リンパマッサージ基本実技 基本 ( 部位ごと ); スタートは鎖骨から基本実技 上から右側左側 どの方向からでも刺激は OK! 1 鎖骨のくぼみを ( 鎖骨の起始部から外側に指 3 本目あたり ) 軽く押す 2 鎖骨のくぼみを首から肩方向へ 肩から首の方向へ左右に軽く撫でる 3 鎖骨の両端から撫でてきて 鎖骨起始部から指 3 本目を軽く押す 体内を流れたリンパ液が最終的に心臓に戻るときに流れ込む場所で 別名 = 身体のゴミ捨て場 とも呼ばれ 常にリンパの流れを促したい リンパから見ると リンパの出口 血液からすると リンパの入り口 目安は鎖骨の起始部から自分の指 3 本目ですが 鎖骨下静脈内は血液で満たされており ここにリンパ液が流入する訳ですので スムーズに流入するには何らかの刺激が必要です それが鎖骨の窪みを軽く押したり左右に擦ったりといった刺激です また 左側の鎖骨リンパ節に多くリンパ液が流入してきますので 右側より左側の方を多く刺激すると良いでしょう また ここのリンパ液の流れがスムーズに流れていないと リンパ液全体の流れが悪くなるので常にリンパの流れを良くしておくことが大切です 17
首の施術法基本実技 顎下リンパ節は 顎の先端から耳たぶの下に流れいき そこから鎖骨リンパ本幹へ流れます このリンパの流れに沿って 皮膚を軽く刺激すればリンパをスムーズに流すことが出きます 1 顎の先端下部から耳たぶ下まで撫でた後 鎖骨のくぼみに向かって撫でる 2 首全体を顎リンパ節から鎖骨部へ向かって撫でる 首の部位 特に顎部位のリンパ流れの特徴は耳介前 後 ( 耳たぶの下 ) のリンパ節に流れてから鎖骨下静脈に流入します したがって 一度耳たぶの下にリンパ液を流してから鎖骨リンパ管に流入させると リンパ液はスムーズに循環します 顎のたるみや小顔施術の効果を引き出したい場合は 特に耳介前 後へリンパ液を流し さらに鎖骨リンパ管の流れを促進させてから 鎖骨下静脈へリンパ液を循環させると効果的である 虫歯や歯周病など歯に問題があると 顎下リンパ節が腫れてくるのでリンパ節循環を促進させると 痛みの緩和に効果的である また美容効果を得るための重要な部位でもあるので 健康効果を兼ね備えた部位でもあります 18
腕の施術法基本実技 腕は 上腕 前腕とも後面の中心線を境に外側と内側の分かれる分岐点があるので ここを意識して行うと効果的である 1 腋窩リンパ節を刺激する 2 上腕前面は 肘上部から腋窩リンパ節にむかって軽く撫でる 3 上腕後面は 中心線で外側と後ろ側に分けて らせん状に行うと効果的 4 前腕前面は 手首から肘リンパ節に向かって軽く撫でる 5 前腕後面は 中心線で外側 内側と分けて らせん上に行う 腋窩リンパ節には 腕と背中と胸の部位からリンパ液が流入してきます また喉や肺に近い部位なので 外部からのウィルスなどが体内に入った時に 真っ先に免疫機能が働き 腫れやすい 部位でもあります ウィルス感染及び咳が止まらない時に腋窩リンパ節が腫れてきます 乳がん手術でリンパ節を数多く切除された時には 腕全体のリンパ液循環が悪くなるので腕が浮腫んできます また手術時においてリンパ節は 臓器扱いになるため必要以上に切除されやすい 医学書でもリンパ節は 600~800 個からと人によって違いがあるということでもある 19
背中の施術法基本実技 背中全体は 体の中心線より左右に分かれて腋下リンパ節に向かって リンパ管が分布 腋窩リンパ節を刺激する 1 背中全体の中心部のみ円を描くように軽く刺激する ( 中心部リンパ液を左右に分散 ) 2 背中上部から左右の腋下リンパ節に流し 少しずつ下部へ移行する 背中中心上部から徐々に下部に移動させながら 確実に腋窩リンパ節まで撫でたり 擦ったり背中全体を満遍なく行うことが効果を上げるポイントです 普通感冒時の肩こり緩和 気管支喘息時には上背部を 胃痛時には中背部を入念にリンパマッサージ 慢性疲労時では 肝臓裏部の右背下部を重点的に行うと効果的 また 筋肉疲労や腸機能低下で排泄低下またストレスなどで呼吸が浅くなっているときは 背部中心部 ( 脊柱 ) を上下に4~5 分撫でた後 背部全体のリンパマッサージを行うと呼吸が楽に出来るようになって 深い呼吸が出来るようになる 20
