2015 年 7 月 経 営 Q&A 回 答 者 株 式 会 社 日 本 財 産 コンサルタンツ 代 表 取 締 役 社 長 和 田 壮 司 事 業 承 継 対 策 のポイントと 具 体 的 手 法 ~ 円 滑 な 事 業 承 継 を 実 現 す る た め に 必 要 な 対 策 ~ 第 4 回 : 資 産 の 承 継 対 策 ポイント Question 相 談 者 : 金 型 部 品 製 造 事 業 従 業 員 15 名 代 表 取 締 役 HK 氏 65 歳 当 社 は 約 35 年 前 に 創 業 した 自 動 車 部 品 機 械 部 品 の 金 型 を 製 造 する 事 業 を 営 む 会 社 です 社 内 に 息 子 が 一 人 おり 事 業 承 継 を 検 討 しようと 思 っています 妻 の 為 に 今 後 も 安 心 した 生 活 環 境 を 整 えるとともに 後 継 者 の 息 子 には 自 社 株 式 を 集 約 させたいのですが 娘 も2 人 いるた め しっかり 相 続 対 策 も 検 討 しながら 事 業 承 継 を 進 めたいと 思 っています 相 続 税 対 策 や 納 税 資 金 確 保 の 方 法 とともに 事 業 を 円 滑 に 引 き 継 ぐためのポイントを 教 えてください Answer 事 業 承 継 には 株 式 等 を 引 継 ぐ 資 産 の 承 継 と 経 営 理 念 や 経 営 計 画 経 営 実 務 を 引 継 ぐ 経 営 の 承 継 という 2 つの 側 面 があります ご 質 問 の 相 続 にかかる 承 継 対 策 としては 事 業 承 継 に 向 けて 策 定 する 事 業 承 継 計 画 において 把 握 する 承 継 上 相 続 上 の 課 題 やリスクを 考 慮 し て 1 相 続 財 産 ( 自 社 株 式 含 む)の 承 継 対 策 2 相 続 税 贈 与 税 対 策 3 納 税 資 金 対 策 など 具 体 的 な 資 産 についての 承 継 対 策 を 検 討 していきます まず 相 続 財 産 の 承 継 対 策 のポイントは 自 社 株 式 の 円 滑 な 引 継 ぎによる 経 営 権 の 確 保 と 相 続 人 に 対 する 財 産 権 の 適 切 な 配 分 です 次 に 相 続 税 贈 与 税 対 策 のポイントは 自 社 株 式 やその 他 相 続 財 産 の 評 価 方 法 の 把 握 と 株 価 にかかる 検 討 です 最 後 に 納 税 資 金 対 策 や 事 業 承 継 にかかる 中 小 企 業 の 総 合 的 支 援 策 のポイントは 相 続 発 生 前 後 の 資 金 確 保 策 の 検 討 中 小 企 業 経 営 承 継 円 滑 化 法 の 活 用 による 遺 留 分 についての 民 法 の 特 例 措 置 相 続 税 や 贈 与 税 の 納 税 猶 予 制 度 及 び 資 金 融 資 制 度 の 利 用 です 今 回 は 資 産 の 承 継 対 策 のポイントを 解 説 します 1
1. 資 産 の 承 継 のポイント 資 産 の 承 継 では 自 社 株 式 や 相 続 財 産 ( 現 経 営 者 の 自 社 株 式 以 外 の 個 人 資 産 や 債 務 )に 関 し て 現 状 分 析 を 行 い 自 社 株 式 に 関 する 承 継 上 相 続 上 の 課 題 やリスクを 把 握 する 必 要 があります そして 第 3 回 で 解 説 した 経 営 の 承 継 における 現 状 分 析 とともに 事 業 承 継 方 針 や 後 継 者 を 確 定 した 後 上 述 した 課 題 やリスクを 踏 まえて 1 相 続 財 産 の 承 継 対 策 ( 自 社 株 式 含 む) 2 相 続 税 贈 与 税 対 策 3 納 税 資 金 対 策 などの 具 体 的 な 資 産 についての 承 継 対 策 を 検 討 します 今 回 は 相 続 税 贈 与 税 対 策 や 納 税 資 金 対 策 を 行 いながら 後 継 者 が 現 経 営 者 から 自 社 株 式 やそ の 他 の 相 続 財 産 を 引 き 継 ぎ オーナー 企 業 として 経 営 権 を 確 保 するとともに 相 続 が いわゆる 争 続 にならないような 方 法 で 財 産 権 を 承 継 するための 資 産 の 承 継 対 策 について 解 説 をしていき ます 2. 