15-9 荷電粒子線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に 関する研究 主任研究者兵庫県立粒子線医療センター菱川良夫 研究成果の要旨陽子線治療施設 4 施設 炭素イオン線治療施設 1 施設 陽子線 炭素イオン線治療施設 1 施設で研究班は構成されている 多施設臨床試験として 陽子線治療 3 施設で 前立腺癌の陽子線治療の安全性および有効性の評価を目的で行い 目的症例数 150 症例の登録が終了した 各施設での分析の結果 (1) 頭頸部領域の 放射線抵抗性腫瘍である腺様嚢胞癌や悪性黒色腫での陽子線治療で 炭素イオン線と同様に有効である事が示された (2) 消化管に近接した肝がんの陽子線治療では 消化管を含まない照射野を追加することで 有効な治療ができる事が示された (3) 脳神経外科 小児科との協力で 脳腫瘍ならびに小児の固形腫瘍に対する陽子線治療を実施し 線量集中性と高線量投与の効果の検討が始まった (4) 炭素イオン線治療の症例数は増加し 適応拡大も順調に進んでいる 装置 技術面では (1) 治療スケジュール 治療装置 保守管理の効率化で 治療時間内の治療患者数が大幅に増加した (2) 永久磁石でのスポットスキャニングの検討が始まっている 研究者名および所属施設 研究者名 所属施設および職名 菱川良夫 兵庫県立粒子線医療センター院長 荻 野 尚 国立がんセンター東病院臨床開発センター粒子線医学開発部部長 徳植公一 筑波大学大学院人間総合科学研究科 助教授 村山重行 静岡県立静岡がんセンター陽子線治 療科部長 山本和高 若狭湾エネルギー研究センター粒子 線医療研究室室長 鎌 田 正 放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院治療課長 分担研究課題重イオン線 陽子線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に関する研究陽子線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に関する研究陽子線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に関する研究陽子線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に関する研究陽子線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に関する研究重イオン線を用いたがん治療技術の開発及びその向上に関する研究 研究報告 1 研究目的粒子線治療は ブラッグピークという物理学的特性を利用して腫瘍に線量を集中させる方法である その生物学的特性から 炭素イオン線では短期間の治療が可能である 国内 6 施設での粒子線治療の経験から -1-
本治療の優位性は証明されてきた 研究目的は標準的治療法としての確立で 各施設での分析を継続して行う 研究目的の第二は 技術面での改善や開発である 臨床に関係する治療計画や治療法などの改善や開発を積極的に行う また 陽子線治療では多施設共同試験を前立腺がんで行う 2 研究方法 (1) 多施設共同臨床試験については 前立腺がんで症例集積をする (2) 臨床面 技術面では それぞれ各施設で分析をする 3 研究成果 (1) 多施設共同臨床試験 1) 目的前立腺癌に対する陽子線治療の安全性および有効性を評価する プライマリーエンドポイント : 治療開始 2 年後の Grade 2 以上の直腸有害反応出現割合 2) 対象リンパ節転移や遠隔転移を有さない限局型前立腺癌患者のうち 低リスク (T1b-T2c, Gleason 2-6, initial PSA </= 10) または中リスク (T1b-T2c, Gleason 7, initial PSA</= 10 または T1b-T2c, Gleason 2-6, 7, initial PSA 10 <and </= 20) 群であるもの 3) 治療陽子線単独治療 :1 回 2.0 GyE 1 日 1 回 週 5 日 計 37 回 総線量 74 GyE とする 4) 予定登録数と研究期間必要適格例数 :150 例必要最低症例数 Low Risk 群 : 47 例 Intermediate Risk 群 :64 例予定 5 施設のうち施設内倫理審査を通過した 3 施設において 2004 年 4 月より登録が開始され 2006 年 11 月末の時点で 142 例 ( 低リスク 77 例 中リスク 65 例 ) が登録され 2007 年 3 月に登録終了となった (2) 各施設での臨床面の分析 A. 