内容 Ⅰ. アメリカに関する調査報告 3 Ⅱ. イギリスに関する調査報告 6 Ⅲ. フランスに関する調査報告 9 Ⅳ. ドイツに関する調査報告 12 Ⅴ. Appendix 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 2

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目次 I. アメリカの金融所得課税に関する調査報告... 4 II. イギリスの金融所得課税に関する調査報告... 9 III. フランスの金融所得課税に関する調査報告 IV. ドイツの金融所得課税に関する調査報告 Appendix PwC 2

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

1. 上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率の特例の見直し 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が 平成 21 年 1 月 1 日から平成 23 年 12 月 31 日までの間に支払を受ける上場株式等の配当所得の申告分離課税に係る税率と 上場株式等の譲渡による譲渡所得等に対する税率が

Foreword

Microsoft Word - NO.2 株式の譲渡 2.docx

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募

公募株式投資信託の解約請求および償還時

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

上場株式等の配当等に対する課税

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

1. 租税協定の機能 日本と香港との間では これまで租税協定は存在しなかったため 本協定により 日本と香港において課税できる範囲が明確に限定 制限され 両者間の二重課税が減少すると考えます そのため 本協定の締結は 日本又は香港での経済 投資活動について課税に対する安定性を与えるものと考えられます

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

【表紙】

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

スライド 1

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

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FX取引に係る確定申告について

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

ワコープラネット/標準テンプレート

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

 

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

1. 改正内容 事業者が 以下 (1) 又は (2) の期間中に調整対象固定資産 1 の課税仕入れを行い かつ その仕入れた日の属する課税期間 ( 以下 取得課税期間 といいます ) の消費税の確定申告を一般課税で行った場合には 取得課税期間の初日から原則として 3 年間は免税事業者になることができ

PG_第3期期末配当の取扱いに関するQA

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

供託者等の住所 氏名または名称および個人番号または法人番 号は 供託者等の口座管理機関から日本銀行に対して 課税事 務のために提供される 2 所得税の徴収 納 入 利付国債の利子または割引国債等 ( 国庫短期証券のうち その銘柄の価格競争入札における募入最低価格 ( 額面金額 100 円当り ) が

スライド 1

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

Report

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

[ 課税対象化 ] POINT1. 1 の売却益が課税対象に 改正前 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 原則非課税 改正後 ( 平成 28 年 1 月 1 日から ) % 2 の申告分離課税 1 国債 地方債 外国国債 外国地方債 公募公社債 上場公社債 ゼロクーポン債等

新規文書1

貨での決済が予め取り決められている場合 売却時あるいは償還時等の為替相場の状況によっては為替差損が生じるおそれがあります 通貨の規制が設けられている場合は 償還金及び利子のその他通貨への交換や送金ができないことがあります 外貨建て債券の発行者又は外貨建て債券の償還金及び利子の支払いを保証している者の

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

【11】ゼロからわかる『債券・金利』_1704.indd

税金の課税方法 個人の税金の課税方法について確認しましょう 大きく分けて 総合課税と分離課税の二種類があります 総合課税 1 年間の所得を全部まとめて一定の税率で課税する方法 所得額によって異なる税率 金額に応じて確定申告を行う 源泉分離課税他の所得と分離して その所得の支払いの際に一定の税率で源泉

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

d. 少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称 NISA) 少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した非課税口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 26 年から平成 35 年までの 10 年間 新規投資額で毎年 100 万円を上限

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

手数料および適用相場 付加できる特約事項期日前解約時のお取扱 お問い合わせ先 当行が契約している指定紛争解決機関対象事業者となっている認定投資者保護団体その他参考となる事項 一般法人の場合国税 % が源泉徴収されます 非課税法人は非課税となります マル優( 非課税 ) の取扱はできません

相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲


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Invincible

源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

配当所得 配当所得の金額 = 収入金額 - 元本取得のための ( 源泉徴収前 ) 借入金の利子 原則 支払い時に源泉徴収 確定申告によって精算 総合課税 申告不要あり 株式の配当 株式投資信託の収益分配金 保険会社から受け取る基金利息など 申告分離課税あり 例外 非課税株式投資信託の特別分配金 (

投資主の皆様へ 平成 29 年 3 月 マリモ地方創生リート投資法人 第 1 期分配金の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます さて 本投資法人は 平成 29 年 2 月 14 日開催の役員会において 第 1 期 ( 平成 28 年 12 月期 ) の (A)

PowerPoint プレゼンテーション

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

配当所得の入力編

2018年 租税法基礎答練1回


別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書 1 この明細書の用途この明細書は 法人が当期中に支払を受ける利子及び配当等並びに懸賞金等及び償還差益について課された所得税の額について 法第 68 条第 1 項 (( 所得税額の控除 ))( 復興財源確保法第 33 条第 2 項 (( 復興特別所得税

平成平成 年度税制改正要望に関する基本的考え方 本年度は 東日本大震災からの復興支援を視野に入れつつ 以下の考え方を柱として 必要な税制上の措置を要望する 主な具体的要望項目 1. 東日本大震災からの復興支援 地方公共団体が委託者となる土地信託に係る登録免許税等の非課税措置 日本版レベニ

投資信託ホームページ構成案


5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

1 1. 課税の非対称性 問題 1 年をまたぐ同一の金融商品 ( 区分 ) 内の譲渡損益を通算できない問題 問題 2 同一商品で 異なる所得区分から損失を控除できない問題 問題 3 異なる金融商品間 および他の所得間で損失を控除できない問題

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「個人投資家の証券投資に関する意識調査」の結果について

1 各調整方式の比較 前提 : 法人実効税率 % 金融所得の税率 20% ( 配当軽課の場合の配当分の法人税率は 30%) 比較のポイント 適用税率 法人税率か所得税率か 金融所得課税一元化にマッチするか( 税率 損益通算 ) 簡素な制度か 特定口座への対応はか 法人の税負担は軽減されるか

この冊子の前半部分は ブラックロック ゴールド ファンド の交付目論見書訂正事項分 後半部分は ブラックロック ゴールド ファンド の請求目論見書訂正事項分です

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

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金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

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平成30年公認会計士試験

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得から控除)編

平成19年度市民税のしおり

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

金融資産運用設計関連 主な改正事項

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ファンド名説明 ifree 8 資産バランス 本を含む世界の 8 資産へ均等に分散投資します 株式および不動産投資信託に投資することで世界の経済成 の果実を享受するとともに これらとは値動きの異なる債券にも投資することで安定した収益の確保も期待できます これまで預貯 中 だったお客様が幅広く資産を分

海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

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諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 2009 年 12 月 21 日 東京都千代田区霞が関 3 丁目 2 番 5 号霞が関ビルディング 32 階新日本アーンストアンドヤング税理士法人統括代表社員瀧崎章夫 1

内容 Ⅰ. アメリカに関する調査報告 3 Ⅱ. イギリスに関する調査報告 6 Ⅲ. フランスに関する調査報告 9 Ⅳ. ドイツに関する調査報告 12 Ⅴ. Appendix 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 2

