監 査 基 準 委 員 会 報 告 書 900 監 査 人 の 交 代 平 成 23 年 12 月 22 日 日 本 公 認 会 計 士 協 会 監 査 基 準 委 員 会 ( 報 告 書 : 第 6 9 号 ) 項 番 号 Ⅰ 本 報 告 書 の 範 囲 及 び 目 的 1. 本 報 告 書 の 範 囲... 1 2. 監 査 人 の 責 任... 3 3. 本 報 告 書 の 目 的... 4 4. 定 義... 5 Ⅱ 要 求 事 項 1. 監 査 業 務 の 引 継 - 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人... 6 2. 監 査 業 務 の 引 継 - 前 任 監 査 人... 13 3. 守 秘 義 務... 18 Ⅲ 適 用 指 針 1. 監 査 業 務 の 引 継 - 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人... A1 2. 監 査 業 務 の 引 継 - 前 任 監 査 人... A7 3. 守 秘 義 務... A8 Ⅳ 適 用 付 録 1 監 査 人 予 定 者 の 指 定 に 関 する 通 知 書 の 文 例 付 録 2 監 査 人 予 定 者 が 監 査 契 約 の 締 結 前 に 実 施 する 監 査 業 務 の 引 継 に 関 する 守 秘 義 務 につい ての 確 認 書 の 文 例
Ⅰ 本 報 告 書 の 範 囲 及 び 目 的 1. 本 報 告 書 の 範 囲 1. 本 報 告 書 は 監 査 人 の 交 代 に 際 しての 監 査 業 務 の 引 継 に 関 する 実 務 上 の 指 針 を 提 供 するもの である 本 報 告 書 は 関 連 する 職 業 倫 理 に 関 する 規 定 と 併 せて 適 用 される なお 監 査 基 準 委 員 会 報 告 書 300 監 査 計 画 には 初 年 度 監 査 の 開 始 前 に 実 施 する 事 項 に 関 する 追 加 的 な 要 求 事 項 と 指 針 監 査 基 準 委 員 会 報 告 書 510 初 年 度 監 査 の 期 首 残 高 には 初 年 度 監 査 の 実 施 における 期 首 残 高 に 関 する 要 求 事 項 と 指 針 監 査 基 準 委 員 会 報 告 書 210 監 査 業 務 の 契 約 条 件 の 合 意 には 監 査 業 務 の 契 約 条 件 の 合 意 に 関 する 要 求 事 項 と 指 針 が 提 供 されている 2. 品 質 管 理 基 準 委 員 会 報 告 書 第 1 号 監 査 事 務 所 における 品 質 管 理 に 基 づいて 監 査 事 務 所 は 監 査 事 務 所 間 の 引 継 が 適 切 に 行 われることを 合 理 的 に 確 保 するため 前 任 の 監 査 事 務 所 と なる 場 合 及 び 後 任 の 監 査 事 務 所 となる 場 合 の 双 方 についての 方 針 及 び 手 続 を 整 備 し 運 用 する 義 務 がある 本 報 告 書 は 監 査 事 務 所 が 品 質 管 理 基 準 委 員 会 報 告 書 第 1 号 を 遵 守 していること を 前 提 としている また 前 任 及 び 後 任 の 監 査 事 務 所 の 監 査 責 任 者 は 監 査 基 準 委 員 会 報 告 書 220 監 査 業 務 に おける 品 質 管 理 において 本 報 告 書 に 基 づいて 監 査 事 務 所 が 定 める 監 査 業 務 の 引 継 に 関 す る 方 針 及 び 手 続 に 準 拠 して 監 査 業 務 の 十 分 な 引 継 を 行 うことが 求 められている 2. 監 査 人 の 責 任 3. 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 監 査 人 の 交 代 に 際 して 前 任 監 査 人 から 入 手 した 情 報 を 利 用 し た 場 合 においても 監 査 契 約 の 締 結 の 可 否 の 判 断 及 び 監 査 意 見 の 表 明 について 責 任 を 負 うもの である 監 査 人 の 期 中 交 代 に 際 して 前 任 監 査 人 の 監 査 手 続 の 実 施 結 果 を 利 用 した 場 合 も 監 査 人 は 前 任 監 査 人 の 監 査 手 続 の 実 施 結 果 の 利 用 の 可 否 並 びにその 程 度 及 び 監 査 意 見 の 表 明 について 責 任 を 負 っている 3. 