小児科 2015(408 担当 ) <Ⅰ> 小児科 <2015 年度 > 15-Ⅰ-66. 誤っているものを選べ a. くる病と甲状腺機能低下症では大泉門の閉鎖が早まる b. 体重は出生後 1 年で約 2 倍になる c. 手根骨の中心化骨の出現は10 歳まではほぼ年齢に沿う d. 乳児の体液量は体重の約 6 割である e. 身長は出生後五年で約 2 倍になる 解答 :a b d a) 大泉門の閉鎖遅延 : くる病 ダウン症 水頭症 甲状腺機能低下症早期閉鎖は小頭症 頭蓋骨癒合症 (STEP9) b) 約二倍になるのは 3-4 カ月後 1 年で 3 倍 (STEP6) c) 〇 1 歳で出現し 9 歳までは 満年齢 +1 個 12 歳で完成 (10 個 )(STEP10) d) 成人の体液量が 60% で 新生児は 75%, 乳児は 65% e) 〇レジュメでは 5 年で 2 倍 ステップと RB では 4 年で 2 倍と記載されている * 類題 14 年度 13 年度 身長は出生後 1 年で約 1.5 倍になる 1 年で約 50cm から約 75cm になる 手根骨の中心化骨の出現は年齢の約 2 倍である 生後二ヶ月までの哺乳行動は全て反射による 1 歳で出現して9 歳までは 満年齢 +1 個 12 歳で完成 (10 個 ) 12 年度 生後 6か月までの哺乳は全て反射による 4ヶ月まで 09 年度 成熟児の生下時身長は約 50cm である 成熟時の生下時体重は約 3000g である 生後 1~3 ヶ月の児の一日体重増加量は約 0~3 ヶ月までは 25~30g/day 20g である
15-Ⅰ-67. 6ヶ月の乳児 掻痒を伴う慢性の左右対称の湿疹が2ヶ月持続している この疾患について誤っているものはどれか a. 発症の要因として皮膚のバリア障害が重要である b. 皮膚炎の原因 悪化因子としての食物の影響は乳児期で大きい c. 皮疹は乳児期には顔面に多く 幼少期には四肢に多い d. 特異的 IgE 抗体の存在は診断に必須ではないが 有用な所見である e. 生後 1ヶ月頃の脂漏性湿疹が初発症状である 解答 :e 生後 2 6 ヶ月頃より始まることが多く 浸潤傾向の強い紅斑 鱗屑 ( りんせつ ) 漿液性丘疹 びらん 痂皮がみられます (STEP 小児科 P 15-Ⅰ-68. 2 才女児 上気道炎で受診した際に眼球結膜黄染を指摘され 精査依頼があった 眼瞼結膜に軽度貧血が見られる リンパ節腫大は認められない 父親も健康診断で軽度貧血を指摘されている この疾患で当てはまるものひとつ選べ a. 一過性赤芽球減少症が疑われる b. 直接 Cooms 試験陽性 c. 網赤血球が低下する d. 脾腫を認めない e. 伝染性紅斑の感染に注意が必要解答 :e 伝染性紅斑を引き起こすヒトパルボウイルス B19 は赤芽球前駆細胞内で増殖し 赤芽球を破壊するため 溶血性貧血や遺伝性球状赤血球症を基礎にもつ児では重篤な貧血症状を呈することがある (STEP 小児科 P160) 15-Ⅰ-69. 消化器疾患と症状の組み合わせとして誤っているものひとつ選べ a. ロタウイルス- 灰白色便 b. カンピロバクター - 血性水様便 c. 潰瘍性大腸炎 - 粘血便 d. 腸重積 -タール便 e. Meckel 憩室 - 出血 ( 血便?) 解答 :d 腸重積症は 乳幼児 (4 ヶ月 2 歳 ) に最も多く 回盲部に好発する タール便にはならない 15-Ⅰ-70. 下記の文章で正しいものを 1 つ選びなさい