国立がんセンター東病院 頭蓋底腫瘍に対する陽子線治療成績頭蓋底の骨を破壊したり浸潤している腫瘍 ( 海綿静脈洞 篩骨洞 蝶形骨洞などの副鼻腔も含む ) 全体を広義の 頭蓋底腫瘍 と定義し その治療成績をまとめた 対象は 1999-2005 年に治療された広義の 頭蓋底腫瘍 95 例で 男 / 女 :52/43 年齢中央値 56 歳 (14-87 歳 ) 原発病巣は鼻腔 :28 副鼻腔:28 頭蓋底骨:21 上咽頭 :10 聴器:4 その他:4 例であった 組織型は多彩 で扁平上皮癌 :30 腺様嚢胞癌:16 脊索腫:15 嗅神経芽細胞腫 :13 悪性黒色腫:11 軟骨肉腫:3 その他 : 7 例であった 前治療としては減量手術 :31 導入化学療法 :12 例であった 陽子線治療は原則として 1 回 2.5GyE *26-28 回 総線量 65-70GyE を基本としたが 同時化学療法併用例では 1 回線量を 2.0GyE に落とし 35 回 総線量 70GyE を用い 悪性黒色腫については1 回 4.0GyE*15 回 総線量 60GyE を基本とした 観察期間の中央値は 19 月であった 3 年における局所制御率 生存率はそれぞれ 78% 77% であった 組織型による局所制御率ならびに生存率に有意差は認められなかった 晩期有害事象として 視力消失や低下を来たした症例はなかった 白内障 :2 無症候性脳壊死 :2 腫瘍の縮小に伴う髄液瘻:1 例 ガンマナイフ照射後の再照射例 1 例で出血を認めた 広義の 頭蓋底腫瘍 に対する陽子線治療成績は良好で 晩期有害事象も少なかった 特筆すべきは悪性黒色腫や腺様嚢胞癌などのいわゆる放射線抵抗性腫瘍に対しても陽子線治療は有効である可能性が示唆された点である B. 筑波大学 消化管に近接した肝細胞癌に対する陽子線治療成績陽子線治療の適応拡大を目的に消化管に近接した肝細胞癌に対する可能性について検討した 検討の対象は 2002 年 1 月から 2004 年 12 月までに肝細胞癌に対して陽子線治療を施行した 154 例中 消化管から 2cm 以内に近接した肝細胞癌 36 症例とした 男性 26 例 女性 10 例 年齢は 43 から 85 歳 ( 中央値は 69 歳 ) であった 臨床標的体積は腫瘍に 0.5~1.0cm のマージンを付けた領域に設定した 計画標的体積 1 は 臨床標的体積に 0.5~1.0cm のセットアップマージンと尾側に 0.5cm の呼吸同期マージンを付けた領域とし 計画標的体積 2 は 計画標的体積 1 から消化管に照射される部分を除いた体積とした 初期の 17 例は一回線量を 3Gy とし 計画標的体積 1 に 30~36Gy 計画標的体積 2 に 36~30Gy 総線量 66Gy( 換算線量 71.5Gy:α/β=10 として LQ モデルを用いて 1 回線量を 2Gy として換算した線量 ) 後期の 19 例は一回線量を 2Gy とし 計画標的体積 1 に 50Gy 画標的体積 2 に 20Gy 総線量 70Gy を呼吸同期照射した 結果は 中央値が12ヶ月 (5~37 ヶ月 ) という短い観察期間ではあるが 10 例が死亡 26 例が生存し 2 年生存率は56% であった 死因は肝内転移が 1 例 肝外転移が 3 例 肝不全が 5 例 不明が 1 例であった 局所再発は 1 例 (3%) に治療開始 19 ヶ月後に生じ 2 年局所制御率は 83% であった 局所再発は消化管線量を減らすために腫瘍線量を下げた部位 -2-
に生じたが 50Gy/25 回の陽子線再照射により制御されている 再照射 7 ヶ月後に照射野に一致して十二指腸潰瘍が生じたが 抗潰瘍剤で同部の出血と疼痛は制御されている 消化管の障害は 2 例 (6%) に治療開始 5 7 ヶ月後に認められた 一例は肝不全の進行により治療開始後 6 ヶ月で死亡した 他の一例は制御不能の大腸出血のために結腸部分摘出が行われたが 以後の経過は順調である 以上 消化管に近接した肝細胞癌の治療として消化管を十分に含む照射野で治療を開始し 後に消化管部を照射野から外すという治療法は有効と思われるが 今後の適応については十分な注意が必要であると考えられた 非小細胞肺癌 I 期に対する少分割陽子線治療成績肺野末梢型の非小細胞肺癌病期 I 期に対して IB 期もプロトコール症例 IA 期のプロトコールに準じて治療した 対象は IA 期 11 例 IB 期 10 例の合計 21 例である 年齢は 51~85 歳で中央値は 74 歳で 9 例が併存病変のために手術適応が内証例で 残りの 12 例は手術拒否例であった 