本 報 告 書 の 目 的 4. 本 報 告 書 における 監 査 人 の 目 的 は 監 査 人 の 交 代 に 当 たって 監 査 人 が 職 業 的 専 門 家 として の 基 準 及 び 法 令 等 を 遵 守 して 監 査 事 務 所 間 の 引 継 が 適 切 に 行 われることを 合 理 的 に 確 保 する ための 手 続 を 個 々の 監 査 業 務 において 実 施 することである 4. 定 義 5. 本 報 告 書 における 用 語 の 定 義 は 以 下 のとおりとする (1) 監 査 人 予 定 者 - 会 社 から 前 任 監 査 人 に 代 わって 監 査 人 となることを 指 定 された 者 をい う (2) 前 任 監 査 人 - 前 年 度 の 財 務 諸 表 の 監 査 報 告 書 を 提 出 したか 又 は 当 年 度 の 財 務 諸 表 の 監 査 に 着 手 したものの 監 査 報 告 書 を 提 出 していない 別 の 監 査 事 務 所 に 属 する 監 査 人 のこと をいう なお 前 任 監 査 人 は 複 数 存 在 する 場 合 がある Ⅱ 要 求 事 項 1. 監 査 業 務 の 引 継 - 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 6. 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 監 査 人 の 交 代 に 際 して 倫 理 規 則 に 定 める 基 本 原 則 を 遵 守 する ため 概 念 的 枠 組 みアプローチを 適 用 し( 倫 理 規 則 第 16 条 第 1 項 参 照 ) 基 本 原 則 の 遵 守 の 阻 害 - 1 -
要 因 を 識 別 しなければならない (A1 項 参 照 ) 7. 監 査 人 予 定 者 は 会 社 に 前 任 監 査 人 及 び 監 査 人 予 定 者 に 対 して 監 査 人 予 定 者 の 指 定 に 関 す る 通 知 を 書 面 で 行 うよう 依 頼 しなければならない (A2 項 参 照 ) 8. 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 前 任 監 査 人 に 対 して 監 査 業 務 の 引 継 を 求 めなければならない 監 査 業 務 の 引 継 は 主 に 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 による 質 問 及 び 監 査 調 書 の 閲 覧 によって 実 施 される (A3 項 参 照 ) 9. 監 査 人 予 定 者 は 監 査 契 約 の 締 結 の 可 否 を 適 切 に 判 断 するため 前 任 監 査 人 に 対 して 監 査 契 約 の 締 結 の 前 に 少 なくとも 次 の 事 項 を 質 問 しなければならない (A4 項 参 照 ) (1) 経 営 者 の 誠 実 性 について 疑 義 があるか 否 か (2) 監 査 人 の 交 代 事 由 に 関 する 前 任 監 査 人 の 見 解 (3) 会 計 処 理 表 示 及 び 監 査 手 続 に 関 して 会 社 との 間 に 重 要 な 意 見 の 相 違 があるか 否 か (4) 経 営 者 による 不 正 若 しくは 従 業 員 による 重 要 な 不 正 が 存 在 している 又 は 兆 候 があるか 否 か (5) 重 要 な 違 法 行 為 又 は 違 法 行 為 の 疑 いがあると 判 断 したものが 存 在 しているか 否 か (6) 重 要 な 偶 発 債 務 が 存 在 している 又 は 重 要 な 偶 発 債 務 となる 可 能 性 がある 事 象 が 存 在 して いるか 否 か (7) 財 務 報 告 に 係 る 内 部 統 制 に 重 要 な 不 備 があるか 否 か (8) 継 続 企 業 の 前 提 に 重 要 な 疑 義 を 生 じさせるような 事 象 又 は 状 況 が 存 在 するか 否 か (9) 期 中 交 代 の 場 合 既 に 発 見 している 未 修 正 の 虚 偽 表 示 があるか 否 か (10) 過 年 度 において 最 終 的 には 修 正 されたものの 監 査 の 過 程 で 発 見 された 重 要 な 虚 偽 表 示 があったか 否 か 10. 