本 学 の 共 通 英 語 教 育 のあり 方 を 考 える 英 語 教 育 の 最 近 の 動 向 を 踏 まえて 渡 部 友 子 1. はじめに 2013 年 度 は 高 等 学 校 で 新 学 習 指 導 要 領 に 基 づく 指 導 が 始 まった 年 で 英 語 を 英 語 で 教 える 方 針 になったことが 注 目 された その 他 にも 大 学 の 英 語 入 試 に 外 部 試 験 を 導 入 する 小 学 校 の 英 語 を 教 科 化 する などの 提 案 が 次 々に 出 され 英 語 教 育 が 話 題 になることが 多 い1 年 であった 本 学 でも 教 養 教 育 のカリキュラム 改 革 が 実 施 され その 中 で 英 語 教 育 も 根 本 的 に 構 築 し 直 す 必 要 性 が 認 識 されている 2013 年 10 月 に 全 学 教 育 課 程 委 員 会 の 下 に 共 通 ( 必 修 ) 英 語 改 革 検 討 小 委 員 会 が 設 置 され 年 度 内 に 方 針 を 固 めることを 目 指 して 会 議 を 重 ねている 学 務 担 当 副 学 長 を 委 員 長 学 務 部 長 を 副 委 員 長 とし 委 員 は 各 学 部 長 の 他 英 文 学 科 から2 名 言 語 文 化 学 科 から3 名 の 英 語 担 当 教 員 代 表 ( 両 学 科 長 を 含 む)で 構 成 され 筆 者 はその 末 席 に 加 わっている 本 稿 では 英 語 教 育 を 取 り 巻 く 最 近 の 動 向 を 踏 まえて 本 学 の 英 語 教 育 をどういう 体 制 にす ればよいのかを 英 語 教 育 に 直 接 携 わる 立 場 から 考 えたい 第 2 節 では ここ10 年 間 の 文 部 科 学 省 の 英 語 教 育 施 策 と 今 後 の 動 向 を 概 観 する 第 3 節 では 大 学 の 英 語 教 育 の 先 進 的 事 例 を 第 4 節 では 英 語 入 試 の 改 革 事 例 を 紹 介 する 最 後 に 第 5 節 で 本 学 でできることを 提 案 する な お 本 稿 での 提 案 はあくまで 筆 者 の 私 案 であり 上 記 小 委 員 会 を 代 表 する 案 ではないことをお 断 りしておく 2. 文 部 科 学 省 の 英 語 教 育 施 策 小 学 校 への 英 語 導 入 を 含 む ここ 数 年 の 英 語 教 育 の 制 度 的 変 化 は 2003 年 に 発 表 された 英 語 が 使 える 日 本 人 の 育 成 のための 行 動 計 画 ( 以 下 行 動 計 画 )を 反 映 したものである 行 動 計 画 の 特 徴 は 国 民 全 体 に 求 める 英 語 力 と 専 門 分 野 で 活 躍 するための 英 語 力 を 分 け て 目 標 設 定 したことである 国 民 全 体 に 対 しては 中 学 卒 業 時 に 英 検 3 級 程 度 高 校 卒 業 時 に 英 検 準 2 級 から2 級 程 度 を 達 成 目 標 とし その 後 に 養 成 される 専 門 分 野 ごとの 英 語 教 育 では 各 分 野 で 達 成 目 標 を 設 定 する としている これらの 目 標 を 達 成 するために 行 動 計 画 ではさらに 英 語 教 育 の 改 善 を 提 言 している 具 体 的 には 英 語 の 授 業 の 大 半 は 英 語 を 用 いて 行 なうことが 推 奨 され それを 実 施 するた 27
めに 必 要 な 英 語 教 員 の 英 語 力 の 目 標 を 英 検 準 1 級 TOEFL 1 550 点 TOEIC730 点 程 度 以 上 に 設 定 した つまり これが 英 語 教 育 という 専 門 分 野 で 活 躍 するための 英 語 力 である 加 えて 入 学 試 験 が 教 育 に 波 及 効 果 をもつことから 行 動 計 画 は 試 験 の 改 善 も 提 言 して いる 具 体 的 には 大 学 や 高 校 入 試 において リスニングテストや 外 部 検 定 試 験 の 活 用 の 促 進 が 求 められた 2006 年 度 から 大 学 入 試 センター 試 験 にリスニングテストが 導 入 されたのは こ の 行 動 計 画 が 背 景 にある 英 語 教 育 改 善 案 の 方 は 新 学 習 指 導 要 領 ( 小 中 は2008 年 高 校 は2009 年 告 示 )となって 結 実 し 小 中 学 校 は2011 年 から 高 校 は2013 年 から 実 施 されている 小 学 校 では5 年 6 年 で 週 1 時 間 の 外 国 語 活 動 が 必 修 化 された 中 学 校 では 英 語 が 週 3 時 間 から4 時 間 に 増 えた そして 高 校 では 科 目 が 大 幅 に 再 編 され 授 業 は 英 語 で 行 なうことを 基 本 とする と 明 記 されている 今 年 度 になって 頻 繁 に 話 題 に 上 る 授 業 は 英 語 で の 問 題 は 実 は10 年 前 に 打 ち 出 された 方 針 だった さて この 施 策 を 受 けて 英 語 教 育 現 場 はどうなっているのか 