扁平上皮癌が 6 例 腺癌が 14 例 大細胞癌が 1 例であった 腫瘍径は 10~42 mm で中央値は 25 mm であった 初期の 3 人は 50Gy10 分割 残りの 18 例は 60Gy10 分割の照射を受けた 24 ヶ月の観察期間中央値で 2 人が癌死 2 人が肺炎で死亡した 2 年生存率は 70% 2 年原病生存率は 84% であった 照射した 21 腫瘍は 1 例を除き制御された 1 例が照射野内に再発し 4 例が照射野外に再発した 2 年局所制御率は 95% 2 年無病率は 76% であった Grade2 を超える有害事象は認められなかった 非小細胞肺癌 I 期に対する少分割陽子線治療は安全で有効な治療法であった C. 兵庫県立粒子線医療センター 放射線抵抗性腫瘍に対する陽子線治療 1) 対象疾患 1-1) 頭頸部原発腺様嚢胞癌 2003 年 7 月から 2005 年 11 月までの 16 例 年齢 :56 ( 中央値 ) 男 / 女 :6/10 部位: 上顎洞 4 蝶形骨洞 3 篩骨洞 1 翼口蓋窩 3 大唾液腺 2 上咽頭 2 涙腺 1 T2:T3:T4=1:2:13 N0:N1=15:1 病理 :cribriform 9 solid 6 unknown 1 1-2) 頭頸部悪性黒色腫 2003 年 4 月から 2005 年 5 月までの 17 例 年齢 65 歳 ( 中央値 ) 男 / 女 :5/12 部位: 鼻腔 12 副鼻腔 2 口腔 3 T1:T2:T3:T4= 3:6:6:2 病理 : melanotic 16 amelanotic 1 2) 結果 2-1)13/16 例が T4 局所進行癌であったが 前例で腫瘍の縮小を認めた 1 年生存率 91.7% 1 年局所制御率 85.7% 再発は 局所再発 1 例 遠隔転移 3 例で 3 例が 予後不良とされる solid type 2-2) 全例腫瘍の縮小を認めた 1 年 2 年生存率 82% 56% 1 年 2 年局所制御率 100% 80% 再発は 局所/ 領域 3 遠隔 2 両方 4で 全身化した例では 救済治療にかかわらず 2 年以内に死亡 3) 考察放射線抵抗性腫瘍は 炭素イオン腺が適応で RBE1.1 の陽子線は従来の放射線と同様適応がないと思われていた 頭頸部の放射線抵抗性腫瘍の代表である 腺様嚢胞癌 悪性黒色腫の結果から 放射線抵抗性腫瘍にも 陽子線治療が有効で適応がある事が示された 特に 悪性黒色腫では 2002/1-7 の炭素イオン線の臨床試験 8 例の結果 (1 年 2 年生存率 75% 50% 1 年 2 年局所制御率 100% 100% 再発は 遠隔 5 両方 3 で 全身化した例では 救済治療にかかわらず 2 年以内に死亡 ) とも有意差が認められなかった ただ 骨肉腫などの陽子線治療の経験が少ない腫瘍にも有効かどうか今後の検討が必要である D. 静岡がんセンター 1 平成 16 年末に IRB 承認を受けた 前立腺癌陽子線治療の多施設共同第 Ⅱ 相試験 に参加 2 陽子線治療単独でまたはホルモン治療と併用して治療され 治療終了後 1 年以上経過した前立腺癌症例について早期の臨床効果を検討した 直腸粘膜炎の程度は Grade 0:64 Grade 1:20 Grade 2:2 で Grade3-4 の発生は認めなかった 3 陽子線治療単独で治療された非小細胞肺癌 Ⅰ 期初回治療症例 21 例 (T1:11 T2:10) について検討し 2 年生存率は 94% 2 年無病生存率は 57% であった 4 当院の脳神経外科 小児科と協力して 先進医療の枠組みのもとでの一般診療として 脳腫瘍ならびに小児の固形腫瘍に対する陽子線を実施し 線量集中性とそれによる高線量投与の効果を検討した E. 放射線医学総合研究所重粒子線治療患者数は 1994 年 6 月の臨床試験開始以来 2006 年 2 月までに登録された患者数は 2629 名 うち高度先進医療で治療された患者数は 666 名である このうち 2005 年 8 月までに登録された症例 つまり治療後 6 ヶ月以上経過した 2371 名について治療成績を解析した これらの症例は 主として従来法では制御が困難ながんが対象となっているが これまで通りの優れた抗腫瘍効 -3-
