第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために都では たばこの健康影響について ホームページや各種リーフレット ポスター等 の配布 禁煙週間におけるパネル展の実施により普及啓発を進めています また 禁煙希望者向けに禁

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都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%


2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

Microsoft Word - 02 H28肝炎対策推進基本指針改訂(溶け込み)

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

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第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

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第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

第2次「健康くるめ21」計画

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歯科中間報告(案)概要

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資料 3 第 3 回次期札幌市健康づくり基本計画策定部会 現計画の評価と次期計画への関連について (1) 母子保健 1 思春期の心と身体の健康づくり 10 代の自殺率 ( 人口 10 万対 ) 指 標 現計画計画策定時の値 中間評価時の値 実績値 10~14 歳 ~19

5 つの健康習慣はじめに 今 日本人の二人に一人が 一生のうち一度はがんになるというデータがあります がんは日本人にとって身近な病気で その予防は多くの人の関心を集めるテーマです この冊子では 日本人を対象とした研究結果から定められた 科学的根拠に基づいた 日本人のためのがん予防法 についてまとめて

スライド 1

計画改訂の趣旨 社会構造が大きく変化し 少子高齢化が進む中 生活環境の改善や医療の進歩などにより 平均寿命が延びている一方で 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加しており 健康づくりや疾病予防の重要性はますます高まっています 子どもから高齢者まで すべての県民が 健やかな生活をおくるために ヘルスプロ

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2214kcal 410g 9.7g 1 Point Advice

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

基本的な考え方の案

健康くるめ21概要

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第3章 指導・監査等の実施

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

第 3 部食生活の状況 1 食塩食塩摂取量については 成人男性では平均 11.6g 成人女性では平均 10.1gとなっており 全国と比較すると大きな差は見られない状況にあります 図 15 食塩摂取量 ( 成人 1 日当たり ) g 男性

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■● 糖尿病

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通知(写入)

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

第 1 章計画の概要 1 策定の趣旨 ⑴ 札幌市におけるがんの実態 がんは昭和 51 年から死因の第一位 ( 死亡者数 5,783 人 全死亡者数の 32.7%) 75 歳未満がん年齢調整死亡率 は 86.8 と全国の 79.0 と比べ約 1 割高い 75 歳未満年齢調整死亡率 : 年齢構成の異なる

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Microsoft PowerPoint - 資料3 がん検診の現状

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次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

結果の概要

スライド 1

多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

4 月 17 日 4 医療制度 2( 医療計画 ) GIO: 医療計画 地域連携 へき地医療について理解する SBO: 1. 医療計画について説明できる 2. 医療圏と基準病床数について説明できる 3. 在宅医療と地域連携について説明できる 4. 救急医療体制について説明できる 5. へき地医療につ

平成 26 年度事業計画書 自平成 26 年 4 月 1 日 至平成 27 年 3 月 31 日 公益財団法人性の健康医学財団

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

●アレルギー疾患対策基本法案

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問 3 問 2 で と回答した方は 上記対策で何を見て知ったか ( 複数回答可 ) % 問 4 問 2で と回答した方は 下記対策で利用したいまたは既に利用しているものは 問 4 何か ( 複数回答可 ) 特定健診 特定保健指導対策 10 (41.9%) がん ( 婦人

2

1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て


2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

3 睡眠時間について 平日の就寝時刻は学年が進むほど午後 1 時以降が多くなっていた ( 図 5) 中学生で は寝る時刻が遅くなり 睡眠時間が 7 時間未満の生徒が.7 であった ( 図 7) 図 5 平日の就寝時刻 ( 平成 1 年度 ) 図 中学生の就寝時刻の推移 図 7 1 日の睡眠時間 親子

Ⅰ 全体目標 (1) がんによる年齢調整死亡率 (75 歳未満 人口 10 万人あたり ) の 25% 減少 67.9(H29 年 ) Ⅱ 個別目標 第 1 節 < 進捗状況 > 75 歳未満年齢調整死亡率 15.0% の減少 97.2(H17 年 ) 82.7(H24 年 ) (2) がんに罹患し

特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

案 参考資料 1 健康長寿笑顔のまち 京都推進プラン ( 計画期間 : 平成 30 年 ~34 年度 ) 身体活動 運動分野抜粋案 1

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第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