公 的 データは 手 元 にはない が 上 智 大 学 の 吉 田 研 作 氏 (2013 年 12 月 に 行 なわれた 教 育 シンポジウムでの 発 言 )によれば 行 動 計 画 で 示 された 英 語 教 員 の 英 語 力 の 達 成 目 標 をクリアしている 現 職 教 員 は 中 学 校 で 1/4 程 度 高 校 で1/2 程 度 であり 高 校 卒 業 時 の 生 徒 の 英 語 力 は 準 2 級 に 達 している 者 は1/2 程 度 にとどまる とのことである また 高 校 で 授 業 を 英 語 で 実 施 することへの 取 り 組 みの 度 合 いも 筆 者 が 学 会 (2013 年 度 東 北 英 語 教 育 学 会 など)で 耳 にする 範 囲 では 学 校 間 および 教 員 間 でバラツキが 大 きいようである 英 語 で 授 業 をすることに 躊 躇 する 理 由 としては 教 員 側 の 能 力 不 足 に 由 来 する 部 分 もあるだ ろうが 英 語 で 授 業 をして 大 学 入 試 に 対 応 できる 学 力 を 養 えるのか という 懸 念 も 現 場 には 存 在 するようである この 問 題 を 扱 ったNHK 制 作 クローズアップ 東 北 (2013 年 11 月 15 日 放 送 )では 進 学 校 でこの 不 安 が 強 く 授 業 改 革 に 及 び 腰 になりがちであることが 報 告 されてい る 実 際 に 東 北 大 学 の 入 学 試 験 で 日 本 語 に 訳 す 問 いが 出 題 されていることが 指 摘 された このように 先 の 行 動 計 画 がまだ 目 標 達 成 に 至 っていない 状 況 の 中 2013 年 12 月 に 文 部 大 臣 から 新 たな 英 語 教 育 施 策 が 発 表 された それは グローバル 化 に 対 応 した 英 語 教 育 改 革 実 施 計 画 ( 以 下 実 施 計 画 )である その 冒 頭 では 2020 年 の 東 京 オリンピックに 向 けて 英 語 が 使 える 人 材 を 育 てるのが 目 的 であることが 明 記 されている ただし この 計 画 はまだ 案 の 段 階 で 有 識 者 会 議 や 中 央 教 育 審 議 会 での 議 論 を 経 て 学 習 指 導 要 領 が 改 訂 されるまでには 早 く ても 数 年 を 要 すると 思 われる 文 部 科 学 省 の 見 通 しでも2020 年 度 からの 全 面 実 施 を 想 定 してい る 東 京 オリンピックを 英 語 教 育 改 革 の 目 的 ではなく きっかけとしたいのであろう 1 Test of English as a Foreign Languageの 略 アメリカの 高 等 教 育 機 関 が 留 学 志 望 者 に 実 施 する 英 語 力 テスト 現 在 はインターネットでの 実 施 (ibt)が 主 流 になっている 紙 媒 体 試 験 の550 点 は ibt 79 80 点 に 相 当 する 28
この 実 施 計 画 で 注 目 されるのは 以 下 の3 点 である ⑴ 小 学 校 の 外 国 語 活 動 の 開 始 を 中 学 年 に 下 げる ⑵ 小 学 校 の 高 学 年 では 英 語 を 教 科 化 する ⑶ 中 学 校 でも 英 語 で 授 業 をすることを 基 本 とする この 計 画 では 高 校 卒 業 時 の 生 徒 の 英 語 力 は 英 検 2 級 ~ 準 1 級 TOEFL ibt57を 目 標 としてお り 行 動 計 画 での 想 定 よりも 高 くなっている 以 上 をまとめると ここ10 年 の 文 部 科 学 省 の 姿 勢 は 国 民 の 英 語 運 用 能 力 を 向 上 させる と いう 方 向 で 一 貫 しており 今 後 もそれは 変 わらないと 思 われる 現 場 の 教 員 は その 姿 勢 に 戸 惑 いながらも 何 とか 対 応 しようと 努 力 しているようである 前 出 のNHKの 番 組 に 登 場 した 進 学 校 の 教 員 は 日 々 試 行 錯 誤 しながら 少 しずつ 成 果 を 上 げているように 見 受 けられた 現 在 はまだ 英 語 で 授 業 をしている 割 合 が 小 さいかも 知 れないが 確 実 に 増 えていくであろう 数 年 後 には 新 学 習 指 導 要 領 のもとで 教 育 を 受 けた 高 校 生 が 大 学 に 入 学 してくる その 時 を 見 据 えて 大 学 の 英 語 教 育 も 改 革 を 始 めなければならない では どのような 教 育 をしたら 大 学 生 の 英 語 運 用 能 力 を 伸 ばすことができるのだろうか 次 節 では 先 進 的 な 大 学 の 取 り 組 みを 紹 介 する 3. 大 学 英 語 教 育 の 先 進 的 な 取 り 組 み 筆 者 は 2013 年 12 月 初 めに 学 務 担 当 副 学 長 の 代 理 で 1 2 年 次 における 英 語 教 育 プログラ ムの 深 化 と 実 際 というセミナーに 参 加 した そこでは 学 士 教 育 の 一 環 として 英 語 教 育 に 取 り 組 んでいる4 大 学 の 報 告 があった 本 節 の 内 容 は これに 基 づくものである 3. 