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収益認識に関する会計基準

IFRS基礎講座 IAS第11号/18号 収益

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03-08_会計監査(収益認識に関するインダストリー別③)小売業-ポイント制度、商品券

新収益認識基準に関するFASB及びIASBの改訂案

IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の概要

(10) 顧客による検収 80 (11) 返品権付きの販売 工事契約等から損失が見込まれる場合の取扱い 重要性等に関する代替的な取扱い 91 (1) 契約変更 91 (2) 履行義務の識別 92 (3) 一定の期間にわたり充足される履行義務 94 (4) 一時点で充足される履

会計上異なる結果が生じる可能性があるとしていま す イセンス付与に関しても 約定の性質の定義に係る ガイダンス等 IASB がの必要なしと決定した論 点についてを加えています 両審議会は 以下の論点については同じ修正を行っています a. 履行義務の識別 b. 本人か代理人かの検討 c. 売上高ベース

新しい収益認識基準が収益以外に及ぼす影響

日本基準基礎講座 収益

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(10) 顧客による検収 80 (11) 返品権付きの販売 工事契約等から損失が見込まれる場合の取扱い 重要性等に関する代替的な取扱い 92 (1) 契約変更 92 (2) 履行義務の識別 93 (3) 一定の期間にわたり充足される履行義務 95 (4) 一時点で充足される履

1 本会計基準等の概要以下の概要は 本会計基準等の内容を要約したものです 本会計基準等の理解のために 本会計基準等の基本となる原則である収益を認識するための 5 つのステップについて 別紙 1 に取引例及びフローを含めた説明を示しています また 本会計基準等と従来の日本基準又は日本基準における実務と

[ 設例 11] 返品権付きの販売 [ 設例 12] 価格の引下げ [ 設例 12-1] 変動対価の見積りが制限されない場合 [ 設例 12-2] 変動対価の見積りが制限される場合 [ 設例 13] 数量値引きの見積り 7. 顧客に支払われる対価 [ 設例 14] 顧客に支払われる対価 8. 履行義

「収益認識に関する会計基準等」インダストリー別解説シリーズ(1)_第1回_メディア・コンテンツ業界─ライセンスの供与

ならないとされている (IFRS 第 15 号第 8 項 ) 4. 顧客との契約の一部が IFRS 第 15 号の範囲に含まれ 一部が他の基準の範囲に含まれる場合については 取引価格の測定に関する要求事項を設けている (IFRS 第 15 号第 7 項 ) ( 意見募集文書に寄せられた意見 ) 5.

質問 2 財務諸表作成者の実務負荷及び監査人の監査負荷を必要以上に増大させる契約の分割には反対である その理由は以下のとおりである 当初の取引価格算定時点においては 契約の分割と履行義務の識別という2 段階のステップを経ずとも 履行義務の識別が適正になされれば適正な取引価格が算定可能である 契約の分

IFRS基礎講座 IAS第37号 引当金、偶発負債及び偶発資産

(1) 契約の識別契約の識別にあたって 厳密な法律上の解釈まで必要とするのか あるいは過去の商慣習等で双方の履行が合理的に期待される程度の確認で済むのかが論点となります 基本的に新しい収益認識基準では 原則として法的な権利義務関係の存在を前提とします また 業界によっては 長年の取引慣行のみで双方が

1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

図と設例による解説 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」

目次 このガイドについて 1 概要 2 範囲およびコア原則 4 収益認識モデルの 5 ステップ 5 さらなるガイダンスの分野 14 追加の検討 16 開示 17 経過措置 19 最終的な考察および広範囲の論点 21

米国会計関連情報 最近の論点 No.14-49

スライド 1

無断複写 転用 転記を禁じます 国際財務報告基準 (IFRS) 連結財務諸表シリーズ シリーズ <5>IAS 第 31 号 ジョイント ベンチャーに対する持分 ( 平成 22 年 7 月 31 日現在 ) 1. ジョイント ベンチャーの対する持分 ( 総論 ) 本シリーズでは ジョイント ベンチャー