相 続 財 産 ( 自 社 株 式 含 む)の 承 継 対 策 のポイント (1) 自 社 株 式 の 承 継 対 策 自 社 株 式 の 承 継 対 策 の 目 的 は 現 経 営 者 の 死 後 も 後 継 者 が 円 滑 に 経 営 を 遂 行 できるように 議 決 権 のある 株 式 を 後 継 者 に 集 中 すること すなわち 後 継 者 の 経 営 権 の 確 保 です 親 族 内 親 族 外 承 継 か M&A かなど 事 業 承 継 の 方 針 が 確 定 していることが 前 提 であり 親 族 内 承 継 の 場 合 には 経 営 権 確 保 のために 株 式 を 集 中 させる 必 要 があります 経 営 権 として 特 に 必 要 な 権 利 は 株 主 総 会 の 議 決 権 です 発 行 済 み 株 式 総 数 の3 分 の1 超 を 保 有 している 場 合 には 定 款 変 更 や 合 併 といった 組 織 にとって 重 要 な 意 思 決 定 を 否 決 す ることができます また 過 半 数 を 保 有 している 場 合 には 取 締 役 の 選 任 や 解 任 役 員 報 酬 の 承 認 ができ 3 分 の2 以 上 保 有 している 場 合 は 組 織 変 更 や 定 款 変 更 監 査 役 の 解 任 や 自 己 株 式 取 得 譲 渡 制 限 株 式 を 取 得 した 相 続 人 等 への 売 渡 請 求 が 可 能 となります したがっ て 株 式 や 株 主 が 分 散 することは 少 数 株 主 による 経 営 介 入 の 可 能 性 が 高 まることになりま す 経 営 権 を 確 保 する 方 法 には 既 存 株 式 を 集 約 する 方 法 や 友 好 株 主 を 組 成 する 方 法 新 規 株 式 を 発 行 する 方 法 があります 既 存 株 式 を 集 約 する 方 法 とは 現 経 営 者 や 後 継 者 が 売 買 や 贈 与 により 任 意 で 取 得 する 方 法 や 会 社 が 株 主 との 合 意 に 基 づき 任 意 で 買 い 取 る 方 法 会 社 が 相 続 人 等 に 対 して 相 続 した 自 社 株 式 を 会 社 へ 売 り 渡 すよう 請 求 し 強 制 的 に 買 い 取 る 方 法 です また 友 好 株 主 を 組 成 する 方 法 とは 従 業 員 持 株 会 や 中 小 企 業 投 資 育 成 株 式 会 社 に 株 式 を 引 き 受 けてもらうなど 現 経 営 者 に 友 好 的 な 関 係 を 保 つ 株 主 を 作 る 方 法 です そして 新 規 株 式 を 発 行 する 方 法 とは 普 通 株 式 を 発 行 して 後 継 者 へ 割 り 当 てる 方 法 と 配 当 優 先 議 決 権 制 限 株 式 を 発 行 する 方 法 です 経 営 権 の 確 保 をより 確 実 にするためにも 現 経 営 者 は 生 存 中 に 贈 与 や 売 買 によって 議 決 権 のある 株 式 を 自 身 または 後 継 者 に 集 約 しておく 必 要 があります (2) その 他 相 続 財 産 の 承 継 対 策 現 行 民 法 では 子 は 相 続 人 として 長 幼 男 女 の 別 なく 平 等 に 取 り 扱 われるという 均 分 相 続 2
が 前 提 となります そのため 相 続 が 争 続 とならないように 現 経 営 者 は 生 存 中 に 個 人 の 資 産 や 負 債 を 整 理 して 財 産 目 録 を 作 成 し 各 相 続 人 の 財 産 権 を 侵 害 しない 範 囲 で 相 続 財 産 の 分 割 方 針 を 検 討 しておくか 遺 言 書 を 作 成 しておく 必 要 があります 相 続 財 産 の 分 割 方 針 としては 配 偶 者 に 対 しては 老 後 生 活 の 安 定 を 優 先 的 に 検 討 する 必 要 があるため 自 宅 や 金 融 資 産 を 中 心 に 配 分 し 後 継 者 に 対 しては 自 社 株 式 を 主 とする 事 業 用 資 産 後 継 者 以 外 の 相 続 人 には 現 預 金 上 場 株 式 その 他 不 動 産 などを 配 分 することが 考 え られます また 二 次 相 続 を 想 定 して 将 来 値 上 がりの 予 想 される 財 産 は 子 供 へ 値 上 がり が 見 込 まれない 財 産 は 配 偶 者 へ 配 分 する 考 え 方 もあります 3. 