュバックする 仕 組 みを 設 けた 結 果 役 務 収 益 等 利 益 は 悪 化 ( 収 入 の 減 少 と 支 払 いの 増 加 )したが 店 外 ATMの 維 持 に 要 するコストを 削 減 で き トータルの 収 益 性 は 改 善 したとのこと である ( 図 表 10) 振 込 手 数 料 の 体 系 (イメージ) 高 一 取 引 あ た り コ ス ト 低 安 ネット ATM 一 取 引 あたり 手 数 料 窓 口 高 ( 備 考 ) 信 金 中 央 金 庫 地 域 中 小 企 業 研 究 所 作 成 また 手 数 料 収 入 は 1 件 あたり 単 価 件 数 で 決 定 される そのため 手 数 料 収 入 の 増 強 を 目 指 して 単 価 を 引 き 上 げても 利 用 件 数 が 減 ればそれまでである 振 込 み 手 数 料 の ように より 低 コストのチャネルに 顧 客 を 誘 導 するため 手 数 料 を 引 き 下 げてきた 施 策 も ある( 図 表 10) 低 コストチャネルに 誘 導 することで 1 件 あたりの 収 入 は 減 少 する ものの 利 用 件 数 の 増 加 が 期 待 される それ 以 上 に 高 コストチャネルの 窓 口 にはより 付 加 価 値 の 高 いセールス 活 動 を 求 める 施 策 である (3) 営 業 活 動 の 優 先 順 位 付 け 渉 外 担 当 者 やテラーといった 経 営 資 源 は 有 限 なので 優 先 順 位 を 付 けて 活 動 する 必 要 がある 渉 外 担 当 者 の 目 標 のウェイトを 融 資 推 進 ( 貸 出 金 利 息 の 獲 得 )と 預 かり 資 産 推 進 ( 手 数 料 収 入 の 獲 得 )のどちらに 置 くのかなどを 検 討 する 近 年 の 傾 向 をみると 渉 外 担 当 者 は 融 資 に 専 念 し 別 に 預 かり 資 産 の 推 進 担 当 者 ( 女 性 が 多 い)を 配 置 する 信 用 金 庫 が 増 えている ただし 地 域 銀 行 の 間 では 事 業 先 への 提 案 として 融 資 + 付 加 価 値 サービスを 提 案 するケースが 増 えている 住 宅 ローンについてもクロスセルによる 生 涯 収 益 を 重 視 する 地 域 銀 行 がみられる そのため 今 後 は 貸 出 金 利 息 と 手 数 料 収 入 を 合 わせた 形 で 顧 客 の 採 算 を 管 理 する 手 法 が 主 流 となる 可 能 性 もある (4) 職 員 教 育 の 充 実 法 人 役 務 を 推 進 するためには 手 数 料 に 見 合 った 付 加 価 値 サービスを 提 供 する 必 要 が ある 手 数 料 を 徴 求 するに 値 する 高 度 な 提 案 内 容 に 加 え 十 分 な 顧 客 説 明 も 不 可 欠 とな るので 職 員 教 育 の 徹 底 が 求 められよう これは 個 人 向 けの 預 かり 資 産 の 推 進 も 同 様 であり 職 員 に 対 する 研 修 などを 強 化 し 提 案 力 を 高 める 努 力 が 求 められる 6

5. 地 域 銀 行 における 手 数 料 収 入 の 強 化 事 例 ( 参 考 ) 本 稿 では 参 考 までに 最 近 の 地 域 銀 行 における 手 数 料 収 入 の 強 化 策 を 紹 介 する (1) 取 組 み 状 況 貸 出 金 利 回 りの 低 下 を 主 因 に 地 域 銀 行 の 貸 出 金 利 息 は 減 少 傾 向 にあり 平 成 26 年 度 決 算 では 経 費 とほぼ 拮 抗 する 水 準 まで 落 ち 込 んだ 現 在 の 経 済 環 境 を 勘 案 すると 短 期 間 での 貸 出 金 利 息 の 反 転 増 加 は 厳 しいと 考 えている こうした 状 況 下 多 くの 地 域 銀 行 は 貸 出 金 利 息 の 減 少 を 手 数 料 収 入 の 増 加 でカバーし 資 金 利 益 の 増 大 に 