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目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/ PDF

(別紙)

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2. 乳酸菌製剤 :Lactobacillus Delbrueckii, 通称名 : アンティムッファ株の特徴 抗カビ活性 (Anti Muffa) を有し 且つ単独で用いてもプロバイオティクス活性に優れる新 規な乳酸菌を提供することで 乳酸菌名 : ラクトバチルス デルブリッキー ( Lactob

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表 1. 乳酸菌によって生産されるバクテリオシンの分類と代表例 クラス ( サブクラス ) 特徴代表例 クラス Ⅰ 異常アミノ酸を含む, ランチビオティックと総称される 5 kda 以下の低分子ペプチド, 耐酸性 耐熱性 ナイシン A, Z, Q ラクティシン 481 クラス Ⅱ 異常アミノ酸を含ま

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Transcription:

豆乳を主原料とする 乳酸菌発酵食品の 製造技術 岡山理科大学工学部 バイオ 応用化学科 教授滝澤昇 E-mail takizawan@dac.ous.ac.jp 1

乳酸菌 糖を発酵し 消費糖に対して0% 以上の乳酸を生成するグラム陽性の桿菌または球菌の総称 カタラーゼ陰性 非運動性 多様な属種が含まれる代表的な属 Lactobacillus, Streptococcus, Lactococcus, Leuconostoc, Pediococcus, Bacillus etc 2

乳酸菌発酵食品 ヨーグルト ( 発酵乳 ) チーズ 漬物 清酒 ヨーグルトは 乳酸菌が生きたまま腸内に届き 乳酸菌による腸内環境改善による様々な健康増進効果 ( プロバイオティクス ) が期待されている 近年は 特に植物に棲息する乳酸菌が注目されている 3 ( 植物性乳酸菌 : この表現は誤りです )

豆 乳 大豆 蒸煮 おから 豆乳 とうふ 低カロリー 高タンパク質の食材 イソフラボン等による健康増進効果豆乳を主とする食品はほとんど見受けられない 豆乳と乳酸菌の両者の機能を活かした新たな食品の開発 乳酸菌発酵豆乳 ( 豆乳ヨーグルト )

豆乳ヨーグルトの製造にあたっての 課題と解決法 課題 豆乳特有の香( 臭 ) 気 青臭味の抑制 プロテアーゼの作用による異臭発生の抑止 豆乳の適度な固形化 解決法 豆乳ヨーグルト作製に適する乳酸菌を 植物から分離 配合素材 発酵条件などの製造条件の検討

乳酸菌の分離 1. 植物試料を乳酸で. に調整した水に 2 週間程度浸漬 2. 浸漬水を適宜希釈し 乳酸菌分離用 GYP 白亜寒天培地と混合してシャーレに注入固化後 培養 3. 酸を生成し コロニーの周囲の炭酸カルシウムを溶解して透明ゾーンを形成する菌株を選出. 牛乳および豆乳を発酵固化する菌株の選別. 16S リボソーム DNA 解析に基づく分離菌株の同定 6