福利厚生基本計画

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

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健康企業宣言実施結果レポート Step1(Q&A) 質問 実施方法 添付資料 日頃の食生活に乱れがないか声掛けをしていますか? 始業前などに体操やストレッチを取り入れていますか? 朝礼等での声掛けの他 TJK ホームページに掲載されている 野菜は 1 日 350g 食べましょう のパンフ

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

( 条例第 4 条第 1 項に規定する額 ) 第 4 条条例第 4 条第 1 項に規定する額は 病院若しくは診療所等 ( 保険薬局を除く ) の診療報酬明細書 ( 訪問看護診療費明細書を含む ) 又は医療保険各法に定める療養費支給申請書ごとに 次の各号に掲げる区分に対し定める額とする なお 医療に関

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3 この条例において 幼児 とは 1 歳に達する日の属する月の翌月の初日から6 歳に達する日以後の最初の3 月 31 日までの間にある者をいう 4 この条例においては 児童 とは 6 歳に達する日以後の最初の4 月 1 日から15 歳に達する日以後の最初の3 月 31 日までの間にある者をいう 5

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宗像市国保医療課 御中

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

食育って, ご存知ですか? 食育とは 生きる上での基本であって, 知育, 徳育及び体育の基礎となるべきもの 様々な経験を通じて 食 に関する知識と 食 を選択する力を習得し, 食育の推進に取り組んでいます! 28 年 ( 平成 2 年 )3 月に 福山市食育推進計画,213 年 ( 平成 25 年

計画の今後の方向性


このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

14回サミットGW分野別発表

振り返り評価シート

肝疾患に関する留意事項 以下は 肝疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあたって ガイド ラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 肝疾患に関する基礎情報 (1) 肝疾患の発生状況肝臓は 身体に必要な様々な物質をつくり 不要になったり 有害であったりす

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

要因 2 全国的に 死亡原因の 6 割が生活習慣病であり 大阪市においては 特に死亡者数の最 も多い悪性新生物 ( がん ) の死亡率が高くなっている なお 心疾患および脳血管疾患 については 全国との差が年々縮まり 現在はほぼ同じ水準となっている 国 大阪府 大阪市の死亡率 H22 年 人口 10

社会福祉協議会 公営住宅法第二条第十六号に規定する事業主体である又は 番号法別表第二の 27 の項 番号法別表第二の 30 の項 番号法別表第二の 31 の項 地方税法その他の地方税に関する法律及びこれらの法律に基づく条例による地方税の賦課徴収に関する事務であって主務省令で定めるもの 社会福祉法によ

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

はじめに がんは昭和 56 年から札幌市民の死因の第 1 位であり およそ3 人に1 人ががんにより亡くなっています また 国の推計によると 生涯のうちに2 人に1 人ががんにかかるとされており 依然としてがんは市民の生命と健康にとって重大な問題です 札幌市はこれまで がん対策として札幌市健康づくり

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足利市妊産婦医療費助成条例 昭和 48 年 3 月 23 日条例第 2 号改正昭和 49 年 6 月 11 日条例第 38 号昭和 59 年 12 月 20 日条例第 32 号昭和 62 年 3 月 23 日条例第 7 号平成 6 年 12 月 21 日条例第 35 号平成 10 年 3 月 24

旭川市保健所運営協議会による中間評価

2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

生活福祉研レポートの雛形

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

粕屋町重度障害者医療費の支給に関する条例

PowerPoint プレゼンテーション

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第 4 章分野別施策 1 がんの予防の推進 (1) 成人の喫煙率減少と効果的な受動喫煙防止対策の推進目標 成人の喫煙率を下げる ( やめたい人がやめた場合の喫煙率全体 12% 男性 19% 女性 6%) 未成年者の喫煙を未然に防止し未成年者の喫煙をなくす 受動喫煙の機会を有する者の割合を下げる 行政機関及び医療機関 0% 受動喫煙の無い職場の実現 ( 現状及びこれまでの取組 ) 都民の成人喫煙率は男女とも減少傾向です ( 図 22 参照 ) しかし 女性の喫煙率は 全国と比較して高くなっています 禁煙希望者の割合について 喫煙者のうち 37.6% が やめたい と回答しています ( 男性の 35.9% 女性の 43.6%) 1 これらの方が禁煙した場合 成人喫煙率は 12% となります 図 22 成人喫煙率の年次推移 国民生活基礎調査 ( 厚生労働省 ) 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために1 平成 22 年国民健康 栄養調査 ( 厚生労働省 ) による 23