監 査 人 予 定 者 は 法 令 等 に 従 って 監 査 人 の 交 代 に 関 する 手 続 が 会 社 により 適 切 に 行 われて いるかどうか 検 討 しなければならない 11. 監 査 人 予 定 者 は 前 任 監 査 人 から 監 査 業 務 の 十 分 な 引 継 を 受 けられない 場 合 には 第 三 者 へ の 問 い 合 わせ 又 は 会 社 の 経 営 者 や 監 査 役 等 の 背 景 調 査 を 行 う 等 他 の 方 法 により 阻 害 要 因 に 関 する 情 報 を 収 集 し( 倫 理 規 則 第 16 条 第 5 項 参 照 ) 監 査 契 約 の 締 結 に 伴 うリスクを 低 い 水 準 に 抑 えることができるか 否 かについて より 慎 重 に 検 討 しなければならない (A5 項 参 照 ) 12. 監 査 人 予 定 者 は 監 査 人 の 交 代 に 際 して 基 本 原 則 の 遵 守 の 阻 害 要 因 の 重 要 性 の 程 度 を 許 容 可 能 な 水 準 まで 軽 減 できないと 判 断 した 場 合 は 当 該 業 務 の 契 約 を 締 結 してはならない( 倫 理 規 則 第 16 条 第 2 項 参 照 ) (A6 項 参 照 ) 2. 監 査 業 務 の 引 継 - 前 任 監 査 人 13. 前 任 監 査 人 は 第 7 項 で 示 す 通 知 書 を 受 け 取 った 場 合 は 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 が 監 査 契 約 の 締 結 の 可 否 を 判 断 する 又 は 監 査 を 実 施 する 上 で 有 用 な 情 報 を 提 供 するため 適 時 に 十 分 な 引 継 を 行 わなければならない( 倫 理 規 則 第 16 条 第 4 項 参 照 ) 14. 前 任 監 査 人 は 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 からの 質 問 に 対 して 誠 実 かつ 明 確 に 情 報 を 提 供 しな ければならない( 倫 理 規 則 第 16 条 第 4 項 参 照 ) 15. 前 任 監 査 人 は 監 査 意 見 に 影 響 を 及 ぼした 又 は 監 査 意 見 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 のある 財 務 諸 表 における 重 要 な 虚 偽 表 示 に 関 わる 情 報 又 は 状 況 を 把 握 していた 場 合 には 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 に それらを 伝 達 しなければならない( 監 査 に 関 する 品 質 管 理 基 準 第 十 監 査 事 務 所 - 2 -
間 の 引 継 第 1 項 参 照 ) 16. 前 任 監 査 人 は 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 からの 監 査 調 書 の 閲 覧 請 求 に 対 しては 誠 実 に 対 応 しなければならない (A7 項 参 照 ) なお 前 任 監 査 人 は 閲 覧 に 供 する 監 査 調 書 の 範 囲 及 び 閲 覧 の 方 法 等 について 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 と 協 議 しなければならない 17. 前 任 監 査 人 は 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 に 対 して 監 査 業 務 の 十 分 な 引 継 を 実 施 することがで きない 場 合 においても 可 能 な 範 囲 で 監 査 業 務 の 引 継 を 実 施 しなければならない (A5 項 参 照 ) 3. 守 秘 義 務 18. 