取 り 組 ん でいる 預 かり 資 産 の 推 進 では 大 手 の 地 域 銀 行 を 中 心 に 証 券 子 会 社 を 設 立 する 動 きが 加 速 している これは グループ 戦 略 を 重 視 するなか 銀 行 単 体 での 手 数 料 収 入 だけでな くグループとして 手 数 料 収 入 の 極 大 化 を 目 指 す 動 きである 顧 客 のリスク 許 容 度 など で 棲 み 分 けを 図 ったり 証 券 仲 介 や 顧 客 紹 介 で 総 合 力 を 高 めている なお グループ 戦 略 では そのほかにリース 子 会 社 やクレジットカード 子 会 社 との 連 携 に 力 を 入 れる 地 域 銀 行 がみられる 法 人 役 務 の 分 野 では 事 業 性 評 価 に 向 けた 取 組 みを 強 化 するなか 私 募 債 や 事 業 承 継 M&Aに 力 を 入 れている これまで 無 料 で 提 供 していたコンサルティング 業 務 や ビジネスマッチングを 有 料 化 する 動 きもある その 際 積 極 的 に 外 部 機 関 を 活 用 し ビジネスマッチングにつなげている また 取 引 先 の 総 合 採 算 を 意 識 し 貸 出 金 利 息 と 手 数 料 収 入 などを 合 算 したうえで 新 規 開 拓 や 取 引 深 耕 に 取 り 組 んでいる その 一 方 で CSRや 地 域 活 性 化 にかかる 取 組 みのなかには 手 数 料 収 入 の 獲 得 を 目 的 としていないケースもある 例 えば 地 元 の 取 引 先 支 援 などを 目 的 にクラウドフ ァンディングを 実 施 する 地 域 銀 行 は 多 いが 手 数 料 収 入 に 対 する 期 待 度 は 低 いようで ある (2) 個 別 行 の 取 組 み 事 例 地 域 銀 行 にヒアリングした 手 数 料 強 化 策 のなかでも 最 近 の 特 徴 的 な 取 組 み 事 例 は 以 下 のとおりである 個 人 分 野 A 銀 行 ( 銀 証 連 携 ): 証 券 子 会 社 を 保 有 し 銀 行 本 体 と 銀 証 連 携 で 預 かり 資 産 営 業 体 制 を 構 築 する 銀 行 本 体 と 証 券 子 会 社 とは 販 売 商 品 を 棲 み 分 け 手 数 料 収 入 を 安 定 的 に 伸 ばしている 7

B 銀 行 ( 個 人 預 かり 資 産 ): 個 人 預 かり 資 産 を 推 進 するため コア サテライト 戦 略 を 採 用 し ストック 収 益 力 の 強 化 を 図 っている また ライトコンサルティング 営 業 で 中 高 年 層 の 保 険 見 直 しニーズを 喚 起 している C 銀 行 (NISA 活 用 ):NISAを 活 用 した 顧 客 裾 野 の 拡 大 に 取 り 組 む 勤 労 世 帯 に 対 しては 職 場 積 立 NISAを 未 成 年 者 にはジュニアNISAを 提 案 し 将 来 的 な メイン 顧 客 層 の 囲 い 込 みを 図 る D 銀 行 ( 信 託 相 続 関 連 業 務 ): 信 託 相 続 関 連 業 務 を 強 化 するため 専 担 部 署 を 27 年 10 月 に 設 置 すると 同 時 に 各 営 業 店 に 資 産 承 継 アドバイザー を 任 命 した 企 業 オーナーや 個 人 富 裕 層 などに 相 続 関 連 サービスを 提 案 していく E 銀 行 (クレジットカード):クレジットカードの 地 域 カード 戦 略 を 推 進 し メイン 化 と 地 元 加 盟 店 での 利 用 促 進 に 力 を 入 れている 27 年 9 月 末 のカード 会 員 数 は 30 万 人 弱 稼 働 率 も5 割 を 超 えた F 銀 行 ( 住 宅 ローンクロスセル 深 耕 ): 住 宅 ローン 先 へのクロスセルを 徹 底 し 取 引 メ イン 化 を 図 っている 合 せて 住 宅 ローン 取 扱 手 数 料 を 徴 求 しており 手 