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために都では たばこの健康影響について ホームページや各種リーフレット ポスター等 の配布 禁煙週間におけるパネル展の実施により普及啓発を進めています また 禁煙希望者向けに禁煙外来を紹介するほか 未成年者の喫煙を防止するため 都内の中学校 1 年生にパンフレットを配布するとともに 小中高生のポスターコンクールを行っています さらに 東京都受動喫煙防止ガイドライン 2 を策定し 公共の場の受動喫煙防止対策を進めるとともに 受動喫煙の機会が多い飲食店や職場における自主的な取組を促進するため 受動喫煙防止対策研修会を開催しています 特に受動喫煙が多い飲食店に対しては 具体的な禁煙等の方法を紹介したリーフレットや 都民が飲食店を選択する際の参考となるよう 店内の受動喫煙の対策状況を店頭に表示するためのステッカーを作成し 活用を促進しています また 職場の受動喫煙防止対策ハンドブック 3 を作成し 職場における対策を推進しています ( 課題 ) たばこの健康影響について正しい知識を普及するとともに 禁煙希望者への禁煙支援をさらに進めていく必要があります 喫煙率を下げることで 受動喫煙の防止にも効果が期待できることなどから 禁煙を支援する環境整備を一層進めていく必要があります 青少年期に喫煙を開始すると 成人後に喫煙を開始した場合に比べて喫煙期間が長くなることから がんや虚血性心疾患などの危険性がより高くなります したがって 未成年者の喫煙の未然防止を一層徹底することが必要です 未成年者が喫煙するきっかけとして 周囲の大人からの影響が少なくないため また 受動喫煙を防止する観点からも 学校の敷地内禁煙等による環境整備や健康教育の実施等について 学校が地域の関係者と連携した取組を進めていくことが必要です 受動喫煙防止を徹底するためには あらゆる機会を通じて 受動喫煙の健康影響について啓発をするとともに 施設の種類 態様に応じ 施設内禁煙等の対策を進めていくことが必要です ( 施策の方向性 ) 成人の喫煙率減少と効果的な受動喫煙防止対策の推進については 都が地域の関係機関と連携を図りながら施策を進めるとともに 関係機関が主体的に取組を推進することが重要です このため 都の施策の方向性のほか 各実施主体が推進していく取組も示します 2 東京都受動喫煙防止ガイドライン : 受動喫煙の影響を減少させることを目的に策定したガイドライン http://www. fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/kenko_zukuri/tk_jouhou/guideline/tokyo/guideline.html 3 職場の受動喫煙防止対策ハンドブック : 事業者が職場で適切な対策を実施する際の手引きとなるよう作成したハンドブック http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/kenko_zukuri/tk_jouhou/j_kitsuen/office_handbook/ index.html 24

ア普及啓発の推進 都は 区市町村 学校等教育機関 保健医療関係団体 4 事業者 5 医療保険者 6 企業等 ( 以下 関係機関 という ) と協力しながら たばこの健康影響について啓発を図ります イ禁煙希望者への支援等 都及び関係機関は禁煙希望者が禁煙しやすいよう環境整備を進めます 保健医療関係団体は 禁煙治療や禁煙のための支援を実施する機関が禁煙希望者 に身近なものになるよう 実施機関の増加や利用しやすい環境整備を進めます ウ未成年者の喫煙の未然防止 学校等教育機関は 学校医 学校歯科医 学校薬剤師等 地域の関係者との連携 により 未成年者が喫煙しないよう健康教育の取組を一層推進するとともに 敷地内禁煙等の環境整備を進めます また 教育機関以外の場においては 都や関係機関が連携して保護者への啓発等未成年者の喫煙防止に取り組みます エ受動喫煙の防止 都は 関係機関と連携を図りながら東京都受動喫煙防止ガイドラインを周知し 受動喫煙防止対策を進めていきます 都 区市町村及び保健医療関係団体は 官公庁や医療提供施設の禁煙等により受動喫煙防止対策として適切な環境整備に取り組みます 学校等教育機関は 地域の関係者と協力しながら 保護者をはじめとした施設を利用する成人に対しても 受動喫煙による健康影響について普及啓発を行うとともに 敷地内禁煙等の受動喫煙防止対策を推進します 都は 飲食店等における適切な受動喫煙防止対策が進むよう 効果的な取組を支援するとともに 都民がたばこの煙への曝露を避けられるよう 受動喫煙対策の状況の店頭表示の推進を図ります また 都民に対し 表示のない飲食店等では 周囲に人がいるときは喫煙を控えるなどの受動喫煙防止に対する意識の向上を図ります 4 保健医療関係団体 : 病院 診療所 ( 歯科を含む ) 薬局 訪問看護ステーション等の医療提供施設や 医師会 歯科医師会 薬剤師会等の関係団体のこと 5 事業者 : 労働安全衛生法 ( 昭和 47 年 6 月 8 日法律第 57 号 ) に定める 事業を行う者で 労働者を使用するもののこと 6 医療保険者 : 健康保険法 ( 大正 11 年 4 月 22 日年法律第 70 号 ) 船員保険法 ( 昭和 14 年 4 月 6 日法律第 73 号 ) 国民健康保険法 ( 昭和 33 年 12 月 27 日法律第 192 号 ) 国家公務員共済組合法 ( 昭和 33 年 5 月 1 日法律第 128 号 ) 地方公務員等共済組合法 ( 昭和 37 年 9 月 8 日法律第 152 号 ) 及び私立学校教職員共済法 ( 昭和 28 年 8 月 21 日法律第 245 号 ) の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会 健康保険組合 区市町村国民健康保険 国民健康保険組合 共済組合及び日本私立学校振興 共済事業団並びに高齢者の医療の確保に関する法律 ( 昭和 57 年 8 月 17 日法律第 80 号 ) の規定により医療に関する給付を行う後期高齢者医療広域連合のこと 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために25