相 続 税 贈 与 税 対 策 のポイント (1) 自 社 株 式 の 評 価 にかかる 対 策 相 続 や 贈 与 が 起 きた 場 合 には その 財 産 の 時 価 に 対 して 相 続 税 や 贈 与 税 が 課 税 されます また 親 族 間 で 株 式 の 売 買 を 行 う 際 に 時 価 と 著 しく 乖 離 した 金 額 で 取 引 が 行 われた 場 合 に は 時 価 との 差 額 について 課 税 されることもあります 非 上 場 株 式 は 上 場 株 式 のように 市 場 での 取 引 相 場 がないため 時 価 の 算 定 は 税 法 に 定 め られた 方 法 によって 行 うことになります まず 非 上 場 株 式 の 株 価 は 相 続 や 贈 与 によって 株 式 を 取 得 した 株 主 が その 株 式 を 発 行 した 会 社 の 経 営 支 配 力 を 持 っている 同 族 株 主 か そ れ 以 外 の 株 主 等 かによって 異 なります 前 者 の 取 引 については 原 則 的 評 価 方 式 後 者 の 取 引 については 特 例 的 評 価 方 式 ( 配 当 還 元 方 式 )が 用 いられます このうち 原 則 的 評 価 方 式 は 類 似 業 種 比 準 方 式 と 純 資 産 価 額 方 式 の2つの 評 価 額 を 用 いて 評 価 します 類 似 業 種 比 準 方 式 とは 同 業 種 の 上 場 企 業 の 配 当 利 益 純 資 産 の3つの 指 標 を 基 準 とし これと 評 価 会 社 の 対 応 する 数 値 を 比 較 して 株 価 を 算 定 する 方 式 です 一 方 純 資 産 価 額 方 式 とは 相 続 や 贈 与 の 時 期 において 評 価 会 社 を 解 散 したと 仮 定 し 会 社 の 資 産 負 債 を 時 価 評 価 ( 相 続 税 評 価 )した 純 資 産 額 を 株 式 の 評 価 額 とする 方 式 です そして 株 式 の 評 価 額 は 会 社 の 規 模 ( 従 業 員 数 純 資 産 価 額 取 引 金 額 )を 大 会 社 から 小 会 社 までに 分 類 し それぞれの 会 社 の 規 模 により 類 似 業 種 比 準 価 額 と 純 資 産 価 額 を 組 み 合 わせて 計 算 します 会 社 の 規 模 が 大 きくなるほど 類 似 業 種 比 準 価 額 の 加 重 が 増 加 します 会 社 の 分 類 や 評 価 方 法 等 については 専 門 家 にご 確 認 ください 会 社 の 比 準 要 素 ( 配 当 利 益 純 資 産 額 )のうち いずれか2つの 項 目 の 金 額 が0 円 (マ イナスの 場 合 を 含 む)の 場 合 株 式 保 有 特 定 会 社 土 地 保 有 特 定 会 社 開 業 3 年 未 満 の 会 社 開 業 前 または 休 業 中 の 会 社 精 算 中 の 会 社 は 原 則 として 純 資 産 価 額 により 評 価 することに なります なお 特 例 的 評 価 方 式 ( 配 当 還 元 方 式 )とは 同 族 株 主 以 外 の 少 数 株 主 等 が 取 得 した 株 式 について 会 社 の 規 模 に 関 わらず 過 去 2 年 間 の 配 当 金 額 を 一 定 の 利 率 で 還 元 して 評 価 する 方 式 です 3
(2) 自 社 株 式 の 株 価 にかかる 対 策 非 上 場 株 式 の 評 価 は 配 当 利 益 純 資 産 の3 要 素 が 影 響 を 与 えることから 株 価 の 対 策 として 以 下 のようなことが 考 えられます 遊 休 資 産 の 売 却 や 不 良 在 庫 の 処 分 滞 留 債 権 の 整 理 を 行 うことによって 利 益 の 減 少 や 資 産 が 圧 縮 されます 設 備 の 増 設 や 更 新 工 場 社 屋 の 建 替 え 支 店 営 業 所 の 新 設 や 廃 止 等 を 行 い 利 益 の 減 少 を 図 ることも 可 能 です また 現 経 営 者 の 役 員 退 職 金 支 給 生 命 保 険 の 保 険 料 支 払 オペレーティングリースのリース 料 支 払 減 価 償 却 費 の 増 加 が 見 込 める 中 古 設 備 の 取 得 によって 利 益 を 圧 縮 することや 高 収 益 部 門 を 別 会 社 とすることも 