1 神 田 外 国 語 大 学 英 米 語 学 科 この 大 学 は 外 国 語 教 育 に 特 化 した 単 科 大 学 である ここでの 英 語 教 育 は 教 養 教 育 との 統 合 をめざしている 英 語 の 授 業 は4 年 間 に 渡 って 提 供 され 前 半 2 年 間 で4 技 能 の 基 礎 力 を 固 め 後 半 2 年 間 でそれを 高 度 化 させ 複 雑 な 話 題 や 専 門 的 な 内 容 を 扱 うことができるようになるこ とを 目 指 す 外 国 語 運 用 能 力 の 到 達 度 指 標 CEFR(Common European Framework of Reference) 2 で 言 うと 2 年 次 終 了 時 点 でB1 卒 業 時 にC1レベルに 到 達 することを 学 科 420 人 全 員 の 目 標 としている この 目 標 を 学 生 に 達 成 させるための 体 制 としては 学 科 専 任 教 員 ( 言 語 学 などの 専 門 科 目 を 2 この 指 標 は ヨーロッパ 連 合 内 での 外 国 語 教 育 に 共 通 して 使 用 できるよう 設 定 されたものである 各 レベル の 到 達 度 は ~ができる という 書 き 方 で 統 一 されている レベルは6 段 階 で 低 い 順 にA1, A2, B1, B2, C1, C2となっている 日 本 でもこの 指 標 の 使 用 が 広 がりつつある 詳 しくは 投 野 編 (2013)などを 参 照 されたい 29
教 える 教 員 )20 名 に 加 えて 英 語 を 教 える 教 員 70 名 を 抱 え 習 熟 度 やスキルに 応 じた 授 業 が 提 供 されている 後 者 は 全 員 大 学 院 で 英 語 教 授 法 や 応 用 言 語 学 などを 修 めた 専 門 家 集 団 である 彼 らは 英 語 のカリキュラム 開 発 と 研 究 を 行 なう 機 関 に 所 属 し 授 業 外 でもいろいろな 側 面 から 学 生 の 自 主 的 学 習 のサポートを 提 供 する この 機 関 が ラーニングコモンズ あるいはアクテ ィブラーニングセンターの 役 割 を 果 たしているようである 際 立 つのは 英 語 必 修 単 位 の 多 さである 1 年 次 12 単 位 ( 前 期 6 後 期 6) 2 年 次 12 単 位 ( 同 上 )で 科 目 名 で 紹 介 すると Freshman English, Foundational Literacies (Reading & Writing), Media English, Academic Literacies( 上 級 のReading & Writing: 筆 者 注 )などであ る さらに 高 学 年 では20 単 位 が 必 修 で 学 科 専 任 教 員 が 各 自 の 専 門 分 野 の 内 容 を 英 語 で 教 える 授 業 が 提 供 されている 例 えば アメリカの 文 化 と 社 会 第 二 言 語 習 得 英 語 史 心 理 学 コ ミュニケーション 論 などである 毎 年 100 講 座 以 上 開 講 され 学 生 はこの 中 から 選 択 して20 単 位 を 揃 えることになる 高 学 年 の 授 業 を 履 修 するには 英 語 力 の 条 件 がある TOEIC600 TOEFL ibt54 TOEFL ITP 3 480 IELTS 4 4.5のうちいずれかを 取 得 していないと 履 修 ができない この 基 準 に 達 しな い 学 生 (1 学 年 で2% 程 度 )には 夏 期 集 中 の 英 語 補 習 が 実 施 されるとのことである 3. 2 国 際 教 養 大 学 この 大 学 も 単 科 大 学 である いろいろな 側 面 でユニークであり マスコミに 取 り 上 げられる ことも 多 い 最 大 の 特 徴 は すべての 授 業 が 英 語 で 行 なわれることと 留 学 が 義 務 づけられて いることである 専 門 分 野 としてはグローバル ビジネス グローバル スタディーズ 日 本 研 究 のコースが あり それ 以 外 にいわゆる 教 養 科 目 ( 社 会 科 学 人 文 科 学 など)も 履 修 するが それらを 英 語 で 学 ぶため 入 学 者 はまず 英 語 集 中 プログラムからスタートする 大 学 レベルの 学 びに 必 要 な 英 語 力 (English for Academic Purposes)がつくまでは ひたすら 英 語 だけを 勉 強 するので ある 集 中 英 語 プログラムは 習 熟 度 別 に3 段 階 にクラス 分 けされ それぞれにTOEFL ITPの 基 準 がある レベル1は480(iBT53) 未 満 レベル2は480~499(iBT54~61) レベル1は500(iBT80) 以 上 となっている 入 学 時 点 で 高 い 英 語 力 をもっている 学 生 は 1 学 期 で 英 語 集 中 講 座 を 修 3 TOEFLの 古 い 問 題 を 学 校 単 位 で 団 体 受 験 させる 制 度 受 験 料 は 安 く 抑 えられるが スコアの 精 度 は 下 がると 言 われる 4 International English Language Testing Systemの 略 イギリスを 中 心 とした 英 語 圏 で 使 用 される 英 語 力 テス ト アメリカのTOEFLに 相 当 する 30