a. 新生児とは生後 28 日未満のことである b. 正期産は 36 週 ~42 週である c. 胎外で生活できるのは 24 週以降である d. 低出生体重児は 2000g 未満である e. 極低出生体重児は 1000g 未満である 解答 :a a. b. 正期産は 37 週以降 42 週未満 (37 41 週 ) c. 胎外で生活できるのは 22 週以降 d. 低出生体重児は 2500g 未満 e. 極低出生体重児は 1500g 未満 超低出生体重児が 1000g 未満 <Ⅳ> 15-Ⅳ-1.28 週 0 日 1200g 出生体重 出生後 多呼吸 陥没呼吸 伸吟を認めた 胸部 X 線画像を示す 誤りを選べ (IRDS) a. 呼吸困難の原因は肺サーファクタントの欠如である b. 診断にはマイクロバブルテストが有用である c. 前期破水 子宮内感染が発症増悪因子である d. 治療は人口サーファクタントの気管内投与である e. 治療後に動脈管開存症の悪化に注意する 解答 :c(irds) abd: その通り c:irds のリスクは在胎 32 週以前の早産児 母体糖尿病 帝王切開による出生 e.rds の早産 低体重出生児に人工サーファクタント投与を行うと高頻度に動脈管開存症を生じる サーファクタント投与により低酸素状態が改善すると動脈管を介する左 右短絡が急増し左心系に容量負荷が加わり呼吸不全 心不全を招くことがある 15-Ⅳ-3. 2800g で出生 妊娠中に発熱 発疹 耳頸部リンパ節腫脹のエピソード有 4 か月 で心雑音を指摘された 関係のないものを選べ a. 眼底検査
b. 心エコー c. 聴力検査 d. 血液培養 e. 頭部 MRI 解答 :e( 先天性風疹症候群 ) a. 眼症状 ( 白内障 小眼症など ) を調べるため b. 心奇形 ( 動脈管開存症 心室中隔欠損症など ) を調べるため c. 感音難聴を調べるため d. 風疹 IgM 抗体価を調べるため e. 必要ない 15-Ⅳ-4.( 皮膚科の問題ではないか??) アトピー性皮膚炎に用いる外用薬を 2 つえらべ a. ステロイド軟膏 b. タクロリムス c. サリチル酸ワセリン d. イソコナゾール e. 活性化 Vit.D3 軟膏解答 :a,b a. ステロイド外用が第一選択 b. タクロリムスなどの免疫抑制薬を含有した軟膏により治療方針の幅が広がってきている 15-Ⅳ-5. 新生児マススクリーニングで フェニルアラニン 35 兄はフェニルケトン尿症 親への説明で不適切なものはどれか a. 兄と同じ病気の可能性 b. フェニルアラニン制限食で 知能低下を防げる c. 尿検査でケトン体が陽性になる d. ガーゴイル顔貌 e. メラニンが欠乏するので色白になる 解答 :d( フェニルケトン尿症 ) d.hurler 症候群 ( ムコ多糖症 Ⅰ 型 ) に特徴的である 15 Ⅳ 6 小児科生後 4 ヶ月の乳児 健診で著明な肝腫大を指摘された 頚定がみられず あやしても反応に乏しい 母乳栄養であるが 身長 体重ともに増加が不良で平均値より 2.5SD のレベルにある
この病気の診断を進めるためにまず行うべきことはどれか a. 直ちに肝臓の病理検査を行う b. このまま経過観察し 1 か月後の再受診させる c. 生下時からの身長 体重 胸囲 頭囲の成長曲線を調べる d. 染色体検査 (G バンド ) を行う e. 復元できず 解答 :a( 糖原病 Ⅰ 型 ) a. 糖原蓄積やグルコースー 6-ホスファターゼ低下を証明する b. 低血糖予防のため食事回数を増やすよう指導を開始する c. 低身長と皮下脂肪蓄積が特徴なので胸囲 頭囲を調べる必要はない d. 染色体で診断する疾患ではない 15-Ⅳ-7 全身性エリテマトーデスについて誤っているものを選べ a. WBC 低下 b. 抗 dsdna 抗体上昇 c. 赤沈亢進 d. CRP 亢進 e. 