数 料 収 入 の 面 でも 業 績 に 寄 与 している G 銀 行 (プロパーカードローン):24 年 にプロパーの 消 費 者 ローン カードローンを 発 売 し 主 力 商 品 として 推 進 している 貸 出 金 利 息 収 入 の 強 化 と 同 時 に 保 証 会 社 に 支 払 う 保 証 料 の 削 減 効 果 も 大 きい 法 人 分 野 H 銀 行 ( 法 人 ネットバンキング 拡 充 ): 私 募 債 やM&A 有 料 ビジネスマッチングな どの 法 人 役 務 の 獲 得 に 力 を 入 れる 法 人 インターネットバンキングでは 外 為 機 能 を 拡 充 しており 競 合 金 融 機 関 に 対 する 優 位 性 を 打 ち 出 している I 銀 行 ( 事 業 性 評 価 モデル): 事 業 性 評 価 をベースとした 事 業 支 援 ビジネスモデルの 確 立 を 目 指 し 27 年 度 より 1 人 1 社 運 動 を 展 開 中 である 取 引 先 の 経 営 課 題 解 決 に 向 けた 支 援 策 の 実 施 を 通 じて 関 連 手 数 料 も 増 加 している J 銀 行 ( 事 業 承 継 M&A): 取 引 先 の 事 業 承 継 M&Aを 強 化 するため 27 年 8 月 に 本 部 内 に 事 業 承 継 M&A 推 進 室 を 設 置 した 専 担 者 配 置 による 提 案 力 の 強 化 でフィービジネスを 強 化 していく 8

K 銀 行 (クレジットカード): 取 引 先 中 小 企 業 のカード 決 済 環 境 やキャッシュレスイ ンフラの 整 備 促 進 を 行 うことで 地 域 活 性 化 を 図 るため 28 年 2 月 から 最 新 のクレジッ ト 加 盟 店 端 末 の 提 供 を 行 う 予 定 である L 銀 行 (リース 媒 介 業 務 ):リース 子 会 社 の 出 資 比 率 を 高 めると 同 時 に 27 年 度 から リース 媒 介 業 務 を 強 化 している 銀 行 の 渉 外 担 当 者 はリース 案 件 を 積 極 的 に 発 掘 し 取 扱 い 件 数 を 伸 ばしている M 銀 行 (コンサルティング 子 会 社 ): 地 方 創 生 に 関 連 するコンサルティングなどを 受 託 するため 27 年 7 月 調 査 コンサルティング 業 務 を 行 う 子 会 社 を 設 立 した 今 後 自 治 体 からの 受 託 業 務 などの 収 益 事 業 を 行 う 予 定 である おわりに 足 元 の 平 成 27 年 9 月 期 決 算 をみると 地 域 銀 行 の 多 くが 貸 出 金 利 息 の 伸 び 悩 みを 役 務 取 引 等 利 益 の 増 益 でカバーし 増 益 を 実 現 している 地 域 銀 行 は グループをあげ て 預 かり 資 産 の 推 進 に 注 力 中 のうえ 近 年 注 目 を 集 める 事 業 性 評 価 と 関 連 し 私 募 債 や M&Aなどの 提 案 セールス(フィービジネス)にも 力 を 入 れはじめた 信 用 金 庫 は 地 域 銀 行 に 比 べ 預 貸 金 ビジネスに 占 める 収 益 の 割 合 が 高 い 状 況 にあり また 収 益 性 の 改 善 が 喫 緊 の 経 営 課 題 となっている 収 益 性 の 改 善 および 収 益 源 の 安 定 確 保 のため 信 用 金 庫 においても 手 数 料 収 入 の 強 化 に 取 り 組 んでいくことが 求 められ よう と ( 刀 禰 以 上 ね かずゆき 和 之 ) 参 考 文 献 等 全 国 銀 行 協 会 全 国 銀 行 財 務 諸 表 分 析 東 洋 経 済 金 融 機 関 マネジメント 地 方 銀 行 第 二 地 銀 各 行 のディスクロージャー 資 料 本 レポートのうち 意 見 にわたる 部 分 は 執 筆 者 個 人 の 見 解 です 投 資 施 策 実 施 等 についてはご 自 身 の 判 断 によってください 9