報 告 教 材 学 研 究 第 26 巻 (2015) 教 材 としての 英 字 新 聞 が 学 生 の 読 解 力 と 情 意 面 に 与 える 影 響 英 字 新 聞 の 読 解 力 テストと 学 生 の 自 己 評 価 アンケートに 焦 点 を 当 てて 上 越 教 育 大 学 大 学 院 学 校 教 育 研 究 科 染 谷 藤 重 1. はじめに 2013 年 度 から 実 施 された 高 等 学 校 の 新 学 習 指 導 要 領 では,リーディングやライティング という 科 目 は, 四 技 能 統 合 型 の 授 業 へと 変 わっ た つまり, 文 法 訳 読 中 心 の 指 導 からコミュ ニケーション 能 力 重 視 の 授 業 へと 変 化 した 木 村 (2010) 1) は, 大 学 では, 高 校 で 科 目 として 消 えたリーディングとライティングの 力 を, 十 分 に 発 展 させることが 重 要 であると 述 べてい る したがって, 高 校 での 学 習 内 容 を 踏 まえ た 上 での, 大 学 におけるリーディングの 指 導 について 検 討 することは 意 義 があるであろう 豊 田 (2010) 2) は, 大 学 におけるリーディン グの 意 義 とは, 自 律 的 な 学 び 手 ( 読 み 手 ) を 育 てる ことであると 述 べている さらに, 豊 田 (2010) 2) は, 市 販 の 教 材 では,ニュース そのものが 古 くなってしまうが, 新 聞 の 報 道 記 事 であれば, 最 新 の 記 事 を 読 むことができ, 学 生 の 関 心 を 引 くことができるだろうとして いる また, 横 尾 (1991) 3) においても, 新 聞 は 暮 らしの 言 葉 で 書 かれているため, 誰 でも 親 しむことができると 述 べられている した がって, 英 字 新 聞 は, 学 生 の 興 味 関 心 を 引 き, 暮 らしの 言 葉 を 学 ぶことができるので, 学 生 にとってよい 教 材 となりうる さらに, Yashima (2002) 4) は, 国 際 的 指 向 性 ( 海 外 で の 出 来 事 や 国 際 問 題 への 関 心 ) が L2 学 習 意 欲 に 正 の 影 響 を 与 えることを 示 している つ まり, 英 字 新 聞 を 用 いて, 国 際 的 指 向 性 を 高 めることができれば, 学 生 の L2 学 習 意 欲 を 高 めることができるであろう そして, 学 習 意 欲 を 高 めることは, 言 語 習 熟 度 に 正 の 影 響 を 与 えることも 明 らかとなっている (Gardner, 2001) 5) ゆえに, 英 字 新 聞 を 用 い ることで,L2 学 習 意 欲 を 高 めることができ, 言 語 習 熟 度 をあげることができるであろう 水 島 (2010) 6) は, 高 等 教 育 における 外 国 語 教 育 の 広 義 の 目 的 には,1 人 間 教 育 人 格 教 育 ( 教 養 ),2 国 際 理 解 コミュニケーショ ン ( 実 用 ),3 職 業 教 育 学 問 の 媒 体 ( 実 用 ) の 三 つ が あ り, 1 は EGP (English for the general purpose) の 教 養 目 的 で, 英 語 学 習 を 通 した 複 眼 思 考, 国 際 的 視 野 の 涵 養 など が 中 心 となると 述 べている そして, 文 部 科 学 省 によると, 教 員 には 広 く 豊 かな 教 養 という 資 質 が 求 められるとされている つま り, 教 員 養 成 系 大 学 における 英 語 教 育 におい て,1の 目 的 は 特 に 重 要 とされるであろう そして, 新 聞 には,ニュース スポーツ カ ルチャー 地 域 など 多 岐 に 渡 った 記 事 が 掲 載 されているため, 教 養 目 的 で 英 語 学 習 を 通 し た 複 眼 思 考 の 育 成 や 国 際 的 視 野 の 涵 養 のた めには 効 果 的 であると 考 えられる さらに, NIE (Newspaper in Education) において, 教 育 に 新 聞 を 