血清補体価低値解答 :d d.crp などの急性期タンパク質の上昇が見られないことがしばしばあり その陰性所見が SLE を疑う所見となる 15-Ⅳ-8 8 歳女児 咽頭痛と発熱を主訴に近医受診 感冒といわれていた 翌々日夕方より戦慄を伴う 39 台の発熱を認めたため NSAIDs を服用 翌日朝には解熱した しかし 同日夕方より再び 39 台の発熱と関節痛 上腕 頚部を中心とした発疹が生じたため 再び近医を受診 抗菌薬を処方され内服したところ翌朝に解熱した しかしその後も夕方に発熱翌朝に解熱というエピソードが 10 日間以上持続したため 精査目的に当院紹介受診 血液データ WBC 14800 CRP14.2 ESR105 診断として最も適切なものは a. 若年性皮膚筋炎 b. シェーグレン症候群 c. 全身型若年性特発性関節炎
d. 全身性エリテマトーデス e.pfapa 症候群 解答 C 全身性若年性特発性関節炎について ( レビュー book 小児 257) 16 歳未満に発生する慢性関節炎である 全身型 (still 型 ) と関節型 ( 多関節型 小関節型 ) に分類される 全身型では発症初期に軽度な場合が多いので 今回は全身型であると考えられる 関節外症状として 弛緩熱 ( スパイク型高熱 ) サーモンピンク皮疹 全身リンパ節腫脹 肝脾腫 漿膜炎 ( 心外膜炎 胸膜炎など ) がある 検査所見では RF 血清フェリチン上昇 WBC 上昇 (SLE との DD) 赤沈亢進 CRP 上昇 補体正常 (SLE との DD) 治療の第一選択は NSAIDs であるが 抵抗性の全身型ではステロイドパルス療法 関節型ではメトトレキセート投与を行う 15-Ⅳ-9 Wisskott-Aldrich について誤っているものを選べ a. 汗のナトリウム濃度は正常 b. 補体は正常である c. 好中球は正常である d. 血小板数 容積の減少 e. 免疫グロブリンの低下 解答 a WASP 遺伝子異常 ( 好中球 リンパ球 血小板の細胞骨格に異常をきたす ) に起因して易感染性 出血傾向 湿疹を三徴とする X 連鎖劣性遺伝である 主に T 細胞系の障害により細胞性免疫不全を起こすが B 細胞系の障害による液性免疫不全も伴う [ 類似 ] 13-Ⅳ-10 6 か月男児 難治性の湿疹 血便を訴えて当院に来院した 中耳炎の反復も見られる 原発性免疫不全と考えられる 当てはまるものを選べ a 補体の低下 b 好中球の減少 c 汗のナトリウム濃度上昇 d 血小板数 容積の減少
e 免疫グロブリンの低下答え d ( e)( Wisskott-Aldrich 症候群 ) e 免疫グロブリン低下をきたすものは重症複合型免疫不全症 X 連鎖性無ガンマグロブリン血症 (Bruton 型 ) 乳児一過性低 γ-グロブリン血症など複数存在する Wisskott- Aldrich 症候群に関しては IgM は低下するが IgG 正常 IgA と IgE 上昇が見られる そのため これらをトータルすると免疫グロブリンが低下するとは限らない 15-Ⅳ-10 2 歳 6 ヶ月の男児 発熱と吸気性呼吸困難を認めた CRP は高値を示し 好中球優位の白血球上昇を認めた 誤っているものを 2 つ選べ a. thumb print sign b. steeple sign c. Hib が原因 d. 気管切開と挿管の準備 e. β2 刺激薬を使う 解答 b e 問題文の 好中球優位の白血球上昇 から 主にインフルエンザ菌が原因である急性喉頭 蓋炎である ( 急性声門下喉頭炎の原因はパラインフルエンザウィルスです ) 15-Ⅳ 11 ワクチンについて a. 生ワクチンは細胞性免疫と局所免疫を誘導する b. 生ワクチンは不活性より安価 c. 生ワクチンの副反応は24から48 時間以内 d e. 不活化ワクチンは追加の接種が必要 解答 d?? a b c d??