了 し 2 学 期 目 から 教 養 科 目 を 履 修 し 始 めることができる 一 方 で レベルがなかなか 上 がら ず 英 語 集 中 プログラムの 修 了 に 時 間 を 要 する 学 生 もいる 修 了 の 基 準 はTOEFLスコアでは なく 授 業 の 成 績 で 設 定 されている レベル3の 授 業 全 てでCマイナス 以 上 の 成 績 を 取 ること である この 大 学 を 卒 業 するためには 必 ず1 年 間 海 外 留 学 しなければならない ただし 留 学 先 は 英 語 圏 でなくともよく ほとんど 日 本 人 が 行 かない 地 域 に 行 く 学 生 もいるとのことである 留 学 を 申 請 するには TOEFL ITP550 点 以 上 かつ 学 業 成 績 の 平 均 が2.5(4が 最 高 点 )が 要 件 と なっている 要 件 を 満 たせないために 留 学 が 遅 れることもある 報 告 者 の 記 憶 では これまで に 一 番 遅 く 留 学 したのは 入 学 5 年 目 だったそうである この 大 学 では いろいろな 段 階 で 基 準 が 設 けられているため このように 卒 業 が 遅 れる 可 能 性 がある それでも 保 護 者 が 納 得 し 入 学 希 望 者 が 減 らない 理 由 は 留 学 が 学 生 を 成 長 させると 認 識 されているからであろう 就 職 状 況 もおおむね 良 好 と 聞 く 学 習 を 支 える 体 制 としては 図 書 館 内 に 設 置 された 言 語 異 文 化 学 習 センターがある これも ラーニングコモンズ アクティブラーニングセンターの 一 形 態 である ここでは 自 主 学 習 の ための 教 材 や 会 話 練 習 のパートナー 先 輩 からのサポート 教 員 によるワークショップなど が 提 供 される また 英 語 集 中 プログラムの 授 業 の 課 題 として このセンターでの 自 主 学 習 が 週 3 時 間 課 されている 授 業 外 での 学 習 を 強 く 促 す 仕 組 みになっていることが 分 かる 3. 3 大 阪 女 学 院 大 学 この 大 学 も 国 際 英 語 学 部 のみの 単 科 大 学 であるが 専 攻 は 国 際 コミュニケーション 国 際 関 係 法 国 際 ビジネスの3つに 分 かれている 英 語 そのものに 強 い 興 味 をもつ 学 生 だけを 相 手 にしているわけではない 点 で 東 北 学 院 大 学 に 近 いかも 知 れない 英 語 教 育 は 専 攻 に 関 わら ず 共 通 の 内 容 になっており 専 門 教 育 まで 英 語 で 教 えているのは 国 際 コミュニケーション 専 攻 のみである 一 方 国 際 ビジネス 専 攻 ではアジアを 重 視 しているので 韓 国 語 か 中 国 語 が 他 の 専 攻 の2 倍 課 される 共 通 英 語 教 育 は 共 通 トピックが 設 定 され それについて 英 語 で 読 み 書 き 話 すという 技 能 統 合 が 図 られている クラスは 習 熟 度 別 に 分 けられるが 使 用 する 教 材 は 共 通 で 学 習 者 の レベルに 合 わせて 教 員 が 課 題 のレベルを 調 整 する ということである トピックは global issues ( 平 和 人 権 維 持 可 能 な 社 会 など)が 選 ばれている なお 文 法 や 発 音 は 別 の 独 立 した 授 業 で 指 導 される 国 際 コミュニケーション 専 攻 には32 名 の 日 本 人 専 任 教 員 と6~7 名 の 英 語 母 語 話 者 教 員 がお り 専 門 科 目 を 英 語 で 教 える 体 制 を 作 っている 科 目 は 番 号 で 分 類 され 履 修 に 必 要 な 英 語 力 31
のレベルがある 程 度 わかるようになっている 学 生 はそれを 目 安 に アドバイザーの 助 言 も 受 けながら 科 目 を 選 択 しているとのことである 報 告 者 は 4 年 間 で 学 生 の 英 語 力 がどの 程 度 伸 長 するかを TOEICスコアで 示 した 2009 年 入 学 生 は 入 学 時 の 英 語 力 は 他 大 学 よりも 低 かったが 3 年 次 後 期 には 逆 転 している 3 年 間 で 平 均 でも 約 200 点 上 昇 し 中 には435 点 上 昇 した 者 もいた( 元 々 点 数 が 低 かったせいもあるが) 3. 