Ⅰ. アメリカに関する調査報告 1. 個人所得税 ( 連邦税 ) 計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係 アメリカにおける個人所得税 ( 連邦税 ) 計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係は Appendix 11 及び 12 をご参照ください 2. 損益通算される金融所得の範囲 アメリカの個人所得税の計算上 一定の損失については 所得との損益通算が認められます 次の金融 商品から生じる損失は それぞれ以下のように取扱われます 1 預貯金の元本割れによる損失金融機関の破綻による損失は キャピタルロスではなく 災害等による損失として取り扱われます したがって 所得計算上も 控除に制限のあるキャピタルロスと異なり 項目別控除項目として 通常所得との損益通算が認められます 2 株式の無価値化による損失 ( 株式の発行体の破綻等による損失 ) 企業の破産等により 株式が完全に無価値化したと認められる場合には キャピタルロスとして取扱われ 原則として キャピタルゲインとの損益通算が認められます 3 公社債などの債券の無価値化による損失 ( 債券の発行体の破綻等による損失 ) 2と同様に取扱われます 4 デリバティブ取引から生じた損失デリバティブ取引から生じた損失は 当該デリバティブが外貨建であり かつ 原資産が債券 先渡契約 先物契約 スワップ オプション等である場合には 通常所得との損益通算が認められます また それ以外のデリバティブ取引から生じた損失については キャピタルロスとして取扱われ 原則として キャピタルゲインとの損益通算が認められます 5 為替差損為替差損については 一定の場合を除き 通常所得との損益通算が認められます ( なお 為替差益については 一定の場合を除き 通常所得に分類されます ) 3. 金融所得の捕捉方法や配当がアメリカの居住者に対して支払われた場合には 支払者は 原則として フォーム 1099 により 年に一度その金額を受領者及び IRS( 内国歳入庁 ) に報告することが義務付けられています さらに 社会保障番号 (SSN) 若しくは納税者番号 (TIN) を提示せずに開設された口座に係るや配当の支払については 28% の源泉徴収が予備的に行われます 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 3

4. 債券のに対する課税関係支払者に対して納税者番号が提示されない場合 若しくは社会保障番号の記載されたフォーム W9 の提出がされない場合 又は 受領者が非居住者である場合を除き 米国内で生じた債券のに対しては 原則として源泉徴収は行われません (Appendix 12 参照 ) 5. 債券譲渡に伴う経過利息の課税関係債券の譲渡に伴い発生した経過利息については 買方においては 実際の受取利息の額から支払った経過利息相当額を控除し 当該受取利息に係る所得金額を計算することとなります また 売方においては 受領した経過利息相当額を自らの所得に含めることとなります 6. 割引債の課税関係割引債の発行差金 (OID) については 実際に発行体からの支払いが行われたかどうかにかかわらず 当該割引債の保有者は 保有期間に対応した収益を認識します ( ただし 償還期間が 1 年以下である短期の割引債 又は 割引額が僅少である割引債は除く ) 7. 投資信託に係る税制原則として 年間における投資収益の 90% 以上を受益者に分配している場合には 当該投資信託自身は課税されず 分配された収益分配金について その収益の源泉 ( 配当 キャピタルゲイン等 ) の課税関係に基づいて 受益者において課税されます また 実務上はほとんど考えられませんが 分配割合が 90% 未満である場合には 当該投資信託における投資収益のすべてについて 受益者において課税されることとなります 8. 非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係 アメリカにおける非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係は Appendix 13 及び 14 を ご参照ください 9. 非居住者及び外国法人に対する公社債のの課税関係 1 原則米国源泉とされるについては 原則として 30% の均一税率によって課税されます ( ただし 租税条約による規定による場合や当該が Portfolio Interest Exemption の適用を受ける場合は除く ) 2 非居住者が受ける公社債非課税制度 (Portfolio Interest Exemption) (a) 概要 Portfolio Interest Exemption は 簡略的には 非居住者又は外国法人に対して支払われる債券等の及び割引債の発行差金について 原則として源泉税を課さないという規定となります ( 債券を 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 4

額面金額未満で取得した場合の当該取得金額と償還金額との差額はとみなされ Portfolio Interest Exemption の適用があります ) 当該規定は 米国源泉とされるについて適用されるため 国内債券に該当する場合には適用されます また 国外債券に該当する場合には 原則としてアメリカ国内源泉所得に該当しないため 当該規定の適用以前に アメリカでの課税は行われません 債券の国内外の判定は 債券の発行体の居住地国がアメリカ国内であるかどうかによって行います ( ただし 外国法人が国内に支店を持ち 当該債券が国内において行う業務に係るものである場合等は除く ) なお Portfolio Interest Exemption の適用を受けるためには の受領者から支払者に対して W8BEN 等の適切な届出がなされる必要があります (b) 適用期限 Portfolio Interest Exemption の規定の適用期限は設けられていません (c) Portfolio Interest Exemption の租税回避防止措置 ( 適用除外 ) Portfolio Interest Exemption には 租税回避防止措置として 以下のような適用除外規定が設けられています 利益連動債のように 他の要因によって利率が決定される債券に係るについては 適用されません 原則として 受益者が発行体の発行済株式又は持分の 10% 以上 ( 利払時に判定される ) を直接又は間接的に保有している場合には 当該発行体が発行する債券等のについては 適用されません (d) 配当に対する規定との相違非居住者又は外国法人に対する配当については 原則として 30% の源泉徴収が行われます (Appendix 3 4 参照 ) Portfolio Interest Exemption によって 非課税とされる債券のの取扱いとの相違の要因については 以下の 2 点が想定されます 株式については債券と異なり 企業に対する支配権の行使を主目的とした投資であるため 税制によって外国資本による米国企業に対する支配の促進を図ることは望ましくないという判断があったこと 米国内の事業に投資された資金によって得られた投資収益 ( 事業から生じた事業利益 ) が配当を通じて米国外へ流出せずに 米国内の事業に再投資されることを促進するため 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 5

Ⅱ. イギリスに関する調査報告 1. 個人所得税計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係 イギリスにおける個人所得税計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係は Appendix 21 及び 22 をご参照ください 2. 損益通算される金融所得の範囲次の金融商品から生じる損失の取扱いは それぞれ以下のようになります なお 原則として 金融商品から生じた損失のうち イギリスの個人所得税の計算上 他の所得との損益通算が認められるのは 事業としてトレーディングを行っている場合に生じた損失のみとなります 以下の取扱いは 事業としてトレーディングを行っている場合以外の一般的な取扱いとなります 1 預貯金の元本割れによる損失損益通算は 認められません 2 株式の無価値化による損失 ( 株式の発行体の破綻等による損失 ) 株式の無価値化による損失は 原則としてキャピタルロスとして取扱われ キャピタルゲインとの損益通算が認められます 3 公社債などの債券の無価値化による損失 ( 債券の発行体の破綻等による損失 ) 原則として 公社債については キャピタルゲイン及びキャピタルロスの認識は行いません 4 デリバティブ取引から生じた損失オプションや先物等のデリバティブ取引から生じた損失は 原則としてキャピタルロスとして取扱われ キャピタルゲインとの損益通算が認められます 5 為替差損為替差損については 原則としてキャピタルロスとして取扱われ キャピタルゲインとの損益通算が認められます ( なお 為替差益はキャピタルゲインとして取扱われます ) 3. 金融所得の捕捉方法原則として 納税者の申告書提出による網羅的かつ正確な所得の申告が求められますが 銀行等の金融機関は HMRC( 英国歳入関税庁 ) に対して 支払ったの額を報告することが義務付けられています また 支払代理人についても同様の報告を行うことが EU 貯蓄課税指令に基づいて 義務付けられています 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 6

