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試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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プレス発表資料 ( 公開振動実験実施のお知らせ ) 平成 26 年 1 月 7 日独立行政法人防災科学技術研究所 大規模空間に設置された吊り天井の脱落被害再現実験 独立行政法人防災科学技術研究所 ( 理事長 : 岡田義光 ) は 実大三次元震動破壊実験施設 (E- ディフェンス ) を活用した 学校施設における大空間建築物の実験研究プロジェクトを立ち上げました 本プロジェクトは 大規模災害発生時に避難拠点となり得る学校体育館等の大規模空間を有する建築物に取り付けられた天井等非構造部材の耐震安全性向上を目指すものです このプロジェクトの一環として 世界最大規模の天井面積を持つ体育館を模擬した試験体の加振実験を実施し 2011 年東北地方太平洋沖地震時に多数の施設で発生した吊り天井の脱落被害の再現を行います 1. 日時 : 平成 26 年 1 月 28 日 ( 火 )12 時 00 分受付開始 (12 時 30 分受付締切 ) 工程の都合上 実施時間が変更される場合があります 2. 場所 : 独立行政法人防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター 673-0515 兵庫県三木市志染町三津田西亀屋 1501-21 3. 内容 : 別添資料による 4. 本件配布先 : 文部科学記者会 科学記者会 筑波研究学園都市記者会兵庫県政記者クラブ 三木市政記者クラブ大阪科学 大学記者クラブ 大阪建設記者クラブ 取材を希望される場合は お手数ですが 別添の ご回答用紙 にて下記連絡先へ 1 月 20 日 ( 月 ) までに FAX でお申し込み下さい また 事前のご質問に関しては 所属 氏名 質問内容 回答先 (E メールアドレス FAX 番号 ) 等を明記の上 1 月 20 日 ( 月 ) までに下記連絡先に FAX 下さい 担当者 独立行政法人防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター研究員佐々木智大研究員青井淳研究員田川浩之 連絡先 独立行政法人防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター研究支援チーム TEL:0794-85-8211( 代表 ) FAX:0794-85-7994 1

大規模空間に設置された吊り天井の脱落被害再現実験 1. はじめに 大地震発生時の避難拠点となる学校体育館などの大規模建築物については 避難拠点として災害発生後も使用可能であり 災害発生後の余震にも耐えうる施設であることが求められています しかし 東日本大震災では本震に加えて最大震度 6 弱以上の余震が多数回発生し 学校体育館などでは柱脚の損傷やブレース材 ( 斜材 ) が折れ曲がるなどの構造部材の被害 および 天井材等の非構造部材や照明等の設備機器の落下被害等により 地震後の避難拠点としての機能を満たさない事例が報告されました 特に天井等の非構造部材の損傷 落下被害は 人命保護の観点から あってはならない事象であり 最優先で対策されるべき課題であるといえます 東北地方太平洋沖地震時に多数の施設で発生した天井脱落被害を受け 国土交通省では 平成 25 年 7 月に建築基準法施行令を改正 ( 平成 26 年 4 月施行 ) し 天井脱落防止対策を義務づけることとしました また 文部科学省では 学校施設における非構造部材の耐震対策の推進に関する調査研究 において 学校施設における天井等落下防止対策のための手引き の作成を行い これを活用して学校体育館などの天井等の総点検 対策を推進しています 防災科学技術研究所では 学校体育館などの天井落下被害軽減技術や対策の提案を行うことを目的とし 学校施設における大空間建築物の実験研究プロジェクト を立ち上げました 本プロジェクトは 学校体育館をモデル化した大規模空間を有する試験体の加振実験を実施し 大規模空間での地震被害の発生を引き起こす構造体と非構造部材の応答特性と天井の脱落被害メカニズムの解明を目指しています 2. 試験体概要 本プロジェクトでは 試験体の天井の組み合わせを変えた実験を計画しています ( 表 1) 今回公開する実験は最初に行うものであり 吊り天井の落下被害の再現を行い そのメカニズム解明を行うことを目的とした実験です 本実験で使用する試験体は 平面寸法 18.6m 30m の山形屋根を有する体育館を模擬した試験体です ( 図 1) この平面寸法は バスケットコート(28m 15m) ならば 1 面 バレーコート (18m 9m) ならば 2 面確保することが出来る大きさで 小中学校で使用される体育館とほぼ同等の大きさの試験体です E-ディフェンス震動台 (15m 20m) を大きく超える寸法の試験体で これまで実施してきた E-ディフェンス振動実験の試験体の中でも最大の平面寸法を有しています ( 図 2) 2

30m Y X 表 1 実験計画 実験時期主体構造天井 平成 26 年 1 月 2 月 純鉄骨造 柱 : 鉄骨造 屋根 : 鉄骨山形架構 H13 年よりも前に設計 施工された耐震対策されていない天井 大規模空間での地震被害の発生を引き起こす構造体と非構造体の応答特性と 天井の脱落被害のメカニズムの解明 H26.4 に施行される基準に準拠した耐震対策天井 新しい基準で設計された大規模空間における天井の安全性および耐震余裕度の検証 2 月の実験の詳細については別途お問い合わせください 9.1m 30m 6.3m 18.6m 平面図 正面図 側面図 図 1 試験体イメージ図と建設中の試験体 S1 Y1 3,100 Y3 Y2 3,100 3,100 3,100 18.6m Y4 Y5 3,100 Y6 3,100 Y7 1,000 X0 X1 X2 震動台 X3 制御室 X4 X5 バレーコート X6 1,000 X7 X00 バスケットコート 図 2 試験体の大きさ比較 3

