第 回天文宇宙検定 級問題 解答 宇宙が膨張している という観測事実と相容れない主張はどれか 宇宙には始まりがあった 宇宙には中心がない 宇宙は無限の広がりをもつかもしれない 観測できる宇宙の大きさは 億光年である 宇宙が膨張していなければ 億年かかって光が届く距離は 億光年である 逆にいえば 宇宙が膨張している場合 億年かかって光が届く距離は 億光年ではありえない たとえば観測可能な最も古い ( 億年前の ) 事象である宇宙マイクロ波背景放射 ( 宇宙の晴れ上がり ) は 距離に換算すると約 0 億光年先である つまり観測可能な宇宙の広がりは 00 億光年を超えている! ただし その宇宙マイクロ波背景放射を放った場所は 億年前には 000 万光年ほどのところにあった すぐ目の前から出た光が 億年かかって ようやく今 観測されている そしてその場所は 今ははるか 0 億光年先にある 億光年 という距離は 膨張宇宙においては特段意味のある場所ではない 次の文の A B にあてはまる組み合わせとして正しいものはどれか 太陽表面に現れる黒点は周囲の光球より温度が A 磁場が B 領域である 太陽表面に現れる黒点は周囲の光球より温度が低く 磁場が強い領域である 太陽の自転に伴って表面を動いていき 縁へ近づくと黒点の暗部が見えにくくなり 半暗部が目立つようになる この現象をウィルソン効果と呼ぶ A: 高く B: 強い A: 高く B: 弱い A: 低く B: 強い A: 低く B: 弱い 小惑星探査機 はやぶさ の模型を作ることにした 金色に塗るべき場所はどこか 本体 アンテナ 太陽電池パネルの表 太陽電池パネルの裏 はやぶさ を含む宇宙探査機は強烈な太陽光 ( 熱 ) から本体を守るため ポリイミドという物質とアルミニウムを何層にも重ねた金色のシートを貼っている ( 金箔ではない ) ちなみに 太陽電池パネルは基本的に太陽の方を向いているので うらには このシートを貼る必要はない 大阪市立科学館 次の天体のうち 見かけの等級の数値が最も小さくなる天体はどれか 金星 火星 ベテルギウス 北極星 金星は最大で約 -~- 等 火星は約 - 等 ベテルギウスは約 0 等 北極星は約 等 等級は明るいほど小さい数値で表す
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 次のつのスペクトル図のうち ベガのスペクトルはどれか はベガのスペクトル はレグルス はアンタレス はカペラ 星間ガスの温度の高い順として 正しいものはどれか 惑星状星雲 > 超新星残骸 > 暗黒星雲 >HⅠ 雲 超新星残骸 > 惑星状星雲 >HⅠ 雲 > 暗黒星雲 HⅠ 雲 > 惑星状星雲 > 暗黒星雲 > 超新星残骸 暗黒星雲 > 超新星残骸 >HⅠ 雲 > 惑星状星雲 暗黒星雲が 0~0K 冷たい HⅠ 雲が 00K 暖かい HⅠ 雲が 000K 惑星状星雲が 万 K 以上 超新星残骸が 00 万 K 以上ある 残骸といえども超新星残骸は非常に高温で X 線も観測されるほどである あなたは宇宙初期に銀河をつくることにした 必要な材料の組み合わせで正しいものはどれか ダークエネルギー ゆらぎ ( 分布の濃淡 ) 水素ガス ダークマター ゆらぎ ( 分布の濃淡 ) 水素ガス ダークマター ダークエネルギー ゆらぎ ( 分布の濃淡 ) ダークマター ダークエネルギー 水素ガス 宇宙初期 ダークマターがわずかに濃い場所があり そこに水素ガスが集まって 初代の恒星が生まれ 銀河の赤ちゃんができたと考えられている 宇宙初期においてダークエネルギーは物質 ( ダークマター ) に比べてはるかにエネルギー密度が低く またその性質上 構造形成には役割を果たさなかった それぞれの天体観測の記録は何を表しているか 組み合わせで正 しいものを選べ A は 日本紀略 後編六で皆既日食を B は橘南谿の 望遠鏡観諸曜記 で望遠鏡で見た天の川を C は 宋会要輯稿 で 0 年の超新星爆発を表している A: 墨色のごとくにて光なし 群鳥飛乱し 衆星ことごとく現る あつまりさのう B: 細小の星数十百千聚て 紗嚢に蛍を盛ごとし C: 昼もあらわれて太白の如し 芒角四出し 色赤白 A: 皆既日食 B: 超新星 C: 天の川 A: 超新星 B: 天の川 C: 皆既日食 A: 天の川 B: 皆既日食 C: 超新星 A: 皆既日食 B: 天の川 C: 超新星