IFRS Global office 2011 年 11 月 IFRS in Focus 注 : 本資料は Deloitte の IFRS Global Office が作成し 有限責任監査法人トーマツが翻訳したものです この日本語版は 読者のご理解の参考までに作成したものであり 原文については英語

IFRS 第 15 号の定めの表現の置換え 4. 下表では IFRS 第 15 号の基準本文 ( 適用指針を含む ) の日本語訳を左の列に示し 表現を見直した文案を右の列に示している (1) 表に用いられている色は 以下を表す ( ) は IFRS 第 15 号における項番号を表す 青色 : 企業会

開発にあたっての基本的な方針 97 Ⅰ. 範囲 102 Ⅱ. 用語の定義 110 Ⅲ. 会計処理等 114 (IFRS 第 15 号の定め及び結論の根拠を基礎としたもの ) 基本となる原則 収益の認識基準 117 (1) 契約の識別 117 (2) 契約の結合 121 (

収益論点整理

Report

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IFRS第15号 顧客との契約から生じる収益

従って IFRSにおいては これらの減価償却計算の構成要素について どこまで どのように厳密に見積りを行うかについて下記の 減価償却とIFRS についての説明で述べるような論点が生じます なお 無形固定資産の償却については 日本基準では一般に税法に準拠して定額法によることが多いですが IFRSにおい

図と設例による解説 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」

売上減少か?-「収益認識に関する論点の整理」

できる 105. 前項の取扱いを適用する場合には 次の事項を注記する (1) その旨及び決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益の見積りが極めて困難と認められる理由 (2) 当連結会計年度及び当事業年度の決算月の翌月に実施した計量により確認した使用量に基づく収益の額 ( この収益の額が 決

IFRS基礎講座 IAS第21号 外貨換算

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関する IFRS-IC の議論が IASB と FASB により共同で行われている IFRS 第 15 号に関する移行リソースグループ (TRG) における議論と不整合を生じさせる可能性が危惧されたためである 論点の所在 4. 今回 明確化が要請された会計処理に関する主な論点は 銀行がプリペイド カ

平成30年公認会計士試験

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<4D F736F F D208CDA8B7182C682CC8C5F96F182A982E790B682B682E98EFB897682C98AD682B782E9985F935F82CC90AE979D2E646F6378>

IFRS 新リース会計基準 公開草案の概要 社団法人リース事業協会 本稿は 国際会計基準審議会 (IASB) 及び米国財務会計基準審議会 (FASB) が 2010 年 8 月 17 日に公表した公開草案 リース ( 以下 リース ED という ) の概要である リース ED の原文は英語であるが

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2. 基準差調整表 当行は 日本基準に準拠した財務諸表に加えて IFRS 財務諸表を参考情報として開示しております 日本基準と IFRS では重要な会計方針が異なることから 以下のとおり当行の資産 負債及び資本に対する調整表並びに当期利益の調整表を記載しております (1) 資産 負債及び資本に対する

1. 国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 抜粋 翻訳 ) 国際財務報告基準に準拠した財務諸表の作成方法について当行の国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 以下 IFRS 財務諸表 という ) は 平成 27 年 3 月末時点で国際会計基準審議会 (IAS B) が公表している基準及び解釈指針に

日本基準基礎講座 有形固定資産

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT 30 SEPTEMBER 2018 ステップ 5 では まず一定期間にわたって売上を計上すべき取引かどうかを判定します 以下 (1)(2)(3) の要件いずれかを満たす場合は 物品またはサービスに対する支配が一定の期間にわたり顧客に移転するもの

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IFRSにおける適用上の論点 第27回

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平成 26 年 5 月に 顧客との契約から生じる収益 (IASB においては IFRS 第 15 号 ( 平成 30 年 1 月 1 日 以後開始事業年度から適用 ) FASB においては Topic606( 平成 29 年 12 月 15 日後開始事業年度から適 用 )) を公表しました これらの

IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」

に暫定的に合意した 特定の状況 ( 例えば 企業に税務当局との未解決の係争がある状況 ) に範囲を限定しようとすると 恣意的なルールにつながるであろうと考えたからである ただ 2015 年 1 月の委員会の議論で 繰延税金を含まないことに対する懸念が出され 最終的には当期税金及び派生する繰延税金を対

IASB、最終版のIFRS第9号「金融商品」を公表

第 373 回企業会計基準委員会 資料番号審議事項 (7)-2 日付 2017 年 11 月 22 日 プロジェクト 項目 収益認識に関する会計基準の開発 公開草案に寄せられた主なコメントの概要 本資料の目的 1. 企業会計基準委員会は 2017 年 7 月 20 日に 次の企業会計基準及び企業会計

「資産除去債務に関する会計基準(案)」及び

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

平均株価は 東証が公表する当該企業普通株式の終値の算術平均値を基準とした値とする 調整取引の結果 経済的には自社株を平均株価で取得したのと同様の結果となる 企業は株価上昇時の支払いのために 証券会社に新株予約権を割り当てる ステップ 3 : 株価上昇時は 新株予約権が権利行使され 差額分に相当する株

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IFRSポイント講座 第9部 引当金

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参考資料 日本語粗訳 このペーパーは IASB による公開会議での討論のために IFRS 財団のスタッフによって作られたものであり IASB または IASB のメンバー個人の見解を表していているものではありません IFRS の適用に関するコメントは それが受け入れ可能な見解であるか否かを定める目的

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

第 1 章はじめに ( 本ペーパーの位置付け等について記載であるため 省略 ) 第 2 章キャッシュ フロー情報の有用性 1. 業績についての情報は 主として発生主義による財務諸表によって提供される キャッシュ フローの開示の目的は 業績に関する代替的な測定値を表示することではないが 発生主義ベース

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CL23 PwCあらた監査法人 平成 28 年 5 月 31 日 企業会計基準委員会御中 PwC あらた監査法人品質管理本部アカウンティング サポート部 収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集 に対するコメント 拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます さて 貴委員会から

審議事項 (2) 年 7 月 ASBJ/EFRAG のスタッフがのれんと減損に関する定量的調査の付属資料として作成した付録付録 1: 定量的調査の概要付録 2: 主要なデータ セット 参考訳 財務会計基準機構の Web サイトに掲載した情報は 著作権法及び国際著作権条約をはじめ

2019 年 3 月期第 2 四半期決算短信 IFRS ( 連結 ) 2018 年 10 月 31 日 上場会社名 アイシン精機株式会社 上場取引所東名 コード番号 7259 URL 代表者 ( 役職名 ) 取締役社長 ( 氏名 ) 伊勢清貴 問合せ先

新日本有限責任監査法人東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号日比谷国際ビル Tel: Fax: 年 5 月 9 日 公表されているが 未だ適用されていない米国会計基準の一覧 (

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

各位 2018 年 11 月 13 日 会社名株式会社リクルートホールディングス代表者名代表取締役社長兼 CEO 峰岸真澄 ( コード番号 :6098 東証一部 ) 問合せ先取締役兼専務執行役員兼 CFO 佐川恵一 ( 電話番号 ) ( 訂正 数値データ訂正 ) 2019 年

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IFRS Global office 2013 年 3 月 IFRS in Focus 予想信用損失 - 公開草案 注 : 本資料は Deloitte の IFRS Global Office が作成し 有限責任監査法人トーマツが翻訳したものです この日本語版は 読者のご理解の参考までに作成したもの

資産除去債務の会計処理(コンバージェンス)