前 任 監 査 人 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 業 務 上 知 り 得 た 情 報 を 他 の 者 に 漏 えいし 又 は 自 己 若 しくは 第 三 者 の 利 益 のために 利 用 してはならない( 倫 理 規 則 第 6 条 第 1 項 参 照 ) なお 守 秘 義 務 が 解 除 される 正 当 な 理 由 に 監 査 業 務 の 引 継 を 行 う 場 合 が 含 まれており( 倫 理 規 則 第 6 条 第 8 項 第 3 号 ニ 参 照 ) あらかじめ 監 査 契 約 書 又 は 監 査 約 款 にその 旨 を 明 記 しな ければならない 19. 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 前 任 監 査 人 から 入 手 した 情 報 について 監 査 契 約 の 締 結 の 可 否 の 判 断 及 び 円 滑 な 監 査 業 務 の 引 継 に 役 立 てるために 利 用 し それ 以 外 に 利 用 してはならない 20. 監 査 人 予 定 者 は 監 査 契 約 を 締 結 するか 否 かにかかわらず 監 査 契 約 の 締 結 前 に 会 社 から 得 た 情 報 及 び 監 査 業 務 の 引 継 に 関 して 前 任 監 査 人 から 得 た 情 報 に 対 しても 守 秘 義 務 を 負 い( 倫 理 規 則 第 6 条 第 4 項 参 照 ) 会 社 とその 旨 を 文 書 で 確 認 しなければならない (A8 項 参 照 ) Ⅲ 適 用 指 針 1. 監 査 業 務 の 引 継 - 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 A1. 倫 理 規 則 は 専 門 業 務 を 実 施 するに 際 し 次 の 基 本 原 則 の 遵 守 を 求 めている (1) 誠 実 性 の 原 則 (2) 公 正 性 の 原 則 (3) 職 業 的 専 門 家 としての 能 力 及 び 正 当 な 注 意 の 原 則 (4) 守 秘 義 務 の 原 則 (5) 職 業 的 専 門 家 としての 行 動 の 原 則 倫 理 規 則 第 16 条 第 1 項 では 監 査 人 の 交 代 を 依 頼 された 場 合 これらの 基 本 原 則 を 遵 守 す るために 概 念 的 枠 組 みアプローチを 適 用 することが 求 められている 概 念 的 枠 組 みアプロー チに 基 づき 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 基 本 原 則 の 遵 守 を 阻 害 する 要 因 を 識 別 し その 重 要 性 の 程 度 を 評 価 し 必 要 に 応 じてセーフガードを 適 用 して 阻 害 要 因 を 除 去 するか 許 容 でき る 水 準 に 軽 減 することになる ( 第 6 項 参 照 ) A2. 付 録 1に 監 査 人 予 定 者 の 指 定 に 関 する 通 知 書 の 文 例 が 示 されている ( 第 7 項 参 照 ) なお グループ 監 査 において グループ 監 査 チームと 構 成 単 位 の 監 査 人 が 同 一 法 人 又 は 同 じ ネットワークに 属 する 場 合 グループ 監 査 チームが 当 該 通 知 書 を 親 会 社 からグループ 単 位 で 一 括 して 入 手 しているときは 構 成 単 位 の 監 査 人 は グループ 監 査 チームから 監 査 人 の 交 代 に 関 する 通 知 を 受 けることもある A3. 前 任 監 査 人 及 び 監 査 人 予 定 者 が 会 社 から 監 査 人 予 定 者 の 指 定 に 関 する 通 知 書 を 入 手 した 時 点 から 監 査 業 務 の 引 継 が 開 始 される( 倫 理 規 則 第 16 条 第 3 項 参 照 ) 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は - 3 -
