中央写真 :2015 年 5 月 11 日日本語を母語としない家族のための子育て支援チーム ジャフォール での出前授業の様子 http://nihon5bousai.web.fc2.com/ppt20150511.html 右上 : 出前授業で外国人に配布している緊急用ホイッスル右下 :: 防災グッズを学ぶために作成した防災グッズカード http://nihon5bousai.web.fc2.com/cardgame.htm 左 :( 公財 ) 京都府国際センター発行外国人のための防災ガイドブックとイラスト http://www.kpic.or.jp/njfumin/livinginfo/saigai03.html 1
やさしい日本語 有志の会の活動について本年度 有志の会では 3 つの活動を柱にして活動しています 1. 外国人への防災教育 2. やさしい日本語 の普及活動 3. やさしい日本語 勉強会 2
近年の自然災害 2011 年 3 月 11 日東日本大震災による津波被害 2013 年 8 月 10 日台風 18 号による京都市右京区嵐山渡月橋桂川の氾濫 2014 年 8 月 20 日広島県広島市安佐北区 安佐南区豪雨による土砂災害 2014 年 9 月 27 日御嶽山 ( 長野県 岐阜県 ) 噴火 3
災害時に外国人が陥る状況 1. たとえば地震がまったくない国から来日する人もいます 知識や日本の災害時のシステムについての基礎知識がありません 2. 私たちが何気なく使っている災害時の言葉には難しい表現がたくさんあります 身の安全を確保する 安否を確認する 火の元を確認する 3. 自治会や町内会に入っていない人も多い 4. まだまだ外国籍住民に対する防災対策は手つかずの状況です 5. 災害時に出るのはほとんどが日本語だけというのが実情です 4
そこで考え出されたのが 弘前大学人文学部社会言語学研究室の佐藤和之教授が始められた やさしい日本語 研究会による やさしい日本語 です HP:http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ1a.htm (HP 右上のサイトマップが大変便利です ) 5
各地で やさしい日本語 は活用されています 弘前大学の HP より やさしい日本語 に対する社会的評価 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/ej8syakaitekihyouka.top.html やさしい日本語で外国人支援を行っているホームページへのリンク集 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/ejshien-link.html 6
2014 年 7 月 24 日毎日新聞 Web 版記事大阪市営地下鉄 構内アナウンスや案内表示 に やさしい日本語 ( 元データは Web ではすでに削除されています ) 2015 年 9 月 10 日 NTT ドコモ緊急速報 エリアメール に やさしい日本語 https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2015/08/26_00.html 2015 年 10 月静岡県焼津市で市職員用の外国人対応手引きを作成 http://mainichi.jp/articles/20151021/ddl/k22/040/053000c 2015 年気象庁 内閣府 観光庁 緊急地震速報 津波警報の多言語辞書 http://www.jma.go.jp/jma/press/1503/30a/eew20150330.html あと 勉強会では紹介できませんでしたが 大阪市の やさしい日本語 の取り組み一覧 http://www.city.osaka.lg.jp/templates/chonaikaigi/cmsfiles/contents/0000301/301859/ siryou120.pdf 愛知県では やさしい日本語 の手引き アイフォンのアプリを開発 ( 平成 25 年 2 月 28 日発表 ) http://www.pref.aichi.jp/0000059054.html NEWS WEB EASY http://www3.nhk.or.jp/news/easy/ 7
NHK では TV のニュースとリンクして外国人向けに やさしい日本語 でのニュースを配信音声や 元のニュース映像 辞書もついており 中級から上級の日本語学習者にはリアルタイムなニュースで日本語を学べる教材としておすすめです 多文化共生ポータルサイト やさしい日本語 の取り組み情報があります http://www.clair.or.jp/tabunka/portal/activity/index.html 弘前大学 やさしい日本語 研究会台風や大雨災害時に外国人居住者へ避難情報を伝え 注意喚起するためのクイックレファレンス (2015 年 9 月 ) http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/ej-taihuoamesaigai-new.html 近年の豪雨災害を受けて 研究会でまとめられたものです 7
2015 年気象庁 内閣府 観光庁 緊急地震速報 津波警報の多言語辞書 より やさしい日本語 への翻訳例行動だけでなく 理由が書いてあります 8
2015 年 9 月 28 日茨城県常総市鬼怒川堤防決壊時に外国人従業員に特別警報が出たことや堤防決壊で避難指示が出ていることを伝えず工場の納品を優先させたという記事 ( 配布資料 ) 日本人が情報を届ける工夫をすると同時に外国人が受け取った情報を理解し 正しい避難行動を取れるよう防災基礎知識を身に付ける必要があると考えます また 日常のコミュニケーションがあってこそ こうした情報提供はスムーズに行われます 9
そこで やさしい日本語 が 2015 年度に取り組んでいるのが外国籍住民のための 防災出前講座 です これまでは地域の日本語教室で防災教育を行ってもらうための啓発活動や資料 ツール開発などを行ってきましたが日本語教室に来ていない外国人も多いため外国人コミュニティを探してお話しし 実施をしています 10
何を教えているかですが ( 画面は一例です ) 1. 自然災害が起こったらどうなるか ( 地震 台風 水害 津波など行う地域によって取り上げる内容が変わります ) その時どう行動するべきか ( 地震 : テーブルなどの下に入る 火を消す ドアを開ける ) 2. 避難所とは何なのか 3. 災害に備える 言葉で伝えることが難しい場合が多いので 写真や動画を使います 写真 :e カレッジ http://open.fdma.go.jp/e-college/index.html 11
イラストも分かりやすいものを探して使っています 避難所については まったく知らない方も多いので 避難所とは何か 何があるのか いつ 行くか どこにあるか: 地域のハザードマップなどを入手してもらい 住んでいるところや職場 子どもの学校や保育園 避難所山や川の危険な地区などを確認してもらいます 12
災害に備える という行動に繋げることが大切と考えます なぜ 備えなければならないか ( 理由がわかれば行動に移しやすい ) 何を備えなければならないか ( 実物を持ち込み 触れると興味が沸く ) 減災グッズリスト ホイッスルの配布 ( 本年度は鍵などに付けることができるホイッスルを配布しています ) 防災グッズカードで日本人とグループワーク ( 外国人をサポートする日本人にも一緒に学んでもらえますし外国人がどんなことを知らないかがわかります ) 13
時間に制限があるので何より災害への備えに関心を持ってもらうことを出前講座の目標にしています 例えば災害時のスーパーの写真 ( 地震の揺れで店の品々が散乱している ) 数日後のスーパーの写真 ( すべてのものが無くなっています ) 配送が滞り この状態が数日 数週間続く可能性があることだから 今から必要なものを買っておく必要がある ということを説明し実物の防災グッズや防災グッズカードで勉強します 日本人とのグループワークで 実際に見たり 触ったり 防災グッズの名前やどのように使うのか どこに売っているのか いくらぐらいするのかといったことを勉強し日本人も外国人がどんなことを知っているのか 知らないのかがわかります 14
防災教育を やさしい日本語 でやることによって多くの外国人に基礎知識を持ってもらうことができると思います 15
講座ではできるだけその地域のハザードマップを使いますが日本人でも 初めて見る と言われる方や何も防災グッズを準備していないという方もあります 日本人も正確な防災知識を身に付ける必要があります また 文化の違いで 日本人の当たり前が通じない場合もよくあります 16
できれば さらに詳しい内容 その地域の内容をその地域の人たちによって教えてあげてほしいと思います 17