取 り 入 れようとする 動 きが 活 発 に なってきている これらのことからも, 教 員 養 成 系 大 学 における 英 字 新 聞 を 取 り 入 れた 英 語 教 育 は 重 要 であると 考 えられるだろう 本 稿 では, 大 学 の コミュニケーション 英 語 ( 教 養 英 語 ) の 中 で, 英 字 新 聞 を 教 材 と して 取 り 込 んだ 授 業 実 践 を 行 い, 学 生 の 英 字 新 聞 における 読 解 力 と 情 意 面 の 関 連 性 を 明 ら かにし, 今 後 の 大 学 における 英 字 新 聞 教 材 の 有 効 性 を 述 べる 157
2. 先 行 研 究 英 字 新 聞 を 授 業 で 用 いる 目 的 について, 松 浦 (2008) 7) は, 時 事 英 語 教 材 でなければな しえないこと,すなわち, 現 に 日 本 国 内 や 世 界 のさまざまな 国,そして 世 界 全 体 で 起 こっ ている 事 柄 についての 記 事 を 学 生 がしっかり 読 み, 考 え, 自 分 の 意 見 を 持 つことである 単 に 記 事 の 内 容 を 表 面 的 にとらえるのではな く 自 分 とのかかわりについて 考 えるというこ とである と 述 べている よって, 英 字 新 聞 の 記 事 を 読 むことによって, 学 生 が 自 分 の 意 見 を 持 って 記 事 を 読 み 進 めていき, 自 分 と の 関 わりを 意 識 することで, 自 律 的 に 読 み 進 めていくことができるであろう 英 字 新 聞 を 用 いた 授 業 について, 勝 呂 (2004) 8) は, 検 定 教 科 書 と 英 字 新 聞 の 教 材 の 使 用 を 比 較 して, 英 字 新 聞 の 教 材 の 方 が, 面 白 いと 学 生 が 考 えているということ 示 した また, 英 字 新 聞 の 教 材 が, 英 語 力 の 向 上 に 役 立 っているかという 質 問 に 対 しても, 学 生 が 肯 定 的 な 判 断 を 下 していると 述 べている こ のように, 英 字 新 聞 の 使 用 を 学 生 が 肯 定 的 に 捉 えていると 考 えられる そして, 里 田 (1995) 9) は, 英 字 新 聞 を 使 用 した 授 業 実 践 に ついて, 以 下 の 内 容 を 述 べている 記 事 の 選 択 では,あまり 長 い 記 事 を 選 ばないこと, 次 に, 読 ませ 方 では, 生 徒 が 英 字 新 聞 に 恐 怖 心 を 持 つことがないように 段 階 を 追 って 読 み 進 めていく 必 要 があると 述 べている 特 に, 見 出 しや 書 き 出 しはその 基 本 的 な 特 徴 を 学 習 さ せる 必 要 があることを 示 唆 している さらに, 岡 田 (2000) 10) は, 平 易 な 英 語 で 書 かれた 英 文 雑 誌 を 教 材 として 使 ったことに 関 しては, 多 くの 学 生 が 肯 定 的 であり, 記 事 の 内 容 に 興 味 を 持 ったと 答 えた 学 生 も 多 かったと 述 べてい る これらの 先 行 研 究 から, 英 字 新 聞 の 記 事 を 選 ぶ 場 合, 長 い 記 事 でなく, 内 容 が 平 易 で あると 学 生 が 興 味 を 持 って 読 み 進 めていける と 考 えられる さらに, 英 字 新 聞 の 特 徴 を 授 業 内 で 段 階 的 に 解 説 していくことは, 学 生 が 英 字 新 聞 を 読 むことを 肯 定 的 にとらえること に 役 立 つかもしれない 記 事 の 選 択 には,スキーマ 理 論 を 考 慮 に 入 れる Carell (1983) 11) はスキーマを 内 容 ス キーマ と 形 式 スキーマ に 分 類 した 内 容 スキーマは, 卒 業 式 や 結 婚 式 のような 文 化 的 なものから, 自 然 の 生 態 系, 化 学 反 応, 水 力 発 電 などの 科 学 的, 技 術 的 知 識 のスキーマ にいたるまで, 社 会 全 体 の 知 識 に 関 連 する 知 識 である 形 式 スキーマは, 文 字, 綴 り, 文 