果が再確認された 副作用についても 従来の解析結果と同じく おおむね軽微なものが主体で 一部症例で線量増加に伴なう副作用が観察されている 1 頭頸部癌部位では鼻 副鼻腔腫瘍の進行癌 組織型では腺癌系 ( 腺癌 腺様嚢胞癌 ) および悪性黒色腫で良好な抗腫瘍効果が得られた ( 高度先進医療に移行 ) なお 悪性黒色腫は局所制御率こそ良好であるが 遠隔転移をさらに減少させる必要があると判断されたため 炭素イオン線と抗癌剤併用治療 を行っている 頭頸部の骨 軟部肉腫は上皮性腫瘍の線量では局所制御不良と判断され さらに線量増加を行い局所制御の向上を認めている これまでの総治療患者数は 300 名を超えた 2 前立腺癌局所進行癌に対する線量増加試験において 直腸および尿道の耐容線量はいずれも 66GyE/20 回 /5 週であり この線量は局所制御を得るために十分な量であることが分かった 現在 Ⅲ 度以上の障害は出現していないが局所再発を認めておらず Ⅱ 度以下の障害発生頻度の低下を目的に総線量を 63GyE として治療を行っている これまでの総治療患者数は 400 名を超えた 3 骨 軟部腫瘍対象として手術切除が困難な骨肉腫 脊索腫 軟部組織肉腫など 部位的には骨盤 傍脊髄腫瘍に対して 70.4GyE/16 回で良好な成績が得られた これまでの総治療患者数は 250 名を超えた 4 頭蓋底腫瘍 脈絡膜メラノーマ 直腸癌 ( 術後再発 ) いずれも 線量増加試験にて安全性が確認され 優れた局所効果が得られ 高度先進医療に移行した 5 肺癌手術非適応の早期肺癌 (Stage I) のなかでも肺野抹消型に対して 短期照射 (9 回 /3 週 および4 回 /1 週 ) の安全性が確認され その抗腫瘍効果も手術と同等あるいはそれ以上の成績が得られている 現在 さらに短期照射 (1 日 1 回で終了 ) を用いた第 I/II 相試験を実施中である この臨床試験が終了後に高度先進医療に移行する予定である これまでの総治療患者数は 350 名を超えた 6 肝癌他の治療法では制御困難な腫瘍に対して 照射回数と期間を 15 回 /5 週 12 回 /3 週 8 回 /2 週 4 回 /1 週 2 回 /2 日と減少させてきたが 重篤な有害反応は認められず 局所制御率も良好であった この結果に基づいて 2 回 /2 日の治療による高度先進医療に移行した これま での総治療患者数は 200 名を超えた 7 子宮癌局所進行性の扁平上皮癌に対しては 全骨盤照射に加えて局所限局照射を行なった結果 大腸 ( 主に S 状結腸 ) の耐容線量は 57.6~62.4GyE であることが分った またリンパ節への予防照射の線量としては 40GyE 程度 局所には 72GyE 程度が必要であることが明らかとなった (3) 各施設での技術面の分析 A. 兵庫県立粒子線医療センター 治療効率化 1) 治療スケジュールの効率化ビームエネルギーの最適化を進めた 陽子線治療のターゲットの深さの検討から 230,190,150MeV の使用が 210,150MeV の使用に変更され 約 30 分の短縮が達成された 炭素イオン線開始後は 標準測定を陽子線で 2 回 (210,150MeV) 炭素イオン線で 1 回 (320MeV) 計 3 回行っていたが 2005 年 3 月から 8 月までの 6 月間の 3 回の標準測定の変動を調べた結果 朝 1 回の標準測定で問題がない事がわかり 標準測定による治療室の占有を省略し 総治療時間の短縮となった 2) 治療装置の効率化粒子線治療施設では 複数の治療室に同時にビームは供給できず 1 室が終了してから他室にビームを供給する これをコース切り替えと称する 電磁石の安定精度の向上や照射終了時のビームの待期モード位置の見直しから コース切り替えは 5 分から1 分に 210MeV から 150MeV へのエネルギー切り替え時間は 14 分から 5 分に改善された 陽子線から炭素イオン線への核種切り替え時間は 23 分が 13 分となった 治療は 分割照射されるため 1 人の患者での治療回数は 最小 4 回から最大 37 回である 毎回治療台で 位置合わせが行われるが 同一の患者では 治療台に乗ってから照射位置に合うまでに各々特有のズレがある事が判明し 位置が合うまでの治療台の補正を寝台位置学習機能として開発したことで 位置合わせが容易になった 3) 保守管理の効率化装置の保守管理には 年間 45 日が必要であり その半分は 年末年始に連続して行っていた 長期の装置の停止は 停止前にすべての患者の治療を終了し 再開始後 一度に多くの治療を開始する事が必要で 一定期間 粒子線治療が提供できないことで 患者数の増加に大きな影響を与えていた 2003 年から 10 万個の部品からなる装置全体のデーターベースを作り その分析から 長期間の装置の停止をしないで 4-5 日の短期間の保守を 1-4-