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 第三宇宙速度が 地球公転軌道付近での太陽重力からの脱出に必要な速度 ( 秒速 km) より小さいのはなぜか 宇宙に出れば無重力 ( 微小重力 ) になるから すでに地球の重力を振り切っているから 地球の公転速度を加算できるから ロケットを噴射できるから 第三宇宙速度 ( 約.km/s) は 地球表面から打ち出された物体が太陽系を脱出するために必要な最小の初速度のことである 地球公転軌道付近での太陽重力からの脱出に必要な速度は約 km/s だが 地球表面から打ち出された場合には 地球の公転速度 ( 約 0km/s) を加算できるため 脱出に必要な速度は約 km/s になる しかし 地球重力を振り切るための速度 ( 第二宇宙速度 ; 約.km/s) が必要なので 第三宇宙速度は km/s よりも大きな値 ( 約.km/s) となる なお 実際には ロケットの噴射もできるし 惑星重力 ( スイングバイ ) も利用できるので 第三宇宙速度より小さくても太陽系を脱出できる 0 次の用語のうち 系外惑星と関係がないものはどれか スーパーアース スーパーマーズ ホットジュピター ホットネプチューン スーパーアースは地球より大きな ( そしておそらく岩石質の ) 系外惑星 ホットジュピター ホットネプチューンはそれぞれ木星サイズ 海王星サイズの ( おそらくガス質の ) 系外惑星で親星のすぐ近くを公転しているものを指す 今年話題になった スーパーマーズ は 火星が地球に接近して明るく 大きく見えるということでマスコミが使った言葉で 学術用語ではない 0 宇宙の階層構造において サイズの大きい順に並んでいるものはどれか 銀河団 > 星団 > 銀河 > 大規模構造 銀河団 > 大規模構造 > 星団 > 銀河 大規模構造 > 銀河団 > 銀河 > 星団 星団 > 銀河団 > 大規模構造 > 銀河 サイズの順は 宇宙の大規模構造 銀河団 銀河 星団で 大きさはそれぞれ 億光年 00 万光年 0 万光年 0 光年の程度である 太陽が球状のガス体であることを表す現象はどれか 黒点 白点 粒状斑 周縁減光 太陽面全体を写した画像を見ると 中心領域は明るいが 周縁部では暗くなる現象を周縁減光効果といい 太陽が球状のガス体であることの証拠である もし 太陽が固体であれば 周縁部まで同じように明るくなる 東方最大離角について正しく描いている模式図は次のうちどれか は西方最大離角 は東矩 は西矩である こと座のベガ (0 等級 ) は おとめ座のスピカ ( 等級 ) よりおよそ何倍明るいか 0. 倍. 倍 倍 0 倍 等星と 等星を比べると 等級差で明るさが 00 倍違うので 等級差であれば 00 倍の 乗根のおよそ. 倍明るさが違う
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 質量が太陽の / 倍の主系列星がある この主系列星の光度は太陽の光度のおよそ何倍になるか /00 倍 /0 倍 0 倍 00 倍 主系列星の質量光度関係より 光度は質量の ~ 乗に比例する したがって 質量が太陽の / 倍の主系列星は 太陽の / ~/ 倍 =/~/ 倍の光度となる この中にあてはまる選択肢は /0 倍である 惑星状星雲と超新星残骸の共通点はどれか 赤色巨星が爆発してできる 中心に白色矮星がある ガスの密度が cm あたり 0 個くらいである 星の生涯の最期にできる 惑星状星雲も 超新星残骸も星の生涯の最期に形づくられるが 性質はまったく異なる 惑星状星雲は 中心星から比較的穏やかにガスが放出されてできたと考えられる 超新星残骸は 太陽質量の 