駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアム 教育関係者向けご利用案内 平成 24 年 3 月 駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアム活用促進協議会 0
はじめに近年 日本国内では数多くの自然災害に見舞われております 駒ヶ根市 宮田村の地域も例外ではなく 地形 地質 気象等の面から厳しい環境下に置かれており 自然災害を受けやすい状況にあります 人は 自然災害が発生する 時期 と 場所 をコントロールすることはできませんが 被害を軽減するための 防災 減災対策 は行うことができます そのためには 自分の地域を正しく 深く理解しておくことが極めて重要となります 私たちは 地域の学校教育をサポートし 皆様と共に学び 共に考え 自助 共助 公助 のバランスが取れた地域社会の構築を進めていきたいと考えています 激甚化する自然災害 1993 年阪神淡路大震災以降 日本周辺のプレート運動が活発化 地震と同時多発的に発生した大規模な土砂崩壊 189 年ぶりの本格的な噴火活動降灰と泥流発生の懸念 火山噴火 (H23 霧島 新燃岳 ) 地震 (H16 新潟県中越地震 ) 地球温暖化等の影響によるといわれている集中豪雨の増加 死者行方不明者 100 人以上平成最悪級の被害に 天然土砂ダムの出現 台風 12 号 (H23 紀伊半島大水害 / 奈良 和歌山 ) 3.11 東日本大震災が残した教訓 釜石の奇跡 ( 宮城県釜石市 ) 学校にいた小中学生 2921 人全員が無事に避難 防災教育の教え: 避難三原則 想定にとらわれるな 最善を尽くせ 率先し避難せよ 児童生徒が避難した鵜住居小 ( 左奥 ) と隣接する釜石東中は 3 階まで津波が達し 体育館 ( 手前 ) も崩壊した 大川小学校の悲劇 ( 宮城県石巻市 ) 津波により全校児童 108 人中 68 人が死亡 6 人が行方不明 津波災害のリスクを知りながら避難所を指定せず 危機管理マニュアルに対する不備の指摘 1
見て 聞いて 感じて 考える 駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアム駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアムは 太田切川流域周辺に点在する自然 風土 人々が築き上げた文化や知恵などを資源とした青空博物館です 一見 何でもない風景でも専門家による解説が加わることにより 新しい価値に気づくことができます それに感動したり 時には深く考えさせられたりすることが当施設の楽しみ方のひとつです ポイント Ⅰ 中央アルプスを起源とした長い時間にわたる地球活動のダイナミズムを体感 150t を超える河床大礫 太古からくり返された土石流の堆積物の上に暮らす わたしたち ポイント Ⅱ 厳しい自然環境と共生してきた先代の人々の歴史に共感 温水溜池と七名石の一つ ( 夫婦岩 ) こもれ陽の径を流れる黒川 生命の源である水を確保し この地で暮らしていくための知恵と苦労 ポイント Ⅲ 近年の暮らしとこれからを考える 暴れ川を治める砂防施設 良質な水を活かした産業 太田切川流域の安全性の向上と周辺地域の振興 2
駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアムエリアマップ ( 全体 ) 3
ご利用までの流れ駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアム活用促進協議会では 駒ヶ根市 宮田村の教育委員会及び太田切川流域の砂防事業を推進する国土交通省天竜川上流河川事務所のメンバーを中心とした 教育ワーキンググループ を組織し 地域の小 中学校における教育利用をサポートする活動を推進しています ご利用までの流れ 1 お申込み 利用を希望する日程 目的 人数 現地滞在可能時間をお知らせください 解説要員の確保のため 原則ご利用希望日の 3 週間前までにお申込みください < 申込み先 ( 駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアム係 )> 駒ヶ根市教育関係者の方 駒ヶ根市教育委員会こども課 宮田村教育関係者の方 宮田村教育委員会こども室 2 学習内容の具体的調整 目的( p5 参照 ) や時間などに応じてルート等を調整の上 設定いたします 3 ご利用当日 当施設で解説( ガイド ) の都合上 1 グループ上限 20 名程度までとなります 20 名を超える場合は 複数グループに分かれていただく場合があります 備考 現地へのアクセスについて バスの手配等を希望される場合は 駒ヶ根市教育委員会こども課 もしくは宮田村教育委員会こども室までご相談ください 利用料金について 原則無料ですが 資料代などのご負担をお願いする場合があります 上記の諸条件の一部は 平成 24 年度の試行期間を経て変更になる場合があります 4