適 切 な 引 継 ( 複 数 の 前 任 監 査 人 に 引 継 を 求 めることが 必 要 かどうかの 判 断 を 含 む )を 実 施 す ることにより 次 の 事 項 が 可 能 となる ( 第 8 項 参 照 ) (1) 監 査 契 約 の 締 結 に 伴 うリスクを 低 い 水 準 に 抑 えることができるか 否 かを 的 確 に 判 断 する こと (2) 会 社 に 都 合 の 良 い 監 査 意 見 を 求 めている 兆 候 があるか 否 かを 判 断 すること (3) 監 査 を 効 果 的 かつ 効 率 的 に 実 施 すること A4. 監 査 人 予 定 者 は 経 営 者 の 誠 実 性 及 び 監 査 人 の 交 代 事 由 についての 質 問 をする 際 以 下 の 項 目 に 留 意 する ( 第 9 項 参 照 ) 経 営 者 から 特 定 の 監 査 報 告 書 の 記 載 内 容 ( 監 査 意 見 の 類 型 を 含 む )について 不 当 なプレ ッシャーを 受 けているか 否 か 会 社 に 都 合 の 良 い 監 査 意 見 を 求 めている 兆 候 があるか 否 か 監 査 の 実 施 に 必 要 な 資 料 が 明 確 で 合 理 的 な 理 由 がないにもかかわらず 提 供 されない 又 は 提 供 が 遅 延 することがあったか 否 か A5. 監 査 人 予 定 者 及 び 監 査 人 は 次 のような 事 由 により 前 任 監 査 人 から 監 査 業 務 の 十 分 な 引 継 を 受 けられない 場 合 がある ( 第 11 項 第 17 項 参 照 ) (1) 前 任 監 査 人 が 既 に 死 亡 している (2) 前 任 監 査 人 が 資 格 を 喪 失 している (3) 前 任 監 査 人 が 業 務 上 の 行 為 について 訴 訟 中 である (4) 災 害 等 により 物 理 的 に 情 報 を 提 供 できない 状 況 にある A6. 前 任 監 査 人 が 監 査 契 約 を 継 続 しない 理 由 に 基 本 原 則 の 遵 守 が 困 難 となる 状 況 等 職 務 上 の 事 由 が 存 在 する 場 合 がある このような 場 合 監 査 人 予 定 者 が 関 連 する 事 実 を 十 分 に 知 る 前 に 当 該 業 務 の 契 約 を 締 結 するならば 職 業 的 専 門 家 としての 能 力 及 び 正 当 な 注 意 の 原 則 の 遵 守 を 阻 害 する 要 因 を 生 じさせる 可 能 性 がある 監 査 人 交 代 の 理 由 が 事 実 を 十 分 に 反 映 したものになっておらず 前 任 監 査 人 と 会 社 との 間 に 監 査 業 務 の 契 約 の 締 結 の 可 否 に 関 する 判 断 に 影 響 を 与 える 可 能 性 のある 意 見 の 相 違 がある ことを 示 唆 することがある このような 場 合 監 査 人 予 定 者 は 当 該 業 務 の 契 約 を 締 結 するこ とが 適 当 か 否 かの 判 断 をするに 際 し 前 任 監 査 人 と 直 接 意 見 を 交 換 し 事 実 又 は 状 況 を 確 認 し た 上 で 慎 重 に 判 断 する ( 第 12 項 参 照 ) 2. 監 査 業 務 の 引 継 - 前 任 監 査 人 A7. 監 査 業 務 の 引 継 についての 監 査 事 務 所 の 方 針 及 び 手 続 において 定 められた 閲 覧 に 供 する 監 査 調 書 には 例 えば リスク 評 価 手 続 及 びリスク 対 応 手 続 の 実 施 結 果 ( 最 終 的 な 意 見 形 成 の 判 断 過 程 を 除 く ) その 他 会 計 や 監 査 に 関 する 重 要 な 事 項 に 関 する 監 査 調 書 が 含 まれる ( 第 16 項 参 照 ) 3. 守 秘 義 務 A8. 付 録 2に 監 査 人 予 定 者 が 会 社 との 間 で 監 査 契 約 の 締 結 前 に 守 秘 義 務 について 確 認 するため の 文 例 監 査 人 予 定 者 が 監 査 契 約 の 締 結 前 に 実 施 する 監 査 業 務 の 引 継 に 関 する 守 秘 義 務 につい ての 確 認 書 が 示 されている ( 第 20 項 参 照 ) - 4 -