倍以上の星が赤色巨星を経て爆発してできたものであり 惑星状星雲と比べて非常に高温である 写真の銀河 M のハッブルの分類はどれか E0 S0 SAa SBb M は おとめ座にある楕円銀河で 中心から長さ 000 ~000 光年のジェットが放出されている (M の直径は約 万光年 ) ハッブルの分類では 楕円銀河は E0~ E レンズ状銀河は S0 渦巻銀河は SAa~SAc 棒渦巻銀河は SBa~SBc(a~c の他に d m の添字が使われることもある ) という記号が当てられている ルベリエの予想に基づき ドイツの天文学者ガルレによって 年に発見された天体は何か 海王星 冥王星 小惑星ケレス ハレー彗星 この発見以前にも 海王星はガリレイやラランドも観測していたが 当時は恒星だと考えられた また イギリスではアダムスの予測に基づき チャリスが海王星を探索したが 度も観測していながら見逃している 現在では アダムスとルベリエとガルレの 人が発見者とされている 第二宇宙速度の説明で正しいのはどれか 地球を周回する軌道に乗るために必要な速度で およそ.km/s 地球の引力圏を脱出する速度で およそ.km/s 地球の重力を振り切り月に到達できる速度で およそ.km/s 太陽の重力を振り切り太陽系から脱出する速度で およそ.km/s は第一宇宙速度 は第三宇宙速度 月に到達するには第二宇宙速度で地球を離れた後 月の重力を利用してその周回軌道に入ればよい 0 次の図は 地球の植生の反射率を示している 反射率が急激に増加しているところ ( 破線で囲った部分 ) を何というか レッドエッジ オレンジエッジ グリーンエッジ ブルーエッジ 地球植物の葉緑体は 赤色領域の光を最もよく吸収する ( 補色の緑色をよく反射する ) したがって 地球の植生の反射率は 赤色で小さく 赤色の端付近で大きく増加する これをレッドエッジという もし太陽のような G 型星に系外惑星があって スペクトルにレッドエッジが見つかれば 植物の存在が期待される 0 現在考えられている宇宙の年齢はおよそいくらか 万年 億 00 万年 億年 兆 00 億年 ビッグバンから今日までの時間を宇宙の年齢としている 宇宙年齢は 宇宙背景放射の観測と宇宙膨張の測定から得られ 最近の観測 ( 欧州宇宙機関が打ち上げた人工衛星 プランク の観測 ) によると (. ± 0.) 億年 ( 約 億年 ) であるとされる
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 太陽の構造について 内側から外側へと正しく並んでいるものはどれか 中心核 彩層 光球 プロミネンス 放射層 対流層 彩層 コロナ 対流層 コロナ プロミネンス 光球 光球 彩層 コロナ プロミネンス 選択肢にある用語をすべて内側から並べると 中心核 放射層 対流層 光球 彩層 プロミネンス コロナとなる 次の図は 0 を中心 F と F を焦点とする惑星の公転軌道を示している ケプラーの第 法則によると 太陽はどこにあるか 惑星の公転軌道は楕円を描く 太陽はその楕円軌道の つの焦点に位置する もう つの焦点には特に何もない 次の HR 図中の A B C に属する恒星の説明として 間違っているものはどれか 恒星 A は白色矮星と呼ばれ 高温で半径が非常に小さい ( 地球程度 ) ために暗く見える 恒星 B は主系列星と呼ばれ 左上に行くほど高温になり明るくなる 星はその一生のうち 割以上を主系列星として過ごすため B に属する恒星の数が最も多い 恒星 C は赤色巨星と呼ばれ 低温で半径が大きい ( 太陽の数百倍 ) ため明るく見える 赤色巨星は 主系列星が膨張して半径が大きくなっているため 密度は小さい 褐色矮星は 主系列星の右下 ( 右端続き ) に位置する 恒星 A は恒星 C よりも半径が小さい 恒星 B は恒星 C よりも数が多い 恒星 C は最も密度が大きい 褐色矮星は HR 図上で恒星 B の右下に位置する 質量が太陽の 倍の主系列星がある この主系列星の寿命はどれくらいか なお 太陽の主系列星としての寿命はおよそ 00 億年である 0 億年 0 億年 0 億年 0 億年 主系列星の寿命は 質量の ~ 乗に反比例する したがって質量が太陽の 倍の主系列星の寿命は 太陽の寿命の / ~/ 倍 =/~/ 倍となる 太陽の主系列星としての寿命が 00 億年であるから この恒星の寿命は 00/~00/ 億年 =.