法,パラグラフの 構 成, 談 話 にいたるまで, すべての 言 語 知 識 に 関 連 する 知 識 である ( 谷 口,1992) 12) これらのスキーマを 用 いて, 英 文 を1 文 ずつでなく 大 きく 捉 えて 読 み 進 め ( 卯 城, 2010) 13), 深 い 情 報 処 理 ( 中 川, 2009) 14) を 行 っていく 必 要 があると 考 えられる これ らの 先 行 研 究 を 踏 まえると, 記 事 の 選 択 には, 日 本 国 内 や 世 界 で 有 名 な 内 容 や 広 く 知 れ 渡 っ ている 内 容 が 平 易 な 英 文 で 書 かれている 英 字 新 聞 の 記 事 を 教 材 として 用 いることが 効 果 的 であろう リーディングの 指 導 に 関 して, 伝 統 的 なア プローチとして 英 文 和 訳 がある 英 文 和 訳 の 長 所 としては, 文 の 構 造 や 意 味 を 理 解 させる 簡 便 で 確 実 性 の 高 い 方 法 であること, 文 の 構 造 や 意 味 の 理 解 を 確 認 する 簡 便 で 確 実 性 の 高 い 方 法 であることなどがあげられる ( 馬 場, 2010) 15) 本 稿 においては, 意 味 の 正 確 な 理 解 に 重 点 を 置 くために, 英 文 和 訳 を 中 心 に 授 業 実 践 を 実 施 する 上 記 の 先 行 研 究 が 示 すとおり, 英 字 新 聞 を 用 いた 授 業 実 践 はいくつか 報 告 されている しかし, 授 業 実 践 の 結 果 とアンケートの 結 果 のみを 報 告 した 事 例 が 多 く, 学 生 の 情 意 面 と 読 解 の 関 連 性 を 検 討 した 論 文 がほぼ 見 られな い そこで, 本 研 究 では, 情 意 面 と 読 解 の 関 連 性 を 検 討 しようと 試 みた 3. 研 究 の 目 的 本 研 究 の 目 的 は, 第 一 に, 英 字 新 聞 を 取 り 158
(3) アンケート調査 入れた授業実践における学生の意識面から教 材としての英字新聞の有効性を検証する そ 授業の最後に 時事英語の授業を受けて感 して 第二に 英字新聞を教材として取り込 じたことを自由に書きなさい という自由 んだ授業実践を行い 学生の読解力と情意面 記述式のアンケートを実施した の関連性を明らかにすることである さらに (4) アンケートの分析と考察 今後の大学における英字新聞教材の有効性を IBM SPSS Text Analytics for Surveys 4 述べることである を用いて 自由記述のテキストマイニングを 行った 図 1 はカテゴリ化したものである 4. 教材の検討のための調査 この結果から 学生は英字新聞を 難しい 英字新聞を教材として用いた場合の学生の と感じているものの 読むこと の 楽しさ 意識を調査するために 英字新聞を授業に導 興味 や 理解 することの 楽しさ 興味 入した授業実践を行った を感じていることが分かる したがって 学 (1) 参加者及び実施時期 生の英字新聞への 難しい という感覚を軽 参加者は 新潟県にある教員養成系大学学 減することができれば 学生の楽しさや興味 部1年生 41 名であった 調査は 2012 年 10 を引き出すよい教材となりうるだろう 月から1月にかけて コミュニケーション 英語 ( 教養英語 ) の時間の 30 分を用いて実 5. 時事英語教材を用いた授業実践 施した 内容としては 4 回の英字新聞のリー (1) 参加者及び時期 ディングの授業を実施した 参加者は 教員養成系国立大学学部 2 年生 (2) 授業実践 43 名である 調査は 2013 年 4 月から 8 月 英字新聞の記事を抜粋し学生に配布した にかけて実施した (2) 使用教材 記事の内容は 宇宙飛行士星出の地球帰還 EU のノーベル賞受賞 スカイツリー開業 教材として The Japan Times ST を使用 及び 中央道トンネル崩落事故の記事であっ した 教材の選択としては 学生の難しいと た そして 授業内で 10 分間の内容理解の いう感覚を少なくするために 学生の背景知 時間を与えた この時 辞書等を用いること 識が多いと考えられる日本国内において話題 を推奨して 精読を心がけさせた その後 となったものとし かつ比較的平易な文で書 パワーポイントを用いて パラグラフ単位で かれた記事を選択した 第1回目は 桜を題 英文を提示し 学生を指名し 音読をさせ 材とした記事 第 2 回目は 日本人のエベレ 日本語に訳させた スト登山の記事 第 3 回目は AKB 48 の総 図 1 学生の時事英語への意識のカテゴリ化 159