4. 債券のに対する課税関係債券のの受領者が個人の場合には 当該債券のの支払いに対して 20% の源泉徴収が行われ また 受領者が法人の場合には 当該の支払いに対して源泉徴収は行われません なお 同一のの計算期間において 個人と法人の保有期間が混在している場合の源泉税の課税関係については の支払日における債券の保有者に基づいて決定されます 5. 債券譲渡に伴う経過利息の課税関係債券の譲渡に伴い発生した経過利息については Accrued Income Scheme に基づいて課税されます Accrued Income Scheme とは 経過利息の税務上の取扱いを定めた規定であり それによると 債券の譲渡価額に経過利息相当額が含まれている場合には 当該債券の買方は 実際の受取利息の額から支払った経過利息相当額を控除し 当該受取利息に係る所得金額を計算することとなります なお 債券の譲渡価額に経過利息相当額が含まれていない場合には 受領したの実額が課税されることになります 6. 割引債の課税関係 割引債は 償還時においてのみ課税され 発行価額と償還価額との差額について 所得として総合 課税されます ( 源泉徴収は行われません ) 7. 投資信託に係る税制国内発行の投資信託については 年毎に獲得した投資収益のすべてが分配されたものとみなされて 受益者において課税が行われます また 国外発行の投資信託については その年に獲得した投資収益のうち 85% 以上を受益者に対して分配することが義務付けられています 当該規定を満たしている場合には 当該投資信託の受益証券の譲渡に伴う収益は キャピタルゲインとして均一税率により課税されますが 満たしていない場合には 累進税率が適用され 重い税負担が課されることになります また 信託財産の 60% 以上が債券で構成されている投資信託については 当該投資信託の収益分配金は の分配として取扱われます (Appendix22 参照 ) 8. 非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係 イギリスにおける非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係は Appendix 23 及び 24 をご参照ください 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 7

9. 非居住者及び外国法人に対する公社債のの課税関係 1 原則源泉地国課税の原則により イギリス国内源泉とされたは 原則として 20% の源泉徴収によって課税されます ( ただし 租税条約による規定の適用がある場合や当該がイギリス国債又はユーロボンドに係るものである場合を除く ) 2 非居住者が受ける公社債非課税制度 (a) 概要非居住者及び外国法人が受領する イギリス国債及びユーロボンドに該当する債券に係るについては 源泉徴収は行われません ( 債券を額面金額未満で取得した場合の当該取得金額と償還金額との差額については 当該規定の適用の有無にかかわらず 源泉徴収の対象となりません ) また 償還期間が 1 年以内の短期の債券等に係るについても 源泉徴収は行われません なお ユーロボンドとは 簡略的には 法人が自国内外の一定のマーケットで発行し かつ付利されている債券を指します (b) ユーロボンドの規定の適用期限 ユーロボンドの規定の適用期限は設けられていません (c) ユーロボンドの租税回避防止措置 関連者の除外や利益連動債の除外のような 租税回避防止措置は 特に設けられていません 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 8

Ⅲ. フランスに関する調査報告 1. 個人所得税計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係フランスにおける個人所得税計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係は Appendix 31 及び 32 をご参照ください 2. 損益通算される金融所得の範囲フランスの個人所得税の計算上 株式など一定の金融商品から生じた損失については 同一の暦年内に同一の属性の金融商品から生じた収益との損益通算が認められます また 当該損失の認識時期については 原則として譲渡又は償還時となります 下記 1~5の損失については 明確に取扱いを定める規定はありませんが 上述の原則に従って個別に判断する必要があります 1 預貯金の元本割れによる損失 2 株式の無価値化による損失 ( 株式の発行体の破綻等による損失 ) 3 公社債などの債券の無価値化による損失 ( 債券の発行体の破綻等による損失 ) 4 デリバティブ取引から生じた損失 5 為替差損 3. 金融所得の捕捉方法フランスにおいては 金融商品に係る支払代理人は 年に一度 その暦年において支払われた当該金融商品からの 配当等の額を記載した IFU (imprime fiscal unique) と呼ばれる書類を 課税当局に提出することが義務付けられています 4. 債券のに対する課税関係原則として 債券のの受領者が個人の場合には 当該債券のの支払いに対して 18% の源泉徴収が行われます また 受領者が法人の場合には 当該の支払いに対して源泉徴収は行われません なお 同一のの計算期間において 個人と法人の保有期間が混在している場合の課税関係については の支払日時点における債券の保有者に基づいて決定されます 5. 債券譲渡に伴う経過利息の課税関係フランスにおいては 個人は現金主義により課税されます したがって 譲渡価額に経過利息相当額が含まれている場合には 売方においては 当該経過利息相当額を含めた譲渡価額をベースにキャピタルゲインを計算し そのキャピタルゲインに対して課税されます また 買方においては 当該経過利息相当額を取得価額に算入して 譲渡又は償還時の所得を計算する際に考慮することになります 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 9

6. 割引債の課税関係フランスにおいては 個人は現金主義により課税されるため 割引債は 発行時及び保有期間においては課税されず 償還時において 発行価額と償還価額との差額について として課税されます (Appendix32 参照 ) 7. 為替差損益に対する課税関係為替差損益の課税関係についての特別な規定はありません したがって 原則として 為替差損益は その発生の要因となった所得に含まれることになります 8. 投資信託に係る税制分配を行う投資信託 (distributing funds) は 分配時にその収益の源泉 ( 配当 キャピタルゲイン等 ) の課税関係に従って受益者において課税され 当該投資信託の受益証券の譲渡及び償還時には 受益者においてキャピタルゲインとして課税されます また 分配を行わない投資信託 (non distributing funds) は 受益証券の譲渡又は償還時に受益者においてキャピタルゲインとして課税されます (Appendix 32 参照 ) フランスでは 課税の繰り延べを防止するための分配を促すような規定は特にありませんが 実務的にはほとんどの投資信託が distributing funds となっております 9. 非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係フランスにおける非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係は Appendix 33 及び 34 をご参照ください 10. 非居住者及び外国法人に対する公社債のの課税関係 1 原則非居住者又は外国法人が受ける 源泉地国課税の原則によりフランス国内源泉とされたについては 原則として 18% の源泉徴収により課税されます ( 一定の免除規定があります ) 2 非居住者が受ける公社債非課税制度 (a) 概要非居住者及び外国法人に対して支払われる公社債の又は割引債の発行差金については 外国からの資金流入を促進するために いくつかの源泉徴収の免除規定があり 実務的には源泉徴収が行われることはほとんどありません ( 債券を額面金額未満で取得した場合の当該取得金額と償還金額との差額はとして同様に取り扱われます ) なお 免除規定のうち代表的なものとして 外国の投資家からフランス内国法人へのファイナンス ( 社債を含む ) に係るについては 源泉徴収が免除されるという規定が挙げられます (Article 131 quarter of the French Tax Code) 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 10