4 関 西 外 国 語 大 学 英 語 キャリア 学 部 この 学 部 は2011 年 に 新 設 された 学 部 で 上 記 3 大 学 と 同 様 英 語 で 学 ぶ ことを 柱 とし 英 語 を 生 かした 職 に 就 くことを 目 標 とする 最 も 特 徴 的 なのは 1 年 間 の 専 門 留 学 が 義 務 づけられていることであろう つまり 英 語 ではなく 専 門 分 野 を 学 びに 行 くのである 本 学 部 における 専 門 分 野 とは 言 語 学 ( 英 語 および 日 本 語 ) 経 済 学 国 際 関 係 論 などである 留 学 は 3~4 年 次 にかけて1 年 間 行 くことが 想 定 されており 留 学 するためには 所 定 の 学 力 水 準 を 満 たしていなければならない 詳 しくは 不 明 だが 先 の 国 際 教 養 大 学 と 同 様 英 語 力 と 学 業 成 績 の 基 準 があると 思 われる 3 年 次 に 専 門 留 学 する ということは 入 学 後 2 年 間 で 専 門 的 な 内 容 を 英 語 で 扱 えるだけの 知 識 と 英 語 力 を 養 成 しなければならない そのため この 学 部 のカリキュラムは 低 学 年 に 多 くの 英 語 科 目 と 専 門 科 目 を 置 いている 英 語 科 目 はすべて 専 門 複 合 科 目 という 位 置 づけで 扱 う 内 容 は global issues, メディア 論 文 化 論 など 専 門 分 野 に 関 連 したものが 設 定 されて いる また 専 門 科 目 も 一 部 は 英 語 で 教 えられている 最 初 の2 年 を 英 語 科 目 と 専 門 科 目 で 埋 めるため 哲 学 や 心 理 学 などのいわゆる 教 養 教 育 科 目 は 3~4 年 次 に 配 当 されている これも 専 門 留 学 を 義 務 づけた 結 果 の 特 徴 的 カリキュラムと 言 えるだろう また この 学 部 で 英 語 教 員 の 資 格 をとる 場 合 英 語 学 や 英 語 文 学 の 他 経 済 学 や 国 際 関 係 論 も 履 修 することになる 経 済 が 分 かる 英 語 教 員 が 生 まれるというのは 教 員 集 団 の 多 様 化 に 貢 献 するのではないかと 思 う 3. 5 まとめ 上 記 4 大 学 の 英 語 教 育 に 共 通 している 点 は 英 語 運 用 力 を 伸 ばすには 英 語 に 触 れ 英 語 を 使 う 時 間 数 を 増 やさなければならない という 考 えである そのために 英 語 で 行 なう 授 業 を 増 やし 授 業 外 での 学 習 を 促 し クリアすべき 基 準 を 設 定 して 専 門 教 育 と 融 合 させる 体 制 をと っている つまり 教 員 側 も 学 生 側 も 多 くの 資 源 を 投 入 することで 成 果 を 上 げていると 言 える 卒 業 時 の 英 語 力 を 保 証 しようとするなら 英 語 教 育 を 自 己 完 結 させるのではなく 他 の 科 目 と 接 点 を 持 たせ 卒 業 時 まで 続 ける 必 要 があるだろう 32
4. 大 学 入 試 の 改 革 大 学 入 試 の 改 革 は 行 なわれていないわけではない 近 年 の 大 学 入 試 センターの 英 語 の 出 題 ( 例 えば2010~2013 年 )を 見 れば リスニングが 取 り 入 れられているだけでなく それ 以 外 の 部 分 もかなり 改 善 されたように 思 われる 具 体 的 に 言 えば 発 音 や 語 法 など 正 確 な 知 識 が 要 求 される 問 題 は 全 体 に 占 める 割 合 が 小 さい 答 え 方 の 指 示 文 は 日 本 語 で 書 かれているものの それ 以 外 は 選 択 肢 を 含 めすべて 英 語 で 書 かれており かつ 全 体 として 問 題 の 量 が 多 いことから いちいち 日 本 語 に 訳 していたのでは 時 間 が 足 りなくなると 思 われる つまり センター 試 験 の 英 語 問 題 は ある 程 度 のスピードを 持 って 英 語 を 読 んで 要 点 を 理 解 する 能 力 を 必 要 としてい ると 言 える したがって 高 校 の 英 語 教 員 は センター 試 験 を 理 由 に 文 法 と 日 本 語 訳 を 中 心 と した 授 業 を 続 けることはできないはずである 一 方 各 大 学 が 作 成 する 入 学 試 験 では 日 本 語 に 訳 させる 出 題 形 式 を 残 しているところが 多 く 存 在 することは 事 実 であろう これを 変 えるために 文 部 科 学 省 は 大 学 入 試 においても 外 部 検 定 試 験 ( 英 検 TOEFLなど)を 活 用 するべきだと 提 言 している( 実 施 計 画 ) しかし 大 学 入 試 に 外 部 検 定 試 験 を 導 入 することには 反 対 の 声 も 多 い 例 えば 大 学 英 語 教 育 学 会 は2013 年 度 全 国 大 会 の 総 会 で TOEFLを 大 学 入 試 に 使 用 することに 反 対 する 意 向 を 確 認 している それは TOEFLがアメリカ 留 学 のための 英 語 力 を 測 定 するテストだからであ る 日 本 の 大 学 で 学 ぼうとする 学 生 にTOEFLを 課 すことで TOEFL 対 策 に 追 われて 