分離した乳酸菌と特性 分離源 分離株数 キャベツ 1 カーネーション ピーマン 1 大根 22 胡瓜のぬか漬け 糠床 2 7

8 Strains Sucrose 濃度 (%) 形 香 味形 香 味形 香 味.0.0.0 7.0 6.0 6.0 7.0 7.0 7.0.0.0.0 トロッと固化豆乳香豆乳味トロッと固化豆乳香豆乳味残る底 1/3 固化豆乳香強豆乳味液体のまま豆乳ほぼ液体豆乳ほぼ液体豆乳しっかり固化青臭い滑らか 甘味しっかり固化青臭い酸味しっかり固化青臭い酸味強柔らかく固化豆乳香甘味強柔らかく固化豆乳香強酸味強柔らかく固化ヨーグルト香ヨーグルト風味柔らかく固化少し青臭いヨーグルト風味柔らかく固化豆乳香強いヨーグルト風味しっかり固化豆乳香 甘香ヨーグルト柔らかく固化青臭い大豆 甘味柔らかく固化青臭い大豆 酸味しっかり固化青臭い大豆 酸味少底 1/3 固化豆乳香強い液体のまま豆乳香強い底 1/ 固化豆乳香しっかり固化豆乳香甘味しっかり固化青臭さ強い酸味しっかり固化青臭い酸味強い.0.0.0 柔らかく固化青臭さ強い豆乳味 甘味柔らかく固化青臭い味なし柔らかく固化青臭い後味が酸味柔らかく固化豆乳香豆乳味 甘味柔らかく固化豆乳香柔らかい豆乳柔らかく固化豆乳香豆乳味 Lactococcus lactis Lactobacillus plantarum SPD B.6 Pediococcus domnous SLA B. Lactobacillus alimentarius SLG.18 Leuconostoc garlicum SLL.17 SLL.16 SLL.9 SLA 3.0 Lactobacillus alimentarius SSL 2.3 Streptococcus lactis SLP 1.8 % 1% 0% SLP 1.13 豆乳を固化した菌株と発酵豆乳の性状

発酵時間の検討 -1 0.7 0.6 OD 610 /ml 0. 0. 0.3 0.2 20 30 0 0 0.1 0 0 2 6 8 10 12 1 16 培養時間 (h) 培地中での生育 保温時間 0 h 6 h 12 h (at 30 ) やや固化 ほぼ固化 使用菌株 : Lactococcus lactis SLL.16 9

発酵豆乳中での乳酸菌の挙動 生菌数 10 10 9 8 7. 7.0 6. CFU/ml 10 7 6.0. CFU/ml 10 6.0. 10 0 10 20 30 保温時間 ( h) 生成乳酸量 0.16 0.1 7. 7.0 乳酸含有量 (g/100g) 0.12 0.1 0.08 0.06 0.0 6. 6.0..0 D- 乳酸 L - 乳酸 0.02. 0 0 10 1 20 2 保温時間 (h) 10

糖種 濃度 (%) Glucose Sucrose Maltose Lactose 菌株 No. SLL.17 SLL.9 1 1 1 1 豆乳に添加する糖類の検討 形 香 味 しっかり固化豆乳香 甘酸香大豆少 酸味強 しっかり固化 1% より強い香り大豆少 甘酸味 しっかり固化漬物香酸味強 しっかり固化漬物香甘酸味強 しっかり固化豆乳 酸香大豆 酸味 しっかり固化豆乳 酸香大豆 甘酸味 しっかり固化豆乳 牛乳香大豆 後から酸味 しっかり固化豆乳香豆腐 酸味少し 形 香 味 しっかり固化豆乳香酸味 しっかり固化豆乳香強酸味強 しっかり固化豆乳 甘香大豆強 酸味 しっかり固化豆乳 甘香 青臭い大豆 後味あっさり しっかり固化豆乳香大豆 酸味少 しっかり固化豆乳香強 青臭い しっかり固化 豆乳香 青臭い 豆腐 しっかり固化豆乳香豆腐 大豆 酸味少 30 で一晩保温 グラニュー糖添加により酸生成が促進され 酸味が増すと共に 豆乳特有の臭気が低減され 風味の向上が認められた 1 しっかり固化豆乳香大豆 酸味 しっかり固化豆乳香大豆 酸味 Fructose しっかり固化豆乳 パン香甘味強 後味酸味 しっかり固化豆乳香強甘味強 後味甘酸味 グラニュー糖 1 しっかり固化大豆 豆腐香豆乳香少 酸味 しっかり固化豆乳香少 豆腐香甘酸味 しっかり固化豆乳香大豆 酸味強 しっかり固化豆乳香 豆腐香 酸味少 甘味 11