考 えられます そして 株 主 とのコミュニケーションや 根 回 しが 必 要 となりますが 配 当 金 を 低 く 抑 えるこ とで 株 価 は 下 がります 特 別 配 当 や 記 念 配 当 を 利 用 して 株 主 と 良 好 な 関 係 を 築 きながら 自 社 株 式 株 価 の 対 策 を 検 討 しましょう (3) その 他 相 続 財 産 の 評 価 にかかる 対 策 自 社 株 式 以 外 の 相 続 財 産 の 評 価 にかかる 対 策 は 次 のとおりです まず 現 金 を 不 動 産 に 換 えた 場 合 相 続 や 贈 与 の 際 に 土 地 については 時 価 ( 地 価 公 示 価 格 )の 約 80% 程 度 の 路 線 価 評 価 となり 建 物 については 建 設 費 の 約 60% 程 度 の 固 定 資 産 税 評 価 となります そして 当 該 建 物 を 貸 し 付 けた 場 合 には 土 地 については 貸 家 建 付 地 とし て 更 に 約 80% 程 度 の 評 価 額 となり 建 物 については 更 に 約 70% 程 度 の 評 価 額 となります さらに 当 該 土 地 が 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 要 件 に 該 当 する 場 合 には 居 住 用 部 分 については 20% 貸 家 部 分 については50%の 評 価 額 とすることになります また 生 命 保 険 金 や 退 職 金 の 非 課 税 枠 ( 法 定 相 続 人 一 人 500 万 円 )の 利 用 や 現 経 営 者 が 死 亡 時 に 遺 族 が 受 け 取 る 弔 慰 金 の 非 課 税 枠 ( 業 務 上 死 亡 時 は 役 員 報 酬 3 年 分 相 当 額 その 他 死 亡 時 は 半 年 分 相 当 額 )の 利 用 も 考 えられます 加 えて 不 動 産 管 理 会 社 を 設 立 して 個 人 所 有 の 不 動 産 を 法 人 に 所 有 させる 方 法 や 現 経 営 者 が 自 社 へ 個 人 貸 付 がある 場 合 に 資 本 金 へ 振 り 返 る 方 法 があります この 場 合 当 該 法 人 の 株 式 が 相 続 財 産 となり 当 該 法 人 の 業 績 や 自 社 株 式 の 評 価 方 法 次 第 では 相 続 税 贈 与 税 対 策 として 考 えられます 4. 納 税 資 金 対 策 相 続 財 産 を 円 滑 に 承 継 しつつ 納 税 資 金 財 源 を 確 保 するためには まず 財 産 目 録 を 確 認 して 相 続 税 額 を 算 出 するとともに 換 金 性 の 高 い 資 産 の 有 無 を 把 握 しておくことが 重 要 です 現 金 預 金 だ けで 相 続 税 納 付 予 定 額 を 納 付 できない 場 合 には その 他 の 財 産 を 換 金 して 納 付 する 必 要 が 生 じるた めです そのため 相 続 発 生 前 の 対 策 としては 将 来 の 納 税 原 資 とするために 後 継 者 に 役 員 報 酬 等 を 支 払 うことや 現 経 営 者 に 退 職 金 を 支 払 うことで 相 続 発 生 時 の 納 税 財 源 を 確 保 しておくことが 考 えられます 加 えて 会 社 が 生 命 保 険 に 加 入 し 現 経 営 者 の 退 職 に 備 えて 資 金 を 準 備 しておくこと も 必 要 です 一 方 相 続 発 生 後 は 相 続 した 自 社 株 式 の 一 部 を 会 社 に 売 却 ( 株 主 総 会 特 別 決 議 が 必 要 )する 方 4
法 や 個 人 名 義 の 事 業 用 資 産 を 会 社 に 売 却 して 納 税 資 金 を 確 保 することが 考 えられます 5. 