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために 職場における受動喫煙防止対策については 各事業者と医療保険者が連携し 従業員に対する受動喫煙による健康影響について正しい知識の普及を図ります また 職場の受動喫煙防止対策ハンドブック等により 効果的な取組を支援します 家庭においては 子供が受動喫煙にさらされることがないよう 区市町村における母子保健事業等の機会を活用して適切な受動喫煙防止対策を普及していきます 重点施策 喫煙 受動喫煙の健康影響に関する普及啓発を推進 禁煙希望者が禁煙しやすいような支援を推進 未成年者が喫煙しないよう健康教育を推進 非喫煙者がたばこの煙にさらされないための環境整備の推進 子育て中の家庭等への受動喫煙防止対策の普及 26

(2) ウイルスや細菌の感染に起因するがんの予防目標 肝炎ウイルスに関する正しい知識の普及啓発を行うとともに 区市町村 事業者等と連携した検査体制の整備及び受検勧奨を促進する けい 子宮頸がん予防 (HPV) ワクチン接種と検診受診促進の普及啓発を行う ( 現状及びこれまでの取組 ) 日本人におけるがんのリスクとしてたばこに次いで大きいのがウイルスや細菌への感染です けい主なウイルスとしては 肝がんと関連する B 型 C 型肝炎ウイルス 子宮頸がんと関連するヒトパピローマウイルス ( 以下 HPV という ) 白血病と関連する成人 T 細胞白血病ウイルス 1 型 主な細菌としては 胃がんと関連するヘリコバクター ピロリがあります 肝炎ウイルス検査は平成 14(2002) 年度から開始され 健康増進法 ( 平成 14 年 8 月 2 日法律第 103 号 ) に基づく健康増進事業 1 と 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 平成 10 年 10 月 2 日法律第 114 号 ) に基づく特定感染症等検査事業として位置付けられ 区市町村及び保健所において実施しています 都では 平成 19(2007) 年度から平成 23(2011) 年度までの5 年間 東京都ウイルス肝炎受療促進集中戦略 として 検査及び医療体制の構築等に取り組んできました この間 医療機関における無料検査を実施するなど体制を強化し 受検者は約 54 万 5 千人 医療費助成利用者は約 1 万 4 千人に達するなど 早期発見から受療促進という点で大きな成果がありました また 感染予防と偏見や差別の防止のためにポスター リーフレットの作成 東京都肝炎ウイルス検査事業キャラクター かんぞうくん を活用した普及啓発 日本肝炎デー ( 毎年 7 月 28 日 ) や肝臓週間 ( 毎年 5 月第 4 週 ) にちなんだ啓発事業により ウイルス性肝炎に関する正しい知識の普及を図ってきました しかしながら 検査を受けていないため感染に気づかずにいる方や 感染が判明しても治療の必要性についての認識が不十分で医療に結びついていない方も少なからず存在すると推定されています また 他の疾患の治療中に感染が判明する例も多く こうした場合にも 患者等がウイルス性肝炎の専門的医療に結びついていないことがあります また B 型肝炎ワクチンは我が国では現在任意接種であり 費用 効果 副反応等を考慮し個人の判断で接種を行うものとなっています 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために1 肝炎ウイルス検査は平成 14(2002) 年度から平成 19(2007) 年度までは 老人保健法 ( 昭和 57 年 8 月 17 日法律第 80 号 ) に基づく保健事業として実施していたが 医療制度改革に伴い 平成 20(2008) 年度に健康増進法に基づく健康増進事業として位置付けられた 27