Ⅳ 適 用 本 報 告 書 は 平 成 24 年 4 月 1 日 以 後 開 始 する 事 業 年 度 に 係 る 監 査 及 び 同 日 以 後 開 始 する 中 間 会 計 期 間 に 係 る 中 間 監 査 から 適 用 する なお 本 報 告 書 の 適 用 開 始 後 に 行 われる 監 査 人 の 交 代 か ら 本 報 告 書 は 適 用 される - 5 -
付 録 1 監 査 人 予 定 者 の 指 定 に 関 する 通 知 書 の 文 例 [ 前 任 監 査 人 名 ] 監 査 法 人 代 表 社 員 殿 平 成 年 月 日 [ 監 査 人 予 定 者 名 ] 監 査 法 人 代 表 社 員 殿 拝 啓 時 下 ますますご 清 祥 のこととお 慶 び 申 し 上 げます [ 会 社 名 ] 株 式 会 社 代 表 取 締 役 印 さて 弊 社 の 監 査 人 の 交 代 に 際 して [ 監 査 人 予 定 者 名 ] 監 査 法 人 を[ 前 任 監 査 人 名 ] 監 査 法 人 に 代 わる 監 査 人 予 定 者 として 指 定 したことを 通 知 いたします なお 監 査 契 約 書 ( 又 は 監 査 約 款 )により 監 査 業 務 の 引 継 に 必 要 とされる 情 報 に 関 して [ 前 任 監 査 人 名 ] 監 査 法 人 の 守 秘 義 務 は 解 除 されております 敬 具 上 記 文 例 は 監 査 人 が 個 人 事 務 所 の 場 合 など 監 査 業 務 の 引 継 の 状 況 に 応 じて 適 宜 修 正 の 上 使 用 されることを 予 定 している - 6 -
付 録 2 監 査 人 予 定 者 が 監 査 契 約 の 締 結 前 に 実 施 する 監 査 業 務 の 引 継 に 関 する 守 秘 義 務 についての 確 認 書 の 文 例 守 秘 義 務 に 関 する 確 認 書 [ 監 査 予 定 会 社 名 ] 株 式 会 社 ( 以 下 甲 という )と[ 監 査 人 予 定 者 名 ] 監 査 法 人 ( 以 下 乙 という )は 監 査 契 約 の 締 結 前 に 実 施 する 監 査 業 務 の 引 継 に 関 し 次 の とおり 守 秘 義 務 に 関 し 確 認 する 1. 本 確 認 書 でいう 情 報 とは 甲 及 び[ 前 任 監 査 人 名 ] 監 査 法 人 ( 以 下 丙 という ) が 乙 に 開 示 する 情 報 のすべてであり 文 書 又 は 電 子 的 媒 体 により 開 示 若 しくは 提 供 するもの のほか 口 頭 による 説 明 を 含 むものとする 2. 乙 は 甲 及 び 丙 から 開 示 を 受 けた 情 報 について 厳 に 機 密 を 保 持 し これを 甲 との 監 査 契 約 の 締 結 の 可 否 を 判 断 する 目 的 及 び 円 滑 な 監 査 業 務 の 引 継 に 役 立 てる 目 的 のみに 使 用 するも のとする ただし 法 令 や 日 本 公 認 会 計 士 協 会 の 会 則 等 により 開 示 が 要 求 された 場 合 及 び 以 下 の 情 報 を 除 く (1) 甲 又 は 丙 から 開 示 された 時 点 で 既 に 公 知 となっていたもの (2) 甲 又 は 丙 から 開 示 された 後 で 乙 の 責 に 帰 すべき 事 由 によらず 公 知 となったもの (3) 甲 又 は 丙 から 開 示 された 時 点 で 既 に 乙 が 保 有 していたもの (4) 正 当 な 権 限 を 有 する 第 三 者 から 開 示 されたもの 3. 本 確 認 書 に 基 づく 守 秘 義 務 は 監 査 契 約 を 締 結 した 場 合 には 監 査 契 約 に 基 づく 守 秘 義 務 と して 継 続 し 一 方 監 査 契 約 を 締 結 しなかった 場 合 においても 将 来 にわたり 存 続 するもの とする 4. 乙 は 本 確 認 書 に 基 づく 守 秘 義 務 の 履 行 を 怠 ったときは 甲 に 対 しその 損 害 を 賠 償 するも のとする 平 成 年 月 日 甲 株 式 会 社 乙 監 査 法 人 代 表 取 締 役 印 代 表 社 員 印 上 記 文 例 は 監 査 人 が 個 人 事 務 所 の 場 合 など 監 査 業 務 の 引 継 の 状 況 に 応 じて 適 宜 修 正 の 上 使 用 されることを 予 定 している 以 上 - 7 -