(b) 適用期限上述の代表的免除規定 (Article 131 quarter of the French Tax Code) の適用期限は 特に設けられていません (c) 租税回避防止措置上述の Article 131 quarter of the French Tax Code に係る 関連者の除外や利益連動債の除外のような租税回避防止措置は 特に設けられていません 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 11

Ⅳ. ドイツに関する調査報告 1. 個人所得税計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係ドイツにおける個人所得税計算の仕組み及び主な金融商品に対する課税関係は Appendix 41 及び 4 2 をご参照ください なお 2009 年 1 月 1 日から 配当 キャピタルゲイン等の金融商品から生じる所得については すべて金融所得として取扱われ 25% の均一税率によって課税が行われています 2. 損益通算される金融所得の範囲次の金融商品から生じる損失の取扱いは それぞれ以下のようになります なお ドイツの個人所得税の計算上 金融所得に係る損失のうち 株式の譲渡に係る損失については 株式の譲渡に係る利益とのみ損益通算が認められ その他の損失については その他の金融所得に係る利益との損益通算が認められます また 原則として 以下の損失は 譲渡 償還 返済等が行われた時点で 実現したと認められ 損失が認識されます 1 預貯金の元本割れによる損失株式に係るもの以外の金融所得との損益通算が認められます 2 株式の無価値化による損失 ( 株式の発行体の破綻等による損失 ) 株式に係る金融所得とのみ損益通算が認められます 3 公社債などの債券の無価値化による損失 ( 債券の発行体の破綻等による損失 ) 株式に係るもの以外の金融所得との損益通算が認められます 4 デリバティブ取引から生じた損失株式に係るもの以外の金融所得との損益通算が認められます 5 為替差損為替差損については 通貨を対象としたトレーディングから生じた損失を除き すべての金融所得との損益通算が認められます ( なお 為替差益は キャピタルゲインとして取扱われ 金融所得に含まれます ) 3. 金融所得の捕捉方法証券保管銀行は 均一税率により源泉徴収した税額を 毎月課税当局に報告することが義務付けられています また 証券保管銀行は その源泉徴収税額を 翌月の 10 日までに課税当局に納付する必要があります なお 源泉徴収が行われた後の金融所得に係る損失の発生に伴う 既に源泉徴収された税額 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 12

の納税者への還付は 証券保管銀行を通じて行われます ( 税務当局へ既納付された源泉徴収税額は 証券保管銀行に返還されます ) 4. 債券のに対する課税関係 法人が受領する債券のは 原則として源泉徴収されますが 債券のの受領者が金融機関及び 非収益事業を営む法人等である場合には 当該に対して源泉徴収は行われません 5. 債券譲渡に伴う経過利息の課税関係債券の譲渡に伴い発生した経過利息については 買方においては 実際の受取利息の額から支払った経過利息相当額を控除し 当該受取利息に係る所得金額を計算することとなります また 売方においては 受領した経過利息相当額を自らの所得に含めることとなります 6. 割引債の課税関係 割引債は 原則として償還時においてのみ課税され 発行価額と償還価額との差額については 金融所 得として均一税率により課税されます 7. 投資信託に係る税制原則として 投資信託は導管として取扱われ 獲得した投資収益は その分配の有無にかかわらず 受益者において課税されます また 当該課税対象の投資収益は 金融所得として均一税率により課税されます 8. 非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係 ドイツにおける非居住者及び外国法人に対する主な金融商品の課税関係は Appendix 43 及び 44 を ご参照ください 9. 非居住者及び外国法人に対する公社債のの課税関係 1 原則ドイツにおいては 非居住者及び外国法人に対する公社債のは 原則として非課税とされています なお 債券を額面金額未満で取得した場合の当該取得金額と償還金額との差額については キャピタルゲインとして取扱われ 非居住者及び外国法人については非課税とされています 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 13

2 非居住者が受ける公社債非課税制度 (a) 概要ドイツにおいては 非居住者及び外国法人に対する公社債のは 原則として非課税とされています ( ドイツ国内にある不動産を担保にした債券などに係るについては 当該非課税規定の対象外となります ) なお この非課税規定の適用を受けるためには 証券保管銀行に対して 居住地国の権限ある当局が発行した居住者証明書を提出する必要があります (b) 適用期限 適用期限は 設けられていません (c) 租税回避防止措置 ( 適用除外 ) 以下の金融商品については その性質上株式に準ずるものとして 上述の非課税規定の対象から除外されています 利益連動債等の 他の要因によって利率が決定される債券に係るについては 適用されません 転換社債については 株式への転換が義務付けられている場合には 当該転換社債に係るについては 適用されません 新日本アーンストアンドヤング税理士法人諸外国の金融所得課税 ( 公社債を中心に ) に関する調査研究 14

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<Appendix 11> アメリカの個人所得税 ( 連邦税 ) 計算の仕組み ( イメージ ) 収入の種類 給与 賃金等 事業収入 その他収入 利 配 子 当 譲渡収入 ( 法人税との調整はなし ) 短期純キャピタルゲイン又はロス ( 注 1) 長期純キャピタルゲイン又はロス 損益通算 短期 / 長期純キャピタルゲインの場合 ( 注 3) ( 注 4) 総所得 短期 / 長期純キャピタルロスの場合 ( 無期限繰越可 ) 調整総所得前控除 ( 注 2) 調整総所得前控除 ( 必要経費等 ) 損益通算 調整総所得 諸控除等 概算控除又は項目別控除 ( 注 5) ( 注 5) 及び 人的控除 適用税率 通常所得 x 累進税率 = 税額 [1035% の 6 段階 ] ( 短期キャピタルゲイン含む ) ( 注 6) 配当 x 軽減税率 = 税額 [ 0%, 15% ] ( 注 7) 長期キャピタルゲイン x 軽減税率 = 税額 [ 0%, 15% ] 注 1: キャピタルゲイン ロスに係る損益通算については まず短期 (1 年以下保有 ) 長期(1 年超保有 ) 別に損益を計算し 次に短期純譲渡損益と長期純譲渡損益を通算する ( 損益通算後 ) 短期純キャピタルゲインが残った場合は他の所得と合算して通常取得のブラケットに応じた通常の税率が適用され 長期純キャピタルゲインが残った場合は他の所得と合算した場合の所得ブラケットに応じて通常とは異なる軽減税率が適用される 注 2: 損益通算後 短期純キャピタルロス 長期純キャピタルロスが生じた場合には 夫婦共同申告の場合で3,000ドルを限度に総所得からの控除が可能であり 短期 長期の順で総所得から控除し 控除し切れない場合には無期限の繰越しが認められる 注 3: 原則として 全ての源泉より生じる所得は 法律上別段の定めがある場合を除き 総所得金額に含まれる ( 所得区分なし ) 注 4: 調整総所得前控除では 事業経費 教員経費 個人退職勘定 (IRAs) 掛金 転勤費用等の控除が認められている 注 5: 支払については 調整総所得前控除において事業借入 賃貸活動から生じた及び適格教育ローンが 項目別控除を選択した場合には適格住宅ローン 投資が それぞれ一定の限度の下で控除が認められる 注 6: 通常所得に対して適用される税率が25% 以上である場合 適格配当に対する税率は15% となる また 通常所得に対して適用される税率が25% 未満である場合 適格配当に対する税率は0% となる 注 7: 通常所得に対して適用される税率が25% 以上である場合 長期キャピタルゲインに対する税率は15% となる また 通常所得に対して適用される税率が25% 未満である場合 長期キャピタルゲインに対する税率は0% となる