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のためにけいけい子宮頸がんの予防のために有効な方法としては 定期的な検診受診と子宮頸がん予防 (HPV) ワクチン ( 以下 HPV ワクチン という ) の接種があります HPV ワクチンけいについては 平成 22(2010) 年度から国の臨時特例交付金による子宮頸がん等ワクけいチン接種緊急促進事業を実施し 区市町村が実施する子宮頸がん等ワクチン接種事業の 支援を行ってきました なお HPV ワクチンは 平成 25 年度から予防接種法に基づく定期接種に追加されることになりました けいり子宮頸がん検診の受診率は着実に増加していますが 20 歳代 30 歳代の罹患率の増 加に比べると 20 歳代の検診受診率の伸びは緩やかとなっています ( 課題 ) がんの要因となるウイルスや細菌の感染やがんへの進行を防ぐために 正しい知識の 普及啓発が必要です 特に感染経路について正しく理解することは 偏見や差別を防ぐ上でも重要です 肝炎ウイルス検査については 受検勧奨による受検率の向上を図るとともに 受検しやすい検査体制の整備に取り組むことが求められます また 肝がんへの進行を防ぐためには患者等が適時適切な治療を受けることも重要です そのためには かかりつけ医をはじめとする関係機関が 検査の意義や最新の治療方法等について理解し 専門医療機関に患者を紹介する等の役割を担うことや 肝炎医療の均てん化を推進するなど 医療体制の整備を行う必要があります B 型肝炎ワクチンについては 定期接種化に関して国で検討中であり その動向を踏まえながら適切な対応をしていくことが必要です けい子宮頸がんの予防については HPV ワクチンの接種促進や 特に 20 歳代 30 歳代の検診対象者に向けた受診促進の取組の強化が必要です ヘリコバクター ピロリについては 新たな知見についての情報収集とこれを踏まえた適切な対応が求められます ( 施策の方向性 ) ウイルスや細菌の感染に起因するがんの予防については 都が地域の関係機関と連携を図りながら施策を進めるとともに 関係機関が主体的に取組を推進することが重要です このため 都の施策の方向性のほか 各実施主体が推進していく取組も示します 28

ア肝炎ウイルスに関する普及啓発及び検査体制の整備 都は 東京都肝炎対策指針に基づく対策を推進します 都及び区市町村は ウイルス性肝炎の早期発見と 適時適切な治療を促進するため 都民に対し 肝炎ウイルスの感染経路 感染予防の知識の普及啓発を行うとともに 患者等への偏見を解消するため ウイルス性肝炎に関する正しい知識の普及啓発を図ります また 事業者向けにも講習会を通じて肝炎ウイルスに関する情報提供を行います 都は 広報等を通じて肝炎ウイルス検査を受けていない都民に対して受検勧奨を行っていきます また 区市町村に対し 地域の実情に応じた受検勧奨が実施されるよう 引き続き支援します 都は 肝炎ウイルス検査を希望する都民が受検できるよう 区市町村 保健所及び事業者における肝炎ウイルス検査の実施体制の整備に努めます また 都は 区市町村や保健所が行う肝炎ウイルス検査を受検する都民に対し 受検前後における適切な保健指導が実施されるよう努めます 都は 検査結果が陽性で専門医療を未受診の患者等には 区市町村や医療機関と連携して受診を呼びかけていきます 都は かかりつけ医 肝臓専門医療機関 幹事医療機関 肝疾患診療連携拠点病院からなる肝炎診療ネットワーク体制の充実を図り 患者等に適切な医療を提供します 医療機関は 最新の検査や治療法等の一層の理解を進めるとともに 肝炎患者等に最新の治療動向を説明し 治療につなげる取組を推進します 国は B 型肝炎ワクチンについて 定期接種化に関する検討を行っています 都は こうした国の動向を注視し 区市町村に適切に情報提供していきます 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために29