試験体の柱および大梁には幅 200mm 高さ( せい )400mm の H 形鋼を 小梁には幅 248mm 高さ 124mm の H 形鋼を使用しています 今回の実験では 内部に設置された天井の動きを外側から確認できるように屋根は省略し 建物の動きが実物の体育館と同等となるよう 鋼材おもりを屋根面に調整して設置します 試験体内部には 屋根面と同じ勾配を有する吊り天井を設置します ( 図 3) 今回の公開実験で設置する天井は 揺れ止めのための斜め部材や周囲の壁との間に隙間 ( クリアランス ) を空けていない 平成 13 年度の国土交通省による技術的助言 ( 国住指第 357 号 芸予地震被害調査報告の送付について ( 技術的助言 ) ) よりも前の考え方で設計 施工された 耐震対策がされていない天井を想定して設計しています 天井仕上げは 9.5mm 厚さの石こうボードと 9mm 厚さの岩綿吸音板を組み合わせたものを 下地材は JIS 規格で規定されている 19 型軽量鉄骨下地材を使用し 既存の建物でも広く採用されている天井面としています 単位面積あたりの天井面質量は約 13kg です この天井面を 屋根面の梁に設置された母屋材 ( 屋根を支える部材で 幅 50mm 高さ 100mm の C 形鋼 ) に 吊り長さ 1.5m で w3/8 吊りボルトを使用してつり下げられた構造となっています 吊りボルトの間隔は 梁間方向 ( 短辺方向 ) には屋根に沿って 1.2m 桁行方向 ( 長辺方向 ) には 1m です 図 3 天井の各要素と寸法 ( 左上図 : 吊り天井を構成する部材 中図 : 屋根と天井の関係 ( 試験体断面図 ) 右下図 : 試験体の全体と天井配置イメージ ) 4

3. 入力地震動 2011 年東北地方太平洋沖地震の被害を再現するため 入力地震動としては 同地震において 震源から 170km 離れた宮城県仙台市宮城野区にて強震観測網 (K-NET) で観測された地震動 K-NET 仙台波 ( 震度 :6 強 ) を用います ( 図 4) 公開実験では この K-NET 仙台波のレベルを調整して入力する予定です 図 4 K-NET 仙台波 ( 左図 :K-NET 仙台波の加速度波形 右図 : 震源と観測点 (K-NET 仙台 ) の位置 ) 5

スケジュールと取材上の留意事項 (1) 公開実験スケジュール平成 26 年 1 月 28 日 ( 火 ) 12 時 00 分 : 受付開始 12 時 30 分 : 受付締め切り 13 時 00 分 : 事前説明 (1Fロビー) 14 時 00 分 : 公開実験 1 約 5 分間 ( 東北地方太平洋沖地震 K-NET 仙台波 ) 14 時 30 分 : 公開実験 2 約 5 分間 ( 東北地方太平洋沖地震 K-NET 仙台波 ) 16 時 00 分 : 記者会見 (1Fロビー) (2) 取材上の留意事項 工程の都合上 公開実験及び記者会見の予定時間が変更される場合があります 報道関係者専用席を設けます 実験棟南側 2 階中央付近でのビデオカメラ等の使用は各社 1 台とします 設置場所の周囲は他の見学者の見学場所となりますので係員の指示に従いカメラ設置をお願い致します 加振 5 分前からライト フラッシュ等は禁止です 安全には細心の注意を払っています 取材にあたっては 現場での指示に従って下さい なお この指示に従わない場合に発生した報道関係者の怪我 機材破損等の責任は負いかねますので ご了承下さい 当施設には 食堂売店が無く コンビニエンスストア等も近辺に有りません プレス用の部屋は特に用意しておりません 実験棟内では ヘルメットを必ず着用して下さい 6

交通のご案内 交通 電車をご利用の場合 神戸電鉄押部谷駅よりタクシーで約 10 分神戸電鉄緑が丘駅より神姫ゾーンバス防災公園線で約 15 分 ( 防災公園前下車 ) 神戸市営地下鉄西神中央駅よりタクシーで約 25 分新幹線新神戸駅よりタクシーで約 50 分 乗用車をご利用の場合 山陽自動車道三木東 I.C. より約 5 分施設近辺に駐車場を用意しております ( 施設内の駐車場は混雑が予想されるため ご利用出来ません ) 独立行政法人防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター (E- ディフェンス ) 673-0515 兵庫県三木市志染町三津田西亀屋 1501-21 Tel : 0794-85-8211( 代表 ) / Fax : 0794-85-7994 7

独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター研究支援チーム担当行き (FAX : 0794-85-7994) ご回答用紙 お手数ながら 1 月 20 日 ( 月 ) までにご回答お願い申し上げます 件名 : 大規模空間に設置された吊り天井の脱落被害再現実験の公開 1. 御社名 : 2. 御所属 : ふりがな 3. 御名前 : 4. 人数 : 5. 御連絡先 :(TEL) 6. その他 : (FAX) (e-mail) 8