中 小 企 業 の 親 族 内 承 継 に 対 する 総 合 的 支 援 策 について 事 業 承 継 対 策 は 税 務 面 だけでなく 法 務 面 資 金 面 経 営 面 等 の 各 種 対 策 を 組 み 合 わせて 実 施 する 必 要 があるため 中 小 企 業 における 経 営 の 承 継 の 円 滑 化 に 関 する 法 律 ( 以 下 円 滑 化 法 )が 制 定 されました 円 滑 化 法 では 3 年 以 上 継 続 して 事 業 を 行 っている 非 上 場 の 中 小 企 業 を 対 象 として 後 継 者 に 経 営 権 を 確 保 させるため 自 社 株 式 を 後 継 者 に 生 前 贈 与 した 場 合 に 生 じる 相 続 時 の 遺 産 分 割 にかかる 遺 留 分 について 民 法 に 特 例 措 置 (2つ)が 設 けられました 1つは 自 社 株 式 の 分 散 を 未 然 に 防 止 するため 後 継 者 に 生 前 贈 与 した 株 式 を 遺 留 分 の 対 象 から 除 外 する( 除 外 合 意 ) 措 置 もう 一 つ は 後 継 者 の 経 営 意 欲 が 阻 害 されないように 生 前 贈 与 後 に 予 め 合 意 した 時 点 での 評 価 を 固 定 する ( 固 定 合 意 ) 措 置 です なお 当 該 評 価 額 については 公 認 会 計 士 税 理 士 弁 護 士 などによる 証 明 が 必 要 です また 円 滑 な 事 業 承 継 を 支 援 するために 相 続 税 や 贈 与 税 について 税 制 の 特 例 ( 納 税 猶 予 制 度 ) が 設 けられました 相 続 税 については 現 経 営 者 の 相 続 又 は 遺 贈 によって 後 継 者 が 取 得 した 自 社 株 式 の80% 部 分 の 納 税 が 猶 予 され 贈 与 税 については 現 経 営 者 から 贈 与 によって 取 得 した 自 社 株 式 ( 発 行 済 議 決 権 株 式 総 数 の3 分 の2が 上 限 )にかかる 納 税 が 猶 予 されます さらに 後 継 者 が 自 社 株 式 や 事 業 用 資 産 を 買 い 取 るための 資 金 や 納 税 資 金 を 確 保 するため 日 本 政 策 金 融 公 庫 法 の 特 例 と 中 小 企 業 信 用 保 険 法 の 特 例 による 資 金 融 資 制 度 が 設 けられています 参 考 文 献 資 料 みずほ 総 合 研 究 所 編 者 オーナー 社 長 と 後 継 者 のための 事 業 承 継 入 門 TOMA コンサルタンツグループ 著 者 ヒト モノ コトを 次 代 へつなぐ 事 業 承 継 の 教 科 書 5
執 筆 者 紹 介 和 田 壮 司 / Takeshi Wada 公 認 会 計 士 税 理 士 行 政 書 士 経 営 学 修 士 ( 慶 応 ビジネススクール MBA) 株 式 会 社 日 本 財 産 コンサルタンツ 代 表 取 締 役 (http://nzc.co.jp/) 行 政 書 士 法 人 日 本 財 産 コンサルタンツ 代 表 株 式 会 社 audience 代 表 取 締 役 (http://www.audinet.co.jp/) 税 理 士 法 人 audience 代 表 ドリームゲートアドバイザー(http://profile.dreamgate.gr.jp/pr_user_advisor_search/search) 中 央 青 山 監 査 法 人 ( 現 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 )にて 上 場 企 業 会 計 監 査 内 部 統 制 監 査 上 場 準 備 サポートに 従 事 した 後 PwC アドバイザリー 株 式 会 社 ( 現 プライスウォーターハウスク ーパース 株 式 会 社 )や 株 式 会 社 KPMG FAS にて 事 業 再 生 金 融 機 関 交 渉 M&A アドバイザ リー 業 務 に 従 事 また ベンチャー 企 業 に 役 員 として 参 画 し 財 務 管 理 会 計 の 基 礎 規 程 等 の 作 成 内 部 統 制 や 資 金 繰 り 管 理 など 内 部 管 理 体 制 構 築 に 携 わる 2012 年 に 株 式 会 社 日 本 財 産 コンサルタンツ( 不 動 産 コンサルティングを 柱 としたコンサルティ ング 会 社 )の 代 表 取 締 役 就 任 と 同 時 に 株 式 会 社 audience(クラウドソーシング 型 アドバイザ リー 会 社 )を 設 立 その 後 も 行 政 書 士 法 人 税 理 士 法 人 を 設 立 するなど 創 業 事 業 拡 大 事 業 再 生 事 業 承 継 など 企 業 の 各 ステージをワンストップでサポートする 職 業 専 門 家 集 団 を 運 営 する その 他 複 数 社 の 顧 問 や 上 場 会 社 の 社 外 取 締 役 を 務 める 6