胸部の施術法基本実技 胸部 わき腹は 身体の中心部から腋下リンパ節に向かってリンパ管が分布している 腋窩リンパ節を刺激する 1 胸部中心部を左右のリンパ管に分散させるように上から下へ撫でる 2 胸上部中心から 左右それぞれの腋下リンパ節に向かって軽く撫でる 3 胸下部は 大胸筋に沿ってわき腹そして腋窩リンパ節へ 胃の調子が悪く胸焼けや胃痛が発症した場合は みぞおち部を指先で緊張が無くなるまで軽く押し その後胸下部をリンパマッサージを行うと 違和感や痛みが緩和される また糖尿病を罹患している方に対しては 左側肋骨下縁を上端から下端まで入念に押した後 腹部リンパマッサージを行うと効果的 また美容的効果促進のバストアップや胸部の痩身効果にも有効である 21
腰部施術法基本実技 腰部は 身体の中心部より脇腹を通って鼡径部へリンパ管が分布している 1 鼡径リンパ節を刺激する 2 腰部の中心部から左右のウエスト 脇腹へ 3 腋腹から鼡径リンパ節へ そけい部リンパ節は 下半身のリンパ液が流れ込む一大ステーションなので ここが滞ると下半身がふとくなり 浮腫んだり冷えたりする ヒップのたるみの要因になる部位でもある また 腰痛時の場合は腰部を入念にリンパマッサージを行った後 内臓リンパマッサージを併用すると効果的である 呼吸が浅い時には 腰部 ( 腰椎 ) を押し さらに腰部と背中のリンパマッサージを行う 22
腹部の施術法 1 鼡径リンパ節を刺激する 2 腹部中心線から 左右それぞれの鼡径リンパ節へ 基本実技 腸骨リンパ節のリンパ液が滞ると 腰周りがぽってり太くなるうえ 子宮や腸の働きが鈍り 便秘や生理痛また婦人病の病気を引き起こす要因になる部位である したがって そけい部リンパ節の流れを促進させることは 非常に重要である この部位は 腰痛緩和や便通改善 冷え性緩和や婦人病改善効果をあげられる部位である また美容的効果の腹部痩身 ( ぽってりお腹 ) やウエスト痩身などにも役立つ部位です また 健康効果も美容効果も内臓リンパマッサージと併用すると さらに効果アップ 23
脚の施術法基本実技 大腿部の主要なリンパ管は 後面は中心線 下腿部は前面中心線で外側と内側に分かれて 1 鼡径リンパ節をかるく刺激する 2 大腿部前面は 膝から鼡径リンパ節までかるく撫でる 3 大腿部後面は 中心線から外側と内側に分けて 螺旋状に鼡径リンパ節まで軽く撫でる 4 膝窩リンパ節を軽く刺激した後 下腿後ろ面は足首から膝窩リンパ節に向かって撫でる 5 下腿前面は膝下の中心線で左右に分けて 内側 外側それぞれから膝窩リンパ節へ そけい部リンパ節の流れを促進させてから 太腿部全体のリンパ液循環を促進させた後 膝窩リンパ節の循環を促進させることが 脚全体のリンパ液循環をスムーズにする要因であり 効果的でもあります 足の浮腫みや脚の冷え 太腿 ふくらはぎの筋肉痛や疲労回復 そして足のケガの防止とケガの早期回復にも役立ちます 24
身体全体のリンパ循環促進法基本実技 必ず鎖骨部 ( リンパ本幹と静脈の合流部 ) 始める 各リンパ節に分けて行うと効果的 ( 鎖骨の近くから遠くのリンパ節ごと ) 伏臥位 仰臥位回数の少ない施術流れを考えて行う 循環の悪い部位は 時間をかけて行う 室温が低い時は 身体が冷えないように気を配る 皮膚と内臓の老廃物を回収してきたリンパ液が 静脈に流入する場所なのでとても詰まりやすい いくら他のリンパ節の流れを良くしても 鎖骨本幹の詰まりを解消しなくては リンパ液はよどんだままでリンパ液の循環は改善しません リンパマッサージは まず鎖骨本幹の詰まりを取り除くことが最初の第一歩 ここの流れが良くなれば 全身から集まるリンパ液がスムーズに流れやすい 25