7. 我が国の場合 第 4 項に示される政府が企業に課す賦課金の例としては 固定資産税 特別土地保有税 自動車取得税などが挙げられる 8. 日本基準において諸税金に関する会計処理については 監査 保証委員会実務指針第 63 号 諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取り扱い があるが ここでは

「会計上の変更及び過去の誤謬に関する会計基準(案)」及び

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

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新しい連結基準 IASBは グループの連結に係る問題およびオフバランスシート活動について取り扱っている以下の5 つの新基準を公表しました IFRS 第 10 号 連結財務諸表 IFRS 第 11 号 ジョイント アレンジメント IFRS 第 12 号 他の企業に対する持分の開示 IAS 第 27 号

本実務対応報告の概要 以下の概要は 本実務対応報告の内容を要約したものです 範囲 ( 本実務対応報告第 3 項 ) 本実務対応報告は 資金決済法に規定する仮想通貨を対象とする ただし 自己 ( 自己の関係会社を含む ) の発行した資金決済法に規定する仮想通貨は除く 仮想通貨交換業者又はが保有する仮想

KPMG Insight Vol.2_会計03

コニカミノルタ ( 株 ) (4902) 2019 年 3 月期決算短 4. 連結財務諸表及び主な注記 (1) 連結財政状態計算書 資産 流動資産 前連結会計年度 (2018 年 3 月 31 日 ) ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 (2019 年 3 月 31 日 ) 現金及び現金同等物

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新収益認識基準が企業経営に与える影響の考察~業種別シリーズ 小売流通業~

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有償ストック・オプションの会計処理が確定

IASB Update 2019 年 4 月 IASB Update は 国際会計基準審議会 ( 審議会 ) の予備的決定を示している IFRS 基準 修正及び IFRIC 解釈指針に関する審議会の最終的な決定は IFRS 財団及び IFRS 解釈指針委員会 デュー プロセス ハンドブック に示され

Transcription:

収益に関する新しいグローバルスタンダード この基準がライフサイエンス産業に与える影響 IASBと米国FASBは 収益に関する新基準 IFRS第15号 顧客との契約から生じる収益 米国 ではASU2014-09又はTopic606 を公表しました 本資料は新しい要求事項と それがライフサ イエンス産業に与える影響がどのようなものであるのかを 概観しています 最近公表されたIFRS第15号はIAS第18号 収益 及び IAS第11号 工事契約 を置き換え 例えば次のような主要な問題に対処した 重要で新たなガイダンスを提供しています 履行ベースのマイルストーンの支払いはいつ収益に含められるのか 財又はサービスの束が 別個の履行義務を表わす時はいつになるか 顧客との共同研究契約はどう会計処理されるか 延長された支払条件は 収益の総額にどう影響する可能性があるか 販売又は使用ベースのロイヤルティはどう会計処理されなければならないか 知的財産のライセンス契約は一定の期間にわたり 又は一時点で計上しなければならないかを どのように認識するか 認識される収益の時期と金額について 潜在的に重要な影響があることから ライフサイエンス産業に属す る企業は すべての重大な影響を識別し 適用について深く理解するために 事前に時間を掛けることになる でしょう

収益に関する新しいグローバルスタンダード 新基準の概観 新基準は IAS 第 11 号 第 18 号及びいくつかの収益に関連する解釈指針を置き換えます この範 囲に含まれるすべての取引は 以下の 5 ステップの 単一で支配ベースのモデルで分析されることに なるでしょう : ステップ 1 : 顧客との契約を識別する ステップ 2 : 履行義務を識別する ステップ 3 : 取引価格を算定する ステップ 4 : 取引価格を履行義務に配分する ステップ 5 : 履行義務の充足時又は充足するにつれて収益を認識する IFRS 第 15 号は 収益が一時点で又は一定の期間にわたり認識されるのかを決定する要件を変更します さらに 次のポイントは 予想されるライフサイエンス産業への影響により異なりますが IFRS 第 15 号は現行のIFRSsに欠けている多くの領域における追加のガイダンスも提供しています : 複数要素契約契約変更現金以外の対価及び変動対価返品権及び顧客のオプション売り手の買戻しオプション及び買戻し契約製品保証本人か代理人かの検討 ( 総額か純額か ) 知的財産のライセンス供与権利の未行使返還不能の前払手数料委託販売契約及び請求済未出荷契約 IFRS 第 15 号は 契約残高 残りの履行義務 ( 受注残 ) 及び収益認識の時期並びに方法についての重大な判断に関する情報を含む 収益についてかなり多くの開示を要求しています 経過措置及び発効日 IFRS 第 15 号は 2017 年 1 月 1 日以後開始する事業年度から適用になります 経過措置としての比較年度を修正再表示しない選択肢を含んだ簡素化をして 遡及適用します また 早期適用が容認されています 2