~ 億年となる この中であてはまる選択肢は 0 億年である 銀河系内の散開星団と球状星団を比較したとき 正しいものはどれか 散開星団の方がサイズが大きい 散開星団の方が星の数が多い 散開星団の方が若い 散開星団の方が重元素が少ない 散開星団と比べて 球状星団の方が古い天体で 星の数が多く 重元素が少ない 散開星団 球状星団ともにサイズは ~0pc くらいである
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 構成銀河数が数百個 ~ 数千個で 約 000 万光年の広がりをもっている銀河の集まりはどれか 銀河群 銀河団 超銀河団 銀河連峰 代表例として おとめ座銀河団 かみのけ座銀河団が挙げられる 約 億光年の広がりをもち 複数の銀河群 銀河団を含む構造を超銀河団といい 超銀河団や銀河団 銀河群による網の目状の銀河の空間分布を宇宙の大規模構造という 平家物語 や 源平盛衰記 に記されている水島の戦いのさなかに起こった現象は何か 金環日食 流星群 超新星爆発 隕石の落下 水島の戦いのときには 食分 0. の金環日食が起こっている 平家は 朝廷から暦の情報を入手でき この日に日食が起こることを知っており 欠けていく太陽に恐れ混乱する源氏に対して有利に戦いを進めたとされる 次の図は宇宙環境の人体への経年影響を表したものである 図中の A B C D の線は何を表しているか 正しい組み合わせを選べ 無重力は心循環器 骨 筋肉 免疫系等に影響を及ぼす 顔のむくみ ( 体液シフト ) は数週間でおさまるが 骨 カルシウム代謝と放射線の影響は宇宙滞在期間とともに増加する ただし 累積被爆の影響は症状の出る十分手前で終わらせるため ISS の長期滞在は カ月に制約されている A: 赤血球量 B: 体液シフト C: 放射線影響 D: 骨 カルシウム代謝 A: 体液シフト B: 骨 カルシウム代謝 C: 赤血球量 D: 放射線影響 A: 赤血球量 B: 放射線影響 C: 体液シフト D: 骨 カルシウム代謝 A: 体液シフト B: 赤血球量 C: 骨 カルシウム代謝 D: 放射線影響 0 生物の材料であるアミノ酸には D 型と L 型がある 生体内部でのタンパク質合成では アミノ酸の型をどのように使っているか すべての生物が D 型だけを使っている すべての生物が L 型だけを使っている すべての生物が D 型も L 型も使っている 生物によって D 型だけを使ったり L 型だけを使ったりしている 地球生命において 片方のタイプのアミノ酸が使われている理由はまだ解明されていない 最近の研究で 偏光が D 型と L 型の合成に非対称性をもたらすことがわかってきたので これが理由につながるかもしれない 0 ブラックホールの説明として 間違っているものはどれか ブラックホールは周りに重力を及ぼすので 原理的にはそれを利用して観測できる ブラックホールは周囲にガスを集めて 円盤をつくる場合があり それが高温度になり電磁波を放出するので それを観測できる ブラックホールに落ちると 外に出てくることはできない ブラックホールは光も吸い込むので 真っ黒だからどこにあるかは絶対にわからない ブラックホールは 強い重力のために光さえも逃れることはできない しかし ブラックホールの影響で周りの星やガスを引きつけて ガス円盤やジェットを形成するので ブラックホールがどこにあるのか観測することができる プラージュとは 太陽のどこの活動領域か 対流層 彩層 コロナ 放射層 プラージュは 太陽の彩層の明るい領域で 黒点の周囲によく見られる 活動領域で複雑に交錯する磁場によって Hα 線などの光が発せられて明るくなっている