(4) 授業の概要 選挙の記事を取り上げた その記事の題名及 び出典を表1に示す コミュニケーション英語の時間内 30 分を 用いて授業実践を行った 次の a) から c) が 表 1 教材使用記事 授業の概要である a) 使用記事の本文のみを学生に配布し 10 間の内容理解の時間を与えた この 時 辞書等を用いてもよいという指示を 与え 精読を心がけさせた b) パワーポイントを用いて パラグラ フ単位で英文を提示し 学生を指名し 音読をさせ 日本語に訳させた c) 図1及び図 2 に示すように 英字新 (3) 授業内容 聞の特徴の説明と日本語訳 ( 筆者訳 ) を 授業では 英字新聞の特徴の説明を中心に 提示し 学生の解釈が間違っている場合 し 本文の日本語訳を行い意味の把握を行っ のみ訂正を行った た 英字新聞の特徴の説明には 横尾和歌子 b) c) を すべてのパラグラフに対し 3) (1991) の やさしい英字新聞の読み方 を て行った そして 次週に 授業内で扱っ 参考に作成したスライドを用いた スライド た記事の内容理解に関する小テストを実 の例を図 2 及び図 3 に示す 施した (5) 調査内容 3 回の授業を受けた学生の英字新聞の読解 力と情意面の関連性を検証するために 2013 年 8 月に 読解力テストと及び情意アンケー トを実施した 読解力テストは The Japan Times News か ら Enhanced English education sought in Japanese elementary schools を 引 用 し 作成した ( 付録 1) 読解力テストには 日本 の英語教育において大きく取り上げられてい 図 2 英字新聞の特徴の説明スライド例 1 る小学校英語教育の内容に関する記事を用い た この記事は 比較的平易に書かれており 教員志望の学生が興味を持って読み進められ るような記事である また 情意アンケートは 12 項目あり 学 習動機及び将来性に着目し作成した ( 付録 2) 6. 分析結果と考察 (1) 読解力テストの分析 まず 読解力テストの記述統計量を算出し た ( 表 2) また ヒストグラムを図 4 に示す 図 3 英字新聞の特徴の説明スライド例 2 160
ただし, 読 解 力 テストは,1 問 2 点 として 算 出 する また, 問 5 から 問 10 の 採 点 におい ては, 減 点 方 式 で 採 点 を 行 った 読 解 力 テス トの 記 述 統 計 量 とヒストグラムの 図 4 から, ある 程 度 このテストは, 正 規 分 布 していると 捉 えることができるだろう また, 学 生 の 読 解 力 テストとコミュニケーション 英 語 の 定 期 テストとの 相 関 関 係 を 検 証 するために 相 関 分 析 を 行 った その 結 果, 読 解 力 テストと 定 期 テストとの 間 には,1% 水 準 でかなりの 相 関 があった ( 表 3) この 結 果 から, 学 生 は 読 解 力 テストを 定 期 テストと 同 様 に 捉 えていた と 考 えることができるだろう 図 4 読 解 力 テストのヒストグラム (2) 読 解 力 テストの 得 点 と 情 意 面 の 関 連 性 読 解 力 テストの 得 点 と 情 意 面 の 関 連 性 を 検 証 するために, 対 応 のない 因 子 の 一 元 配 置 分 散 分 析 を 行 った アンケートは,5 件 法 で 作 成 されており,5,4 が 肯 定 的,3がどちら でもない, 及 び,2,1 が 否 定 的 である ただし, 人 数 をある 程 度 均 等 にするために,5,4 と いう 回 答 を 肯 定,3,2,1 をそれ 以 外 とまとめ て 分 析 を 進 めた 表 4 