ライフサイエンス産業 この基準がライフサイエンス産業に与える影響 ライフサイエンス産業における収益の会計は 多くの特有の課題を含んでいます 顧客との複雑な契約には 共同研究契約 マイルストーンベースのインセンティブの支払い 知的財産のライセンシング及び有形製品の販売が含まれます 顧客の返品権の契約における製品の期限満期日には 適切な専門的な判断が一層必要となるでしょう 収益認識の時期が影響を受ける可能性があることから 企業は 顧客との契約について新基準の影響を慎重に評価する必要があります ステップ 1 : 顧客との契約を識別する IFRS 第 15 号は 財又はサービス履行が完了し 受領したすべてを提供するほぼすべての顧客とのの対価は返還不能である契約に適用されますが IFRS 第 15 契約は解除され 受領した対価号の詳細なガイダンスが適用され得が返還不能であるる前に 次のような追加の要件を契約が満たすことを要求しています : 共同研究契約契約に経済的実質があるライフサイエンス産業では共同契当事者が契約を承認している約は一般的であり 多様な形式が企業が各当事者の権利及び支採られています IFRS 第 15 号は 相払条件を識別できる手方が顧客の場合にのみ適用され企業が対価を回収する可能性ます 企業の通常の活動のアウトプッが高いトである財又はサービスを受け取らないときは 企業の共同契約の相手上記のすべての要件を満たす前方が顧客とは考えられません に顧客から支払いを受けた場合 こ多くの共同契約は新基準の範囲れらの支払いは 要件を満たすか から除かれますが 実際に顧客との次のいずれかが起きるまでは負債取引かどうかを決定する場合にはに表示されなければなりません : 判断が要求されます IFRS 第 15 号は 財又はサービスを提供するほぼすべての顧客との契約に適用されますが IFRS 第 15 号の詳細なガイダンスが適用され得る前に 追加の要件を契約が満たすことを要求しています 研究及び開発サービスという約束でライセンスを供与するIFRS 第 15 号の範囲に含まれる共同契約は この活動が別個の履行義務か それとも単一の履行義務として結合されるものかどうかを評価されなければなりません 企業は 他の既存のガイダンスを用いて非顧客との契約の会計処理を継続しなければなりません 3