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 地球の公転速度が最も速くなるのは 公転軌道上のどこか 近日点 遠日点 春分点 秋分点 ケプラーの第 法則によると 太陽と惑星を結ぶ線分が単位時間に一定の面積を描くように 惑星が公転する つまり 惑星が ( この場合 地球が ) 太陽に最も近い点 つまり近日点で公転速度がもっとも速くなる 太陽が放射する光のうち 放射強度が最も大きい光の波長は何で決まるか 大気組成 表面温度 半径 地球との距離 太陽をはじめ 恒星の放射エネルギーは温度の関数で表わされる黒体放射で近似でき 最も強い波長も表面温度で決まり 半径や地球との距離には依存しない なお 大気組成により太陽 ( 恒星 ) のスペクトルには吸収線 ( 暗線 ) が現れるが 電磁波強度のピークに変化をもたらすほどの影響はない 次の 等星のうち 赤色巨星はどれか おおいぬ座のシリウス こと座のベガ わし座のアルタイル さそり座のアンタレス さそり座の心臓にあたるアンタレスが赤い色をしているのは よく知っているのではないだろうか 半径は太陽のおよそ 00 倍もある赤色巨星である 銀河系の場合 銀河の中心付近に恒星が集中しているため 太陽系と同様 中心から離れている場所では回転速度が遅くなると思われるが 実際には推定される速度より速くなっている それはなぜか 系外銀河の重力の影響を受けているから 銀河系の外から高速で恒星が突入しているから 銀河系の中心に巨大なブラックホールがあるから 銀河系内部の未知の物質が回転速度に影響を与えるから 銀河系にかぎらず 光や電波では見えないが重力を及ぼす物質 ( ダークマター / 暗黒物質 ) が銀河にあれば 銀河中心から離れた天体も より大きな重力を受けて回転速度が速くなることを説明できる しかし このダークマターが何なのかは まだわかっていない 宇宙の始まりの出来事として 正しい順に並んでいるものはどれか ビッグバン 宇宙の暗黒時代 インフレーション 宇宙の再電離 宇宙の暗黒時代 宇宙の再電離 ビッグバン インフレーション 宇宙の再電離 インフレーション 宇宙の暗黒時代 ビッグバン インフレーション ビッグバン 宇宙の暗黒時代 宇宙の再電離 宇宙の始まりは 何らかの確率的なゆらぎから時間と空間をもつものとして生まれ 急激に膨張し ( インフレーション ) そこからわずかな時間で火の玉状態 ( ビッグバン ) となり 水素などの通常物質やダークマターがつくられた その後 初代の星が輝くまでは宇宙に光を放つ天体は つもなく ( 宇宙の暗黒時代 ) 水素は電離されていなかったが 星が輝き始めると強い紫外線によってまわりの水素ガスを電離させていった ( 宇宙の再電離 ) と考えられる せんみょうれき宣明暦は 日本で最も長く使われた暦である 宣明暦が長く使われ ていたのはなぜか 宣明暦は 平安時代から江戸時代までの 年間一度も改暦されずに使われていた そのため 天象とのずれが 日に及んでいた 当の中国では 年間使われたのに対し 日本の暦学では独自の暦をつくるに至らず 長い間改暦されなかった 中国では改暦のたびに 戦乱が起こっていたから 宣明暦はグレゴリオ暦の一種で 世界で広く使われていたから 宣明暦は 朝廷や幕府などで使われ 一般に普及しなかったか ら 当時の日本は 独自に暦をつくる技術がなかったから
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 固体ロケットと比べたときの 液体ロケットの利点は何か 開発コストが小さい 大きな推力が得られる 燃焼の中断 再着火ができる 燃料を充填したまま長期保管ができる 以下の表のように 固体ロケットと液体ロケットの双方に利点と欠点がある 例えば H-ⅡA ロケットは液体水素と液体酸素を推進剤とした液体ロケットであるが 搭載重量に応じて固体補助ロケットを追加するなど 双方の利点を活用している 0 主系列星の周りに初めて見つかった系外惑星の観測手法はどれか ドップラー ( 視線速度 ) 法 トランジット法 