e ( 複数回必要 ) 15-Ⅳ 12 髄膜炎について a 脳圧亢進であっても早期診断確定のために髄液検査をすべき b 日本では HSV の定期接種がある ( 義務化?) c 重積てんかん発作でベンゾジアゼピン系は禁忌である d 乳幼児は a 群溶連菌と大腸菌が高頻度 e 髄膜炎の発症初期にけいれんが見られても予後不良ではない 解答 e 参考以下の解答より [ 類似問題 ] 13-Ⅰ-69 髄膜炎について正しいものを選べ a. 髄膜炎にけいれんを合併しても予後には関係ない b.( 復元失敗 ) c. 新生児期は A 群溶連菌 大腸菌が多い d. 髄膜炎菌ワクチンは定期接種である e. 頭蓋内圧亢進が疑われるが 髄液検査を行う 解答 :b? a. けいれんは髄膜炎全体の 20-30% に出現する 発症から 4 日以内のけいれんは予後に影響しない それ以後も持続すると予後不良 ( レジュメ ) b.( 復元失敗 ) c. 新生児期髄膜炎の起炎菌といえば大腸菌と B 群連鎖球菌 d. 髄膜炎菌は 6-50 歳に好発する髄膜炎の起炎菌として有名なので 小児科で出るのは少し謎ですし 調べた限りでは定期接種には含まれません ( ちなみに 7 歳までの定期接種としては Hib 小児用肺炎球菌 四種混合 BCG MR DP HPV があります ) e. 禁忌 15-Ⅳ-13 発疹を伴うウィルスについて正しいものを 1 つ選べ a. 伝染性紅斑の原因ウィルスは骨髄内の赤血球系細胞で増加する
b. ワクチンにより百日咳 ジフテリアは日本でほとんど発生しない c. 突発性発疹は口腔内のコプリック斑が特徴的である d. 水痘を起こす原因ウィルスは高齢者で帯状疱疹を起こす e. 手足口病はすべての発疹が痂皮化していたら感染が消失したと考えてよい 解答 ad 共に丸で削除問題になる (by 堤教授 ) 15-Ⅳ-14 生後 3 か月 1 週間前から噴水状嘔吐 体重減少にて来院 確定診断のために行うべきこと 一つ a. 注腸造影 b. 腹腔穿刺 c. 腹部 CT d. 腹部エコー e. 腹部 MRI 撮影 解答 d( 肥厚性幽門狭窄症 ) 腹部エコーで doughnut sign を認める 15-Ⅳ-15 生後 3 ヶ月の男児 チアノーゼ 心雑音と低酸素発作で来院 今は雑音はおさまり チア ノーゼが強くなっている 対応として誤っているのはどれか a. 触らず何もしない b. 酸素投与 c. 輸液 d. モルヒネ e.β 遮断薬 解答 a( 無酸素発作 ) 無酸素発作に対する治療として 胸膝位 酸素投与 モルヒネ 輸液 炭酸水素ナトリウ ム静注 フェニレフリン静注 β 遮断薬静注などがある 15-Ⅳ-16 先天性心疾患について正しいものを 1 つ (2 つ?) 選べ
a. 酸素投与で肺血管抵抗が低下する b. ダウン症では先天性心疾患が少ない c. 右左シャントでは 保温で ( 体温を上げることで?) 症状改善する d. ASD において B-T シャント術を行う e. PDA がないと生存不可能な疾患がある 解答 a.e a. 肺動脈は酸素化により拡張し 肺血管抵抗は低下する b. ダウン症では AVSD や VSD などの心奇形を合併することが多い (40~50%) c. 消去法で d. BTshunt の対象疾患は TOF PA TA e. 体循環が PDA 依存 (CoA HLHS) 肺循環が PDA 依存 (PA TA TOF Ebstein 病 ) 動静脈血混合が PDA 依存 (TGA) 15-Ⅳ-17 次のうち誤りを 1 つ選べ a. 再生不良性貧血 免疫抑制剤 b. 遺伝性球状赤血球症 脾摘 c. 血小板無力症 免疫抑制剤 d. X 連鎖重症免疫不全症候群 造血幹細胞移植 e. バーキットリンパ腫 化学療法 解答 c 類題 12-4-19 疾患と治療の組み合わせで誤っているものはどれか a) 再生不良性貧血 免疫抑制療法 b) 遺伝性球状赤血球 脾摘 c) 血小板無力症 免疫抑制療法 d) 重症先天性好中球減少症 造血幹細胞移植 e) 復元なし答 c