高 校 の 英 語 教 育 がゆがめられることを 懸 念 しての 反 対 だと 推 察 する そんな 中 上 智 大 学 と 日 本 英 語 検 定 協 会 は 大 学 入 試 用 の 英 語 試 験 を 共 同 で 開 発 している 日 本 で 英 語 教 育 を 受 け 日 本 の 大 学 で 学 ぼうとする 学 生 の 英 語 力 を 測 定 するのにふさわしい 試 験 を 作 ることがその 目 的 だ この 事 例 を 手 元 のパンフレットにある 情 報 をもとに 以 下 に 紹 介 する この 試 験 の 名 称 はTEAP(Test of English for Academic Purposes) 日 本 語 では アカデ ミック 英 語 能 力 判 定 試 験 と 呼 ばれる その 名 が 示 唆 するように 大 学 で 学 習 研 究 する 際 に 必 要 とされるアカデミックな 場 面 での 英 語 運 用 力 を 技 能 別 に 測 定 する 試 験 である 具 体 的 に は 英 語 で 資 料 や 文 献 を 読 む 英 語 で 講 義 を 受 ける 英 語 で 意 見 を 述 べる 英 語 で 文 章 を 書 く などの 能 力 が 挙 げられている 受 験 対 象 者 は 大 学 入 学 を 希 望 する 高 校 3 年 生 で 難 易 度 は 英 検 準 2 級 から 準 1 級 前 出 のCEFRのレベルで 言 えば A2からB2に 相 当 する この 試 験 は 読 む 聞 く 話 す 書 く の4 技 能 の 測 定 を 目 指 すが 現 在 はリーディングと リスニングのみが 完 成 した 段 階 である 上 智 大 学 は2015 年 度 入 試 からTEAPを 導 入 する 予 定 で ある この 試 験 の 趣 旨 に 賛 同 する 大 学 は 2013 年 12 月 現 在 で56 大 学 ( 私 立 46 国 公 立 10)ある 33
が 入 試 への 導 入 を 決 定 したのは 上 智 大 学 のみである 5 TEAPの 主 たる 開 発 者 の1 人 である 上 智 大 学 の 吉 田 研 作 氏 は 前 出 のシンポジウムで この 試 験 が 多 くの 大 学 で 使 用 されることを 期 待 していると 述 べている 筆 者 が 問 題 のサンプルを 見 る 限 り 良 質 なテストであるように 思 われるが 残 念 ながらこのテストが 多 くの 大 学 で 採 用 さ れないのではないかと 予 想 する なぜなら この 試 験 が 想 定 している アカデミックな 場 面 で 英 語 を 使 用 する 必 要 がある 日 本 の 大 学 は 少 ないからだ 英 語 が 大 きな 比 重 を 占 めない 大 学 でこのテストを 入 学 試 験 として 実 施 することは TOEFLを 課 すことと 同 じくらい 無 理 がある ことだと 思 われる 吉 田 氏 はそのことを 認 識 していないわけではない センター 試 験 の 英 語 もTEAPも 高 校 3 年 生 の 上 位 層 を 判 別 する 発 展 テスト になっている したがって 基 礎 能 力 試 験 の 開 発 も 必 要 である という 主 旨 の 発 言 も 吉 田 氏 からあった しかし 良 質 の 問 題 を 作 成 するには 時 間 と 労 力 がかかる 実 際 TEAPは 日 本 英 語 検 定 協 会 の 協 力 を 得 ても 半 分 を 完 成 させるのに4 年 間 を 費 やしている そのようなテスト 開 発 を 個 別 の 大 学 あるいは 大 学 有 志 で 行 なうことが 可 能 かどうかは 疑 問 である 基 礎 英 語 能 力 の 測 定 には 英 検 を 活 用 すればよいのではないかと 筆 者 は 考 える 英 検 は 日 本 で 英 語 を 学 ぶ 学 習 者 を 想 定 して 作 成 されており 一 定 以 上 の 信 頼 性 もあるので 日 本 の 大 学 への 入 学 試 験 としては 適 している 問 題 の 難 易 度 にも 幅 があるので 英 検 X 級 という 形 で 大 学 が 入 学 基 準 を 示 すことは 可 能 であろう 英 検 には 成 績 判 定 方 法 に 問 題 があると 指 摘 される それは 成 績 がスコアではなく 合 否 のみの 判 定 になっている 点 である しかしこれは 今 後 改 善 される 見 込 み( 前 出 の 教 育 シンポジウムにおける 日 本 英 語 検 定 協 会 理 事 長 の 発 言 )である 既 存 の 試 験 を 改 善 して 使 用 すれば 入 試 への 導 入 時 期 を 早 めることが 可 能 になろう 5. 