深リンパ循環促進法基本実技内臓リンパの循環を促進させる方法です 浅リンパ循環促進法と違って 胸管と内臓に間接的に刺激を与える事が重要です したがって 各内臓 ( 胃 肝臓 膵臓 脾臓 腎臓 腸 生殖器 膀胱 ) の位置関係や大きさ またそれぞれの臓器の機能を把握し消化のリズムに影響を及ぼさないように行うことが重要です 腹部確認 姿勢 ; 仰向けに寝て両膝を曲げさせる 方法左手の指先 4 本を右肋骨下縁にあて その指先の上に右手の外側縁を乗せ 右手主導でお腹を押す 左手を少しずつ肋骨に沿ってずらし 左肋骨下縁から下方そして下腹部へとずらしながら お腹全体を満遍なく押す 確認元気な腸は弾力があり 臍部を除き指先は奥の方まで入ります しかし 腸機能が低下している人やストレスの強い方 また便秘気味で排便の悪い人やガスがたまっている人 長期間常備薬を服用している人のお腹は 緊張が強く硬かったり圧迫感や痛みを感じます 押された時に痛みがあるかないか 左右と比較してどちらが硬いか 押された部位でなく 他の部位に痛みが出る 押した所の下に 硬い塊のようなものがあるか無いか 押したら押しただけ指先が入っていき 弾力性をあまり感じない 押したら勝手に腹筋が ピクン と緊張する こんな方にお勧め 便秘気味 ; 症状が出てからの期間にもよるが顕著な効果 便秘薬長期服用者 ; 徐々に便秘解消 ( ストレッチや乳酸菌 食物繊維と併用すると効果的 ) 腰痛症 ; ほとんど緩和 ( ヘルニア 分離症 すべり症は他の治療と併用 ) 婦人病 ; 生理痛 不順 子宮内膜症などの婦人病 アレルギー ; 免疫機能向上で症状の緩和 口臭 体臭 ; 胃腸機能低下 薬の長期服用者 ( ツンとくる臭いの緩和 ) 日和見感染 生活習慣病予防 26
お腹の部位と関連臓器 名称 関連臓器 緊張による関連症状 1 右季肋部肝臓 胆嚢 右腎臓 肝硬変 脂肪肝 胆石 右腎臓機能低下 2 心窩部 胃 十二指腸 胃炎 胃潰瘍 胆石 胆嚢炎 十二指腸潰瘍 3 左季肋部膵臓 脾臓 左腎臓 糖尿病 膵臓炎 左腎臓機能低下 4 右側腹部大腸 小腸 大腸機能低下 薬の長期服用者 5 臍部 小腸 消化 吸収機能低下 水分代謝機能低下 6 左側腹部大腸 小腸 排泄機能低下 悪玉菌増加 薬長期服用者 7 右腸骨部盲腸部 右卵巣 卵巣機能低下 右卵巣膿腫 8 下腹部 膀胱 前立腺 子宮 前立腺肥大 子宮筋腫 内膜症 排尿低下 9 左腸骨部 S 状結腸 左卵巣 便秘 左卵巣機能低下 排泄機能低下 深リンパマッサージを行うときの注意点 1 初診時は 必ず問診を行って身体の状態を十分把握する 2 空腹時か就寝前に行う ( 消化のリズムを崩さないように ) 3 初めの方は 痛みや強い圧迫感など不快感を持たないように注意する 4 具合の悪い人や長期の症状のある人には 長い時間やってはいけません 5 圧が強くないか 痛みがあるか無いかなど確認しながら行ってください 6 深リンパマッサージによる体の反応を説明しておく 7 施術中に お腹がグウーグウーなる場合もあるので ガスが動いたと説明してあげる 27
深リンパ循環促進法 1 姿勢 ; 仰向けに寝て両膝を曲げる 2 方法 鎖骨部と心窩部を刺激する 心窩部から左右の肋骨縁に沿って 押しながら移動させ下端まで行う 臍部は脊柱に近いため へその周りを胸管に向かって加減して押す 左腸骨部 下腹部 右腸骨部の順で お腹の中心部に向かって刺激する 腹部全体の浅リンパマッサージを行う 深リンパマッサージ後の身体の反応 お腹の中が痛いような かゆいような 力が入らないような しぶり腹 を感じる時もある お腹の中が痛くなったり 違和感を感じる場合もある ガスが何時もより 勢い良く出る( 数時間後 ) お腹がグーグー鳴り 便の量がいつもより多く出る 尿が勢い良く出る お腹の張り ツッパリ感がなくなる 今まで硬かったお腹が少し柔らかくなる 弛緩していた腸に弾力性が出てくる 2 8