直接撮像法 ハッブル法 ドップラー法は惑星の重力によって親星がわずかにふらつく動きを検出する観測方法 トランジット法は惑星が親星の前を通過するときにわずかに暗くなる食減光を検出する観測方法 直接撮像法は親星のごく近傍にいる暗い惑星を画像で直接捉える方法 その他に惑星の重力によって親星がわずかにふらつく位置ずれを検出するアストロメトリ法がある 最初に発見された Pegb は ドップラー法によって発見された ハッブル法は存在しない 0 ドレークの式で 宇宙文明の見積もり数が近年増加した大きな要因は何か 宇宙の年齢が正確にわかってきたこと 宇宙における暗黒物質やダークエネルギーの割合がわかってきたこと 太陽系外の惑星がたくさん見つかるようになったこと 人間の平均寿命が延びてきたこと 系外惑星の発見の他にも ドレークの式で示されている各要素の値が少しずつアップしていると考えられている なお はドレークの式の各要素とは直接関係しない 皆既日食の観測の際に発見され 当時太陽にしかないと考えられていた元素はどれか ヘリウム アルゴン ネオン キセノン 年の皆既日食の観測で 彩層にヘリウムによる輝線が発見された 当時は ヘリウムが太陽にしかないと考えられていたために 太陽神ヘリオスにちなんで ヘリウム と命名された 京都モデルによると 惑星はどのように誕生したと考えられているか 原始太陽系円盤の中の塵が集まって微惑星となり それらが衝突合体して惑星ができた 原始太陽系円盤の中のガスと塵が集まって原始ガス惑星となり その中で塵が中心部に沈殿して核をもつ惑星ができた 原始太陽が爆発した際に飛び散った物質が集まってできた 巨大な太陽フレアの衝撃波によってガスと塵が圧縮されてできた 現在考えられている太陽系形成の基本的なシナリオは 0 年頃に京都大学の林忠四郎が提唱した京都モデルが標準となっている は京都モデルに対抗する別のモデルによる考え方だが 現在では大まかなシナリオとしては京都モデルの方が有力だと考えられている HR 図の HR は何の略か ハッブルとライマン ハッブルとラッセル ヘルツシュプルングとライマン ヘルツシュプルングとラッセル HR 図を最初に提唱したのは ヘルツシュプルングとラッセルである 星の進化の道すじとして 間違っているのはどれか 原始星 褐色矮星 白色矮星 原始星 主系列星 白色矮星 主系列星 赤色巨星 ある程度質量をもった原始星は主系列星に進化するが 太陽質量の 0.0 倍に満たないものは やがて褐色矮星になる 太陽質量程度のものは 赤色巨星となった後 白色矮星になる
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 次の文の A B にあてはまる組み合わせとして正しいものはどれか 反射星雲は 通常 輝線星雲に比べると 温度の A 星の周囲に見られる これらの温度の A 星は ガスを電離するほどの B を出していないのである A: 低い B: 赤外線 A: 低い B: 紫外線 A: 高い B: 赤外線 A: 高い B: 紫外線 高温星は 多くの紫外線を放射する 紫外線はガスを電離するため 高温星の周りにガスが多く存在すると輝線星雲となる また 赤外線はガスを電離するほどのエネルギーをもたない そのため 反射星雲は温度の低い星の周囲に存在する 反射星雲が光るのは ガス中のダストが星からの光を散乱するためである そのとき 波長の短い光が散乱を受けやすいため 反射星雲は一般に青く見える したがって が正答となる 局部銀河群は 銀河系とアンドロメダ銀河 (M) を含む約 0 個の銀河からなる 以下の銀河の中で 局部銀河群に含まれていない銀河はどれか りょうけん座の M 銀河 ( 子持ち銀河 ) かじき座の大マゼラン雲 さんかく座の渦巻銀河 M アンドロメダ座の矮小楕円銀河 M の大マゼラン雲は銀河系の伴銀河 の M はアンドロメダ銀河の伴銀河で 局部銀河郡の銀河であることが明らか さんかく座の渦巻銀河 M は 局部銀河郡内で アンドロメダ銀河 銀河系に次ぐ 番目の大きな銀河である の M の距離は 