本 学 での 英 語 教 育 はどうあるべきか 本 学 の 英 語 教 育 のあり 方 を 考 える 際 に まず 確 認 しなければならない 点 がある それは ど のような 学 生 を 入 学 させ どのような 力 をつけさせて 卒 業 させたいのか である 学 士 課 程 教 育 全 体 の 大 枠 ではなく 英 語 に 関 してこれを 確 認 する 必 要 がある 本 学 の 学 科 の 中 で 英 語 を 学 ぶ 覚 悟 をもつ 学 生 を 受 け 入 れるのは 英 文 学 科 と 言 語 文 化 学 科 のみである したがってこの2 学 科 は 卒 業 時 の 英 語 力 を 保 証 する 責 任 があると 考 える その ためには 3 節 で 紹 介 した 大 学 のような 4 年 間 に 渡 る 英 語 教 育 の 体 制 を 構 築 するべきである 筆 者 が 所 属 する 言 語 文 化 学 科 について 言 えば 現 在 の 体 制 は 不 十 分 である 本 学 科 は 1 年 次 には 英 語 以 外 の 第 二 外 国 語 の 学 習 に 重 点 がおかれ 2 年 次 には 英 語 科 目 が 増 えるものの 3 年 次 5 詳 しくはTEAPのホームページ(http://www.eiken.or.jp/teap/)を 参 照 されたい 34
にはほとんどない 状 態 である 本 学 科 の 特 色 は 英 語 +1 外 国 語 ではあるが 英 語 が 少 しお ろそかになっている 嫌 いがある 英 語 力 を 伸 ばしたい 学 生 が4 年 間 を 通 じて 取 り 組 めるよう 3 年 次 に 英 語 で 教 える 演 習 や 講 義 を 増 やす 必 要 があるだろう 上 記 2 学 科 以 外 への 入 学 者 は 積 極 的 に 英 語 を 学 ぼうとは 思 っておらず むしろ 学 びたくな いという 気 持 ちを 持 つ 者 が 多 いと 思 われる そういう 学 生 に 対 して 大 学 の 方 針 として 英 語 を 必 修 とするのであれば なぜ 英 語 を 学 ばなければならないのか をまず 理 解 させなければな らないであろう これには いつか 役 に 立 つから という 説 明 では 不 十 分 である 加 えて 考 えなければいけないのは 各 専 門 分 野 で 英 語 力 が 必 要 か 必 要 だとすればどのよう な 英 語 力 が 必 要 なのか である 例 えば 英 語 で 書 かれた 専 門 分 野 の 文 献 を 読 む 能 力 が 必 要 ならば それを 入 学 時 から 計 画 的 に 養 成 することが 望 ましい それを 実 現 するには 英 語 教 員 と 専 門 教 員 の 協 力 が 不 可 欠 である 単 科 大 学 ではない 本 学 では 専 門 分 野 が 多 岐 に 渡 るため 3 節 で 紹 介 したような 体 制 を 各 専 門 分 野 に 合 わせて 構 築 することは 難 しいことだと 思 われる このことは 小 委 員 会 でも 認 識 さ れている そのため 英 語 教 育 は 専 門 分 野 とは 切 り 離 し 学 科 の 違 いに 関 わらず 共 通 の 教 育 を 実 施 する 方 向 で 現 在 は 検 討 が 進 んでいる 次 に 入 学 試 験 について 述 べる 現 在 本 学 は 独 自 の 英 語 試 験 を 毎 年 作 成 している テスト 理 論 ( 静 2002など 参 照 )に 基 づいて 厳 密 に 作 成 しているわけではないし 結 果 を 細 かく 分 析 し て 次 年 度 に 生 かすという 作 業 も 充 分 に 行 なわれていない したがってテストとしては 信 頼 性 も 妥 当 性 も 保 証 されていないと 言 わざるを 得 ない 学 力 試 験 を 経 ずに 入 学 する 学 生 も 多 いことを 考 えると 英 語 試 験 で 入 学 者 を 選 別 することは やめる つまり 入 学 試 験 から 英 語 を 外 す 方 がよいのではないかと 筆 者 は 考 えることもある し かし 入 試 科 目 から 外 すと 高 校 で 勉 強 されなくなる という 負 の 波 及 効 果 も 懸 念 されるため 難 しい 決 断 になる 一 つの 案 として 英 語 試 験 に 辞 書 の 持 込 みを 許 すことを 筆 者 は 提 案 する 本 学 では 英 語 の 授 業 が 読 解 を 中 心 に 行 なわれている そこで 必 要 な 能 力 は 初 めて 見 る 英 文 でも 辞 書 を 使 って 意 味 をなんとか 理 解 できる 能 力 である それならば 試 験 でそれをやらせてみることには 妥 当 性 がある 筆 者 の 前 任 校 ( 工 学 系 の 公 立 単 科 大 学 )では これを 実 現 した 6 辞 書 を 許 可 すると 受 験 者 の 能 力 差 が 見 えなくなるのではないか という 懸 念 があるが 実 は 6 この 大 学 の 志 望 者 はおおむね 英 語 が 苦 手 で 彼 らが 辞 書 なしで 読 むことができる 英 文 を 作 ることが 難 しくな ったため 筆 者 は 問 題 作 成 者 として 辞 書 の 持 込 みを 学 科 に 対 して 提 案 した どんな 辞 書 を 許 可 するかについ ては 議 論 があり 最 終 的 には 電 子 辞 書 は 除 外 され 紙 媒 体 の 英 和 辞 書 のみ という 指 定 になった ただし 数 年 後 英 語 自 体 が 受 験 科 目 から 外 された 35