<Appendix 12> アメリカにおける主な金融商品に対する課税関係 ( 概要 ) ( 注 1) 預貯金 公社債 株式 普通預金 保有段階 [10~35% の6 段階で総合課税 ] [10~35% の6 段階で総合課税 ] 発行差金 (OID)( 注 2) [10~35% の 6 段階で総合課税 ] 配当 [0%, 15% の 2 段階で総合課税 ] 分配金の源泉別に課税 主なものとして 利益 換金段階 ( 売却 解約 償還 ) 損失 配当の分配 [0%, 15% の 2 段階で総合課税 ] 投資信託等 一定の証券投資信託 (RIC: 規制投資会社 ) 長期キャピタル ゲインの分配 [0%, 15% の 2 段階で総合課税 ] その他通常の分配 ( 等 ) [10~35% の 6 段階で総合課税 ] 非課税の分配 [ 非課税 ] 売却 解約 償還による実現額と調整投資基準額 ( 注 3) の差額は プラスの場合 原則として 短期 (1 年以下保有 ) キャピタル ゲイン [10~35% の 6 段階で総合課税 ] 長期 (1 年超保有 ) キャピタル ゲイン [0%, 15% の 2 段階で総合課税 ] 売却 解約 償還による実現額と調整投資基準額 ( 注 3) の差額は マイナスの場合 原則として キャピタル ロスとしてキャピタル ゲインと損益通算し 純キャピタル ロスが生じた場合は 夫婦共同申告の場合で年間 3,000 ドルまで 他の通常所得 ( 給与 配当等 ) との通算が認められる ( 無期限の繰越し可 ) 分配金の源泉別に課税 主なものとして REIT ( 不動産投資信託 ) 配当の分配 [0%, 15% の 2 段階で総合課税 ] 長期キャピタル ゲインの分配 [0%, 15% の 2 段階で総合課税 ] その他通常の分配 ( 不動産賃貸料等 ) [10~35% の 6 段階で総合課税 ] ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に関する課税関係を記述したものであり 様々な金融商品の類型 異なる税務会計基準 ( 現金主義又は発生主義 ) の採用 納税者番号の使用の有無等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 なお 上記課税関係は 連邦所得税のみを記述したものであり 殆どの州及び一部の市において 別途 個人所得税が課されることにも留意 ( 注 2) 発行差金 (OID:Original Issue Discount) とは 原則として 発行価格と満期時における表示償還価額との差額をさす ( 注 3) 調整投資基準額 (adjusted basis) とは 取得費 ( 投資基準額 :basis) を 未払発生や発行差金 (OID) 等により加算調整し プレミアム発行分の償還分等により減算調整したもの

<Appendix 13> アメリカにおける主な金融商品に対する非居住者の課税関係 ( 概要 ) ( 注 1) 米国源泉 所得の種類 課税関係 * 預貯金普通預金銀行預金非課税 公社債 株式 債券 発行差金 ( 注 2) ローン配当 非課税 (Portfolio Interst Exemption) 非課税 (Portfolio Interst Exemption) 非課税 (Portfolio Interst Exemption) 30% 又は租税条約による軽減税率 投資信託等 一定の証券投資信託 (RIC: 規制投資会社 ) REIT ( 不動産投資信託 ) 配当 30% 又は租税条約による軽減税率 短期キャピタルゲイン 30% 又は租税条約による軽減税率 長期キャピタルゲイン 非課税 配当 30% 又は租税条約による軽減税率 キャピタルゲインの分配 35% 資本の払戻し 非課税 売却 / 償還 総手取額 / 取得価額 非課税 * 受益者が有効な Form W8 を支払者に提出済みであることを前提とする 提出済みでない場合は 全所得に対して 30% の課税 ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に関する課税関係を記述したものであり 所得の源泉 納税者の居住地の税務管轄等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 なお 上記課税関係は 連邦所得税のみを記述したものであり 殆どの州及び一部の市において 別途 個人所得税が課されることにも留意 ( 注 2) 発行差金 (OID:Original Issue Discount) とは 原則として 発行価格と満期時における表示償還価格との差額をさす

<Appendix 14> アメリカにおける主な金融商品に対する外国法人の課税関係 ( 概要 ) ( 注 1) 米国源泉所得の種類課税関係 * 預貯金普通預金銀行預金非課税 債券 非課税 (Portfolio Interst Exemption) 公社債 発行差金 ( 注 2) 非課税 (Portfolio Interst Exemption) 株式 ローン 配当 非課税 (Portfolio Interst Exemption)** 30% 又は租税条約による軽減税率 投資信託等 一定の証券投資信託 (RIC: 規制投資会社 ) REIT ( 不動産投資信託 ) 配当 30% 又は租税条約による軽減税率 短期キャピタルゲイン 30% 又は租税条約による軽減税率 長期キャピタルゲイン 非課税 配当 30% 又は租税条約による軽減税率 キャピタルゲインの分配 35% 資本の払戻し 非課税 売却 / 償還 総手取額 / 取得価額 非課税 * 受益者が有効な Form W8 を支払者に提出済みであることを前提とする 提出済みでない場合は 配当に対して 30% の課税 ただし売却に係る総手取額 銀行預金 長期キャピタルゲイン 資本の払戻しは除く ** 銀行に支払うローンには Portfolio Interst Exemption は適用されない 銀行に支払う場合 30% 又は租税条約による軽減税率が適用される ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に関する課税関係を記述したものであり 所得の源泉 納税者の居住地の税務管轄等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 なお 上記課税関係は 連邦所得税のみを記述したものであり 殆どの州及び一部の市において 別途 個人所得税が課されることにも留意 ( 注 2) 発行差金 (OID:Original Issue Discount) とは 原則として 発行価格と満期時における表示償還価格との差額をさす