から 表 7 は,Q7 分 析 評 価, 及 び,Q8 更 なる 学 習 の 記 述 統 計 量 及 び 対 応 のない 因 子 の 一 元 配 置 分 散 分 析 の 結 果 である 分 析 の 結 果,Q7(F (1,41) = 6.64, p <.05, η 2 =.12) 及 び Q8(F (1,41) = 4.89, p <.05, η 2 =.11) において 有 意 差 が 見 られた これらの 結 果 から, 授 業 内 で 学 習 したこと を 自 分 なりに 分 析, 評 価 をできた 学 生 は,もっ と 知 りたい, 調 べたい 考 え, 英 字 新 聞 の 読 解 の 勉 強 を 行 っていたと 考 えられる その 結 果, 読 解 力 テストの 得 点 が 他 の 学 生 よりも 高 い 数 値 を 示 したと 考 えられる 7. 研 究 のまとめ 本 研 究 では, 予 備 調 査 において, 学 生 の 英 字 新 聞 を 取 り 入 れた 授 業 に 関 する 意 識 面 を 検 証 した 結 果 として, 英 字 新 聞 を 教 材 として 用 いた 場 合 の 学 生 による 意 識 は, 英 字 新 聞 を 読 むことは 難 しいが, 読 むこと の 楽 しさ 興 味 や 理 解 することの 楽 しさ 興 味 を 感 じていることが 分 析 の 結 果 から 明 らかと なった そこで, 学 生 の 難 しいという 感 情 を 軽 減 するために, 授 業 内 で 英 字 新 聞 の 特 徴 を 丁 寧 に 説 明 し, 学 生 の 背 景 知 識 を 考 慮 した 記 事 を 選 び, 再 度, 授 業 実 践 を 行 った そして, 読 解 力 テストと 情 意 面 の 関 連 性 を 検 証 した その 結 果 として, 授 業 内 で 学 習 したことを 自 分 なりに 分 析, 評 価 をできた 学 生 は,もっと 知 りたい, 調 べたいと 考 えた さらに, 英 字 新 聞 の 読 解 の 勉 強 を 行 った 学 生 は, 読 解 力 テ ストの 得 点 が 他 の 学 生 よりも 高 い 数 値 を 示 す ことが 明 らかとなった したがって, 今 後 学 生 に 対 してどのように 授 業 内 容 を 分 析, 評 価 させていき 学 習 意 欲 を 高 めさせるかが 重 要 と なってくるであろう 8. 教 育 的 示 唆 と 課 題 教 員 養 成 系 大 学 の 授 業 内 で, 英 字 新 聞 を 扱 った 授 業 を 行 っていくことは, 学 生 が 学 習 内 容 を 分 析, 評 価 させ 学 習 意 欲 を 向 上 させる ために 有 効 であるといえるだろう また, 読 解 力 テスト 及 び 情 意 アンケートの 妥 当 性 を 検 討 することによって,さらによい 結 果 が 得 ら れるかもしれない そして, 記 事 の 選 択, 学 生 の 背 景 知 識 の 有 無 の 把 握, 自 己 評 価 の 規 準 の 作 成, 授 業 方 法 の 選 択 などの 問 題 を 考 慮 し ていかなければ 学 生 に 学 習 意 欲 を 持 続 させ 学 習 させていくことは 難 しいだろう 今 後, 上 記 の 点 を 改 善 して 授 業 実 践 に 臨 むことによっ 161
てよりよい授業を展開していきたい そして の活用方法が有効かを研究していくことが重 授業実践の結果を基に どのような英字新聞 要であると考えられる 表 2 読解力テストの記述統計量 表 3 相関係数 表 4 Q7 分析 評価 の記述統計量 表 5 Q7 分析 評価 の一元配置分散分析の結果 表 6 Q8 更なる学習 の記述統計量 表 7 Q8 更なる学習 の一元配置分散分析の結果 162