a) 〇造血幹細胞移植の適応の無い重症例に免疫抑制療法が適応となります b) 脾摘により溶血 貧血は改善する ただし 赤血球は球状のままである c) 出血時や外科手術前の血小板輸血などの対症療法が中心です Ⅳ-18 次のうち正しい組み合わせを選べ a 神経芽細胞腫-NSE b wilms 腫瘍 -CA-19 c 骨肉腫-EWS/ERG d Yolk-sac-tumor-AFP e 絨毛癌-CEA 解答 a 類題 14-Ⅳ-22(11-Ⅳ-5 10-Ⅳ-5 類問 ) 次のマーカーで間違っているものを1つ選べ (a) 胚細胞腫 -β-hcg (b) 神経芽細胞腫 -NSE (c) Willms 腫瘍 -VIA (d) ユーイング肉腫 -EWS/ERG (e) 肝芽腫 -AFP 解答 :c 11-Ⅳ-5 10-4 5 類題 a) 胚細胞腫の一部ではβ hcg 産生による性早熟がみられる 病気が見える婦人科 P426 b) NSE のほか カテコラミンなど ( 神経芽細胞腫は現在では神経芽腫と呼ばれる )STEP 小児科第 3 版 P317 c) 特異的腫瘍マーカーはないが レニンやエリスロポイエチン値の上昇をみることがある STEP 小児科第 3 版 P321 d) ユーイング肉腫でよく見られるキメラ遺伝子に EWS/FLI1(85%) 次いで EWS/ERG ( 10 % ) があり 細胞遺伝学 分子生物学的なマーカー http://www.shouman.jp/details/1_5_40.html 小児慢性特定疾病情報センター e) 肝芽腫は 95% 以上で AFP が高値を示す STEP 小児科第 3 版 P322
* 類問 11 年度神経芽細胞腫 MYCN ウィルムス腫瘍 NSE Yolk sac tumor AFP 絨毛がん β-hcg Ⅳ-19 溶血性尿毒症症候群の病原微生物は何か? a. 黄色ブドウ球菌 b. 腸炎ビブリオ c. サルモネラ d. カンピロバクター e. 赤痢 解答 e 赤痢菌のうち S.dysenteriae type1 の産生する毒素を志賀毒素といい 腸管出血性大腸菌の 産生するベロ毒素 1 型とほとんど同じ構造と機能を持つ どちらも HUS を起こす 15-Ⅳ-21. 小児の身長に関して正しいものを選べ a) 成長ホルモン分泌不全性低身長症候群では 出生児は正常である b) 成長ホルモン分泌不全性低身長症候群では 手の骨の数の成長は促進する c) 先天性甲状腺機能低下症では 手の骨の数の成長は促進する d) ターナー症候群では 最終身長は正常である e) 思春期早発症では 最終身長は正常である 解答 :a) b) 骨年齢は遅延する (STEP 小児科 p214) c)b) と同様に骨年齢は遅延する (STEP 小児科 p218) d) 最終身長は低くなる (STEP 小児科 p69) e) 不相応な成長加速と骨年齢亢進がみられるが 骨端線早期閉鎖により低身長を招く (STEP 小児科 p229) 15-Ⅳ-23 3 歳 2 ヶ月の女児 主訴 : 発熱 嘔吐 不機嫌 復元不十分 発熱が出現した頃より 両耳下部の腫脹 嘔吐 不機嫌が出現したため 近医を受診した 項部硬直を認めた 髄液検査は細胞数 1058( 増加 )( 単核球 多核球 ) 蛋白 糖 であ
った a) インフルエンザ菌による細菌性髄膜炎 b) 髄膜炎菌による細菌性髄膜炎 c) ムンプスウイルスによる無菌性髄膜炎 d) エコーウイルスによる無菌性髄膜炎 e) 結核性髄膜炎 解答 :c) 多核球 ということで細菌性の a) と b) は否定される 次に耳下腺の腫脹 発熱 項部硬直があるため ムンプスウイルスによる無菌性髄膜炎が疑われる したがって c) が正解となる 15-Ⅳ-24 1 歳 1 ヶ月の男児 妊娠 分娩歴に特記すべきことなし 既往歴 :? を食べた後に発疹が見られた 現病歴 : 生後 8 ヶ月頃から 強い啼泣時にチアノーゼ 全身性けいれんが見られるようになった 間欠期は元気である 検査所見 : 血液検査 CT 心臓エコー検査 脳波検査で異常を認めなかった この症例で考えられる疾患において正しいのはどれか 1つ選べ a) 好発年齢は 3~6 歳である b) この発作型は白色発作である c) この発作は迷走神経が刺激されることによっておこる d) 鉄欠乏性貧血との関連が指摘されている e) 予後は良好である 解答 :e) 憤怒痙攣の問題 憤怒痙攣は小児だけみられる特異な発作である 泣き入りひきつけとも呼ばれる 怒りや痛みなど 種々の刺激によって急に呼吸停止に陥り 顔面チアノーゼや蒼白 意識消失 筋の弛緩状態を来すものである 発作により脳障害を残すことはなく 一般的に予後は良好で 6 歳ころになると消失する (STEP 小児科 p391~p392)