ご参考目的別利用の例 ( 約 100 分で構成した場合 ) 駒ヶ根高原砂防フィールドミュージアムは 様々な目的に応じてご利用をいただけます また ポイント間の移動中には 土地の変化とそれに向き合ってきた人々の暮らしぶりなど 当地ならで はのエピソードを紹介し 学習に深みを加えていきます (!) 下表は 各教科 単元などと関連付けを行った施設活用の一例です 対象小学 5 年生対象小学 6 年生 目的理科 : 流れる水の働きとの関連付け目的理科 : 大地のつくりと変化との関連付け 10 分 25 分 25 分 こまくさ橋 川の上流と下流を見て 巨石の大きさや形状 を観察する どこからどうやって流れてきた のか考察する 太古の扇状地面 土砂の移動による浸食作用を確認する こもれ陽の径 : 土石流堆 川岸を超えて停止した土石流の痕跡を確認 し 巨石を先頭に直進性を持つ土石流の力を 知る 太田切川床固工群 ( 砂防施設 ) 川の底と川岸が侵食されるのを防ぐ対策が進 められていることを知る 砂防情報センター ~ まとめ 50 年前に地域に大きな被害をもたらした豪雨 災害 ( 三六災害 ) があったことを知る 10 分 25 分 砂防情報センター ジオラマで土石流扇状地と田切地形の形成過 程を理解する こまくさ橋 中央アルプスの隆起と供給され続ける岩石 ( 土砂 ) の量を観察する ござ石 黒雲母片麻岩の特徴をルーペで観察する 切石 ~ 重ね石 木曽駒花崗岩の特徴をルーペで観察する 切石 ( 花崗岩 ) には節理があることを知る 地蔵石 伊那川花崗岩の特徴をルーペで観察する それぞれの岩質の違いから 運ばれてきた 年代の違いや土砂移動の経緯を考察する 大沼湖 地すべり現象と湧水発生メカニズムを知る 対象小学 5 年生対象教職員 目的社会 : 自然災害を防ぐとの関連付け目的研修 : 土砂災害の特性を学ぶ基礎研修 砂防情報センター 50 年前に地域に大きな被害をもたらした豪雨 災害 ( 三六災害 ) があったことを知る ジオラマ等で中央アルプスは崩壊しやすい土 砂で形成されていることを知る 太田切川床固工群 砂防事業の役割を知る 本坊酒造 地域の安全確保により流域周辺の土地開発や 産業の振興が図られていることを知る こもれ陽の径 ~ 土石流堆 時にはハード計画を上回る土砂が河川を乗り 越えてくることも起こり得ることを知る あめ太郎 土砂災害が発生する目安となる雨量を知る 砂防情報センター ( まとめ ) 災害にあわないために避難の重要性や非常用 持ち出し品などを考察する 30 分 50 分 危機管理マニュアルの充実に向けた一助と します 砂防情報センター VTR ジオラマ等で土砂災害の特性や土石流扇 状地と田切地形の形成過程を解説します 七名石コース 過去の土砂氾濫状況を確認します 太田切川床固工群 砂防施設の役割と整備状況に対する理解や土 砂災害の前兆現象等の知識研鑽を図ります < その他 : オプション > 空き缶と牛乳パックで作るサバイバル飯炊 き体験研修 川遊びや遠足に合わせた利用 光前寺などの社会科見学に組み込む めした 総合的な学習の時間を活用し 年間複数回 にわたっての利用 など ご相談ください 5
ご参考事前学習 振り返り学習に活用いただける学習支援ツール 小 中学校の理科 社会科の主な単元に対応する学習素材 ( 写真 動画など ) を CD に収録し 教 材作成などにご活用いただくことをねらいとした支援ツールをご用意しています 学習指導要領と駒ヶ根地域の土砂災害に関連する学習素材データベース < 活用方法 > エクセルシートに学年 教科 単元別に 当地との関連付けが可能な学習素材名が整理されてい ます 単元名をクリックすると 解説 写真等がまとめられたシートやフォルダにジャンプします シートに張り込まれた写真 イラスト等は著作権の問題が生じないものを使用していますので コピーして活用いただけます また トリミングや加工も可能です 動画ファイルは動画フォルダに格納されており そのままでもコピーしても使用いただけます 対象学年 小学校 第 3 学年 第 4 学年 B 生命 地球 (3) 天気の様子 第 5 学年 B 生命 地球 B 生命 地球 < ファイルの中身 ( 一部抜粋 )> (3) 流水の働き (4) 天気の変化 第 6 学年 B 生命 地球 (4) 土地のつくりと変化 中学校 理科 学習の単元 社会 ア関係機関は地域の人々と協力して, 災害や事故の防止に努めていること イ関係の諸機関が相互に連携して, 緊急に対処する体制をとっていること イ国土の地形や気候の概要, 自然条件から見て特色ある地域の人々の生活 エ国土の保全などのための森林資源の働き及び自然災害の防止 第 1 学年 第 2 分野 (2) 大地の成り立ちと変化 ウ日本の諸地域 エ身近な地域の調査 第 2 学年 第 2 分野 第 3 学年 第 2 分野 6
ご参考教科書との適合性 社会科 理科 ( 東京書籍社会科 5-6 年目次より ) ( 信濃教育出版部理科 5-6 年目次より ) ライブカメラ 雨量計 砂防 FM と関連する内容 この地域の中で関連した内容を見いだし 砂防 FM の中で説明することは可能 44P/207P= 約 21% 砂防 F M と適合する内容 水伝標 川の氾濫 地すべり 流れる水の実験 河原の様子 大水が出たときの実験 災害を防ぐ工夫 合計 38P/158P = 約 24% 土石流 災害の無い日本 防災マップ 防災意識 6P/207P= 約 4% 砂防 FM と適合する内容 砂防 FM と関連する内容 この地域の中で関連した内容を見いだし 砂防 FM の中で説明することは可能 砂防 FM と関連する内容 砂防 F M と適合する内容 ボーリング試料 地層の観察 岩石と化石 地層のでき方の実験 火山の噴火でできた地層 地しんのあと 26P/176P= 約 15% この地域の中で関連した内容を見いだし 砂防 FM の中で説明することは可能 9P/176P= 約 5% 7