<Appendix21> イギリスの個人所得税及びキャピタル ゲイン税計算の仕組み ( イメージ ) ( 注 1) 収入の種類 所得分類 適用税率 給与収入 必要経費 給与所得 事業収入 専門的職業収入 必要経費 事業所得 不動産収入 その他収入 必要経費必要経費 不動産所得その他所得所得 損益通算 ( 注 3) 所 ( 注 3) 得控除 x 累進税率 ( 注 6) 配当 ( 注 2) 配当所得 譲渡収入取得費等キャピタルゲイン / ロス 純キャピタルゲインの場合 純キャピタルロスの場合 ( 無期限繰越し可 ) ( 注 4) ( 注 5) 均一税率 18% 注 1: 個人の 所得 については 所得税が課税され 個人の 譲渡益 ( キャピタル ゲイン ) については キャピタル ゲイン税が課税される 注 2: 株式の配当は 受取配当額とその10/90を課税所得に算入し 算出された税額から受取配当額の10/90を控除する 注 3: 不動産所得及びその他所得に損失が生じた場合 その損失を他の所得と損益通算することは基本的に認められない 注 4: 当期の全てのキャピタル ゲインとキャピタル ロス及び前期から繰り越されたキャピタル ロスを通算し なおキャピタル ロスが残る場合は 翌期以降のキャピタル ゲインと無期限に通算することができる 注 5: キャピタル ゲインは 一律 18% で課税され 年間 10,100の非課税枠がある (2009 年 10 月現在 ) 注 6: 配当以外の所得の額に所得及び配当所得の額を順次積み上げた結果 それぞれの属するブラケットが定められる その後 各ブラケットに属する 配当以外の所得 所得 配当所得にそれぞれの所得等の区分に応じた以下の税率を適用 課税所得 ( ポンド ) 配当以外の所得 所得 配当所得 ~ 6,474 0% 0% 0% 6,475 ~ 37,400 20% 20% 10% 37,401 ~ 40% 40% 32.5%

<Appendix 22> イギリスにおける主な金融商品に対する課税関係 ( 概要 )* 保有段階 利益 換金段階 ( 売却 解約 償還 ) 損失 預貯金 普通預金 所得 [20% 源泉徴収 ] [0%,20%,40% の 3 段階で総合課税 ] 公社債 ( 適格公社債 ) 利付債 所得 [20% 源泉徴収 ] [0%,20%,40% の 3 段階で総合課税 ] ゼロクーポン債 ( 注 2) 原則 非課税 ( 注 4) 割引額 ( 所得 ) [0%,20%,40% の 3 段階で総合課税 ] ないとみなす ないとみなす 株式 配当所得 ( 注 3) [0%,10%,32.5% の 3 段階で総合課税 ] キャピタル ゲイン [18% で一律課税 年間非課税枠 10,100] キャピタル ロス [ キャピタル ゲインとのみ通算が認められる ( 無期限繰越し可 )] 投資信託 ( 適格投資信託 ) 配当として分配が行われる場合 として分配が行われる場合 配当所得 ( 注 3) [0%,10%,32.5% の 3 段階で総合課税 ] 所得 [20% 源泉徴収 ] [0%,20%,40% の 3 段階で総合課税 ] キャピタル ゲイン [18% で一律課税 年間非課税枠 10,100] キャピタル ロス [ キャピタル ゲインとのみ通算が認められる ( 無期限繰越し可 )] ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 ( 注 2) ゼロクーポン債の換金段階では 割引額 (discount) に対して所得税が課税される ( キャピタル ゲイン税は非課税とされている ) ( 注 3) 株式の配当 ( 投資信託の配当の分配 ) は 受取配当額とその10/90を課税所得に算入し 算出された税額から受取配当額の10/90を控除する したがって 10% 以下の低税率が適用される納税者の場合 10/90の税額控除により実質的な税負担はなくなり また 32.5% の高税率が適用される納税者の場合 実質的な税率は25% となる ( 注 4) Accrued Income Schemeでは 売却に伴う経過利息収入に対して課税を行う場合がある * 2010 年 4 月から 所得税の最高税率は 50%( 配当については 42.5%) となる

<Appendix 23> イギリスにおける主な金融商品に対する非居住者の課税関係 ( 概要 ) 保有段階 利益 換金段階 ( 売却 解約 償還 )( 注 2) 損失 預貯金 普通預金 [20% 源泉徴収 ただし非居住者であることを証明された場合には非課税 ] 公社債 ( 適格公社債 ) 利付債 [20% 源泉徴収 ]( 注 3) ゼロクーポン債 株式 ( 注 3) 課税期間中に非居住者となった場合 イギリス出国後に売却を行ったとしても 当該非居住者は一律 18% でキャピタル ゲイン税が課される 投資信託 ( 適格投資信託 ) 配当として分配が行われる場合 ( 注 4) として分配が行われる場合 [20% 源泉徴収 ただし非居住者であることを証明された場合には非課税 ] 課税期間中に非居住者となった場合 イギリス出国後に売却を行ったとしても 当該非居住者は一律 18% でキャピタル ゲイン税が課される ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 ( 注 2) 非居住者である場合 社債のに対する源泉徴収 ( 注 2 参照 ) 及び出国した年に生じたキャピタルゲインを除き 金融商品から生じる所得については 原則として非課税とされる ( 注 3) ( 注 4) 原則として は源泉徴収により課税されるが 個人の居住地国によっては租税条約による減免が適用される場合がある また 英国国債またはユーロボンドからのは 非課税とされる 配当は 非課税とされる

<Appendix 24> イギリスにおける主な金融商品に対する外国法人の課税関係 ( 概要 ) 保有段階 利益 換金段階 ( 売却 解約 償還 )( 注 2) 損失 預貯金 普通預金 [20% 源泉徴収 ただし外国法人であることを証明された場合には非課税 ] 公社債 ( 適格公社債 ) 利付債 [20% 源泉徴収 ]( 注 3) ゼロクーポン債 株式 ( 注 4) 配当として分配が行われる場合 ( 注 4) 投資信託 ( 適格投資信託 ) として分配が行われる場合 [20% 源泉徴収 ただし外国法人であることを証明された場合には非課税 ] ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 ( 注 2) 外国法人である場合 公社債のに対する源泉徴収 ( 注 2 参照 ) を除き 金融商品からの所得については 原則として非課税とされる ( 注 3) ( 注 4) 原則として は源泉徴収により課税されるが 居住地国によっては租税条約による減免が適用される場合がある また 英国国債またはユーロボンドからのは 非課税とされる 配当は 非課税とされる