a) 生後 6 か月 ~1 歳 6 か月に発症し 1~2 歳ころに発作頻度が高い b) 発作型は青色発作 青色発作は急に激しく泣いたまま 最後の呼気で呼吸が止まり チアノーゼを起こして意識を喪失するもの 一方 白色発作は突然の呼吸停止が起こり 意識を失うもので チアノーゼを伴わない c) 迷走神経が刺激されることとは関係ない d) 鉄欠乏性貧血との関係もない 15-Ⅳ-25 次の中から正しいものを選べ a) 広汎性発達障害 ( 自閉症スペクトラム ) の男女比は 1 対 1 である b) 広汎性発達障害 ( 自閉症スペクトラム ) の主症状は対人的相互反応の欠陥である c) チック障害は 注意欠陥多動障害や自閉症スペクトラムの二次障害である d) 注意欠陥多動障害の治療の第一選択は薬剤療法である e) 復元失敗 解答 :b) a) 男 : 女 =4:1 で男子のほうが多い b) 自閉症は広汎性発達障害の 1 つであり 対人的相互反応における質的な障害 意思伝達の質的な障害 限定された反復的で常同的な興味や活動 という 3 つの特徴をもつ病態である したがって b) は正しい c) 注意欠陥多動障害の二次障害 うつ病 対人恐怖症 自閉症 不安症 自閉症の二次障害 不安症 対人恐怖症 d) 治療は薬物療法ではなく 心理社会的支援から行う 15-Ⅳ- 不明 8 歳女児 発熱 咽頭痛で近医受診し総合感冒薬を内服し翌日解熱 翌朝再び 39 度の発熱 翌々日には頸部 首に発疹 関節痛が出現 再び近医受診し抗菌薬内服し翌朝発熱と発疹は消失 しかし翌日から 39 度の熱 発疹が 10 日間続いてため紹介受診 診断は? a) 若年性皮膚筋炎 b) 復元失敗 c) 復元失敗 d) 若年性特発性関節炎 e)sle 解答 :d) 2 週間以上続く弛張熱が見られる また 発症 6 か月以内に 1~4 か所の関節に限局する関
節炎が見られる これより若年性特発性関節炎の少関節型が疑われる 少関節型は持続型と進展型の 2 つに分かれるが 今回は全経過を通して 4 関節以下の関節炎であるため 持続型となる a) 皮膚筋炎に特徴的な皮膚症状 ( ヘリオトロープ疹 頬部紅斑 四肢伸側の隆起性紅斑 Gottron 徴候 ) が見られず また筋症状が見られないため 可能性は低いと考えられる e) 汎血球減少 低補体血症 ( 小児 SLE の診断基準にあり 成人 SLE の基準にはない ) など特徴的なことが問題文に書かれていないから 可能性は低い 15-Ⅳ-3. 先天性風疹症で調べない検査は何か?1 つ選びなさい a) 血液ウイルス抗原検査 b) 心エコー c) 眼底検査 d) 聴覚検査 e) 頭部 MRI 解答 :e) 先天性風疹症候群の三徴は眼症状 ( 白内障 網脈絡膜炎 緑内障 角膜混濁 小眼症 ) 心奇形 ( 動脈管開存症 心室中隔欠損症 肺動脈狭窄症 ) 感音難聴である 以上より b) c) d) は正しい また 母体に風疹感染の可能性があった場合は 風疹 IgM 抗体価 (HI 抗体 ) を測定すると HI 抗体価が 512 倍以上を示す また ペア血清で抗体価が 4 倍以上の上昇を認めた場合は感染があったとする これより a) は正しい ( 復元でウイルス抗原は誤りでウイルス抗体と思われるが )e) は明らかに間違いなので 今回答えを e) とした この他に復元されなかった問題にミトコンドリア脳筋症の問題があったと思われます 慢性進行性外眼筋麻痺 (Kearns-Sayre 症候群 ) MELAS MERRF Leigh 脳症について 基本的なことが聞かれていました 詳しいことまでは覚える必要はないでしょう その他に復元されなかった問題に例年出題されている脳室周囲白質軟化症 (PVL) につ いての問題があったと思われます 過去問と選択肢もほとんど一緒であったので確認をお 願いいたします