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参 考 文 献 1) 木 村 博 是 まえがき 木 村 博 是 木 村 友 保 氏 木 道 人 ( 編 ). 英 語 教 育 学 大 系 第 10 巻 リーディングとライティングの 理 論 と 実 践 英 語 を 主 体 的 に 読 む 書 く 東 京 : 大 修 館 書 店, 2010 2) 豊 田 昌 倫 第 Ⅰ 部 第 1 章 リーディングの 問 題 点 と 新 たな 視 点 木 村 博 是 木 村 友 保 氏 木 道 人 ( 編 ). 英 語 教 育 学 大 系 第 10 巻 リーディングとライティングの 理 論 と 実 践 英 語 を 主 体 的 に 読 む 書 く (pp.3-14) 東 京 : 大 修 館 書 店, 2010 3) 横 尾 和 歌 子 やさしい 英 字 新 聞 の 読 み 方 東 京 :ジャパンタイムズ, 1991 4) Yashima, T. Willingness to communicate in a second language: The Japanese EFL context. Modern language Journal, 86, 2002, 55-66 5) Gardner, R. C. Integrative motivation and second language learning: Practical issues. Journal of Foreign Language Education and Research (Kansai University), 2, 2001, 71-91 6) 水 島 孝 司 第 Ⅰ 部 第 9 章 JACET におけ る 大 学 英 語 教 育 の 目 的 論 の 系 譜 森 住 衛 神 保 尚 武 岡 田 伸 夫 寺 内 一 ( 編 ). 英 語 教 育 学 体 系 第 1 巻 大 学 英 語 教 育 学 その 方 向 性 と 諸 分 野 (pp.75-83) 東 京 : 大 修 館 書 店, 2010 7) 松 浦 明 大 学 英 語 教 材 としての 英 字 新 聞 法 政 大 学 小 金 井 論 集 5, 2008, 155-161 8) 勝 呂 譲 英 字 新 聞 で 学 ぶ 学 生 たち アン ケートから 沼 津 工 業 高 等 専 門 学 校 研 究 報 告 第 38 号, 2004, 151-161 9) 里 田 幸 子 英 字 新 聞 を 活 用 する 授 業 の 取 り 組 みと 課 題 英 語 教 育 研 究 Nos.37 & 38, 1995, 199-211 10) 岡 田 礼 子 大 学 英 文 読 解 授 業 のアクショ ン リサーチ: 英 文 雑 誌 を 使 って 主 体 的 に 読 ませる 試 み 財 団 法 人 語 学 教 育 研 究 所 紀 要 14, 2000, 1-21 11) Carrell, P.L. Three components of background knowledge in reading comprehension. Language Learning, 33(2), 1983, 183-207 12) 谷 口 賢 一 郎 英 語 のニューリーディング 東 京 : 大 修 館 書 店, 1992 13) 卯 城 裕 司 第 Ⅰ 部 第 4 章 英 文 読 解 にお ける 読 み 手 の 理 解 修 正 プロセス 木 村 博 是 木 村 友 保 氏 木 道 人 ( 編 ). 英 語 教 育 学 大 系 第 10 巻 リーディングとライティング の 理 論 と 実 践 英 語 を 主 体 的 に 読 む 書 く (pp.44-58) 東 京 : 大 修 館 書 店, 2010 14) 中 川 知 佳 子 第 3 章 背 景 知 識 と 理 解 卯 城 裕 司 ( 編 ). 英 語 リーディングの 科 学 読 めたつもり の 謎 を 解 く (pp.48-62) 東 京 : 研 究 社, 2009 15) 馬 場 哲 生 第 5 章 基 礎 学 力 形 成 のための 英 語 授 業 デザイン 概 論 山 岸 信 義 高 橋 貞 雄 鈴 木 政 浩 ( 編 ). 英 語 教 育 学 体 系 第 11 巻 英 語 授 業 デザイン 学 習 空 間 づく りの 教 授 法 と 実 践 (pp.44-53) 東 京 : 大 修 館 書 店, 2010 謝 辞 本 研 究 には, 上 越 教 育 大 学 の 石 濵 博 之 先 生 に 貴 重 なご 助 言 を 頂 きました 授 業 実 践 に 関 するご 助 言 と, 実 践 の 場 を 提 供 していただい たことに 感 謝 いたします 164