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のためにけいイ HPV ワクチン接種の普及啓発及び子宮頸がん検診受診促進けい 都及び区市町村は 都民に対し 子宮がん ( 子宮頸がん 子宮体がん ) についてけい正しい知識の普及啓発を行い 子宮頸がん検診の受診促進を図ります 都は 区市町村とともに HPV ワクチン接種に関する普及啓発を行い 接種促進 を図ります 区市町村は 医療機関と協力し HPV ワクチン接種体制の整備を図ります けい HPV ワクチンにより全ての子宮頸がんを予防できるわけではないため 接種後もがん検診の受診が必要であることについて 都は 区市町村及び保健医療関係団体とともに普及啓発を行い がん検診の受診促進を行います 特に 患者が増加している 20 歳代 30 歳代を中心にがん検診の受診促進に向けた効果的な普及啓発を図ります けい 職場においては 事業者と医療保険者等の連携により 子宮頸がん検診の体制の整備を図ります ヘリコバクター ピロリについては 国が除菌の有用性について内外の知見を基に検討を行う予定であり 都はその動向を注視しながら情報収集に努めていきます 重点施策 肝炎ウイルスに関する正しい知識の普及啓発 受検促進 肝炎診療ネットワーク体制の充実けい 子宮頸がん予防 (HPV) ワクチン接種とがん検診受診促進の普及啓発の実施 30

(3) 科学的根拠に基づいたがんを遠ざけるための生活習慣に関する取組の推進 目 標 適切な量と質の食事をとる人を増やす ( 野菜 果物を適切に摂取する 食塩の摂取量を減らす ) 日常生活における身体活動量 ( 歩数 ) を増やす 適正体重を維持している人の割合を増やす リスクを高める量の飲酒をしている人の割合を減らす ( 現状及びこれまでの取組 ) りがんの罹患には食事や運動など日常の生活習慣がかかわることが明らかになっています 日本人を対象とした疫学研究などによる科学的根拠に基づき 喫煙 受動喫煙の他に 多量飲酒 1 低身体活動 肥満 痩せ 野菜 果物不足 塩分 塩蔵食品の過剰摂取などはがんのリスクを高める要因として確立され 現状においては それらに適切に対応することががんを遠ざけるために有効とされています 食事はバランスよく 野菜 果物不足にならないようにし 塩分 塩蔵食品の摂取は最小限にすることで 胃がんや食道がんなどのリスクを下げることが期待できます 運動習慣や日常生活における種々の身体活動の増加は 大腸がんのリスクを下げることが期待できます 肥満は 大腸がんや閉経後の乳がんなどのリスクを高める一方 痩せもがんのリスクを高めることが知られています したがって 成人期における体重を適正な範囲に保つ ( 太りすぎない 痩せすぎない ) ことでがんを遠ざけることが期待できます 多量飲酒は肝臓 大腸 食道がんなどのリスクを高めることが知られており 多量飲酒を避けることでがんを遠ざけることが期待できます 1 多量飲酒 : 健康日本 21 では 多量に飲酒する人について 1 日平均純アルコール約 60 g( 日本酒に換算して 3 合 ) を超えて摂取する人 と示されている また 健康日本 21( 第 2 次 ) では 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者として 1 日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g( 日本酒に換算して 2 合 ) 以上 女性 20 g( 日本酒に換算して 1 合 ) 以上の者 として示され このような飲酒をしている者の割合の減少を目標としている ( 健康日本 21 及び 健康日本 21( 第 2 次 ) については 次頁参照 ) 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために31