収益に関する新しいグローバルスタンダード ステップ 2 : 履行義務を識別する 購入オプションは 顧客の実質的な将来の 複数の財 及び / 又はサービスを販売する約束を含む契約は複雑になることがあります 例えば 医療機器の契約は 組込ソフトウェア 補修部品並びにその他の構成部分 据付 研修 サービス及び製品保証を含むことがあります 既存の基準は 契約における別個に識別可能な構成部分を識別するガイダンスを提供していませんが IFRS 第 15 号は企業に 区別できる と考えられる履行義務を識別することを要求しています IFRS 第 15 号の基本的なモデルは 契約全体ではなく 区別できる 履行義務の充足により収益が認識されるというものです 約束された財又はサービスは 次の両方を満たす場合 区別できます : 顧客が便益を それ単独で又は顧客にとって容易に利用可能な他の資源と一緒にして得ることができる 別個に識別可能 である ( 例えば 仕入先が多様な履行義務を統合 修正又はカスタマイズする著しいサービスを提供しない ) 企業は 新しいガイダンスを用いて この例の医療機器 補修部品並びにその他の構成部分 及びサービスが別個の履行義務か それとも単一の履行義務を表わすかどうかを評価する必要があります 新しいガイダンスの重要性に鑑みると 新規又は異なる履行義務が識別されるかどうか 及び関連する収益がどう影響を受けるかの結論を下すことができる前に 企業は顧客との契約を慎重に見直す必要があるでしょう 財又はサービスの前払いとなる可能性があります 追加の購入オプション追加の財又はサービスを値引き又は請求なしに購入する権利を含む契約は そのオプションが 顧客が契約を締結しなければ受け取らないであろう 重要な権利 を表わす場合は 別個の履行義務として考えられなければなりません この購入オプションは 顧客の実質的な将来の財又はサービスの前払いとなる可能性があります この部分は 追加の財又はサービスにより履行義務が充足されるか ( ステップ 5 参照 ) 又はオプションが失効するまで繰り延べられなければなりません ステップ 3 : 取引価格を算定する IFRS 第 15 号において 取引価格 変動対価 の見積りを行わなければなりません とは 顧客への約束された財又は 変動対価は非常に一般的であり この変動対価の金額は 見積りの事 サービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額 です この対価は固定又は変動 あ 特定のマイルストーン達成により支払われる履行ボーナス 割引 又は類似の項目を含む多様な形式をとっ 後の変動が 認識された契約収益の累計額の重要な戻入れをもたらさない可能性が非常に高いという限度内 るいはその両方を含むことがあります ています で 契約価格に含めることができます IFRS 第 15 号の下では 期待値 これは関連する履行要求が満たされ ( 確率加重 ) 又は最も発生の可能性 る可能性が高く 信頼性をもって金額 の高い金額のアプローチのいずれか を見積ることができるかどうかに焦点 を用いて 売り手は変動対価の金額 を置く既存のガイダンスとは異なります 4

ライフサイエンス産業 新基準はより複雑となり 専門的な判断の必要性が増しています 小売業者は 認識されることが見込まれない収益額を返金負債とし 新しいモデルの下では例えば オールオアナッシングのマイて 返品される財の権利を定義され変動対価の多くの種類をルストーン支払いは 企業が大規模た資産 ( 契約資産 ) として 認識しな評価するために 重大な判断が 開発プロジェクトの研究フェーズの完了に成功したときだけ ( またはその場合 ) 受け取ります 同様のプロジェクトでの高い失敗率の履歴は 契約開始時点で取引価格の見積りを支払いに含めるために必要な閾値を企業が満たすと設定することを困難にするかもしれません ければなりません 資産は以前の棚卸資産の金額を参照し 販売原価の回収コスト及び見込まれる価値の下落を調整して測定されます 製薬会社にとって 返品される製品は多くが失効し 無価値であるため 限定的な価値しか資産に帰属しないかもしれません 返品が期待される製品の企業の 必要となるかもしれませんが 私どもは特に重要な影響を与えるとは考えていません ボリュームディスカウント 請求権を表わす資産は 通常貸借 インセンティブ ( 売上割戻 ) 対照表に棚卸資産の構成部分とし 含まれている場合には 取引価格 企業はボリュームディスカウントを変動対価として評価し 取引価格算定の時に金額を見積らなければなりません て表示されますが 負債と関連する資産も既存の実務でも認識されています IFRS 第 15 号では 契約資産は棚卸資産とは別個に表示され は調整されます IFRS 第 15 号は 約束した対価と現金販売価格の関係や 約束した財又はサービスの移転と顧客の支払う時点の期間の長さを含む 重要な財務要素が契 ロイヤルティ契約 IFRS 第 9 号 金融商品 ( 又はIAS 約に存在するかどうかを企業が決 企業は 次の後者の事象が発生した場合にのみ知的財産のライセンスと交換に 売上ベース又は使用ベースの約束されたロイヤルティを収益として認識しなければなりません : 事後の売上又は使用が発生履行義務に配分された一部又はすべての売上 / 使用ベースのロイヤルティが 充足された ( 又は部分的に充足された ) 第 39 号 金融商品 : 認識及び測定 ) に従って 減損の評価を行う必要があります 見積負債と資産額の両方が各報告期間の末日で更新され 収益及び売上原価の増加又は減少として変動額が認識されます 新しいモデルの下では変動対価の多くの種類を評価するために 重大な判断が必要となるかもしれませ 定するための指標を提供しています 履行と回収の期間が1 年を超えない場合 財務要素は無視されます 重要な財務要素の影響は 収益とは区別されて会計処理されます IAS 第 18 号においては 受け取る対価の公正価値に焦点が置かれていましたが IFRS 第 15 号における目的は 顧客が現金で支払うであろう金額と等価で収益を認識することです 返品権 んが 私どもはこれらの要求事項は 製薬及び医療機器会社は 製品が一定期間以内に販売されない 特に重要な影響を与えるとは考えていません か 販売されずに失効する場合に は 通常顧客 ( 流通業者 ) に返品権 を付与します このような権利は契 約条件又は確立した慣行のいずれ かにより発生します どちらのケース でも 関連する収益は 変動するも ので 制限付きと考えられます 貨幣の時間価値ライフサイエンス産業の支払条件は 契約の内容 顧客の財務的資源及び多くの要素により異なることがあります IFRS 第 15 号において 重要な財務要素 が支払条件に 5