<Appendix 31> フランスの個人所得税計算の仕組み ( イメージ ) 収入の種類 給料 賃金 公的年金 商工業の事業収入 農林業の事業収入 自由職業の事業収入等 不動産賃料 配当 ( 注 1) 事業に係る長期譲渡収入 不動産の譲渡収入 ( 注 6) 動産の譲渡収入 ( 注 7) 有価証券等の譲渡収入 ( 注 6) 給与所得等控除 ( 定率 1 割 ) 又は 必要経費 年金控除 ( 定率 1 割 ) 必要経費 必要経費 商工業所得 農林業所得 損益通算 所得控除 x 累進税率 = 税額 ( 税率 :0%~40% 5 段階 ) 注 1: 適格配当 ( フランスと租税条約を締結している国において法人税が課されている企業からの配当 ) は 40% の定額控除後に総合課税 ( 累進税率 0%~40%) または 特例により 源泉分離課税(18%) により課税される 注 2: 給料 賃金にかかる必要経費については 実費相当額 または 一定の金額 ( 想定される交通費や昼食費に基づいて計算される ) となる 注 3: 各種所得の金額の計算上 一定の特別控除額等の適用がある場合がある 注 4: 農林業所得 非商業所得及び不動産所得に損失が生じた場合 総合課税される他の所得との損益通算は一定の条件の下で認められる ( 例えば 不動産にかかる損失の場合 総収入に対して一定の金額 ( 金利負担を除く ) のみ通算が認められる 当該損失の繰越は10 年間認められ 不動産所得とのみ通算できる ) 注 5: 源泉分離課税及び申告分離課税の税率には 社会保障関連諸税 ( 計 12.1%) は含まれない 総合課税対象所得には累進税率に加えて 社会保障関連諸税が別途課される 注 6: 不動産の譲渡所得と有価証券等の譲渡所得は 一定の場合に免税措置がある 注 7: 実務上は 限定的に実施されている *CG: キャピタルゲイン CL: キャピタルロス ( 注 2) 必要経費 必要経費 必要経費 ( 総合課税の場合 ) 必要経費 ( 総合課税の場合 ) 取得費等 取得費等 取得費等 取得費等 CG の場合 CL の場合 ( 繰越し不可 ) CG の場合 CL の場合 ( 繰越し不可 ) 純 CG /CL 所得分類 給与所得 非商業所得 不動産所得 動産資本所得 動産資本所得 商工業所得等 譲渡所得 譲渡所得 譲渡所得 総合課税 源泉分離課税 (EU が源泉となるのみ ) ( 純 CL の場合 10 年間繰越し可 ) ( 注 4) ( 注 3) ( 注 5) 適用税率 40% の定額控除後 総合課税 源泉分離課税 ( 純 CL の場合 10 年間繰越し可 ) x 比例税率 (18%)= 税額 ( 源泉分離課税 ) x 比例税率 (18%)= 税額 ( 源泉分離課税 ) x 比例税率 (16%)= 税額 ( 申告分離課税 ) x 比例税率 (16%)= 税額 ( 申告分離課税 ) x 比例税率 (16%)= 税額 ( 申告分離課税等 ) x 比例税率 (18%)= 税額 ( 申告分離課税 )

<Appendix 32> フランスにおける主な金融商品に対する課税関係 ( 概要 ) 預貯金 公社債 ( 注 3) 保有段階 普通預金 利付債 [18% 源泉分離課税 ( 注 6) または総合課税 ] [18% 源泉分離課税 ( 注 6) または総合課税 ] 換金段階売却払戻し ( 解約 償還 ) 利益損失利益損失 に係る損失 償還された日が属する年度に支払われたとのみ通算が認められる ゼロクーポン債 償還プレミアム [18% 源泉分離課税 ( 注 6) または総合課税 ] 株式 配当 ( 注 4) [18% 源泉分離課税 ( 適格配当のみ ) または総合課税 ] キャピタル ゲイン ( 注 5) キャピタル ロス [18% 分離課税 ] 年間の譲渡額が 25,730 を下回る場合は非課税 キャピタル ゲインとのみ通算が認められる (10 年間繰越可 ) 投資信託 会社型投資信託 (SICAV) 及び契約型投資信託 (FCP) 分配金の源泉別に一定の課税がなされる ( すなわち 分配金をその源泉ごと区分し それぞれの属性に基づいて課税関係が決定される ) キャピタル ゲイン [18% 申告分離課税 ] 年間の譲渡額が 25,730 を下回る場合は非課税 キャピタルロス キャピタル ゲインとのみ通算が認められる (10 年間繰越可 ) ( 注 1) ( 注 2) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 総合課税が適用される場合において 配当 償還プレミアム等は 合算課税されるが 社会保障関連諸税 ( 計 12.1%) については 合算前の各所得に対して課せられる ( 注 3) 記載されている源泉分離課税及び申告分離課税の税率には 社会保障関連諸税 ( 計 12.1%) は含まれていない ( 注 4) 適格配当 ( フランスと租税条約を締結している国において法人税が課されている企業からの配当 ) は 40% の定額控除後に総合課税 ( 累進税率 0%~40%) または 特例により源泉分離課税 (18%) により課税される また 適格配当でない配当については その総額が総合課税の対象となる ( 注 5) 8 年以上保有した株式等に係る譲渡所得については 原則として非課税となる ( 注 6) 対象となるは EU 圏内に所在する支払者により支払われるである

<Appendix 33> フランスにおける主な金融商品に対する非居住者の課税関係 ( 概要 ) 預貯金 普通預金 保有段階 [18% 源泉徴収 ] 換金段階売却払戻し ( 解約 償還 ) 利益損失利益損失 公社債 利付債 [18% 源泉徴収 ( 一定の免除規定有 )] [18% 源泉徴収 ( 一定の免除 規定有 )] ゼロクーポン債 株式 配当 [25% 源泉徴収 (UE または EEA に居住する個人の場合 18% 源泉課税 )] 償還の一部はキャピタル ゲインとして扱われ 残りは配当として扱われる 投資信託 会社型投資信託 (SICAV) 及び契約型投資信託 (FCP) 会社型投資信託 (SICAV) による分配金は配当金として課税 : [25% 源泉徴収 (UE または EEA に居住する個人の場合 18% 源泉徴収 )] 契約型投資信託 (FCP) による分配金は その源泉ごと区分し それぞれの属性に基づいて課税関係が決定される : [18% 源泉徴収 ( 特定の所得に免税及び軽減税率の適用有 )] 配当 [25% 源泉徴収 (UE または EEA に居住する個人の場合 18% 源泉課税 )] 原則として非課税 (25% 以上保有している法人に係るものは除く ) 原則として非課税 (25% 以上保有している法人に係るものは除く ) ( 注 1) ( 注 2) ( 注 3) ( 注 4) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 実務上は 上記の課税関係に加え 租税条約等を考慮する必要があることに留意 上記の課税関係は 不動産関連法人の株式等に関連する特殊規定は含まれないことに留意 非居住者の金融所得に対して 社会保障関連諸税は課税されない

<Appendix 34> フランスにおける主な金融商品に対する外国法人の課税関係 ( 概要 ) 預貯金 普通預金 保有段階 [18% 源泉徴収 ] 換金段階売却払戻し ( 解約 償還 ) 利益損失利益損失 公社債 利付債 [18% 源泉徴収 ( 一定の免除規定有 )] 実務上は様々な源泉免除 の規定有 ] ゼロクーポン債 株式 配当 [25% 源泉徴収 (EU と関連を有する法人については特定の免除規定有 )] 償還の一部はキャピタル ゲインとして扱われ 残りは配当として扱われる 投資信託 会社型投資信託 (SICAV) 及び契約型投資信託 (FCP) 会社型投資信託 (SICAV) による分配金は配当金として課税 : [25% 源泉徴収 ] 契約型投資信託 (FCP) による分配金は その源泉ごと区分し それぞれの属性に基づいて課税関係が決定される : [18% 源泉徴収 ( 特定の所得に免税及び軽減税率の適用有 )] 配当 [25% 源泉徴収 (EU と関連を有する法人については特定の免除規定有 )] 原則として非課税 (25% 以上保有している法人に係るものは除く ) 原則として非課税 (25% 以上保有している法人に係るものは除く ) ( 注 1) ( 注 2) ( 注 3) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 実務上は 上記の課税関係に加え 租税条約等を考慮する必要があることに留意 上記の課税関係は 不動産関連法人の株式等に関連する特殊規定は含まれないことに留意