00 万光年で 局部銀河群の外にある したがって正解は となる 小惑星探査機 はやぶさ に搭載された非化学ロケットはどれか イオンロケット 光子ロケット ラムロケット レーザーロケット 小惑星探査機 はやぶさ に搭載されたイオンロケットは イオン化した推進剤を電気や磁気の力で噴出するもので 推力は小さいが継続的に長期間の加速が可能である 光子ロケット ラムロケット レーザーロケットは実用化されていない 次の図は 主系列星のハビタブルゾーンを示している この図の縦軸は何を表すか 単位は太陽を とする 親星の半径 親星の年齢 親星の光度 親星の質量 ハビタブルゾーンは 水が液体で存在できる軌道領域を意味し 親星の光度 ( 質量や温度に依存 ) と親星からの距離で決まる 親星が主系列星の場合には 質量が大きいほど光度が大きく ( 質量光度関係 : 光度は質量のおよそ ~ 乗に比例する ) ハビタブルゾーンは親星から離れた位置に存在する 図の横軸を見ると グリーゼ c と地球は距離がおよそ 0 倍違う 惑星に届く親星からのエネルギーは 親星の光度に比例し 距離の 乗に反比例する したがってグリーゼ c に届くエネルギーが地球に届く太陽のエネルギーとほぼ等しいとすると グリーゼ c の親星の光度は 太陽の光度の 00 分の くらいでなければならない このことから 縦軸の数値は光度ではないことが判断できる また グリーゼ c の親星の縦軸の数値は太陽の / であるから これを質量とすれば 親星の光度は太陽の (/) ~(/) =/0~/00 となり 地球に届くエネルギーとほぼ等しくなる したがって縦軸は親星の質量であると判断できる なお 主系列星の半径は質量によってほとんど変わらないし 主系列段階では 年齢によって光度もあまり変わらない 0 0 太陽表面に現れる黒点数は 平均して何年周期で増減するか 年 年 0 年 0 年 黒点は 太陽表面へ磁力線が現れた場所である そのため 黒点数が多いときは 太陽の磁場活動も盛んである この太陽の活動周期は 年とされる
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 地球と水星の軌道を それぞれ半径 au と 0. au の円軌道とする 地球から水星まで 図に示すような楕円軌道で人工衛星を飛行させるとき 人工衛星の軌道長半径はいくらになるか 図より 軌道の長半径の 倍は +0.=. au となる 軌道長半径はこの半分なので が正解となる 0. au 0. au au. au 表面温度が等しく 半径が 0 倍違う つの恒星がある これらの恒星の絶対等級を比較した場合 半径の大きな恒星の絶対等級 M は 半径が小さな恒星の絶対等級 M と おおよそどのような関係にあるか M =M -0 M =M - M =M + M =M +0 光度 L は半径の 乗と表面温度の 乗に比例する 半径の大きな恒星の光度をL 小さな恒星の光度をL とすると 表面温度が等しいので L =L 0 =00L となり 半径の大きな恒星の方が 小さな恒星より00 倍明るい 明るさが00 倍明るければ 等級は 等明るくなり 明るいと等級の数値は小さくなるので が正答となる Ⅱ 型超新星爆発に関する記述として 間違っているものはどれか 中心部に中性子星やブラックホールが形成される おうし座のかに星雲は Ⅱ 型超新星爆発の残骸である 恒星内部で合成された重元素を宇宙空間にまき散らす働きをもつ 白色矮星が その限界質量 ( およそ太陽質量の. 