収益に関する新しいグローバルスタンダード ステップ 4 : 取引価格を履行義務に配分する 企業が 契約に複数の履行義務 自体では未販売である履行義務か が含まれていると決定する場合には 例えば一度限りの知的財産ライセン契約の開始時点で取引価格を独ス契約などの独特の要素を含むもの立販売価格の比率で別個の履行と予想しています 履行義務につい義務に配分します ての独立販売価格が利用できない場合には 企業は利用可能なすべ独立販売価格の見積りての情報を用いて さらに観察可能 IFRS 第 15 号は 独立販売価格をなインプットを最大限に使用して こ 企業が顧客に 約束した財又はれを見積ります IFRS 第 15 号は 独サービスを別個に販売するであろう立販売価格の適切な見積り方法と価格 と定義しています 企業が請して次の 3つを提案していますが 要求する観察可能な販売価格が利用求するものではありません : 可能な場合 それが独立販売価格調整後市場評価法の最良の証拠となります しかし 私見積コストにマージンを加算するどもは ライフサイエンス産業におい方法て典型的な契約は 新規又はそれ残余アプローチ 企業が請求する観察可能な販売価格が利用可能な場合 それが独立販売価格の最良の証拠となります 収益をさまざまな履行義務に配分するときに IAS 第 18 号はほとんどガイダンスを提供しておらず IAS 第 11 号はさらに少ないガイダンスしか提供していません 従って 新しいガイダンスが企業に影響を与える程度は 既存の基準の下で適用していた会計方針によるでしょう ステップ 5 : 履行義務の充足時又は充足するにつれて収益を認識する IFRS 第 15 号の下では 履行義務に対する収益は 約束された財又はサービス ( すなわち 資産 ) の支配が移転した時点で認識されます 企業は 契約の開始時に それ ぞれの履行義務が一定の期間にわたり充足されるか 一時点で充足されるかを決定します 充足とはすなわち 支配の移転です 次の条件のうちのいずれかが存在する場合 ライセンスが 企業の知的財産への アクセス を提供する約束である場合 支配は一定の期間にわたり移転されます 一定の期間にわたりまたは一時点で移転する 一定の期間にわたり財又はサービスの支配の顧客への移転一時点で には 支配は一定の期間にわたり移転するものと考えられます : 企業が履行するにつれて 顧客が便益を受け取り消費する資産が創出されるか又は増価するにつれて顧客が当該資産を支配する 6