<Appendix 41> ドイツの個人所得税計算の仕組み ( イメージ ) 収入の種類 必要経費等 所得分類 適用税率 給与 賃金 被用者控除 給与所得 公的年金 事業収入 賃貸収入 必要経費 必要経費 必要経費 その他所得営業所得賃貸所得 損益通算 ( 各所得間での損益通算には一定の制限有り ) ( 注 6) 特別支出控除 諸控除等 x 累進税率 (0%45% + 連帯付加税等 ) ( 注 1) 譲渡収入取得費等 ( 主に保有期間 10 年以下の不動産の譲渡等 ) その他所得 ( 注 4) キャピタルゲインを含む金融所得 ( 注 2) 金融所得 ( 注 5) ( 注 3) 損益通算定額控除 ( 一定の制限有 ) ( 注 7) 25% 均一税率 (+ 連帯付加税等 ) 注 1: 注 2: 注 3: 注 4: 注 5: 注 6: 注 7: 10 年以下保有の不動産の譲渡等は 投機的売買とみなされ課税対象となる 有価証券の投機的売買 ( 改正前においては譲渡収入に分類 ) は金融所得に含まれる 金融所得 ( 例 : 配当 キャピタルゲイン ) は 均一税率により課税される 実額に基づく控除は認められない 2009 年 1 月 1 日以後 個別課税の場合には年間 801ユーロ 夫婦合算申告の場合には1,602ユーロの定額控除が認められる 証券保管銀行は 金融所得が当該控除を上回るまで26.375% の源泉を行わない 投機的売買による譲渡損失がある場合には 投機的売買 ( 金融所得に係るものを除く ) による譲渡益との間でのみ損益通算が可能である 原則として 金融所得間における損益通算は認められる ( 株式に係る所得については 他の金融所得との損益通算は認められない ) 原則として 損失は無期限の繰越し及び一定の要件の下で同一課税期間内の繰戻しが認められる 社会保険料 生命保険料 税務相談料 ( 一部 ) 研修費等については特別支出として概算又は実額による控除が認められる 金融所得については 納税者に有利な場合 確定申告を行うことも認められる

<Appendix 42> ドイツにおける主な金融商品に対する課税関係 ( 概要 ) ( 注 1 2) 預貯金 ( 注 5) 保有段階 普通預金 換金段階 ( 売却 解約 償還 ) 利益 ( 注 3) 損失 ( 注 3 4) [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 利付債 [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 課税 利益から控除 公社債 ゼロクーポン債 とみなす [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 利益から控除 株式 配当 [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 課税 株式譲渡に係る利益からのみ控除 投資信託等 分配金は その源泉ごとに分類される : [25% 源泉税 +1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 配当 [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 課税 利益から控除 株式譲渡に係る利益からのみ控除 ( 注 1) ( 注 2) ( 注 3) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 2009 年 1 月 1 日から金融所得に対する均一税率による課税が実施されている すべての金融所得 ( 例 : 受取 配当 有価証券譲渡益等 ) は 保有期間に関係なく税率 26.375%(25%+ 連帯付加税 ) で課税される 課税関係は 株式 / 投資信託等の受益証券 ( 以下 株式等 ) の取得日が以下のいずれに該当するかによって異なる : (1) 2009 年 1 月 1 日以後 2009 年 1 月 1 日以後に取得された株式等の処分に係るキャピタルゲインは 均一税率により課税される 個人投資家については 原則として 26.375%(25%+ 連帯付加税 ) の均一税率が適用され さらに教会税 (2.25%= 25% 9%) が課税される場合には 適用税率は 28% となる ( 注 4) ( 注 5) (2) 2008 年 12 月 31 日以前 2008 年 12 月 31 日以前に取得され 1 年間以上保有された株式等の売却から生じたキャピタルゲインは課税されない 原則として 2009 年 1 月 1 日以後に取得された有価証券に係る売却損益に対する課税は 源泉徴収義務者である証券保管銀行で源泉徴収によりなされる 原則として 損失は 無期限の繰越し及び一定の要件の下で同一事業年度内の繰戻しが認められる 連帯付加税 :25% 5.5%=1.375%

<Appendix 43> ドイツにおける主な金融商品に対する非居住者の課税関係 ( 概要 ) ( 注 1) ( 注 5) 保有段階 利益 換金段階 ( 売却 解約 償還 ) 損失 預貯金普通預金原則 非課税 ( 注 2) 公社債 利付債原則 非課税 ( 注 2) 原則 非課税 ( 注 2) 課税される場合を除いて 控除不可 ゼロクーポン債原則 非課税 ( 注 2) 原則 非課税 ( 注 2) 課税される場合を除いて 控除不可 株式 配当 ( 注 3) [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 原則 非課税 ( 注 3) 原則 控除不可 ( 注 3) 分配金は その源泉ごとに分類される : 投資信託等 [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%]( 注 2 4) 配当 [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%]( 注 4) 原則 非課税 課税される場合を除いて 控除不可 ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 ( 注 2) 店頭取引により生じたもの及び国内の不動産又は船舶を担保としたローンに係るものを除く ( 注 3) 租税条約により課税範囲は限定されている ( キャピタルゲインは 持株比率が1% 以上の場合のみ課税される ) ( 注 4) 源泉徴収は 証券保管銀行を通じて投資を行っている場合のみ行われる また 国内投資信託等に係る分配金に対してのみ課税される ( 注 5) 連帯付加税 :25% 5.5%=1.375%

<Appendix 44> ドイツにおける主な金融商品に対する外国法人の課税関係 ( 概要 ) ( 注 1) ( 注 5) 保有段階 利益 換金段階 ( 売却 解約 償還 ) 損失 預貯金普通預金原則 非課税 ( 注 3) 利付債原則 非課税 ( 注 3) 公社債原則 非課税 ( 注 3) 原則 非課税 ( 注 3) ゼロクーポン債原則 非課税 ( 注 3) 株式 配当 ( 注 2) [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%] 持株比率 1% 以上の場合 課税 : [ 営業税 12%17%+ 法人税 15.825%( 連帯付加税を含む )] 分配金は その源泉ごとに分類される : 投資信託等 [ 非課税 ]( 注 4) 配当 [25% 源泉税 + 1.375% 連帯付加税 = 26.375%]( 注 2 4) 株式の譲渡からの所得については 限定的に課税 課税が行われた場合には 控除可 ( 注 1) 上記は 原則あるいは代表的な金融商品に対する課税関係について記述したものであり 様々な金融商品の類型や 恒久的施設の有無などの納税者の状況等により 異なる課税関係が生じ得ることに留意 ( 注 2) ( 注 3) ( 注 4) ( 注 5) 各国との租税条約により 税率が軽減される可能性有 国内の不動産又は船舶を担保とした有価証券に係るものについては課税される 実務上 様々な論点を検討する必要があるため 留意が必要である 連帯付加税 :25% 5.5%=1.375%