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のためにア都民の現状 ( ア ) 野菜 果物の摂取量 都民の 野菜の平均摂取量 (1 日当たり,20 歳以上 ) 及び 果物の平均摂取量 (1 日当たり,20 歳以上 ) は それぞれ 290 g 前後及び 110 g 前後で推移しています ( 図 23 24 参照 ) また 健康日本 21 2 及び 健康日本 21( 第 2 次 ) 3 において国が示した目標量 野菜の摂取量 350 g 以上 4 の人の割合(1 日当たり, 20 歳以上 ( 平成 19 年から平成 21 年までの 3 か年平均 )) は 男性 31.9% 女性 28.6% 果物の摂取量 100 g 未満 5 の人の割合(1 日当たり,20 歳以上 ( 平成 19 年から平成 21 年までの 3 か年平均 )) は男性 60.9% 女性 49.5% です 図 23 1 日当たりの野菜の平均摂取量 (20 歳以上 ) 東京都 : 東京都民の健康 栄養状況 ( 東京都福祉保健局 ) 国 : 国民健康 栄養調査 ( 厚生労働省 ) 図 24 1 日当たりの果物の平均摂取量 (20 歳以上 ) 東京都 : 東京都民の健康 栄養状況 ( 東京都福祉保健局 ) 国 : 国民健康 栄養調査 ( 厚生労働省 ) 2 健康日本 21: 平成 12(2000) 年から開始した 21 世紀における国民健康づくり運動 3 健康日本 21( 第 2 次 ): 平成 25(2013) 年度からの次期 21 世紀における国民健康づくり運動 4 野菜の摂取量 350 g 以上 : 健康日本 21 及び 健康日本 21( 第 2 次 ) において カリウム ビタミン C 食物繊維等の適量摂取が期待される量として 1 日当たりの平均摂取量 350 g が目標値として示されている 5 果物の摂取量 100g 未満 : 果物については その摂取量が少ない場合 がんのリスクが上がるとされるが 摂取量が多いほどリスクが低下するものでもないため 果物 ( ジャムを除く ) 摂取量の平均値の増加を目標とせず 摂取量が平均値未満である 100g 未満の者の割合の減少が指標とされている 32

( イ ) 食塩の摂取量都民の 平均食塩摂取量 (1 日当たり,20 歳以上 ) は 男性は 11 g 台 女性は 10g 程度で推移しています ( 図 25 参照 ) また 食塩の摂取量 8 g 6 以下 の人の割合 (1 日当たり,20 歳以上 ( 平成 19 年から平成 21 年までの 3 か年平均 )) は 男性 18.9% 女性 31.5% です 図 25 1 日当たりの平均食塩摂取量 (20 歳以上 ) 東京都民の健康 栄養状況 ( 東京都福祉保健局 ) ( ウ ) 運動の状況都民の 1 日の歩数 (15 歳以上 ) は 男性 8,000 歩前後 女性 7,000 歩前後で推移しています ( 図 26 参照 ) また 運動習慣のある人 7 (20 歳以上 ) の割合は 40% 前後で 1 日の歩数が 8,000 歩以上の人の割合 (20 歳から 64 歳まで ( 平成 19 年から平成 21 年までの 3 か年平均 )) は男性 51.3% 女性 45.5% です 図 26 1 日の歩数の年次推移 (15 歳以上 ) 東京都民の健康 栄養状況 ( 東京都福祉保健局 ) 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために6 食塩の摂取量 8g: 日本型食生活の特長を保ちつつ食塩の摂取量を減少させる現実的な目標として 健康日本 21( 第 2 次 ) において 1 日当たり 8g と示されている 7 運動習慣のある人 :1 回 30 分以上の運動を週 2 日以上実施し 1 年以上継続している人 33

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために( エ ) 適正な体重の維持 適正な体重を維持している人 8 の割合 ( 男性 :20 歳から 69 歳まで 女性 :40 歳から 69 歳まで ( 平成 19 年から平成 21 年までの 3 ヵ年平均 )) は 男性で 65.5% 女性で 67.6% となっています ( オ ) アルコールの摂取状況平成 12(2000) 年に開始した 健康日本 21 で示された 多量に飲酒する人 9 (20 歳以上 ) の都民における割合は 男性は約 8~9% 前後で 女性は約 1 ~2% 前後で推移しています また 平成 25(2013) 年度からの 健康日本 21( 第 2 次 ) で示された 多 10 量に飲酒する人 (20 歳以上 ) の都民における割合は 男性 19.0% 女性 14.1% です イこれまでの取組 ( ア ) 望ましい生活習慣の普及啓発がんを含めた生活習慣病予防のための望ましい生活習慣については 毎年 9 月の食生活改善普及運動や東京都食育フェアの実施 ポスター ハンドブックの配布などにより普及を行っています ( イ ) 環境整備の状況 栄養成分表示の推進都では 都民が外食等を利用する際に自分に合った健康的な食事を選択できるよう 外食料理や惣菜 加工食品等の栄養成分等の表示を推進しています 区市町村への支援 11 都では 医療保健政策区市町村包括補助事業 ( 以下 包括補助事業 という ) において 飲食店等における栄養成分の表示や食事バランスガイド 12 の普及啓発を推進している区市町村に対して 財政的支援を行っています 8 適正な体重を維持している人 : 日本肥満学会 (2000) の判定基準で 普通体重 とされている BMI18.5 以上 25 未満 の人 (BMI:Body Mass Index 体格指数 体重 (kg)/ 身長 (m) 2 で算出する ) 9 健康日本 21 で示された 多量に飲酒する人 :1 日平均純アルコール約 60 g( 日本酒に換算して 3 合 ) を超えて摂取する人 10 健康日本 21( 第 2 次 ) で示された 多量に飲酒する人 : 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者 (1 日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g( 日本酒に換算して 2 合 ) 以上 女性 20 g( 日本酒に換算して 1 合 ) 以上の者 ) 11 医療保健政策区市町村包括補助事業 : 区市町村が地域の実情に応じ 創意工夫を凝らして主体的に実施する保健サービス等の向上を目指す取組を支援する事業 12 食事バランスガイド :1 日に 何を どれだけ 食べたらよいか 主食 副菜 主菜 牛乳 乳製品 果物の 5 つのグループからバランスよく選べるよう コマの形と料理のイラストで分かりやすく示したもの (6 歳以上を対象として厚生労働省と農林水産省が作成 ) また 都では 3 歳から 5 歳までの幼児を対象にした 東京都幼児向け食事バランスガイド を作成している 34