逆 で 語 彙 力 文 法 力 思 考 力 の 差 が 大 きく 表 れる その 理 由 は 以 下 の 通 りである 第 一 に 語 彙 力 のない 者 は 辞 書 を 引 かなければならない 単 語 が 多 くなり そこに 時 間 が 取 られる 辞 書 を 引 くことに 慣 れていなければ なおさらである 第 二 に 辞 書 には 品 詞 以 外 の 文 法 情 報 はあまり 書 かれてない したがって 単 語 と 単 語 がどういう 文 法 関 係 でつながっているかは 自 分 の 普 段 の 文 法 力 で 判 断 しなければならない 第 三 に 文 章 全 体 の 意 味 をつかむには 論 理 的 つじつまを 合 わせる 思 考 力 が 必 要 である 一 文 一 文 の 理 解 に 手 間 取 る 者 は 全 体 の 意 味 まで たどり 着 かないことが 多 いと 言 われる( 門 田 ほか2010など) つまり 辞 書 を 使 わせることで 受 験 者 の 基 礎 英 語 力 が 間 接 的 に 測 定 できるのである 本 学 でも 近 年 出 題 する 英 文 素 材 が 難 しすぎる と 高 校 から 苦 情 を 受 けることがあると 聞 く また 問 題 作 成 の 段 階 で 難 しい 表 現 を 削 ったり 書 き 換 えたりする 作 業 が 徐 々に 限 界 に 来 ている したがって 辞 書 の 使 用 を 前 提 とした 英 語 入 学 試 験 は 一 考 に 値 すると 考 える 入 学 試 験 をどうするかとは 別 に 入 学 後 の 英 語 力 判 定 も 重 要 である それは 学 力 試 験 を 経 ずに 入 学 する 学 生 も 多 く 入 学 者 の 英 語 力 の 大 きな 開 きがあるからである 英 検 2 級 以 上 の 英 語 力 をもつ 者 がいる 一 方 で 中 学 校 レベルの 英 語 力 をもたない 者 もいる 特 に 後 者 の 存 在 は 大 きな 問 題 である 現 在 彼 らは 他 の 学 生 に 混 じって 授 業 を 受 け 不 合 格 になって 初 めて 再 履 修 者 として 選 別 される この 方 法 だと 1 年 目 の 学 習 が 全 く 無 駄 になってしまう この 集 団 に 必 要 なのは 事 前 の 選 別 と 手 当 である 入 学 直 後 に 何 らかの 英 語 能 力 テストを 行 い 極 端 に 英 語 力 が 低 い 者 に 対 しては 基 礎 を 復 習 させてから 他 の 学 生 と 合 流 させる 必 要 があろう この 問 題 については 小 委 員 会 で 共 通 理 解 が 得 られている 今 後 の 課 題 は 共 通 教 育 として 行 なう 英 語 教 育 を どのような 内 容 と 体 制 で 実 施 するかを 考 えることにある 学 生 が 履 修 する 意 味 を 理 解 し 意 欲 をもって 取 り 組 み 成 果 を 多 少 なりとも 実 感 できるような 英 語 科 目 を 開 講 できるよう 検 討 を 続 けたいと 考 える 36
引 用 文 献 門 田 修 平 野 呂 忠 司 氏 木 直 人 編 著 (2010) 英 語 リーディング 指 導 ハンドブック 大 修 館 書 店 静 哲 人 (2002) 英 語 テスト 作 成 の 達 人 マニュアル 大 修 館 書 店 投 野 由 紀 夫 編 (2013) 英 語 到 達 度 指 標 CEFR Jガイドブック 大 修 館 書 店 大 学 入 試 センター 試 験 英 語 リスニング 英 語 筆 記 (2011, 2012, 2013 年 ) 文 部 科 学 省 (2003) 英 語 が 話 せる 日 本 人 育 成 のための 行 動 計 画 (HP 参 照 ) 文 部 科 学 省 (2008) 小 学 校 学 習 指 導 要 領 第 4 章 外 国 語 活 動 文 部 科 学 省 (2008) 中 学 校 学 習 指 導 要 領 第 2 章 第 9 節 外 国 語 文 部 科 学 省 (2009) 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 第 2 章 第 8 節 外 国 語 文 部 科 学 省 (2013) グローバル 化 に 対 応 した 英 語 教 育 改 革 実 施 計 画 (HP 参 照 ) 引 用 した 番 組 NHK(2013) 英 語 の 授 業 は 英 語 で ~ 新 指 導 要 領 の 波 紋 クローズアップ 東 北 (11 月 15 日 放 送 ) 参 加 した 集 会 学 会 NPO 教 育 支 援 協 会 主 催 教 育 シンポジウム 英 語 テストをどう 変 えるか 入 試 学 力 テストの 改 革 東 京 (2013 年 12 月 15 日 ) 地 域 科 学 研 究 会 高 等 教 育 情 報 センター 主 催 1 2 年 次 における 英 語 教 育 プログラムの 深 化 と 実 際 東 京 (2013 年 12 月 2 日 ) 大 学 英 語 教 育 学 会 第 50 回 記 念 国 際 大 会 (2013 年 8 月 30 日 ~9 月 2 日 ) 西 南 学 院 大 学 東 北 英 語 教 育 学 会 第 32 回 青 森 研 究 大 会 (2013 年 6 月 23 日 ) 弘 前 大 学 37