月ないしは2 月に 1 度行うことを可能にした この事が治療数の増加を可能にしている B. 若狭湾エネルギー研究センタースポット スキャニング法の原理は磁場の強度を変えることによって 陽子線ビームを2 次元的に偏向させることに基づいている そこで 陽子線ビームを1 次元的に偏向させる方法として 1 組の反対方向の磁場を生成する磁石対の距離を変更することにより実現し 残りの一次元に対しては それら全体を回転させるもしくは患者ベッドを移動させる方法を検討した その結果 ネオジウム系永久磁石対の空間的配置の機械的変更によって直径 10cmの照射野が形成できることがわかった 4 倫理面への配慮本研究に置ける倫理面の配慮については 臨床データの使用でのプライバシー保護および被験者の尊厳を第一義に考え 情報ならびに使用の管理に努めている 特に 臨床試験については各施設での倫理審査委員会等の承認を得ているものとする 研究成果の刊行発表外国語論文 1. Akagi, T., Hishikawa, Y., et al., Scatter factors in proton therapy with a broad beam, Phys. Med. Biol., 51: 1919-1928,2006. 2. Nihei, K., Ogino, T., et al., High-dose proton beam therapy for stage I non-small cell lung cancer, Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys., 65:107-111,2006. 3. Nishio, T., Ogino, T., et al., Dose-volume delivery guided proton therapy using beam on-line PET system, Med. Phys., 33:4190-4197,2006. 4. Hashimoto, T., Tokuuye, K., et al., Repeated proton beam therapy for hepatocellular carcinoma, Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys., 65(1):196-202,2006. 5. Hata, M., Tokuuye, K., et al., Proton beam therapy for hepatocellular carcinoma with limited treatment options, Cancer, 107(3):591-8,2006. 6. Kanai, T., Kamada, T., et al., Examination of GyE System for HIMAC Carbon Therapy, International Journal of Radiation Oncology Biology Physics 64(2):650-656,2006. 7. Tsuji, H., Kamada, T., et al., Ten Years Experience of Carbon Ion Radiotherapy for Prostate,International Journal of Radiation Oncology Biology Physics 66(3):327-328,2006. 8. Ishikawa, H., Kamada, T., et al., Risk Factors of late rectal bleeding after Carbon Ion Therapy for Prostate Cancer, International Journal of Radiation Oncology Biology Physics 66(4) : 1084-1091,2006. 日本語論文 1. 菱川良夫 他 頭頸部がん領域の粒子線治療 頭頸部癌 32 332-336 2006. 2. 村上昌雄 菱川良夫 粒子線治療 1 陽子線 早期のがん治療法の選択 山田省吾 金原出版 2006. 3. 荻野尚 粒子線治療 臨床消化器内科 2006;21: 275-281 2006. 4. 中洲庸子 村山重行 他 静岡がんセンターの陽子線 治療 - 小児の脳 頭蓋底腫瘍に対するチーム医療 - 小児の脳神経 31 巻 3 号 :248-251 2006. 5. 山田滋 鎌田正 他 直腸癌局所再発に対する重粒子線治療 日本消化器外科学会雑誌 29(1):95-103 2006. 6. 赤倉功一郎 鎌田正 他 前立腺癌に対する重粒子線 ( 炭素イオン線 ) 治療 泌尿器外科 19(8):903-905 2006. -5-