( 課題 ) がんを含めた生活習慣病予防のための生活習慣が 都民に正しく理解 実践されているとはいえない状況です 食事はバランスよく野菜や果物不足とならないようにすること 塩分 塩蔵食品の摂取を最小限にすること 日常生活における適切な量の身体活動 適正体重の維持 ( 太りすぎない 痩せすぎない ) 多量の飲酒を避けることなどに関する正しい知識の普及啓発が必要です また 都民一人ひとりが自分に必要な食事の量と質を知り 自分に合った食事を選択して健康的な食生活を実践するためには 栄養成分表示の活用が望まれます そのためには栄養成分表示を行う飲食店や企業の取組が増えることが必要です ( 施策の方向性 ) 科学的根拠に基づいたがんを遠ざけるための生活習慣に関する取組の推進については 都が地域の関係機関と連携を図りながら施策を進めるとともに 関係機関が主体的に取組を推進することが重要です このため 都の施策の方向性のほか 各実施主体が推進していく取組も示します ア科学的根拠に基づくがんを遠ざけるための生活習慣の普及啓発 都は 関係機関と協力しながら 科学的根拠に基づいたがんを遠ざけるための生活習慣の実践に関する正しい知識の普及を図ります また 区市町村 保健医療関係団体 事業者 医療保険者は 各々の事業の中で正しい知識と実践の普及を図ります 都は がんの予防や健康づくりに関する総合的な情報サイトを整備し がん対策全般の情報と併せて科学的根拠に基づいたがんを遠ざけるための生活習慣等について情報提供を図るなど 都民がアクセスしやすい形での情報発信及び普及啓発を行っていきます 学校等教育機関は 児童 生徒等に対し 健康の大切さの理解及び望ましい生活習慣の実践に向け 健康教育をより一層充実していきます イ生活習慣を改善しやすい環境づくり 都及び区市町村は 都保健所や区市町村が実施する事業を活用し 都民や食品 飲食業界からの相談体制の整備や 栄養成分表示の推進に向けた普及啓発等を行います 事業者 医療保険者は 従業員向け給食施設等において 野菜の量等 生活習慣病予防に配慮したメニューの提供とともに正しい知識の普及啓発を行います 都は 事業者 医療保険者におけるこうした主体的な取組を支援していきます 第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために35

第 1 章第 2 章第 3 章第 4 章第 5 章計画改定に当たってがんを取り巻く現状基本方針と全体目標分野別施策計画推進のために 都は 食品 飲食業界における外食や市販食品等の野菜の量の増加や塩分の量の低減を推進し 栄養成分表示の普及を図ります また 区市町村とともに 食事バランスガイドを活用した食生活の改善方法や 階段やウォーキングコースの利用など身近な方法で身体活動量を増やす工夫について普及するなど 都民が日常生活の中で生活習慣を改善しやすい環境づくりが進むよう取り組みます また NPO 企業とともにイベント等を通じて子供や高齢者等多様な世代が参加できる健康づくりに関する普及啓発活動などを実施していきます 重点施策 科学的根拠に基づくがんを遠ざけるための生活習慣に関する情報提供 多様な広報媒体を活用した効果的ながん予防の普及啓発 生活習慣を改善しやすい環境づくり 36