倍 ) を超えたときに起こる は Ⅱ 型超新星爆発についての記述で正しい のかに星雲の中心部にはパルサー ( 高速自転する中性子星 ) が存在するので Ⅱ 型超新星爆発の残骸である は Ⅰ 型超新星爆発の記述であり したがって が正答となる なお Ⅰ 型超新星爆発の中心部には何も残らない 星団は星の進化の実験室と呼ばれることがある その理由と直接関係ないものはどれか 同じガスから生まれた星の集団である 同じ時期に生まれた ( 年齢がほぼ等しい ) 星の集団である 星団を構成する星までの地球からの距離がほぼ等しい 星団には散開星団と球状星団の 種類がある 星団の星を調べるとき 星をつくるガスの元素組成が同じであるかどうかは 星の進化に影響をあたえるため の 同じガスから生まれた ということは重要な情報である また 年齢が等しい ということは 同じ進化時間で 他の要素 ( 例えば質量など ) が進化にどのように影響を与えるかをその星団内だけで調べることができるし 他の星団と比較することより 様々な年齢の星のサンプルを得ることができるので 重要な情報である 距離が等しい という情報は 星団の距離を知る手がかりを与え 星本来の明るさ ( 絶対等級 または光度 ) を知ることができ 星の進化と星本来の明るさとの関係を知る重要な情報となる の 散開星団と球状星団の 種類がある ということも正しい記述であり 一般に散開星団は若く 球状星団は古い星団ということが知られているが 種類存在するということが 星の進化の情報を直接与えるものではないので が正答となる 宇宙膨張について 間違っているものはどれか ハッブルによって発見された 銀河の後退速度は 距離に比例して大きくなっていく 現在の宇宙膨張の速度は 加速していると考えられている 宇宙膨張は多くの銀河を描いた図を 拡大コピーで拡大していくことと同じと考えられる ~ は 宇宙膨張に関する正しい記述である が誤りであることは 次の理由による 銀河間の距離は 拡大コピーで宇宙膨張を正しく表現できているが 問題は銀河の大きさである 拡大コピーの場合 銀河の大きさも銀河間距離と同じ割合で拡大されていくが 実際の宇宙膨張では 銀河間の距離は大きくなっていくが 銀河そのものは大きくなっていかないからである 銀河は星の重力で引き合っており 宇宙膨張によって空間が拡大しても 重力のため銀河そのものは拡大されないためである 0
第 回天文宇宙検定 級問題 解答 気象衛星 ひまわり の軌道はどれか 太陽同期軌道 準天頂軌道 静止軌道 太陽周回軌道 気象衛星 ひまわり は 東経 0 度の赤道上空約 万 000km に位置する静止軌道をとる 静止軌道 太陽同期軌道 準天頂軌道はいずれも地球のまわりを周回するが 太陽周回軌道は地球の引力圏を脱出してしまう ( 例 : 小惑星探査機 はやぶさ ) 次の文の A B にあてはまる組み合わせとして正しいものはどれか 黒点の暗い部分を暗部 それを取り囲む少し暗い部分を半暗部という 黒点には暗い A と A を取り囲む B という部分がある A: 本影 B: 半影 A: 本影 B: 半暗部 A: 暗部 B: 半影 A: 暗部 B: 半暗部 次の画像の中で 惑星状星雲でないものはどれか 惑星状星雲は赤色巨星の外層が静かに宇宙空間に放出され 中心部には白色矮星が残る Hen Shapley キャッツアイ星雲の画像の中央には白い点 ( 白色矮星 ) が見える 中心部に白色矮星が存在することで これらが惑星状星雲であることがわかる かに星雲は おうし座にある超新星残骸で 中心部には かにパルサー と呼ばれるパルサーが存在する 超新星爆発は激しい爆発なので シェル状のガスが複雑に絡み合って見える 太陽の自転について 間違っているものはどれか 地球の自転方向と同じ方向に自転している 自転周期は 日ごとの黒点の位置の観測によって求めることができる 周する距離が短いため 赤道付近よりも極付近の方が自転周期は短い 太陽の赤道付近の自転周期はおよそ 日である は正しい記述 太陽の自転は 赤道付近の方が極付近より自転周期が短い差動回転になっているので が間違った記述となり 正答となる 0 太陽と同じ質量の星が原始星から主系列星になるときの経路はどれか なお グレーの太い実線は主系列星を表す 太陽質量程度の星が原始星から主系列になるときの経路は 主系列よりもかなり温度の低い ( 色指数の大きい ) 方から主系列になる したがって は間違い また 原始星の時代は赤外線で明るく輝いている ( 絶対等級が大きい ) ため 初期の段階では図中をほぼ垂直に光度を下げる したがって が正答で は間違いとなる