牛乳の配合効果 グラニュー糖濃度 (%) 豆乳 : 牛乳 (ml) 1% 形 香 味 % 形 香 味 20:0 しっかり固化豆乳香 甘香大豆 酸味 しっかり固化豆乳香 青臭い甘味 大豆 1: 固化豆乳香 甘香大豆 酸味 固化豆乳香 甘香甘味 10:10 柔らかく固化豆乳香 チーズ香酸味 少しヨーグルト 柔らかく固化少しチーズ香甘味 :1 とても柔らかく固化豆乳香 甘香 青臭いまろやか ヨーグルト とても柔らかく固化チーズ香甘味強い 0:20. とても柔らかく固化チーズ香酸味 ヨーグルト とても柔らかく固化チーズ香甘味強い 保温 :30 一晩 使用菌株 :L. lactis SLL.16 牛乳を混合することでヨーグルト香が生じ 豆乳特有の臭みが低減され 風味の向上が認められた 12

豆乳 牛乳混合素材の発酵時間の検討 グラニュー糖濃度 (%) 豆乳 : 牛乳 (ml) 時間 (h) 1% 形 香 味 3% 形 香 味 % 形 香 味 使用菌株 :L. lactis SLL.16 保温 :30 一晩 6h 柔らかく固化豆乳香 青臭い少味無し 柔らかく固化豆臭い 青臭い豆乳 甘味 柔らかく固化青臭い甘味強 熟成効果 1: 8h 16h.3 固化豆乳香 青臭い少大豆 酸味少 しっかり固化ヨーグルト香ヨーグルト 酸味.3 固化豆臭い 青臭い酸味ヨーグルト少 しっかり固化豆臭い 青臭い強ヨーグルト甘味.3 固化青臭い甘味強 しっかり固化青臭さ強甘味 酸味 さらに 3 週間 冷蔵熟成させたところ 青臭い豆乳臭がさらに低減され 味がまろやかになった 6h 柔らかく固化豆乳香 青臭い味無し 柔らかく固化青臭さ強甘味 味無し 柔らかく固化青臭い甘味強 10:10 8h.3 柔らかく固化豆乳香 青臭いチーズ味少. 柔らかく固化青臭さ強い甘味 まろやか.3 柔らかく固化青臭い甘味 まろやか 16h 固化豆乳香 青臭いチーズ ヨーグルト 固化青臭さ強ヨーグルト 甘味 固化青臭い甘味強 13

最適化された製造条件 原料組成豆乳 : 牛乳 =1:1 3:1の混合物に蔗糖を1 % 添加したもの ( 嗜好により糖濃度を変化 ) 使用菌株 発酵条件 熟成期間 Lactococcus lactis SLL.16 30 1 20 時間 2 週間冷蔵 1

従来技術との比較 これまでにいくつかのヨーグルト様醗酵豆乳 ( 豆乳ヨーグルト ) が報告されているが 香料や その他多くの副原料や添加物を添加して豆乳臭を抑えたり 固化させたりしている 本技術では 豆乳ヨーグルト製造に適した新規分離乳酸菌を用いることで 豆乳を主とし 牛乳とグラニュー糖を添加したシンプルな組成の原料を発酵させ さらに数週間熟成させることで豆乳香が低減された食するに適する豆乳ヨーグルトを製造できる 1

今後の課題 製品化企業の開拓食品の製造販売には多くの製造許可が入り組んでおり この点を解決し 製造販売する企業豆腐 豆乳製造メーカー乳製品製造メーカー菓子製造メーカーなどに期待 16

本成果の反響 山陽新聞 読売新聞 2007年12月31日 2008年2月21日 NHK岡山 取材 S新聞 取材依頼 17

本技術に関する知的財産権 発明の名称 : 豆乳発酵食品の製造方法出願番号 : 特願 2007 11336 号出願人 : 学校法人加計学園発明人 : 滝澤昇 お問い合せ先岡山理科大学学外連携室 ( 担当 : 安井 田邊 ) Tel 086-26-9730 Fax 086-26-9732 E-mail renkei@office.ous.ac.jp または講演者 ( 滝澤 ) Tel & Fax 086-26-92 E-mail takizawan@dac.ous.ac.jp 18