ライフサイエンス産業 売主にとって他に転用できない資収益が計上されます IFRS 第 15 号産で 売主は現在までに履行しにおいては ライセンスとは 次の条た作業についての支払を受ける件のすべてを満たした場合に 企業権利を有しているの知的財産への アクセス を提供する約束です : これらの条件のいずれも満たさな基礎となる知的財産に重大な変い場合 企業は一時点で収益を認化をもたらすような行動を企業が識します とるであろうという要求又は黙示の理解がある知的財産のライセンス顧客がそれらの活動により正又ライセンスについての IAS 第 18 号は負の影響に晒されているの限定的なガイダンスは 収益におその活動が発生したとしても 財いてIFRS 第 15 号と整合しており 又はサービスを顧客に移転しない 契約の実質 に応じて 時には一定の期間にわたり 時には一時点で ライセンスが 企業の知的財産への アクセス を提供する約束である場合 支配は一定の期間にわたり移転されます これらの条件が存在しない場合は この約束は知的財産の 使用 権であり ライセンスが付与された時に 財の販売と同様に 履行義務が一時点で充足されます その他のガイダンス 契約コスト IFRS 第 15 号は 契約獲得の増分コストを回収することが見込まれる場合には資産計上することを求めています 契約獲得の増分コスト とは 契約を獲得していなければ発生しなかったであろうコスト ( 例えば 販売手数料 ) と定義されています 契約を獲得したかどうかに関係なく発生したであろうコスト ( 例えば 入札コスト ) は 発生時に費用となります ただし 当該コストが 契約を獲得したかどうかに関係なく顧客に明示的に請求可能な場合を除きます 開示特に1 年間以上の契約を有する すべての企業は 現行の要求より追加的な開示を求められます 結果的に 新しい要求事項に準拠するために必要な追加的な情報を把握し サマリーするシステムと手続が必要になります 契約を獲得したかどうかに関係なく発生したであろうコスト ( 例えば 入札コスト ) は 発生時に費用となります ただし 当該コストが 契約を獲得したかどうかに関係なく顧客に明示的に請求可能な場合を除きます 7

収益に関する新しいグローバルスタンダード グラントソントンについて グラントソントンは 監査保証業務 税務関連業務 アドバイザリーサービスを提供する独立した会計事務所から構成される世界有数の組織です それぞれのメンバーファームが 有益かつ将来を考慮した助言を行うことにより成長への潜在的な能力の扉を開く ダイナミックな組織を支援しています それぞれのメンバーファームのパートナー主導 の専門チームが 知見 経験及び直感を駆使してオーナー系企業 公開企業及びパブリックセクターのクライアントが有する複雑な課題を理解し 解決策の発見を支援いたします 世界 100カ国以上 35,000 人以上の従業員が クライアント そして私たちが住み働く地域社会に対して 変化をもたらすサービスの提供に重点的に取り組んでいます www.gti.org Grant Thornton Taiyo LLC 本資料は グラントソントンインターナショナルリミテッドが作成したものを太陽有限責任監査法人が翻訳したもので 内容のご理解については原文もご参照下さい グラントソントン は 保証 税務及びアドバイザリーサービスをクライアントに提供するグラントソントンのメンバーファームのブランドで 文脈上は一つ又は複数のメンバーファームを表します GTIL はグラントソントンインターナショナルリミテッドを表します GTIL と各メンバーファームは別個の法人です GTIL はイングランド及びウェールズで設立された有限責任の私会社である国際的な統括企業です GTIL はその名称で一切サービスを提供しません サービスはメンバーファームにより提供されます GTIL とメンバーファームは 相互に代理せず 義務を負うこともなく 相互の作為又は不作為についての債務はありません